以下、本発明の各実施形態について図面を用いて説明する。なお、以下の各装置は、装置毎に、ハードウェア構成、又はハードウェア資源とソフトウェアとの組合せ構成のいずれでも実施可能となっている。組合せ構成のソフトウェアとしては、予めネットワーク又は記憶媒体から対応する装置のコンピュータにインストールされ、対応する装置の機能を実現させるためのプログラムが用いられる。
始めに、本明細書中における選択的複製システムの前提となる用語や概要等を説明する。図1は本発明の各実施形態に係る選択的複製システムの構成を示す模式図である。
この選択的複製システムは、情報媒体を一元系統管理して選択的に複製するための情報管理サーバ装置100と、利用者に関する情報を一元管理するための利用者管理サーバ装置200と、一元系統管理された情報媒体から選択した複製を得るための複数の情報媒体制御装置3001〜300mとが互いに通信可能な構成となっている。
ここで、各情報媒体制御装置3001〜300mのうち、任意の情報媒体制御装置を「情報媒体制御装置300」と表す。また、説明の便宜上、1台の情報管理サーバ装置100と、m台の情報媒体制御装置3001〜300mとを別々の装置として述べるが、これに限らず、図2に示すように、任意の1台の情報媒体制御装置300が情報管理サーバ装置100を含む構成としてもよく、あるいは図3に示すように、2台以上m台以下の任意の台数iの情報媒体制御装置300が情報管理サーバ装置100のn個の機能(但し、i≦n)をそれぞれ分担して実行する構成としてもよい。
図3に示す変形例においては、i台の情報媒体制御装置300には情報管理サーバ装置100の機能を1個ずつ分担してもよく(i=nの場合)、あるいは、i台の情報媒体制御装置300のうちの少なくとも1台には、情報管理サーバ装置100の2個以上の機能を分担してもよい(i<nの場合)。
また、n個未満のF個の機能ブロック(例、図11中の各部101〜106)がn個の機能をもつ情報管理サーバ装置100を分散配置する場合には、i台の情報媒体制御装置300がF個の機能ブロックをそれぞれ分担して実行する構成としてもよい(但し、i≦F)。
なお、i=Fの場合及びi<Fの場合は、それぞれ前述したi=nの場合及びi<nの場合における「機能」を「機能ブロック」と読み替えればよい。
以上をまとめると、図3は、2≦i≦F<nの関係に基づき、情報管理サーバ装置100のn個の機能又はF個の機能ブロックをi台の情報媒体制御装置300に分担させてもよいことを表している。
利用者管理サーバ装置200は、利用者の利用者ID情報に利用者の氏名、役職、部署といった利用者情報を関連づけて書き込まれる利用者管理DBと、利用者ID情報を含む利用者情報要求を受けると当該利用者ID情報に関連づいた利用者情報を情報媒体制御装置300に送信する機能と、を備えている。
ここで、情報媒体とは、電子データ又は物理媒体(紙媒体、記録メディア等)の如き、「情報を保有する媒体」を意味している。記録メディアとしては、例えば、CDROM、DVD、SDカード、FD等が使用可能となっている。
これに伴い、各情報媒体制御装置3001〜300mは、電子データを入力可能な装置であれば実現可能であり、例えば利用する情報媒体に応じて、携帯電話、PC(Personal Computer)、デジタル複合機、プリンタ、コピー機・スキャナ、シュレッダ、マイクロフィルム読取機、DVD読取機、マルチドライブといった様々な装置として実現され、情報管理サーバ装置100に連携して動作する。
このような選択的複製システムでは、前述した情報媒体を個体識別するためのユニークな管理ID(Identification)を付与し、管理IDに基づいて情報媒体の作成・廃棄、相互関係性(系統や媒体種別)、媒体利用に関する状況を情報原本に紐付けて一元系統管理する。
情報媒体が電子データの場合、選択的複製システムでは、当該電子データを、管理IDを含むファイル形式の電子ファイルに変換する。変換後の電子ファイルを管理ファイルと呼ぶ。
管理ファイルは、対象となる情報の電子データ本体に加え、管理IDや属性情報を含むヘッダ情報、利用制御ポリシ、本管理ファイルに対する認証情報が含まれている。管理ファイルは、図4に構成例を示すように、ヘッダ部、利用制御ポリシ部、ボディ部、データ認証部を備えている。
ヘッダ部は、当該電子データの管理ID、親情報媒体の管理ID、世代番号、媒体種別、ファイル情報、ファイル格納情報、情報管理サーバ情報を備えて構成される。但し、ヘッダ部の構成はこれに限定されない。
親情報媒体の管理IDとしては、例えば、電子データをコピーした際の元電子データの管理ID、電子データを印刷して紙媒体を出力した際の元電子データの管理ID、紙媒体をスキャナで電子データ化した際の紙媒体に付与された管理IDが用いられる。
世代番号は、本管理システムへ最初に登録された管理ファイルを起点として、当該管理ファイルが親、子、孫と管理された系統関係で何世代目にあたるかの世代数値である。例えば、親にあたる管理ファイルの世代番号を1とすると、その複製にあたる子情報媒体の世代番号が2、さらに子情報媒体の複製にあたる孫情報媒体の世代番号は3となる。但し、世代番号の表現形式はこれに限定されない。
ファイル情報は、当該電子データのファイル形式、ファイルサイズ、当該電子データの作成者情報、作成日時情報及び作成場所情報を含んでいる。
ファイル格納情報は、ボディ部に格納された当該電子データ本体を暗号化しているか否かを示す情報を含み、暗号化している場合には、その暗号アルゴリズム、暗号鍵及び暗号モジュールに関する情報を更に含んでいる。
情報管理サーバ情報は、情報管理サーバのMACアドレスやIPアドレス、URI、認証データ部を検証するための情報である。認証データ部を検証するための情報として、暗号鍵情報や当該鍵に関する暗号鍵証明書を格納する形態でもよい。
利用制御ポリシ部には、当該電子ファイルの利用可能期限、利用可能な場所・組織等の開示範囲情報、ネットワーク環境、利用者や利用可能な機器情報、利用回数など、当該電子データの利用条件に対する、許可又は禁止する当該電子ファイルの処理を記載した、利用制約に関する利用制御ポリシ情報が格納される。
ボディ部には、当該電子データ自体、又は当該電子データに暗号処理を施した暗号化データが格納される。
データ認証部には、ヘッダ部、利用制御ポリシ部及びボディ部に対して、情報管理サーバ装置が暗号処理を施した認証データ情報が格納される。データ認証情報として、DSA(Digital Signature Algorithm)、RSA(Rivest-Shamir-Adleman Scheme)、ECDSA(Elliptic Curve DSA)といった公開鍵暗号を用いた電子署名や、ハッシュ関数や共通鍵暗号を用いたMAC(Message Authentication Code)を利用可能である。
以上が本明細書中におけるシステムの前提となる用語や概要等の説明である。係るシステムを示す「選択的複製システム」という名称は、例えば「複製管理システム」、「情報ライフサイクル管理システム」、「情報資産管理システム」などのように、適宜変更してもよい。また、名称内の「情報」、「文書」及び「資料」は互いに置換可能である。
以下、このような選択的複製システムの各実施形態を順次説明するが、その前に、各実施形態を拡張ないし一般化した形態について述べる。
<第1の実施形態を拡張ないし一般化した形態> [複写(紙→紙)]
図5は本発明の第1の実施形態を拡張ないし一般化した形態に係る選択的複製システムの構成を示す模式図である。この選択的複製システムは、互いに通信可能な情報管理サーバ装置100及び情報媒体制御装置(紙媒体複製装置)310を備えている。
ここで、情報管理サーバ装置100は、管理DB105a、制御部104a及び要求受付部101aを備えている。
管理DB105aは、データ原本管理テーブル1056a及び系統管理テーブル1052aを記憶している。なお、各テーブル1056a,1052aは、データ相互の関連付けが同一であれば、一つのテーブルにまとめてもよく(適宜、まとめた場合に該当無しの項目のデータにはnull値を入れればよい)、又は別々のテーブルに分けてもよい(例えば、データ原本管理テーブル1056a及び系統管理テーブル1052aの一部(1行目)を1つのテーブルとし、系統管理テーブル1052aの他の一部(2行目以降)を他の1つのテーブルとしてもよい)。このように、データ相互の関連付けが同一であれば、各テーブルを一つにまとめてもよく又は別々に分けてもよいことは、他の全てのテーブルでも同様である。
データ原本管理テーブル1056a及び系統管理テーブル1052aの一部(1行目)は、原本データに関し、管理ID、実体ID及び電子データ本体を関連付けて記憶するためのものである。
系統管理テーブル1052aの他の一部(2行目以降)は、原本データから順次複製された紙媒体に関し、管理ID毎に、当該紙媒体及び原本データ並びに当該原本データの各々に対して利用者の複製可否を示すポリシ情報、及び原本データの管理IDを関連付けて記憶するためのものである。ここで、利用者の複製可否とは、少なくとも複製依頼者による複製可否を意味しており、所望により、複製配布先に対する複製依頼者による複製可否をも意味してもよい。このことは、以下の各形態におけるポリシ情報でも同様である。
制御部104aは、以下の各機能(f104a-1)〜(f104a-3)をもっている。
(f104a-1) 複製対象の紙媒体を示す管理IDと、複製元として当該紙媒体又は原本データを選択した複製元選択情報と、利用者情報とを含む複製要求を要求受付部101aから受けると、当該複製要求内の管理IDに関連するポリシ情報を系統管理テーブル1052aから読み出す機能。
(f104a-2) 読み出されたポリシ情報と、複製要求内の利用者情報とを照合し、複製元選択情報で選択された紙媒体又は原本データに対する複製可否を判定する機能。
(f104a-3) 原本データに対する判定結果が複製可の場合、管理DB105aを参照して複製要求内の管理IDに関連する原本データの管理ID及び実体IDに関連する電子データ本体を読み出し、当該電子データ本体を複製してなる複製データに新たな管理IDを付与して原本複製データを生成する機能。
要求受付部101aは、情報媒体制御装置310から受けた複製要求を制御部104aに送出する機能と、制御部104aにより生成した原本複製データを情報媒体制御装置310に送信する機能と、紙媒体に対する判定結果が複製可の場合、新たな管理IDを情報媒体制御装置310に送信する機能とをもっている。
一方、情報媒体制御装置310は、利用者情報入力装置315a、スキャナ部319a、印刷制御部318a、制御部312a及び通信部314aを備えている。
利用者情報入力装置315aは、図示しないICカード等の携帯装置に格納された利用者情報を制御部312aに入力する機能をもっている。ここで、利用者情報は、少なくとも複製依頼者情報を含んでおり、所望により、複製配布先情報をも含んでもよい。このことは、以下の各形態における利用者情報でも同様である。
スキャナ部319aは、複製対象の紙媒体から読み込んだイメージデータを印刷制御部318aに送出する機能をもっている。
印刷制御部318aは、スキャナ部319aから受けたイメージデータから抽出した管理IDを制御部312aに送出する機能と、制御部312aから受けた新たな管理IDを当該イメージデータに付与して紙媒体複製データを生成する機能と、制御部312aから受けた原本複製データ、又は当該生成した紙媒体複製データを印刷出力する機能とをもっている。
制御部312aは、利用者情報入力装置315aから入力された利用者情報と、印刷制御部318aから受けた管理IDと、図示しない選択部から複製元として当該紙媒体又は原本データを選択した複製元選択情報と、を含む複製要求を通信部314aから情報管理サーバ装置100に送信する機能と、情報管理サーバ装置100から通信部314aにより受信した新たな管理ID又は原本複製データを印刷制御部318aに送出する機能とをもっている。
以上のような構成によれば、利用者の複製可否を示すポリシ情報に基づいて原本データの複製可否を判定し、複製可の場合、複製要求内の管理IDから原本データの管理IDを介して原本データの電子データ本体を読み出す構成により、原本データの管理IDに基づく読み出しによって複製画像の劣化の場合の不都合を阻止できると共に、複製可否のポリシに応じて原本データが重要部分を含む場合の不都合を阻止でき、ある複製から原本データと同じ品質の複製を得ることができる。
例えば、管理ID“#1001201”の紙媒体を読み込んだ場合であっても、複製元選択情報にて原本データを選択し、利用者情報がポリシ情報を満たすものであれば、管理DB105aを参照して管理ID“#1001201”の原本データの実体IDに関連する電子データ本体を複製して複製データを得ることができ、この複製データに基づいて、新たな管理ID“1002202”の原本複製データを印刷出力できる。
また、所望により、複製元として原本データを複製せず、複製対象の紙媒体を選択した場合には、紙媒体のイメージデータを用いることから複製画像の劣化の場合の検索に関する不都合を回避すると共に、複製可否のポリシに応じて紙媒体が重要部分を含む場合の不都合を阻止しつつ、紙媒体複製データを印刷出力することができる。すなわち、本明細書中の選択的複製システムは、複製元の選択に応じて、原本データの複製データ又は複製からの複製データを選択的に出力できるため、所望の品質の複製を得ることができる。
<第2の実施形態を拡張ないし一般化した形態> [印刷(電子データ→紙)]
図6は本発明の第2の実施形態を拡張ないし一般化した形態に係る選択的複製システムの構成を示す模式図である。この選択的複製システムは、互いに通信可能な情報媒体制御装置(印刷制御装置)320及び情報管理サーバ装置100を備えている。
情報媒体制御装置320は、管理DB326b、制御部325b、通信部324b及び印刷制御部327bを備えている。
管理DB326bは、原本データと当該原本データから順次複製された電子データ本体との各々に関し、管理ID及び電子データ本体を関連付けて記憶するものである。ここで、電子データ本体を記憶することは、電子データ本体を含む管理ファイル実体を記憶することを含んでいる。すなわち、電子データ本体を記憶することは、電子データ本体を含む管理ファイル実体を記憶することを拡張ないし一般化したものであり、これは他の一般化実施形態でも同様である。同様に、管理DBが○○データを記憶することは、管理DBが○○データを含む管理テーブルを記憶することを含んでいる。すなわち、管理DBが○○データを記憶することは、○○データを含む管理テーブルを記憶することを拡張ないし一般化したものであり、これは他の一般化実施形態でも同様である。
制御部325bは、複製対象の電子データ本体を示す管理IDと、複製元として当該電子データ本体又は原本データを選択した複製元選択情報と、利用者情報とを含む複製要求を通信部324bから情報管理サーバ装置100に送信する機能と、情報管理サーバ装置100から通信部324bにより受信した新たな管理IDと複製要求内の管理IDに関連する管理DB内の電子データ本体とを印刷制御部327bに送出する機能とをもっている。
印刷制御部327bは、制御部325bから新たな管理ID及び電子データ本体を受けると、当該新たな管理IDを当該電子データ本体に付与して複製データを生成する機能と、生成した複製データを印刷装置400に出力する機能とをもっている。
一方、情報管理サーバ装置100は、管理DB105b、制御部104b及び要求受付部101bを備えている。
管理DB105bは、原本データと当該原本データから順次複製された電子データ本体との各々に関し、管理ID毎に、当該電子データ本体及び原本データ並びに当該原本データの各々に対して利用者の複製可否を示すポリシ情報、及び原本データの管理IDを関連付けて記憶する系統管理テーブル1052bを記憶している。
制御部104bは、以下の各機能(104b-1)〜(104b-3)をもっている。
(104b-1) 情報媒体制御装置320から要求受付部101bを介して複製要求を受けると、当該複製要求内の管理IDに関連するポリシ情報を管理DBから読み出す機能。
(104b-2) 読み出されたポリシ情報と、複製要求内の利用者情報とを照合し、複製元選択情報で選択された電子データ本体又は原本データに対する複製可否を判定する機能。
(104b-3) 判定の結果が複製可の場合、新たな管理IDを要求受付部101bから情報媒体制御装置320に送信する機能。
要求受付部101bは、情報媒体制御装置320から受けた複製要求を制御部105bに送出する機能と、制御部105bから受けた新たな管理IDを情報媒体制御装置320に送信する機能とをもっている。
以上のような構成によれば、第1の実施形態を拡張ないし一般化した形態の作用効果と同様に、管理ID“#1001201”の電子データ本体の複製を要求した場合であっても、複製元選択情報にて原本データを選択し、利用者情報がポリシ情報を満たすものであれば、管理DBを参照して管理ID“#1001201”に関連する電子データ本体に新たな管理IDを付与して複製データを得ることができ、この複製データに基づいて、新たな管理ID“1002202”の原本複製データを印刷出力できる。
<第3の実施形態を拡張ないし一般化した形態> [スキャナ(紙→電子データ)]
図7は本発明の第3の実施形態を拡張ないし一般化した形態に係る選択的複製システムの構成を示す模式図である。この選択的複製システムは、互いに通信可能な第1情報媒体制御装置(スキャナ装置)330、第2情報媒体制御装置340及び情報管理サーバ装置100を備えている。
第1情報媒体制御装置330は、利用者情報入力部335c、スキャナ部338c、制御部332c及び通信部334cを備えている。
利用者情報入力部335cは、図示しないICカード等の携帯装置に格納された利用者情報を読み出して制御部332cに入力する機能をもっている。
スキャナ部338cは、複製対象の紙媒体から読み込んだイメージデータを制御部332cに送出する機能をもっている。
制御部332cは、スキャナ部338cから受けたイメージデータから管理IDを抽出する機能と、当該抽出した管理IDと、利用者情報入力部335cから入力された利用者情報と、図示しない選択部から複製元として当該紙媒体又は原本データを選択した複製元選択情報と、図示しない入力部から入力した私書箱IDとを含む複製要求を通信部334cから情報管理サーバ装置100に送信する機能とをもっている。
情報管理サーバ装置100は、管理DB105c、制御部104c及び要求受付部101cを備えている。
管理DB105cは、系統管理テーブル1052c、データ原本管理テーブル1056c及び私書箱管理テーブル1057cを記憶している。
データ原本管理テーブル1056cの一部(1行目)及び系統管理テーブル1052cの一部(1行目)は、原本データに関し、管理ID、実体ID及び電子データ本体を関連付けて記憶するためのものである。
系統管理テーブル1052cの他の一部(2行目以降)は、原本データから順次複製された電子データ本体に関し、管理ID毎に、当該電子データ本体及び原本データ並びに当該原本データの各々に対して利用者の複製可否を示すポリシ情報、原本データの管理ID及び複製元選択情報を関連付けて記憶するためのものである。
データ原本管理テーブル1056cの他の一部(2行目)及び系統管理テーブル1056cの更に他の一部(4行目)は、原本データから順次複製された電子データ本体に関し、当該系統管理テーブル1056c内の管理IDに対し、当該電子データ本体及び実体IDを関連付けて記憶するものである。
私書箱管理テーブル1057cは、第2情報媒体制御装置340に対応する私書箱IDと、複製された電子データ本体を示す管理IDとを関連付けて記憶するものである。
制御部104cは、以下の各機能(f104-1)〜(f104-6)をもっている。
(f104-1) 複製対象の紙媒体から読み込んだイメージデータと、当該イメージデータから読み込んだ当該紙媒体を示す管理IDと、複製元として当該紙媒体又は原本データを選択した複製元選択情報と、利用者情報と、私書箱IDとを含む複製要求を第1情報媒体制御装置から要求受付部を介して受けると、当該複製要求内の管理IDに関連するポリシ情報を系統管理テーブル1052cから読み出す機能。
(f104-2) 読み出されたポリシ情報と、複製要求内の利用者情報とを照合し、複製元選択情報で選択された紙媒体又は原本データに対する複製可否を判定する機能。
(f104-3) 原本データに対する判定結果が複製可の場合、新たな管理IDに対し、当該原本データから複製した電子データ本体に対して利用者の複製可否を示すポリシ情報、原本データの管理ID及び複製元選択情報を関連付けて記憶するように系統管理テーブル1052cを更新する機能。
(f104-4) 紙媒体に対する判定結果が複製可の場合、新たな管理IDに対し、当該紙媒体から複製した電子データ本体としてのイメージデータに対して利用者の複製可否を示すポリシ情報、原本データの管理ID及び複製元選択情報を関連付けて記憶するように系統管理テーブル1052cを更新すると共に、系統管理テーブル1052c内の新たな管理IDに対し、当該イメージデータ及び実体IDを関連付けて記憶するようにデータ原本管理テーブル1056c及び系統管理テーブル1052cを更新する機能。
(f104-5) 原本データ又は紙媒体に対する判定結果が複製可の場合、新たな管理IDを複製要求内の私書箱IDに関連付けて私書箱管理テーブル1057cに書き込む機能。
(f104-6) 私書箱IDを含む私書箱確認要求を第2情報媒体制御装置340から受信すると、この私書箱IDに基づいて、私書箱管理テーブル340内の管理IDと、当該管理IDに対応する選択元複製情報及び実体IDに関連する電子データ本体とを要求受付部101cから第2情報媒体制御装置340に送信する機能。
要求受付部101cは、第1情報媒体複製装置330から受けた複製要求を制御部104cに送出する機能と、第2情報媒体複製装置340から受けた私書箱確認要求を制御部104cに送出する機能と、制御部104cから受けた管理ID及び電子データ本体を第2情報媒体制御装置340に送信する機能とをもっている。
一方、第2情報媒体制御装置340は、管理DB346c、制御部345c及び通信部344cを備えている。
管理DB346cは、原本データから順次複製された電子データ本体に関し、管理ID及び当該電子データ本体を関連付けて記憶するためのものである。
制御部345cは、私書箱IDを含む私書箱確認要求を通信部344cから情報管理サーバ装置100に送信する機能と、私書箱確認要求に応じて情報管理サーバ装置100から通信部344cにより受信した管理ID及び電子データ本体を管理DB346cに書き込む機能とをもっている。
以上のような構成によれば、第1の実施形態を拡張ないし一般化した形態の作用効果と同様に、管理ID“#1001201”の紙媒体を読み込んだ場合であっても、複製元選択情報にて原本データを選択し、利用者情報がポリシ情報を満たすものであれば、管理DBを参照して管理ID“#1001201”の原本データの実体IDに関連する電子データ本体を複製して複製データを得ることができ、この複製データに基づいて、新たな管理ID“1002201”の原本複製データを第2情報媒体制御装置に配布できる。
また、管理ID“#1002201”の紙媒体を読み込んだ場合であっても、複製元選択情報にて当該紙媒体を選択し、利用者情報がポリシ情報を満たすものであれば、複製要求内のイメージデータに基づいて、新たな管理ID“1002202”の複製データを第2情報媒体制御装置に配布できる。
<第4の実施形態を拡張ないし一般化した形態>[複製元を任意の複製から選択可能]
図8乃至図10は本発明の第4の実施形態を拡張ないし一般化した形態に係る選択的複製システムの構成を示す模式図であり、図8が第1の実施形態を拡張ないし一般化した形態の変形例に対応し、図9が第2の実施形態を拡張ないし一般化した形態の変形例に対応し、図10が第3の実施形態を拡張ないし一般化した形態の変形例に対応する。
すなわち、第4の実施形態を拡張ないし一般化した形態は、第1〜第3の実施形態を拡張ないし一般化した形態の変形例であり、複製元を原本データ又は所有する複製のいずれかを選択する場合に限らず、複製元を原本データと所有する複製との間の所望の複製を指定して選択する場合に対応する。
具体的には、第4の実施形態を拡張ないし一般化した形態は、第1〜第3の実施形態を拡張ないし一般化した形態の複製元選択情報に代えて、原本データと当該原本データから順次複製された電子データ本体との各々に関し、複製元として当該各々のうちのいずれかの電子データ本体又は原本データの管理IDが選択的に指定された複製元選択IDを用いている。
また、情報管理サーバ装置100の制御部104a〜104cは、系統管理テーブル1052a〜1052c内の管理IDに関連付けて、複製要求内の複製元選択IDを当該系統管理テーブル1052a〜1052cに書き込む機能と、複製要求に先行して系統情報要求を受けると、系統管理テーブル1052a〜1052c内の管理ID及び複製元選択IDを含む複製系統情報を当該系統情報要求の送信元に返信する機能とを更にもっている。
以上のような構成によれば、複製要求を送信する前に系統情報要求を情報管理サーバ装置100に送信し、折り返し、情報管理サーバ装置100から受けた複製系統情報に基づいて、所望の複製元の管理IDを示す複製元選択IDを含む複製要求を情報管理サーバ装置100に送信できるので、第1〜第3の実施形態を拡張ないし一般化した形態の作用効果に加え、所望の複製元の電子データ本体を複製することができる。
以上が第1〜第4の実施形態を拡張ないし一般化した形態の説明である。次に、第1〜第4の実施形態を拡張ないし一般化した形態に種々の任意の付加的事項を付加して詳細化した第1〜第4の実施形態を順次説明する。
<第1の実施形態> [複写(紙→紙)]
図11は、本発明の各実施形態に係る選択的複製システムの構成を示す模式図であり、図1に示した構成のうち、1台の情報管理サーバ装置100と、任意の1台の情報媒体制御装置300とを示している。なお、本実施の形態では、情報媒体制御装置300のうち、デジタル複合機や複写機といった、操作パネルを有し、紙文書から紙文書を複写する機能を有する機器を情報媒体制御装置310として扱う。
ここで、情報管理サーバ装置100は、管理要求受付部101、情報管理制御部102、ポリシ評価部103、情報管理DB制御部104及び情報管理DB105を備えている。
なお、各部は、受けた情報をそのまま送出する場合などには、適宜、一体化又は省略して構成してもよい。例えば、管理要求受付部101及び情報管理制御部102は、受けた情報をそのまま送出する場合などには一体化又は省略してもよい。また、受けた情報をそのまま送出する場合などに各部を適宜一体化又は省略してもよいことは、他の装置及び以下の各実施形態でも同様である。
ここで、管理要求受付部101、情報管理制御部102、ポリシ評価部103及び情報管理DB制御部104は、例えば、図示しないCPUが、後述する情報管理サーバ装置100内の各ステップを含むプログラムを実行することにより実現される機能ブロックとなっている。
ここで、情報管理サーバ装置100の各ステップを含むプログラムとしては、例えば、次の各機能(a1)〜(a6)を実現させるためのものであればよく、ここではこれら各機能(a1)〜(a6)に、所望により、種々の情報や各ステップの機能といった任意の付加的事項を付加したものを用いている。但し、次の各機能(a1)〜(a6)は代表的な例であるため、若干、任意の付加的事項も含まれている。例えば、(a4)の第2判定機能及びそれに関連するアドレス情報は、ポリシによる文書管理の厳格化の水準を下げることにより、省略可能となっている。また、子管理IDを示す子管理IDタグは、子管理IDをそのまま用いることにより、省略可能となっている。
(a1)管理ファイルの管理ID毎に、この管理IDに関連した子管理ID及びステイタス情報と、複製依頼者情報及び配布先情報に基づく利用制限ポリシとが書き込まれる系統管理テーブル1052を情報管理DB105に書き込む機能。
(a2)情報媒体制御装置300のアドレス情報に基づく許可ポリシを情報管理DB105のマスタポリシテーブル1054に書き込む機能。
(a3)情報媒体制御装置300から受信した統御複製要求情報内の複製依頼者情報及び配布先情報が、統御複製要求情報内の管理IDに対応する系統管理テーブル1052内の利用制限ポリシを満たすか否かを判定する第1判定機能。
(a4)当該受信した統御複製要求情報内のアドレス情報が許可ポリシを満たすか否かを判定する第2判定機能。
(a5)第1及び第2判定機能による判定の結果、利用制限ポリシ及び許可ポリシを満たす場合、受信した統御複製要求情報内の管理IDとは異なる子管理IDを発行し、この子管理IDを当該統御複製要求情報内の管理IDに基づいて系統管理テーブル1052に書き込むと共に、複製の元素材として選択した原本データの管理ID又は複製の親管理IDを書き込む機能。
(a6)発行された子管理IDを示す子管理IDタグ、統御複製要求情報内の管理ID及び配布先情報を含む複製処理情報を作成し、この複製処理情報を含む処理結果情報を統御複製要求情報の送信元の情報媒体制御装置300に送信する機能。
なお、図3に示したように、情報管理サーバ装置100の各機能を複数の情報媒体制御装置300に分担させる場合、例えば、次のように変形すればよい。すなわち、情報管理サーバ装置100に代えて、各情報媒体制御装置のうちの2台以上6台以下の情報媒体制御装置300を用い、情報管理サーバ装置100が備えた各機能(a1)〜(a6)を実現するための各手段をそれぞれ当該2台以上6台以下の情報媒体制御装置300のいずれかに分散配置すればよい。なお、6台の情報媒体制御装置300を用いる場合、各情報媒体制御装置300には各機能(a1)〜(a6)のいずれか1個が配置される。2台の情報媒体制御装置300を用いる場合、一方の情報媒体制御装置300には各機能(a1)〜(a6)のいずれか1個〜5個が配置され、他方の情報媒体制御装置300には残りの5個〜1個の機能が配置される。3台〜6台の情報媒体制御装置300を用いる場合は、同様に、各機能(a1)〜(a6)が各情報媒体制御装置300に分散配置される。
情報管理DB105は、図示しないCPUから読出/書込可能な記憶装置として実現可能となっており、図12に示すように、管理IDテーブル1051、系統管理テーブル1052、アクセスログ管理テーブル1053、マスタポリシテーブル1054、クライアント管理テーブル1055及びデータ原本管理テーブル1056を記憶する。
管理IDテーブル1051は、図13に示すように、発行された管理ID、発行日時及び発行依頼元情報を互いに関連付けて記憶し、失効の場合には、更に失効日及び失効依頼元情報を関連付けて記憶する。
系統管理テーブル1052は、図14に示すように、原本データや複製の系統管理情報を記憶する。
原本データや複製の系統管理情報としては、電子データ本体の親子関係に対応する管理ID、生存情報(生存(alive)、消失(dead)、電子データ本体の作成日時〜消失日時)、ステイタス情報(生存(alive)中の現在状況(配布済、回収済)、消失(dead)時点の状況(廃棄、破損))、ユーザ情報、媒体種別、利用制限ポリシ(期限、場所(配布を許可する配布先)、アクセス(複製を許可する複製依頼者))、所在情報及び実体IDを互いに関連付けて記憶し、複製の場合には、複製元(親)の電子データ本体又は管理ファイルの管理IDに対し、複製のために新たに発行された管理ID、複製(子)の管理ファイルのヘッダ部内の作成日時情報、ユーザ情報、媒体種別、利用制限ポリシ、所在情報及び実体ID、複製の元素材として選択した原本データの管理ID又は複製の親管理IDを互いに関連付けて記憶する。
ここで、管理IDの発行番号の体系としては、当該システムにおける唯一無二性が保証され、複製の親子関係が管理IDで紐づいて管理されていれば、通し番号でもよい。また、各管理IDの親子関係がわかるように管理IDの構成に意味を持たせて発行されてもよい。これは例えば、特定桁の値を親子関係値とすればよい。
図14に示す例では、下4桁目(千の位)が親子関係値となっており、“0”が最上位の親を示し、“1”がその親の子を示し、“2”がその子の子(=親の孫)を示している。なお、下3桁目(百の位)は媒体種別となっており、“1”が電子データを示し、“2”が紙媒体を示し、“3”が記録メディアを示している。下1〜2桁目(一の位と十の位)は同世代・同一媒体種別における識別番号である。下5〜8桁目(#とその右の3桁の値)は、電子データIDであり、同一の電子データIDをもつ管理ファイルであれば、親子に関わらず、同一の電子データを含んでいる。また、所在情報における機器X,Y,Z及び社員B等は、いずれかの情報媒体制御装置310x,310y,310z,310Bに対応するので、情報媒体制御装置310x,310y,310z,310Bと読み替えてもよい。なお、親子関係値“0”が示す最上位の親は、管理ファイルが作成されない。親子関係値“1”以上が示す親は管理ファイルが作成される。また、実体IDは、電子データ本体(データ原本)を識別する情報であり、電子データを複製した場合に、前述した管理IDとは異なり、複製元(親)の実体IDと複製(子)の実体IDとは互いに同一である。
アクセスログ管理テーブル1053は、図15に示すように、操作した日時毎に、クライアントID、操作種別、管理ID、処理ステイタスを含んでいる。クライアントIDは、操作した社員を示すIDであり、操作者ID又は社員IDと読み替えてもよい。操作種別は、ログイン状況、新規登録、電子データ複製、閲覧、消去といった操作の種別を示している。管理IDは、操作された電子データを示す管理IDである。処理ステイタスは、操作種別が示す処理の成功又は失敗(認証エラー等)といった処理結果を示すステイタス情報である。アクセスログ管理テーブル1053で管理する内容は、この他にも対象管理ファイルに対して操作を加えた当該機器の場所情報(社内/社外、GPS情報)などを用いてもよく、図15に示した情報に限定されない。
マスタポリシテーブル1054は、図16に示すように、ポリシ番号毎に、ポリシ種別及び拒否/許可ポリシを互いに関連付けて記憶する。ポリシ番号は、ポリシの識別情報であり、ポリシIDと読み替えてもよい。ポリシ種別は、拒否/許可ポリシにより制御する対象の種別を表す情報であり、例えばロケーション制御、時間制御、権限制御などが適宜使用可能となっている。拒否/許可ポリシは、判定条件と、判定条件を満たす場合の制御内容とを示す情報である。制御内容は、許可又は拒否する対象(コマンドや要求など)を含んでおり、また、社内有線接続又は社内無線接続などの処理を含む場合もある。
クライアント管理テーブル1055は、図17に示すように、クライアントID、社員番号、権限クラス、端末種別及びMACアドレスを互いに関連付けて記憶する。OS情報、機器管理番号といった対象となる情報媒体制御装置に関する情報を含んでもよい。
データ原本管理テーブル1056は、図18に示すように、実体ID、ファイル名、サイズ、ハッシュ値、電子データ本体及び外部保存情報を互いに関連付けて記憶する。ここで、実体IDは、電子データ本体(データ原本)の識別情報である。ファイル名は、管理ファイルに格納する管理対象データ本体(電子データ本体)のファイル名である。サイズは、管理ファイルに格納する管理対象データ本体のファイルサイズである。ハッシュ値は、管理ファイルに格納する管理対象データ本体のハッシュ値である。電子データ本体は、管理ファイルに格納する管理対象データ本体である。外部保存情報は、管理対象データ本体を情報管理DB105の外部に保存する場合、その保存先情報である。管理対象データ本体を情報管理DB105に保存する場合には、外部保存情報はnullとする。
一方、利用者管理サーバ装置200は、利用者情報要求受付部201及び利用者管理DB202を備えている。利用者情報要求受付部201は、例えば、図示しないCPUが、後述する利用者管理サーバ装置200内の各ステップを含むプログラムを実行することにより実現される機能ブロックとなっている。
利用者管理DB202は、図示しないCPUから読出/書込可能な記憶装置として実現可能となっており、図19に示すように、利用者管理テーブル2021を記憶する。
利用者管理テーブル2021は、利用者ID毎に、氏名、役職及び部署を関連付けて記憶する。
情報媒体制御装置310は、上位システム部311、情報媒体中央制御部312、コンテキスト情報取得部313、管理要求通信部314、ICカード読取部315、Webサーバ部316、パネル制御部317、印刷制御部318、スキャナ部319を備えている。
上位システム部311は、次の各機能(f311-1)〜(f311-2)をもっている。
(f311-1) ICカード読取部315からの複写要求者の利用者ID情報とパネル制御部317からの画面選択情報とを取得して複写要求情報として情報媒体中央制御部312に送出する機能。
(f311-2) 利用者ID情報や画面選択情報を取得して必要に応じてWebサーバ部316にWebページを要求し、パネル表示用ページ情報を取得する機能。
情報媒体中央制御部312は、次の各機能(f312-1)〜(f312-3)をもっている。
(f312-1) 上位システム部321からの複写要求情報を受け印刷制御部318に複写原本となる紙文書情報を要求し、当該複写原本の親管理ID情報を取得する機能。
(f312-2) コンテキスト情報取得部313からコンテキスト情報を取得する機能。
(f312-3) 複写要求情報、複写原本の親管理ID情報及びコンテキスト情報とを含む統御複写要求情報を管理要求通信部314へ送出する機能。
コンテキスト情報取得部313は、情報媒体中央制御部312からのコンテキスト情報要求に対してIPアドレスやMACアドレスといった当該媒体制御装置310に関するコンテキスト情報をオペレーティングシステムの関係機能等から取得し、情報媒体中央制御部312へ送出する機能を備えている。
管理要求通信部314は、情報媒体中央制御部312からの統御複写要求情報を受け取ると、情報管理サーバ装置100と通信して、当該統御複写要求情報を送出する機能と、情報管理サーバ装置からサーバ処理結果情報を受け取って情報媒体中央制御部312へ送出する機能とを備えている。
ICカード読取部315は、複写要求者のICカードから利用者ID情報を読み取って当該利用者ID情報を上位システム部311へ送出する機能を備えている。
Webサーバ部316は、上位システム部311からのページ要求に応じて当該情報媒体制御装置のパネルに表示するパネルページ情報を作成して上位システム部311へ送出する機能と、このパネルページ情報作成時に必要な利用者情報を利用者管理サーバ装置200から取得する機能とを備えている。
パネル制御部317は、上位システム部311から受け取ったパネルページ情報を当該情報媒体装置310のパネルに表示する機能と、パネル画面上で選択された画面選択情報を上位システム部311へ送出する機能とを備えている。
印刷制御部318は、以下の各機能(f318-1)〜(f318-4)をもっている。
(f318-1) 情報媒体中央制御部312からの原稿読込要求に応じてスキャナ部319へ複写親文書情報のスキャンを要求する機能。
(f318-2) スキャナ部319からのこの複写親文書情報に付された管理ID情報を解析及び抽出して情報媒体中央制御部312へ送出する機能。
(f318-3) 情報媒体中央制御部312からの複写要求に応じて子管理ID情報を格納したバーコード、二次元コード、カラーコード、透かしなどといった光学コードを作成する機能。
(f318-4) この光学コードをオーバレイした印刷データを作成する機能と、この印刷データを印刷する機能。
スキャナ部319は、印刷制御部318からの親文書のスキャン要求に応じて、親文書のスキャンイメージを読み取り、当該スキャンイメージ情報を含むスキャン結果情報を印刷制御部318へ送出する機能を備えている。
次に、以上のように構成された選択的複製システムで複製文書の複写を行う動作詳細を図20乃至図24の構成図を用いて説明する。
情報媒体制御装置310のパネルには、画面待受状態として図25の画面構成例に示すように、利用者のIDカードを当該情報媒体制御装置310のICカードリーダにかざすことを促す画面G20が表示されている。ここで、IDカードがICカードリーダにかざされると、ICカード読取部315は、上位システム部311へ読み取った利用者ID情報を送出する(ST1)。
上位システム部311は、受け取った利用者ID情報を含むページ要求情報をWebサーバ部316へ送出する(ST2)。
Webサーバ部316は、ページ要求情報に含まれた利用者ID情報を含む利用者情報要求を利用者管理サーバ装置200へ送出する(ST3)。
利用者管理サーバ装置200は、利用者情報要求受付部201から管理クライアントDB202へ当該利用者IDに関係する利用者情報を取得し、Webサーバ部316へ送出する(ST4)。
ここで、「利用者IDに関係する利用者情報」は、利用者IDが示す利用者情報を含むものであり、適宜、この利用者IDが示す利用者情報に一部(例、苗字、所属など)が共通する利用者情報を付加してもよい。
Webサーバ部316は、得られた利用者情報及び操作ボタンを含むパネル操作画面用Webページを表示するためのパネルページ情報を作成して、上位システム部311へ送出する(ST5)。
当該Webページは、図26の複写操作画面G30の構成例に示すように、依頼者情報(利用者IDが示す利用者情報)の表示領域g31や「統御コピー」と表示した複写操作ボタンg32を含むものであればよく、スキャン操作ボタンg33、ログアウト操作ボタンg34は適宜、省略してもよい。
上位システム部311は、受け取ったパネルページ情報をパネル制御部317へ送出する(ST6)。
パネル制御部317は、受け取ったパネルページ情報を当該情報媒体制御装置310のパネルに表示する。パネル上でタッチパネルといった入力手段を介して複写操作ボタンg32が選択されると、パネル制御部317は、選択された情報を画面選択情報として、上位システム部311へ送出する(ST7)。
上位システム部311は、当該利用者IDに関係づけられた統御コピー用のパネルページを要求するためのページ要求情報をWebサーバ部316へ送出する(ST8)。
Webサーバ部316は、図27に示す如き、依頼者情報g41を含み、配布先情報の選択領域g42や複製品質の選択領域g43、複写開始ボタンg44及びログアウト操作ボタンg45を含む画面G40を表示するためのパネルページ情報を作成し、上位システム部311へ送出する(ST9)。
複製品質は、g43にて当該情報媒体制御装置310に挿入する複製文書を複写する方式(現物複写)、又は当該複製文書の管理IDに関連づけて情報管理サーバ装置100内の情報管理DB105のデータ原本管理テーブル1056から原本データを読み出して当該複写元データとする方式(原本読み出し)とを選択できる。
なお、配布先情報としては、ステップST4で取得した利用者情報(共通する属性の利用者情報)を用いてもよく、(共通する属性の利用者情報を取得していない場合には)再度ステップST4と同様な処理を実行して取得した利用者情報(共通する属性の利用者情報)を用いてもよい。
上位システム部311は、パネルページ情報をパネル制御部317へ送出する(ST10)。
パネル制御部317は、受け取ったパネルページ情報を当該情報媒体制御装置310のパネルに表示する。次に、パネル上で選択された配布先情報及び複製品質情報を含む画面選択情報を上位システム部311へ送出する(ST11)。ここでは、複製品質の選択領域g43にて、「原本読み出し」が選択されたものとして、以下の説明を行う。
上位システム部311は、複写依頼者の利用者ID情報、配布先情報、複製品質情報を含む複写要求情報を情報媒体中央制御部312へ送出する(ST12)。
情報媒体中央制御部312は、複写対象となる原稿を読み込むよう原稿読込要求を印刷制御部318へ送出する(ST13)。
印刷制御部318は、原稿読込要求を受けると、原稿のスキャンイメージ情報を要求するスキャン要求をスキャナ部319へ送出する(ST14)。
スキャナ部319は、スキャン要求を受けると、複写対象となる原稿を読み込んで得られたスキャンイメージ情報を含むスキャン結果情報を印刷制御部318へ送出する(ST15)。
印刷制御部318は、スキャンイメージ情報から埋め込まれた当該文書情報の管理ID情報を取得し、親管理ID情報として情報媒体中央制御部312へ送出する(ST16)。
情報媒体中央制御部312は、親管理ID情報を受け取ると、依頼時の情報媒体制御装置310に関する情報を取得するコンテキスト情報要求をコンテキスト情報取得部313へ送出する(ST17)。
コンテキスト情報取得部313は、当該情報媒体制御装置310のIPアドレスといった当該情報媒体制御装置310の利用位置や利用形態を把握できる情報をコンテキスト情報としてオペレーティングシステムの機能を利用して取得し、情報媒体中央制御部312へ送出する(ST18)。当該情報媒体制御装置310に、GPS、赤外線アドレス、無線ノードといった場所及び空間情報を取得可能な状態にある場合は、当該空間情報をコンテキスト情報に含めてもよい。またMACアドレス、オペレーティングシステム、端末製品情報といった情報をコンテキスト情報に含めてもよい。コンテキスト情報に応じて、指定された複製文書を複写可能な条件にあるか否かを選択的複製システムが判断し、当該判断に従って複写処理を実行する。
情報媒体中央制御部312は、上位システム部311から取得した複写要求情報、印刷制御部318から取得した親管理ID情報及びコンテキスト情報取得部313から取得したコンテキスト情報を含む統御複写要求情報を管理要求通信部314へ送出する(ST19)。
管理要求通信部314は、情報管理サーバ装置100と通信を行い、統御複写要求情報を送出する(ST20)。
情報管理サーバ装置100の管理要求受付部は、情報媒体制御装置310との通信で取得した、統御複写要求情報を情報管理制御部102へ送出する(ST21)。
情報管理制御部102は、統御複写要求情報内の複写要求情報及びコンテキスト情報から、当該複写要求の可否を判定するために必要な情報を選択し、ポリシ評価要求情報としてポリシ評価部103へ送出する(ST22)。
ポリシ評価部103は、ポリシ評価要求情報に基づいて、複製文書の利用制御ポリシを情報管理DB105の系統管理テーブル1052及びマスタポリシテーブル1054を参照しながら、要求された複写処理が実行条件の範囲内か否かを判定する。本判定結果をポリシ評価結果情報として情報管理制御部102へ送出する(ST23)。
判定条件の例として、複製利用が可能な日限を超過していないか、情報媒体制御装置310が無線LANアクセスではなく有線LANでアクセスか、複写権限を所持する役職者であるかといった項目がある。例えば、図16に示すマスタポリシテーブル1054のポリシ番号001〜003の場合、コンテキスト情報内のIPアドレスが許可ポリシを満たすか否か等が判定される。また例えば、図14に示す系統管理テーブル1054の場合、複製依頼者情報が“秘書A”を示すか否か、また、配布先情報が原本品質の複製にアクセス可能な“部長以上”を示すか否かなどによって、利用制限ポリシを満たすか否かが判定される。系統管理テーブル1052及びマスタポリシテーブル1054を用いた判定の順序はいずれを先に実行してもよい。すなわち、ポリシ判定の順序は任意である。
情報管理制御部102は、ポリシ評価結果で複写実行が拒否された場合には、管理要求受付部101を経由して、情報媒体制御装置310へ実行権限のエラーを通知し、処理を終了する。ポリシ評価結果で複写実行が承認された場合には、統御複写要求情報を含む管理ID発行要求情報を情報管理DB制御部104へ送出し、複製文書のID発行処理及び原本データ読み出し処理を要求する(ST24)。
情報管理DB制御部104は、管理ID発行要求情報を受け取ると、複製文書の部数分の管理ID(=子管理IDであり、統御複写要求情報内の管理IDとは異なる)を発行し、情報管理DB105の管理IDテーブル1051、系統管理テーブル1052に発行情報を書き込む。このとき、情報管理DB制御部104は、発行した子管理IDを統御複写要求情報内の管理IDに基づいて系統管理テーブル1052に書き込むと共に、書き込んだ子管理IDに対応する生存情報内のステイタス情報を「配布済」に更新する、というように発行情報を書き込む。また管理ID発行要求情報に含まれている原本データ読み出し処理要求に基づき、親管理IDに関係づけられた原本データの管理IDから情報管理DB105のデータ原本管理テーブル1056で管理した原本データを読み出す。またアクセスログ管理テーブル1053に、当該複写要求のログ情報を書き込む。情報管理DB制御部104は、複製文書用に発行した子管理IDを含む子管理ID情報及び原本データを情報管理制御部102に送出する(ST25)。
情報管理制御部102は、ポリシ評価結果情報、子管理ID情報及び原本データを含むサーバ処理結果情報を管理要求受付部101に送出する(ST26)。
管理要求受付部101は、情報媒体制御装置310にサーバ処理結果情報を送出する(ST27)。
管理要求通信部314は、情報管理サーバ装置100から受け取ったサーバ処理結果情報を情報媒体中央制御部312へ送出する(ST28)。
情報媒体中央制御部312は、サーバ処理結果情報に含まれた子管理ID情報及び原本データを含む複写要求情報を印刷制御部318へ送出する(ST29)。
印刷制御部318は、複写要求情報を受け取ると、子管理ID情報からバーコード、二次元コード、カラーコード、透かしなどといった子管理ID情報を格納した光学コードを作成し、原本データに当該コードをオーバレイした印刷用データを複製文書一部ずつ作成し、図28に示した如き、複製文書dc1〜dc3の各紙文書を出力する。各文書出力処理が完了すると、複写完了情報を情報媒体中央制御部312へ送出する(ST30)。
情報媒体中央制御部312は、複写完了情報を受け取ると、複写結果情報を管理要求通信部314へ送出する(ST31)。
管理要求通信部314は、複写結果情報を情報管理サーバ装置100へ送出する(ST32)。
管理要求受付部101は、情報媒体制御装置310から受けた複写結果情報を情報管理制御部102へ送出する(ST33)。
情報管理制御部102は、情報管理DB制御部104へ複写結果情報を送出する(ST34)。
情報管理DB制御部104は、情報管理DB105の系統管理テーブル1052に複製文書情報を書き込む。この時、複製親文書の管理IDから複製した子情報媒体として、親子関係性、媒体種別、配布先情報といった所在情報を当該系統管理テーブル1052に格納する。情報管理DB制御部104は、情報管理DB105への書き込みを完了すると、複写完了応答を情報管理制御部102へ送出する(ST35)。
情報管理制御部102は、複写完了応答を管理要求受付部101へ送出する(ST36)。
管理要求受付部101は、情報媒体制御装置310へ複写完了応答を送出する(ST37)。
管理要求通信部314は、情報管理サーバ装置100から受け取った複写完了応答を情報媒体中央制御部312へ送出する(ST38)。
情報媒体中央制御部312は、複写完了応答を受けると、複写完了をパネル上へ通知するための複写処理完了情報を上位システム部311へ送出する(ST39)。
上位システム部311は、この複写処理完了情報をページ要求情報としてWebサーバ部316へ送出する(ST40)。
Webサーバ部316は、図29に示す如き、依頼者情報g51を含み、親管理ID、配布先情報及び複写部数を含む複製完了メッセージg52を含む画面G50を表示するためのパネルページ情報を作成して上位システム部311へ送出する(ST41)。
上位システム部311は、パネルページ情報をパネル制御部317へ送出する(ST42)。
パネル制御部317は、パネルページ情報に基づいて、図29に示した画面G50を表示し、処理を完了する。
ここで、ステップST11にて図27に示す複製品質の選択領域g43にて、「原本読み出し」ではなく、「現物複写」が選択された場合の動作を説明する。
ステップST12〜ST24は、「原本読み出し」の場合と同様の動作を行う。
ステップST25にて、情報管理DB制御部104は、「原本読み出し」の場合、管理ID発行要求情報に含まれている原本データ読み出し処理要求に基づき、親管理IDに関係づけられた原本データの管理IDから情報管理DB105のデータ原本管理テーブル1056で管理した原本データを読み出すが、「現物複写」ではこの動作を行わない。情報管理DB制御部104は、複製文書用に発行した子管理IDを含む子管理ID情報を情報管理制御部102に送出する。この時、原本データは送出しない。
ステップST26にて、情報管理制御部102は、ポリシ評価結果情報及び子管理ID情報を含むサーバ処理結果情報を管理要求受付部101に送出する。サーバ処理結果情報に、原本データは含まない。
ステップST30にて、印刷制御部318は、複写要求情報を受け取ると、子管理ID情報からバーコード、二次元コード、カラーコード、透かしなどといった子管理ID情報を格納した光学コードを作成し、ステップST15でスキャナ部319が読み取ったスキャンデータの親管理IDを含む光学コードに当該子管理ID情報を格納した光学コードをオーバレイした印刷用データを複製文書一部ずつ作成し、印刷を行う。
上述したように本実施形態によれば、利用者の複製可否を示す利用制限ポリシ及び許可ポリシに基づいて原本データの複製可否を判定し、複製可の場合、複製要求内の管理IDから原本データの管理IDを介して原本データの電子データ本体を読み出す構成により、原本データの管理IDに基づく読み出しによって複製画像の劣化の場合の不都合を阻止できると共に、複製可否のポリシに応じて原本データが重要部分を含む場合の不都合を阻止でき、ある複製から原本データと同じ品質の複製を得ることができる。
また、所望により、複製元として原本データを複製せず、複製対象の紙媒体を選択した場合には、紙媒体のイメージデータを用いることから複製画像の劣化の場合の検索に関する不都合を回避すると共に、複製可否のポリシに応じて紙媒体が重要部分を含む場合の不都合を阻止しつつ、紙媒体複製データを印刷出力することができる。
すなわち、厳格な複製ポリシが規定された情報媒体を何度も繰り返して複製する場合でも、権限や条件に応じて原本データやその複製から複製元を選択して、原本データと同じ品質の複製を出力でき、選択的な複製処理を実現させることができる。
詳しくは、情報管理サーバ装置100は、情報媒体制御装置310から受信した複製要求情報が利用制限ポリシ及び許可ポリシを満たす場合、子管理IDを含む処理結果情報を送信する。情報媒体制御装置310は、指定された複製品質及び処理結果情報に基づいて、子管理ID情報を含む複製文書の出力又は子管理ID情報を含む複製データの取得を行なう。これにより、厳格な管理ポリシが規定された情報を複製する場合でも、原本データ或いは情報媒体制御装置内に格納された複製データ又は情報媒体制御装置310に入力する複製文書のいずれかを複製元情報に指定して、指定した複製元情報と同様の品質で管理IDを含む複製文書又は複製データを取得することができる。
例えば、「原本データ読み出し」を選択すれば、モノクロの現複製文書からカラーで高解像度の複製、メモを追記した複製文書からまっさらな原本品質の複製を取得することができる。また、地紋印刷が施された現複製文書で、そのまま複写すると地紋が浮き出る複製を、原本データから複製を作成することで現複製文書と同品質以上の複製を取得することができる。「現物複写」を選択すれば、原本から品質は劣化しつつも、原本にメモ書きといった付加的情報を付した複製を取得することができる。以上の「原本データ読み出し」と「現物複写」とを必要と権限に応じて選択できる。
「原本データ読み出し」と「現物複写」は、一度の複写要求内で組み合わせてもよい。すなわち、社長、部長、課長と3名の複製先を指定した場合、社長を「原本データ読み出し」、部長と課長を「現物複写」を自動選択するように動作させることができる。例えば、図30に示すように、図27に示した複写品質の選択領域g43に自動選択ボタンを追加し、当該自動選択ボタンを選択し、情報管理サーバ装置100の情報管理DB制御部104はステップST25にて情報管理DB105の系統管理テーブル1052の利用制御ポリシと複製先の役職に応じて、「原本データ読み出し」が可能な複製先が選択されている場合には、原本データを情報管理制御部102へ送出する。この時、各複製先が「原本データ読み出し」又は「現物複写」のいずれの複写品質なのかを各子管理ID情報に含めて送出する。情報媒体制御装置310の印刷制御部318は、ステップST30で当該子管理ID情報に応じて、複製元を情報管理サーバ装置100から送られてきた原本データ、又はスキャナ部319から送られてきたスキャンデータのいずれかを選択して印刷処理を実行する。複製先情報に応じて、複製元情報を原本データ又は現物複写に適宜切り替える動作は以降の実施形態でも同様に適用できる。
<第2の実施形態> [印刷(電子データ→紙)]
図31は本発明の第2の実施形態に係る選択的複製システムの構成を示す模式図であり、図11と同一部分には同一符号を付してその詳しい説明を省略し、ここでは異なる部分について主に述べる。なお、以下の各実施形態も同様にして重複した説明を省略する。
本実施形態は、第1の実施形態の変形例であり、管理IDが付与された管理ファイルと文書配布先情報を指定して、配布先ごとに異なる子管理IDや配布先情報を含む印刷文書を印刷装置400に出力させる形態である。なお、本実施の形態では、情報媒体制御装置300のうち、PC(Personal Computer)やモバイル端末を含む、上位アプリケーションを通して、当該情報媒体制御装置内で管理した管理ファイルを印刷する機能を有する機器を情報媒体制御装置320として扱う。
情報媒体制御装置320は、上位システム部321、情報媒体中央制御部322、コンテキスト情報取得部323、管理要求通信部324、管理ファイル制御部325、管理クライアントDB326及び管理ファイル印刷制御部327を備えている。
上位システム部321、情報媒体中央制御部322、コンテキスト情報取得部323、管理要求通信部324、管理ファイル制御部325及び管理ファイル印刷制御部327は、例えば、図示しないCPUが、後述する情報媒体制御装置320内の各ステップを含むプログラムを実行することにより実現される機能ブロックとなっている。
ここで、情報媒体制御装置320の各ステップを含むプログラムとしては、例えば、次の各機能(b1)〜(b7)を実現させるためのものであればよく、ここではこれら各機能(b1)〜(b7)に、所望により、種々の情報や各ステップの機能といった任意の付加的事項を付加したものを用いている。但し、次の各機能(b1)〜(b7)は代表的な例であるため、若干、任意の付加的事項も含まれている。例えば、前述した(a4)の第2判定機能に関連するアドレス情報は省略可能となっている。また、子管理IDを示す子管理IDタグは、子管理IDをそのまま用いることにより、省略可能となっている。
(b1)管理ID及び電子データ本体を含む管理ファイルを管理クライアントDB326の管理ファイル管理テーブル3261に書き込む機能。
(b2)複製対象の電子データ本体に対応する管理ID、複製依頼者情報及び配布先情報の入力を受け付けると共に、入力を受け付けた管理ID、複製依頼者及び配布先情報を含む複製要求情報を送出する機能。
(b3)送出された複製要求情報と、当該情報媒体制御装置320のアドレス情報とを含む統御複製要求情報を情報管理サーバ装置100に送信する機能。
(b4)統御複製要求情報の送信後、当該統御複製要求情報内の管理ID及びこの管理IDとは異なる子管理IDを示す子管理IDタグを含む処理結果情報を情報管理サーバ装置100から受信する機能。
(b5)統御複製要求情報に含まれて複製対象の電子データ本体に対応する管理IDに基づいて、管理ファイルから電子データ本体を取り出し、当該取り出した電子データ本体、処理結果情報に含まれる子管理IDタグ及び配布先情報を含む文書印刷データを作成し、文書印刷データを印刷装置400に出力する機能。
なお、図2に示したように、情報管理サーバ装置100の各機能を情報媒体制御装置300が備える場合、例えば、次のように変形すればよい。すなわち、情報媒体制御装置320の各ステップを含むプログラムとしては、例えば、次の各機能(c1)〜(c9)を実現させるためのものであればよく、これら各機能(c1)〜(c9)に、所望により、種々の情報や各ステップの機能といった任意の付加的事項を付加したものを用いればよい。但し、前述同様に、次の各機能(c1)〜(c9)は代表的な例であるため、若干、任意の付加的事項も含まれている。例えば、機能(c7)は任意の付加的事項であり、省略可能である。
(c1)管理ID及び電子データ本体を含む管理ファイルが書き込まれる管理ファイル管理テーブルを記憶する機能。
(c2)管理ファイルの管理ID毎に、この管理IDに関連した子管理ID及びステイタス情報と、複製依頼者情報及び配布先情報に基づく利用制限ポリシとを管理クライアントDB326の系統管理テーブル1052に書き込む機能。
(c3)情報媒体制御装置のアドレス情報に基づく許可ポリシを管理クライアントDB326のマスタポリシテーブル1054に書き込む機能。
(c4)複製対象の電子データ本体に対応する管理ID、複製依頼者情報及び配布先情報の入力を受け付けると共に、入力を受け付けた管理ID、複製依頼者及び配布先情報を含む複製要求情報を送出する機能。
(c5)送出された複製要求情報と、当該情報媒体制御装置300のアドレス情報とを含む統御複製要求情報を送出する機能。
(c6)送出された統御複製要求情報内の複製依頼者情報及び配布先情報が、統御複製要求情報内の管理IDに対応する系統管理テーブル1052内の利用制限ポリシを満たすか否かを判定する第1判定機能。
(c7)送出された統御複製要求情報内のアドレス情報が許可ポリシを満たすか否かを判定する第2判定機能。
(c8)第1及び第2判定機能による判定の結果、利用制限ポリシ及び許可ポリシを満たす場合、送出された統御複製要求情報内の管理IDとは異なる子管理IDを発行し、この子管理IDを当該統御複製要求情報内の管理IDに基づいて系統管理テーブル1052に書き込むと共に、書き込んだ子管理IDに対応するステイタス情報を「配布済」に更新する機能。
(c9)送出された処理結果情報内の管理IDに基づいて、管理ファイルから電子データ本体を取り出し、当該取り出した電子データ本体、処理結果情報内の子管理IDタグ及び配布先情報を含む文書印刷データを作成し、文書印刷データを印刷装置400に出力する機能。
管理クライアントDB326は、図示しないCPUから読出/書込可能な記憶装置として実現可能となっており、図32に示すように、管理ファイル管理テーブル3261及びアクセスログテーブル3262を記憶する。
管理ファイル管理テーブル3261は、管理ID毎に、ステイタス情報(例、閲覧中、−(廃止)、利用可、など)、管理ファイル属性情報(作成日時情報(alive)と、廃止(dead)した場合には廃止日時情報)及び管理ファイル実体を含んでいる。管理ファイル属性情報としては、ここでは、管理ファイルヘッダ部の部分情報(例、前述した作成・廃止日時情報に加え、当該管理ファイルの複製元の管理ファイル(親管理ファイル)を示す管理ID)を用いるが、その記載範囲は当該機器の環境設定や情報管理サーバ装置との規定に基づき、多用な形態が可能である。また、管理ファイル属性情報としては、各管理ファイルに対する当該機器でのアクセス回数といった管理ファイルヘッダ部に記載がない動的な利用情報を含んでもよい。
アクセスログテーブル3262は、操作した日時毎に、操作種別、管理ID、管理ファイル名を含んでいる。操作種別は、ログイン状況、新規登録、電子データ複製、閲覧、消去といった操作の種別を示している。管理IDは、操作された電子データを示す管理IDである。管理ファイル名は、例えば、当該電子データの管理IDに、当該電子データのファイル形式を示す拡張子を連接した情報である。アクセスログテーブルで管理する内容は、この他にも対象管理ファイルに対して操作を加えた当該機器の場所情報(社内/社外、GPS情報)など、この限りではない。
印刷装置400は、情報媒体制御装置3001〜300mのうちの1台であるが、ここでは通常のプリンタとして使用されている。
次に、以上のように構成された選択的複製システムの動作を図33乃至図35の模式図を用いて説明する。ここでは、管理IDが付与された管理ファイルと文書配布先情報を指定して、配布先ごとに異なる子管理IDや配布先情報を含む印刷文書を印刷装置400に出力させる動作を説明する。
情報媒体制御装置320の上位システム部321では、図36に示す如き、管理ファイル、配布先、複製品質を選択して印刷要求を行うための印刷画面G10を利用者に提示する。
このとき、上位システム部321は、管理クライアントDB326の管理ファイル管理テーブル3261から生存(alive)中の管理ファイル実体のファイル名を取得して管理ファイル一覧を表示すると共に、適宜、利用者管理サーバ装置200の利用者情報要求受付部201に問い合わせを行い、利用者管理DB202から利用者情報を取得し、配布先情報を表示する。
また、印刷される各複製文書には、一部ずつ個体識別するための子管理IDを含む識別タグが付与され、さらに、必要に応じて印刷時刻、配布先氏名、役職といった情報が印字される。識別タグは、印刷装置により付与(印刷又は貼付)が可能で、管理IDを格納可能な光学タグ又は電子タグであれば、QRコードに限らず、バーコード、二次元コード、カラーコード、透かし、RFIDなどといった、いずれの形態でもよい。また、識別タグには、管理IDの他、利用期限、世代番号、URL、電話番号、メールアドレスを含めてもよい。
これにより、例えば、携帯電話の撮像装置でQRコードを読み取り、携帯電話に表示された電話番号やメールアドレスに基づき、本情報の問い合わせ先に直接連絡を取ったり、携帯電話に格納された管理WebサイトのURLにアクセスして、本情報に関する詳細情報を取得したり、回収・廃棄のステイタス変更を円滑に実行するといった効果を得ることができる。
次に、複製文書を印刷する動作詳細を説明する。
情報媒体制御装置320の上位システム部321は、選択された管理ファイル情報(複製対象の電子データ本体に対応する管理IDを含む)、要求依頼者情報、配布先情報、管理台帳出力有無情報を含む、印刷要求情報を情報媒体中央制御部322へ送出する(ST51)。印刷要求情報は、複製要求情報と読み替えてもよい。ここで、複製品質は情報媒体制御装置320の管理クライアントDB325内に保存された管理ファイル情報の複製品質で印刷を行う「現物印刷」が選択されたとして、以下、動作を説明する。
情報媒体中央制御部322は、印刷要求情報を受け取ると、依頼時の情報媒体制御装置320に関する情報を取得するコンテキスト情報要求をコンテキスト情報取得部323へ送出する(ST52)。
コンテキスト情報取得部323は、第1の実施形態のステップST18と同様、当該情報媒体制御装置320のIPアドレスといった当該情報媒体制御装置320の利用位置や利用形態を把握できる情報をコンテキスト情報としてオペレーティングシステムの機能を利用して取得し、情報媒体中央制御部322へ送出する(ST53)。
情報媒体中央制御部322は、上位システム部321から取得した印刷要求情報及びコンテキスト情報取得部323から取得したコンテキスト情報を含む統御印刷要求情報を通信要求通信部324へ送出する(ST54)。また、統御印刷要求情報は、統御複製要求情報と読み替えてもよい。
通信要求通信部324は、情報管理サーバ装置100と通信を行い、統御印刷要求情報を送出する(ST55)。
情報管理サーバ装置100は、第1の実施形態のステップST21〜ST26と同様の処理を行い、サーバ処理結果情報を情報媒体制御装置320へ送出する(ST56)。
管理要求通信部324は、情報管理サーバ装置100から受けたサーバ処理結果情報を情報媒体中央制御部322へ送出する(ST57)。
情報媒体中央制御部322は、サーバ処理結果情報内のポリシ評価結果情報から印刷処理を実行可能であることを確認し、複製元となる管理ファイル情報、子管理ID情報を含む管理ファイル印刷要求を管理ファイル制御部325に送出する(ST58)。なお、ポリシ評価結果情報及びその確認処理は、ポリシ評価結果が“許可”の場合のみ子管理ID情報及び管理台帳情報等を含むサーバ処理結果情報を受けることから、省略することも可能である。
管理ファイル制御部325は、この管理ファイル印刷要求内の管理ファイル情報に含まれる管理IDに基づいて、管理クライアントDB325の管理ファイル管理テーブル3261から管理ファイル実体を取得する。当該管理ファイル実体からボディ部に格納された電子データ本体を抽出し、当該電子データ本体及び子管理ID情報を含む印刷処理情報を管理ファイル印刷制御部327へ送出する(ST59)。
また、管理ファイル制御部325は、子管理ファイルに関し、子管理ID、ステイタス“配布済”及び管理ファイルヘッダ部分情報を管理ファイル管理テーブル3261に書き込むと共に、アクセスログテーブル3262に、日時、操作種別“印刷”、子管理ID及び管理ファイル名を書き込む。
管理ファイル印刷制御部327は、子管理IDタグ及び配布先情報を含む文書印刷データを作成し、文書印刷データを印刷要求情報として印刷装置400に出力する(ST60)。
なお、印刷データの作成は、子管理IDから、バーコード、二次元コード、カラーコード、透かしなどといった光学コード(子管理IDタグ)を作成し、電子データ本体の印刷データにオーバレイ(光学的な上書き)を行う。この際、必要に応じて、印刷依頼日時情報や配布先情報を光学タグと一緒にオーバレイしてもよい。光学タグに印刷依頼日時情報や配布先情報、廃棄日限といった文書属性情報を格納する形態でもかまわない。
印刷装置400は、各複製文書の文書印刷データ印刷処理を実行し、図28に示した如き、複製文書dc1〜dc3の各紙文書を出力する。印刷装置400は、印刷処理が完了すると、印刷結果情報を管理ファイル印刷制御部327へ送出する(ST61)。印刷結果情報を送出するタイミングは、要求された全ての複製文書の印刷完了後でもよいし、各印刷文書を1部印刷完了するごとに送出する形態でもかまわない。
管理ファイル印刷制御部327は、印刷結果情報を受け取ると、管理ファイル制御部325へ印刷結果通知を送出する(ST62)。印刷結果通知には、出力日時、枚数、用紙種別、カラー、モノクロ又は白黒印刷の種別、一枚あたりのページ数、両面印刷、地紋印刷といった印刷情報を含めてもよい。
管理ファイル制御部325は、印刷出力結果情報を管理クライアントDB326のアクセスログテーブル3262に書き込む。管理クライアントDB326への書き込みが完了すると、印刷結果通知を情報媒体中央制御部322へ送出する(ST63)。
情報媒体中央制御部322は、印刷結果通知を管理要求通信部324へ送出する(ST64)。
管理要求通信部324は、印刷結果通知を情報管理サーバ装置100へ送出する(ST65)。
情報管理サーバ装置100は、第1の実施形態のステップST33〜ST37と同様の処理を行い、サーバ処理結果情報を情報媒体制御装置320へ送出する(ST66)。ここで、複写結果情報は印刷結果情報、複写完了応答は印刷完了応答と読み替える。
管理要求通信部325は、情報管理サーバ装置100から受け取った印刷完了応答を情報媒体中央制御部323へ送出する(ST67)。
情報媒体中央制御部323は、印刷処理を正常に完了できたことを印刷処理完了情報として、上位システム部321へ送出し、処理を完了する。印刷処理完了情報には、発行した子管理ID情報を含む、複製文書に関する情報を含む形態でもよい。
上述したように本実施形態によれば、情報管理サーバ装置100の情報管理DBに保存した原本データを印刷する場合であっても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
具体的には、情報管理サーバ装置100は発行した子管理ID情報及び原本データ情報を含むサーバ処理結果情報を情報媒体制御装置320へ送出する。情報媒体中央制御部322は、当該サーバ処理結果情報に含まれる子管理ID情報及び原本データ情報を用いた印刷要求を管理ファイル制御部325へ送出する。管理ファイル制御部325は、複製の素材となるファイル実体を管理クライアントDB326から読み出すのではなく、原本データ情報に切り替え、印刷処理情報を管理ファイル印刷制御部327へ送出する。管理ファイル印刷制御部327は、子管理IDタグ、原本データ情報及び配布先情報を含む印刷要求情報を印刷装置400へ送出し、複製文書を出力させる。
<第3の実施形態> [イメージスキャン(紙→電子データ)]
図37は本発明の第3の実施形態に係る選択的複製システムの構成を示す模式図であり、図11と同一部分には同一符号を付してその詳しい説明を省略し、ここでは異なる部分について主に述べる。
本実施形態は、第1の実施形態の変形例であり、管理IDが付与された紙文書から、文書配布先や複製品質を指定して、配布先ごとに異なる子管理IDを含む管理ファイルを各指定配信先に配信する形態である。なお、本実施の形態では、情報媒体制御装置300のうち、デジタル複合機やスキャナといった、操作パネルを有し、紙文書からスキャンイメージデータを読み取る機能を有する機器を第1情報媒体制御装置330、PC(Personal Computer)やモバイル端末を含む、上位アプリケーションを通して、情報管理サーバ装置100が作成した子管理IDを含む管理ファイルを受信する機器を第2情報媒体制御装置340として扱う。
情報管理サーバ装置100は、管理要求受付部101、情報管理制御部102、ポリシ評価部103、情報管理DB制御部104、情報管理DB105及び管理ファイル作成部106を備えている。
ここで、管理要求受付部101、情報管理制御部102、ポリシ評価部103、情報管理DB制御部104及び管理ファイル作成部106は、例えば、図示しないCPUが、後述する情報管理サーバ装置100内の各ステップを含むプログラムを実行することにより実現される機能ブロックとなっている。
ここで、情報管理サーバ装置100の各ステップを含むプログラムとしては、例えば、次の各機能(d1)〜(d8)を実現させるためのものであればよく、ここではこれら各機能(d1)〜(d8)に、所望により、種々の情報や各ステップの機能といった任意の付加的事項を付加したものを用いている。但し、次の各機能(d1)〜(d8)は代表的な例であるため、若干、任意の付加的事項も含まれている。例えば、(d4)の第2判定機能及びそれに関連するアドレス情報は、ポリシによる文書管理の厳格化の水準を下げることにより、省略可能となっている。また、子管理IDを示す子管理IDタグは、子管理IDをそのまま用いることにより、省略可能となっている。
(d1)管理ファイルの管理ID毎に、この管理IDに関連した子管理ID及びステイタス情報と、複製依頼者情報及び配布先情報に基づく利用制限ポリシとが書き込まれる系統管理テーブル1052を情報管理DB105に書き込む機能。
(d2)情報媒体制御装置300のアドレス情報に基づく許可ポリシを情報管理DB105のマスタポリシテーブル1054に書き込む機能。
(d3)情報媒体制御装置300から受信した統御複製要求情報内の複製依頼者情報及び配布先情報が、統御複製要求情報内の管理IDに対応する系統管理テーブル1052内の利用制限ポリシを満たすか否かを判定する第1判定機能。
(d4)当該受信した統御複製要求情報内のアドレス情報が許可ポリシを満たすか否かを判定する第2判定機能。
(d5)第1及び第2判定機能による判定の結果、利用制限ポリシ及び許可ポリシを満たす場合、受信した統御複製要求情報内の管理IDとは異なる子管理IDを発行し、この子管理IDを当該統御複製要求情報内の管理IDに基づいて系統管理テーブル1052に書き込むと共に、複製の元素材として選択した原本データの管理ID又は複製の親管理IDを書き込む機能。
(d6)発行した子管理IDと配信先の私書箱IDとを関連づけて私書箱管理テーブル1057に書き込む機能。
(d7)複製の元素材として選択した選択された原本データの管理ID又は複製の親管理IDに関連づけられた実体IDからデータ原本管理テーブル1056に保存された原本データ又は複製データを読み出して、発行した子管理IDと読み出した原本データ又は複製データとを格納した管理ファイルを作成する機能。
(d8)発行された子管理IDを示す子管理IDタグ、統御複製要求情報内の管理ID及び配布先情報を含む複製処理情報を作成し、この複製処理情報を含む処理結果情報を複製登録要求情報の送信元の情報媒体制御装置300に送信する機能。
(d9)発行された管理ファイルを管理ファイル取得要求の送信元の情報媒体制御装置300に送信する機能。
なお、図3に示したように、情報管理サーバ装置100の各機能を複数の情報媒体制御装置300に分担させる場合、例えば、次のように変形すればよい。すなわち、情報管理サーバ装置100に代えて、各情報媒体制御装置のうちの2台以上9台以下の情報媒体制御装置300を用い、情報管理サーバ装置100が備えた各機能(d1)〜(d9)を実現するための各手段をそれぞれ当該2台以上9台以下の情報媒体制御装置300のいずれかに分散配置すればよい。なお、9台の情報媒体制御装置300を用いる場合、各情報媒体制御装置300には各機能(d1)〜(d9)のいずれか1個が配置される。2台の情報媒体制御装置300を用いる場合、一方の情報媒体制御装置300には各機能(d1)〜(d9)のいずれか1個〜8個が配置され、他方の情報媒体制御装置300には残りの8個〜1個の機能が配置される。3台〜8台の情報媒体制御装置300を用いる場合は、同様に、各機能(d1)〜(d9)が各情報媒体制御装置300に分散配置される。
情報管理DB105は、図38に示す通り、図示しないCPUから読出/書込可能な記憶装置として実現可能となっており、管理IDテーブル1051、系統管理テーブル1052、アクセスログ管理テーブル1053、マスタポリシテーブル1054、クライアント管理テーブル1055、データ原本管理テーブル1056及び私書箱管理テーブル1057を記憶する。
私書箱管理テーブル1057は、図39に示すように、私書箱ID毎に、取得する子管理ファイルの個数を意味する投函数(取得数)と、取得する子管理ファイルの管理IDを列挙した管理IDリストとを互いに関連付けて記憶する。私書箱IDは、情報媒体制御装置300毎に割り当てられた場合を例に挙げて述べるが、これに限らず、任意の情報媒体制御装置300が任意の私書箱IDを指定可能な構成にしてもよい。例えば、ここではクライアントIDと私書箱IDが同様のものとして説明する。
ここで、図40に示すように、ある管理IDを付与された複製紙文書(管理ID:#1001201)をスキャナで読み込み、このスキャンイメージ(管理ID:#1002101)を指定した複製先(課長AのPC)に配付する際、子管理IDを発行して、スキャンイメージを情報管理DB105のデータ原本管理テーブル1056に発行した子管理IDと関連付けて記憶する。関係性は、系統管理テーブル1052に記憶する。その後、指定された配布先用に新たな孫管理IDを発行し、当該孫管理ID及びスキャンイメージを格納した管理ファイルを作成し、指定配布先からの複製取得要求を受けて当該管理ファイルを送出する。
第1情報媒体制御装置330は、上位システム部331、情報媒体中央制御部332、コンテキスト情報取得部333、管理要求通信部334、ICカード読取部335、Webサーバ部336、パネル制御部337及びスキャナ部338を備えている。
上位システム部331は、ICカード読取部335からの複製要求者の利用者ID情報とパネル制御部337からの画面選択情報とを取得して複製要求情報として情報媒体中央制御部332に送出する機能と、利用者ID情報や画面選択情報を取得して必要に応じてWebサーバ部316にWebページを要求し、パネル表示用ページ情報を取得する機能とを備えている。
情報媒体中央制御部332は、以下の各機能(f332-1)〜(f332-4)をもっている。
(f332-1) 上位システム部331からの複製要求情報を受けスキャナ部338に複製原本となる紙文書情報を要求し、当該スキャン原本の親管理ID情報を取得する機能。
(f332-2) 「現物スキャン」が選択された場合にはスキャン部338に当該紙文書情報の要求に紙文書のスキャンイメージの送出を加えて要求し、当該親管理ID情報及びスキャンイメージ情報を取得する機能。
(f332-3) コンテキスト情報取得部333からコンテキスト情報を取得する機能。
(f332-4) 複製要求情報、複写原本の親管理ID情報、コンテキスト情報及び場合により紙文書のスキャンイメージ情報とを含む複製登録要求情報を管理要求通信部334へ送出する機能。
コンテキスト情報取得部333、管理要求通信部334、ICカード読取部335、Webサーバ部336、パネル制御部337は第1の実施形態と同様の機能を備えている。
第2情報媒体制御装置340は、上位システム部341、情報媒体中央制御部342、コンテキスト情報取得部343、管理要求通信部344、管理ファイル制御部345及び管理クライアントDB346を備えている。
上位システム部341は、操作者の操作や、時間周期での確認設定を契機として、当該第2情報媒体制御装置340向けの複製登録の有無を確認し、複製登録があれば複製登録された電子データの取得要求(以下、複製取得要求という)を情報媒体中央制御部342へ送出する機能と、複製取得完了通知を受け取り複製取得処理を終了させる機能とを備えている。
情報媒体中央制御部342は、以下の各機能(f342-1)〜(f342-6)を含んでいる。
(f342-1) 上位システム部341からの複製登録要求を受信する機能。
(f342-2) コンテキスト情報取得部343へ当該第2情報媒体制御装置340のコンテキスト情報を要求し、当該コンテキスト情報取得部343からコンテキスト情報を取得する機能。
(f342-3) コンテキスト情報取得部343から取得したコンテキスト情報を含む私書箱チェック要求情報を管理要求通信部344に送出する機能。
(f342-4) 管理要求通信部344から取得した私書箱確認情報で当該第2情報媒体制御装置340で取得可能な管理ファイルリスト情報が存在した場合に取得したい管理IDを指定して管理ファイル取得を要求する機能。
(f342-5) 取得した管理ファイルを管理ファイル制御部345へ送出して管理クライアントDB346へ保存するよう要求する機能。
(f342-6) 管理ファイルの管理クライアントDB346への保存結果情報を受け取り、上位システムへ通知する機能。
コンテキスト情報取得部343及び管理クライアントDB346は、第1の実施形態と同様である。
管理要求通信部344は、情報媒体中央制御部342からの私書箱チェック要求を情報管理サーバ装置100へ送出して、当該情報管理サーバ装置100から受信した私書箱確認情報を情報媒体中央制御部342へ送出する機能と、情報媒体中央制御部342からの管理ファイル取得要求を情報管理サーバ装置100へ送出して、当該情報管理サーバ装置100から受信した管理ファイル情報を情報媒体中央制御部342へ送出する機能とを備えている。
管理ファイル制御部345は、情報媒体中央制御部342から管理ファイル情報を取得して管理クライアントDB346へ保存する機能と、保存結果情報を情報媒体中央制御部342へ送出する機能とを備えている。
次に、以上のように構成された選択的複製システムで複製文書のイメージ複製を行う動作詳細を図41乃至図48の構成図を用いて説明する。なお、本実施形態では、第1情報媒体制御装置330が紙文書をスキャナで読み込み、配信先を指定して子管理IDの発行と情報管理DBへの登録を行う複製登録処理と、第2情報媒体制御装置340が取得可能な管理ファイルを情報管理サーバ100に問い合わせを行い、情報管理サーバ装置100が作成した管理ファイルを取得する複製取得処理に分けて説明する。
(紙文書からの複製登録処理:図41乃至図43)
第1情報媒体制御装置330は、第1の実施形態のステップST1〜ST12と同様の処理を行い、情報媒体中央制御部332は上位システム部331から複製登録要求情報を受け取る(ST81〜ST92)。
ここで、パネル制御部337では、図49で示すようなページ画面にて、選択された画面選択情報を上位システム部331へ送出する。ここでは、スキャナ部338で読み取った複製紙文書のスキャンイメージを指定した配信先へ管理ファイルとして配信する「現物スキャン」が選択されたものとして、以降の動作を説明する。
情報媒体中央制御部332は、複製対象となる原稿を読み込むよう原稿読込要求をスキャナ部338に送出する(ST93)。ここで、読み取ったスキャンイメージの送出依頼を原稿読込要求に含めておく。
スキャナ部338は、原稿読込要求を受け取ると、複写対象となる原稿を読み込んで得られたスキャンイメージ情報から親管理ID情報を取得し、親管理ID情報及びスキャンイメージ情報を情報媒体中央制御部332に送出する(ST94)。
情報媒体中央制御部332は、親管理ID情報及びスキャンイメージ情報をスキャナ部338から受け取ると、第1の実施形態のステップST17〜ST18と同様の処理を行い、コンテキスト情報取得部313からコンテキスト情報を取得する(ST95〜ST96)。
情報媒体中央制御部312は、上位システム部331から取得した複製要求情報、スキャナ部338から取得した親管理ID情報及びスキャンイメージ情報、コンテキスト情報取得部313から取得したコンテキスト情報を含む複製登録要求情報を管理要求通信部314へ送出する(ST97)。
管理要求通信部334は、情報管理サーバ装置100と通信を行い、複製登録要求情報を送出する(ST98)。
情報管理サーバ装置100は、第1の実施形態のステップST21〜ST23と同様の処理を行い、情報管理制御部102はポリシ評価部103からポリシ評価結果情報を受け取る(ST99〜ST101)。
情報管理制御部102は、ポリシ評価結果で複製登録実行が拒否された場合には、管理要求受付部101を経由して、情報媒体制御装置330へ実行権限のエラーを通知し、処理を終了する。ポリシ評価結果で複製登録実行が承認された場合には、複製登録要求情報を含む管理ID発行要求情報を情報管理DB制御部104へ送出し、複製データの管理ID発行処理を要求する(ST102)。
情報管理DB制御部104は、管理ID発行要求情報を受け取ると、スキャンイメージデータ用の管理ID(=子管理IDであり、複製登録要求情報内の管理IDとは異なる)を1個及び複製データの配信数分の管理ID(=孫管理IDであり、複製登録要求情報内の管理IDとは異なる)を発行し、情報管理DB105の管理IDテーブル1051、系統管理テーブル1052に発行情報を書き込む。
このとき、情報管理DB制御部104は、発行した子管理ID及び孫管理IDを複製登録要求情報内の管理IDに基づいて系統管理テーブル1052に書き込む。この時、子管理IDに関連づけて、複製文書のイメージスキャン情報をデータ原本管理テーブル1056へ書き込み、子管理IDに関連づけて、系統管理テーブル1052の所在情報にイメージスキャン情報の実体ID及び原本管理サーバといった所在を書き込む。また、書き込んだ孫管理IDに対応する生存情報内のステイタス情報を「複製取得待ち」に更新する、というように発行情報を書き込む。
また、情報管理DB制御部104は、複製登録要求情報内の私書箱IDに関連付けて孫管理IDを私書箱管理テーブル1057に登録し、指定された各私書箱に対して、登録した孫管理IDの個数を投函数として私書箱管理テーブル1057に書き込む。
さらに、アクセスログ管理テーブル1053に、当該複製登録要求のログ情報を書き込む。情報管理DB制御部104は、複製データ用に発行した孫管理IDを含む孫管理ID情報を情報管理制御部102に送出する(ST103)。
情報管理制御部102は、ポリシ評価結果情報及び孫管理ID情報を含むサーバ処理結果情報を管理要求受付部101に送出する(ST104)。
管理要求受付部101は、第1情報媒体制御装置330にサーバ処理結果情報を送出する(ST105)。
第1情報媒体制御装置は、第1の実施形態のステップST38〜ST42と同様の処理を行い、パネル制御部337は、パネルページ情報に基づいて、図29に示した画面G50を表示し、処理を完了する。
ステップST91で、「原本読み出し」が選択された場合には、以上の複製登録処理を以下のように変更する。
ステップST93で、情報媒体中央制御部332は、スキャンイメージの送出を不要として原稿読込要求をスキャナ部338に送出する。
ステップST94で、スキャナ部338は、複写対象となる原稿を読み込んで得られたスキャンイメージ情報から親管理ID情報を取得し、当該親管理ID情報のみを情報媒体中央制御部332に送出する。
ステップST97〜ST99で、第1情報媒体制御装置330から情報管理サーバ装置100に送出する複製登録要求にスキャンイメージ情報を含む必要はない。
ステップST103で、情報管理DB制御部104は、管理ID発行要求情報を受け取ると、複製データの配信数分の管理ID(=子管理IDであり、複製登録要求情報内の管理IDとは異なる)を発行し、情報管理DB105の管理IDテーブル1051、系統管理テーブル1052に発行情報を書き込む。
このとき、情報管理DB制御部104は、発行した子管理IDを複製登録要求情報内の管理IDに基づいて系統管理テーブル1052に書き込む。また、書き込んだ子管理IDに対応する生存情報内のステイタス情報を「複製取得待ち」に更新する、というように発行情報を書き込む。
また、情報管理DB制御部104は、複製登録要求情報内の私書箱IDに関連付けて孫管理IDを私書箱管理テーブル1057に登録し、指定された各私書箱に対して、登録した子管理IDの個数を投函数として私書箱管理テーブル1057に書き込む。
さらに、アクセスログ管理テーブル1053に、当該複製登録要求のログ情報を書き込む。情報管理DB制御部104は、複製データ用に発行した子管理IDを含む子管理ID情報を情報管理制御部102に送出する。
(複製取得処理:図44乃至図48)
本システムにおいて、第2情報媒体制御装置340が当該装置向けに複製された電子データを情報管理サーバ装置101から取得する際、第2情報媒体制御装置340と情報管理サーバ装置101は次のような処理を実行する。
上位システム部341は、図44に示すように、操作者の操作や、時間周期での確認設定を契機として、当該第2情報媒体制御装置340向けの複製登録の有無を確認し、複製登録があれば複製登録された電子データの取得要求(以下、複製取得要求という)を情報媒体中央制御部342へ送出する(ST120)。当該複製取得要求は、取得要求を行う利用者の利用者情報を含んでいる。この複製取得要求は、第2情報媒体制御装置340の場所情報や利用環境情報を含んでもよい。ここでは、当該第2情報媒体制御装置340に対応する私書箱IDを利用者情報として以降の動作を説明する。
情報媒体中央制御部342は、第1の実施形態のステップST17〜ST18と同様、コンテキスト情報取得部343からコンテキスト情報を取得する(ST121〜ST122)。情報媒体中央制御部342は、当該第2情報媒体制御装置340向けの複製登録の有無を確認するため、コンテキスト情報を含む私書箱確認要求を管理要求通信部344へ送出する(ST123)。
管理要求通信部344は、情報管理サーバ装置100に私書箱確認要求を送出する(ST124)。
管理要求受付部101は、第2情報媒体制御装置340から受信した私書箱確認要求情報を情報管理制御部102へ送出する(ST125)。
情報管理制御部102は、第1の実施形態のステップST22〜ST23と同様の処理を行い、ポリシ評価部103から私書箱確認情報を発行してもよいか否かのポリシ評価結果情報を受け取る(ST126〜ST127)。発行可能と評価された場合に限り、私書箱確認要求情報を含む私書箱チェック要求を情報管理DB制御部104へ送出する(ST128)。
情報管理DB制御部104は、私書箱チェック要求から私書箱IDを抽出し、情報管理DB105の私書箱管理テーブル1057から私書箱ID、投函数及び管理IDリストを含む私書箱確認情報を取得する。投函数は、複製登録された管理IDの個数であり、複製取得可能な管理ファイルの個数でもある。情報管理DB制御部104は、取得した私書箱チェック結果を情報管理DB制御部104へ送出する(ST129)。
情報管理DB制御部104は、ポリシ評価情報及び私書箱チェック結果を含む私書箱確認結果情報を管理要求受付部101へ送出する(ST130)。
管理要求受付部101は、第2情報媒体制御装置340へ私書箱確認結果情報を送出する(ST131)。
管理要求通信部344は、情報媒体中央制御部342に私書箱確認結果情報を送出する(ST132)。
情報媒体中央制御部342は、私書箱確認情報内の投函数又は管理IDリストに基づいて、複製取得可能な管理ファイルが存在するか否かを確認する。取得可能な管理ファイルが存在しない場合、当該複製取得処理を終了する。
この時、情報媒体中央制御部342は、管理ファイル制御部345へ、アクセスログ情報を管理クライアントDB346に書き込むよう要求してもよい。また、情報媒体中央制御部342は、上位システム部341へ管理ファイルが存在しないことを通知してもよい。取得可能な管理ファイルが存在する場合、私書箱確認情報内の管理IDリストから、取得したい管理ファイルの管理IDを選択し、当該管理IDを含む複製取得要求情報を管理要求通信部344へ送出する(ST133)。
管理要求通信部344は、複製取得要求情報を情報管理サーバ装置100へ送出する(ST134)
管理要求受付部101は、第2情報媒体制御装置340から受信した複製取得要求情報を情報管理制御部102へ送出する(ST135)。
情報管理制御部102は、第2情報媒体制御装置340からの複製取得要求情報で指定された管理IDの管理ファイル取得がポリシと照合して可能か否かをポリシ評価部103へポリシ評価要求情報を送出する(ST136)。
ポリシ評価部103は、第1の実施形態のステップST23と同様、当該複製取得要求の可否を判定し、ポリシ評価結果情報を情報管理制御部102に送出する(ST137)。
情報管理制御部102は、ポリシ評価結果情報で当該複製取得要求が可能と判定された場合に限り、複製取得処理要求を情報管理DB制御部104へ送出する(ST138)。
情報管理DB制御部104は、情報管理DB105から必要な情報を取得し、管理ファイル生成部106へ当該情報を含む管理ファイル生成要求を送出する(ST139)。ここで、管理ファイル生成に必要な情報には、複製取得対象となる管理ID、当該管理IDに対応付けられた管理対象となる電子データ本体、当該管理IDに対応付けられた利用制御ポリシが含まれる。
これら管理ID及び利用制限ポリシは、例えば情報管理DB105内の系統管理テーブル1052から取得される。また、電子データ本体は、原本データ又はイメージスキャン情報のいずれかを複製登録要求時の選択に応じて、情報管理DB105内のデータ原本管理テーブル1056から取得される。
管理ファイル生成部106は、複製取得対象となる管理ID、電子データ本体及び利用制御ポリシを含む管理ファイル生成要求を受けると、この管理ファイル生成要求に基づき、管理ファイルを生成する。管理ファイルの生成手順は、例えば次の通りである。
管理ファイル生成部106は、ヘッダ部の電子データの管理IDの領域には、管理IDをセットする。ヘッダ部の親情報媒体の管理IDには、子管理ID(管理ID:1001201)をセットする。ヘッダ部のファイル情報には、ファイル形式、ファイルサイズ、作成者情報、作成日時情報及び作成場所情報をセットする。
管理ファイル生成部106は、暗号処理の有無、暗号アルゴリズムや暗号鍵、暗号モジュール等の暗号処理の指定に基づき、ヘッダ部のファイル格納情報をセットする。ここで、暗号処理の指定としては、例えば、上位システム部341が複製取得要求の情報で指定する場合、情報媒体中央制御部342が複製取得の管理要求情報で指定する場合、又は情報管理DB制御部104が管理ファイル生成要求で指定する場合などさまざまな形態が可能である。
また、管理ファイル生成部106は、利用制限ポリシ情報を利用制御ポリシ部にセットする。
続いて、管理ファイル生成部106は、ヘッダ部のファイル格納情報に基づいて、電子データに暗号処理を施し、この得られた暗号化電子データをボディ部にセットする。これにより、ボディ部が生成される。
管理ファイル生成部106は、この生成されたヘッダ部、利用制御ポリシ部及びボディ部に対し、公開鍵暗号に基づく電子署名方式やハッシュ関数や共通鍵暗号に基づくMAC方式に基づいて、認証データを生成する。この認証データを管理ファイルの認証データ部にセットする。これにより、管理ファイルが作成される。
管理ファイル生成部106は、作成した管理ファイルを情報管理DB制御部104へ送出する(ST140)。
情報管理DB制御部104は、管理ファイルを受けると、管理ファイル、管理ID及び複製取得処理要求情報に基づき、電子データの管理IDに関連付けて、作成日時情報、作成者情報、媒体種別、利用制限ポリシ、所在情報及び実体IDを含む系統情報を情報管理DB105内の系統管理テーブル1052に登録する。ここで、電子データの管理IDは、親情報媒体の管理IDがある場合には親情報媒体の管理IDに関連付けて系統管理テーブル1052に登録する。
また、対象となる管理IDが複数ある場合には、該当数の管理ファイル生成処理を行う。管理ファイルの構成例は、図4に示す通りである。
さらに、情報管理DB制御部104は、情報管理DB105へ管理ファイル生成処理に関するアクセスログ情報をアクセスログ管理テーブル1053に登録する処理を実行すると共に、私書箱管理テーブル1057の当該私書箱IDに対応する投函数及び管理IDリストを空にする処理を実行する。
しかる後、情報管理DB制御部104は、発行された管理ID、管理ファイル、日時及び操作種別を含む複製取得処理結果情報を情報管理制御部102へ送出する(ST141)。
情報管理制御部102は、複製取得処理結果情報を管理要求受付部101へ送出する(ST142)。
管理要求受付部101は、複製取得処理結果情報を第2情報媒体制御装置340へ送出する(ST143)。
管理要求通信部344は、複製取得処理結果情報を情報媒体中央制御部342へ送出する(ST144)。同時に、通信セッションの切断要求を情報管理サーバ装置100へ送信し、通信を切断する。
情報媒体中央制御部342は、複製取得処理結果情報を管理ファイル制御部345へ送出し、処理結果を管理クライアントDB346へ登録するよう要求する(ST145)。
管理ファイル制御部345は、複製取得処理結果情報に基づき、管理ID、ステイタス、管理ファイルヘッダ部分情報及び管理ファイル実体を管理ファイル管理テーブル3261に登録する。また、アクセスログテーブル3262に、操作日時情報、操作種別、管理ID及び管理ファイル名を含む複製取得処理の操作ログを登録する。
登録完了後、管理ファイル制御部216は、複製取得処理完了通知を情報媒体中央制御部342へ送出する(ST146)。複製取得処理完了通知には、当該電子データに対して発行された管理IDを含めてもよい。
情報媒体中央制御部342は、複製取得完了通知を上位システム部341へ送出し、本要求セッションを終了させる(ST147)。
上述したように本実施形態によれば、複製紙文書から電子データに複製して配信する場合においても、第1の実施形態の効果と同様に、「原本データ」品質と複製紙文書のスキャンイメージ品質とを選択して複製することができる。
<第4の実施形態> [複製元を任意の段階から選択可能]
本実施形態は、第1〜第3の実施形態の変形例であり、複製時に複製品質を原本又は複製者が所有する複製のいずれか一方だけではなく、原本データから派生した原本又は複製者が所有する複製以外の複製を指定して出力させる形態である。
以下の説明では、紙の複製親文書から紙の複製子文書を出力させる複写の場合で、第1の実施形態を主体として差異の部分を説明する。ただし、複製データから複製文書を出力させる印刷及び複製文書から複製データを出力するイメージスキャンにも適用できる。
始めに、図50を用いて処理の概要を説明する。今、社員Cが、自ら所有する管理ID#1001201で管理されたモノクロの紙複製文書を、デジタル複合機や複写機といった、操作パネルを有し、紙文書から紙文書を複写する機能を有する情報媒体制御装置310に読み込ませ、部長Dへ複製文書を出力しようとしている。
この時、情報媒体制御装置310のパネル制御部317には図51に示す画面のデータが送出され、複製品質の選択領域g73にて原本データ(#1000101)及び所有複製文書(#1001202)のいずれでもない複製データ(#1002101)を選択して部長Dへの複製文書を出力する。この際の処理の詳細を以下に説明する。
情報管理DB105の系統管理テーブル1052eは、図50に示す継承IDを管理する領域に親ID及び原本IDに加え、複製の素材となった複製元の管理IDを複製元IDとして当該領域に記憶する。例えば、親IDが#1001202、原本IDが#1000101及び複製元IDが#1002101である。なお、親IDは親の管理IDを意味し、原本IDは原本データの管理IDを意味する。
第1の実施形態のステップST1〜ST4と同様、図52に示すように、情報媒体制御装置310のWebサーバ部316は、上位システム部311からのページ要求情報への応答に必要な利用者情報を利用者管理サーバ装置200から取得する(ST151〜ST154)。
Webサーバ部316は、所有複製文書から複製可能な複製元情報を情報管理サーバ装置100から取得するため、上位システム部311を介して系統情報要求を情報媒体中央制御部312へ送出する(ST155〜ST156)。
情報媒体中央制御部312は、上位システム部311から系統情報要求を受け取ると、第1の実施形態のステップST13〜ST18と同様、印刷制御部318から親管理ID情報、コンテキスト情報取得部313からコンテキスト情報を取得する(ST157〜ST162)。
情報媒体中央制御部312は、取得した親管理ID情報、コンテキスト情報及び系統情報要求を含む系統情報要求情報を管理要求通信部314へ送出する(ST163)。
管理要求通信部314は、系統情報要求情報を情報管理サーバ装置100へ送出する(ST164)。
管理要求受付部101は、図53に示すように、情報媒体制御装置310から系統情報要求情報を受信すると、情報管理制御部102へ当該系統情報要求情報を送出する(ST165)。
情報管理制御部102は、第1の実施形態のステップST22〜ST23と同様、系統情報要求情報内の系統情報要求及びコンテキスト情報から、当該系統情報要求の可否を判定するために必要な情報を選択し、ポリシ評価要求情報としてポリシ評価部103へ送出し、ポリシ評価結果情報を取得する(ST166〜ST167)。
当該ポリシ評価結果で系統情報要求の処理を可と判定された場合に限り、情報管理制御部102は、親管理ID情報を含む系統情報取得要求を情報管理DB制御部104へ送出する(ST168)。
情報管理DB制御部104は、親管理ID情報から情報管理DB105の系統管理テーブル1052eを検索し、当該親管理IDの継承ID情報にある原本ID情報と同じ原本ID情報を有する管理IDを検索し、当該管理ID及び生存情報、媒体種別、ポリシ、所在及び継承IDを含む系統情報を情報管理制御部102へ送出する(ST169)。
情報管理制御部102は、ポリシ評価結果及び系統情報を含むサーバ検索結果情報を管理要求受付部101へ送出する(ST170)。
管理要求受付部101は、サーバ検索結果情報を情報媒体制御装置310へ送出する(ST171)。
管理要求通信部314は、図54に示すように、情報管理サーバ装置100からサーバ検索結果情報を取得すると、情報媒体中央制御部312へ当該サーバ検索結果情報を送出する(ST172)。
情報媒体中央制御部312は、サーバ検索結果情報内のポリシ評価結果が可の場合に限り、当該サーバ検索結果情報に含まれた系統情報及びステップST157で取得した親管理ID情報を上位システム部311へ送出する(ST173)。
上位システム部311は、親管理ID情報及び系統情報を含むページ要求情報をWebサーバ部316へ送出する(ST174)。
Webサーバ部316は、親管理ID情報及び系統情報を含むページ要求情報からパネル画面ページ情報を作成し、上位システム部311へ送出する(ST175)。図51にパネル画面ページG70の一例を示す。ここで、配布先一覧g72で必要な利用者情報は、必要に応じて、利用者管理サーバ装置200から取得する。
上位システム部311は、Webサーバ部316から取得したパネルページ情報をパネル制御部317へ送出し、操作パネルへの表示を要求する(ST176)。
ここで、複製品質の選択領域g73では、#1000010、#1002101、#1001202の管理IDを指定可能であり、管理ID#1000010及び管理ID#1001202は第1の実施形態での「原本データ読み出し」及び「現物複写」に相当する。
パネル制御部317は、第1の実施形態のステップST11と同様、画面選択情報を上位システム部311へ送出する(ST177)。
上位システム部311は、複製品質で「原本データ読み出し」及び「現物複写」が選択された場合には、第1の実施形態のステップST12〜ST42と同様に、複製処理を実行する。親文書のスキャン操作やコンテキスト情報の取得は実行済のため、適宜省略が可能である。
複製品質で「原本データ読み出し」及び「現物複写」以外の管理IDを複製元として指定された場合、情報管理制御部102は原本データ読み出しの代わりに指定された管理IDに関連づけられた複製データの読み出しを情報管理DB制御部104に要求する。
情報管理DB制御部104は、系統管理テーブル1052eで指定された管理IDを検索し、当該管理IDに関連づけられた実体IDからデータ原本管理テーブル1056から複製素材となる複製データ情報を取得し、情報管理制御部102へ送出する。
情報媒体中央制御部312は、当該複製データ情報を含む複写要求情報を印刷制御部318へ送出し、印刷制御部318は当該複製データ情報及び発行された子管理IDから複製文書を作成し、出力する。
ここで、どの機器や利用者、時間、場所でも制限なく、系統管理情報の取得が可能な場合には、ステップST161〜ST162,ST166〜ST167といったコンテキスト情報取得及びポリシ評価の処理を省略してもよい。
本実施形態を第2の実施形態に適用した場合も同様であり、ステップST56で情報管理サーバ装置100からサーバ処理結果情報に含まれる原本データ情報のかわりに指定された管理IDの実体ファイル情報を格納する。
情報媒体制御装置320は子管理ID情報、当該指定管理IDの実体ファイル情報及び複製先情報を含む印刷要求情報を印刷装置400へ送出し、指定管理IDの複製データ実体を複製品質とした複製を出力させる。
本実施形態を第3の実施形態に適用した場合も同様であり、ステップST139で、情報管理DB制御部104は、原本データの代わりに指定された管理IDの複製データ実体を情報管理DB105から取得し、当該複製データに対する管理ファイル作成を管理ファイル作成部106に要求する。
上述したように本実施形態によれば、適用した第1〜第3の各実施形態の効果に加え、原本データから派生した原本又は複製者が所有する複製以外の複製を指定して出力させることができる。
なお、上記実施形態に記載した手法は、コンピュータに実行させることのできるプログラムとして、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクなど)、光ディスク(CD−ROM、DVDなど)、光磁気ディスク(MO)、半導体メモリなどの記憶媒体に格納して頒布することもできる。
また、この記憶媒体としては、プログラムを記憶でき、かつコンピュータが読み取り可能な記憶媒体であれば、その記憶形式は何れの形態であっても良い。
また、記憶媒体からコンピュータにインストールされたプログラムの指示に基づきコンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)や、データベース管理ソフト、ネットワークソフト等のMW(ミドルウェア)等が上記実施形態を実現するための各処理の一部を実行しても良い。
さらに、本発明における記憶媒体は、コンピュータと独立した媒体に限らず、LANやインターネット等により伝送されたプログラムをダウンロードして記憶又は一時記憶した記憶媒体も含まれる。
また、記憶媒体は1つに限らず、複数の媒体から上記実施形態における処理が実行される場合も本発明における記憶媒体に含まれ、媒体構成は何れの構成であっても良い。
尚、本発明におけるコンピュータは、記憶媒体に記憶されたプログラムに基づき、上記実施形態における各処理を実行するものであって、パソコン等の1つからなる装置、複数の装置がネットワーク接続されたシステム等の何れの構成であっても良い。
また、本発明におけるコンピュータとは、パソコンに限らず、情報処理機器に含まれる演算処理装置、マイコン等も含み、プログラムによって本発明の機能を実現することが可能な機器、装置を総称している。
なお、本願発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組合せてもよい。