JP5132661B2 - 車両の警告ランプ装置 - Google Patents

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Description

この発明は、車両の警告ランプ装置に関する。
自動二輪車のメータの中には各種の警告ランプを一体に備えたものがある。警告ランプは通常はランプが消灯していて異常時にのみ点灯するものであるので、ランプ自体がフェールしていて消灯している場合には運転者が認識しづらいものであるが、メータと一体に配置された警告ランプはメータと電源を共通にしているため、警告ランプの電源が切れるとメータにも電力が供給されないこととなり、メータが表示されず、警告ランプの電源の故障が認識し易くなる(特許文献1参照)。
特開平10−40479号公報
しかしながら、レイアウトの自由度や部品の汎用性やデザインのニーズからメータと警告ランプ群を別体に設けたい場合、単に警告ランプの電源をメータの電源と別に設けてしまうと、警告ランプの電源だけが切れている場合には、警告ランプがフェールしていてもメータは正常に表示されているため、警告ランプの電源切れを認識しにくいという課題がある。
そこで、この発明は、警告ランプをメータとは別の部位に配置する際に、警告ランプの電源をメータの電源とは別に設ける場合であっても警告ランプの電源切れを認識し易い車両の警告ランプ装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載した発明は、車両(例えば、実施形態における自動二輪車1)の状態を検出して、必要に応じて警告を発する警告ランプ(例えば、実施形態におけるオイルプレッシャ(圧)警告ランプ107、冷却水温警告ランプ110、FI警告ランプ112、ABS警告ランプ106、ニュートラルランプ109、ターンシグナルランプ105、ハイビーム警告ランプ108)を設けた車両の警告ランプ装置において、前記警告ランプをメータ(例えば、実施形態におけるメータユニット37)とは分離して配置し、前記警告ランプに電源を供給する警告ランプ電源端子(例えば、実施形態におけるランプ電源端子IGN+1)と、前記警告ランプ電源端子と前記警告ランプとの間に接続され、前記メータに電源を供給するメータ電源端子(例えば、実施形態におけるメータ電源端子IGN+2)とを設け、前記メータ電源端子を介して前記メータに電源が供給されることを特徴とする。
請求項2に記載した発明は、前記警告ランプには、アース端子(例えば、実施形態におけるアース端子GND1)と、このアース端子と前記警告ランプとの間に接続され、前記メータのアースを行うメータアース端子(例えば、実施形態におけるメータアース端子GND2)とを設け、前記メータアース端子を介して前記メータのアースを行うことを特徴とする。
請求項3に記載した発明は、前記警告ランプには、この警告ランプを通じて車両の状態を検出する状態検出装置(例えば、実施形態におけるオイルプレッシャスイッチ141、冷却水メータ139、FIユニット111、ABSユニット113、ニュートラルスイッチ144、右ターンスイッチ149、左ターンスイッチ150、ハイビームスイッチ151)に接続される検出装置接続端子(例えば、実施形態におけるオイルプレッシャスイッチ接続端子145、冷却水温接続端子146、FI接続端子147、ABSユニット接続端子157、ニュートラルスイッチ接続端子148、右ターンスイッチ接続端子152、左ターンスイッチ接続端子153、ハイビームスイッチ接続端子154)が設けられていることを特徴とする。
請求項4に記載した発明は、前記警告ランプを複数配置したパイロットボックス(例えば、実施形態におけるパイロットボックス104)からなることを特徴とする。
請求項5に記載した発明は、前記警告ランプは車両のアンチロックブレーキシステム(例えば、実施形態におけるABSユニット113)の警告を行うABS警告ランプ(例えば、実施形態におけるABS警告ランプ106)であることを特徴とする。
請求項6に記載した発明は、前記警告ランプはエンジンオイル圧、エンジン冷却水温、燃料噴射装置等のエンジン運転状態の警告を行う警告ランプであることを特徴とする。
請求項7に記載した発明は、前記メータは、電気式速度計(例えば、実施形態における速度計82)、電気式タコメータ(例えば、実施形態におけるタコメータ81)または液晶メータ(例えば、実施形態における時計83、燃費計84、トリップ計85)の少なくとも一つであることを特徴とする。
請求項8に記載した発明は、前記メータをメータパネル(例えば、実施形態におけるメータパネル90)に取り付け、前記パイロットボックスを前記メータと離して前記メータパネルの前部上端に設けたことを特徴とする。
請求項9に記載した発明は、前記警告ランプはLED(例えば、実施形態におけるLED118)をプリント基板(例えば、実施形態におけるプリント基板117)に設けたものであり、前記プリント基板に黒色塗装(例えば、実施形態における黒色塗装119)を施したことを特徴とする。
請求項1に記載した発明によれば、警告ランプとメータを別体に構成することにより、部品の汎用性が高まったり、特に自動二輪車における配置の自由度が良好になる上、デザイン的にも工夫し易くなるという効果を備えるばかりか、警告ランプの電源側の接続不良により警告ランプへ電力供給がなされない場合には、警告ランプの点灯による注意喚起を行うことができないが、同時にメータにも電力が供給されないため、メータの表示や文字などが消えるなどメータを介して異常をすることができる。したがって、警告ランプに電力が供給されていない状況を速やかに確認し易くなる。
請求項2に記載した発明によれば、警告ランプのアース側の接続不良により警告ランプのアースがなされない場合には、警告ランプの点灯による注意喚起を行うことができないが、同時にメータのアースがなされないためメータに電力が供給されず、メータの表示や文字などが消えるなどメータを介して異常を確認することができる。したがって、警告ランプに電力が供給されていない状況を速やかに確認することができる。
請求項3に記載した発明によれば、警告ランプが点灯することにより状態検出装置の異常を認識することができる。
請求項4に記載した発明によれば、パイロットボックスにある警告ランプの電源やアースを介してメータの電源やアースを接続することができる。
請求項5に記載した発明によれば、アンチロックブレーキシステムの警告ランプ電源やアースを経由してメータの電源を供給し、メータのアースを設定することができる。よって、アンチロックブレーキシステムの警告ランプの電源あるいはアース側で接続が断絶していた場合であっても、メータの状態によりこれを認識することができる。
請求項6に記載した発明によれば、何れの警告ランプであっても、この警告ランプの電源あるいはアース側での接続不良をメータの表示や文字などの状態により確認することができる。
請求項7に記載した発明によれば、最も目に付き易い電気式速度計、電気式タコメータまたは液晶メータの状態により警告ランプの異常を知ることができる。
請求項8に記載した発明によれば、パイロットボックスを経由してメータの電源及びアースを取るようにすることで、パイロットボックスの特定の警告ランプを優先させて、その故障をメータの状態で把握することができる。
請求項9に記載した発明によれば、基板が太陽光で反射しても警告灯の点灯/非点灯の認識をし易くすることができる。
この発明の実施形態の自動二輪車の側面図である。 図1の部分正面図である。 図2のフロントカウルを取り外した状態の側面図である。 図2のフロントカウルを取り外した状態の正面図である。 メータユニットの正面図である。 図5の側断面図である。 メータユニットの取付状態を示す図5のA−A線に沿う部分断面図である。 メータパネルの取付状態を示す図5のB−B線に沿う部分断面図である。 メータパネルの平面図である。 メータパネルの側面図である。 メータパネルの取付状態を示す図である。 パイロットボックスの正面図である。 図12の側断面図である。 メータユニットとパイロットボックスを含む電気回路図である。
以下、この発明の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、以下の図において矢印FRは車両前方を、矢印LHは車両左方を、矢印UPは車両上方をそれぞれ示す。
図1に示すように、自動二輪車1の前輪2は左右一対のフロントフォーク3の下端部に軸支され、各フロントフォーク3の上部はステアリングステム4を介して車体フレーム5のヘッドパイプ6に操舵可能に枢支されている。ステアリングステム4のトップブリッジ4a上にはバーハンドル7が取り付けられている。
車体フレーム5は、複数種の鋼材または鋳造成形により一体に接合し、ヘッドパイプ6の上部から後方へ延びた後に下方に湾曲して延びるメインフレーム8を主とする所謂モノバックボーン型で形成されている。メインフレーム8はヘッドパイプ6と同様に車幅方向中央に配置されている。
ヘッドパイプ6の後部には左右一対のエンジンハンガ11が互いに離間して斜め下方に延出している。
メインフレーム8の後部下側には左右一対のピボットブラケット12が取り付けられると共に、メインフレーム8の後部上側にはシートレール13及びそのサポートパイプ13aの前端部が取り付けられている。
各ピボットブラケット12にはスイングアーム14の前端部が揺動可能に枢支され、スイングアーム14の後端部には後輪15が軸支されている。スイングアーム14の前部とメインフレーム8の湾曲部との間にはリヤクッション16が介装されている。
メインフレーム8の下方には、クランク回転軸線を車幅方向に沿わせた並列四気筒のエンジン17が搭載されている。エンジン17のクランクケース18上には斜め前上方に向けてシリンダ19が設けられている。シリンダ19の後部には気筒毎にスロットルボディ21が接続され、シリンダ19の前部には同じく気筒毎に排気管22が接続されている。
スロットルボディ21の後方にはエアクリーナケース25が接続される。尚、図中符号26はエアクリーナケース25の左側部に沿うように配設されて車両後方に向けて開口する吸気ダクトを示す。
一方、排気管22はエンジン17の前方で適宜湾曲してクランクケース18の下方に至り、互いに一本に集合して排気触媒等を内蔵させた後に、車体後部右側のサイレンサ23に接続されている。シリンダ19の前方にはエンジン冷却用のラジエータ24が配設されている。
クランクケース18の前部上側は各エンジンハンガ11下部の支持プレート11aに支持され、クランクケース18の後部上下はピボットブラケット12近傍の上下支持部12a,12bにそれぞれ支持されている。
エンジン17の回転駆動力は、図示しないクラッチ機構及び変速機を介してクランクケース18の後部左側のドライブスプロケット29aに出力された後、ドライブチェーン29b及びドリブンスプロケット29cを介して後輪15に伝達される。
エンジン17の上方には、メインフレーム8を跨ぐように燃料タンク31が配設されている。燃料タンク31の後方には、シートレール13が支持する運転者用シート32a及び後部搭乗者用シート32bが前後に並んで配設されている。ピボットブラケット12の後部には、運転者用のステップ及び後部搭乗者用のステップを前後に支持するステップブラケット33の前端部が取り付けられている。
図2〜図4に示すように、車体前部には、ヘッドパイプ6周りをその前方から両側方に渡って覆うフロントカウル34が設けられている。フロントカウル34は合成樹脂からなり、車体前端部上側に前下がりのノーズ形状を備えている。フロントカウル34は、主として車体前端部上側の車幅方向中央部を形成するフロントセンターカウル41と、車体前部の左右側部を形成する左右フロントサイドカウル45とで構成されている。フロントセンターカウル41の上部前側には、透明又は半透明の合成樹脂からなるフロントスクリーン39が設けられている。尚、図2、図4において、CLは車体中心線を示す。
フロントカウル34の前端部には、左右二灯式のヘッドライト35a,35bが配設されている。左右フロントサイドカウル45の下方延出部48の前縁の上部には、それぞれフロントウインカ36a,36bが配設されている。フロントカウル34の上部内側(後側)には、各種の表示部を有するメータユニット37が配設されている。フロントカウル34の上部左右両側には、それぞれにバックミラー38(図1参照)が配設されている。
フロントセンターカウル41は、左右ヘッドライト35a,35b間から上側ほど幅が広がるように延びる外面形成部42と、その左右両側から斜め後外側へ湾曲して延びる左右被覆部43とを一体に有している。外面形成部42は、フロントカウル34の上部前面において車両外方(斜め上前方)に凸となるように湾曲形成されている。左右被覆部43は、その下部が左右ヘッドライト35a,35bのレンズ面65を車両前方に臨ませるべく枠状に形成されている。左右被覆部43は、その斜め前外側から左右フロントサイドカウル45の前面部46が重なることでこの前面部46に覆われている。
左右フロントサイドカウル45はそれぞれ、フロントセンターカウル41に連なるように設けられる前面部46と、前面部46の外側縁から後方へ延びる後方延出部47と、後方延出部47の前後中間部の下縁から下方へ延びる下方延出部48とを有する。左右前面部46には、左右ヘッドライト35a,35bのレンズ面65の上縁及び外側縁にそれぞれ整合するように前面視で外側がつり上がった略三角形状をなす切り欠き46aが形成されている。後方延出部47は、フロントフォーク3の上部及び燃料タンク31の前部を車幅方向外側から覆うように後方へ延出し、下方延出部48は、フロントフォーク3の下部後方に位置するラジエータ24を車幅方向外側から覆うように下方へ延出する。
切り欠き46aの外側縁の下部間には、これらの間に渡るカウルエクステンション49が渡設されている。カウルエクステンション49の車幅方向中央部の上面には、フロントセンターカウル41の車幅方向中央部の下端が上方から連結されている。フロントセンターカウル41の車幅方向中央下部の両側縁は、左右ヘッドライト35a,35bのレンズ面65の内側縁にそれぞれ整合し、カウルエクステンション49の左右側部の上縁は、左右ヘッドライト35a,35bのレンズ面65の下縁にそれぞれ整合している。これらフロントセンターカウル41、カウルエクステンション49及び左右フロントサイドカウル45により、左右ヘッドライト35a,35bのレンズ面65を車両前方に露出させる開口部46bが形成される。尚、カウルエクステンション49の下部両側には、フロントサイドカウル45の下方延出部48の前縁に沿うように下方に延びラジエータシュラウドとしても機能するカウルサイドインナー49aが連設されている。
図3、図4に示すように、フロントカウル34は、その前部がヘッドライト35a,35b、フロントウインカ36a,36b、バックミラー38、及びメータユニット37と共にカウルステー51を介してヘッドパイプ6に支持されると共に、左右両側部が図示しないサイドフレーム等を介して車体フレーム5等に支持されている。
カウルステー51は、複数種の鋼材を溶接等により一体に接合してなり、円形鋼管を側面視略クランク状に屈曲させた左右一対のステー本体52を備えている。左右ステー本体52は互いに左右対称をなし、ヘッドパイプ6の前方で互いに車幅方向で隣接するステー下部52aと、その上方で互いに離間するように車幅方向外側へ斜めに広がるステー上部52bとを有している。左右ステー本体52のステー下部52aはガセットプレート52c,52c等を介して溶接等により互いに一体に接合され、前面視で略Y字状のカウルステー51が形成されている。
カウルステー51の左右ステー下部52aは、側面視で後方に凸となる弧状に形成されその後側部には、左右一対のピボットプレート53が接合され、左右ピボットプレート53間にヘッドパイプ6の前端部に突設された締結部6aを挟み込んだ状態で、これらが上下一対のボルト等により一体に締結され、もってカウルステー51がヘッドパイプ6の前端部に固定される。
左右ステー下部52aの下部前端には、ステー本体52と略同径の円形鋼管からなる下クロスパイプ54が接合されている。下クロスパイプ54は直線状をなして左右に延在し、その左右両側の下端部には、上下方向と略直交する平板状をなして前方に延出する左右支持片55の後端部が接合されている。尚、左右ステー下部52aの下部前端近傍には、エンジン17の吸気系部品であるバキュームタンク57取り付け用のバキュームタンクブラケット56、及び図示しないホーン(警笛)取り付け用のホーンブラケットがそれぞれ一体に接合されている。
カウルステー51の左右ステー上部52bの上部外側には、左右ミラー取り付け用の左右ミラーブラケット58がそれぞれ一体に接合されている。
左右ステー上部52bの上部間には、ステー本体52よりも小径の円形鋼管からなる上クロスパイプ59が車幅方向に渡設されている。上クロスパイプ59は、前面視で左右端部側を斜め上外側にやや屈曲させた浅い湾曲形状に形成されている。
上クロスパイプ59の中間部の前側には、斜め後下方に下メータブラケット61が一体に接合されると共に、この下メータブラケット61を挟んで両側に上方に突出するように左右上メータブラケット62が一体に接合されている。
左右ステー上部52bと上クロスパイプ59の左右側部とに跨って左右スクリーンブラケット63の基部が接合され、この左右スクリーンブラケット63の上端部が左右ステー上部52bと上クロスパイプ59の左右側部との間に上方に向かって延出している。
上クロスパイプ59の各メータブラケット61,62の締結孔には、メータユニット37の裏面から各々突出するボス61a,62aがそれぞれ挿通されてタッピングスクリュー66にて弾性体60を介して締結固定されている。
左右スクリーンブラケット63には、フロントスクリーン39を手動又は電動により高さ調整可能とするアジャスタユニット(図示せず)の左右側部がそれぞれ締結固定されている。下クロスパイプ54の左右支持片55には、左右ヘッドライト35a,35bの車幅方向内側の後部下側がそれぞれ合成ゴム等からなる弾性体64を介して支持されている。
左右ヘッドライト35a,35bは、レンズ面65を露出させるランプケース65aを備えている。ランプケース65aには上部に2箇所、下部には1箇所にブラケット71,71,71が設けられ、これら各ブラケット71をフロントカウル34及びカウルステー51の固定部71aに固定して、左右ヘッドライト35a,35bがフロントカウル34及びカウルステー51に固定されている。
図5、図6に示すように、メータユニット37は平面視で車幅方向に長く上縁が山型に形成され、下縁は左右一対のラバースイッチ80,80の配置部位がやや外側に張り出した形状に形成されている。メータユニット37の中央部には円形のアナログ表示の電気式のタコメータ81が配置され、タコメータ81の左側にはデジタル表示の電気式の速度計82が設けられ、速度計82の上部には液晶の時計83が隣接配置されている。タコメータ81の右側には上からデジタル表示で液晶の燃費計84、トリップ計85、バー表示の燃料計86が配置されている。速度計82の下側の内側寄りと燃料計86の下側の内側寄りにラバースイッチ80が配置されている。ここで、メータユニット37には、バックライトなどの照明部が設けられ、表示された部位の視認性を高めている。
メータユニット37の裏面には、前述したようにカウルステー51の左右上メータブラケット62と下メータブラケット61の締結孔に挿入されるボス部62a,62a,61aが形成されている。具体的に図7に下メータブラケット61を例にして示すと、筒状の弾性体60を介してタッピングスクリュー66をボス部61aに締め付けて、メータユニット37がカウルステー51に固定されている。尚、図7中67はワッシャを示す。
また、メータユニット37の裏面にはコネクタ接続部87が設けられている。メータユニット37の前縁には左右一対の取付片88,88が設けられ、各取付片88に設けた嵌合孔89に、図8に示すように、後述するメータパネル90の前面部91の裏面に左右一対設けたクリップ部92が弾性体93を介して嵌合される。尚、図7、図8は後述するメータパネル90及びガーニッシュ79を取り付けた状態を示す。
図9〜図11に示すように、メータユニット37の上側と燃料タンク31とに渡ってメータパネル90が取り付けられている。
メータパネル90は乗員に対面するようにフロントスクリーン39の裏側(後側)で立ち上がる前面部91と、この前面部91の下部両側から前面部91に対して略直方向に折れ曲がり後方の燃料タンク31に至る延出部94とで構成されている。メータパネル90の前面部91には中央にメータユニット37のタコメータ81を露出させる中央開口部95と、中央開口部95の左側に、速度計82と時計83を露出させる左側開口部96が設けられ、中央開口部95の右側に、メータユニット37の燃費計84とトリップ計85と燃料計86を露出させるための右側開口部97が設けられている。右側開口部97と左側開口部96の下側にはメータユニット37のラバースイッチ80,80を露出させる開口部98,98が形成されている。尚、図7に示すように、メータパネル90の中央開口部95の周囲及び開口部98を跨ぐ位置に至る部位にガーニッシュ79が取り付けられている。
メータパネル90の前面部91の裏側には、前面部91に対して斜め下側に向かってクリップ部92が形成され、このクリップ部92をメータユニット37の左右の取付片88に差し込み嵌合させることで前面部91がメータユニット37に固定される。また、図3にも示すように、メータパネル90の延出部94には、端部に燃料タンク31の両側部の上面に設けた取付座99に固定される取付孔100を備えると共にフロントサイドカウル45の取付片101が形成され、燃料タンク31の取付座99にクリップ102により取り付けられると共に、フロントサイドカウル45に取付片101が固定される。
メータパネル90の前部上端、具体的には中央開口部95の上方には、前側に向かって弧状に張り出すように形成された横長形状のパイロットボックス用開口部103が形成されている。このパイロットボックス用開口部103にパイロットボックス104が取り付けられている。したがって、パイロットボックス104はメータユニット37とは分離して配置されることとなる。パイロットボックス104をメータユニット37と分離してメータパネル90の上端に配置したのでパイロットボックス104の視認性が向上する。
図12、図13に示すように、パイロットボックス104は、幅方向に一列に複数の警告ランプを備えている。これらのランプは、車両の状態を検出した結果に応じて点灯して警告を発するものである。具体的に説明すると、パイロットボックス104の両端部には左右フロントウインカ36a,36bに連動して点灯する矢印マークの左右ターンシグナルランプ105,105が配置されている。
左右ターンシグナルランプ105,105の内側には左側からABS(Antilock Brake System)ユニット113に異常を検出した場合に点灯して運転状態の警告を行うABS警告ランプ106、作動油の油圧に異常を検出した場合に点灯して運転状態の警告を行うオイルプレッシャ警告ランプ107、ヘッドライト35a,35bがハイビーム状態にある場合に点灯して警告をするハイビーム警告ランプ108、ミッションがニュートラル位置にある際に点灯するニュートラルランプ109、エンジンの冷却水温が規定より高くなった場合に点灯して運転状態の警告を行う冷却水温警告ランプ110、燃料噴射装置としてのFIユニット111が異常である場合に点灯して運転状態の警告を行うFI警告ランプ112が配置されている。
パイロットボックス104はケース本体114に、左右ターンシグナルランプ105,105、ABS警告ランプ106、オイルプレッシャ(圧)警告ランプ107、ハイビーム警告ランプ108、ニュートラルランプ109、冷却水温警告ランプ110、FI警告ランプ112毎に隔壁115で区分けされたレンズ部116がビス124により固定されている。ケース本体114にはプリント基板117が設けられ、このプリント基板117上に実装された各LED118が各警告ランプを構成している。プリント基板117の表面は黒色塗装119が施され、レンズ部116の外側からプリント基板117の表面が外部から見えにくくなっている。
ケース本体114の両端部にはメータパネル90の前面部91の取付ボス70に裏側から固定するための取付片120,120が形成され、各取付片120の取付孔121にタッピングスクリュー122を介してパイロットボックス104がメータパネル90のパイロットボックス用開口部103から露出した状態で取り付けられる。また、ケース本体114の裏側には、コネクタ接続部123がビス125により固定されている。
図14はメータユニット37とパイロットボックス104を含む電気回路131を示している。電源であるバッテリ132にイグニッションスイッチ133、ヒューズ134が順次接続され、このヒューズ134にパイロットボックス104のランプ電源端子IGN+1を介して逆流防止用のダイオード135が順次直列に接続されている。逆流防止用のダイオード135のカソード側には、互いに並列に各々LED118を備えたオイルプレッシャ警告ランプ107、冷却水温警告ランプ110、FI警告ランプ112、ニュートラルランプ109が電流制限用抵抗136を介して接続されている。ここで、オイルプレッシャ警告ランプ107、冷却水温警告ランプ110、FI警告ランプ112、ニュートラルランプ109には抵抗137及びノイズ防止用コンデンサ138が並列接続されている。
冷却水温警告ランプ110とFI警告ランプ112は異常があると駆動する冷却水メータ139のトランジスタのコレクタとFIユニット111のトランジスタのコレクタに各々逆流防止用ダイオード140を介して接続され、オイルプレッシャ警告ランプ107は、異常があるとオンとなるオイルプレッシャスイッチ141に逆流防止用ダイオード140を介して接続され、ニュートラルランプ109は、ミッションがニュートラル位置にある際にオンとなるニュートラルスイッチ144に逆流防止用ダイオード140を介して接続されている。
オイルプレッシャ警告ランプ107、冷却水温警告ランプ110、FI警告ランプ112、ニュートラルランプ109のカソード側に接続された逆流防止用ダイオード140のカソード側には、パイロットボックス104のオイルプレッシャスイッチ接続端子145、冷却水温接続端子146、FI接続端子147、ニュートラルスイッチ接続端子148が設けられている。尚、ニュートラルスイッチ接続端子148とニュートラルスイッチ144との間にはFIユニット111が接続されている。
ヒューズ134とランプ電源端子IGN+1との間には、互いに並列に右ターンスイッチ149、左ターンスイッチ150、ハイビームスイッチ151が接続され、右ターンスイッチ149、左ターンスイッチ150、ハイビームスイッチ151にはLED118からなる各々右ターンシグナルランプ105、左ターンシグナルランプ105、ハイビーム警告ランプ108が電流制限用抵抗136を介して各々接続されている。右ターンスイッチ149、左ターンスイッチ150、ハイビームスイッチ151と各電流制限用抵抗136との間にはパイロットボックス104の右ターンスイッチ接続端子152、左ターンスイッチ接続端子153、ハイビームスイッチ接続端子154が設けられている。
また、右ターンスイッチ149、左ターンスイッチ150、ハイビームスイッチ151には各々左フロント(リヤも含む)ウインカ36a、右フロント(リヤも含む)ウインカ36b、各ヘッドライト(ハイビームバルブ)35が接続されている。尚、左ターンシグナルランプ105、右ターンシグナルランプ105、ハイビーム警告ランプ108には抵抗137及びノイズ防止用コンデンサ138が並列接続されている。
ランプ電源端子IGN+1に接続された逆流防止用のダイオード135のカソード側には、オイルプレッシャ警告ランプ107、冷却水温警告ランプ110、FI警告ランプ112、ニュートラルランプ109と並列に、ABS用逆流防止用ダイオード155、抵抗156、ABSユニット接続端子157を介してABSユニット113のトランジスタのコレクタが接続されている。ABS用逆流防止用ダイオード155のカソード側には抵抗156の手前側で分岐してLED118からなるABS警告ランプ106が電流制限用抵抗136を介して接続されている。尚、ABS警告ランプ106にも抵抗137及びノイズ防止用コンデンサ138が並列接続されている。
ABS警告ランプ106のカソード側はランプ用トランジスタ159のコレクタに接続され、ランプ用トランジスタ159のエミッタがアース端子GND1を介して接地されている。ランプ用トランジスタ159のコレクタには、右ターンシグナルランプ105、左ターンシグナルランプ105、ハイビーム警告ランプ108のカソード側が各々逆流防止用ダイオード140を介して並列接続されている。
ABSユニット接続端子157と抵抗156との間にはツェナーダイオード160のカソードが接続され、ツェナーダイオード160のアノードは抵抗161を介してランプ用トランジスタ159のベースに接続されている。ランプ用トランジスタ159のコレクタの手前には抵抗162とコンデンサ163が各々分岐されて接地されている。
したがって、ABSユニット113のトランジスタのエミッタは通常はHIGHとなっているが、これが異常によりLOWとなりツェナーダイオード160がHIGHとなりツェナーダイオード160の逆電圧がツェナー電圧を超えるとランプ用トランジスタ159がオンとなる。これによりABS警告ランプ106が点灯してABSユニット113の異常を知ることができる。
ランプ電源端子IGN+1とオイルプレッシャ警告ランプ107、冷却水温警告ランプ110、FI警告ランプ112、ニュートラルランプ109、ABS警告ランプ106との間、具体的にはランプ電源端子IGN+1とダイオード135との間には、メータユニット37に電源を供給するパイロットボックス104のメータ電源端子IGN+2が分岐して接続され、このメータ電源端子IGN+2を介してメータユニット37のコネクタ接続部87から電力が供給される。
ABS警告ランプ106、左ターンシグナルランプ105、右ターンシグナルランプ105、ハイビーム警告ランプ108とアース端子GND1との間、具体的にはこれらのランプ105,105,108の逆流防止用ダイオード140のカソード側とアース端子GND1との間には、メータユニット37のアースを行うメータアース端子GND2が分岐接続され、このメータアース端子GND2を介してメータユニット37のコネクタ接続部87からアースを行う。
ランプ電源端子IGN+1、メータ電源端子IGN+2、オイルプレッシャスイッチ接続端子145、冷却水温接続端子146、FI接続端子147、ABSユニット接続端子157、ニュートラルスイッチ接続端子148、右ターンスイッチ接続端子152、左ターンスイッチ接続端子153、ハイビームスイッチ接続端子154、アース端子GND1及びメータアース端子GND2がパイロットボックス104のコネクタ接続部123を構成している。
ここで、パイロットボックス104のコネクタ接続部123には両端部に振り分けるようにして、一端側にランプ電源端子IGN+1が他端側にアース端子GND1が配置されている。これによりコネクタ接続部123の左右の一端側が切断されても、電源側かアース側の何れかが接続されなくなり、この状態をメータユニット37の電源や照明に反映させることができる。
したがって、パイロットボックス104のコネクタ接続部123が完全に外れる前の段階においても、早めに接続不良を認識することができる。
上記実施形態によれば、パイロットボックス104をメータユニット37とは別にしてメータパネル90に取り付け、このパイロットボックス104を介してメータユニット37の電源及びアースを確保することで、メータユニット37の電源を確定しアースを設定することができる。
そのため、パイロットボックス104がメータユニット37と一体になっていないことによって生ずるパイロットボックス104の接続不良をメータユニット37の表示や文字などの状態により確認することができる。したがって、レイアウトの上でメータユニット37と別に配置しなければならない場合においても、パイロットボックス104の接続不良を速やかに認識できる。
オイルプレッシャスイッチ141、冷却水メータ139、FIユニット111、ABSユニット113、ニュートラルスイッチ144、右ターンスイッチ149、左ターンスイッチ150、ハイビームスイッチ151から信号が送られると、これに対応してオイルプレッシャ警告ランプ107、冷却水温警告ランプ110、FI警告ランプ112、ABS警告ランプ106、ニュートラルランプ109、ターンシグナルランプ105、ハイビーム警告ランプ108が点灯することにより、異常が生じていること、あるいはハイビームであること、フロントウインカ(リヤウインカも含む)36a,36bが点灯していることをパイロットボックス104によって集中的に認識することができる。このとき、パイロットボックス104のプリント基板117には黒色塗装119が施されているため、LED118の周囲が外部から見えにくくして外観品質を向上できる。また、基板117が太陽光で反射しても警告灯の点灯/非点灯の認識をし易くすることができる。
ここで、ランプ電源端子IGN+1の接続不良により、オイルプレッシャ警告ランプ107、冷却水温警告ランプ110、FI警告ランプ112、ABS警告ランプ106、ニュートラルランプ109へ電力供給がなされない場合、アース端子GND1の接続不良により、ターンシグナルランプ105、ハイビーム警告ランプ108がアースされないためこれらに電力供給がなされない場合には、これらオイルプレッシャ警告ランプ107、冷却水温警告ランプ110、FI警告ランプ112、ABS警告ランプ106、ニュートラルランプ109、ターンシグナルランプ105、ハイビーム警告ランプ108の点灯による注意喚起を行うことができない。
しかしながらが、この場合には、メータ電源端子IGN+2にも電力が供給されずメータアース端子GND2も接地されていないため、メータユニット37に電源が供給されず、電気式メータの場合はメータが表示されずメータユニット37を介してパイロットボックス104のランプ異常を確認することができる。
したがって、オイルプレッシャ警告ランプ107、冷却水温警告ランプ110、FI警告ランプ112、ABS警告ランプ106、ニュートラルランプ109、ターンシグナルランプ105、ハイビーム警告ランプ108にバッテリ132からの電力が供給されていない状況を速やかに確認することができる。
ここで、このような回路上の接続不良対策は四輪車両に比較して振動が大きい自動二輪車において好適である。
つまり、ABS警告ランプ106を例にしてより具体的に説明すると、ABS警告ランプ106が点灯していないことが、ABSユニット113に異常がないということを意味しているのか、ABS警告ランプ106に電力が供給されていないことを意味しているのかがわからない場合に、少なくともメータユニット37の表示や文字などが消えていることがすぐに確認できれば、前提としてABS警告ランプ106に電力が供給されていないこと、あるいはアースが適正になされていないことを一目で認識することができる。よって、ランプ電源端子IGN+1やアース端子GND1の接続を確認することで、接続不良が原因であるか否かについて速やかに確認することができる。
そして、最も目に付きやすいメータユニット37の表示や文字などの状態を確認することで、オイルプレッシャ警告ランプ107、冷却水温警告ランプ110、FI警告ランプ112、ABS警告ランプ106、ニュートラルランプ109、ターンシグナルランプ105、ハイビーム警告ランプ108のランプ電源端子IGN+1やアース端子GND1の接続不良を知ることができるため、確認を簡単に行うことができる。
尚、この発明は上記実施形態に限られるものではなく、例えば、自動二輪車のみならず四輪自動車に適用することができる。
1 自動二輪車(車両)
37 メータユニット(メータ)
81 タコメータ
82 速度計
83 時計(液晶メータ)
84 燃費計(液晶メータ)
85 トリップ計(液晶メータ)
90 メータパネル
104 パイロットボックス
105 ターンシグナルランプ
106 ABS警告ランプ
107 オイルプレッシャ警告ランプ
108 ハイビーム警告ランプ
109 ニュートラルランプ
110 冷却水温警告ランプ
111 FIユニット(状態検出装置)
112 FI警告ランプ
113 ABSユニット(状態検出装置、アンチロックブレーキシステム)
117 プリント基板
118 LED
119 黒色塗装
139 冷却水メータ(状態検出装置)
141 オイルプレッシャスイッチ(状態検出装置)
144 ニュートラルスイッチ(状態検出装置)
145 オイルプレッシャスイッチ接続端子(検出装置接続端子)
146 冷却水温接続端子(検出装置接続端子)
147 FI接続端子(検出装置接続端子)
148 ニートラルスイッチ接続端子(検出装置接続端子)
149 右ターンスイッチ(状態検出装置)
150 左ターンスイッチ(状態検出装置)
151 ハイビームスイッチ(状態検出装置)
152 右ターンスイッチ接続端子(検出装置接続端子)
153 左ターンスイッチ接続端子(検出装置接続端子)
154 ハイビームスイッチ接続端子(検出装置接続端子)
157 ABSユニット接続端子(検出装置接続端子)
IGN+1 ランプ電源端子
IGN+2 メータ電源端子
GND1 アース端子
GND2 メータアース端子

Claims (9)

  1. 車両(1)の状態を検出して、必要に応じて警告を発する警告ランプ(107,110,112,106,109,105,108)を設けた車両の警告ランプ装置において、前記警告ランプをメータ(37)とは分離して配置し、前記警告ランプに電源を供給する警告ランプ電源端子(IGN+1)と、前記警告ランプ電源端子と前記警告ランプとの間に接続され、前記メータに電源を供給するメータ電源端子(IGN+2)とを設け、前記メータ電源端子を介して前記メータに電源が供給されることを特徴とする車両の警告ランプ装置。
  2. 前記警告ランプには、アース端子(GND1)と、このアース端子と前記警告ランプとの間に接続され、前記メータのアースを行うメータアース端子(GND2)とを設け、前記メータアース端子を介して前記メータのアースを行うことを特徴とする請求項1記載の車両の警告ランプ装置。
  3. 前記警告ランプには、この警告ランプを通じて車両の状態を検出する状態検出装置(141,139,111,113,144,149,150,151)に接続される検出装置接続端子(145,146,147,157,148,152,153,154)が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の車両の警告ランプ装置。
  4. 前記警告ランプを複数配置したパイロットボックスからなることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の車両の警告ランプ装置。
  5. 前記警告ランプは車両のアンチロックブレーキシステム(113)の警告を行うABS警告ランプ(106)であることを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか一項に記載の車両の警告ランプ装置。
  6. 前記警告ランプはエンジンオイル圧、エンジン冷却水温、燃料噴射装置等のエンジン運転状態の警告を行う警告ランプであることを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか一項に記載の車両の警告ランプ装置。
  7. 前記メータは、電気式速度計(82)、電気式タコメータ(81)または液晶メータ(83,84,85)の少なくとも一つであることを特徴とする請求項1〜請求項6の何れか一項に記載の車両の警告ランプ装置。
  8. 前記メータをメータパネル(90)に取り付け、前記パイロットボックスを前記メータと離して前記メータパネルの前部上端に設けたことを特徴とする請求項4記載の車両の警告ランプ装置。
  9. 前記警告ランプはLED(118)をプリント基板(117)に設けたものであり、前記プリント基板に黒色塗装(119)を施したことを特徴とする請求項1〜請求8の何れか一項に記載の車両のランプ装置。
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