JP2003214378A - 真空ポンプ - Google Patents
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Abstract
の排気や圧縮等の性能を向上させるとともに、ポンプの
小型化と必要な動力も最少にすることができるようにし
た真空ポンプを提供する。 【解決手段】 回転するロータ36と該ロータ36に近
接して配置されたステータ38の相互作用でガスを排気
するガス排気部を有する真空ポンプにおいて、ガス排気
部を構成するロータ36とステータ38との間の距離
を、ロータの回転中に調整する距離調整機構86,88
を有する。
Description
の相互作用によりガスを排気するガス排気部を有する真
空ポンプに関し、より詳しくは、ロータとステータとの
間の距離を微少に設定してロータを回転させることで、
ポンプの排気能力を引き出すようにした真空ポンプに関
する。
テータの相互作用によりガスを排気するガス排気部を有
する従来の真空ポンプ(ターボ分子ポンプ)の一例を図
6に示す。この真空ポンプは、ポンプケーシング10の
内部にロータ(回転部)Rとステータ(固定部)Sが収
容され、これらの間にタービン翼部からなる軸方向翼排
気部(ガス排気部)L1及びディスク型ロータ部からな
る径方向翼排気部(ガス排気部)L2が構成されてい
る。ステータSは、基部14と、その中央に立設された
固定筒状部16と、軸方向翼排気部L1及び径方向翼排
気部L2の固定側部分とから主に構成されている。ま
た、ロータRは、固定筒状部16の内部に挿入された主
軸18と、それに取り付けられたロータ本体20から構
成されている。
用モータ22と、その上下に上部ラジアル軸受24及び
下部ラジアル軸受26が設けられている。そして、主軸
18の下部には、主軸18の下端のターゲットディスク
28aと、ステータS側の上下の電磁石28bを有する
アキシャル軸受28が配置され、更に、固定筒状部16
の上下2カ所には、タッチダウン軸受29a,29bが
設けられている。
8は、5軸制御型磁気軸受により支承され、駆動用モー
タ22の駆動に伴って回転する。5軸制御型磁気軸受を
更に詳しく説明すると、次のようになる。すなわち、5
軸制御型磁気軸受は、図8に示すように、上部ラジアル
軸受24の配置位置で主軸18に直交する平面で互いに
直交するX1,Y1軸の計2軸と、下部ラジアル軸受2
6の配置位置で主軸18に直交する平面で互いに直交す
るX2,Y2軸の計2軸と、主軸18の軸心に沿ったZ
軸の方向の合計5軸方向で主軸18の位置制御を行っ
て、主軸18を支承するようにしたものである。
主軸18の外周面の位置をセンシングするラジアルセン
サと、このラジアルセンサの位置信号に基づいて主軸1
8を上下ラジアル軸受24,26のステータ内径部の中
心位置に保持するように吸引する電磁石から構成されて
いる。これらのラジアルセンサと電磁石は、それぞれ主
軸18を中心に対向した位置に配置されている。
下端部に設けられたターゲットディスク28aと該ター
ゲットディスク28aの位置をセンシングするステータ
側に設けられたアキシャルセンサ(変位センサ)により
主軸18のZ軸方向の位置をセンシングし、このセンサ
出力に基づいて、アキシャル軸受28の上下の電磁石2
8bのターゲットディスク28aに対する磁気吸引力を
調整することにより、主軸18をZ軸方向の予め設定さ
れた位置に保持するようになっている。アキシャル軸受
28のZ軸方向の位置制御は、より詳しくは、ターゲッ
トディスク28aが、上下の電磁石28b間の一定の位
置に位置するように行われる。このような構成によっ
て、ロータRが5軸の能動制御を受けながら高速回転す
るようになっている。
部外周には、円盤状の回転翼30が一体に形成され、ポ
ンプケーシング10の内面には、固定翼32が回転翼3
0と交互に配置されて設けられている。各固定翼32
は、その縁部を固定翼スペーサ34で上下から押さえら
れて固定されている。回転翼30には、内周部のハブと
外周部のフレームの間に径方向に延びる傾斜した羽根
(図示略)が放射状に設けられており、この高速回転に
よって気体分子に軸方向の衝撃を与えて排気を行うよう
になっている。
1の下流側、つまり下方に設けられており、軸方向翼排
気部L1とほぼ同様に、ロータ本体20の外周に円盤状
の回転翼36が一体に形成され、ポンプケーシング10
の内面には、固定翼38が回転翼36と交互に配置され
て設けられている。各固定翼38は、その縁部を固定翼
スペーサ40で上下から押さえられて固定されている。
ており、図7に示すように、その表裏面に、中央の穴4
2と周縁部44の間に渡って螺旋状(渦巻状)の突条部
46が設けられ、それら突条部46の間に外側に向かっ
て広がる螺旋状溝48が形成されている。各固定翼38
の表の面すなわち上側の面の螺旋状突条部46は、図7
に矢印Aで示す回転翼36の回転に伴い、気体分子が、
実線の矢印Bで示すように内側に向かって流れるように
形成されており、一方、各固定翼38の裏の面すなわち
下側の面の螺旋状突条部46は、矢印Aで示す回転翼3
6の回転に伴い、気体分子が、破線の矢印Cで示すよう
に外側に向かって流れるように形成されている。
に突条部46を設けた例を示しているが、表面のみ、或
いは裏面のみに突条部46を設けたり、固定翼38には
突条部46を設けず、回転翼36に同様の突条部を設け
たり、更には、回転翼と固定翼の両方に突条部を設ける
ことも行われている。このような固定翼38は、通常半
割体として、或いは3分割以上として形成し、これを回
転翼36と交互になるように固定翼スペーサ40を介し
て組み上げてからポンプケーシング10内に挿入する。
て、軸方向の短いスパンの間に固定翼38と回転翼36
の間をジグザグに上から下へ向かって進む長い排気経路
が構成されて、軸方向の長さを大きくすることなく、高
い排気・圧縮性能を有するようになっている。
ンプ)の他の例を示すもので、このの例の図6に示す例
と異なる点は、図6に示す径方向翼排気部L2の代わり
に、溝排気部(ガス排気部)L3を備え、更にポンプケ
ーシング10の下部外周部及び排気口50を有する排気
口構成部材52の外周部に、ここを流れるガスを加熱す
るヒータ54,56を配置した点にある。
は、ロータ本体20の下端に連接した回転筒状部58の
外周面に形成したねじ溝58aと、このねじ溝58aの
外周部を囲むようにステータSに固定されて配置された
ねじ溝部スペーサ60とから、高速回転するロータのね
じ溝58aのドラッグ作用によって排気を行う溝排気部
L3が備えられている。
ねじ溝排気部L3を有することで、広い流量範囲に対応
可能な広域型ターボ分子ポンプが構成される。この例で
は、ねじ溝排気部L3のねじ溝58aをロータR側に形
成した例を示しているが、ねじ溝をステータS側に形成
することも行われている。
ンプ(ルーツ型真空ポンプ)の一例を示す。これは、い
わゆるルーツ型の多段ポンプであり、主軸70と該主軸
70長さ方向に沿って所定の間隔で形成された複数のロ
ーブ(歯部)72を有するロータ74を備えている。そ
して、吸気口76aと吐出口76bを有するポンプケー
シング(ステータ)76の内部に、一対のロータ74が
互いに平行に、軸受78a,78bを介して回転自在に
支持されて配置され、ロータ74の一端にモータ79が
連結されている。この例は、図11に示すように、3つ
のローブ(歯部)72を有する3葉タイプのロータ74
を噛み合わせて構成されたルーツ型多段ポンプを示して
いる。
ブ)の形状により、軸方向からロータを見た場合に2葉
又は3葉タイプのものをルーツ型真空ポンプ、突起部を
円筒に螺旋状に形成したタイプのものをスクリュー型真
空ポンプと呼んでいる。排気構造は、一対のロータ74
が互いに平行に近接して配置され、このロータ74のロ
ーブ72を覆うポンプケーシング(ステータ)76と、
この2つのローブ72が形成する空間でガス排気路を形
成し、主軸70の回転方向に順次排気ガスを圧縮排気す
るようになっている。このような排気原理の為、ローブ
(ロータ)72とポンプケーシング(ステータ)76の
隙間は、非常に微小な寸法に設定されている。この微小
な寸法は、ポンプ運転中におけるロータ74の主軸70
の回転方向及び径方向への寸法変化を考慮して、組立て
時の初期設定で決められている。
受78a,78b、及び軸受78a,78bとステータ
76の組立て状態は、モータ79側に位置する軸受78
aにより主軸70の軸方向の位置決めを行い、ポンプ運
転中の主軸70の温度上昇による寸法変化を考慮して、
反モータ側に位置する軸受78bは、主軸70の軸方向
の寸法変化(寸法拡大)を許容するようになっている。
空ポンプにあっては、その排気原理上、ガス排気部を構
成するロータとステータとの間の隙間は、非常に微小に
設定されている。特に、図6に示す真空ポンプの径方向
翼排気部L2は、排気されるガスが粘性の殆どない、い
わゆる分子流状態で排気能力が十分に発揮される軸方向
翼排気部L1から流れてきたガスを、該軸方向翼排気部
L1より圧力が高くなるように更に圧縮を行う排気部で
あり、排気ガスの粘性を利用した排気部となる。このた
め、径方向翼排気部L2のロータ(回転翼36)とステ
ータ(固定翼38)との間の隙間は、軸方向翼排気部L
1のロータ(回転翼30)とステータ(固定翼32)と
の間の隙間より小さな寸法に設定されている。具体的に
は、軸方向翼排気部L1のロータとステータとの間の軸
方向の隙間は、1〜5mm程度の数mmオーダであるの
に対して、径方向翼排気部L2の同寸法は、1mm以下
となる。
に、図1と同様に排気ガスの粘性を利用したねじ溝排気
部(ガス排気部)L3にあっても、ロータ(回転筒状部
58)とステータ(ねじ溝部スペーサ60)との間の隙
間(軸心に対して垂直な方向の間隔)は、同様に1mm
以下となる。
合は、図6及び図9に示す真空ポンプ(ターボ分子ポン
プ)より、より高い圧力(大気圧近傍)で運転されるた
め、ロータとステータとの間の隙間をより小さくして、
高い圧力部から低い圧力部への逆流を防止する、いわゆ
るロータとステータとの間のシール能力を高める必要が
ある。このため、ロータとステータとの間の軸心方向及
び軸心に垂直な方向の隙間は、ポンプ運転(ロータ回
転)時に、共に0.1mm以下、より詳しくは数10μ
mになるように設定される。
は、主に金属材料で構成されており、温度の上昇に伴っ
て、真空ポンプの構成部品の寸法が変化する。真空ポン
プのポンプケーシングの内部は真空状態となり、排気路
を構成するロータ及びステータも、運転時には真空断熱
状態となる。一方、真空ポンプ内では、ガスを排気する
ためにガスの攪拌及び圧縮の状態が繰り返され、それに
よる攪拌熱、圧縮熱を生じる。更に、ロータに回転運動
を与えるために、モータには動力が供給されるが、運転
中は、ポンプの負荷に応じてモータ部の発熱も増減す
る。これらの発熱源により、ロータ及びステータは、運
転中、高温状態となり、前述のような寸法変化を生じる
ことになる。
を所望の寸法に設定するには、ロータとステータの初期
(高温ではない、いわゆる常温・室温)時の位置関係や
寸法を、運転時の温度上昇分を考慮して設定する必要が
ある。真空ポンプには、前記発熱による過剰な温度上昇
を防止するため、一般に水冷や空冷等の冷却手段が講じ
られているが、冷媒の温度やポンプ周りの外気温等によ
り、冷却の効果が左右される可能性が高く、ロータとス
テータの温度管理の上では十分ではない。このため、ロ
ータとステータの初期の位置や隙間寸法は、十分な安全
率を有するように設定する必要があり、その結果、ポン
プの排気性能を十分引き出すことができない。また、排
気すべきガスが、真空ポンプ内部で圧力が上昇して、当
初の気体の状態から固体の状態に変化する性質を有する
場合、固体(反応生成物)がロータとステータとの間の
隙間に入り込み、ポンプの運転を不能にしてしまうこと
がある。このような問題を防止する為、排気路をヒータ
等で加熱して高温に保持する方法が採用されているが、
このような場合には、ロータやステータが局所的に高温
になり、適正な隙間寸法を確保できないという問題があ
った。
隙間が適正に確保されない場合には、ポンプの排気性能
が低下するばかりでなく、更に次のような問題も生じ
る。つまり、図6に示す真空ポンプの径方向翼排気部L
2のように、ディスク型のロータ(回転翼36)が、デ
ィスクの表面でステータ(固定翼38)と微少隙間を形
成している場合、ロータが高温に曝されて軸心方向に膨
張し、回転翼36の吸気側の面(表面)と固定翼38と
の間の隙間が大きくなると、モータに供給される動力の
内、実際のガス排気に供される動力は減少して、隙間が
大きくなった部分で単なるガスの攪拌に供される動力分
が増加する。これによって、モータの実際のガス排気に
供されない無駄な動力が増加し、それに伴って、ポンプ
内部での発熱も増加して、ロータとステータとの間の隙
間が更に不適正な寸法になり、ポンプのロータの許容温
度や、他のロータとステータとの間の隙間寸法等の制限
により、運転不可能となることもある。
真空ポンプにおいても同様であり、特に図10に示す真
空ポンプでは、ロータの段数が多くなるに従って主軸の
長さが長くなり、それに伴い、ポンプ運転時におけるロ
ータとステータとの間の軸心方向に沿った隙間寸法の変
化が大きくなる。これに対処するには、ロータとステー
タとの間の軸心方向に沿った隙間を予め大きく設定する
必要があり、上述のような問題が助長されてしまう。
あり、ロータやステータが高温になっても、ポンプの排
気や圧縮等の性能を向上させるとともに、ポンプの小型
化と必要な動力も最少にすることができるようにした真
空ポンプを提供することを目的とする。
は、回転するロータと該ロータに近接して配置されたス
テータの相互作用でガスを排気するガス排気部を有する
真空ポンプにおいて、前記ガス排気部を構成する前記ロ
ータと前記ステータとの間の距離を、前記ロータの回転
中に調整する距離調整機構を有することを特徴とする真
空ポンプである。
転)中に、ガス排気部を構成するロータとステータとの
間の隙間を最適に調整(制御)することで、ポンプの排
気能力を最適に保つとともに、ポンプの排気作用に直接
的に寄与しない無駄な動力を低減させて、ポンプの排気
性能向上と共にポンプの運転時の省エネルギを図ること
ができる。また、ポンプの局所的な加熱及び冷却による
ロータとステータとの間の距離が部分的に不適正となる
状態を回避することができる。
構は、前記ロータまたは前記ステータの少なくとも一方
を、前記ロータの軸心方向に沿って移動させるように構
成されていることを特徴とする請求項1に記載の真空ポ
ンプである。これにより、ロータまたはステータの少な
くとも一方をロータの軸心方向に沿って移動させるよう
にすればよく、構造が比較的簡単で、製作が容易になる
ばかりでなく、ロータとステータとの間の距離の制御が
容易で、制御の信頼性が向上する。特に、図6に示す径
方向翼排気部L2を有する真空ポンプでは、軸方向の寸
法を小さく、且つ、排気流路が長く設定できる利点を活
かしながら、更なる排気性能の向上及び無駄なエネルギ
の制御を図ることができる。ロータとステータとの間の
距離の調整は、ロータ或いはステータの一方をロータの
軸心方向に移動させても、両者をロータの軸心方向に移
動させてもよい。また、ロータとステータが軸方向に多
段に構成された真空ポンプにおいては、何段かあるポン
プ段数の内、一部の段または全段に適用してもよい。
構は、前記ロータまたは前記ステータの少なくとも一方
を、前記ロータの軸心と直交する方向に沿って移動させ
るように構成されていることを特徴とする請求項1に記
載の真空ポンプである。これにより、例えば、図9に示
す、ロータ(回転筒状部58)とステータ(溝部スペー
サ60)との間に微少な隙間を設定した溝排気部L3を
有する真空ポンプにあっても、ロータとステータとのロ
ータの軸心と直交する方向(径方向)の距離を任意に調
整(制御)でき、排気性能の向上と共に省エネルギを両
立できる。また、このような溝排気部L3においては、
ロータとステータとの間の径方向の隙間が、初期に小さ
く設定されているとともに、運転中にロータが非常に高
速で回転しロータに高い円周応力が生じるために、ロー
タが金属材料の場合、高温・高応力状態で変形が進む、
いわゆるクリープ現象が生じて、よりロータとステータ
が接触する可能性が高いが、ロータとステータとの隙間
を任意に変化させることで、このような問題を解決する
ことができる。
構は、前記ロータと前記ステータとの間の距離を検出す
る距離検出部と、この距離検出部からの信号に基づい
て、前記ロータまたは前記ステータの少なくとも一方
を、前記距離検出部の距離検出方向に沿って移動させる
駆動部とを有することを特徴とする請求項1乃至3のい
ずれかに記載の真空ポンプである。
時認識し、この距離に基づいて、ロータとステータの距
離を適正な値に調整(制御)することができる。従っ
て、ロータとステータの距離を初期に設定しておき、ポ
ンプの運転状態(ガス量や圧力、冷却状態)等で予想さ
れるロータとステータの距離の変化を考慮する方法と比
較して、ロータとステータの距離制御の精度を格段に向
上させることができ、ポンプの排気性能向上及び省エネ
ルギとともに、ポンプに動力を供給するコントローラの
小型化も図れる。
記ステータは、同一の材料、若しくは熱膨張係数のほぼ
等しい材料で構成されていることを特徴とする請求項1
乃至4のいずれかに記載の真空ポンプである。これによ
り、温度変化に伴うロータとステータとの間の距離の変
化を最少にするとともに、ロータ及び/またはステータ
の制御量も少なく設定することができ、条件が許せば制
御量を無くすることもできる。ロータとステータの材料
は、熱膨張係数の小さいものが望ましく、この材料とし
ては、例えば、SiCやSi3N4等のセラミックスや
比密度の高いアルミニウムとセラミックス材料等の複合
材料等が挙げられる。
に基づいて説明する。なお、図6乃至図11に示す従来
例と同一または相当部材には、同一符号を付してその説
明を一部省略する。
ポンプの要部を示す断面図である。この例は、図6に示
す径方向翼排気部(ガス排気部)L2を有する真空ポン
プ(ターボ分子ポンプ)に適用したものであり、ポンプ
ケーシング10の内部に、回転翼(ロータ)36と固定
翼(ステータ)38とが交互に配置されて、径方向翼排
気部(ガス排気部)L2が構成されている。また、主軸
18は、図6に示す従来例と同様に、上下ラジアル軸受
(図示せず)とアキシャル軸受28により、5軸の能動
制御を受けながら高速回転するようになっている。
れ、この浮遊体80は、空中に浮遊した状態で、ロータ
の軸心方向に沿って移動(上下動)自在にポンプケーシ
ング10に保持されている。つまり、この浮遊体80
は、回転翼36の周囲を囲繞する円筒状部82を有し、
この円筒状部82の内周面の上下方向に沿った所定の位
置に固定翼38が一体に連接されている。また、この浮
遊体80の外周面にはフランジ部84が、ポンプケーシ
ング10の内周面の該フランジ部84に対応する位置に
凹部10aがそれぞれ設けられ、この凹部10aの側面
(上下面)に、一対の電磁石等のアクチュエータからな
る駆動部86が埋設されている。そして、ポンプケーシ
ング10の凹部10a内に浮遊体80のフランジ部84
を位置させ、このフランジ部84を一対の駆動部(電磁
石)86で挟み、この駆動部86の吸引力を調整するこ
とで、浮遊体80を上下動自在に空中に浮遊させて保持
するようになっている。
段に位置する回転翼36と対面する位置に、該回転翼3
6までの距離を検出する距離検出センサ(距離検出部)
88が設けられている。上記により、ロータの回転中
に、径方向翼排気部(ガス排気部)L2を構成する回転
翼(ロータ)36と固定翼(ステータ)38との間の距
離Dを調整する距離調整機構が構成されている。
ータ回転)中に、最下段に位置する回転翼(ロータ)3
6と該回転翼36に対面する固定筒状部(ステータ)1
6との距離を距離検出センサ88によって検出し、この
検出値に基づいて、駆動部86を介して固定翼38をロ
ータの軸心方向に沿って移動(上下動)させ、これによ
って、径方向翼排気部(ガス排気部)L2を構成する回
転翼(ロータ)36と固定翼(ステータ)38との間の
距離Dを調整(制御)するようになっている。
転)中に、径方向翼排気部(ガス排気部)L2を構成す
る回転翼(ロータ)36と固定翼(ステータ)38との
間の距離Dを調整(制御)することで、ポンプの排気能
力を最適に保つとともに、ポンプの排気作用に直接的に
寄与しない無駄な動力を低減させて、ポンプの排気性能
向上と共にポンプの運転時の省エネルギを図ることがで
きる。また、ポンプの局所的な加熱及び冷却によるロー
タとステータとの間の距離が部分的に不適正となる状態
を回避することができる。浮遊体80の円筒状部82の
上下端部における外周面と、ポンプケーシング10の内
周面との間には、円筒状部82の裏面側にガスが回り込
むのを防止する、弾性体からなるシール材90が介装さ
れている。
別途設けた例を示しているが、アキシャル軸受28に備
えられている変位センサを兼用するようにしてもよく、
また、距離検出センサをステータの周方向に複数箇所に
設けたり、ロータを挟み込むように対向して設けたりす
るようにしてもよい。
高速回転するため、非接触方式のものが望ましく、ロー
タの金属部をターゲットとした渦電流型センサや誘導型
センサまたは光を利用した光センサ等が用いられる。な
お、ロータが非金属性の場合は、金属性部分を追加して
設けてもよい。また、距離検出センサ88は、ロータR
とステータSとの位置関係において、ロータとステータ
の距離が最少になるステータ側の箇所や、相対的に排気
ガスの腐食等の影響を受けにくいステータS側の箇所に
設置することが望ましい。
って固定翼38を移動させるようにしているが、ステー
タに設けた距離検出センサ88の検出値に基づいて、ア
キシャル軸受28の電磁石28bの吸引力を調整して、
ロータの浮上位置をポンプの運転(ロータ回転)中に変
化させるようにしてもよい。これにより、ロータとステ
ータの距離の制御がより正確になり、制御可能域も広く
とることができる。
ない材料で構成することが好ましく、これにより、必要
な制御量を可及的に少なくすることができる。また、熱
膨張係数の同じ材料でロータとステータを構成すればよ
り好ましい。熱膨張係数の小さい材料としては、SiC
やSi3N4等のセラミックスや、セラミックスと他の
金属材料との複合材料等が挙げられる。
ポンプの要部を示す断面図である。この例は、図1に示
す例と同様に、回転翼(ロータ)36と固定翼(ステー
タ)38とから構成される径方向翼排気部(ガス排気
部)L2を有する真空ポンプ(ターボ分子ポンプ)に適
用したものであり、固定翼38は、基台部38aと、回
転翼36と対向する平板状の可動部38bとから構成さ
れている。そして、基台部38aと可動部38bとの間
に、温度の変形によって寸法が変化する、例えば形状記
憶合金等からなる熱変形部材(駆動部)92が挿入さ
れ、これによって、ロータの回転中に、径方向翼排気部
(ガス排気部)L2を構成する回転翼(ロータ)36と
固定翼(ステータ)38との間の距離Dを調整する距離
調整機構が構成されている。
ロータ及び/又はステータの温度が変化した時に、その
温度変化に伴って、回転翼(ロータ)36と固定翼(ス
テータ)38との間の距離Dが予め設定された所望の値
になるように、熱変形部材92を熱変形させることで、
回転翼(ロータ)36と固定翼(ステータ)38との距
離を常に一定に維持・確保することができる。
ポンプの要部を示す断面図である。この例は、図1に示
す例と同様に、回転翼(ロータ)36と固定翼(ステー
タ)38とから構成される径方向翼排気部(ガス排気
部)L2を有する真空ポンプ(ターボ分子ポンプ)に適
用したものであり、固定翼38を基台部38aと、回転
翼36と対向する平板状の可動部38bとで構成し、か
つ基台部38aと可動部38bとの間に、ピエゾ素子等
の圧電素子(駆動部)94を配置し、更に、基台部38
aに回転翼36との距離を検出する距離検出センサ88
を設けて、ロータの回転中に、径方向翼排気部(ガス排
気部)L2を構成する回転翼(ロータ)36と固定翼
(ステータ)38との間の距離Dを調整する距離調整機
構を構成している。
出値に基づいて圧電素子94に供給する電力を制御する
ことにより、回転翼(ロータ)36と固定翼(ステー
タ)38との距離Dを正確にかつ精度よく制御すること
ができる。なお、構成を簡単にするために、距離検出セ
ンサを設けることなく、ロータやステータの温度をサー
ミスタや熱電対等の温度センサで検出して、予め設定さ
れた電力を圧電素子94に供給して、回転翼(ロータ)
36と固定翼(ステータ)38との距離Dを制御するよ
うにしてもよい。なお、前述のように、ステータの位置
制御と、アキシャル軸受28によるロータの位置制御と
を併用することもできる。
ポンプの横断面図である。この例は、図9に示す溝排気
部(ガス排気部)L3を有する真空ポンプ(ターボ分子
ポンプ)に適用したものであり、ポンプケーシング10
の内部に、外周面にねじ溝58a(図9参照)を有する
回転筒状部(ロータ)58と、該回転筒状部58の周囲
を包囲するねじ溝部スペーサ(ステータ)60が同心状
に配置されて、溝排気部(ガス排気部)L3が構成され
ている。
に2分割した分割体60a,60bを該分割体60a,
60bの分割面で突合せ、この突合せ面にシールを兼用
する弾性体96を介在させて構成されている。そして、
このねじ溝部スペーサ60とポンプケーシング10との
間に、各分割体60a,60bの背部に位置してアクチ
ュエータや圧電素子等の駆動部98が配置され、更にね
じ溝部スペーサ60に回転筒状部58との距離(隙間)
を検出する距離検出センサ88が配置されている。これ
によって、ロータの回転中に、溝排気部(ガス排気部)
L3を構成する回転筒状部(ロータ)58とねじ溝部ス
ペーサ(ステータ)60との間の距離を調整する距離調
整機構が構成されている。
ーサ60と回転筒状部58との距離(隙間)を距離検出
センサ88で検出し、その検出値に基づいて、駆動部9
8を介して、ねじ溝部スペーサ60をロータの軸心と直
交する径方向に移動させて、溝排気部(ガス排気部)L
3を構成する回転筒状部(ロータ)58とねじ溝部スペ
ーサ(ステータ)60との間の距離を調整(制御)する
ようにしている。なお、前述と同様に、距離検出センサ
を設けることなく、予め採取されたデータに基づき、熱
変形部材による距離制御を行うようにしてもよく、また
温度センサによる検出値に基づき、アクチュエータや圧
電素子による距離制御を行うようにしてもよい。
ポンプの縦断正面図である。この例は、図10に示す容
積型真空ポンプ(ルーツ型真空ポンプ)に適用したもの
で、ポンプケーシング(ステータ)76は、外ケーシン
グ76cと、この外ケーシング76cの内部にロータ7
4の軸心方向に移動自在に収納した内ケーシング76d
とから構成されている。そして、外ケーシング76cと
内ケーシング76dとの間には、モータ79側に位置し
て、内ケーシング76dをロータ74の軸心方向に沿っ
て移動させるアクチュエータ等の駆動部98が配置さ
れ、更に外ケーシング76c内部の反モータ側端部に
は、ロータ74の主軸70の端部までの距離を検出する
距離検出センサ88が取付けられている。これによっ
て、ロータ74の回転中に、ガス排気部を構成するロー
ブ(ロータ)72と内ケーシング(ステータ)76dと
の間のロータ74の軸心方向に沿った距離を調整する距
離調整機構が構成されている。
転)中に、距離検出センサ88でロータ74の主軸70
の端部までの距離を検出し、この検出量に基づいて、駆
動部99を介して内ケーシング76dをロータ74の軸
心方向に沿って移動させ、ガス排気部を構成するローブ
(ロータ)72と内ケーシング(ステータ)76dとの
間のロータ74の軸心方向に沿った距離を調整(制御)
することで、ポンプの排気性能や圧縮性能が最良になる
ようにすることができる。
テータを可動な状態としているが、ロータとステータの
距離の微少な段に対応するステータのみを可動な状態に
してもよい。また、この例では、ロータの軸心方向に沿
って内ケーシング(ステータ)76dを移動させるよう
にしているが、内ケーシングの径方向に移動できるよう
にしてもよい。本発明は、上記実施の形態に限定される
ものではなく、その主旨を逸脱しない範囲で変形可能で
あることは勿論である。
ポンプの運転(ロータ回転)中に、ガス排気部を構成す
るロータとステータの隙間を最適に制御することによ
り、ポンプの排気や圧縮等の性能を向上させるととも
に、ポンプの小型化と必要な動力も最少にすることがで
き、これによって、省エネルギ、省スペース化を図るこ
とができる。
を拡大して示す要部拡大断面図である。
を拡大して示す要部拡大断面図である。
を拡大して示す要部拡大断面図である。
面図である。
面図である。
断面図である。
例を示す断面図である。
示す断面図である。
は、(a)のA−A線断面図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 回転するロータと該ロータに近接して配
置されたステータの相互作用でガスを排気するガス排気
部を有する真空ポンプにおいて、 前記ガス排気部を構成する前記ロータと前記ステータと
の間の距離を、前記ロータの回転中に調整する距離調整
機構を有することを特徴とする真空ポンプ。 - 【請求項2】 前記距離調整機構は、前記ロータまたは
前記ステータの少なくとも一方を、前記ロータの軸心方
向に沿って移動させるように構成されていることを特徴
とする請求項1に記載の真空ポンプ。 - 【請求項3】 前記距離調整機構は、前記ロータまたは
前記ステータの少なくとも一方を、前記ロータの軸心と
直交する方向に沿って移動させるように構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の真空ポンプ。 - 【請求項4】 前記距離調整機構は、前記ロータと前記
ステータとの間の距離を検出する距離検出部と、この距
離検出部からの信号に基づいて、前記ロータまたは前記
ステータの少なくとも一方を、前記距離検出部の距離検
出方向に沿って移動させる駆動部とを有することを特徴
とする請求項1乃至3のいずれかに記載の真空ポンプ。 - 【請求項5】 前記ロータと前記ステータは、同一の材
料、若しくは熱膨張係数のほぼ等しい材料で構成されて
いることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載
の真空ポンプ。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2010504464A (ja) * | 2006-09-22 | 2010-02-12 | エドワーズ リミテッド | 分子ドラグポンプ機構 |
GB2563406A (en) * | 2017-06-13 | 2018-12-19 | Edwards Ltd | Vacuum seal |
GB2585093A (en) * | 2019-06-28 | 2020-12-30 | Equinor Energy As | Rotating machine interface arrangement |
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-
2002
- 2002-01-25 JP JP2002016686A patent/JP3827579B2/ja not_active Expired - Lifetime
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