JP5132377B2 - 複式包装による物品の保存方法 - Google Patents

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Description

本発明は、物品の保存方法に関し、詳しくは、複式包装による物品の保存方法に関する。
美容において、ハイドロキノン、ユビキノン、ビタミンA、ビタミンE、カロテノイドやその誘導体、スクワレンなどポリエン構造を有する物質はしみ、しわ、たるみ、くすみなど外観的に老化とも思われる容姿を軽減、改善し、肌を健やかに保つ成分として好まれ、健康食品、医薬部外品、医薬品、化粧品等に用いられている。
しかし、上記の物質は、本来酸化されやすい易酸化性の物質であるため、酸化劣化に起因する異臭の発生や変色が起こることがある他、肌に刺激を与えることさえある。よって、保存に際し充分な工夫が必要となる。
また、他の成分においても、色素の退色、着色や、匂い、状態の変化など酸素存在下において品質が劣化する例は極めて多い。
上記の問題を解決するために、酸化防止剤、紫外線吸収剤、キレート剤等を配合するなどの組成面からの工夫と、空気を遮断するアルミニウムの層を有するチューブなど容器面からの工夫が行われている。組成面からの工夫の具体的な例として、リン酸、ホウ酸、クエン酸、グルタミン酸もしくはイプシロンアミノカプロン酸およびそれらのアルカリ金属塩から選ばれた緩衝剤成分と、非イオン界面活性剤およびキレート剤とを含有し、かつ液性がpH5ないしpH8に調整され、ポリプロピレンまたはポリエチレンテレフタレートを材質とする密封容器に充填されている安定な水性製剤を開示する特許文献1、脂溶性ビタミン、ジブチルヒドロキシトルエン及びブチルヒドロキシアニソールをポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類に溶解し、次いで水及び水溶性ビタミンを加えて凍結乾燥することにより得られる静脈注射用総合ビタミン剤を開示する特許文献2などがある。また、容器面からの技術としては、外気、光、金属との遮断を提案した特許文献3、チューブの胴部はもとより、該胴部の張合せ部をもこれらとの遮断を示した特許文献4、多層のフィルムを提案した特許文献5などがある。
更に、上記医薬品類を酸素吸収性多層フィルムを用いて保存する方法を提案するものとして、例えば、特許文献6乃至8が挙げられる。
上記のように、従来、易酸化性の物品の保存安定性を向上させる方法としては、組成による方法、包装による方法、及びこれらの組合わせによる方法が挙げられるが、包装による方法として例示されるガスバリア性を有する容器は酸素を遮断するため、また、エアレス容器は容器内に空気が混入しないため、該容器内に収容した物品の酸化劣化を充分に抑制することができると考えられてきた。
特開平05−004918号公報 特開平05−124967号公報 特開平08−000986号公報 特開2002−370756号公報 特開平11−123794号公報 特開平07−171194号公報 特開2000−84041号公報 実開平06−83340号公報
しかし、上記包装による方法については、封入時に酸素が混入し経時による酸化劣化が起こり、また、一度開封すると効果が極端に低下するか又は無くなってしまうなどの問題があった。このため、封入時の酸素残存量に依存せず、複数回の使用が可能な包装が望まれていた。
本発明の目的は、物品の経時による酸化劣化を著しく抑制することができる物品の保存方法を提供することである。また、物品を保存する容器を開封した後も、引き続き保存物品の経時による酸化劣化をより良好に抑制可能とする物品の保存方法を提供することである。
本発明は、
(1)物品を収容した耐水性を有する容器を、少なくとも一部が、酸素を透過するポリオレフィンからなる酸素透過層、鉄系脱酸素剤を配合した酸素吸収性樹脂組成物からなる酸素吸収層、及びガスバリア性物質からなるガスバリア層を、内側からこの順で有する酸素吸収性多層フィルムからなる包装袋に封入する保存方法であって、上記耐水性を有する容器が、少なくとも、胴部、肩部及びヘッド部を有し、かつ上記胴部が2層以上の多層からなり、その少なくとも1層がガスバリア性物質からなるラミネートチューブ容器である、物品の保存方法、及び
(2)上記耐水性を有する容器が、その少なくとも一部が熱可塑性樹脂からなるガラス容器、又は(熱可塑性樹脂及び/又はガラスからなるエアレス容器である、上記(1)の保存方法
に関する。
本発明の保存方法により、保存物品の経時による酸化劣化を著しく抑制することが可能となる。また、保存物品を収容する容器を開封した後も、該容器内に上記物品を保存することで、保存物品の酸化劣化を引き続きより良好に抑制することができる。
[酸素吸収性多層フィルムからなる包装袋]
本発明においては、物品を収容した耐水性を有する容器を封入する包装袋は、その少なくとも一部が、酸素を透過するポリオレフィンからなる酸素透過層、鉄系脱酸素剤を配合した酸素吸収性樹脂組成物からなる酸素吸収層、及びガスバリア性物質からなるガスバリア層を、内側からこの順で有する酸素吸収性多層フィルムからなる。
酸素透過層
酸素吸収性多層フィルムを構成する酸素透過層は、本発明の酸素吸収性多層フィルムを包装袋の一部または全部に利用した際にシーラントとなる部分であり、また物品を収容した耐水性を有する容器と後述の酸素吸収層とを隔離する隔離層としての役割や、包装袋内の酸素が酸素吸収層中の酸素吸収剤に速やかに吸収されるために効率良く酸素を透過させる役割を有する。
酸素透過層は、上述の役割を果たすことが可能な、酸素透過性を有するポリオレフィンであれば、制限することなく使用することができる。具体的には、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、メタロセン触媒によるポリエチレン等の各種ポリエチレン類、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、プロピレンホモポリマー、プロピレン−エチレンブロック共重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体、メタロセン触媒によるポリプロピレン等の各種ポリプロピレン類、ポリメチルペンテン、熱可塑性エラストマー等が挙げられ、これらを単独で、または組み合わせて使用することができる。
これらの中でも、酸素透過性やヒートシール性を考慮すると、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、メタロセン触媒によるポリエチレン等の各種ポリエチレン類が好ましい。
酸素透過層には、必要に応じ、酸化チタン等の着色顔料、酸化防止剤、スリップ剤、帯電防止剤、安定剤等の添加剤、炭酸カルシウム、クレー、マイカ、シリカ等の充填剤、消臭剤等を添加することができる。
上記酸素透過層の厚みは10〜100μmであることが好ましく、20〜60μmがより好ましい。酸素透過層の膜厚が10μm以上であれば、酸素吸収層の酸素吸収剤が表面に露出することなく十分に被覆され、ヒートシール強度も維持できる。また、酸素透過層の膜厚が100μm以下であれば、積層を容易におこなうことができ、また酸素透過性を維持できフィルムの酸素吸収性能の低下を抑制でき、さらにコスト上の問題もない。
酸素吸収層
酸素吸収性多層フィルムを構成する酸素吸収層は、鉄粉を配合した酸素吸収性樹脂組成物からなるが、熱可塑性樹脂中に鉄系脱酸素剤を分散してなるものが好ましく用いられる。酸素吸収層は、包装袋内又は収納物品中に溶存する酸素を吸収する役割、また、包装袋外部から侵入する微量の酸素を吸収して内部への酸素透過を防ぐ役割を有する。
本発明の酸素吸収層を構成する熱可塑性樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、メタロセン触媒によるポリエチレン等の各種ポリエチレン類、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、プロピレンホモポリマー、プロピレン−エチレンブロック共重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体、メタロセン触媒によるポリプロピレン等の各種ポリプロピレン類、ポリメチルペンテン、熱可塑性エラストマー等が挙げられ、これらを単独で、または組み合わせて使用することができる。
これらの中でも、酸素透過層との相溶性を考慮して酸素透過層に用いる樹脂と同種の樹脂を用いることが好ましい。
酸素吸収性樹脂組成物に配合される鉄系脱酸素剤としては、鉄粉及びハロゲン化金属からなる組成物が好ましく用いられる。
鉄系脱酸素剤の主剤である鉄粉としては、酸素吸収反応を起こしうるものであれば純度等には特に制限なく使用でき、例えば、表面の一部が既に酸化したものでも良く、他の金属を含有するものであっても良い。また、鉄粉は粒状のものが好ましく、例えば、還元鉄粉、噴霧鉄粉、電解鉄粉等の鉄粉、鋳鉄、鋼材等の各種鉄の粉砕物や研削品等が用いられる。その平均粒径は、取り扱い性や、酸素吸収層の膜厚を薄くすること、及びフィルム外観に現れる鉄系脱酸素剤の凹凸をできるだけ小さくすることを考慮し、1〜100μmの範囲とすることが好ましく、特に1〜80μmの範囲とすることが好ましい。上記平均粒径は、レーザー回折・散乱法の粒度分析計により測定することができる。
鉄系脱酸素剤の助剤であるハロゲン化金属としては、例えば、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩化物、臭化物又はヨウ化物が用いられ、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムまたはバリウムの塩化物又はヨウ化物が好ましく用いられる。ハロゲン化金属の配合量は、鉄粉100質量部当たり0.1〜20質量部が好ましく、特に0.1〜5質量部が好ましい。
本発明において、好ましい鉄系脱酸素剤は、鉄粉とハロゲン化金属を含む鉄粉系組成物であり、より好ましくは、鉄粉にハロゲン化金属を付着させたハロゲン化金属被覆鉄粉組成物である。このように、ハロゲン化金属は、鉄粉に付着して容易に分離しないよう、予め鉄粉と混合して添加することが好ましい。鉄粉を付着させる方法としては、例えば、ボールミル、スピードミル等を用いてハロゲン化金属と鉄粉を混合して鉄粉表面の凹凸部にハロゲン化金属を埋め込む方法、バインダーを用いてハロゲン化金属を鉄粉表面に付着させる方法、ハロゲン化金属水溶液と鉄粉を混合した後乾燥して鉄粉表面にハロゲン化金属を付着させる方法等を採ることができる。
酸素吸収層中における鉄系脱酸素剤の配合量は、酸素吸収能力が十分である点及び酸素吸収層を製膜することが容易な点から、10〜70質量%の範囲とすることが好ましく、10〜60質量%の範囲がより好ましい。
酸素吸収層の厚みは、構成材料によらず、20〜100μmの範囲とすることが好ましく、より好ましくは30〜80μmの範囲である。酸素吸収層の膜厚が20μm以上であれば、製膜が容易であり、フィルム単位面積当たりの鉄系脱酸素剤量が適切であり、十分な酸素吸収性能が得られる。また、100μm以下であれば、フィルム総厚みの点から取り扱い性に優れたものとなり、コスト上も問題がない。
酸素吸収層を構成する酸素吸収性樹脂組成物には、必要に応じて、酸化チタン等の着色顔料、酸化防止剤、スリップ剤、帯電防止剤、安定剤等の各種添加剤、クレー、マイカ、シリカ、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム等の充填剤、消臭剤、活性炭やゼオライト等の吸着剤、酸化カルシウム、酸化マグネシウム等の消泡剤等を添加することができる。
ガスバリア層
本発明において、酸素吸収性多層フィルムを構成するガスバリア層は、包装袋外部から侵入する酸素を遮断する層であり、例えば、アルミ箔等の金属箔、ポリ塩化ビニリデン、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、エチレン-ビニルアルコール共重合体、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロンMXD6、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のガスバリア性樹脂、アルミニウム蒸着フィルムやシリカ蒸着フィルム等の蒸着フィルム等を単独又は組合せて用いることができる。これらの中でも、アルミ箔等の金属箔が特に好ましい。
ガスバリア層の厚みは、酸素遮断性、製袋加工性の点から、構成材料によらず、5〜30μmの範囲とすることが好ましく、より好ましくは7〜25μmの範囲である。
酸素吸収性多層フィルム
酸素吸収性多層フィルムは、上述の酸素を透過するポリオレフィンからなる酸素透過層、鉄系脱酸素剤を配合した酸素吸収性樹脂組成物からなる酸素吸収層及びガスバリア性物質からなるガスバリア層の少なくとも3層を内側よりこの順で有する。
本発明においては、必要に応じ、上記3層に加えその他の層を付加することもできる。例えば、ガスバリア層の破損やピンホールを防ぐために、ガスバリア層の外側に熱可塑性樹脂からなる保護層を設けることが好ましい。保護層に用いる熱可塑性樹脂としては、例えば、高密度ポリエチレン等のポリエチレン類、プロピレンホモポリマー、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−エチレンブロック共重合体等のポリプロピレン類、ナイロン6、ナイロン6,6等のポリアミド類、さらに、PET等のポリエステル類又はこれらの組合せが挙げられる。
上記各層の積層フィルムは、例えば、酸素透過層と酸素吸収層を押出ラミネート等により得られるラミネートフィルムに、ガスバリア層をドライラミネートなどにより積層する等の方法により得ることができる。
包装袋
酸素吸収性多層フィルムからなる包装袋としては、全体が前記酸素吸収多層フィルムからなる袋が好ましいが、少なくとも一部、例えば片面が前記酸素吸収多層フィルムで片面が他のガスバリア性フィルムからなる包装袋でも良い。該他のガスバリア性フィルムとしては特に制限はなく、通常ガスバリア性を有する物質からなるものであればいずれも使用できる。また、包装袋の形状に特に制限はなく、三方袋状、自立袋状等がいずれも使用できる。
[耐水性を有する容器]
本発明における、物品を収容する耐水性を有する容器としては、ガスバリア性を有する材料からなるものが好ましく、ガスバリア性多層容器であるラミネートチューブ容器、容器の一部が熱可塑性樹脂からなるガラス容器、及び熱可塑性樹脂及び/又はガラスからなるエアレス容器が用いられる。
ラミネートチューブ容器
耐水性を有する容器として挙げられるラミネートチューブ容器は、少なくとも、胴部、肩部及びヘッド部を有し、かつ上記胴部が2層以上の多層からなり、その少なくとも1層がガスバリア性物質からなるラミネートチューブ容器である。
このようなラミネートチューブ容器の胴部を構成する層としては、上記ガスバリア性物質からなる層の他、例えば、ポリエチレンからなる層を含む二層以上からなるものが挙げられる。
ガスバリア性物質からなる層を構成するガスバリア性物質としては、アルミ箔等の金属箔、ポリ塩化ビニリデン、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、エチレン-ビニルアルコール共重合体、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロンMXD6、PET等のガスバリア性樹脂、アルミニウム、アルミナ、シリカ等を蒸着したフィルムである蒸着フィルム等を単独又は組合せて使用した構成が挙げられる。上記ガスバリア性物質の中でも、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、アルミニウム、アルミナ、シリカ等を蒸着したフィルムが特に好ましい。
また、ポリエチレンからなる層を構成するポリエチレンとしては、直鎖状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、メタロセン触媒によるポリエチレン等の各種ポリエチレンが挙げられる。
本発明においては、チューブ加工性、コストの点から、耐水性を有するラミネートチューブ容器の胴部は、前記ポリエチレンからなる層、及び上記ガスバリア性物質を含む層からなる2層構造を有することが好ましい。
また、本発明においては、チューブ加工性、密封性の点からは、上記耐水性を有するラミネートチューブ容器を構成する胴部は3層以上からなる多層構造を有することが好ましい。その場合、同様の観点から、その最内層及び最外層の少なくとも一方が前記ポリエチレンからなり、且つ、1以上の中間層が前記ガスバリア性物質からなる層であることが好ましい。より好ましくは、上記最内層及び最外層がいずれもポリエチレンからなるものである。本発明においては、ラミネートチューブ容器の肩部、ヘッド部の材質については特に制限はないが、本発明においては、内容物の保存の点から、肩部及びヘッド部がポリエチレンやポリプロピレン等のガス透過性物質からなるものを用いることが好ましい。
上記ポリエチレンからなる層及びガスバリア性物質を含む層の厚みは、加工性、コストの点から、各々が2層以上である場合も含めそれぞれ合計で10μm以上であることが好ましい。
ラミネートチューブ容器は、複数回使用できるキャップ付の口を有していれば形状は円柱状、シート状などいずれも使用でき、特に限定されず、胴部、肩部及びヘッド部は、その各々の形状には特に制限はない。
ガラス容器
耐水性を有する容器として挙げられる少なくとも一部が熱可塑性樹脂からなるガラス容器は、好ましくは内容物である物品を収容する本体がガラスからなり、キャップや栓、ポンプなど一部に熱可塑性樹脂が使用されている容器である。これらの容器は、内容物である物品の粘性が低く、水を含む水性の物品に好適に用いられる。
容器の少なくとも一部に用いられる熱可塑性樹脂としては、例えば、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられ、水蒸気バリア性の点から、好ましくは、ポリプロピレンである。
また、その形状、大きさ及び厚みについては、物理的に使用に耐えられるものであれば特に制限はなく、目的に応じ適宜選択できる。
エアレス容器
エアレス容器は、容器に充填された内容物の使用分だけ、内圧等により、容器低部が上昇し、容器内の内容物が使用により減少しても、容器内部に空気等が混入しない容器であり、ラミネートチューブ容器と同様、胴部、肩部及びヘッド部を有するものが好ましい。発明においては、その胴部の材質には、ポリプロピレン、ポリエチレン、PET等の熱可塑性樹脂又はガラスが用いられ、ヘッド部や肩部には、上記熱可塑性樹脂が用いられることが好ましい。エアレス容器の厚みについては、物理的に使用に耐えられるものであれば特に制限はない。
エアレス容器の形状及び大きさについては特に制限はなく、通常のエアレス容器と同様のものを目的に応じて適宜選択できる。
[収容物品]
本発明において、上記耐水性を有する容器に収容される物品としては、易酸化性を有する物品が好ましく、例えば化粧料、医薬品、食品等の物品が挙げられる。このようなものとしては、ハイドロキノン、ユビキノン、ビタミンA、ビタミンE、カロテノイド及び/又はその誘導体、及びスクワレンなどポリエン構造を有する物質からなる群から選ばれる少なくとも一種を含有する組成物(1)、又は少なくとも一種の金属イオンと、該金属イオンと反応して発色する少なくとも一種の有機化合物とを含有する組成物(2)が好ましく挙げられる。
上記組成物(1)としては、具体的には、ハイドロキノン、ユビキノン、ユビキノール、レチノール、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール、ビタミンA油、トコフェロール、ニコチン酸トコフェロール、トコトリエノール、β-カロテン、リコピン、キサントフル、ロドキサンチン、ビキシンなどが挙げられ、これらの誘導体は、ハイドロキノン、ユビキノン、ビタミンA、ビタミンE、カロテノイドの基本骨格を有し、安定性、溶解性、薬理性などが変えられた物質である。特にユビキノン、ビタミンA、カロテノイド及びその誘導体(レチノール、パルミチン酸レチノール、β-カロテン、リコピン、アスタキサンチン)を含有する組成物に対して本発明の効果が有効に得られる。
また、これら易酸化性物品に強力な抗酸化性化合物であるジブチルヒドロキシトルエンなどを配合して、組成物による酸化を防止する工夫も一般になされているが、上記のような抗酸化性化合物の高濃度の配合は安全性上の懸念が生じることがある。本発明によれば、上記抗酸化性化合物の配合量を減じた場合や、無配合とした場合であっても、易酸化性物品の安定性を維持することが可能となる。
本発明においては、収容物品として、少なくとも一種の金属イオンと、該金属イオンと反応して発色する少なくとも一種の有機化合物とを含有する組成物(2)も好ましく使用しうる。金属イオンとしては、鉄、銅、銀、アルミニウム、亜鉛等の各金属のイオンが挙げられ、金属イオンとともに用いられる有機化合物が発色するものであれば元素のままでも良いが、本発明においては、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、塩化第一鉄、塩化第二鉄、硫酸銅、硝酸銅、塩化銀、硫酸銀、硝酸銀、クエン酸銀等の金属イオンとなり易い物質が好ましく用いられる。
金属イオンと反応して発色する有機化合物としてはヘマテイン、ピロガロール、タンニン、カテコール、シコニン等、これらを含有するアカブドウ、アカメガシワ、アカネ、アセンヤク、ウーロン茶、ウコン、ウツボグサ、ウワウルシ、オウゴン、オウバク、オウレン、オオイタドリ、オトギリソウ、キハダ、クルミ、ケイヒ、ゲンチアナ、ゲンノショウコ、紅茶、コウホネ、コガネバナ、コノテガシワ、五倍子、ザクロ、サンザシ、シオン、シャクヤク、ジユ、スイカズラ、スオウ、セイヨウノコギリソウ、センナ、チョウジ、ドクダミ、ニワトコ、ネジキ、ハマビシ、ビンロウ、フキタンポポ、ブラジルウッド、ヘンナ、ボタン、マグワ、ミノバラニノキ、メハジキ、メリッサ、ヤマモモ、ユキノシタ、緑茶、レンゲソウ、ローズマリー、シコンエキス、チャエキスおよびログウッドなどのエキスを用いることができる。
前記収容物品には、本発明の効果を損なわない範囲で、エタノール、グリセリン、ソルビトール、ブドウ糖、異性化糖などのアルコール類、リン酸リボフラビンナトリウム、アスコルビン酸、リン酸L−アスコルビルマグネシウム、テトラ2−ヘキシルデカン酸アスコルビルなどのビタミンおよびその誘導体、アスパラギン酸、カチオニン、メチオニン、リジン、トリメチルグリシンなどのアミノ酸およびその誘導体、ポリクオタニウム−51、キトサン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシビニルポリマー、メチルセルロースやヒアルロン酸ナトリウムなどの水溶性高分子、グリチルリチン酸およびその誘導体、グリチルレチン酸およびその誘導体、アラントインおよびその誘導体などの抗炎症剤、ナイロン末や架橋型シリコーン・網状型シリコーンブロック共重合体、タルク、酸化鉄などの粉体、タール系色素などの色素、シコンエキス、ソウハクヒエキスなどの植物エキス、香料、パール剤、防腐剤や殺菌剤、菌代謝液、還元剤、γ−オリザノール、セラミド、ピロリドンカルボン酸ナトリウムなどを配合することも可能である。
本発明において、上記収容物品は、クリーム状、乳液状、液状、粉末状などいずれであってもよく、その剤型は限定されない。
[本発明の保存方法]
本発明の保存方法は、上記物品を収容した耐水性を有する容器を、前記酸素吸収性多層フィルムを有する包装袋に封入するものである。耐水性を有する各容器、酸素吸収性多層フィルム、該耐水性を有する容器に収容された物品については、各々前述した通りである。
すなわち、本発明は、前記酸素吸収多層フィルムを少なくとも一部に使用した包装袋に、化粧料、医薬品、食品等の物品を収容した前記耐水性を有する容器を封入し、密封する保存方法である。
本発明においては、上記酸素吸収性多層フィルムからなる包装袋内に、耐水性を有する容器と共に水を共存させることが、酸素吸収性多層フィルムの酸化反応を促進する点で好ましい。共存させる水の量としては、酸素吸収性多層フィルムの酸化反応促進の点から、空気量100ccに対して、1〜10gであることが好ましく、より好ましくは、2〜5gである。
本発明によれば、耐水性を有する容器中を封入した酸素吸収性多層フィルムからなる包装袋内の圧力、酸素濃度等については特に制限はなく、空気等をそのまま包装した場合であってもよく、封入時の酸素残存量に依存することなく、本発明の効果を奏し得るし、そのような場合に本発明の効果が有効に得られる。
なお、本発明の保存方法によれば、保存物品を収容した耐水性容器を封入した包装袋を一度開封した後においても、該物品を上記耐水性容器内に保存することで、その酸化劣化を引き続き抑制することができる。このことは、当初から外包装することなく耐水性容器に物品を収容した場合で、これを一度開封した後の保存性に比べ、より良好に酸化劣化を抑制することができる点で、本発明の予期せぬ効果である。
[複式包装容器]
本発明は、また、(1)(イ)少なくとも、胴部、肩部及びヘッド部を有し、かつ上記胴部が2層以上の多層からなり、その少なくとも1層がガスバリア性物質からなるラミネートチューブ容器、(ロ)少なくとも一部が熱可塑性樹脂からなるガラス容器、及び(ハ)熱可塑性樹脂及び/又はガラスからなるエアレス容器から選ばれる、物品を収容するための耐水性を有する容器、及び(2)上記(1)記載の容器を内包する包装袋であって、その少なくとも一部が、酸素を透過するポリオレフィンからなる酸素透過層、鉄系脱酸素剤を配合した酸素吸収性樹脂組成物からなる酸素吸収層、及びガスバリア性物質からなるガスバリア層を、内側からこの順で有する酸素吸収性多層フィルムからなる包装袋、を有する易酸化性物品の保存用複式包装容器に関する。
物品を収容するための耐水性を有する各容器、酸素を透過するポリオレフィンからなる酸素透過層、鉄系脱酸素剤を配合した酸素吸収性樹脂組成物からなる酸素吸収層、ガスバリア性物質からなるガスバリア層、これらを有する酸素吸収性多層フィルム、該酸素吸収性多層フィルムからなる包装袋については、いずれも前述の通りである。また易酸化性物品としては、前記耐水性容器に収容される物品として挙げられたものがいずれも挙げられる。
この保存用複式包装容器は、上記酸素吸収性多層フィルムからなる包装袋内に耐水性を有する容器と共に水を存在させることが好ましいことも前述の通りである。
このような複式包装容器を用いて、耐水性を有する容器内に保存すべき易酸化性物品を収容することで、優れた保存性が得られる。
以下に実施例等により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
製造例1(酸素吸収性多層フィルムの製造)
平均粒径30μmの鉄粉1000kgを加熱ジャケット付き真空乾燥機中に投入し、10mmHgの減圧下140℃で混合しつつ、塩化カルシウム50重量%水溶液50kgを噴霧し、乾燥した後、篩い分けし粗粒を除き、平均粒径30μmの鉄系酸素吸収剤を得た。
次に、ベント付き二軸押出機を用いて、直鎖状低密度ポリエチレン(日本ポリケム(株)製;商品名カーネルKC580)を押出しながら、サイドフィードにて鉄系酸素吸収剤及び酸化カルシウムを供給し、ポリエチレン:鉄系酸素吸収剤:酸化カルシウム=58:40:2重量比となるように、混練し、ストランドダイから押し出した後、冷却、ペレタイザーにてペレット化し、酸素吸収性樹脂組成物を得た。
次いで、2台の単軸押出機、Tダイ、冷却ロール及びスリッター及び巻取機からなる押出ラミネーター装置を用い、ヒートシール層として繰り出される無延伸ポリエチレンフィルム50μm(オカモト(株)製;商品名LRW)に酸素吸収層として、酸素吸収樹脂組成物を厚さ30μmで押出ラミネートし、酸素吸収層面をコロナ放電処理したラミネートフィルムを得た。そのラミネートフィルムに厚さ9μmのアルミ箔、厚さ15μmのナイロン、厚さ12μmのPETフィルムを順次ドライラミネートにて積層し、酸素吸収性多層フィルムを作製した。
実施例1
下記表1に示すレチノール配合美容液200gを、肩部及びヘッド部がポリエチレンからなり、胴部がポリエチレン/アルミニウム蒸着PETフィルム/ポリエチレンの三層からなるガスバリア性ラミネートチューブ容器に空気を実質的に混入させることなく充填し、これを、ポリエチレンからなるキャップにて密封し、それを製造例1で製造した酸素吸収性多層フィルムを用いて作成した縦130mm、横185mmの三方袋に空気量約50ccとともに封入し密封した後、40℃にて6ヶ月間放置後、美容液を収容した容器を開封してレチノールの残存量を定量した。
その後、毎日1回使用して1ヶ月後のレチノール残存量を定量し、その臭い及び外観を評価した結果を表2に示す。ここで、レチノール残存量は、液クロマトグラフィー機器(Waters社製 2690 HPLC システム、検出器:Waters 996 Photodiode Array Detector、カラム:SHISEIDO CAPCELL PAK C18 MG 3mmI.D.×150mm、展開溶媒:メタノール)により定量した(以下同じ)。
実施例2
実施例1において、三方袋内に空気量約50ccとともに水を3g封入した以外は同様にして保存し、評価を行った。結果を表2に示す。
実施例3
実施例1において、胴部がポリエチレン/アルミニウム蒸着PETフィルム/ポリエチレンの三層からなるガスバリア性ラミネートチューブ容器に代えて、胴部がポリエチレン/エチレン−ビニルアルコール共重合体ケン化物/ポリエチレンの三層からなるガスバリア性ラミネートチューブ容器を使用した以外は同様にして保存し、評価を行った。結果を表2に示す。
実施例4
実施例1において、ガスバリア性ラミネートチューブ容器に代えて、ポリプロピレンからなるエアレス容器に空気を実質的に混入させることなく充填し、ポリエチレンからなるキャップにて密封したものに代えた以外は同様にして保存し、評価を行った。結果を表2に示す。
比較例1
実施例1において、ガスバリア性ラミネートチューブ容器に代えて、ガラス瓶からなるガスバリア性容器に空気を実質的に混入させることなく充填し、ポリエチレンからなるキャップにて密封したものを用い、かつこれを三方袋に封入しなかったこと以外は同様にして保存し、評価を行った。結果を表2に示す。
比較例2
実施例1において、ガスバリア性ラミネートチューブ容器に代えて、胴部が、ポリエチレン/エチレン−ビニルアルコール共重合体/ポリエチレンの三層からなるガスバリア性ラミネートチューブ容器に空気を実質的に混入させることなく充填し、ポリエチレンからなるキャップにて密封したものを用い、かつこれを三方袋に封入しなかったこと以外は同様にして保存し、評価を行った。結果を表2に示す。
比較例3
実施例1において、ガスバリア性ラミネートチューブ容器に代えて、ポリエチレン単層チューブ容器に空気を実質的に混入させることなく充填し、ポリエチレンからなるキャップにて密封したものを用いた以外は同様にして保存し、評価を行った。結果を表2に示す。
Figure 0005132377
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表2によれば、実施例1〜4の各々では、開封時において、さらに連続使用1ヶ月後においても高いレチノール残存量を示し、色、臭いとも特に明確な変化は無かった。一方、比較例1、2では通常の空気中の保存状態であり、酸素存在下の試験結果であるため、開封時には既にレチノールの酸化のために、その残存量が大きく減少し、色、臭いの変化も明確であった。また、比較例3においては開封時までは脱酸素の状態であり、高いレチノール残存量を示し、色、臭いとも特に明確な変化は無かったが、連続使用1ヶ月後において明確にレチノール量が減少し、色、臭いの変化も明確であった。また、従来の保存方法では、美容液の酸化防止のためジブチルヒドロキシトルエンを0.1質量%程度配合する必要があったが、本発明の保存方法を用いることでジブチルヒドロキシトルエンの配合量を0.02質量%まで減じても、実施例1におけるように美容液を長期保存することが可能となった。
実施例5
下記表3に示すユビキノン配合乳液200gを、ポンプがポリプロピレン製であるガラス製容器に空気を実質的に混入させることなく充填し、ポリエチレンからなるキャップにて密封し、それを製造例1で製造した酸素吸収性多層フィルムを用いて作成した縦130mm、横185mmの三方袋に空気量約60ccとともに封入し密封した後、40℃にて6ヶ月間放置後、乳液を収容した容器を開封してユビキノンの残存量を定量した。
その後、毎日1回使用して1ヶ月後のユビキノン残存量を定量し、その臭い及び外観を評価した結果を表4に示す。なお、ユビキノン残存量は、レチノール残存量と同様の液クロマトグラフィーにより定量した(以下同じ)。
実施例6
実施例5において、ガラス製容器に代えて、実施例3で用いたガスバリア性ラミネートチューブ容器に空気を実質的に混入させることなく充填し、ポリエチレンからなるキャップにて密封したものを用いた以外は同様にして保存し、評価を行った。結果を表4に示す。
比較例4
実施例5において、ガラス製容器に代えて、ガラス瓶からなるガスバリア性容器に空気を実質的に混入させることなく充填し、ポリエチレンからなるキャップにて密封したものを用い、かつこれを三方袋に封入しなかったこと以外は同様にして保存し、評価を行った。結果を表4に示す。
比較例5
実施例5において、ガラス製容器に代えて、実施例3で用いたガスバリア性ラミネートチューブ容器に空気を実質的に混入させることなく充填し、ポリエチレンからなるキャップにて密封したものを用い、かつこれを三方袋に封入しなかったこと以外は同様にして保存し、評価を行った。結果を表4に示す。
比較例6
実施例5において、ガラス製容器に代えて、ヘッド部及び胴部がポリエチレン単層チューブ容器に空気を実質的に混入させることなく充填し、ポリエチレンからなるキャップにて密封したものを用いた以外は同様にして保存し、評価を行った。結果を表4に示す。
Figure 0005132377
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開封時においては、実施例と比較例に、臭い、外観に差はみられなかったが、1ヶ月使用後において本発明の有効性が現れた。また、実施例5、6の方が比較例4乃至6より高いユビキノンの残存率を示したことから、本発明により、易酸化性物質であるユビキノンの酸化が抑制されたことがわかる。
実施例7〜13
下記表5〜11の各々に示した組成を有する化粧品組成物200g(実施例7、8はクリーム、実施例9はジェル、実施例10は化粧水、実施例11はシート付きパックの浸透液、実施例12はヘアートニック、実施例13はヘアクリーム)を、それぞれ肩部、ヘッド部がポリエチレンからなり、胴部がポリエチレン/エチレン−ビニルアルコール共重合体/ポリエチレンの3層からなるラミネートチューブ容器に空気を実質的に混入させることなく充填し、更に、ヘッド部をアルミ箔で密封したラミネートチューブ容器を得た。参考例1で製造した酸素吸収性多層フィルムを用いて作成した縦130mm、横185mmの三方袋に、空気量約60cc及び水3gとともに上記化粧品組成物が充填されたラミネートチューブ容器を充填密封して、1ヶ月保存した。袋開封後、チューブ内部の保存物を観察したところ、いずれの組成物についても、充填前の外観、香りが良好に保持されていた。また、開封1ヶ月後に、ラミネートチューブ内部の充填物を観察したところ、やや、外観が低下する程度で、いずれの組成物についても、使用上問題のないものが得られた。
なお、実施例7〜13は、それぞれ表5〜表11に示された組成物を用いた例である。
Figure 0005132377
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本発明の保存方法は、保存物品の酸化劣化を抑制することが可能であり、また、保存物品を収容する容器を封入した外装袋を開封した後も、該容器内に該物品を保存することで、保存物品の酸化劣化を引き続き抑制することができることから、物品の保存方法として好適に使用される。

Claims (9)

  1. 物品を収容した耐水性を有する容器を、少なくとも一部が、酸素を透過するポリオレフィンからなる酸素透過層、鉄系脱酸素剤を配合した酸素吸収性樹脂組成物からなる酸素吸収層、及びガスバリア性物質からなるガスバリア層を、内側からこの順で有する酸素吸収性多層フィルムからなる包装袋に封入する保存方法であって、上記耐水性を有する容器が、少なくとも、胴部、肩部及びヘッド部を有し、かつ上記胴部が2層以上の多層からなり、その少なくとも1層がガスバリア性物質からなるラミネートチューブ容器である、物品の保存方法。
  2. 前記ラミネートチューブ容器の胴部が、ポリエチレンを含む層、及びガスバリア性物質を含む層からなる2層構造を少なくとも有する、請求項1記載の保存方法。
  3. 前記ラミネートチューブ容器の胴部が3層以上の多層構造を有し、その最内層及び最外層の少なくとも一方がポリエチレンからなり、且つ、中間層の少なくとも1層がガスバリア性物質からなる、請求項1記載の保存方法。
  4. 前記最内層及び最外層がいずれもポリエチレンからなる、請求項3記載の保存方法。
  5. 物品を収容した耐水性を有する容器を、少なくとも一部が、酸素を透過するポリオレフィンからなる酸素透過層、鉄系脱酸素剤を配合した酸素吸収性樹脂組成物からなる酸素吸収層、及びガスバリア性物質からなるガスバリア層を、内側からこの順で有する酸素吸収性多層フィルムからなる包装袋に封入する保存方法であって、上記耐水性を有する容器が、その少なくとも一部が熱可塑性樹脂からなるガラス容器である、物品の保存方法。
  6. 物品を収容した耐水性を有する容器を、少なくとも一部が、酸素を透過するポリオレフィンからなる酸素透過層、鉄系脱酸素剤を配合した酸素吸収性樹脂組成物からなる酸素吸収層、及びガスバリア性物質からなるガスバリア層を、内側からこの順で有する酸素吸収性多層フィルムからなる包装袋に封入する保存方法であって、上記耐水性を有する容器が、熱可塑性樹脂及び/又はガラスからなるエアレス容器である、物品の保存方法。
  7. 前記物品が、ハイドロキノン、ユビキノン、ビタミンA、ビタミンE、カロテノイド及び/又はその誘導体、及びポリエン構造を有する物質からなる群から選ばれる少なくとも一種を含有する組成物である、請求項1〜6のいずれかに記載の保存方法。
  8. 前記物品が、少なくとも一種の金属イオンと、該金属イオンと反応して発色する少なくとも一種の有機化合物とを含有する組成物である、請求項1〜6のいずれかに記載の保存方法。
  9. (1)(イ)少なくとも、胴部、肩部及びヘッド部を有し、かつ上記胴部が2層以上の多層からなり、その少なくとも1層がガスバリア性物質からなるラミネートチューブ容器、(ロ)少なくとも一部が熱可塑性樹脂からなるガラス容器、及び(ハ)熱可塑性樹脂及び/又はガラスからなるエアレス容器から選ばれる、物品を収容するための耐水性を有する容器、及び
    (2)上記(1)記載の容器を内包する包装袋であって、その少なくとも一部が、酸素を透過するポリオレフィンからなる酸素透過層、鉄系脱酸素剤を配合した酸素吸収性樹脂組成物からなる酸素吸収層、及びガスバリア性物質からなるガスバリア層を、内側からこの順で有する酸素吸収性多層フィルムからなる包装袋、
    を有する易酸化性物品の保存用複式包装容器。
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