JP5132150B2 - ミクロゲル含有熱可塑性エラストマー組成物 - Google Patents

ミクロゲル含有熱可塑性エラストマー組成物 Download PDF

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Description

本発明は、熱可塑性材料と、高エネルギー照射によって架橋されていない架橋ミクロゲル類とを含む熱可塑性エラストマー組成物、その調製法、熱可塑性的に加工可能な造形品製造のためのその使用および熱可塑性エラストマー組成物から製造された造形品に関する。
エラストマー類の性質を制御するためのミクロゲル類の使用は、知られている(例えば、EP−A−405216、DE−A4220563、GB−PS1078400、DE19701487、DE19701489、DE19701488、DE19834804、DE19834803、DE19834802、DE19929347、DE19939865、DE19942620、DE19942614、DE10021070、DE10038488、DE10039749、DE10052287、DE10056311およびDE10061174)。二重結合を含有するゴム類との混合物におけるCR、BRおよびNBRミクロゲルの使用は、EP−A−405216、DE−A4220563およびGB−PS−1078400にクレームされている。DE19701489は、NR、SBRおよびBRなどの、二重結合を含有するゴム類との混合物における、引き続く修飾ミクロゲル類の使用を記載している。
熱可塑性エラストマーの調製用ミクロゲル類の使用は、これらいずれの明細書においても教示されていない。
Chinese Journal of Polymer Science、20巻、2号、(2002)、93〜98頁は、完全に高エネルギー照射により架橋されたミクロゲル類およびプラスチックの衝撃強度の増大を目的としたそれらの使用を記載している。米国特許出願公開第20030088036号は、その調製のため、照射架橋ミクロゲル粒子が、同様に熱硬化性プレポリマーと混合される、強化熱硬化性樹脂組成物を開示している(EP1262510A1も参照)。これら文献において、放射性コバルト源が、ミクロゲル粒子の調製のため好ましい照射源として記載されている。極めて均質な架橋ミクロゲル粒子が、照射架橋を使用することにより得られる。しかしながら、このタイプの架橋の不利益は、特に、この方法を実験室スケールから大スケールの産業施設へ移行させることが、経済面および作業安全面の双方から現実的ではないことである。高エネルギー照射によって架橋されていないミクロゲルは、記載されている文献においては使用されていない。さらに、完全照射架橋ミクロゲルが使用される場合、マトリックス相から分散相への弾性率の変化が直接的である。その結果、急激な応力下では引裂き作用が、マトリックスと分散相との間で生じる可能性があり、それによって、機械的性質、膨潤性および応力腐食割れなどが害される。
DE3920332は、(i)少なくとも0℃のガラス転移温度を有するマトリックス樹脂および(ii)マトリックス樹脂に分散されている1重量%から60重量%のゴム粒子を含むゴム強化樹脂組成物を開示している。分散粒子は、共役ジエンとビニル芳香族化合物との水素化ブロックコポリマー類から作製されることを特徴とする。該粒子は、必然的に2つのガラス転移温度を有し、1つが−30℃以下である。該粒子は、硬質セグメントと軟質セグメントとを有する別々のミクロ相のミクロ相構造を有し、該硬質セグメントと該軟質セグメントは、互いに交互に同心性多層の形態で積層されている。第1に、有機溶媒中の溶液が、該粒子用の出発物質(ブロックコポリマー類)から調製しなければならないため、これらの特定粒子の調製は非常に高価である。第2のステップにおいて、水および場合によって乳化剤を加え、有機相を、好適なユニット中に分散させてから、溶媒を除き、次いで水中に分散させた粒子をペルオキシドとの架橋により固定させる。さらに、この方法により0.25μm未満の粒径を製造することは極めて困難であり、流動性にとって不利である。
DE3922103は、粒子、部分的架橋ゴム様コポリマーおよび熱可塑性樹脂の共同凝結により、水性乳濁液から粉末形態における熱可塑性ポリマー類の混合物の調製法を開示している。部分的架橋ゴム様コポリマーは、グラフトコポリマー類であり、コア−シェル構造を有している。したがって、それらはランダムコポリマー類ではない。熱可塑性エラストマー組成物については言及されていない。さらに、この方法により得られたゴムコポリマー類は、架橋が部分的であって、低架橋密度を有しているので、その膨潤指数は比較的高い。このような低架橋度を有するゴム様コポリマー類は、可塑性樹脂または可塑性プラスチックに取り込まれ、せん断を受ける場合、寸法安定性が低く、各断片が互いに結合して不規則な形状の塊を形成する。生じた不均質性は、熱可塑性造形品の表面に欠損をもたらす(スペック形成)。したがって、このような低架橋度を有するゴム様コポリマー類は不利である。
米国特許第5536613号は、部分的架橋熱可塑性樹脂であるトナー樹脂を含むトナー組成物の調製法を開示している。しかしながら、この文献が言及しているのは、熱可塑性樹脂のみである。ゴム粒子は記載されていない。
DE10035493は、架橋ゴム粒子の調製法を開示している。DE10035493はまた、ゴムおよび熱可塑性樹脂の充填剤として架橋ゴム粒子の使用を開示している。しかしながら、熱可塑性エラストマー組成物の調製は記載されていない。充填剤としての架橋ゴム粒子の使用もまた、通常100℃超の高ガラス転移温度を有する硬質ミクロゲル粒子の使用が含まれ、大量のペルオキシドにより架橋されるので、熱可塑性エラストマーを生成することはできない。
特開2002−053803号は、少なくとも70重量%のスチレン含量を有するミクロゲルを同様に記載しており、したがって、50℃超のガラス転移温度を有し、すなわち、熱可塑性樹脂である。それ故、熱可塑性エラストマー組成物を形成できない。
米国特許第4173556号は、ゴムとポリアミドとの「エラストプラスチック」組成物を記載している。これらの組成物は、2つの異なる方法により調製される。第1の方法は、上記の動的加硫法である。第2の方法は、粉砕によるゴムの取り込みを含む。ミクロゲルの調製と取り込みは記載されていない。
ポリマー材料は、それらの構造的組立て、機械的変形特性により、また、性質および使用分野によっていくつかの群に分類できる。一方慣例上、長い非架橋ポリマー鎖を含む不定形または部分的結晶性熱可塑性樹脂がある。室温で熱可塑性樹脂は、脆性硬質から粘弾性である。これらの材料は、圧力と温度により可塑化され、この手段により形状化できる。一方には、エラストマー類またはゴム材料がある。エラストマー類は架橋ゴム製品である。これは、天然ゴムまたは合成ゴムであり得る。ゴムは、非架橋状態でのみ加工できる。したがってそれらは、粘塑性を有する。例えば、硫黄またはペルオキシドなどの架橋試薬を混合する場合にのみ、引き続く加熱において、加硫生成物または弾性ゴムが得られる。この「加硫操作」時に、緩く固定化されている個々のゴム分子は、化学結合の構築により互いに化学的に結合する。その結果、不定形前駆体であるゴムは、典型的なゴム弾性を有するエラストマーに変換される。この加硫操作は、熱的破壊または機械的破壊によるものとは異なって可逆性ではない。
熱可塑性エラストマー類(以下、TPE類と略称)は、完全に異なった挙動を示す。これらの材料は、加熱時に可塑性となり、冷却時に再度弾性となる。エラストマーにおける化学的架橋と対照的に、ここには物理的架橋が存在する。したがって、TPE類は、構造および性質が熱可塑性樹脂とエラストマー類との間にあり、それらは、ゴムの本質的な性質と熱可塑性樹脂の加工簡便性とを兼ね備えている。Tg超から融点まで、または軟化温度まで、TPE類は、エラストマー類様に挙動するが、より高い温度で熱可塑的に加工できる。物理的架橋により、例えば、(部分的)結晶領域を経て弾性を有する熱可逆性構造が、冷却時に形成される。
ゴムの加工と対照的に、TPE材料の加工は、冷/熱加工に基づくのではなく、熱/冷加工に基づいている。明白な構造粘性溶融性または軟化性を考慮に入れると、とりわけ可撓性、高弾性TPE材料の場合は、射出成型、押出し、中空品、ブロー成形および熱成形などの熱可塑性樹脂の典型的な加工が、TPE類を加工するために使用できる。製品の性質は、主に構造および相形態に依存し;エラストマーアロイにおいて、例えば、粒径、粒径分布または分散相の粒子拡大が大きな役割を演じる。これらの構造的特徴が、加工中、一定の限度内で影響を及ぼし得る。従来の化学的架橋エラストマー類を超えるTPE材料の他の本質的な利点は、原則的にリサイクリングのための適合性に見ることができる。すべてのプラスチックに見られるように、加工ステップ数によって増大する粘性低下は、TPE材料でも見られるが、それにもかかわらず、製品特性において有意な劣化をもたらすことはない。
TPE類の発見以来、このクラスの材料は、硬質相と軟質相の組合せにより形成される点で区別される。今日までに知られているTPE類は、2つの主要群に分けられる:
− ブロックコポリマー類および
− 熱可塑性樹脂とエラストマー類とのアロイ
ブロックコポリマー類:
コモノマー類の組成物により、硬質相対軟質相の比率が決定され、どの相がマトリックスであり、最終的性質が何であるかが決定される。真の形態は、例えば、欠損成分が凝集するかまたは結晶化するならば分子レベルで検知できる。これらの材料による問題は、該形態の物理的固定が温度依存性であること、すなわち、該形態固定が停止する限界温度があることである。このことから、それに伴う性質の変化のため加工時に問題を生じ得る。
ブロックコポリマー類としては、例えば、ブタジエン(SBS)、イソプレン(SIS)およびエチレン/ブチレン(SEBS)タイプなどのスチレンブロックコポリマー類(TPE−S)、ポリエーテル/ポリアミドブロックコポリマー類(TPE−A)、熱可塑性コポリエステル類、ポリエーテル−エステル類(TPE−E)および熱可塑性ポリウレタン類(TPE−U)が挙げられ、これらは、本発明により用いることができる出発物質と関連させて、下記にさらにより詳細に記載している。
TPE材料の第2の主要群は、エラストマーアロイ類である。エラストマーアロイ類は、熱可塑性樹脂およびエラストマー含量を含有するポリマーブレンドまたは混合物である。それらは、「ブレンディング」、すなわち混合装置(内部ミキサー、押出機など)における原料の強力な混合により調製される。硬質相と軟質相との間で極めて多様な混合比が生じ得る。該軟質相は、非架橋(TPE−0)および架橋(TPE−V)の双方であり得る。理想的なTPEブレンドにおいては、熱可塑性マトリックス中の微細な分散で均一に分布しているエラストマー小粒子が好ましい。その分布が微細であるほど、またエラストマー粒子の架橋度が高いほど、生じたTPEの弾性が著しくなる。これらのTPEブレンドは、例えば、ゴム粒子が、混合工程および分散工程中「インサイチュ」で架橋される、いわゆる「動的加硫」または反応性押出しにより調製される(例えば、米国特許第5013793号を参照)。したがって、これらブレンドの性質プロフィルは、ゴム粒子の含量、架橋度、分散にかなり依存する。極めて多様な組合せが、このブレンド技法により調製できる。この文脈において、物理的機械的性質また耐薬品性および接触媒体に関する混和性が、ブレンド性質の個々の成分により実質的に決定される。一定の物性は、「ブレンド品質」および架橋度の最適化により改善できる。それにもかかわらず、分散相が、不規則に形状化され、粗く分散された形体であることがこのクラスの特徴点である。ポリマー類の混和性が少ないほど、形成された構造が粗くなる。例えば、PPマトリックス中のNBRゴム分散相などの非混和性の組合せは、特に産業的に関心がもたれている。これらの場合における混和性を改善するために、したがって形成された材料の最終性質に所望の様式で影響を及ぼすために、均質剤を、動的加硫前に加えることができる。約1%の均質剤は、多くの場合の使用にとって十分である。該均質剤は該して、ブロックが、各場合においてブレンド相の1相と混和できるブロックコポリマー類に基づいている。ここでの両相は、量比によって、連続相または不連続相のいずれかであり得る。この材料の形態を信頼できるように調整することは今まで不可能であった。大量の均質剤は、適切ならば、特に微細な分散相を製造するために必要であるが、逆にこれらは、最終材料の限定性質に悪影響を及ぼす。産業的に製造され、商品として入手できる熱可塑性加硫製品は、分散相の直径が2μmと4μmとの間での最大分布を示し、個々の容積構成要素が30μmまでである。
エラストマーアロイ類の中で、最も通常の組合せは、PPとのEPDMに基づいている。さらにエラストマーアロイ類は、NR/PPブレンド類(熱可塑性天然ゴム)、NBR/PPブレンド類(NBR=アクリロニトリル/ブタジエンゴム)、IIR(XIIR)/PPブレンド類(エラストマー相構成物としてブチルまたはハロブチルゴム類)、EVA/PVDCブレンド類(エチレン/ビニルアセテートゴム(EVA)と熱可塑性相としてポリビニリデンクロリド(PVDC)との「アルクリン(Alcryn)」ブレンド)およびNBR/PVCブレンド類に基づいている。しかしながら、分散相の「インサイチュ」形成および本明細書に含まれた多数のパラメータのため、分散相の形態の目標とする調整、したがってこれらのポリマーブレンドTPE類におけるTPE類の所望の性質の目標とする調整は、実際には不可能である。
したがって本発明は、それ自体知られている出発物質から容易に調製できる熱可塑性エラストマーの性質、および簡便で予知できる方法で調整できる性質を有する新規な組成物を発見することが目的である。それは、大きな産業スケールで新規な組成物を調製することが可能であるはずであり、また、それらは、作業安全性の問題を起こさないはずである。さらに、機械的性質、膨潤性および応力腐食割れなどを損なうようなマトリックスと分散相との間の引裂き作用は、急激な応力下での組成物に生じないはずである。組成物のためのミクロゲル類の調製は、簡便なはずであり、ミクロゲル粒子の粒径分布を極めて小さな平均粒径へ、制御様式で調整できるはずである。
本発明は、まったく驚くべきことに、ホモポリマー類またはランダムコポリマー類に基づき高エネルギー照射により架橋されていない架橋ミクロゲル類の、熱可塑性材料への取り込みによる新規な組合せ特性を有する組成物を提供することが可能であることを見出した。驚くべきことにこの新規な組成物を提供することにより、知られている従来の熱可塑性樹脂およびTPE類の前述の不利な点を克服すること、また同時に、優れた使用特性を有する熱可塑性エラストマー組成物を提供することがこの手段により可能となった。熱可塑性エラストマー組成物が、熱可塑性材料へのミクロゲルの取り込みにより得られるので、空間的に、また時間的にもTPE材料の調製から分散相の形態調整を外すことが可能である。分散相がミクロゲルであり、その形態が、調製中に知られている方法で制御でき、実質的に熱可塑性材料への取り込み中にもはや変化しないミクロゲルであるので、該形態の確立は確実に再現できる。本発明により調製された組成物において、分散相および連続相双方のポリマーミクロ構造は、広い限界内で変化させることができ、その結果、従来のTPE類の調製のために今日までの加工によっては可能でなかった特注TPE類が、任意の所望の熱可塑性材料から調製できる。架橋度および分散ミクロゲルの表面とコアにおける官能化度を制御することにより、生じたTPE類の所望の性質をさらに制御できる。分散ミクロゲル相のガラス転移温度もまた、−100℃から50℃未満の範囲内で制御された方法で調整でき、その結果、次に生じたTPE類の性質が、制御された方法で調整できる。それによって、分散相と連続相との間のガラス転移温度差もまた、制御された方法で調整でき、例えば、0℃と250℃との間であり得る。本発明により提供されている新規クラスのTPE類により、さらに熱力学的に適合性ポリマー類と熱力学的に不適合性ポリマー類を組み合わせて、従来の方法により到達できなかった新規なTPE類を得ることも可能である。本発明により提供された新規なTPE類において、分散相および連続相は、各場合において硬質相および軟質相であり得る。ミクロゲルの性質および量比を制御することにより、分散相は、凝集クラスターまたは均一分配およびすべての中間形体においてマトリックス中に存在し得る。
これは、分散相が、TPE類の調製時に「インサイチュ」で形成される従来の加工により調製されるTPE類の場合は可能ではない。
さらに、本発明者らは、驚くべきことに、熱可塑性エラストマー類は、ミクロゲル類の熱可塑性樹脂への取り込みにより調製できることのみならず、例えば、ミクロゲルの、従来の加工により調製された熱可塑性エラストマー類への取り込みにより、例えば、寸法安定性および透明性などのそれらの性質が、制御された方法で改善できることを見出した。
本発明による組成物は、高エネルギー照射により架橋されたミクロゲル類を使用することなく、簡便な方法により産業スケールで調製できる。本発明により用いられるミクロゲル類は、マトリックス相と分散相との間の弾性率において直接的変化を少なくすることにより組成物の機械的性質に改善をもたらす。
熱可塑性エラストマー類が成分(A)として用いられる場合、例えば、透明性および耐油性などの物性が、本発明により調製されたミクロゲル(B)の取り込みにより調製できることは特に驚くべきことである。
このように本発明は、少なくとも1種の熱可塑性材料(A)、およびホモポリマー類またはランダムコポリマー類に基づき、高エネルギー照射によって架橋されていない少なくとも1種のミクロゲル(B)を含む熱可塑性エラストマー組成物を提供する。
ミクロゲルまたはミクロゲル相(B)
本発明による組成物に用いられるミクロゲル(B)は、ホモポリマー類またはランダムコポリマー類に基づく架橋ミクロゲルである。したがって、本発明により用いられるミクロゲルは、架橋ホモポリマー類または架橋ランダムコポリマー類である。用語のホモポリマー類およびランダムコポリマー類は、専門家に知られており、例えば、Vollmert、Polymer Chemistry、Springer、1973年に説明されている。
本発明による組成物に用いられる架橋ミクロゲル(B)は、高エネルギー照射によって架橋されていないミクロゲルである。高エネルギー照射は、本明細書中適切には、0.1μm未満の波長を有する電磁気照射を意味する。
高エネルギー照射により完全均質に架橋されたミクロゲルの使用は、大きな産業スケールで実際に実施できず、作業安全性の問題があるため不利である。さらに、高エネルギー照射により完全均質に架橋されるミクロゲルを用いて調製された組成物において機械的性質、膨潤性および応力腐食割れなどが損なわれる結果、マトリックスと分散相との間の引裂き作用が、急激な応力下で生じる。
本発明による組成物に含有するミクロゲル(B)の1次粒子は、ほぼ球面幾何学形状を有することが好ましい。DIN53206:1992−08によれば、1次粒子は、好適な物理的方法(電子顕微鏡)により個々に検出できるコヒーレント位相に分散されたミクロゲル粒子である(例えば、Roempp Lexikon、Lacke und Druckfarben、Georg Thieme Verlag、1998年を参照)。「ほぼ球面」幾何学形状とは、ミクロゲル類の分散1次粒子が、薄い切片を電子顕微鏡で見た場合に検出できる円形領域を実質的に形成することを意味する(例えば、図1を参照)。そのため本発明による組成物は、一般的により大きく、不規則な形状を有する「インサイチュ」加工により生じる分散とはかなり異なる(例えば、図3を参照)。本発明により分散されたミクロゲル粒子は、熱可塑性材料中の分散における変化が実際になく、ミクロゲル類に関して別々の調製法から生じる実質的に均一な球面形状を保持する。本発明によるミクロゲル含有組成物と従来から調製されたTPE類との簡単な識別が、この判定規準の補助により容易に可能である。従来から調製されたTPE類において、分散相は均一な形態を有さず、この理由のため、個々の1次粒子は、そこに配置され得ない。
知られているすべてのTPE類、特にTPE−U類またはTPE−A類は、例えば、本発明による組成物における連続相として用いることができる。TPE類、特にTPE−U類またはTPE−A類の加熱撓み温度は、知られているTPE類、特にTPE−U類またはTPE−A類にミクロゲル(B)への取り込みにより完全に驚くべき様式で改善できる。特にTPE−UまたはTPE−Aに基づく本発明によるミクロゲル含有組成物の透明性もまた改善される。知られているTPE−U類は、透明ではないが、TPE−Uに基づく本発明によるミクロゲル含有組成物は透明である。TPE−A類へのミクロゲルの取り込みにより、例えば、透明性などのそれらの光学的性質に加え、それらの耐油性は、驚くべきことに大いに改善され得る。
本発明による組成物に含まれるミクロゲル(B)の1次粒子において、個々の1次粒子の直径偏差値は、式
[(d1−d2)/d2]×100
と定義され、式中、d1およびd2は、該1次粒子の任意の所望の切片の任意の2つの所望の直径であり、d1は、>d2であり、好ましくは250%未満、より好ましくは200%未満、さらにより好ましくは100%未満、さらにより好ましくは50%未満である。
ミクロゲルの1次粒子の好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%、さらにより好ましくは少なくとも95%が、式
[(d1−d2)/d2]×100
と定義される直径の偏差値
[式中、d1およびd2は、該1次粒子の任意の所望の切片の任意の所望の2つの直径で、d1>d2であり、好ましくは250%未満、より好ましくは200%未満、さらにより好ましくは100%未満、さらにより好ましくは50%未満である。]を有する。
前述の個々の粒子の直径の偏差値は、以下の方法により決定される。本発明による組成物の薄い切片のTEM写真は、まず実施例に記載されているとおり作成される。次いで透過型電子顕微鏡写真を、10,000倍から85,000倍の倍率で作成する。833.7×828.8nmの領域において、10個のミクロゲル1次粒子上については最も大きな直径と最も小さな直径を、d1およびd2として手動で決定する。測定されるミクロゲル第1次粒子の少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%、さらにより好ましくは少なくとも95%において上記に定義された偏差値が、各場合において250%未満、より好ましくは100%未満、さらにより好ましくは80%未満、さらにより好ましくは50%未満である場合、該ミクロゲル1次粒子は、上記に定義された偏差値特徴を有する。
組成物中のミクロゲルの濃度が高すぎて、可視のミクロゲル1次粒子が、かなり重なる場合、その評価可能性は、測定サンプルを予め好適に希釈することにより改善できる。
本発明による組成物において、ミクロゲル(B)の1次粒子は、好ましくは5nmから500nm、より好ましくは20nmから400nm、さらにより好ましくは30nmから300nm、さらにより好ましくは40nmから100nmの平均粒径または99nm未満の平均粒径を有する(DIN53206による直径値)。
ミクロゲル類の形態は、熱可塑性材料(A)への取り込みの際に実質的に変化しないので、分散1次粒子の平均粒径は、使用されるミクロゲルの平均粒径に実質的に相当する。
本発明による組成物において、使用されるミクロゲル類(B)は、適切には、23℃のトルエンに不溶性の含量(ゲル含量)を、少なくとも約70重量%、より好ましくは少なくとも約80重量%、さらにより好ましくは少なくとも約90重量%有する。トルエンに不溶性である含量は、23℃のトルエン中で決定される。本法において、250mgのミクロゲルを、25mlトルエン中、振とうしながら23℃で24時間膨潤させる。20,000rpmで遠心分離後、不溶性含量を分取し、乾燥する。ゲル含量が、乾燥残渣と秤量分の商として得られ、重量パーセントで表される。
本発明による組成物において、使用されるミクロゲル類(B)は、適切には、23℃のトルエン中、約80未満、より好ましくは約60未満、さらにより好ましくは約40未満の膨潤指数を有する。したがって、ミクロゲル類の膨潤指数(Qi)は、1から15および1から10の間にあるのが特に好ましい。膨潤指数は、トルエン中、23℃で24時間膨潤させた溶媒含有ミクロゲル(20,000rpmで遠心分離後)の重量および乾燥ミクロゲルの重量から算出される。
Qi=ミクロゲルの湿潤重量/ミクロゲルの乾燥重量
膨潤指数を決定するために、250mgのミクロゲルを、25mlトルエン中、振とうしながら24時間膨潤させる。ゲルを遠心分離し、秤量してから、70℃で一定重量まで乾燥し、再度秤量する。
本発明による組成物において、使用されるミクロゲル類(B)は、適切には、−100℃から+50℃まで、より好ましくは−80℃から+20℃までのガラス転移温度Tgを有する。
本発明による組成物において、使用されるミクロゲル類(B)は、適切には、5℃超、好ましくは10℃超、より好ましくは20℃超のガラス転移範囲を有する。このようなガラス転移範囲を有するミクロゲル類は、完全均質な照射架橋ミクロゲル類と対照的に、概して完全均質に架橋されていない。このことは、マトリックス相から分散相への率の変化が直接的ではないことを意味する。その結果、急激応力下でマトリックスと分散相との間の引裂き作用は生じず、それによって、機械的性質、膨潤性および応力腐食割れなどに、有利な影響を及ぼす。
ミクロゲルのガラス転移温度(Tg)およびガラス転移範囲(ΔTg)は、示差走査熱量測定(DSC)の手段により決定される。2つの冷却/加熱サイクルが、TgとΔTgの決定のために実施される。TgとΔTgは、第2の加熱サイクルで決定される。この決定のために、10〜12mgのミクロゲルを、Perkin−ElmerのDSCサンプル容器(標準的アルミニウムパン)に導入する。第1のDSCサイクルは、サンプルをまず液体窒素で−100℃に冷却し、次いで20K/分の速度で+150℃まで加熱することにより実施する。第2のDSCサイクルは、+150℃のサンプル温度に到達したらすぐにサンプルを即座に冷却することにより開始される。冷却は、約320K/分の速度で実施する。第2の加熱サイクルにおいて、サンプルを、第1のサイクルのとおり、再度+150℃に加熱する。第2のサイクルにおける加熱速度は、やはり20K/分である。第2の加熱操作におけるDSC曲線上のグラフでTgとΔTgを決定する。この目的のために、3本の直線をDSC曲線上に引く。第1の直線は、Tg下のDSC曲線の曲線区域に引き、第2の直線は、変曲点を有するTgを通る曲線分岐上に引き、第3の直線は、Tg上のDSC曲線の曲線分岐上に引く。この様式で2つの交差点を有する3本の直線が得られる。2つの交差点は、特徴的な温度によって各々特徴づけられる。ガラス転移温度Tgは、これら2つの温度の平均値として得られ、ガラス転移範囲ΔTgは、2つの温度間差から得られる。
ホモポリマー類またはランダムポリマー類に基づき、高エネルギー照射により架橋されず、本発明による組成物に含有されるミクロゲル類(B)は、それ自体知られている様式で調製できる(例えば、EP−A−405216、EP−A−854171、DE−A4220563、GB−PS1078400、DE19701489.5、DE19701488.7、DE19834804.5、DE19834803.7、DE19834802.9、DE19929347.3、DE19939865.8、DE19942620.1、DE19942614.7、DE10021070.8、DE10038488.9、DE10039749.2、DE10052287.4、DE10056311.2およびDE10061174.5を参照)。二重結合を含有するゴム類と混合するCR、BRおよびNBRミクロゲル類の利用は、特許/特許出願EP−A405216、DE−A4220563およびGB−PS1078400にクレームされている。DE19701489.5は、NR、SBRおよびBRなどの、二重結合を含有するゴム類と混合して、引き続き修飾されたミクロゲル類の利用を記載している。本発明によれば、ミクロゲル類は、特に以下のゴム類の架橋により得られるゴム粒子を意味するものとして適切には理解される:
Figure 0005132150
非架橋ミクロゲルの出発物質は、適切には、以下の方法により調製される:
1.乳化重合
2.例えば、天然ゴムラテックスなどの天然ラテックスをさらに使用できる。
本発明による熱可塑性エラストマー組成物において、使用されるミクロゲル類(B)は、乳化重合および架橋により得ることができるものが好ましい。
フリーラジカル重合を受けることができる以下のモノマー類が、例えば、本発明に従って用いられるミクロゲル類の乳化重合による調製に使用される:ブタジエン、スチレン、アクリロニトリル、イソプレン、アクリル酸およびメタクリル酸のエステル類、テトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロペン、2−クロロブタジエン、2,3−ジクロロブタジエンおよび、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸などのような二重結合を含有するカルボン酸類、例えば、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレートおよびヒドロキシブチルメタクリレートなどの二重結合を含有するヒドロキシ化合物、アミン官能化(メタ)クリレート類、アクロレイン、N−ビニル−2−ピロリドン、N−アリル−尿素およびN−アリル−チオ尿素、2−t−ブチルアミノエチルメタクリレート、および2−t−ブチルアミノエチルメタクリルアミドなどの第2級アミノ−(メタ)クリル酸エステル類。ゴムゲルの架橋は、架橋作用を有する多官能化合物との共重合によるか、または下記の引き続く架橋によるなど、乳化重合中に直接的に達成できる。乳化重合中の直接的架橋が好ましい。好ましい多官能コモノマー類は、ジイソプロペニルベンゼン、ジビニルベンゼン、ジビニルエーテル、ジビニルスルホン、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、1,2−ポリブタジエン、N,N’−m−フェニレンマレイミド、2,4−トルイレンビス(マレイミド)および/またはトリアリルトリメリテートなどの少なくとも2つ、好ましくは、2つから4つの共重合性C=C二重結合を有する化合物である。さらに可能性のある化合物は、エチレングリコール、プロパン−1,2−ジオール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、2つから20、好ましくは2つから8つのオキシエチレン単位を有するポリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ビスフェノールA、グリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトールおよびソルビトールなどの多価、好ましくは2価から4価のC2からC10アルコール類のアクリレート類およびメタクリレート類、ならびに脂肪族ジオール類および脂肪族ポリオール類と、マレイン酸、フマル酸および/またはイタコン酸との不飽和ポリエステル類である。
乳化重合中、ゴムミクロゲル類を与えるための架橋はまた、高変換まで重合を続けることによるか、または高内部変換での重合によるモノマー供給工程において実施できる。調節剤の不在下で乳化重合を実施することもまた、他の可能性としてある。
乳化重合後、非架橋または弱い架橋のミクロゲル出発物質を架橋するため、乳化重合で得られるラテックスを使用することが最も好ましい。天然ゴムラテックスもまた、この様式で架橋できる。
架橋作用を有する好適な試薬は、例えば、ジクミルペルオキシド、t−ブチルクミルペルオキシド、ビス−(t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、ジ−t−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチルヘキサン2,5−ジヒドロペルオキシド、2,5−ジメチルヘキシン3,2,5−ジヒドロペルオキシド、ジベンゾイルペルオキシド、ビス−(2,4−ジクロロベンゾイル)ペルオキシドおよびt−ブチルペルベンゾエートなどの有機ペルオキシド類、およびアゾ−ビス−イソブチロニトリルおよびアゾ−ビス−シクロヘキサンニトリルなどの有機アゾ化合物、ならびにジメルカプトエタン、1,6−ジメルカプトヘキサン、1,3,5−トリメルカプトトリアジンなどのジ−ならびにポリメルカプト化合物、およびビス−クロロエチルホルマールとポリスルフィドナトリウムとのメルカプト−末端反応生成物などのメルカプト−末端ポリスルフィドゴム類である。
後架橋を実施するための最適温度はもちろん、架橋剤の反応性に依存し、後架橋は、場合によっては、加圧下で室温から約180℃までの温度で実施できる(本文脈において、Houben−Weyl、Methoden der organischen Chemie、第4版、14/2巻、848頁を参照)。ペルオキシドは、特に好ましい架橋剤である。
ミクロゲル類を与えるためのC=C二重結合を含有するゴム類の架橋はまた、米国特許第5,302,696号または米国特許第5,442,009号に記載されているように、ヒドラジン、または場合によっては他の水素化剤、例えば、有機金属ヒドリド錯体により、C=C二重結合を同時に部分的に、場合によっては完全水素化をすることにより分散液または乳濁液中で実施できる。
凝集による粒径の増大は、場合によっては架橋前、架橋中または架橋後に実施できる。
本発明により用いられる調製法において、上記の利点を有することができる不完全均質架橋ミクロゲル類が、常に得られる。
本発明による組成物の調製に使用できるミクロゲル類は、反応性基を特に表面に実質的に含有しない非修飾ミクロゲル類、および官能基、特に表面の官能基により修飾された修飾ミクロゲル類の双方である。後者のミクロゲル類は、C=C二重結合に対して反応性である試薬により既に架橋されているミクロゲル類の化学反応により調製できる。これらの反応性試薬は、特に、例えば、アルデヒド、ヒドロキシル、カルボキシル、ニトリルなどのような極性基、例えば、メルカプト基、ジチオカルバメート基、ポリスルフィド基、キサントゲネート基、チオベンゾチアゾール基および/またはジチオリン酸基などの硫黄含有基、および/または不飽和カルボン酸基が、ミクロゲル類に化学的に結合できる補助となる化合物である。これはまた、N,N’−m−フェニレンジアミンに適用する。ミクロゲルを修飾する目的は、調製中、良好な分散性を達成するために、ミクロゲルとマトリックスとの混和性の改善および良好なカップリングである。
修飾の特に好ましい方法は、ミクロゲル類と官能性モノマー類とのグラフティングおよび低分子量剤との反応である。
ミクロゲル類と官能性モノマー類とのグラフティングには、水性ミクロゲル分散液が、適切には、出発物質として用いられ、フリーラジカル乳化重合の条件下で、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、ヒドロキシエチル(メタ)クリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)クリレート、ヒドロキシブチル(メタ)クリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリロニトリル、アクロレイン、N−ビニル−2−ピロリドン、N−アリル−尿素およびN−アリル−チオ尿素などの極性モノマー類、および、2−t−ブチルアミノエチルメタクリレート、および2−t−ブチルアミノエチルメタクリルアミドなどの第2級アミノ−(メタ)クリル酸エステル類と反応させる。シェルがマトリックスと高い混和性を有する必要があるコア/シェル形態を有するミクロゲル類が、この様式で得られる。非修飾ミクロゲル上にできるだけ定量的にグラフトされることが、修飾ステップにおいて用いられるモノマーにとって望ましい。官能性モノマー類は、適切には、ミクロゲル類の完全架橋前に計り入れる。
以下の試薬は、特にミクロゲル類と低分子量剤との表面修飾にとって可能である:元素硫黄、加硫水素および/または1,2−ジメルカプトエタンまたは1,6−ジメルカプトヘキサンなどのアルキルポリメルカプタン類、さらにジメチルジチオカルバメートおよび/またはジベンジルジチオカルバメートのアルカリ金属塩などのジアルキル−およびジアルキルアリールジチオカルバメート、さらにカリウムエチルキサントゲネートおよびナトリウムイソプロピルキサントゲネートなどのアルキル−およびアリールキサントゲネート類、ならびにジブチルジチオリン酸およびジオクチルジチオリン酸ならびにドデシルジチオリン酸のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩との反応。反応はまた、多スルフィド結合の形成と共に取り込まれる硫黄存在下で好都合に実施できる。有機および無機ペルオキシド類および/またはアゾ開始剤などのフリーラジカル開始剤は、この化合物の添加物に加えることができる。
例えば、オゾン分解および塩素、臭素およびヨウ素とのハロゲン化によるなど、二重結合を含有するミクロゲル類の修飾も可能である。例えば、エポキシ化ミクロゲル類からヒドロキシル基により修飾されるミクロゲル類の調製など、修飾ミクロゲル類のさらなる反応もまた、ミクロゲル類の化学修飾として解される。
好ましい実施形態において、ミクロゲル類は、ヒドロキシル基により、特にその表面上でも修飾される。ミクロゲル類のヒドロキシル基含量は、DIN53240に従って無水酢酸との反応およびKOHにより遊離される酢酸の滴定により、mg KOH/gポリマーで表されるヒドロキシル価として決定される。ミクロゲル類のヒドロキシル価は、好ましくは、0.1mgから100mg KOH/gポリマーの間、さらにより好ましくは、0.5mgから50mg KOH/gポリマーの間である。
使用される修飾剤の量は、その活性および個々の場合に課せられる要件に依存し、使用されるゴムミクロゲルの全量を基準にして0.05重量パーセントから30重量パーセントの範囲であり、0.5〜10重量パーセントが特に好ましい。
修飾反応は、場合によっては1〜30バールの圧力下で、0〜180℃、好ましくは20〜95℃の温度で実施できる。この修飾は、材料中のゴムミクロゲル上、またはそれらの分散液形態で実施でき、後者の場合、反応媒体として不活性有機溶媒また水を使用することが可能である。修飾反応は、架橋ゴムの水性分散液中で実施することが特に好ましい。
非修飾ミクロゲルの使用は、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレンおよびスチレン、ブタジエンおよびイソプレン(SBR、SIR)に基づくブロックコポリマー類ならびに水素化イソプレン/スチレンブロックコポリマー類(SEBS)および従来のTPE−O類およびTPE−V類などの場合など、非極性熱可塑性材料(A)の場合に特に好ましい。
修飾ミクロゲルの使用は、PA、TPE−A、PU、TPE−U、PC、PET、PBT、POM、PMMA、PVC、ABS、PTFE、PVDFなどのような極性熱可塑性材料(A)の場合に特に好ましい。
調製されたミクロゲル類の平均直径は、例えば、0.1マイクロメータ(100nm)±0.01マイクロメータ(10nm)の高精度で調整でき、その結果、例えば、全ミクロゲル粒子の少なくとも75%が0.095マイクロメータと0.105マイクロメータとの間のサイズである粒径分布が達成される。ミクロゲル類の他の平均直径、特に5nmから500nmの間の範囲の平均粒径が同じ精度(全粒子の少なくとも75重量%が、最大値の上下±10%の範囲で積分化粒径分布曲線(光散乱により決定)の最大値付近にある)で確立でき、使用できる。その結果、本発明による組成物中に分散されるミクロゲル類の形態は、実際に「ピンポイント精度」で調整でき、例えば、本発明による組成物およびそれから調製されるプラスチックの性質を調整できる。乳化重合による特に微細ミクロゲルの調製は、それ自体知られている様式で反応パラメータを制御することにより実施される(例えば、H.G.Elias、Makromolekule、2巻、Technologie、第5版、1992年、99頁以下を参照)。
「インサイチュ反応性加工」または動的加硫による先行技術に従って調製されたTPE類の分散相の形態を、この精密度で調整することは不可能である。
この方法で調製されたミクロゲル類は、例えば、蒸発、凝結により、さらなるラテックスポリマーとの共凝結により、凍結凝結(US−PS2187146を参照)またはスプレー乾燥により後処理できる。例えば、CaCOまたはシリケートなどの商品として入手できるフロー助剤もまた、スプレー乾燥による後処理の場合に添加できる。
熱可塑性材料(A)
本発明による組成物において、使用される熱可塑性材料(A)は、好ましくは少なくとも50℃、より好ましくは少なくとも80℃、さらにより好ましくは少なくとも100℃のビカット軟化温度を有する。
ビカット軟化温度は、DIN EN ISO306:1996年に従って決定される。
本発明による組成物において、熱可塑性材料(A)は、適切には、熱可塑性ポリマー類(A1)および熱可塑性エラストマー類(A2)から選択される。
熱可塑性ポリマー類(A1)が、本発明による組成物の出発原料として用いられる場合、熱可塑性エラストマー組成物は、本発明により用いられるミクロゲル類の取り込みにより形成される。
一方、熱可塑性エラストマー類(A2)が、本発明による組成物の出発原料として用いられる場合、熱可塑性エラストマーの性質が保持され、熱可塑性エラストマー類(A2)の性質は、好適な組成物および好適な形態のミクロゲル(B)の添加により下記に示される制御様式で修飾できる。
したがって、TPE−UおよびTPE−Aなどの知られたTPE類の性質、特にTPE−U類の熱歪み点および透明性またはTPE−A類の耐油性などは、ミクロゲル(B)の取り込みにより改善できる。
本発明による組成物において、熱可塑性材料(A)とミクロゲル(B)との間のガラス転移温度差は、適切には、0℃と250℃との間である。
本発明による組成物において、熱可塑性材料(A)/ミクロゲル(B)の重量比は、適切には、1:99から99:1、好ましくは10:90から90:10、特に好ましくは20:80から80:20である。
熱可塑性ポリマー類(A1)が、熱可塑性材料(A)として用いられる場合、(A1)/(B)の重量比は、95:5から30:70であることが好ましい。
熱可塑性エラストマー類(A2)が、熱可塑性材料(A)として用いられる場合、(A2)/(B)の重量比は、好ましくは98:2から20:80、より好ましくは95:5から20:80である。
本発明はまた、熱可塑性材料への取り込みのための、いわゆるマスターバッチ(濃縮体)として、本発明による熱可塑性エラストマー組成物の使用を含む。このようなマスターバッチは、例えば、30重量%超の高ミクロゲル濃度を当然有する。
熱可塑性ポリマー類(A1)
本発明による熱可塑性エラストマー組成物に使用できる熱可塑性ポリマー類(A1)としては、例えば、標準的な熱可塑性樹脂、いわゆるテクノ−熱可塑性樹脂およびいわゆる高性能熱可塑性樹脂が挙げられる(H.G.Elias Makromolekule、2巻、第5版、Huethig & Wepf Verlag、1992年、443頁以下を参照)。
本発明による組成物に使用できる熱可塑性ポリマー類(A1)としては、例えば、HDPE、LDPEおよびLLDPEなどのような、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレンなどの非極性熱可塑性材料、およびPU、PC、EVM、PVA、PVAC、ポリビニルブチラール、PET、PBT、POM、PMMA、PVC、ABS、AES、SAN、PTFE、CTFE、PVF、PVDF、ポリイミド類などの極性熱可塑性材料、および特にPA−6(ナイロン)、より好ましくは、PA−4、PA−66(Perlon)、PA−69、PA−610、PA−11、PA−12、PA−612、PA−MXD6などのようなPAが挙げられる。
本発明による熱可塑性エラストマー組成物が調製される好ましい熱可塑性ポリマー類(A1)としては、PP、PE、PS、PU、PC、SAN、PVCおよびPAが挙げられる。
熱可塑性エラストマー類(A2)
本発明によるミクロゲル含有熱可塑性エラストマー組成物に使用できる熱可塑性エラストマー類(A2)としては、例えば、スチレンブロックコポリマー類(TPE−S:SBS、SIS、および水素化イソプレン/スチレンブロックコポリマー類(SEBS))などのブロックコポリマー類、熱可塑性ポリアミド類(TPE−A)、熱可塑性コポリエステル類(TPE−E)、熱可塑性ポリウレタン類(TPE−U)、熱可塑性ポリオレフィン類(TPE−O)および熱可塑性加硫生成物(TPE−V)などの熱可塑性樹脂とエラストマー類のブレンド、NR/PPブレンド(熱可塑性天然ゴム)、NBR/PPブレンド、IIR(XIIR)/PPブレンド、EVA/PVDCブレンド、NBR/PVCブレンドなど、既に上記の先行技術から知られている熱可塑性エラストマー類が挙げられる。さらに先行技術からのTPE類の記載を参照できる。
熱可塑性エラストマー類(A2)として本発明により好ましく用いることができるブロックポリマー類の例としては、以下のものが挙げられる。
スチレンブロックコポリマー類(TPE−S)
2つの熱可塑性ポリスチレン末端ブロックおよび1つのエラストマー中間ブロックの3つのブロック構造が、この群の特徴である。ポリスチレン硬質セグメントは、ドメイン、すなわち、均一な材料特性を有し、可撓性軟質セグメントのために3次元物理的架橋部位として技術的に作用する、小容積構成要素を形成する。中間ブロック:ブタジエン(SBS)、イソプレン(SIS)およびエチレン/ブチレン(SEBS)タイプの性質によって、以下のスチレンブロックコポリマー間で区別がなされる。分枝ブロックコポリマータイプは、多官能中心を介して結合することにより調製できる。
ポリエーテル/ポリアミドブロックコポリマー類(TPE−A)
ポリエーテル(エステル)/ポリアミドに基づくブロックコポリマー類は、ポリアミド分子鎖への可撓性ポリエーテル(エステル)群の挿入により形成される。ポリエーテル(エステル)ブロックは、軟質および弾性セグメントを形成するが、一方、硬質ポリアミドブロックは、熱可塑性硬質相の機能を有している。硬質セグメントは、2つの相の物理的架橋に関して水素架橋形成が原因である、高密度の芳香族基および/またはアミド基のため高い強度を獲得する。
熱可塑性コポリエステル類、ポリエーテル−エステル類(TPE−E)
熱可塑性コポリエステル類は、硬質ポリエステルセグメントおよび軟質ポリエーテル成分から交互に構築される。ジオール類(例えば、ブタン−1,4−ジオール)およびジカルボン酸類(例えば、テレフタル酸)から形成されたポリエステルブロックは、ヒドロキシル末端基を有している長鎖ポリエーテル類との縮合反応においてエステル化される。極めて種々の硬度範囲が、硬質および軟質セグメント長さによって確立できる。
熱可塑性ポリウレタン類(TPE−U)
ポリウレタンのブロックコポリマー類は、ジオール類とジイソシアネート類との付加重合により合成される。ジイソシアネートとポリオールとの間の反応から形成された軟質セグメントは、機械的応力下で弾性成分として機能する。架橋部位として寄与する硬質セグメント(ウレタン基)は、鎖を伸長するためにジイソシアネートと低分子量ジオールとの反応により得られる。TPE−Sタイプに関して、微細硬質セグメントは、水素架橋を介して、または一般に、各々の場合において2つ以上のドメインが、互いに関連づけられる配列状態を介して擬似架橋をもたらすドメインを形成する。ここで硬質セグメントの結晶化が生じ得る。出発モノマーとして使用されるジオールによって、ポリエステル、ポリエーテルと化学的に結合されたポリエステル/ポリエーテルタイプとの間で区別がなされる。
熱可塑性TPE(A2)、エラストマーアロイ類の第2の亜群に関しては、先行技術に関連してなされた上記の記述を参照できる。本発明により用いることができるエラストマーアロイ類としては、例えば、以下のものが挙げられる。
EPDM/PPブレンド
概してERDMターポリマーは、ゴム相に使用され、ポリプロピレンは、通常、ポリオレフィンとして用いられる。軟質相は、非架橋(TPE−0)形態および架橋(TPE−V)形態の双方に存在できる。主な含量はPPであり、その熱可塑性樹脂は、連続相である。エラストマー含量は極めて高く、その構造は反転もでき、その結果、PP強化EPDMブレンドが生じる。したがって、このクラスのエラストマーアロイ類は、広い硬度範囲を包含する。代表的なものはすべて、UV照射およびオゾンならびに多くの有機および無機媒体に対する高い耐性により区別される。一方、脂肪族および芳香族溶媒に対する耐性は乏しいから中等度である。
NR/PPブレンド(熱可塑性天然ゴム)
EPDMと同様な様式において、NRもまた、PP、またPP/PE混合物と配合することにより、熱可塑性加工性天然ゴム(TPNR)を得ることができる。概してNRの動的架橋は、170℃超でペルオキシド類の存在下で行う。従来のNR加硫生成物と比較すると、TPNRブレンドは、有意により高い耐候性および耐オゾン性を有する。
NBR/PPブレンド
これらのポリマーブレンドにおいて、前架橋または部分架橋アクリロニトリル/ブタジエンゴム(NBR)は、PP硬質相におけるエラストマー相として分散する。これらのブレンドの特徴は、燃料、油類、酸類およびアルカリ類に対する、またオゾンならびに天候の影響に対する高い耐性である。
IIR(XIIR)/PPブレンド
ブチルまたはハロブチルゴム類は、このクラスにおけるエラストマー相の構成要素である。非極性特性(NR/Rと同等)を有するジエンゴムに基づいた、多くのガスに関するブチルゴムの優れた透過性は、PPとブレンドすることにより得ることのできるTPEブレンドの特性プロフィルのため利用される。
EVA/PVDCブレンド
これらは、熱可塑性相としてのエチレン/ビニルアセテートゴム(EVA)およびポリビニリデンクロリド(PVDC)に基づいている。60ShAから80ShAの媒体硬度範囲における特性プロフィルは、良好な耐油性および傑出した耐候性を特徴とする。
NBR/PVCブレンド
可塑化PVCの性質を改善するために主として調製されるこれらのポリマーブレンドは、アクリロニトリル/ブタジエンゴム(NBR)とポリビニルクロリド(PVC)との混合物である。良好な耐油脂性を要件とする場合、特に、高含量の可塑剤を備えた可塑化PVCグレードを、もはや使用することはできない(可塑剤の浸出)。これらのNBR/PVCブレンドにおいて、NBRは、ポリマー非浸出性可塑剤として作用し、実質的に任意の比率でPVCと混合できる。
特に好ましい熱可塑性エラストマー類(A2)としては、TPE−U、TPE−AおよびTPE−Vが挙げられる。
本発明による好ましい熱可塑性エラストマー組成物は、熱可塑性材料(A)としてTPE−U、TPE−A、PAまたはPPおよびOHを修飾できる架橋NBRまたはSBRミクロゲル類を含む。
成分(A)と(B)の以下の組合せが、特に好ましい:
Figure 0005132150
本発明による組成物は、熱可塑性エラストマー類のように挙動する。すなわち、それらは、熱可塑的加工性の利点と、先行技術からのTPE類と関連して序論に記載されたエラストマー類の性質とを兼ね備える。
本発明による組成物はさらに、無機および/または有機充填剤、可塑剤、無機および/または有機色素、防炎加工剤、例えば、シロアリなどの有害生物に対する試剤、テンの咬みつきに対する試剤など、また他の従来からのプラスチック添加剤など、少なくとも1種の従来のプラスチック添加剤を含むことができる。本発明による組成物は、組成物の全量を基準にして、これらを、約40重量%まで、好ましくは約20重量%までの量で含有することができる。
本発明による組成物は、少なくとも1種の熱可塑性材料(A)および高エネルギー照射を用いることよって架橋されていない少なくとも1種の架橋ミクロゲル(B)を混合することにより得ることができる。
本発明はさらに、熱可塑性材料(A)に高エネルギー照射を用いることよって架橋されていない架橋ミクロゲル(B)の使用に関する。成分(A)と(B)の好ましい変体については、上記説明を参照することができる。
本発明による組成物の調製
本発明はさらに、少なくとも1種の熱可塑性材料(A)および少なくとも1種のミクロゲル(B)を混合することによる、本発明による組成物の調製法に関する。本発明による組成物の調製は一般に、ミクロゲル(B)が、熱可塑性材料(A)と混合する前に別に調製されるように実施される。
修飾(場合によっては)ミクロゲル(B)と熱可塑性材料(A)とを含む本発明による組成物は、種々の方法で調製できる:一方、個々の成分を混合することは、もちろん可能である。これに好適なユニットは、例えば、圧延機、多ロール練り機、溶解機、密閉式ミキサーまたは混合押出機である。
例えば、共混練機、1軸スクリュー押出機(特殊な混合構成要素)、2軸スクリュー押出機、カスケード押出機、脱揮押出機、多軸スクリュー押出機、ピン留めディスク押出機、スクリュー混練機および遊星歯車押出機、ならびに複式シャフト反応機などのプラスチックおよびゴムのテクノロジー(Saechtling Kunststoff Taschenbuch、第24版、61頁と148頁以下;DIN24450;Mischen von Kunststoff− und Kautschukprodukten、VDI−Kunststoffechnik、241頁以下)から知られている混合ユニット類が、混合ユニットとしてさらに好適である。脱揮(脱揮を備えた遊星歯車押出機)と共に同じ方向でスクリューが回転する2軸スクリュー押出機を使用することが好ましい。
上記のとおり、(場合によっては)修飾ミクロゲル(B)および熱可塑性材料(A)の本発明による組成物と、追加の充填剤および場合によっては従来からの補助物質とのさらなる混合は、圧延機、密閉式ミキサー、多ロール練り機、溶解機または混合押出機などの従来からの混合ユニット中で実施できる。好ましい混合温度は、室温(23℃)から280℃、好ましくは約60℃から200℃である。
本発明はさらに、熱可塑的加工性造形品および本発明による組成物から得ることができる造形品の製造のための本発明による組成物の使用に関する。このような造形品の例としては、プラグおよびソケット接続部、防振、特に振動吸収およびショック吸収要素、音響減衰要素、断面材、フィルム、特に防振フィルム、床マット、衣類、特に靴挿入物、靴、特にスキーブーツ、靴底、電子部品、電子部品用カバー、道具、装飾造形品、複合材料、自動車成形品などが挙げられる。
本発明による造形品は、溶融押出し、圧延、IM、CMおよびRIMによるなど、熱可塑性エラストマー類のための従来からの加工法によって本発明による組成物から製造できる。
本発明は、以下の実施例によりさらに説明される。しかしながら、本発明は、実施例の開示内容に限定されない。
(実施例)
1.ミクロゲル(B)の調製
(調製実施例1)
(ペルオキシド架橋のNBRベースミクロゲル(OBR1102C))
NBRミクロゲルOBR1102Cを、DE19701487に記載されているとおり調製する。NBRラテックスを出発物質として用いる。NBRラテックスは以下の特徴を有する:アクリロニトリルの取り込み含量:43重量%、固体濃度:16重量%、pH:10.8、ラテックス粒子の直径(d):140nm、粒子密度:0.9984g/cm、ラテックスのゲル含量は2.6重量%であり、トルエン中のゲル含量の膨潤指数は、18.5であり、ガラス転移温度(Tg)は−15℃である。
7phrジクミルペルオキシド(DCP)は、OBR1102Cの調製のために使用される。
得られたミクロゲルの特性データは、表1に要約している。
(調製実施例2)
(ペルオキシド架橋のSBRベースミクロゲル(OBR1046C))
このミクロゲルは、ラテックス形態中40重量%の取り込みスチレンを有するSBRラテックス(BayerフランスのKrylene1721)を、1.5phrジクミルペルオキシド(DCP)により架橋し、5phrヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)と引き続きグラフトすることにより調製された。
Krylene1721とジクミルペルオキシドとの架橋は、米国特許第6127488号の実施例1)〜4)に記載されたとおり実施し、1.5phrジクミルペルオキシドをこの架橋のために使用した。ミクロゲルのベースであるラテックスKrylene1721は、以下の特徴を有する:
固体濃度:21重量%;pH:10.4、ラテックス粒子の直径:d10=40nm;d=53nm;d80=62nm;SAspec=121;粒子密度:0.9673g/cm、ミクロゲルのゲル含量は3.8重量%であり、ゲル含量の膨潤指数は25.8であり、ガラス転移温度(Tg)は−31.5℃である。
1.5phrジクミルペルオキシドとの反応後、生成物は、以下の特性データを有する:
固体濃度:21重量%;pH:10.2、ラテックス粒子の直径:d10=37nm;d50=53nm;d80=62nm;粒子密度:0.9958g/cm、ミクロゲルのゲル含量は90.5重量%であり;ゲル含量の膨潤指数は5.8であり、ガラス転移温度(Tg)は−6.5℃である。
1.5phrで架橋されたSBRラテックスのヒドロキシル修飾は、5phrヒドロキシエチルメタクリレートとグラフトすることにより実施される。HEMAとの反応、安定化およびヒドロキシル修飾ラテックスの後処理は、米国特許第6399706号、実施例2に記載されているとおり実施された。
ヒドロキシル修飾SBRミクロゲルの特性データは、表1に要約している。
TPUのミクロゲルの使用前に、それを、Heraeus Instruments、モデルVacutherm VT6130からの真空乾燥キャビネット中、100ミリバールで一定重量になるまで乾燥する。
(調製実施例3)
(直接重合のSBRベースミクロゲル;DVBによる架橋(OBR1126E))
このミクロゲルは、乳濁液中、23%スチレン、76%ブタジエンおよび1%ジビニルベンゼンの共重合により調製された。
(調製実施例4)
架橋コモノマーエチレングリコールジメタクリレートを用いる直接乳化重合により調製されたヒドロキシル修飾BRに基づくミクロゲル(OBR1118)
325gの長鎖アルキルスルホン酸のNa塩(Bayer Agの330g Mersolat K30/95)および235gのメチレン架橋ナフタレンスルホン酸のNa塩(Bayer AgのBaykanol PQ)を、18.71kgの水に溶解し、この溶液を最初に40lのオートクレーブに導入する。該オートクレーブを排気し、窒素で3回充填する。その後、9.200kgのブタジエン、550gのエチレングリコールジメタクリレート(90%純度)、312gのヒドロキシエチルメタクリレート(96%)および0.75gのヒドロキノンモノメチルエーテルを加える。反応混合液を、攪拌しながら30℃まで加熱する。次に、170gの水、1.69gのエチレンジアミン四酢酸(Merck−Schuchradt)、1.35gの硫酸鉄(II)7HO、3.47gのRongalit C(Merck−Schuchradt)および5.24gのリン酸三ナトリウム12HOからなる水溶液を計量する。この反応は、250gの水に溶解した、2.8gのp−メンタンヒドロペルオキシド(Akzo−DegussaのTrigonox NT50)および10.53gのMersolat K30/95の水溶液の添加により開始する。5時間の反応時間後、この混合物を、10.53gのMersolat K30/95および2.8gのp−メンタンヒドロペルオキシド(Trigonox NT50)が溶解されている250gの水からなる水溶液により後活性化する。95〜99%の重合変換が到達したら、この重合を、500gの水に溶解された25.53gのジエチルヒドロキシルアミンの水溶液の添加により中止する。その後、未反応モノマー類を、蒸気で剥ぎ取ることによりラテックスから除去する。該ラテックスをろ過し、米国特許第6399706号の実施例2に記載されているとおり、安定剤を加え、生成物を凝集させ、乾燥する。
SBRゲルの特性データは、表1に要約している。
(調製実施例5)
(ペルオキシド架橋のNBRベースミクロゲル(OBR1102B))
ペルオキシド架橋のNBRベースミクロゲルは、7phrの代りに5phrのDCPにより実施例1の調製のとおり調製された。
Figure 0005132150
表中の略語は、以下の意味を有する:
DCP:ジクミルペルオキシド
EGDMA:エチレングリコールジメタクリレート
phr:ゴム100当たりの部
SAspec.:m/gでの比表面積
:DIN53206によれば、直径dは、各場合においてその上下に全粒径の半分が存在する中央値または中心値と定義される。ラテックス粒子の粒径は、超遠心法の手段により決定される(W.Scholtan、H.Lange、「Bestimmung der Teilchengroeβenverteilung von Latices mit der Ultrazentrifuge」、Kolloid−Zeitschrift und Zeitschrift fuer Polymere(1972)250巻、8号)。ミクロゲル粒子の粒径が、本発明による組成物の調製中に実際には変化しないことから、本発明による組成物中のラテックスおよび1次粒子の直径値は、実際には同じである。
QI:膨潤指数
Tg:ガラス転移温度
ΔTg:ガラス転移範囲
TgおよびΔTgの決定に関しては、Perkin−ElmerのDSC−2装置を用いる。
膨潤指数QI
膨潤指数QIは、以下のとおり決定された:
膨潤指数は、23°のトルエン中24時間膨潤させた溶媒含有ミクロゲルの重量および乾燥ミクロゲルの重量から算出される:
Qi=ミクロゲルの湿潤重量/ミクロゲルの乾燥重量。
膨潤指数を決定するために、250mgのミクロゲルを、振とうしながら25mlのトルエン中24時間膨潤させる。トルエンにより膨潤した(湿潤)ゲルを、20,000rpmでの遠心分離後に秤量し、次いで70℃で一定重量になるまで乾燥し、再度秤量する。
OH価(ヒドロキシル価)
OH価(ヒドロキシル価)は、DIN53240に従って決定され、1gの物質の無水酢酸によるアセチル化時に放出される酢酸量に等しいKOH mg量に相当する。
酸価
酸価は、既に上記のとおり、DIN53402に従って決定され、1gのポリマーを中和するために必要なKOH mg量に相当する。
ゲル含量
ゲル含量は、23℃のトルエンに不溶性の含量に相当する。それは、上記のとおり決定される。
ガラス転移温度
ガラス転移温度は、上記のとおり決定された。
ガラス転移範囲:
ガラス転移範囲は、上記のとおり決定された。
2.密閉式ミキサーにおける混合法についての一般的説明
本発明による組成物の調製は、圧縮空気冷却の接線ロータおよび350cmのチャンバ容積を備えた実験室用密閉式ミキサー(Rheocord90、Rheomix600E混合チャンバ、Haake)により実施する。混合は、100rpmの速度、160℃の開始チャンバ温度および70%の充填レベルで実施する。混合物は、例えば80/20、70/30、60/40、50/50、40/60、30/70、20/80および10/90の規定された比率のゴムミクロゲル(B)/熱可塑性材料(A)により調製される。この実施のため、熱可塑性樹脂を、まず混合物に導入し、4分で溶融する。次いでミクロゲルを計り入れ、プランジャーを閉じて成分を8分間混合する。この処理中、温度上昇が起こる。回転力は、最大値を示して一定になる。混合後、ほぼミクロゲルの色を有する光学的に均一のサンプルを取り出す。
3.形態検出
形態は、透過型電子顕微鏡写真(TEM)と原子間力顕微鏡(AFM)の補助により検出される。
1.TEM
透過型電子顕微鏡分析用のサンプル分離
低温超薄切片法
方法:
切片厚さが約70nmを有する薄い切片を、低温条件下、ダイヤモンドブレードにより作製した。コントラストを改善するためには、OsOをコントラスト媒体として用いることができる。
薄い切片を、銅製ガーゼに移し、乾燥し、最初にTEMの広範囲を評価する。その後、12,000倍の倍率で80kVの加速電圧、ディスプレイ領域=833.7828.8nmで、特徴的な画像セクションを保存し、文書化目的のためのデジタル画像ソフトウェアにより評価した。
2.AFM:トポメトリックスモデルTMX2010
この分析のため、光沢切片を調製し、AF顕微鏡に移した。この写真は、層化画像法により作成した。
ミクロゲル濃度が高すぎる場合、すなわち、1次粒子が重なる場合、予め希釈を実施することができる。
(PPに基づく本発明による組成物)
調製実施例4のミクロゲルOBR1118を、下記のPP Atofina PPH3060(ATOFINAにより製造)と混合する。組成物の調製は、同方向のシャフト運転を備えた実験室用押出機(ZSK25、製造元Krupp Werner u.Pfleiderer、Stuttgart;スクリュー直径d=25mm、I/d>38;スループット:2.0kg/時間から5.0kg/時間、速度:100rpmから220rpm)により実施する。混合は、100rpmから220rpmの速度、160℃の取入口ゾーン温度、5kg/時間のスループットで実施する。5/95%、10/90%、15/85%、20/80%、25/75%、30/70%および35/65%のMG/PP重量比を有する混合物を調製する。この実施のため、PPおよびMGは最初に、重量計量秤により押出機に連続的に計り入れる。180℃から195℃への温度上昇が、押出機内で生じる。加工後、ほぼミクロゲルの色を有する光学的に均一のサンプルを取り出す。
Advanced Elastomer Systems(M1)の従来から調製されているTPE−V(Santoprene Rubber201−87)を、ミクロゲルベースTPE−V類の参照として使用する。
得られた組成物/試験品は、以下の性質を示した。
Figure 0005132150
(PPに基づく本発明による組成物)
実施例2のミクロゲル(OBR1046C)を、下記のPP Atofina PPH3060(ATOFINAにより製造)と混合する。組成物の調製は、同方向のシャフト運転を備えた実験室用押出機(ZSK25、製造元Krupp Werner u.Pfleiderer、Stuttgart;スクリュー直径d=25mm、I/d>38;スループット:2.0kg/時間から3.5kg/時間、速度:100rpmから200rpm)により実施する。混合は、100rpmから220rpmの速度、165℃の取入口ゾーン温度、5kg/時間のスループットで実施する。例えば、5/95%、10/90%、15/85%、20/80%、25/75%、30/70%および35/65%のMG/PP重量比を有する混合物を調製する。この実施のため、PPおよびMGは最初に、重量計量秤により押出機に連続的に計り入れる。190℃から210℃への温度上昇が、押出機内で生じる。加工後、ほぼミクロゲルの色を有する光学的に均一のサンプルを取り出す。
Advanced Elastomer Systems(M1)の従来から調製されているTPE−V(Santoprene Rubber201−87)を、ミクロゲルベースTPE−V類の参照として使用する。
得られた組成物/試験品は、以下の性質を示した。
Figure 0005132150
(PPに基づく本発明による組成物)
実施例3のミクロゲル(OBR1126E)を、下記のPP Moplen Q30P(Montel Polyolefinsにより製造)と混合する。組成物の調製は、同方向のシャフト運転を備えた実験室用押出機(ZSK25、製造元Krupp Werner u.Pfleiderer、Stuttgart;スクリュー直径d=25mm、I/d>38;スループット:2.0kg/時間、速度:100rpmから190rpm)により実施する。混合は、100rpmから220rpmの速度、165℃の取入口ゾーン温度、5kg/時間のスループットで実施する。例えば、5/95%、10/90%、15/85%、20/80%、25/75%、30/70%および35/65%のMG/PP重量比を有する混合物を調製する。この実施のため、PPおよびMGは最初に、重量計量秤により押出機に連続的に計り入れる。175℃から190℃への温度上昇が、押出機内で生じる。加工後、ほぼミクロゲルの色を有する光学的に均一のサンプルを取り出す。
Advanced Elastomer Systems(M1)の従来から調製されているTPE−V(Santoprene Rubber201−87)を、ミクロゲルベースTPE−V類の参照として使用する。
得られた組成物/試験品は、以下の性質を示した。
Figure 0005132150
(TPE−Uに基づく本発明による組成物)
調製実施例2のミクロゲル(OBR1046C)を、ミクロゲルとして用いる。Desmopan385、Bayer AGのTPE−Uは、ミクロゲルが、添加されるTPUとして用いる。
組成物の調製は、同方向のシャフト運転を備えた実験室用押出機(ZSK25、製造元Krupp Werner u.Pfleiderer、Stuttgart;スクリュー直径d=25mm、I/d>38;スループット:2.0kg/時間から5.0kg/時間、速度:100rpmから220rpm)により実施する。混合は、100rpmから220rpmの速度、160℃の取入口ゾーン温度、5kg/時間のスループットで実施する。5/95%、10/90%、15/85%、20/80%、25/75%および30/70%のMG/TPU重量比を有する混合物を調製する。この実施のため、TPUおよびMGは最初に、重量計量秤により押出機に連続的に計量される。195℃までの温度上昇が、押出機内で生じる。加工後、ほぼミクロゲルの色を有し、透明な光学的および物理的に均一のサンプルを取り出す。
従来から調製されているTPU(Desmopan385)(M1)を、ミクロゲルベースTPE−U類の参照として使用する。
射出成型:
標準的な引張試験品を、MGおよび純粋なDesmopan385に基づくTPE−U類から得られる顆粒から射出成型する。これは、機械温度が205〜215℃の射出成型機(Arburgのモデル320S)により、10バールの動圧下、60℃の成形温度で実施する。機械および鋳型中のサンプル滞留時間は、50秒である。射出重量は29.5gである。
図1は、実施例4において得られた材料の電子顕微鏡写真を示している。分散されたほぼ球面状ミクロゲルを、極めて明瞭に見ることができる。
試験品の作製:
50%F3標準試験片を、すべてのサンプルから作製する。これは、すべての材料について試験シートの射出成型により実施する。試験品は、これらの試験シートから調製する。すべての標準試験片は、ヘッド領域において14mm幅および7mmのブリッジ幅を有する。この標準片の厚さは2mmである。
物理試験:
1.引張試験
サンプルに対する引張試験を、DIN53455に従って50%F3標準試験片(上記参照)に対して実施する。試験は、光路長レコーダーを備えたユニバーサル試験機(モデル1445、Frank)により実施する。フォーストランスデューサの測定範囲は、0〜1,000Nである。この測定結果は、表5に要約している。
ここで以下の機械パラメータを、前もって設定した:
− 予備力 0.1N
− 予備力に対する速度 1mm/分
− 負荷 1000N
− V試験 400mm/分
ミクロゲルベースTPE−U類の破断時の伸長および破断値での応力は、高負荷下でも純粋なTPU構成要素相の値を超える。測定された値を表2に要約している。
ショアーA硬度:
室温と比較して、試験品は、さらに+80℃と−2℃で各々の場合64時間保存し、測定前、1時間室温に調節した。ミクロゲルを有するサンプルは、測定精度の枠内でショアーA硬度の有意な変化を示さない。測定された値を表6に要約している。
色彩の決定:
試験シートの色彩は、X−Rite GmbHのMatch Rite CFS57色彩計を用いてDIN基準DIN5033およびDIN6174に従って測定する。測定された色彩値を表6に要約している。ミクロゲル含有試験シートは、固有の色彩を有するが、それらは、30%MG含量でも透明のままである。
Figure 0005132150
熱風中のエージング:
熱風中のエージングは、130℃と180℃で各々の場合1時間実施した。次に、試験品を、外観、形状および色彩について評価した。比較として、熱風中、後硬化をしない試験品もまた評価した。この結果を図4に示す。驚くべきことに、本発明による試験品は、ミクロゲルの添加のため、添加なしのものよりも寸法安定性であり、ミクロゲルの含量が増加するにつれて寸法安定性が増すことがここで見られる。
(TPE−Aに基づく本発明による組成物および比較組成物)
調製法
TPE−A類の調製は、圧縮空気冷却の接線ロータおよび350cmのチャンバ容積を備えた実験室用密閉式ミキサー(Rheocord90、Rheomix600E混合チャンバ、Haake)により実施した。混合は、100rpmの速度、190℃の開始チャンバ温度および70%の充填レベルで実施した。70/30の比率のゴムミクロゲル/熱可塑性樹脂を有する混合物を調製した(サンプル1および2)。この実施のため、熱可塑性樹脂(Grilamid L1120G)を、まず混合物に導入し、4分のコースで溶融した。次いでミクロゲルを計り入れ、プランジャーを閉じて成分を8分間混合した。この処理中、温度上昇が生じた(サンプル1および2:Tmax=251℃)。回転力は、最大を通過した。混合後、ほぼミクロゲルの色を有した光学的かつ物理的に均一なサンプルを取り出した。次にこの材料を顆粒化した。
同じゴム/熱可塑性樹脂の比率を有した従来のTPE−A(サンプル5)を、本発明によるミクロゲルベースのTPE−A類の参照として調製した。使用されたPAは、EMS−GRIVORYの商品名(Grilamid L1120G)を有し、使用されたニトリルゴムは、BAYER AGの商品名(Perbunan NT3465)を有する。使用された架橋剤は、ジクミルペルオキシドである。これは、Rhein Chemie社の商品名Poly−Dispersion E(DIC)D−40を有する。これは、EPM結合剤中40%濃度のDCP混合物である。5phrの該試薬を計り入れた。これらTPE−A類の混合は、同じミキサーでなされたが、180℃の開始温度、75rpmのロータ速度および12分の全混合時間が選択された。Grilamid L1120G(63.4g)をまず最初に導入した。その溶融後、NBRゴム(Perbunan NT3465(146g))と架橋剤Poly−Dispersion E(DIC)D−40(18.6g)とを連続して計り入れ、プランジャーを閉じた。混合後、光学的かつ物理的に均一なサンプルを取り出した。次いでこの材料を顆粒化した。得られた形態を図3a)に示している。図3b)において、NBRゴム(Perbunan NT3465)の添加後、架橋剤を加える前に、5phrの相媒体物トランス−ポリオクテナマー(Degussa AgのVestenamer8012)をさらに、密封式ミキサーに計り入れた。
純粋PA(Grilamid L1120G(サンプル3))および純粋NBR加硫製品(5phrのPoly−Dispersion E(DIC)D−40により架橋されたPerbunan NT3465(サンプル4))を、本発明によるミクロゲルベースのTPE−A類のさらなる参照として用いる。
射出成型
試験片を、TPE−A類の顆粒と純粋熱可塑性樹脂とから射出成型した。この実施は、230〜240℃の機械温度で実験室用射出成型機(Injektometer、Gottfert)を用いて、10バールの加圧下、120℃の成形温度で実施した。機械および鋳型中のサンプルの滞留時間は、約1分であった。
試験品の作製
S2標準試験片を、すべてのサンプルから調製する。この実施を、純粋な熱可塑性材料の場合、粉砕することにより実施する(サンプル3)。他のすべての試験品の標準試験片を粉末にする。射出成型ブランクが10mmのみの直径を有することから、調製された標準試験片のすべてが、ヘッド領域において10mmのみの幅を有する。該標準試験片の厚さは4mmである。
物理試験
引張試験
該試験品に対する引張試験は、DIN53504に従ってS2標準試験片(上記参照)に対して実施する。試験は、光路長レコーダーを備えたユニバーサル試験機(モデル1445、Zwick)により実施する。フォーストランスデューサの測定範囲は、0〜2,000Nである。この測定結果は、表1に要約している。
ミクロゲル/PAベースTPE−A類の破断時の伸長および破断値の応力は、純粋な構成要素のエラストマーの値と熱可塑性相の値との間にある。同じポリマー類により従来どおり調製されたTPE−A(サンプル5)の性質レベルを達成できる。高含量ACNを有するミクロゲルOBR1102C(調製実施例1)が用いられる場合、より強度のあるTPE−Aが作製される。
膨潤
サンプルの膨潤を、DIN53521に従って、参照試験液体IRM903(産業参照材料、高ヒドロ処理ヘビーナフテン蒸留物)中、125℃の温度で4日間にわたってS2標準試験片(上記参照)に対して実施する。暴露時間の終わりに、試験品は、23℃で30分の間、未使用試験試剤中の保存により調節する。
油中膨潤の分析結果は、表6に要約している。油中、ミクロゲル/PAベースTPE−A類の膨潤は、非常に緩徐である。同じポリマー類(EMS−GRIVORYのPA(Grilamid L1120G)およびBAYER AGの(Perbunan NT3465))(サンプル5)により従来どおり調製されたTPE−Aの耐膨潤性は、はるかに勝っている。高含量ACNを有するミクロゲルOBR1102Cが用いられる場合、油中の膨潤がより低いことが見出されている。
Figure 0005132150
実施例4(MG/TPE−U)の組成物(電子顕微鏡写真) 実施例1(MG/PP)の組成物(電子顕微鏡写真) 実施例5(NBR/PA)の動的加硫TPV(AFM) 試験器の貯蔵試験結果

Claims (4)

  1. PA−6、PA−4、PA−66、PA−69、PA−610、PA−11、PA−12、PA−612、およびPA−MXD6から選択される熱可塑性ポリマー、ならびに熱可塑性ポリアミドとしてのポリエーテル/ポリアミドブロックコポリマー類から選択される熱可塑性エラストマーからなる群から選択される、少なくとも1種の熱可塑性材料(A)と、
    高エネルギー照射以外の手段によって架橋され、乳化重合により得られ、アクリロニトリル/ブタジエンゴム(NBR)類から選択されるゴム粒子に基づく、少なくとも1種のミクロゲル(B)と
    を含む熱可塑性エラストマー組成物。
  2. PA−6、PA−4、PA−66、PA−69、PA−610、PA−11、PA−12、PA−612、およびPA−MXD6から選択される熱可塑性ポリマー、ならびに熱可塑性ポリアミドとしてのポリエーテル/ポリアミドブロックコポリマー類から選択される熱可塑性エラストマーからなる群から選択された少なくとも1種の熱可塑性材料(A)と、高エネルギー照射以外の手段によって架橋され、乳化重合により得られ、アクリロニトリル/ブタジエンゴム(NBR)類から選択されるゴム粒子に基づく少なくとも1種のミクロゲル(B)とを混合することによる、請求項1に記載の熱可塑性エラストマー組成物の調製方法。
  3. 請求項2に記載の方法により得ることができる熱可塑性エラストマー組成物。
  4. 請求項1に記載の熱可塑性エラストマー組成物を形状化することにより得ることができる造形品。
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