JP2003129991A - 分子ポンプ - Google Patents

分子ポンプ

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JP2003129991A
JP2003129991A JP2001325933A JP2001325933A JP2003129991A JP 2003129991 A JP2003129991 A JP 2003129991A JP 2001325933 A JP2001325933 A JP 2001325933A JP 2001325933 A JP2001325933 A JP 2001325933A JP 2003129991 A JP2003129991 A JP 2003129991A
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stator
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molecular pump
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剛志 樺澤
Manabu Nonaka
学 野中
Toru Miwata
透 三輪田
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    • F04DNON-POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04D19/00Axial-flow pumps
    • F04D19/02Multi-stage pumps
    • F04D19/04Multi-stage pumps specially adapted to the production of a high vacuum, e.g. molecular pumps
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04DNON-POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04D29/00Details, component parts, or accessories
    • F04D29/08Sealings
    • F04D29/083Sealings especially adapted for elastic fluid pumps
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04DNON-POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
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  • Structures Of Non-Positive Displacement Pumps (AREA)
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  • Control Of Positive-Displacement Air Blowers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ねじ溝ポンプ部において排気能力を制御する
ことができる分子ポンプを提供すること。 【解決手段】 例えば、ロータの外周面及びステータの
内周面を円錐状に形成しておき、ロータとステータをス
ラスト方向に相対的に移動させることによりロータとス
テータの間の間隙を調節する。ロータが磁気軸受にて軸
支されている場合は、ロータの保持位置をスラスト方向
にオフセットすることにより、ロータとステータの間隙
の大きさを調節することができる。また、ステータの底
部を電歪部材により形成しておき、当該電歪部材を伸縮
させることによりステータをスラスト方向に移動させる
ことができる。また、ロータの外周面及びステータの内
周面が円筒形状の場合は、ステータの一部分を電歪部材
によって構成することにより、ステータの内径を大きく
したり小さくしたりすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は分子ポンプに関し、
例えばねじ溝を用いて排気を行うものに関する。
【0002】
【従来の技術】近年の科学技術の急激な進歩と共に、排
気能力が大きくかつ高真空度を達成できるポンプの需要
が高まっている。このようなユーザの要望にこたえるポ
ンプとして分子ポンプが学術分野、産業分野などで広く
使用されている。分子ポンプにはねじ溝ポンプやターボ
分子ポンプなどがあり、またターボ分子ポンプとねじ溝
ポンプを組み合わせたものなどがある。
【0003】図11は、従来の分子ポンプの一例として
吸気口側をターボ分子ポンプで排気口側をねじ溝ポンプ
で構成した分子ポンプの構造の一例を示した図である。
分子ポンプ101は、ターボ分子ポンプ部102とねじ
溝ポンプ部103などから構成されいる。そして、吸気
口104から吸引されたガスは、ターボ分子ポンプ部1
02で圧縮された後、ねじ溝ポンプ部103で更に圧縮
されて排気口105から排出される。
【0004】分子ポンプ101は、ロータ軸106を備
えており、ロータ軸106は、磁気軸受107、10
8、109で軸線回りに回転自在に軸支されている。磁
気軸受107、108はロータ軸106をラジアル方向
に磁気浮上させ、磁気軸受109はロータ軸106をス
ラスト方向に磁気浮上させる。ロータ軸106は、軸方
向略中央部にモータ部110を備えており、モータ部1
10が発生するトルクにより、軸線回りに高速回転する
ようになっている。
【0005】ロータ軸106の吸気口104側の部分に
はロータ111がボルトにより固定されている。ロータ
111は、ターボ分子ポンプ部102の回転体を構成す
るタービン部とねじ溝ポンプ部103の回転体を構成す
る円筒部122から構成されている。タービン部には、
多数のロータ翼112が放射状にかつ多段に形成されて
いる。また、ケーシング114の内周面には多段のステ
ータ翼113がロータ翼112と互い違いにロータ軸1
06方向に形成されている。円筒部122は、外周面が
円筒状となっている円筒部122の外周には、外周面か
ら所定の間隙を隔てて、ねじ溝スペーサ116が配設さ
れている。ねじ溝スペーサ116は、円筒形状をなす内
周面を有し、その内周面には、ねじ溝120がらせん状
に形成されている。
【0006】このように構成された分子ポンプ101
は、次のように動作する。ロータ軸106が磁気軸受部
107、108、109により磁気浮上した後、モータ
部110が駆動してロータ111が回転してガスが吸気
口104から吸引される。吸引されたガスは、ロータ翼
112、ステータ翼113の作用により、ターボ分子ポ
ンプ部102で圧縮されてねじ溝ポンプ部113に送ら
れる。ねじ溝ポンプ部103では、高速回転する円筒部
122に従ってガスが流路であるねじ溝120をガイド
されながら下方に送られながら更に圧縮される。このよ
うに、吸気口吸気口104から吸引されたガスはターボ
分子ポンプ部102で圧縮された後、ねじ溝ポンプ部1
03で更に圧縮されて排気口105から排出される。
【0007】このように、2種類の分子ポンプを組み合
わせるのは、圧力領域によって最適なポンプが異なるた
めである。そこで、ガスの圧縮の前段をターボ分子ポン
プ部102で構成し、後段をねじ溝ポンプ部103で構
成することにより圧縮比の大きい分子ポンプを構成する
ことができる。
【0008】図12は、分子ポンプ101のチャンバ1
26に対する従来の接続形態を示した図である。排気対
象であるチャンバ126にターボ分子ポンプ101を接
続する場合、ターボ分子ポンプ101は、ゲートバルブ
125を介して接続される場合がある。ゲートバルブ1
25は、チャンバ126内の圧力を調節するために設置
されており、ターボ分子ポンプ101を稼動させなが
ら、ゲートバルブ125を開閉度を調節することによ
り、チャンバ126内の圧力を調節することができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のねじ溝
ポンプ部103にはロータ122とその対抗面との間隙
121は、ねじ溝ポンプ部103とロータ122が接触
しないようにとの安全性を考慮して、一定の値(例えば
1mm)以上に設定されていた。この結果、ポンプで排
気するガスの圧力が上昇した場合に、ロータ122とそ
の対抗面との間隙121から逆流が起こり、性能が低下
するという特性があった。
【0010】また、一方では、ポンプの排気能力の制御
により、圧力制御を行いたいとの市場要求あったが、従
来技術では、ロータ111の回転数を変更する方法しか
なかった。ロータの回転数は即座に変更することができ
ないため応答性が悪く、結局、チャンバー126の圧力
を高価なゲートバルブ125によって制御することとな
り、コストアップにつながっていた。そこで、本発明の
目的は、間隙121を最小に設定し、高い圧縮率を有す
ると共に圧縮率が制御可能な分子ポンプを提供すること
である。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記目的を達
成するために、ステータと、前記ステータの所定の表面
に対向する対抗面を有し、当該対抗面を前記表面に対向
させた状態で回転可能に軸支されたロータと、前記ロー
タを駆動して前記ステータに対して回転させるモータ
と、前記ステータと前記ロータの対抗する面の少なくと
も一方にはねじ溝が形成されており、前記ロータを前記
モータによって回転させることにより前記ねじ溝でガス
を移送する移送手段と、前記ステータと前記ロータの対
抗面の間隙の大きさを変化させる間隙変化手段と、を具
備したことを特徴とする分子ポンプを提供する(第1の
構成)。
【0012】第1の構成は、例えば、ねじ溝ポンプまた
は、ターボ分子ポンプのねじ溝部において、ロータとそ
の対抗面との間隙を任意に変更できる手段をねじ溝ポン
プまたはターボ分子ポンプに具備することにより実現す
ることができる。この間隙変化手段は、例えば、磁気軸
受の浮上位置を変化させるなど、ロータまたはその対抗
面を軸方向に変位するような機構によって間隙の大きさ
を設定することができる。ロータとステータの対抗面の
どちらか一方にねじ溝が設けられている構造となってお
り、ロータが回転するとこのねじ溝中をガスが輸送され
ながら圧縮される。第1の構成は、前記ロータの前記ス
テータに対抗する面の母線が、前記ロータの軸線と少な
くともゼロ度でない所定の角度をなしており、前記間隙
変化手段は、前記ロータまたは前記ステータの少なくと
も一方を前記ロータの軸線方向に移動させることにより
前記間隙を変化させるように構成することかできる(第
2の構成)。
【0013】母線と軸線のなす角度がゼロ度だと、ロー
タとステータの対向する面は円筒状となり、90度だと
ロータとステータの対向する面は円板状になる。ゼロ度
でない所定の角度だと、当該対向する面は例えば円錐の
外周面のような略円筒状となり、当該略円筒の直径は軸
方向に変化する。ロータとその対抗面となる円筒の直径
の変化率、即ち母線と軸線のなす角度は例えば10度以
上とすることができる。第2の構成は、前記ロータが磁
気軸受によって軸支されており、前記間隙変化手段は、
前記磁気軸受による前記ロータの軸線方向の磁気浮上量
を変化させることのより前記ロータを軸線方向に移動さ
せるように構成することができる(第3の構成)。
【0014】第2の構成は、前記ステータが、前記ロー
タの軸線方向に伸縮可能な伸縮部材によって保持されて
おり、前記間隙変化手段が、前記伸縮部材を伸縮させる
ことにより前記ステータを前記ロータの軸線方向に移動
させるように構成することができる(第4の構成)。
【0015】また、第1の構成は、前記ロータの外周面
及び前記ステータの内周面が円筒形状をしており、前記
間隙変化手段は、前記ステータの内周面の内径を変化さ
せる内径変化手段を具備するように構成することができ
る(第5の構成)。間隙変化手段はステータ側の対抗面
の内径を増減する機構により、ロータとステータの対抗
面の間隙の大きさ変化させることができる。
【0016】第5の構成は、前記ステータが、内周面の
周方向に複数に分割されたステータ構成部材と、前記ス
テータ構成部材を連接する前記周方向に伸縮可能な伸縮
部材とから構成され、前記内径変化手段が、前記伸縮部
材を伸縮させることにより前記ステータの内周面の内径
を変化させるように構成することができる(第6の構
成)。
【0017】ステータ側の対抗面の内径を増減する機構
は2つ以上に分割された円筒及びそれを支持する部品
(電歪素子など)などで構成することができる。第5の
構成は、前記ステータが、内周面の周方向に複数に分割
されたステータ構成部材と、前記ステータ構成部材の外
周面に一端を固着し、他端を固定部に固着した、前記内
周面の径方向に伸縮可能な伸縮部材とから構成され、前
記ステータ構成部材の間には間隙が設けられており、前
記内径変化手段は、前記伸縮部材を伸縮させることによ
り前記部材を内径方向に移動することにより前記内径を
変化させるように構成することができる(第7の構
成)。
【0018】第5の構成は、前記ステータの内周面には
ねじ溝が形成されており、前記ねじ溝の山を形成する部
分の少なくとも一部が前記内周面の径方向に伸縮可能な
伸縮部材によって形成されており、前記内径変化手段
は、前記伸縮部材を伸縮させることにより前記内径を変
化させるように構成することができる(第8の構成)。
【0019】ロータの対抗面(即ちステータの内周面)
にねじ溝が形成されており、そのねじ山の高さが変更可
能となっている。第1の構成から第8の構成までのうち
の何れかの1の構成は、前記ロータと前記ステータとの
間隙の大きさを測定する測定手段と、前記測定手段で測
定された間隙の大きさが所定の大きさとなるように前記
間隙変化手段を用いて前記間隙の大きさを調節する調節
手段と、を更に具備するように構成することができる
(第9の構成)。
【0020】渦電流センサなどの(間隙)測定手段によ
り、ロータとステータの対抗面の間隙を測定し、測定手
段からの出力を元に、間隙の大きさをフィードバック制
御することができる。また、間隙を測定する測定手段と
して、ロータとその対抗面の少なくともどちらか一方の
温度を測定する手段を備え、その出力信号を元に間隙を
算出するように構成することもできる。被排気容器内の
圧力などの外部に出力された信号を元にロータとステー
タの対抗面の間隙を調節し、分子ポンプの性能をフィー
ドバック制御可能である分子ポンプやそれを用いた真空
排気システムを実現することもできる。第4の構成、ま
たは第6の構成から第9の構成までのうちの何れかの1
の構成は、前記伸縮部材が、電界を印加可能に配設され
た電歪素子から構成されており、前記間隙変化手段は、
前記電歪素子に印加する電界を変化させることにより、
前記電歪素子を伸縮させるように構成することができる
(第10の構成)。
【0021】第1の構成から第10の構成までのうちの
何れかの1の構成は、分子ポンプ本体を構成するロータ
とステータが接触する可能性がある異常事態を検出する
検出手段と、前記検出手段にて異常が検出された場合
に、前記ロータと前記ステータとの間隙を少なくとも前
記接触を回避するのに必要な大きさに変化させる異常時
制御手段を更に具備するように構成することができる
(第11の構成)。更に、第1の構成から第11の構成
までのうちの何れかの1の構成は、真空容器内のガス圧
の検出信号を元に、前記間隙を変化させる圧力制御手段
を具備し、前記真空容器内の圧力を制御することが可能
であるように構成することができる(第12の構成)。
【0022】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)第1の実施
の形態では、ステータに対してロータを回転軸方向に移
動させることにより、ねじ溝ポンプ部でのロータとその
対抗面との間隙を調節する。間隙を調節することによ
り、当該間隙から漏れるガスの量を調節することができ
る。以下、本発明の好適な第1の実施の形態について、
図1ないし図3を参照して詳細に説明する。
【0023】図1は、第1の実施の形態に係る分子ポン
プ1の構成を示した図である。分子ポンプ1はターボ分
子ポンプ部31とねじ溝ポンプ部32から構成されてお
り、吸気口24から吸引されたガスはターボ分子ポンプ
部31で圧縮された後、ねじ溝ポンプ部32で更に圧縮
されて排気口19から排出される。分子ポンプの外筐体
を形成するケーシング16の中心には、ロータ軸3が配
設されている。紙面に向かってロータ軸3の上部と下部
及び底部には、それぞれ磁気軸受部8、12、20が設
けられている。
【0024】ロータ軸3は、磁気軸受部8、12によっ
てラジアル方向(ロータ軸3の径方向)に磁気浮上し非
接触で支持され、磁気軸受部20によってスラスト方向
(ロータ軸3の軸方向)に磁気浮上し非接触で支持され
る。これらの磁気軸受部は、いわゆる5軸制御型の磁気
軸受を構成しており、ロータ軸3、及びロータ軸3に固
着したロータ11は、ロータ軸3の軸線周りの回転の自
由度を有している。
【0025】磁気軸受部8は、4つの電磁石がロータ軸
3の周囲に、90°ごとに対向するように配置されて構
成されている。ロータ軸3は、鉄などの高透磁率材によ
り形成され、これらの電磁石の磁力により吸引されるよ
うになっている。変位センサ9は、例えば渦電流式のセ
ンサであり、ロータ軸3のラジアル方向の変位を検出す
る。
【0026】制御装置25は、変位センサ9からの変位
信号によってロータ軸3がラジアル方向に所定の位置か
ら変位したことを検出すると、各電磁石の磁力を調節し
てロータ軸3を所定の位置に戻すように動作する。この
電磁石の磁力の調節は、各電磁石の励磁電流をフィード
バック制御することにより行われる。このようにしてロ
ータ軸3は、磁気軸受部8において電磁石から所定のク
リアランスを隔ててラジアル方向に磁気浮上し、空間中
に非接触で保持される。なお、後に説明するように制御
装置25は磁気軸受部8の制御の他に、磁気軸受部1
2、20、及びモータ部10の制御を行う。
【0027】磁気軸受部12の構成と作用は、磁気軸受
部8と同様である。磁気軸受部12では、ロータ軸3の
周囲に、90°ごとに電磁石が4つ配置されており、こ
れらの電磁石の磁力の吸引力により、ロータ軸3は、磁
気軸受部12でラジアル方向に非接触で保持される。変
位センサ13は、例えば渦電流式のセンサであり、ロー
タ軸3のラジアル方向の変位を検出する。
【0028】制御装置25は、変位センサ13からロー
タ軸3がラジアル方向の変位信号を受信すると、この変
位を修正してロータ軸3を所定の位置に保持するように
電磁石の励磁電流をフィードバック制御する。制御部2
5は、変位センサ13の信号に基づいて磁気軸受部12
をフィードバック制御し、これによってロータ軸3は、
磁気軸受部12でラジアル方向に磁気浮上し、空間中に
非接触で保持される。
【0029】ロータ軸3の下端に設けられた磁気軸受部
20は、円板状の金属ディスク18、電磁石14、1
5、変位センサ17によって構成され、ロータ軸3をス
ラスト方向に保持する。金属ディスク18は、鉄などの
高透磁率材で構成されており、その中心においてロータ
軸3に垂直に固定されている。金属ディスク18の上に
は電磁石14が設置され、下には電磁石15が設置され
ている。電磁石14は、磁力により金属ディスク18を
上方に吸引し、電磁石15は、金属ディスク18を下方
に吸引する。制御装置25は、この電磁石14、15が
金属ディスク18に及ぼす磁力を適当に調節し、ロータ
軸3をスラスト方向に磁気浮上させ、空間に非接触で保
持するようになっている。
【0030】変位センサ17は、例えば渦電流式のセン
サであり、ロータ軸3のスラスト方向の変位を検出し、
制御装置25に送信する。制御装置25は、変位センサ
13から受信した変位検出信号によりロータ軸3のスラ
スト方向の変位を監視する。ロータ軸3がスラスト方向
のどちらかに移動して所定の位置から変位した場合、制
御装置25は、この変位を修正すように電磁石14、1
5の励磁電流をフィードバック制御して磁力を調節し、
ロータ軸3を所定の位置に戻すように動作する。制御装
置25が行う、このフィードバック制御により、ロータ
軸3はスラスト方向に所定の位置で磁気浮上し、保持さ
れる。以上に説明したように、ロータ軸3は、磁気軸受
部8、12によりラジアル方向に保持され、磁気軸受部
20によりスラスト方向に保持されるため、ロータ軸3
の軸線周りに回転するように軸支される。
【0031】ロータ軸3の軸線方向に、磁気軸受部8の
上には保護ベアリング6が、磁気軸受部12の下には保
護ベアリング7がそれぞれ設けてある。ロータ軸3は、
磁気軸受部8、12、20により、磁気浮上し、空間に
非接触で保持されているが、ロータ軸3の軸線周りの振
れが生じるなどして、ロータ軸3が保持位置から大きく
ずれる場合がある。保護ベアリング6、7は、このよう
な場合に、ロータ軸3が磁気軸受部8、12、20の電
磁石に接触したり、モータ部10で永久磁石が電磁石に
接触するのを防ぐために設けられている。ロータ軸3が
所定の位置からある量以上移動すると、ロータ軸3は保
護ベアリング6、7に接触し、ロータ軸3の移動は物理
的に制限される。
【0032】ロータ軸3には、磁気軸受部8、12の間
にモータ部10が設けてある。本実施の形態では、一例
として、以下の構成を有するDCブラシレスモータを採
用した。モータ部10では、ロータ軸3の周囲に永久磁
石が固着されている。この永久磁石は、ロータ軸3の軸
周り方向に、例えばN極とS極が180°ごとに配置さ
れるように取り付けられている。この永久磁石の周囲に
は、永久磁石から所定のクリアランスを経て、例えば6
個の電磁石が60°ごとにロータ軸3の軸線に対して対
称的に、また対向するように配置されている。
【0033】また、ロータ軸3の下端には、回転数セン
サ23が取り付けられている。制御部25は、回転数セ
ンサ23の検出信号によりロータ軸3の回転数を検出す
ることができるようになっている。また、例えば変位セ
ンサ13近傍に、ロータ軸3の回転の位相を検出する図
示しないセンサが取り付けてあり、制御装置25は、該
センサと回転数センサ23の検出信号を共に用いて永久
磁石の位置を検出するようになっている。
【0034】制御装置25は、検出した磁極の位置に従
って、ロータ軸3の回転が持続するように電磁石の電流
を次々に切り替える。即ち、制御装置25は、6つの電
磁石の励磁電流を切り替えることによりロータ軸3に固
定された永久磁石の周りに回転磁界を生成し、永久磁石
をこの回転磁界に追従させることによりロータ軸3を回
転させる。
【0035】ロータ11は、複数のボルト5によってロ
ータ軸3に固定されており、ロータ軸3がモータ部10
によって駆動されて回転するとこれに伴ってロータ11
も回転するようになっている。ロータ11は、ターボ分
子ポンプ部31に対応するタービン部とねじ溝ポンプ部
32に対応する円板部から構成されている。
【0036】タービン部では、ロータ翼21が、ロータ
軸3の軸線に垂直な平面から所定の角度だけ傾斜して、
ロータ11から放射状に複数段取り付けてある。ロータ
翼21は、ロータ11に固着されており、ロータ11と
共に高速回転するようになっている。
【0037】また、ケーシング16のターボ分子ポンプ
部31に対応する部分には、ステータ翼22が、ケーシ
ング16の内側に向けて、ロータ翼21の段と互い違い
に固定されてる。また、ステータ翼22はロータ軸3の
軸線に垂直な平面から所定の角度をもって、ケーシング
16に固定されている。
【0038】ロータ11の円板部には、ねじ溝ポンプ部
32でのロータである円板状のディスク33が形成され
ている。一方、ケーシング16のねじ溝ポンプ部32に
対応する部分には、円板上にガスの流路である螺旋が形
成された溝付ステータ34がケーシング16の内側に向
けて形成されている。ディスク33と溝付ステータ34
の間には所定の間隙35が設けられている。
【0039】このようにロータが円板で構成される場合
は、ロータのステータに対向する面の母線とロータ軸3
の軸線がなす角度は90度である。ここで、母線とは錐
面、柱面、一葉双曲面などのように、直線の移動によっ
て曲面が描かれるときに、その各位置における直線のこ
とである。なお、ディスク33の母線は、ディスク33
の半径を描く線分となる。
【0040】図2は、溝付ステータ34を図1の紙面下
側から見たところを示した図である。溝付ステータ34
には、図2に示したように突起40によって螺旋溝41
が形成されている。矢線37はガスの流れる方向を示し
たものである。溝付ステータ34の対抗面はディスク3
3であり、ディスク33が高速回転することにより、ガ
スは溝付ステータ34の内周側から螺旋溝41に入り、
矢線37方向に螺旋溝41内をガイドされる。螺旋溝4
1は、内周から外周に行くに従って溝幅が狭くなってお
り、また、内周側から外周側に行くに従ってガスに作用
する遠心力も大きくなるため、ガスは溝付ステータ34
の内周側から外周側に行くに従って圧縮される。このよ
うに溝付ステータ34とディスク33が所定の間隙を隔
てて対向することにより、螺旋溝41でガスを移送する
移送手段を構成している。
【0041】図1に戻り、ターボ分子ポンプ部31で圧
縮されたガスは、矢線37で示したように、第1段目の
溝付ステータ34の内周側から外周側へガイドされなが
ら更に圧縮された後、第2段目の溝付ステータ34の内
周側から外周側へガイドされながら更に圧縮されて排気
口19から排出される。ところで、ロータ11はスラス
ト方向に磁気軸受部20によって磁気浮上しているた
め、磁気軸受部20のフィードバック制御における設定
値(目標値)をロータ軸3の軸線方向にオフセットする
ことにより、ロータ11を紙面上下方向に移動させるこ
とができる。
【0042】このようにロータ11を上下移動させるこ
とにより、溝付ステータ34とディスク33との間隙3
5の大きさを調節することができる。間隙35を小さく
すると圧縮の過程で間隙35から漏れるガスを減らすこ
とができ、分子ポンプ1において高い圧縮率を実現する
ことができる。また、間隙35を大きくすると漏れるガ
スの量が増え、分子ポンプ1の圧縮率を小さくすること
ができる。このように、間隙35の間隔を制御可能とす
ることにより、分子ポンプ1の排気能力を調節すること
ができる。これによって、チャンバ(被排気容器)内の
圧力を調節できる。また、従来固定されていた間隙の間
隔よりも間隙35の間隔を小さくすることにより、分子
ポンプ1の排気能力を従来よりも高くすることができ
る。
【0043】図3は、磁気軸受部20の制御系50の構
成を示した図である。制御系50は、磁気軸受部20
(電磁石14、15、金属ディスク18)、変位センサ
17、検出器26、補償器39、パワーアンプ38など
から構成されている。このうち検出器26、補償器39
及びパワーアンプ38は制御装置25に含まれている。
磁気軸受部20、変位センサ17の機能は先に説明した
とおりである。また、変位センサ17の出力から間隙3
5の大きさを取得することができるので、変位センサ1
7は、間隙35の大きさを測定する測定手段を構成して
いる。
【0044】検出器26は、予め設定された目標値と変
位センサの出力とを比較し、その差である誤差信号を生
成する。補償器39は、誤差信号を受信し、例えばPI
D(ProportionalIntegral De
rivative)補正などの補正を行う。補償器39
は、補正した制御信号をパワーアンプ38に出力する。
【0045】補償器39は、受信した誤差信号を所定の
方法で補正し、磁気軸受部20の制御性を高めるもので
ある。パワーアンプ38は、補償器39から制御信号を
受信し、制御信号に応じた電流を電磁石14、15に供
給する。電磁石14、15は、供給された電流により所
定の磁界を発生し、ロータ軸3を目標値で規定された位
置に保持する。そのため目標値を可変とすることにより
ロータ軸3をスラスト方向にオフセットすることができ
る。このように制御系50でロータ軸3をスラスト方向
にオフセット可能とすることにより間隙35を変化させ
る間隙変化手段を構成することができる。また、制御系
50は、間隙35の大きさを目標値となるようにフィー
ドバック制御するため間隙35の大きさを調節する調節
手段をも構成している。
【0046】本実施の形態では、補償器39に入力する
目標値はユーザが設定できるようになっている。例え
ば、分子ポンプ1の図示しない操作盤に目標値を変化さ
せるダイアルを設置し、ユーザがチャンバ内の圧力を計
測しながら目標値を変化させることができるようになっ
ている。目標値を変化させて間隙35の幅を小さくする
と分子ポンプ1の排気能力が高まりチャンバ内の圧力が
低下する。逆に間隙35の幅を大きくすると分子ポンプ
1の排気能力が低減され、チャンバ内の圧力が上昇す
る。ユーザは、間隙35の幅をダイアル操作にて調節
し、最適な値とすることができる。または、チャンバ内
の圧力を計測する圧力計測手段を設置し、当該圧力計測
手段にて取得した圧力が目標値となるように、間隙35
をフィードバック制御するように構成しても良い。
【0047】なお、分子ポンプ1及び制御装置25に
は、安全性を高めるためのエラー検出機能が備えられて
いる。このエラー検出機能により、分子ポンプ1に外力
が加わって振動するなどの外乱があった場合に、即座に
間隙35の幅を安全な値に変化させるように安全確保手
段を構成することにより、ロータ35と溝付ステータ3
4の干渉などを防ぐことができる。検出する項目は、ロ
ータ11の位置とモータ部10の温度などである。ロー
タ11の位置は、変位センサ9、13、17によりモニ
タリングし、モータ部の温度はモータ部の電磁石に取り
付けた図示しないサーミスタなどによりモニタリングす
る。
【0048】以上のように構成された分子ポンプ1は以
下のように動作する。分子ポンプ1が起動すると制御装
置25は、変位センサ9、13、17からの信号を用い
て磁気軸受部8、12、20をフィードバック制御し、
ロータ軸3を磁気浮上させる。次に、制御装置25は、
モータ部10を起動し、ロータ11を回転させる。する
と吸気口24からガスが吸引される。ガスはターボ分子
ポンプ部31でロータ翼21とステータ翼22の作用に
よって圧縮されねじ溝ポンプ部32に送られる。ガスは
更にねじ溝ポンプ部32でディスク33によって溝付ス
テータ35の螺旋溝41をガイドされながら圧縮された
後、排気口19から排出される。
【0049】分子ポンプ1が稼動しているときに、ユー
ザは操作盤のダイアルを回すことによって間隙35の間
隔を変化させることができる。ユーザがダイアルを回し
て補償器39に入力する目標値を変化させると、制御系
50は、ロータ軸3のスラスト方向の位置を変位センサ
17で検知しながら、電磁石14、15の磁力を変化さ
せ、ロータ軸3を目標値で規定される所定の位置に移動
させる。
【0050】ユーザがダイアル操作により、ロータ軸3
が吸気口24側に移動すると、間隙35の間隔が小さく
なって間隙35から漏れるガスが少なくなり、分子ポン
プ1の排気能力を高めることができる。その結果、被排
気容器内の真空度を高めることができる。一方ユーザの
操作により、ロータ軸3が排気口19側に移動すると、
間隙35の間隔が大きくなって間隙35から漏れるガス
が多くなり、分子ポンプ1の排気能力を下げることがで
きる。その結果、被排気容器内の真空度を下げることが
できる。
【0051】以上の第1の実施の形態では、以下のよう
な効果が得られる。間隙35を操作することによって分
子ポンプ1の排気能力を制御することができる。磁気軸
受部20の制御系50で目標値を変化させるだけで分子
ポンプ1の排気能力を調節することができるため、新た
に付加する構成が簡単であり、かつ低コストで実現する
ことができる。また、応答性が良い。分子ポンプ1の性
能を制御することにより、圧力制御用のスロットバルブ
(ゲートバルブ)を除外することができ、コストダウン
ができる。
【0052】なお、分子ポンプ1を使用する際には、通
常排気口19に他の真空ポンプを補助ポンプとして接続
し、排気口19での圧力(背圧)を小さくして使用す
る。ディスク33とその対抗面の間隙35を小さくでき
るので、特に、小型のバックポンプ(補助ポンプ)を用
いた場合など、ポンプの背圧が高いときの性能を向上さ
せることができる。非常時の際に、間隙35の設定を広
げてディスク33とその対抗面の間隙を増やすことがで
きるため、ディスク33とその対抗面との接触を防止で
き、信頼性が向上することができる。
【0053】なお、分子ポンプ1はターボ分子ポンプ部
31とねじ溝ポンプ部32を備えているが、これに限定
するものではなく、ねじ溝ポンプ部32からのみ構成さ
れた分子ポンプに対して適用することもできる。また、
本実施の形態のねじ溝ポンプ部32では、ステータ側に
ガス流路の溝41を形成したが、これに限定するもので
はなく、ディスク33の表面に溝を形成することも可能
である。
【0054】(第2の実施の形態)第2の実施の形態で
は、ロータに対してステータをロータの回転軸方向に移
動させることにより、ねじ溝ポンプ部でのロータとその
対抗面との間隙を調節する例について説明する以下、本
発明の好適な第2の実施の形態について、図4及び図5
を参照して詳細に説明する。
【0055】図4は、第2の実施の形態に係る分子ポン
プ41の構成を示した図である。第1の実施の形態と同
じ構成の部分については同じ符号を用いることにする。
分子ポンプ41は、吸気口24側に構成されたターボ分
子ポンプ部31と吸気口19側に形成されたねじ溝ポン
プ部32から構成されている。磁気軸受部8、12、2
0、モータ部10、ロータ軸3、ターボ分子ポンプ部3
1の構成は第1の実施の形態と同じであるので説明を省
略する。
【0056】ねじ溝ポンプ部32は、外周面が円錐形状
のロータ42と、円錐形状の内周面にねじ溝が形成され
たねじ溝スペーサ43から構成されている。これら円錐
形状は紙面下側に円錐の頂点が向く方向で形成されてい
る。ロータ42のロータ軸3の軸線を含む断面は台形と
なる。ロータ42のステータに対抗する面の母線は、当
該台形の上底と下底とを結ぶ辺となる。本実施の形態で
は、当該円錐がロータ軸3の軸線となす角度、即ち円錐
の母線が垂直となす角度は10度程度とした。
【0057】ねじ溝スペーサ43の内周面に形成された
ねじ溝48は螺旋形状となっている。そして、ロータ4
2が高速回転すると、ターボ分子ポンプ部31で圧縮さ
れたガスがロータ42の回転に伴ってねじ溝48内をガ
イドされながら排気口19へ送出されるようになってい
る。即ちねじ溝48はガスを輸送する流路となってい
る。ねじ溝スペーサ43とロータ42が所定の間隙を隔
てて対向することにより、ねじ溝48でガスを移送する
移送手段を構成している。
【0058】ロータ42の側面とねじ溝48で囲まれた
領域からなるガスの流路の断面積は、排気口19側へ行
くに従って徐々に小さくなるようになっている。このた
め、ガスはねじ溝48を排気口19の方へ送られるにつ
れて圧縮される。このように、吸気口24から吸引され
たガスは、ターボ分子ポンプ部1で圧縮された後、ねじ
溝ポンプ部32で更に圧縮されて排気口19から排出さ
れる。
【0059】ねじ溝スペーサ43は、ケーシング16内
でロータ軸3の軸方向に移動できるように配設されてお
り、低部はリング形状の電歪素子(ピエゾ素子)44が
固着してある。電歪素子44の他端は分子ポンプ1のベ
ース45に固着してある。即ち、電歪素子44がスラス
ト方向に伸縮するとそれにつれてねじ溝スペーサ43も
スラスト方向に移動するようになっている。
【0060】電歪素子は、例えばチタン酸バリウムのよ
うな強誘電体などに構成されており、電界を加えると伸
び縮みする素子であり、本実施の形態では、伸縮方向は
スラスト方向となっている。本実施の形態では、電歪素
子は伸縮部材として使用される。図示しないが、電歪素
子44の内周面と外周面にそれぞれリング状の電極が装
着してあり、当該電極に電圧を印加することにより、電
歪素子44に電界を加えることができるようになってい
る。
【0061】電歪素子44に取り付けたこれらの電極に
電圧を印加して電歪素子44に電界を加えると電歪素子
44は機械的応力を発生し、スラスト方向(ロータ軸3
の軸線方向)に伸び縮みする。電歪素子44が伸縮する
とこれに伴ってねじ溝スペーサ43がスラスト方向に移
動する。ロータ42とねじ溝スペーサ43との間隙46
の間隔は、ねじ溝スペーサ43が紙面上方向に移動する
と狭まり、紙面下方向に移動すると広がる。一方、電歪
素子44に印加する電圧を調節することにより電歪素子
44の伸縮量を調節することができる。このように電歪
素子44によって間隙46を変化させる間隙変化手段を
構成することができる。
【0062】ねじ溝スペーサ43には、間隙46の大き
さを検出する間隙測定手段である渦電流センサ47が設
置してある。渦電流センサ47は、先端部に発信回路の
一部をなす検出コイルを備えており、当該検出コイルの
インピーダンスの変化から渦電流センサ47の先端から
ロータ42までの距離を検出するものである。渦電流セ
ンサ47は、ねじ溝スペーサ47の溝の山の部分に明け
た穴に設置され、先端はねじ溝スペーサ47の内周側に
露出している。このように渦電流センサ47は、間隙4
6の大きさを測定する測定手段を構成している。
【0063】制御装置25は、磁気軸受部8、12、2
0の制御部、モータ部10の制御部及び電歪素子44を
制御する電歪素子制御部などから構成されている。磁気
軸受部8、12、20の制御部、モータ部10の制御部
の機能は第1の実施の形態と同じである。電歪素子44
の伸縮量を制御する電歪素子制御部は、渦電流センサ4
7の出力からロータ42とねじ溝スペーサ43のギャッ
プ、即ち間隙46の大きさを検出し、間隙46の大きさ
が所定の大きさになるように電歪素子43に印加する電
界をフィードバック制御する。このように制御装置25
は、間隙変化手段をコントロールして間隙46の大きさ
を調節する調節手段を構成している。
【0064】図5は、電歪素子制御系55の構成の一例
を示した図である。電歪素子制御系55は、渦電流セン
サ47、ギャップ長検出器51、目標値設定器54、補
正器52、電圧発生器53、電極56、57、電歪素子
44などから構成されている。このうち、キャップ長検
出器51、目標値設定器54、補償器52、電圧発生器
53は、制御装置25に具備されていている。また、目
標値設定器54は、目標値が可変となっており、図示し
ないターボ分子ポンプ41の操作パネルからユーザがダ
イアル操作により当該目標値を変化させることができる
ようになっている。
【0065】ギャップ長検出器51は、渦電流センサ4
7のインピーダンスの変化から渦電流センサ47とロー
タ42との間隙の大きさを検出し、当該間隙の大きさを
示す信号を出力する。目標値設定器54は、ねじ溝スペ
ーサ43とロータ42の間隙の大きさの目標値を表す信
号を出力する。検出器58は、ギャップ長検出器51が
検出した間隙の大きさと目標値設定器54で設定した間
隙の大きさの差である誤差信号を出力する。
【0066】補償器52は、検出器58から誤差信号を
受信し、当該誤差信号に対応した電圧値を表す制御信号
を出力する。電圧発生器53は、補償器52から制御信
号を受信して電極56、57に電圧を印加する。電極5
6は、電歪素子44の内側に装着された電極であって、
電極57は、電歪素子44の外側に装着された電極であ
る。電極56と電極57に電圧発生器53によって電圧
が印加されると電極56、電極57間に電界が発生し、
これによって電歪素子44が伸縮する。例えば、電極5
6には正の電圧を印加し、電極57には負の電圧を印加
するようになっている。電歪素子制御系55は、ギャッ
プ長検出器51で検出した間隙の大きさと、目標値設定
器54で設定した間隙の大きさが等しくなるようにフィ
ードバック制御を行う。
【0067】図4に戻り、以上のように電歪素子44に
よってロータ42とねじ溝スペーサ43の間隙46を調
節することにより、以下のような利点を得ることができ
る。ガスは、ねじ溝ポンプ部で排気口19側に行くに従
って圧縮されるが、その際に間隙46からガスの漏れが
生じる。間隙46の大きさが大きいときは、ガスの漏れ
量が大きくなり、ねじ溝ポンプ部32でのガスの圧縮能
力が低下する。そのため、分子ポンプ41の排気能力を
小さくすることができる。
【0068】一方、間隙46の大きさが小さいときは、
ガスの漏れ量が小さくなり、ねじ溝ポンプ部32でのガ
スの圧縮能力が向上する。そのため、分子ポンプ41の
排気能力を高めることができる。そして、分子ポンプ4
1の排気能力は、ユーザが目標値設定器54の目標値を
設定することにより調節することができる。
【0069】以上のように構成された分子ポンプ41は
以下のように動作する。分子ポンプ41が起動すると制
御装置25は、変位センサ9、13、17からの信号を
用いて磁気軸受部8、12、20をフィードバック制御
し、ロータ軸3を磁気浮上させる。次に、制御装置25
は、モータ部10を起動し、ロータ11を回転させる。
すると吸気口24からガスが吸引される。ガスはターボ
分子ポンプ部31でロータ翼21とステータ翼22の作
用によって圧縮されねじ溝ポンプ部32に送られる。ガ
スは、ねじ溝ポンプ部32でロータ42の高速回転によ
りねじ溝スペーサ43に形成されたねじ溝48を排気口
19方向へガイドされながら更に圧縮された後、排気口
19から排出される。
【0070】分子ポンプ41が稼動しているときに、ユ
ーザは操作盤のダイアルを回すことによって間隙46の
間隔を変化させることができる。ユーザがダイアルを回
して目標値設定器54の目標値を変化させると、電歪素
子制御系55は、渦電流センサ47とロータ42の間隔
を検出しながら所定の電界を電歪素子44に作用させ
て、間隙46の値が目標値設定器54で設定した値とな
るようにする。
【0071】ユーザがダイアル操作により、間隙46の
大きさを小さくすると間隙46から漏れるガスが少なく
なり、分子ポンプ41の排気能力を高めることができ
る。その結果、被排気容器内の真空度を高めることがで
きる。一方ユーザの操作により、間隙46の間隔が大き
くなると間隙46から漏れるガスが多くなり、分子ポン
プ41の排気能力を下げることができる。その結果、被
排気容器内の真空度を下げることができる。
【0072】なお、制御装置25には、第1の実施の形
態と同様に、分子ポンプ41に外力が加わって振動する
などの外乱があった場合に、即座に電歪素子44を収縮
させて間隙46の幅を安全な値に変化させ、ロータ42
とねじ溝スペーサ43の干渉を防ぐための安全装置が備
えられている。
【0073】以上に説明した第2の実施の形態では以下
のような効果を得ることができる。間隙46を操作する
ことによって分子ポンプ41の排気能力を制御すること
ができる。電歪素子44の伸縮により間隙46の大きさ
を調節することができる。また、電歪素子44に電界を
作用させるだけで間隙46を調節できるため、消費電力
が小さい。更に電歪素子46は応答性が良い。
【0074】ゲートバルブを除外できることや、ポンプ
の背圧が高いときの性能を向上させることができるこ
と、非常の際に、即座に間隙46を広げて安全を確保す
ることができることなどは、第1の実施の形態と同じで
ある。
【0075】なお、本実施の形態では、ねじ溝スペーサ
を上下させる駆動手段として電歪素子44を使用した
が、駆動手段はこれに限定するものではなく、例えばア
クチュエータなどの他の機構によるものでも良い。ま
た、本実施の形態では、ロータ42及びねじ溝スペーサ
43の円錐形状の頂点の方向を図4において紙面下側と
したが、これに限定するものではなく、頂点が上向きと
なるように構成しても良い。更に、電歪素子44による
ねじ溝スペーサ43の上下移動と、第1の実施の形態で
述べた、磁気軸受部20の制御によるロータ42の上下
移動を組み合わせて間隙46を変化させても良い。な
お、本実施の形態では、ステータ43にねじ溝を形成し
たが、これに限定するものではなく、ねじ溝をロータ4
2に形成するように構成しても良い。
【0076】(第2の実施の形態の変形例)本変形例
は、間隙46の大きさをねじ溝スペーサ43の温度から
計算により求めるものである。本変形例における分子ポ
ンプの構成は図4の分子ポンプ41で渦電流センサ47
を例えばサーミスタなどの温度計で置換したものであ
る。そのため、以下では、分子ポンプ41を引用して説
明する。
【0077】ねじ溝スペーサ43は、例えばアルミやス
テンレスなどによって構成されており、その熱膨張率は
予め分かっている。また、ねじ溝スペーサ43の室温で
の幾何学的な外径寸法は設計値または実測値により分か
っている。そのため、ねじ溝スペーサ43の温度が分か
れば、ねじ溝スペーサ43の外径寸法を計算により求め
ることができる。
【0078】また、所定の条件下でのロータ42の温度
とねじ溝スペーサ43の温度の関係が実験などによって
求められていれば、当該条件下でのロータ42の温度を
ねじ溝スペーサ43の温度から推定することができる。
ロータ42はアルミやステンレスなどによって構成され
ており、その熱膨張は予め分かっている。またロータ4
2の室温での外形寸法は設計値または実測値により分か
っている。そのため、ロータ42の温度が推定できれ
ば、ねじ溝スペーサ43と同様に、ロータ42の幾何学
的な外径寸法を計算により推定することができる。
【0079】ここで所定の条件とは、分子ポンプ41が
排気しているガスの圧力、ロータ11の回転数などであ
る。これらの種々の条件下でのロータ42とねじ溝スペ
ーサ43の温度の関係は、例えば実験により求めること
ができる。
【0080】ねじ溝スペーサ43とロータ42の室温で
の相対的な位置関係(例えばロータ軸3の軸線方向の位
置関係)は設計値によって予め分かっており、これは電
歪素子44のロータ軸3の軸方向の長さの関数である。
間隙46の大きさは、ねじ溝スペーサ43とロータ42
の外形寸法と、これらの相対位置によって決まるので、
ねじ溝スペーサ43とロータ42の温度と、電歪素子4
4のロータ軸3の軸方向の長さの関数となる。
【0081】ロータ42の温度はねじ溝スペーサ43の
温度から推定できるので、以上の考察から分かるよう
に、間隙46の大きさは、ねじ溝スペーサ43の温度と
電歪素子44の寸法から計算により推定することができ
る。電歪素子44のロータ軸3の軸方向の長さは、電歪
素子44に取り付けた電極により電歪素子44に作用さ
せた電界の関数であり、電歪素子44に取り付けた電極
に印加した電圧の関数となる。これは、計算または実験
によって求めることができる。
【0082】図6は、本変形例における電歪素子制御部
60の構成を示した図である。電歪素子制御部60は、
電歪素子制御系55において渦電流センサ47をサーミ
スタ61に置き換え、ギャップ長検出器51を温度検出
器62及びギャップ算出器63で置き換えたものであ
る。電歪素子制御部60は、制御装置25に備えられて
いる。
【0083】サーミスタ61は、温度によって抵抗値が
変化する金属の酸化物によって構成されており、その抵
抗値から温度を測定することができる素子である。サー
ミスタ61は、ねじ付スペーサ43に形成した穴に挿入
されており、ねじ付スペーサ43の温度を計測できるよ
うになっている。また、サーミスタ61の代わりに熱電
対やその他の温度計を用いても良い。
【0084】温度検出器62は、サーミスタ61の電気
抵抗値と温度の対応関係をテーブルや数式の形で持って
おり、サーミスタ61の抵抗値からねじ溝スペーサ43
の温度を表す温度信号を出力する。ギャップ算出器63
は、温度検出器62から温度信号を取得し、電圧発生器
53から電歪素子44に印加している電圧を表す電圧信
号を取得し、間隙46の大きさを計算する。このように
本変形例では、サーミスタ61、温度検出器62、ギャ
ップ検出器63、電圧発生器53などによって間隙46
を測定する測定手段を構成している。
【0085】先に述べたように、間隙46の大きさは、
ねじ溝スペーサ43の温度と電歪素子44に印加する電
圧の関数となっている。ギャップ算出器63は、ねじ溝
スペーサ43の温度と電歪素子44に印加する電圧を変
数として間隙46の大きさを取得する関数式、またはテ
ーブルなどを記録したROM(Read OnlyMe
mory)を備えている。そしてギャップ算出器63
は、これらの関数またはテーブルを用いて間隙46の大
きさを取得し、間隙46の大きさを表すギャップ長信号
を検出器58に出力する。
【0086】目標値設定器54、検出器58、補償器5
2、電圧発生器53の構成は制御装置55と同じであ
る。なお、電圧発生器53は、電極56、57に出力し
ている電圧を表す信号をギャップ算出器63に出力する
ようになっている。
【0087】以上のように構成された本変形例に係る分
子ポンプ41は、以下のように動作する。本変形例の分
子ポンプ41が起動すると、ロータ11が高速回転し、
ガスが吸気口24から吸引され、排気口19から排気さ
れるところは第2の実施の形態と同様である。
【0088】電歪素子制御部60は、ねじ溝スペーサ4
3の温度と電歪素子44に印加している電圧から間隙4
6の大きさを推定し、間隙46の大きさが目標値設定器
54で設定された目標値になるように、電歪素子44に
印加する電圧をフィードバック制御する。ユーザがダイ
アルを回して目標値設定器54の目標値を変化させる
と、電歪素子制御部60は、ねじ溝スペーサ43の温度
と、電圧発生器53が出力する電圧から間隙46の大き
さを推定しながら間隙46の値が目標値設定器54で設
定した値となるように電圧発生器53の出力電圧を調節
する。
【0089】以上の第2の実施の形態の変形例では、高
価なセンサを用いずに安価なサーミスタなどでねじ溝ス
ペーサ43の温度を検出し、間接的に間隙46の大きさ
を取得することができる。なお、本変形例では、ロータ
42の温度をねじ溝スペーサ43の温度から推定した
が、例えば赤外線式の温度センサなどにより、非接触で
ロータ42の温度を検出するように構成することもでき
る。
【0090】(第3の実施の形態)本実施の形態では、
ステータであるねじ溝スペーサの内径を変化させること
によりロータとねじ溝スペーサとの間隙を調節する。本
実施の形態の分子ポンプは図11に示した従来例の分子
ポンプ101においてねじ溝スペーサ116を図7に示
したねじ溝スペーサ68に置き換えたものであり、これ
を分子ポンプ71とおくことにする。分子ポンプ71の
構成は、ねじ溝ポンプ部を除いて分子ポンプ101と同
じであるので、重複する説明は省略する。
【0091】図7は、ねじ溝スペーサ68の構成を示し
た概念図である。なお、ねじ溝スペーサ68の内周面に
形成されているねじ溝は示していない。また、ねじ溝ス
ペーサ68の内周部にあるロータなども記していない。
ねじ溝スペーサ68は、内周面にねじ溝が形成された円
筒形状を有していてる。ねじ溝スペーサ68は、アルミ
やステンレスなどにより構成されたステータ構成部材で
あるねじ溝構成部材69、69、69と電歪素子で形成
された電歪部材70、70、70から構成されている。
【0092】ねじ溝構成部材69、69、69は、ねじ
溝スペーサ68を円筒の円周方向に略3等分した形状を
有している。ねじ溝スペーサ68は、3つのねじ溝構成
部材69、69、69を電歪部材70、70、70を介
在させてねじ溝スペーサ68の円周方向に連接すること
により構成される。電歪部材70、70、70とねじ溝
構成部材69、69、69の境界には図示しない電極が
電歪部材70、70、70とねじ溝構成部材69、6
9、69に固着してある。ただし、電極とねじ溝構成部
材69、69、69の間は絶縁してある。
【0093】この電極に電圧を印加すると、電歪部材7
0、70、70がねじ溝スペーサ68の円周方向に伸縮
し、これによってねじ溝スペーサ68の内径が変化す
る。ねじ溝スペーサ68の内径は、電歪部材70、7
0、70が伸張すると大きくなり、電歪部材70、7
0、70が収縮すると小さくなる。このように、ねじ溝
スペーサ68の内径を変化させることによりねじ溝スペ
ーサ68の対抗面を構成するロータとねじ溝スペーサ6
8との間隙を調節することができる。このように電歪部
材70、70、70は、ねじ溝スペーサ68の内径を変
化させる内径変化手段を構成している。
【0094】図8は、電歪部材70、70、70の厚さ
を変化させて、ねじ溝スペーサ68とロータ77との間
隙76を調節する電歪部材制御系75の構成を示した図
である。なお、図5には分子ポンプ71の構造の一部
(ねじ溝スペーサ68、ロータ77など)も示してあ
る。ねじ溝スペーサ68とロータ77は、紙面に平行な
断面を表しており、電歪部材70、電極73、74は、
紙面の手前側に配設された電歪部材70及び電極73、
74を正面方向に見た図である。
【0095】ねじ溝スペーサ68のねじ溝の山の部分に
は、先端がロータ77に対して露出するように渦電流セ
ンサ72が設置されている。渦電流センサ72は、第2
の実施の形態で使用した渦電流センサ47と同じもので
あるので説明は省略する。渦電流センサ72はねじ溝ス
ペーサ68が半径方向に伸縮すると共に半径方向に移動
し、渦電流センサ72の出力から間隙76の大きさを検
出することができる。
【0096】ギャップ検出器51、目標値設定器54、
検出器58、補償器52、電圧検出器53は、第2の実
施の形態の電歪素子制御系55で使用したものと同じも
のである。即ち、検出器58は、目標値設定器54から
取得した目標値とギャップ検出器51から取得した出力
の差をとって誤差信号を生成し、補償器52は、誤差信
号を補正して制御信号を生成する。電圧発生器53は、
制御信号に従って所定の電圧を電極73、74出力し、
電歪部材70、70、70は、電極73、74によって
生成される電界によって所定の厚さとなる。これによっ
て間隙76の大きさは目標値設定器54で設定された値
となる。
【0097】以上のように構成された分子ポンプ71
は、以下のように動作する。分子ポンプ71が起動する
とモータ部が発生するトルクによりロータが高速回転す
る。ガスは吸気口からターボ分子ポンプ部に吸引され、
更にねじ溝ポンプ部で圧縮された後、排気口から排出さ
れる。ねじ溝ポンプ部ではねじ溝スペーサ68に形成さ
れたねじ溝中を高速回転するロータ77によりガスが輸
送されて圧縮される。
【0098】一方、電歪部材制御系75では、キャップ
検出器51が渦電流センサ72の出力から渦電流センサ
72とロータ77とのギャップをモニタリングしてい
る。そして電歪部材制御系75は、目標値設定器54で
設定された目標値とギャップ検出器51で検出されたギ
ャップが等しくなるように電極73、74に出力する電
圧を調節して電歪部70の厚みを調節する。これによっ
て間隙76は所定の大きさに設定され、ねじ溝ポンプ部
でのガスの圧縮率が適正値に設定される。
【0099】なお、分子ポンプ71の制御装置には、第
1の実施の形態と同様に、分子ポンプ71に外力が加わ
って振動するなどの外乱があった場合に、即座に間隙7
6の幅を安全な値に変化させ、ロータ77と溝付スペー
サ68の干渉を防ぐための安全装置が備えられている。
【0100】以上に説明した第3の実施の形態では以下
のような効果を得ることができる。間隙77を操作する
ことによって分子ポンプ71の排気能力を制御すること
ができる。電歪部材70、70、70の円周方向の伸縮
により間隙76の大きさを調節することができる。ま
た、電歪部材70、70、70に電界を作用させるだけ
で間隙76を調節できるため、消費電力が小さい。更に
電歪素子76は、応答性が良い。その他、ゲートバルブ
を除外できることや、ポンプの背圧が高いときの性能を
向上させることができることなどは第1の実施の形態と
同じである。
【0101】なお、本実施の形態では、ねじ溝をねじ溝
スペーサ68に形成したが、これに限定するものではな
く、ロータの外周面にねじ溝を形成しても良い。
【0102】(第3の実施の形態の変形例1)本変形例
は、3分割したねじ溝スペーサの外周面に配設した電歪
素子を伸縮させることによりねじ溝スペーサの内径を変
化させ、これによってねじ溝スペーサ82とロータの間
隙の大きさを調節するものである。ターボ分子ポンプ部
や磁気軸受部などのねじ溝ポンプ部以外の部分は第3の
実施の形態の分子ポンプ71と同じである。
【0103】図9(a)は、本変形例のねじ溝ポンプ部
を構成するねじ溝スペーサ83の構成を説明するための
図である。ねじ溝スペーサ83の内周を回転するロータ
は描いていない。なお、ターボ分子ポンプ部や磁気軸受
部などの、ねじ溝スペーサ以外の部分については第3の
実施の形態と同じである。
【0104】ねじ溝スペーサ83は、スペーサ部材8
2、82、82に3分割されており、ねじ溝スペーサ8
3の内周面には図示しないがガスを輸送するためのガス
の流路であるねじ溝が形成してある。スペーサ部材8
2、82、82は、ねじ溝スペーサ83の径方向に移動
できるようになっており、スペーサ部材82、82、8
2が径の中心方向に移動するとねじ溝スペーサ83の内
径が小さくなり、スペーサ部材82、82、82が径の
中心から遠ざかる方向に移動するとねじ溝スペーサ83
の内径が大きくなる。
【0105】スペーサ部材82、82、82の円周方向
の側面は、一方が凸型となっており他方が凹型となって
いる。そしてスペーサ部材82、82、82の連接部
は、一方の凸部が他方の凹部に嵌合するようになってい
る。そしてペーサ部材82、82、82の間には、間隙
84が設けてある。図示しないが、スペーサ部材82、
82、82の側面の凹凸部は、スペーサ部材82、8
2、82の内面に形成されたねじ溝に沿って形成されて
いる。そして、スペーサ部材82、82、82がねじ溝
スペーサ83の中心軸方向に移動すると、スペーサ部材
82、82、82の側面の嵌合部分が円周方向にスライ
ドするようになっている。この嵌合部分は、ねじ溝に沿
って輸送されるガスがスペーサ部材スペーサ部材82、
82、82の間から漏れるのを防ぐ働きがある。
【0106】スペーサ部材82、82、82の外周面に
はそれぞれ電歪素子81、81、81が固着してある。
電歪素子81、81、81の側面(ねじ溝スペーサ83
の円周方向に垂直な面)には、図示しない電極が取り付
けてあり、電歪素子81、81、81に電圧を印加でき
るようになっている。電歪素子81、81、81は、電
圧を印加されると図9(b)に示したようにねじ溝スペ
ーサ83の径方向に伸縮する。電歪素子のスペーサ部材
82、82、82に固着している面に対向する面はケー
シング80の内周面に固着してある。
【0107】スペーサ82、82、82は、電歪素子8
1、81、81によってねじ溝スペーサ83の径方向に
移動することができる。これによってねじ溝スペーサ8
3の内径が変化し、ねじ溝スペーサ83と図示しないロ
ータとの間隙を調節することができる。
【0108】ねじ溝スペーサ83には、渦電流センサが
取り付けられている。渦電流センサの先端はねじ溝の山
から露出するようになっており、ねじ溝スペーサ83か
ら図示しないロータまでの間隙を計測する際に使用する
ことができる。渦電流センサと電歪素子81、81、8
1に取り付けた電極は第2の実施の形態の電歪素子制御
系55と同等の電歪素子制御部に接続されており、当該
電歪素子制御部は、ユーザなどが設定した目標値に従っ
て間隙をフィードバック制御する。
【0109】以下の本変形例の分子ポンプの動作につい
て説明する。なお、ねじ溝ポンプ部以外は、第3の実施
の形態の分子ポンプ71と同じであるので、ねじ溝ポン
プ部の動作を中心に説明する。また、電歪素子81、8
1、81に印加する電圧を制御する電歪素子制御部は、
第2の実施の形態の電歪素子制御系55と同等のものが
使用できるので、これを援用することとし、各構成要素
は同じ符号を用いて説明する。また電歪素子制御系55
の電極56、57は3組あり、それぞれ電歪素子81、
81、81の側面に取り付けられている。電歪素子制御
系55は、各電歪素子81、81、81の伸縮量が同じ
になるように各電極に印加する電圧を制御する。
【0110】本変形例の分子ポンプが稼動すると、ロー
タが磁気浮上して高速回転し、ガスが吸気口から吸引さ
れ、ターボ分子ポンプ部、更にねじ溝ポンプ部で圧縮さ
れた後、排気口から排出される。一方、電歪素子制御系
55では、キャップ検出器51が渦電流センサ72の出
力から渦電流センサ72とロータ77とのギャップをモ
ニタリングしている。そして電歪素子制御系55は、目
標値設定器54で設定された目標値とギャップ検出器5
1で検出されたギャップが等しくなるように電極73、
74に出力する電圧を調節して電歪素子81の厚みを調
節する。
【0111】これによってねじ溝スペーサ83とロータ
の間隙は所定の大きさに設定され、ねじ溝ポンプ部での
ガスの圧縮率が適正値に設定される。ユーザが目標設定
器54の目標値を変化させることができるように構成し
た場合は、ユーザが目標値を変化させることにより、ね
じ溝ポンプ部での圧縮率を変化させることができ、これ
によって分子ポンプの排気能力を調節することができ
る。
【0112】なお、分子ポンプ71の制御装置には、第
1の実施の形態と同様に、分子ポンプ71に外力が加わ
って振動するなどの外乱があった場合に、即座に間隙7
6の幅を安全な値に変化させ、ロータ77と溝付スペー
サ68の干渉を防ぐための安全装置が備えられている。
【0113】(第3の実施の形態の変形例2)本変形例
は、ねじ溝スペーサのねじ山部分を電歪素子により形成
し、当該ねじ山を伸縮させることによりねじ溝スペーサ
と対抗面を形成するロータの間隙を調節するものであ
る。
【0114】図10は、本変形例に係るねじ溝スペーサ
88の構成を説明するための概念図である。図10は、
ねじ溝スペーサ80の断面の一部とねじ溝スペーサ80
の内周面に対向するロータ90の断面の一部及び電歪素
子を制御する電歪素子制御部92を示している。ねじ溝
スペーサ88は、上段にターボ分子ポンプ部を下段にね
じ溝ポンプ部を備えた分子ポンプのねじ溝ポンプ部を構
成するものである。ねじ溝ポンプ部以外の分子ポンプの
構成は、図11の従来例の分子ポンプ101と同じであ
るので説明を省略する。
【0115】ねじ溝スペーサ88は円筒形状をしてお
り、その内周面にガスをガイドするためのねじ溝が形成
されている。ねじ溝の深さは、ガイドされるガスが圧縮
されるように、ガスの流れの下流(紙面下側)に行くほ
ど浅くなっている。ねじ溝スペーサ88の外周をなす外
周部材89は、アルミやステンレスなどの金属によって
形成されている。ねじ山の内周面から一定の厚みをなす
部分は、電歪部材87で形成されており、更にねじ山の
先端部分には電極85が固着されている。
【0116】外周部材89と電極85は、それぞれ電歪
素子制御部92に接続されている。外周部材89は、金
属によって構成されているため、電極として作用するこ
とができる。そのため、外周部材89と電極85間に電
圧を印加すると電歪部材87に電界が作用して電歪部材
87伸縮する。電歪部材87の伸縮方向は、ねじ溝スペ
ーサ88の半径方向となるようになっている。電極85
は、全ねじ山に渡って一体の金属によって形成されてお
り、また、電歪部材87の厚さは、全ねじ山に渡って一
定となっている。そのため、電歪部材87に作用する電
界の大きさは、全ねじ山に渡って一定となり、電歪部材
87の伸縮量は全ねじ山に渡って一定となる。
【0117】渦電流センサ86は、間隙91の大きさを
計測するための素子であって、ねじ溝スペーサ88のね
じ山に設置されている。渦電流センサ86の構成や機能
は第2の実施の形態の渦電流センサ47と同様である。
渦溝センサ86は、電歪部材87が伸縮して間隙91が
変化する際に、ねじ山の先端部分と共に移動するように
なっている。そのため、ねじ山先端からロータ90まで
の距離、即ち間隙91を渦電流センサ86の出力から取
得することができる。
【0118】電歪素子制御部92は、渦電流センサ86
の出力から間隙91の大きさを取得し、間隙91の大き
さが所定の目標値となるように外周部材89と電極85
に印加する電圧をフィードバック制御する。なお、電歪
素子制御部92の構成は、第3の実施の形態の電歪部材
制御系75と同様であり、説明を省略する。
【0119】以上のように構成されたねじ溝スペーサ8
8を備えた分子ポンプは、以下のように動作する。分子
ポンプが起動すると、吸気口からガスが吸引され、吸引
されたガスは、ターボ分子ポンプ部、ねじ溝ポンプ部で
圧縮された後、排気口から排出される。電歪素子制御部
92は、予め設定されている間隙91の大きさの目標値
と渦電流センサ86の出力から取得した間隙91の大き
さを比較し、間隙91の大きさが目標値となるように外
周部材89と電極85に印加する電圧を調節して電歪部
材87の伸縮量を調節する。
【0120】ねじ溝スペーサ88とロータ90の間の間
隙91から漏れるガスの量は、間隙91の大きさにより
調節される。間隙91の大きさが大きいときは、間隙9
1から漏れるガスの量が多くなり、ねじ溝ポンプ部での
ガスの圧縮能力が低下し、間隙91の大きさが小さいと
きは、間隙91から漏れるガスの量が少なくなり、ねじ
溝ポンプ部でのガスの圧縮能力が向上する。そのため、
電歪素子制御部92で設定する目標値を変化させること
により、分子ポンプの排気能力を調節することができ
る。
【0121】以上の本変形例では以下のような効果を得
ることができる。ねじ溝スペーサのねじ山が伸縮するた
めに、第2の実施の形態ないし第3の実施の形態のよう
に、ねじ溝スペーサがスラスト方向または半径方向に移
動する機構を設ける必要がない。また、間隙91が制御
可能であることから得られる効果、即ち、分子ポンプの
排気能力を調節できることや、ゲートバルブが必要なく
なること、及び間隙91を狭めることにより従来よりも
分子ポンプの排気能力を向上させることができることな
どは、第1の実施の形態ないし第3の実施の形態と同様
である。
【0122】以上第1の実施の形態ないし第3の実施の
形態などでは、ターボ分子ポンプ部とねじ溝ポンプ部か
ら構成された分子ポンプを一例として説明したが、分子
ポンプの形態はこれに限定するものではなく、ねじ溝ポ
ンプのみからなる分子ポンプ、やねじ溝ポンプを構成要
素として含む分子ポンプなどに広く適用できるものであ
る。以上に説明した各実施の形態は、ロータとステータ
(固定部)の対抗面の間隙を制御する機能を備えている
ため、被排気容器内の圧力制御が可能となる。そのた
め、被排気容器に圧力計を設置し、当該圧力計の出力に
よってロータとステータの対抗面の間隙の大きさをフィ
ードバック制御することが可能である。即ち、予め被排
気容器内の目標となる目標圧力を設定し、被排気容器内
の圧力が目標圧力を下回ったら間隙を広げて分子ポンプ
の排気能力を低下させ、被排気容器内の圧力が目標圧力
を上回ったら間隙を狭めて分子ポンプの排気能力を高め
るといったように制御して、被排気容器内の圧力を目標
圧力に保持することができる。
【0123】
【発明の効果】本発明によれば、分子ポンプにおいてガ
スの圧縮率を高めることができ、またガスの圧縮率を制
御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係る分子ポンプの構成を示
した図である。
【図2】溝付ステータを図1の紙面下側から見たところ
を示した図である。
【図3】磁気軸受部の制御系の構成を示した図である。
【図4】第2の実施の形態に係る分子ポンプの構成を示
した図である。
【図5】電歪素子制御部の構成の一例を示した図であ
る。
【図6】第2の実施の形態の変形例における電歪素子制
御部の構成を示した図である。
【図7】第3の実施の形態のねじ溝スペーサの構成を示
した図である。
【図8】第3の実施の形態の電歪素子制御部の構成を示
した図である。
【図9】(a)は、第3の実施の形態の変形例1のねじ
溝ポンプ部を構成するねじ溝スペーサの構成を説明する
ための図であり、(b)は、電歪素子に電圧を印加した
場合の電歪素子の伸縮を示した図である。。
【図10】第3の実施の形態の変形例2に係るねじ溝ス
ペーサの構成を説明するための概念図である。
【図11】従来の分子ポンプの構成の一例を示した図で
ある。
【図12】ゲートバルブを用いて分子ポンプと真空装置
を接続する従来の接続形態を示した図である。
【符号の説明】
1 分子ポンプ 3 ロータ軸 5 ボルト 6 保護ベアリング 7 保護ベアリング 8 磁気軸受部 9 変位センサ 10 モータ部 12 磁気軸受部 13 変位センサ 14 電磁石 15 電磁石 16 ケーシング 17 変位センサ 18 金属ディスク 19 排気口 20 磁気軸受部 21 ロータ翼 22 ステータ翼 23 回転数センサ 24 吸気口 25 制御装置 26 検出器 33 ディスク 34 溝付ステータ 38 パワーアンプ 39 補償器 40 突起 41 螺旋溝 42 ロータ 43 ねじ溝スペーサ 44 電歪素子 45 ベース 47 渦電流センサ 50 制御装置 51 ギャップ長検出器 52 補償器 53 電圧検出器 54 目標値設定器 55 電歪素子制御系 56 電極 57 電極 60 電歪素子制御系 61 サーミスタ 62 温度検出器 63 ギャップ算出器 68 ねじ溝スペーサ 69 ねじ溝構成部材 70 電歪部材 72 渦電流センサ 73 電極 74 電極 75 電歪部材制御系 77 ロータ 80 ケーシング 81 電歪素子 82 スペーサ部材 83 ねじ溝スペーサ 85 電極 86 渦電流センサ 87 電歪素子 88 ねじ溝スペーサ 89 外周部材 90 ロータ 92 電歪素子制御部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F04B 49/10 331 F04B 49/10 331N F04D 27/00 F04D 27/00 H 101 101L 29/00 29/00 B 29/04 29/04 M P (72)発明者 三輪田 透 千葉県千葉市美浜区中瀬1丁目8番地 セ イコーインスツルメンツ株式会社内 Fターム(参考) 3H021 AA02 AA08 BA01 BA05 BA11 BA20 BA21 CA02 CA07 CA10 DA02 DA16 DA26 EA05 EA07 EA12 EA19 3H022 AA01 AA03 BA04 BA06 BA07 CA16 CA48 CA50 CA56 DA08 DA09 DA12 3H031 DA01 DA02 DA07 EA08 EA09 EA12 EA14 EA15 EA16 FA01 FA13 FA31 FA32 FA36 3H045 AA06 AA09 AA12 AA25 AA26 AA31 BA20 BA28 BA31 BA41 CA02 CA21 CA29 DA02 DA24 DA41 EA20 EA26 EA34 EA38 EA49

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステータと、 前記ステータの所定の表面に対向する対抗面を有し、当
    該対抗面を前記表面に対向させた状態で回転可能に軸支
    されたロータと、 前記ロータを駆動して前記ステータに対して回転させる
    モータと、 前記ステータと前記ロータの対抗する面の少なくとも一
    方にはねじ溝が形成されており、前記ロータを前記モー
    タによって回転させることにより前記ねじ溝でガスを移
    送する移送手段と、 前記ステータと前記ロータの対抗面の間隙の大きさを変
    化させる間隙変化手段と、 を具備したことを特徴とする分子ポンプ。
  2. 【請求項2】 前記ロータの前記ステータに対抗する面
    の母線は、前記ロータの軸線と少なくともゼロ度でない
    所定の角度をなしており、 前記間隙変化手段は、前記ロータまたは前記ステータの
    少なくとも一方を前記ロータの軸線方向に移動させるこ
    とにより前記間隙を変化させることを特徴とする請求項
    1に記載の分子ポンプ。
  3. 【請求項3】 前記ロータは磁気軸受によって軸支され
    ており、 前記間隙変化手段は、前記磁気軸受の浮上位置を変化さ
    せることを特徴とする請求項2に記載の分子ポンプ。
  4. 【請求項4】 前記ステータは、前記ロータの軸線方向
    に伸縮可能な伸縮部材によって保持されており、 前記間隙変化手段は、前記伸縮部材を伸縮させることに
    より前記ステータを前記ロータの軸線方向に移動させる
    ことを特徴とする請求項2に記載の分子ポンプ。
  5. 【請求項5】 前記ロータの外周面及び前記ステータの
    内周面は円筒形状をしており、 前記間隙変化手段は、前記ステータの内周面の内径を変
    化させる内径変化手段を具備したことを特徴とする請求
    項1に記載の分子ポンプ。
  6. 【請求項6】 前記ステータは、内周面の周方向に複数
    に分割されたステータ構成部材と、前記ステータ構成部
    材を連接する前記周方向に伸縮可能な伸縮部材とから構
    成され、 前記内径変化手段は、前記伸縮部材を伸縮させることに
    より前記ステータの内周面の内径を変化させることを特
    徴とする請求項5に記載の分子ポンプ。
  7. 【請求項7】 前記ステータは、内周面の周方向に複数
    に分割されたステータ構成部材と、前記ステータ構成部
    材の外周面に一端を固着し、他端を固定部に固着した、
    前記内周面の径方向に伸縮可能な伸縮部材とから構成さ
    れ、 前記ステータ構成部材の間には間隙が設けられており、
    前記内径変化手段は、前記伸縮部材を伸縮させることに
    より前記部材を内径方向に移動することにより前記内径
    を変化させることを特徴とする請求項5に記載の分子ポ
    ンプ。
  8. 【請求項8】 前記ステータの内周面にはねじ溝が形成
    されており、前記ねじ溝の山を形成する部分の少なくと
    も一部が前記内周面の径方向に伸縮可能な伸縮部材によ
    って形成されており、 前記内径変化手段は、前記伸縮部材を伸縮させることに
    より前記内径を変化させることを特徴とする請求項5に
    記載の分子ポンプ。
  9. 【請求項9】 前記ロータと前記ステータとの間隙の大
    きさを測定する測定手段と、 前記測定手段で測定された間隙の大きさが所定の大きさ
    となるように前記間隙変化手段を用いて前記間隙の大き
    さを調節する調節手段と、 を具備したことを特徴とする請求項1から請求項8まで
    のうちの何れかの1の請求項に記載の分子ポンプ。
  10. 【請求項10】 前記伸縮部材は、電界を印加可能に配
    設された電歪素子から構成されており、前記間隙変化手
    段は、前記電歪素子に印加する電界を変化させることに
    より、前記電歪素子を伸縮させることを特徴とする請求
    項4、または請求項6から請求項9までのうちの何れか
    の1の請求項に記載の分子ポンプ。
  11. 【請求項11】 前記ロータと前記ステータが接触する
    可能性のある異常事態を検出する検出手段と、 前記検出手段にて異常が検出された場合に、ロータと前
    記ステータとの間隙を少なくとも前記接触を回避するの
    に必要な大きさに変化させる異常時制御手段と、 を具備したことを特徴とする請求項1から請求項10に
    記載の分子ポンプ。
  12. 【請求項12】 真空容器内のガス圧の検出信号を元
    に、前記間隙を変化させる圧力制御手段を具備し、前記
    真空容器内の圧力を制御することが可能であることを特
    徴とする分子ポンプ。
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