JP5131441B2 - 自動変速機の制御装置及び自動変速機の制御方法 - Google Patents

自動変速機の制御装置及び自動変速機の制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、自動変速機の制御装置及び自動変速機の制御方法に関する。
一般に、車両には、エンジンの回転が伝達される自動変速機が搭載されている。このような自動変速機には、回転伝達機構としてのトルクコンバータと変速機構とが設けられており、該変速機構には、エンジンからトルクコンバータを介して伝達された回転を断・接するための入力クラッチが設けられている。この入力クラッチは、自動変速機のレンジが前進走行レンジ(以下、「Dレンジ」という。)である場合には係合状態とされる一方、ニュートラルレンジ(以下、「Nレンジ」という。)である場合には解放状態とされるようになっている。
そのため、車両の停止時に自動変速機のレンジがDレンジである場合には、自動変速機のレンジがNレンジである場合に比して入力クラッチが係合状態であるためにトルクコンバータで生じる負荷が大きくなり、結果として、車両の燃費の悪化を招いていた。そこで、近時では、車両の燃費の向上を図ることができる装置として、例えば特許文献1に記載されるような自動変速機の制御装置(以下、「従来制御装置」という。)が提案されている。
この従来制御装置は、車両が停止状態であると判断した場合に、係合状態にある入力クラッチを半係合状態にするためのニュートラル制御を実行するようになっている。すなわち、従来制御装置は、入力クラッチに対する油圧を該入力クラッチが半係合状態になる直前の油圧まで減圧させるリリース制御を実行した後、インニュートラル制御を実行する。このインニュートラル制御中において、従来制御装置は、入力クラッチに対する油圧を微少変動させつつ、トルクコンバータのエンジン側となる入力側回転数と入力クラッチ側となる出力側回転数との差回転の変化量を検出する。そして、差回転の変化量が予め設定された所定範囲内にある場合に、従来制御装置は、入力クラッチが実際に半係合状態にあると判定し、入力クラッチに対する油圧を一定圧に保持するようになっている。そのため、車両停止時では、入力クラッチが半係合状態で維持されるため、トルクコンバータで生じる負荷が低減される結果、車両の燃費が向上していた。
特開2001−165289号公報(段落番号[0048]、図8)
ところで、インニュートラル制御の実行に基づき入力クラッチが半係合状態になったか否かは、差回転の単位時間当りの変化量が所定閾値範囲内であるか否かに基づき判定される。そのため、インニュートラル制御が開始された時点では、ニュートラル制御が実行される毎に差回転の大きさが異なる可能性がある。したがって、インニュートラル制御中において、差回転が比較的大きい場合には、差回転が比較的小さい場合に比して半係合状態にある入力クラッチにて発生する発熱量が多くなってしまい、入力クラッチの耐久性が低下してしまうおそれがあった。
また、インニュートラル制御中において入力クラッチに対する油圧が一定圧に保持され、該油圧が実際に安定状態であるとしても、差回転が徐々に大きくなってしまうことがある。このような場合、差回転が大きくなるに連れて入力クラッチにて発生する発熱量が徐々に多くなってしまい、結果として、入力クラッチの耐久性が低下してしまうおそれがあった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、車両停止時のニュートラル制御中において、入力クラッチにて発生する発熱量を低減させ、入力クラッチの耐久性の低下を抑制できる自動変速装置の制御装置及び自動変速機の制御方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、自動変速機の制御装置にかかる請求項1及び請求項2に記載の発明は、車両に搭載された原動機の回転を変速機構に伝達するための回転伝達機構と、該回転伝達機構から伝達された回転を断・接制御するための入力クラッチとを備える自動変速機の制御装置であって、車両が停止状態である場合に、前記入力クラッチに対する流体圧を減圧させ、係合状態にあった該入力クラッチを半係合状態にするニュートラル制御を実行する制御手段を備える。
特に、請求項1に記載の発明は、前記差回転検出手段は、前記インニュートラル制御中において前記入力クラッチに対する流体圧を一定圧に保持する制御が開始されてからの差回転を初期差回転として検出すると共に、前記入力クラッチに対する流体圧を一定圧に保持する制御の実行に基づき前記入力クラッチに対する流体圧が実際に安定状態になったと判定された時点から予め設定された所定周期毎の差回転を安定後差回転として検出するようになっており、前記制御手段は、前記入力クラッチに対する流体圧が実際に安定状態になったと判定した後に、前記差回転検出手段によって検出された安定後差回転が前記差回転閾値を超えると共に、前記初期差回転と前記安定後差回転との減算結果が前記差回転閾値よりも小さい値に予め設定された変化量閾値を超えた場合に、前記入力クラッチに対する流体圧を減圧させることを要旨とする。
一般に、インニュートラル制御中において入力クラッチに対する流体圧を一定圧に保持する制御が開始された状態で該流体圧が実際に安定状態になっても、入力側回転数と出力側回転数との差回転が徐々に大きくなってしまうことがある。そこで、本発明では、インニュートラル制御中において、入力クラッチに対する流体圧を一定圧に保持する制御が開始されてからの差回転が初期差回転に設定される。その後、入力クラッチに対する流体圧が安定したと判定された時点から所定周期毎に差回転が検出され、該検出結果が安定後差回転に設定される。そして、安定後差回転が差回転閾値を超えると共に、初期差回転と安定後差回転との減算結果が変化量閾値を超えた場合には、入力クラッチでの摩擦力が大きくなってきたと判断し、入力クラッチに対する流体圧が減圧される。したがって、車両停止時にニュートラル制御を実行することにより、入力クラッチにて発生する摩擦力を小さくし、入力クラッチにて発生する発熱量の低減に貢献できる。
特に、請求項2に記載の発明は、前記差回転検出手段は、前記インニュートラル制御中において前記入力クラッチに対する流体圧を一定圧に保持する制御が開始されてからの差回転を初期差回転として検出すると共に、前記入力クラッチに対する流体圧を一定圧に保持する制御の実行に基づき前記入力クラッチに対する流体圧が実際に安定状態になったと判定された時点から予め設定された所定周期毎の差回転を安定後差回転として検出するようになっており、前記制御手段は、前記入力クラッチに対する流体圧が実際に安定状態になったと判定する前に、前記差回転検出手段によって検出された差回転が予め設定された差回転閾値を超えた場合に、前記入力クラッチに対する流体圧を第1の態様で減圧させる一方、前記入力クラッチに対する流体圧が実際に安定状態になったと判定した後に、前記差回転検出手段によって検出された安定後差回転が差回転閾値を超えると共に、前記初期差回転と前記安定後差回転との減算結果が前記差回転閾値よりも小さい値に予め設定された変化量閾値を超えた場合に、前記入力クラッチに対する流体圧を第2の態様で減圧させることを要旨とする。
上記構成では、インニュートラル制御中において入力クラッチに対する流体圧を一定圧にする制御が開始された時点の差回転が差回転閾値を超えた場合には、入力クラッチにて発生する摩擦力を低減させるために、入力クラッチに対する流体圧が減圧される。そのため、ニュートラル制御中において、入力クラッチにて発生する発熱量を低減させることが可能となる。また、請求項1の作用効果を得ることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の自動変速機の制御装置において、前記第1の態様は、前記第2の態様に基づき前記入力クラッチに対する流体圧を減圧させる場合に比して、該流体圧の減圧量が多くなるように設定されていることを要旨とする。
上記構成では、入力クラッチに対する流体圧が安定状態になったと判定される前において差回転が差回転閾値を超えた場合には、入力クラッチでの摩擦力を速やかに低下させるべく、第2の態様ではなく第1の態様で入力クラッチに対する流体圧が減圧される。一方、入力クラッチに対する流体圧が安定状態になったと判定された後で、安定後差回転が差回転閾値を超えると共に、初期差回転と安定後差回転との減算結果が変化量閾値を超えた場合では、入力クラッチに対する流体圧を少しだけ減圧させれば、入力クラッチでの摩擦力を十分に低下させることが可能である。そのため、この場合、第1の態様ではなく第2の態様で入力クラッチに対する流体圧の減圧が実行される。
請求項4に記載の発明は、請求項1又は2に記載の自動変速機の制御装置において、前記入力クラッチに対して流体圧を発生させるための流体の温度を検出するための温度検出手段をさらに備え、前記制御手段は、前記入力クラッチに対して流体圧を発生させるための流体の温度を検出するための温度検出手段をさらに備え、前記インニュートラル制御中において前記入力クラッチに対する流体圧を一定圧に保持する制御が実行中であると共に前記温度検出手段によって検出された流体の温度が予め設定された温度閾値よりも高温である場合において、前記差回転検出手段によって検出された差回転が前記差回転閾値を超えた場合に、前記入力クラッチに対する流体圧を減圧させることを要旨とする。
一般に、流体の温度が比較的高い場合の差回転の大きさと入力クラッチに対する流体圧との関係は、温度によって流体の特性が変化するため、流体の温度が比較的低い場合の差回転の大きさと入力クラッチに対する流体圧との関係と異なる。そこで、本発明では、差回転の大きさと入力クラッチに対する流体圧との関係がほぼ同一である場合にのみ、インニュートラル制御中での入力クラッチに対する流体圧の調圧制御が実行される。そのため、入力クラッチに対する流体圧の調圧制御が実行されることにより、所望する効果を確実に得ることができる。
一方、自動変速機の制御方法にかかる請求項5〜請求項7に記載の発明は、車両に搭載された原動機の回転を変速機構に伝達するための回転伝達機構と、該回転伝達機構から伝達された回転を断・接制御するための入力クラッチとを備える自動変速機の制御方法であって、車両が停止状態である場合に、係合状態にある前記入力クラッチを半係合状態にするニュートラル制御を実行させるための自動変速機の制御方法において、車両が停止状態である場合に、係合状態にある前記入力クラッチを半係合状態すべく前記入力クラッチに対する流体圧を減圧させるリリース制御を実行するリリースステップと、該リリースステップの実行後に前記入力クラッチが半係合状態であるか否かを確認し、該入力クラッチが半係合状態にあることが確認された場合に、前記入力クラッチに対する流体圧を一定圧に保持させるインニュートラル制御を実行するインニュートラルステップと、前記インニュートラル制御中において前記入力クラッチに対する流体圧を一定圧に保持する制御の実行中に前記回転伝達機構の入力側回転数と出力側回転数との差回転を検出し、該検出結果が予め設定された差回転閾値を超えた場合に、前記入力クラッチに対する流体圧を減圧させる流体圧減圧ステップとを有することを要旨とする。
特に、請求項5に係る発明は、前記流体圧減圧ステップには、前記インニュートラル制御中において前記入力クラッチに対する流体圧を一定圧に保持する制御が開始された状態で前記入力クラッチに対する流体圧が実際に安定状態になったと判定される前の差回転が前記差回転閾値を超えた場合に、前記入力クラッチに対する流体圧を減圧させる差回転流体圧減圧ステップと、前記インニュートラル制御中において前記入力クラッチに対する流体圧を一定圧に保持する制御が開始されてから前記入力クラッチに対する流体圧が実際に安定状態になったと判定される前の差回転が前記差回転閾値以下である場合には、該差回転を初期差回転に設定する一方、前記入力クラッチに対する流体圧が実際に安定状態になったと判定される前の差回転が前記差回転閾値を超えた場合には、前記差回転流体圧減圧ステップの実行後に検出された差回転を初期差回転に設定する初期差回転設定ステップと、該初期差回転設定ステップの実行後、前記入力クラッチに対する流体圧が実際に安定状態なったと判定された時点から予め設定された所定周期毎に検出された差回転を安定後差回転に設定する安定後差回転設定ステップと、該安定後差回転設定ステップにて設定した安定後差回転が前記差回転閾値を超えると共に、前記初期差回転と前記安定後差回転との減算結果が前記差回転閾値よりも小さい値に予め設定された変化量閾値を超えた場合に、前記入力クラッチに対する流体圧を減圧させる変化量流体圧減圧ステップとが含まれていることを要旨とする。
上記構成では、請求項2と同等の作用効果を得ることができる。また、入力クラッチに対する流体圧が実際に安定状態になったと判定される前の差回転が差回転閾値を超えた場合には、差回転流体圧減圧ステップの実行後に検出された差回転が初期差回転に設定される。そのため、その後の変化量流体圧減圧ステップにより入力クラッチに対する流体圧を減圧させるタイミングを、差回転流体圧減圧ステップの実行後の差回転を基準とするため、より正確なタイミングに設定できる。
特に、請求項6に記載の発明は、前記流体圧減圧ステップには、前記インニュートラル制御中において前記入力クラッチに対する流体圧を一定圧に保持する制御が開始された状態で前記入力クラッチに対する流体圧が実際に安定状態になったと判定される前の差回転が前記差回転閾値を超えた場合に、前記入力クラッチに対する流体圧を減圧させる差回転流体圧減圧ステップと、前記インニュートラル制御中において前記入力クラッチに対する流体圧を一定圧に保持する制御が開始されてから前記入力クラッチに対する流体圧が実際に安定状態になったと判定される前の差回転が前記差回転閾値以下である場合には、該差回転を初期差回転に設定する一方、前記入力クラッチに対する流体圧が実際に安定状態になったと判定される前の差回転が前記差回転閾値を超えた場合にも、該差回転を初期差回転に設定する初期差回転設定ステップと、該初期差回転設定ステップの実行後、前記入力クラッチに対する流体圧が実際に安定状態なったと判定された時点から予め設定された所定周期毎に検出された差回転を安定後差回転に設定する安定後差回転設定ステップと、該安定後差回転設定ステップにて設定した安定後差回転が前記差回転閾値を超えると共に、前記初期差回転と前記安定後差回転との減算結果が前記差回転閾値よりも小さい値に予め設定された変化量閾値を超えた場合に、前記入力クラッチに対する流体圧を減圧させる変化量流体圧減圧ステップとが含まれていることを要旨とする。
上記構成では、請求項2と同等の作用効果を得ることができる。また、本発明では、上記請求項5に記載の発明とは異なり、入力クラッチに対する流体圧が実際に安定状態になったと判定される前の差回転が差回転閾値を超えた場合においても、入力クラッチに対する流体圧が実際に安定状態になったと判定される前の差回転が初期差回転に設定される。そのため、差回転流体圧減圧ステップの実行後に検出された差回転を初期差回転に設定する場合とは異なり、その後の変化量流体圧減圧ステップの実行により入力クラッチに対する流体圧が低くなり過ぎることが抑制されると共に、より安全側でインニュートラル制御が実行される。
このように入力クラッチに対する流体圧が低くなり過ぎると、入力クラッチに対する流体圧が、入力クラッチを半係合状態に維持できる流体圧領域よりも低くなってしまう可能性がある。この状態で入力クラッチに対する流体圧を増圧させて差回転を大きくする場合には、入力クラッチに対する流体圧を上記流体圧領域まで増圧させ、その後に目標とする差回転となるように入力クラッチに対する流体圧が調圧されることになる。そのため、入力クラッチに対する流体圧を差回転が目標とする差回転となるように調圧するには、多大に時間がかかってしまうと共に、入力クラッチに対する流体圧を上記流体圧領域まで増圧した際に自動変速機内で振動が発生する可能性がある。その点、本発明では、上記のような問題の発生を抑制できる。
特に、請求項7に記載の発明は、前記流体圧減圧ステップには、前記インニュートラル制御中において前記入力クラッチに対する流体圧を一定圧に保持する制御が開始された状態で検出された差回転を初期差回転に設定する初期差回転設定ステップと、該初期差回転設定ステップの実行後、前記入力クラッチに対する流体圧を一定圧に保持する制御の実行に基づき前記入力クラッチに対する流体圧が実際に安定状態なったと判定された時点から予め設定された所定周期毎に検出された差回転を安定後差回転に設定する安定後差回転設定ステップと、該安定後差回転設定ステップにて設定した安定後差回転が前記差回転閾値を超えると共に、前記初期差回転と前記安定後差回転との減算結果が前記差回転閾値よりも小さい値に予め設定された変化量閾値を超えた場合に、前記入力クラッチに対する流体圧を減圧させる変化量流体圧減圧ステップとが含まれていることを要旨とする。
上記構成では、請求項1と同等の作用効果を得ることができる。
本発明を車両に搭載される自動変速機の制御装置及び自動変速機の制御方法に具体化した一実施形態を図1〜図9に従って説明する。
図1に示すように、本実施形態の自動変速機11は、前進5段後進1段の自動変速機である。この自動変速機11は、動力伝達方向における上流側となるエンジン(原動機)10側から下流側となる駆動輪側に向けて順に配置された、回転伝達機構としてのトルクコンバータ12、3速主変速機構13、3速副変速機構14及びディファレンシャル機構15を備えている。そして、これら各機構12,13,14,15は、トランスミッションケース16内にそれぞれ収納されている。このトランスミッションケース16内には、エンジン10側から延設されたクランクシャフト10aと整列して配置された、第1軸(以下、「入力軸」と示す。)17、該入力軸17と平行な第2軸(以下、「カウンタ軸」と示す。)18及び第3軸19(左右の前輪の車軸であって、「左右前車軸19l、19r」と示す。)が回転自在に支持されている。また、トランスミッションケース16の外側には、図示しないバルブボディが設けられている。
トルクコンバータ12内には、クランクシャフト10aに連結されたポンプインペラ21、ステータ22及びタービン23が設けられている。そして、エンジン10(クランクシャフト10a)の回転に基づきポンプインペラ21が回転した場合に、該回転がトルクコンバータ12内の流体としての作動油を介してタービン23に伝達されることにより、エンジン10の回転が3速主変速機構13に伝達されるようになっている。また、トルクコンバータ12内には、ロックアップクラッチ24が設けられている。このロックアップクラッチ24が係合した場合には、該ロックアップクラッチ24を介してポンプインペラ21とタービン23とが機械的に接続される。そのため、この場合、エンジン10の回転が、作動油を介することなく3速主変速機構13に伝達されるようになっている。
3速主変速機構13は、シンプルプラネタリギヤ30及びダブルピニオンプラネタリギヤ31を有するプラネタリギヤユニット32を備えている。シンプルプラネタリギヤ30は、サンギヤS1、リングギヤR1、及びこれら各ギヤS1,R1に噛合するピニオンP1を支持する共通キャリヤCRを備えた構成とされている。一方、ダブルピニオンプラネタリギヤ31は、サンギヤS2、リングギヤR2、及びシンプルプラネタリギヤ30の構成要素でもある共通キャリヤCRを備えた構成とされている。この共通キャリヤCRは、サンギヤS2に噛合するピニオンP1aとリングギヤR2に噛合するピニオンP2とを、該各ピニオンP1a,P2が相互に噛合した状態で支持している。
そして、エンジン10の回転がトルクコンバータ12を介して伝達される入力軸17は、プラネタリギヤユニット32に対し、入力クラッチとしての第1クラッチC1を介してシンプルプラネタリギヤ30のリングギヤR1に連結し得ると共に、第2クラッチC2を介してサンギヤS1に連結し得る。また、ダブルピニオンプラネタリギヤ31のサンギヤS2は、第1ブレーキB1にて直接係止し得ると共に、第1ワンウェイクラッチF1を介して第2ブレーキB2にて係止し得る。また、ダブルピニオンプラネタリギヤ31のリングギヤR2は、第3ブレーキB3及び第2ワンウェイクラッチF2にて係止し得る。そして、共通キャリヤCRは、3速主変速機構13の出力部材であるカウンタドライブギヤ33に連結されている。
3速副変速機構14は、第1シンプルプラネタリギヤ36、第2シンプルプラネタリギヤ37及び出力ギヤ35を備え、これら各ギヤ35,36,37は、カウンタ軸18の軸線方向における一方側(図1では右側)から他方側(図1では左側)に向けて順に配置されている。第1シンプルプラネタリギヤ36は、リングギヤR3、サンギヤS3及びピニオンP3を備えた構成とされ、リングギヤR3には、3速主変速機構13のカウンタドライブギヤ33に噛合するカウンタドリブンギヤ38が連結されている。また、サンギヤS3は、カウンタ軸18に回転自在に支持されると共に、ピニオンP3は、カウンタ軸18に一体に連結されたフランジからなるキャリヤCR3に支持されている。このキャリヤCR3は、UDダイレクトクラッチC3のインナハブに連結されている。
第2シンプルプラネタリギヤ37は、サンギヤS4、リングギヤR4及びピニオンP4を備えた構成とされている。サンギヤS4は、第1シンプルプラネタリギヤ36のサンギヤS4に連結されると共に、リングギヤR4は、カウンタ軸18に連結されている。そして、第1シンプルプラネタリギヤ36のキャリヤCR3と各サンギヤS3,S4との間には、UDダイレクトクラッチC3が配置され、各サンギヤS3,S4は、バンドブレーキからなる第4ブレーキB4にてそれぞれ係止し得る。さらに、ピニオンP4は、キャリヤCR4に支持され、該キャリヤCR4は、第5ブレーキB5にて係止し得る。
なお、上述した各ブレーキB1〜B5及び第2ワンウェイクラッチF2は、トランスミッションケース16の内側面にそれぞれ取着されている。
ディファレンシャル機構15は、3速副変速機構14の出力ギヤ35に噛合するリングギヤ39を備えている。そして、出力ギヤ35側からリングギヤ39を介して伝達された回転は、左右に分岐されて左右前車軸19l,19rにそれぞれ伝達されるようになっている。
次に、自動変速機11の動作について図1及び図2に基づき以下説明する。
前進走行レンジ(以下、「Dレンジ」という。)において変速段が第1速(1ST)である場合、第1クラッチC1、第5ブレーキB5及び第2ワンウェイクラッチF2がそれぞれ係合状態になる。すると、ダブルピニオンプラネタリギヤ31のリングギヤR2及び第2シンプルプラネタリギヤ37のキャリヤCR4は、それぞれ停止状態になる。この場合、入力軸17の回転は、第1クラッチC1を介してシンプルプラネタリギヤ30のリングギヤR1に伝達される。そして、シンプルプラネタリギヤ30のリングギヤR1の正方向への回転は、リングギヤR2が停止状態であるために、ダブルピニオンプラネタリギヤ31にて大幅に減速されて共通キャリヤCRに伝達される。このように、大幅に減速された正方向への回転(以下、「減速回転」という。)が共通キャリヤCRに伝達される場合、3速主変速機構13が第1速状態にあるという。そして、この減速回転は、カウンタドライブギヤ33及びカウンタドリブンギヤ38を介して第1シンプルプラネタリギヤ36のリングギヤR3に伝達される。すると、第5ブレーキB5によって第2シンプルプラネタリギヤ37のキャリヤCR4が停止状態になるため、リングギヤR3の減速回転は、3速副変速機構14によって更に減速される。このように、第5ブレーキB5が係合状態であることに起因して3速主変速機構13から伝達された回転が更に減速される場合、3速副変速機構14が第1速状態にあるという。そして、3速副変速機構14によって更に減速された減速回転は、出力ギヤ35を介してディファレンシャル機構15側(即ち、駆動輪)に伝達される。すなわち、3速主変速機構13の第1速状態と3速副変速機構14の第1速状態とが組み合わされることにより、自動変速機11全体として、第1速が得られる。なお、第1速でのエンジンブレーキ時には、第3ブレーキB3が作動する。
Dレンジにおいて第1速から第2速(2ND)に変速する場合、第1クラッチC1及び第5ブレーキB5の係合状態がそれぞれ維持されると共に、第2ブレーキB2及び第1ワンウェイクラッチF1がそれぞれ係合状態になる。一方、第2ワンウェイクラッチF2が非係合状態になる。すると、ダブルピニオンプラネタリギヤ31のサンギヤS2は、第2ブレーキB2及び第1ワンウェイクラッチF1によって停止状態になる。そのため、入力軸17から第1クラッチC1を介して伝達されたリングギヤR1の回転は、シンプルプラネタリギヤ30によって減速され、正方向への減速回転として共通キャリヤCRに伝達される。このようにリングギヤR1の回転をシンプルプラネタリギヤ30で減速する場合、3速主変速機構13が第2速状態にあるという。また、3速副変速機構14は、第1速状態にある。そして、3速主変速機構13の第2速状態と3速副変速機構14の第1速状態とが組み合わされることにより、自動変速機11全体として、第2速が得られる。なお、第2速のエンジンブレーキ時には、第1ブレーキB1が係合される。
Dレンジにおいて第2速から第3速(3RD)に変速する場合、第1クラッチC1、第2ブレーキB2及び第1ワンウェイクラッチF1の係合状態がそれぞれ維持されると共に、第4ブレーキB4が係合状態になる。一方、第5ブレーキB5が非係合状態になる。すなわち、3速主変速機構13の状態は、第2速状態にある。そして、3速主変速機構13にて減速された減速回転は、カウンタドライブギヤ33及びカウンタドリブンギヤ38を介して第1シンプルプラネタリギヤ36のリングギヤR3に伝達される。すると、この減速回転は、第4ブレーキB4によって第1シンプルプラネタリギヤ36のリングギヤR3が停止状態であるため、更に減速された状態で出力ギヤ35を介してディファレンシャル機構15側に伝達される。このように、第4ブレーキB4が係合状態であることに起因して、3速主変速機構13から伝達された回転を更に減速する場合、3速副変速機構14が第2速状態にあるという。すなわち、3速主変速機構13の第2速状態と3速副変速機構14の第2速状態とが組み合わされることにより、自動変速機11全体として、第3速が得られる。なお、第3速のエンジンブレーキ時には、第1ブレーキB1が係合される。
Dレンジにおいて第3速から第4速(4TH)に変速する場合、第1クラッチC1、第2ブレーキB2及び第1ワンウェイクラッチF1の係合状態が維持されると共に、UDダイレクトクラッチC3が係合状態になる。一方、第4ブレーキB4が非係合状態になる。すなわち、3速主変速機構13は、第2速状態である。また、3速副変速機構14は、リングギヤR3と各サンギヤS3,S4が連結し、各シンプルプラネタリギヤ36,37が一体回転する直結状態になる。このような3速副変速機構14の状態を、第3速状態という。そのため、3速主変速機構13の第2速状態と3速副変速機構14の第3速状態とが組み合わされることにより、自動変速機11全体として、第4速が得られる。なお、第4速のエンジンブレーキ時には、第1ブレーキB1が係合される。
Dレンジにおいて第4速から第5速(5TH)に変速する場合、第1クラッチC1及びUDダイレクトクラッチC3の係合状態がそれぞれ維持されると共に、第2クラッチC2が係合状態になる。一方、第2ブレーキB2及び第1ワンウェイクラッチF1が非係合状態になる。すると、3速主変速機構13は、入力軸17の回転がシンプルプラネタリギヤ30のリングギヤR1及びサンギヤS1に伝達され、シンプルプラネタリギヤ30及びダブルピニオンプラネタリギヤ31が一体回転する直結状態になる。このような3速主変速機構13の状態を第3速状態という。また、3速副変速機構14は、第3速状態である。そのため、3速主変速機構13の第3速状態と3速副変速機構14の第3速状態とが組み合わされることにより、自動変速機11全体として、第5速が得られる。
なお、後進走行レンジ(以下、「Rレンジ」という。)である場合は、車両の車体速度(以下、「車速」と略記する。)が「7km/h」(時速7キロメータ)以上であるか否かによって切替えられる。すなわち、「7km/h」以上で前進惰走している場合は、ニュートラルレンジ(以下、「Nレンジ」という。)と同様に、3速主変速機構13が自由回転状態になる。一方、車速が「7km/h」未満の実質的に車両が停止状態にある場合は、第2クラッチC2、第3ブレーキB3及び第5ブレーキB5がそれぞれ係合状態になる。すると、エンジン10の回転は、第2クラッチC2を介してサンギヤS1に伝達される。そして、サンギヤS1の回転は、リングギヤR2が停止状態であるためにダブルピニオンプラネタリギヤ31にて大幅に減速され、このように大幅に減速された逆転方向への回転(以下、「逆回転」という。)としてキャリヤCRに伝達される。すると、キャリヤCRの逆回転は、第1速状態である3速副変速機構14に伝達される(即ち、減速される)。そのため、出力ギヤ35からは、減速された逆回転が出力される。
次に、自動変速機11の油圧制御回路について図1及び図3に基づき以下説明する。なお、図3では、第1クラッチC1の係脱に関係する部分のみ図示している。
図3に示すように、調圧機構としての油圧制御回路40は、オイルポンプ41を備え、該オイルポンプ41には、マニュアルバルブ42、プライマリレギュレータバルブ43及びモジュレータバルブ44が接続されている。このモジュレータバルブ44には、リニアソレノイド弁45,46が接続されており、リニアソレノイド弁45にはコントロールバルブ47が接続されている。このコントロールバルブ47には、第1クラッチC1の係脱を制御するための油圧サーボC−1が接続されている。
そして、オイルポンプ41の駆動に基づき発生した作動油圧は、プライマリレギュレータバルブ43によってライン圧に調圧された後に、マニュアルバルブ42及びモジュレータバルブ44にそれぞれ供給される。すると、モジュレータバルブ44ではライン圧が減圧され、該減圧されたライン圧が、各リニアソレノイド弁45,46の入力ポート45a,46aに供給される。このようにライン圧が供給された各リニアソレノイド弁45,46では、それぞれの通電態様に対応した制御油圧が生成される。そして、リニアソレノイド弁45で生成された制御油圧は、出力ポート45bを介してコントロールバルブ47に出力されると共に、リニアソレノイド弁46で生成された制御油圧は、出力ポート46bを介してプライマリレギュレータバルブ43に出力される。
また、コントロールバルブ47には、その入力ポート47aを介してマニュアルバルブ42からライン圧が供給され、該ライン圧は、ポート47bに入力されるリニアソレノイド弁45からの制御油圧に基づき往復動するスプール47cにより調圧され、ポート47dから油圧サーボC−1に供給される。すなわち、リニアソレノイド弁45の通電に対応して油圧サーボC−1に供給される作動油圧が調圧されることにより、C1クラッチの係脱に関する制御が行われる。
次に、自動変速機11の駆動を制御する制御装置としての電子制御装置(以下、「ECU」という。)について図4に基づき以下説明する。
図4に示すように、ECU50は、入力側インターフェース(図示略)と、出力側インターフェース(図示略)と、CPU51、ROM52及びRAM53などを備えたデジタルコンピュータと、各機構を駆動させるための駆動回路とを主体として構成されている。ECU50の入力側インターフェースには、エンジン10(クランクシャフト10a)の回転数を検出するためのエンジン回転数センサSE1、入力軸17の回転数を検出するための入力軸回転数センサSE2、油圧サーボC−1内の作動油の油温を検出するための油温センサSE3が電気的に接続されている。また、入力側インターフェースには、図示しないブレーキペダルが踏込み操作された場合に「オン」信号を出力するブレーキスイッチSW1、車速を検出するための車速センサSE4及び自動変速機11のシフトレンジを検出するためのシフトポジションセンサSE5が電気的に接続されている。
一方、ECU50の出力側インターフェースには、各リニアソレノイド弁45,46が電気的に接続されている。そして、ECU50は、各種センサSE1〜SE5及びブレーキスイッチSW1からの各種入力信号に基づき、各リニアソレノイド弁45,46の駆動を個別に制御するようになっている。
デジタルコンピュータにおいて、ROM52には、各リニアソレノイド弁45,46を個別に制御するための各種の制御プログラム(後述するニュートラル制御処理等)及び各種閾値(後述する第1差回転閾値、油温閾値、第2差回転閾値、第3差回転閾値、安定確認時間、設定時間等)などが記憶されている。また、RAM53には、車両の図示しないイグニッションスイッチの「オン」中に適宜書き換えられる各種の情報(後述するエンジン回転数、入力軸回転数、差回転、油圧変動前差回転、油温、油圧変動後差回転、安定後差回転、第1タイマ、第2タイマ等)などがそれぞれ記憶されるようになっている。
次に、本実施形態のECU50が実行する各制御処理ルーチンのうち車両の停止中にニュートラル制御を実行するためのニュートラル制御処理ルーチンについて図5、図6及び図7に示すフローチャート、及び図8及び図9に示すタイミングチャートに基づき以下説明する。なお、ニュートラル制御とは、自動変速機11のレンジがDレンジであると共に車両が停止状態である場合に、トルクコンバータ12から伝達された回転を断・接制御するための第1クラッチC1を半係合状態にするための制御である。
さて、ECU50は、シフトポジションセンサSE5からの入力信号に基づき自動変速機11のレンジがDレンジであると共にブレーキスイッチSW1が「オン」である場合において、車速センサSE4からの入力信号に基づき車速がほぼ「0(零)km/h」であるときにニュートラル制御処理ルーチンを実行する。そして、このニュートラル制御処理ルーチンにおいて、ECU50は、リリース制御を実行する(ステップS10)。この点で、本実施形態では、ECU50が、制御手段として機能する。また、ステップS10が、リリースステップに相当する。
具体的には、ECU50は、油圧制御回路40(各リニアソレノイド弁45,46)の駆動を制御することにより、油圧サーボC−1に供給される作動油圧(即ち、第1クラッチC1に対する油圧)を減圧させる。すると、図8及び図9に示すタイミングチャートに示すように、油圧サーボC−1に供給される作動油圧Pc1の減圧に対応して、第1クラッチC1の係合力が徐々に弱くなることにより、入力軸17に加わる負荷が徐々に低減される。すなわち、入力軸回転数センサSE2からの入力信号に基づきECU50が検出する入力軸17の回転数(以下、「入力軸回転数」という。)Nc1は、徐々に上昇する。なお、ニュートラル制御中は、図示しないアクセルペダルが踏込み操作されないため、エンジン回転数センサSE1からの入力信号に基づきECU50が検出するエンジン10の回転数(以下、「エンジン回転数」という。)Neは、一定回転数になる。
上記のようにリリース制御が継続されると、エンジン回転数Neと入力軸回転数Nc1との比(以下、「速度比」という。)e(=Nc1/Ne)は、徐々に大きくなっていく。そして、作動油圧Pc1が徐々に減圧されると、図8の第1タイミングt1に示すように、入力軸17に加わる負荷が急激に低下することにより、速度比eの単位時間当りの変化量が一気に増加する。この速度比eの単位時間当りの変化量が予め設定された所定閾値以上であった場合、ECU50は、第1クラッチC1が半係合直前の状態になったと判定し、リリース制御を完了する。なお、第1クラッチC1の半係合状態とは、第1クラッチC1を滑らせる状態にして該第1クラッチC1にて発生する摩擦力を低下させると共に、作動油圧Pc1を少しだけ増圧させることにより第1クラッチC1を速やかに係合状態にすることが可能な状態のことである。
そして、ECU50は、第1クラッチC1の半係合状態を維持するためのインニュートラル制御(図6及び図7にて詳述する。)を実行する(ステップS11)。この点で、本実施形態では、ステップS11が、インニュートラルステップに相当する。
続いて、ECU50は、インニュートラル制御が完了した場合、半係合状態にある第1クラッチC1を係合状態にするためのアプライ制御を実行する(ステップS12)。具体的には、ECU50は、油圧制御回路40の駆動を制御することにより、油圧サーボC−1に対する作動油圧Pc1を増圧させ、第1クラッチC1が係合状態になったと判定した時点で作動油圧Pc1を保持させる。その後、ECU50は、ニュートラル制御処理ルーチンを終了する。
次に、上述したインニュートラル制御(ステップS11)を実行するためのインニュートラル制御処理ルーチンについて図6及び図7に示すフローチャート、及び図8及び図9に示すタイミングチャートに基づき以下説明する。
さて、インニュートラル制御処理ルーチンにおいて、ECU50は、第1クラッチC1が実際に半係合状態にあるか否かを確認するためのストロークエンド確認処理を、所定時間(例えば「10秒」)の間、実行する(ステップS20)。具体的には、ECU50は、図8のタイミングチャートに示すように、油圧サーボC−1に対する作動油圧Pc1を第2油圧D2(例えば「5kPa(キロパスカル)」)だけ増圧させ、その後、作動油圧Pc1を第2油圧D2だけ減圧させるべく油圧制御回路40の駆動を制御する。すると、このような作動油圧Pc1の変動に少し遅れて、エンジン回転数Neと入力軸回転数Nc1との差回転Nは、少しだけ小さくなった後に、元通りの差回転まで大きくなるように変動する。ECU50は、上記のような作動油圧Pc1の変動を間欠的に4回実行し、5回目に作動油圧Pc1を第2油圧D2だけ増圧した後に、ストロークエンド確認処理を完了し、油圧サーボC−1に対する作動油圧Pc1を一定圧に保持すべく油圧制御回路40の駆動を制御する。
なお、ストロークエンド確認処理は、上述したように、インニュートラル制御の開始により第1クラッチC1が実際に半係合状態になったか否かを、作動油圧Pc1を変動(図8参照)させた場合の差回転Nの変化量に基づき判断する処理である。そこで、第1クラッチC1が半係合状態であることを確認し続けるために、インニュートラル制御中において、ストロークエンド確認処理を実行し続ける方法が考えられる。しかしながら、このように構成した場合、インニュートラル制御中、作動油圧Pc1が間欠的に変動し続けることになる。すると、この作動油圧Pc1の変動が、車両に伝わってしまう可能性があり、車両振動を抑制する点であまり好ましくない。そのため、本実施形態では、ストロークエンド確認処理は、リリース制御後において第1クラッチC1が実際に半係合状態であるか否かを確認できる程度の時間(上述した所定時間)の間、実行されるようになっている。
続いて、ECU50は、エンジン回転数センサSE1からの入力信号に基づきトルクコンバータ12の入力側回転数としてのエンジン回転数Neを検出し(ステップS21)、入力軸回転数センサSE2からの入力信号に基づきトルクコンバータ12の出力側回転数としての入力軸回転数Nc1を検出する(ステップS22)。そして、ECU50は、ステップS21にて検出したエンジン回転数NeからステップS22にて検出した入力軸回転数Nc1を減算し、該減算結果を差回転Nとして検出する(ステップS23)。したがって、本実施形態では、ECU50が、差回転検出手段として機能する。なお、ステップS21及びステップS22は、図8のタイミングチャートに示すように、油圧サーボC−1に対する作動油圧Pc1の変動に起因して入力軸回転数Nc1が変動する前に実行される。
続いて、ECU50は、ステップS23にて検出した差回転Nを油圧変動前差回転Nbに設定する(ステップS24)。この油圧変動前差回転Nbは、後述するステップS28又はステップS29にて作動油圧Pc1が減圧される直前の差回転であって、作動油圧Pc1が実際に安定状態になる前の差回転である。そして、ECU50は、油温センサSE3からの入力信号に基づき油圧サーボC−1内の作動油の油温Tfを検出する(ステップS25)。したがって、本実施形態では、ECU50が、温度検出手段として機能する。続いて、ECU50は、ステップS24にて設定した油圧変動前差回転Nbが予め設定された第1差回転閾値KN1(本実施形態では「70rpm」)を超えたか否かを判定する(ステップS26)。この第1差回転閾値KN1は、半係合状態にある第1クラッチC1にて発生する摩擦力(即ち、発熱量)が大きいか(多いか)否かを判断するための基準値であって、実験やシミュレーションなどによって予め設定される。なお、油圧変動前差回転Nbが第1差回転閾値KN1以上である場合、第1クラッチC1での発熱量が大きいため、ニュートラル制御を実行しても、第1クラッチC1の耐久性の低下の抑制に十分に貢献できない可能性がある。
ステップS26の判定結果が否定判定(Nb≦KN1)である場合、ECU50は、その処理を後述するステップS28に移行する。一方、ステップS26の判定結果が肯定判定(Nb>KN1)である場合、ECU50は、ステップS25にて検出した油温Tfが予め設定された温度閾値としての油温閾値KTf(本実施形態では「80°」)よりも高温であるか否かを判定する(ステップS27)。なお、後述するステップS29で実行される制御処理により、作動油の油温Tfが一定温度領域である場合には所望する効果を得ることができる一方で、一定温度領域外では油温Tfの相違に基づく作動油の特性の変化に起因して所望する効果を得ることができないおそれがある。そして、ステップS27の判定結果が否定判定(Tf≦KTf)である場合、ECU50は、その処理を後述するステップS28に移行する。一方、ステップS27の判定結果が肯定判定(Tf>KTf)である場合、ECU50は、その処理を後述するステップS29に移行する。
ステップS28において、ECU50は、油圧サーボC−1に対する作動油圧Pc1を第2油圧D2だけ減圧させるべく、油圧制御回路40の駆動を制御する(図9参照)。すなわち、作動油圧Pc1は、第2の態様で減圧される。その後、ECU50は、その処理を後述するステップS30−1に移行する。
ステップS29において、ECU50は、油圧サーボC−1に対する作動油圧Pc1を第2油圧D2よりも大きな第1油圧D1(例えば「8kPa」)だけ減圧させるべく油圧制御回路40の駆動を制御する。すなわち、ステップS29では、作動油圧Pc1が第2の態様とは異なる第1の態様で減圧される。したがって、本実施形態では、ステップS29が、流体圧減圧ステップに含まれる差回転流体圧減圧ステップに相当する。なお、第1油圧D1は、ステップS26の判定結果が肯定判定になるような状態で作動油圧Pc1を減圧しても、第1クラッチC1の半係合状態が維持されるような値に予め設定されている。
作動油圧Pc1が第1油圧D1だけ減圧されると、図8のタイミングチャートに示すように、第1クラッチC1にて発生する摩擦力が大幅に小さくなる結果、入力軸回転数Nc1が高くなる。すなわち、差回転Nは、小さくなる。その後、ECU50は、その処理を次のステップS30−1に移行する。
ステップS30−1において、ECU50は、第1タイマT1をカウントアップさせる。そして、ECU50は、ステップS30−1にてカウントアップした第1タイマT1が予め設定された安定確認時間KT1(例えば「2秒」)以上であるか否かを判定する(ステップS30−2)。この安定確認時間KT1は、図8及び図9に示す第2タイミングt2で油圧サーボC−1に対する作動油圧Pc1の減圧処理が実行されてから実際の作動油圧Pc1の変動が落ち着くまでにかかる時間であって、実験やシミュレーションなどによって予め設定される。なお、第1タイマT1が安定確認時間KT1以上になった時点では、実際の作動油圧Pc1が安定状態になっている。
ステップS30−2の判定結果が否定判定(T1<KT1)である場合、ECU50は、ステップS30−2の判定結果が肯定判定になるまでステップS30−1,S30−2の各処理を繰り返し実行する。なお、ステップS30−1,S30−2の各処理が繰り返し実行されている間に、ブレーキスイッチSW1が「オフ」になった場合、ECU50は、第1タイマT1を「0(零)」にリセットした後、インニュートラル制御処理ルーチンを強制的に終了する。
一方、ステップS30−2の判定結果が肯定判定(T1≧KT1)である場合、ECU50は、初期差回転としての油圧変動後差回転Naを設定する(ステップS30−3)。具体的には、ステップS28が実行された場合、ECU50は、ステップS24にて設定した油圧変動前差回転Nbを油圧変動後差回転Naに設定する。一方、ステップS29が実行された場合、ECU50は、ステップS29の実行後に入力軸回転数センサSE2からの入力信号に基づき入力軸回転数Nc1を新たに検出する。そして、ECU50は、新たに検出した入力軸回転数Nc1をステップS21にて検出したエンジン回転数Neから減算し、該減算結果を油圧変動後差回転Naに設定する。この油圧変動後差回転Naは、ステップS28又はステップS29の実行後に設定された差回転である。この点で、本実施形態では、ステップS30−3が、流体圧減圧ステップに含まれる初期差回転設定ステップとして機能する。
続いて、ECU50は、ステップS24にて設定した油圧変動前差回転NbとステップS30−3にて設定した油圧変動後差回転Naとの差の絶対値が予め設定された第2差回転閾値KN2(本実施形態では「50rpm」)以下であるか否かを判定する(ステップS31)。この第2差回転閾値KN2は、インニュートラル制御が開始されてから油圧サーボC−1に対する作動油圧Pc1が安定状態にあるか否かを判断するための基準値であって、実験やシミュレーションなどによって予め設定される。ステップS31の判定結果が否定判定((Nb−Na)の絶対値>KN2)である場合、ECU50は、作動油圧Pc1が安定していないと判断し、その処理を前述したステップS20に移行する。
一方、ステップS31の判定結果が肯定判定((Nb−Na)の絶対値≦KN2)である場合、ECU50は、第2タイマT2をカウントアップさせる(ステップS34)。そして、ステップS34にてカウントアップした第2タイマT2が安定確認時間KT1よりも長時間に予め設定された設定時間KT2(例えば「30秒」)以上であるか否かを判定する(ステップS35)。この判定結果が否定判定(T2<KT2)である場合、ECU50は、ステップS35の判定結果が肯定判定になるまでステップS34,S35の各処理を繰り返し実行する。なお、ステップS34,S35の各処理が繰り返し実行されている間に、ブレーキスイッチSW1が「オフ」になった場合、ECU50は、各タイマT1,T2を「0(零)」にそれぞれリセットした後、インニュートラル制御処理ルーチンを強制的に終了する。
一方、ステップS35の判定結果が肯定判定(T2≧KT2)以上である場合、ECU50は、各タイマT1,T2をそれぞれ「0(零)」にリセットする(ステップS36)。続いて、ECU50は、入力軸回転数センサSE2からの入力信号に基づき入力軸回転数Nc1を新たに検出する。そして、ECU50は、新たに検出した入力軸回転数Nc1をステップS21にて検出したエンジン回転数Neから減算し、該減算結果を安定後差回転Nsに設定する(ステップS37)。この点で、本実施形態では、ステップS37が、流体圧減圧ステップに含まれる安定後差回転設定ステップに相当する。
続いて、ECU50は、ステップS37にて設定した安定後差回転Nsが第1差回転閾値KN1を超えたか否かを判定する(ステップS38)。この判定結果が否定判定(Ns≦KN1)である場合、ECU50は、その処理を後述するステップS42に移行する。一方、ステップS38の判定結果が肯定判定(Ns>KN1)である場合、ECU50は、ステップS37にて設定した安定後差回転NsとステップS30−3にて検出した油圧変動後差回転Naとの差(変化量)の絶対値が第1差回転閾値KN1よりも小さい値に予め設定された第3差回転閾値(変化量閾値)KN3を超えたか否かを判定する(ステップS39)。この第3差回転閾値KN3は、油圧制御回路40の駆動に基づき入力軸回転数Nc1を高くすることが可能な最小値(本実施形態では「20rpm」)であって、実験やシミュレーションなどによって予め設定される。
ステップS39の判定結果が否定判定((Ns−Na)の絶対値≦KN3)である場合、ECU50は、その処理を後述するステップS42に移行する。一方、ステップS39の判定結果が肯定判定((Ns−Na)の絶対値>KN3)である場合、ECU50は、ステップS25にて検出した油温Tfが油温閾値KTfよりも高温であるか否かを判定する(ステップS40)。この判定結果が否定判定(Tf≦KTf)である場合、ECU50は、その処理を後述するステップS42に移行する。
一方、ステップS40の判定結果が肯定判定(Tf>KTf)である場合、ECU50は、油圧サーボC−1に対する作動油圧Pc1を第2油圧D2だけ減圧させるべく油圧制御回路40の駆動を制御する(ステップS41)。この点で、本実施形態では、ステップS41が、流体圧減圧ステップに含まれる変化量流体圧減圧ステップに相当する。このようにステップS41の処理が実行されると、図9の第3タイミングt3に示すように、第1クラッチC1での摩擦力が低下することにより、入力軸回転数Nc1が第3差回転閾値と同程度だけ高くなる。
続いて、ECU50は、ブレーキスイッチSW1が「オフ」であるか否かを判定する(ステップS42)。この判定結果が否定判定(SW1=「オン」)である場合、ECU50は、車両の停止状態が継続されると判断し、その処理を前述したステップS34に移行する。一方、ステップS42の判定結果が肯定判定(SW1=「オフ」)である場合、ECU50は、インニュートラル制御処理ルーチンを終了する。
従って、本実施形態では、以下に示す効果を得ることができる。
(1)インニュートラル制御中においてエンジン回転数Neと入力軸回転数Nc1との差回転N(即ち、油圧変動前差回転Nb)が第1差回転閾値KN1を超えた場合には、第1クラッチC1にて発生する摩擦力が比較的大きいため、第1クラッチC1にて発生する発熱量が多くなってしまう。そのため、このような場合には、油圧サーボC−1に対する作動油圧Pc1(第1クラッチC1に対する作動油圧)を更に減圧させることにより、第1クラッチにて発生する摩擦を低減させる。したがって、車両停止時のニュートラル制御中において、第1クラッチC1にて発生する発熱量を低減させ、第1クラッチC1の耐久性の低下を抑制できる。
(2)また、作動油圧Pc1を更に減圧させることにより、トルクコンバータ12の負荷を低減できる。そのため、車両停止時におけるエンジン10の燃費の向上に確実に貢献できると共に、車両停止時における車両の振動の低減に貢献できる。
(3)また、上記のように油圧サーボC−1に対する作動油圧Pc1を減圧しても、第1クラッチC1の半係合状態が維持される。そのため、その後にアプライ制御が実行された場合に、第1クラッチC1を、該第1クラッチC1が完全に解放状態にある場合に比して速やかに係合状態にすることができる。
(4)一般に、インニュートラル制御中でも、エンジン回転数Neと入力軸回転数Nc1との差回転Nが徐々に大きくなってしまうことがある。そこで、本実施形態では、インニュートラル制御中において、油圧サーボC−1に対する作動油圧Pc1が安定した時点での差回転Nが油圧変動後差回転Naに設定される。その後、油圧サーボC−1に対する作動油圧Pc1が安定したと判定された時点から設定時間KT2(所定周期)毎に差回転Nが検出され、該検出結果が安定後差回転Nsに設定される。そして、安定後差回転Nsが第1差回転閾値KN1を超えると共に、油圧変動後差回転Naと安定後差回転Nsとの減算結果の絶対値が第3差回転閾値KN3を超えた場合には、第1クラッチC1での摩擦力が大きくなってきたと判断し、油圧サーボC−1に対する作動油圧Pc1を減圧させる。したがって、車両停止時にニュートラル制御を実行することにより、第1クラッチC1にて発生する発熱量の低減に貢献できる。
(5)油圧サーボC−1に対する作動油圧Pc1が安定状態になったと判定される前において差回転N(即ち、油圧変動前差回転Nb)が第1差回転閾値KN1を超えた場合には、油圧サーボC−1に対する作動油圧Pc1が第2油圧D2よりも減圧量の多い第1油圧D1だけ減圧される。そのため、インニュートラル制御が開始された状態で油圧変動前差回転Nbが比較的高い場合には、第1の態様で油圧サーボC−1に対する作動油圧Pc1が減圧されることにより、第1クラッチC1にて発生する発熱量を確実に低減できる。
(6)一方、油圧サーボC−1に対する作動油圧Pc1が安定状態になったと判定された後で、安定後差回転Nsが第1差回転閾値KN1を超えると共に、油圧変動後差回転Naと安定後差回転Nsとの減算結果の絶対値が第3差回転閾値KN3を超えた場合には、油圧サーボC−1に対する作動油圧Pc1を少しだけ減圧させれば、第1クラッチC1での摩擦力を十分に低下させることが可能である。そのため、この場合には、第1油圧D1よりも減圧量の少ない第2油圧D2だけ減圧される。したがって、このような場合においても第1油圧D1だけ作動油圧Pc1を減圧させる場合とは異なり、必要最低限度だけ作動油圧Pc1を減圧することにより第1クラッチC1で高くなってきた摩擦力を低減することができる。
(7)一般に、作動油の油温Tfが比較的高い場合の差回転Nの大きさと油圧サーボC−1に対する作動油圧Pc1との関係は、油温Tfによって作動油の特性が変化してしまうため、作動油の油温Tfが比較的低い場合の差回転Nの大きさと油圧サーボC−1に対する作動油圧Pc1との関係と異なる。そこで、本実施形態では、差回転Nの大きさと油圧サーボC−1に対する作動油圧Pc1との関係がほぼ同一である場合(即ち、Tf>KTfである場合)にのみ、インニュートラル制御中での油圧サーボC−1に対する作動油圧Pc1の調圧制御が実行される。そのため、油圧サーボC−1に対する作動油圧Pc1の調圧制御が実行されることにより、所望する効果を確実に得ることができる。
(8)また、作動油の油温Tfが比較的低い(例えば、Tf=「30°」である)場合、第1クラッチC1にて発生する摩擦力が大きいとしても、該摩擦に基づき発生した熱は、作動油に放熱される。そのため、作動油の油温Tfが比較的低い場合には、作動油圧Pc1を減圧しなくても、第1クラッチC1にて発生した熱が第1クラッチC1に蓄積されることを抑制できる。
(9)本実施形態では、ステップS29の処理が実行された場合には、該ステップS29の処理後に新たに検出された差回転Nが油圧変動後差回転Na(初期差回転)に設定される。そのため、その後の変化量流体圧減圧ステップ(ステップS41)の実行タイミングを、差回転流体圧減圧ステップ(ステップS29)の実行後の差回転を基準とするため、より正確なタイミングに設定できる。
なお、本実施形態は以下のような別の実施形態に変更してもよい。
・実施形態において、油温閾値KTfは、「80°」以外の任意の値(例えば「70°」)であってもよい。
・実施形態において、ステップS30−3では、各ステップS28,S29のうち何れの処理が実行された場合であっても、ステップS24で設定した油圧変動前差回転Nbを油圧変動後差回転Na(即ち、初期差回転)に設定してもよい。このように構成すると、ステップS29の処理の実行後に検出された差回転Nを油圧変動後差回転Naに設定する場合とは異なり、その後のステップS41の実行により、作動油圧Pc1が第1クラッチC1を半係合状態で維持可能な油圧領域よりも低くなってしまうことを抑制できる。すなわち、第1クラッチC1が解消状態になってしまうことを抑制できる。
ここで、第1クラッチC1が解消状態になってしまうと、以下に示すような問題点が発生するおそれがある。すなわち、差回転Nをある目標値まで大きくさせる場合には、解消状態にある第1クラッチC1を半係合状態に戻すべく、第1クラッチC1に対する作動油圧Pc1を増圧させる必要がある。そして、第1クラッチC1が半係合状態になった場合には、この際の振動が車体を通じて運転手に伝わってしまうおそれがある。また、第1クラッチC1が半係合状態になったことが確認できてから、第1クラッチC1に対する作動油圧Pc1の調圧制御が実行されることになるため、第1クラッチC1の半係合状態が維持される場合に比して調圧制御が完了するまでに多大に時間がかかってしまう。その点、この別の実施形態では、上記のような問題の発生を抑制できる。
・実施形態において、ステップS41では、作動油圧Pc1を第1油圧D1だけ減圧させるようにしてもよい。また、ステップS41では、ステップS39の判定結果が肯定判定である場合、安定後差回転Nsと油圧変動後差回転Naとの減算結果の絶対値が大きいほど、作動油圧Pc1の減圧量が多くなるようにしてもよい。
・実施形態において、ステップS29では、ステップS26の判定結果が肯定判定である場合、油圧変動前差回転Nbが大きいほど、作動油圧Pc1の減圧量が多くなるようにしてもよい。
・実施形態において、ステップS34以降の処理を実行しなくてもよい。すなわち、ステップS31の判定結果が肯定判定である場合には、ブレーキスイッチSW1が「オン」である間、作動油圧Pc1を維持し続けるようにしてもよい。このように構成しても、インニュートラル制御開始後に油圧変動前差回転Nbが第1差回転閾値KN1を超えた場合には、作動油圧Pc1が減圧される。そのため、ニュートラル制御の実行によって第1クラッチC1にて発生する摩擦力を良好に低減できる。
・実施形態において、ステップS26〜S29の各処理を実行しなくてもよい。このように構成しても、インニュートラル制御中において、安定後差回転Nsが第1差回転閾値KN1を超えると共に、油圧変動後差回転Naと安定後差回転Nsとの減算結果の絶対値が第3差回転閾値KN3を超えた場合には、作動油圧Pc1が減圧される。そのため、ニュートラル制御の実行によって第1クラッチC1にて発生する摩擦力を良好に低減できる。
・実施形態において、油圧変動前差回転Nbは、インニュートラル制御が開始された時点からストロークエンド確認処理が終了した後において作動油圧Pc1が減圧されるまでの間であれば、任意のタイミングで設定されてもよい。
・実施形態において、第1クラッチC1の係脱を、作動油以外の他の流体(例えば、気体)の圧力を調圧制御することにより実行してもよい。
・実施形態では、自動変速機11を、他の自動変速機(例えば、前進4段後進1段の自動変速機)に具体化してもよい。また、自動変速機11を、変速機構にベルトが設けられてなる無段式変速機に具体化してもよい。
・実施形態において、自動変速機11は、電気自動車やハイブリッド車両に搭載してもよい。この場合、電気自動車やハイブリッド車両の駆動源となるモータが、原動機として機能することになる。
本実施形態の自動変速機を示すスケルトン図。 各変速段における各クラッチ及び各ブレーキの作動表。 第1クラッチの係脱制御に関係する部分の油圧制御回路を示す模式図。 電気的構成を示すブロック図。 ニュートラル制御処理ルーチンを説明するフローチャート。 インニュートラル制御処理ルーチンを説明するフローチャート(前半部分)。 インニュートラル制御処理ルーチンを説明するフローチャート(後半部分)。 インニュートラル制御中において作動油圧が変動するタイミングを示すタイミングチャート。 インニュートラル制御中において作動油圧が変動するタイミングを示すタイミングチャート。
符号の説明
10…原動機としてのエンジン、11…自動変速機、12…回転伝達機構としてのトルクコンバータ、13,14…変速機構、50…制御手段、差回転検出手段、温度検出手段としてのECU、C1…入力クラッチとしての第1クラッチ、e…速度比、KN1…第1差回転閾値、KN3…変化量閾値としての第3差回転閾値、KTf…温度閾値としての油温閾値、N…差回転、Nc1…出力側回転数としての入力軸回転数、Nb…初期差回転としての油圧変動前差回転、Ne…入力側回転数としてのエンジン回転数、Ns…安定後差回転、Tf…流体の温度としての油温。

Claims (7)

  1. 車両に搭載された原動機の回転を変速機構に伝達するための回転伝達機構と、該回転伝達機構から伝達された回転を断・接制御するための入力クラッチとを備える自動変速機の制御装置であって、
    車両が停止状態である場合に、前記入力クラッチに対する流体圧を減圧させ、係合状態にあった該入力クラッチを半係合状態にするニュートラル制御を実行する制御手段を備え、該制御手段は、前記ニュートラル制御中において前記入力クラッチの半係合状態を維持するインニュートラル制御を実行する自動変速機の制御装置において、
    前記回転伝達機構の入力側回転数と出力側回転数との差回転を検出する差回転検出手段をさらに備え、
    前記差回転検出手段は、前記インニュートラル制御中において前記入力クラッチに対する流体圧を一定圧に保持する制御が開始されてからの差回転を初期差回転として検出すると共に、前記入力クラッチに対する流体圧を一定圧に保持する制御の実行に基づき前記入力クラッチに対する流体圧が実際に安定状態になったと判定された時点から予め設定された所定周期毎の差回転を安定後差回転として検出するようになっており、
    前記制御手段は、前記入力クラッチに対する流体圧が実際に安定状態になったと判定した後に、前記差回転検出手段によって検出された安定後差回転が予め設定された差回転閾値を超えると共に、前記初期差回転と前記安定後差回転との減算結果が前記差回転閾値よりも小さい値に予め設定された変化量閾値を超えた場合に、前記入力クラッチに対する流体圧を減圧させる自動変速機の制御装置。
  2. 車両に搭載された原動機の回転を変速機構に伝達するための回転伝達機構と、該回転伝達機構から伝達された回転を断・接制御するための入力クラッチとを備える自動変速機の制御装置であって、
    車両が停止状態である場合に、前記入力クラッチに対する流体圧を減圧させ、係合状態にあった該入力クラッチを半係合状態にするニュートラル制御を実行する制御手段を備え、該制御手段は、前記ニュートラル制御中において前記入力クラッチの半係合状態を維持するインニュートラル制御を実行する自動変速機の制御装置において、
    前記回転伝達機構の入力側回転数と出力側回転数との差回転を検出する差回転検出手段をさらに備え、
    前記差回転検出手段は、前記インニュートラル制御中において前記入力クラッチに対する流体圧を一定圧に保持する制御が開始されてからの差回転を初期差回転として検出すると共に、前記入力クラッチに対する流体圧を一定圧に保持する制御の実行に基づき前記入力クラッチに対する流体圧が実際に安定状態になったと判定された時点から予め設定された所定周期毎の差回転を安定後差回転として検出するようになっており、
    前記制御手段は、
    前記入力クラッチに対する流体圧が実際に安定状態になったと判定する前に、前記差回転検出手段によって検出された差回転が予め設定された差回転閾値を超えた場合に、前記入力クラッチに対する流体圧を第1の態様で減圧させる一方、
    前記入力クラッチに対する流体圧が実際に安定状態になったと判定した後に、前記差回転検出手段によって検出された安定後差回転が前記差回転閾値を超えると共に、前記初期差回転と前記安定後差回転との減算結果が前記差回転閾値よりも小さい値に予め設定された変化量閾値を超えた場合に、前記入力クラッチに対する流体圧を第2の態様で減圧させる自動変速機の制御装置。
  3. 前記第1の態様は、前記第2の態様に基づき前記入力クラッチに対する流体圧を減圧させる場合に比して、該流体圧の減圧量が多くなるように設定されている請求項2に記載の自動変速機の制御装置。
  4. 前記入力クラッチに対して流体圧を発生させるための流体の温度を検出するための温度検出手段をさらに備え、
    前記制御手段は、前記インニュートラル制御中において前記入力クラッチに対する流体圧を一定圧に保持する制御が実行中であると共に前記温度検出手段によって検出された流体の温度が予め設定された温度閾値よりも高温である場合において、前記差回転検出手段によって検出された差回転が前記差回転閾値を超えた場合に、前記入力クラッチに対する流体圧を減圧させる請求項1又は請求項2に記載の自動変速機の制御装置。
  5. 車両に搭載された原動機の回転を変速機構に伝達するための回転伝達機構と、該回転伝達機構から伝達された回転を断・接制御するための入力クラッチとを備える自動変速機の制御方法であって、
    車両が停止状態である場合に、係合状態にある前記入力クラッチを半係合状態にするニュートラル制御を実行させるための自動変速機の制御方法において、
    車両が停止状態である場合に、係合状態にある前記入力クラッチを半係合状態すべく前記入力クラッチに対する流体圧を減圧させるリリース制御を実行するリリースステップと、
    該リリースステップの実行後に前記入力クラッチが半係合状態であるか否かを確認し、該入力クラッチが半係合状態にあることが確認された場合に、前記入力クラッチに対する流体圧を一定圧に保持させるインニュートラル制御を実行するインニュートラルステップと、
    前記インニュートラル制御中において前記入力クラッチに対する流体圧を一定圧に保持する制御の実行中に前記回転伝達機構の入力側回転数と出力側回転数との差回転を検出し、該検出結果が予め設定された差回転閾値を超えた場合に、前記入力クラッチに対する流体圧を減圧させる流体圧減圧ステップとを有し、
    前記流体圧減圧ステップには、
    前記インニュートラル制御中において前記入力クラッチに対する流体圧を一定圧に保持する制御が開始された状態で前記入力クラッチに対する流体圧が実際に安定状態になったと判定される前の差回転が前記差回転閾値を超えた場合に、前記入力クラッチに対する流体圧を減圧させる差回転流体圧減圧ステップと、
    前記インニュートラル制御中において前記入力クラッチに対する流体圧を一定圧に保持する制御が開始されてから前記入力クラッチに対する流体圧が実際に安定状態になったと判定される前の差回転が前記差回転閾値以下である場合には、該差回転を初期差回転に設定する一方、前記入力クラッチに対する流体圧が実際に安定状態になったと判定される前の差回転が前記差回転閾値を超えた場合には、前記差回転流体圧減圧ステップの実行後に検出された差回転を初期差回転に設定する初期差回転設定ステップと、
    該初期差回転設定ステップの実行後、前記入力クラッチに対する流体圧が実際に安定状態なったと判定された時点から予め設定された所定周期毎に検出された差回転を安定後差回転に設定する安定後差回転設定ステップと、
    該安定後差回転設定ステップにて設定した安定後差回転が前記差回転閾値を超えると共に、前記初期差回転と前記安定後差回転との減算結果が前記差回転閾値よりも小さい値に予め設定された変化量閾値を超えた場合に、前記入力クラッチに対する流体圧を減圧させる変化量流体圧減圧ステップと
    が含まれている自動変速機の制御方法。
  6. 車両に搭載された原動機の回転を変速機構に伝達するための回転伝達機構と、該回転伝達機構から伝達された回転を断・接制御するための入力クラッチとを備える自動変速機の制御方法であって、
    車両が停止状態である場合に、係合状態にある前記入力クラッチを半係合状態にするニュートラル制御を実行させるための自動変速機の制御方法において、
    車両が停止状態である場合に、係合状態にある前記入力クラッチを半係合状態すべく前記入力クラッチに対する流体圧を減圧させるリリース制御を実行するリリースステップと、
    該リリースステップの実行後に前記入力クラッチが半係合状態であるか否かを確認し、該入力クラッチが半係合状態にあることが確認された場合に、前記入力クラッチに対する流体圧を一定圧に保持させるインニュートラル制御を実行するインニュートラルステップと、
    前記インニュートラル制御中において前記入力クラッチに対する流体圧を一定圧に保持する制御の実行中に前記回転伝達機構の入力側回転数と出力側回転数との差回転を検出し、該検出結果が予め設定された差回転閾値を超えた場合に、前記入力クラッチに対する流体圧を減圧させる流体圧減圧ステップとを有し、
    前記流体圧減圧ステップには、
    前記インニュートラル制御中において前記入力クラッチに対する流体圧を一定圧に保持する制御が開始された状態で前記入力クラッチに対する流体圧が実際に安定状態になったと判定される前の差回転が前記差回転閾値を超えた場合に、前記入力クラッチに対する流体圧を減圧させる差回転流体圧減圧ステップと、
    前記インニュートラル制御中において前記入力クラッチに対する流体圧を一定圧に保持する制御が開始されてから前記入力クラッチに対する流体圧が実際に安定状態になったと判定される前の差回転が前記差回転閾値以下である場合には、該差回転を初期差回転に設定する一方、前記入力クラッチに対する流体圧が実際に安定状態になったと判定される前の差回転が前記差回転閾値を超えた場合にも、該差回転を初期差回転に設定する初期差回転設定ステップと、
    該初期差回転設定ステップの実行後、前記入力クラッチに対する流体圧が実際に安定状態なったと判定された時点から予め設定された所定周期毎に検出された差回転を安定後差回転に設定する安定後差回転設定ステップと、
    該安定後差回転設定ステップにて設定した安定後差回転が前記差回転閾値を超えると共に、前記初期差回転と前記安定後差回転との減算結果が前記差回転閾値よりも小さい値に予め設定された変化量閾値を超えた場合に、前記入力クラッチに対する流体圧を減圧させる変化量流体圧減圧ステップと
    が含まれている自動変速機の制御方法。
  7. 車両に搭載された原動機の回転を変速機構に伝達するための回転伝達機構と、該回転伝達機構から伝達された回転を断・接制御するための入力クラッチとを備える自動変速機の制御方法であって、
    車両が停止状態である場合に、係合状態にある前記入力クラッチを半係合状態にするニュートラル制御を実行させるための自動変速機の制御方法において、
    車両が停止状態である場合に、係合状態にある前記入力クラッチを半係合状態すべく前記入力クラッチに対する流体圧を減圧させるリリース制御を実行するリリースステップと、
    該リリースステップの実行後に前記入力クラッチが半係合状態であるか否かを確認し、該入力クラッチが半係合状態にあることが確認された場合に、前記入力クラッチに対する流体圧を一定圧に保持させるインニュートラル制御を実行するインニュートラルステップと、
    前記インニュートラル制御中において前記入力クラッチに対する流体圧を一定圧に保持する制御の実行中に前記回転伝達機構の入力側回転数と出力側回転数との差回転を検出し、該検出結果が予め設定された差回転閾値を超えた場合に、前記入力クラッチに対する流体圧を減圧させる流体圧減圧ステップとを有し、
    前記流体圧減圧ステップには、
    前記インニュートラル制御中において前記入力クラッチに対する流体圧を一定圧に保持する制御が開始された状態で検出された差回転を初期差回転に設定する初期差回転設定ステップと、
    該初期差回転設定ステップの実行後、前記入力クラッチに対する流体圧を一定圧に保持する制御の実行に基づき前記入力クラッチに対する流体圧が実際に安定状態なったと判定された時点から予め設定された所定周期毎に検出された差回転を安定後差回転に設定する安定後差回転設定ステップと、
    該安定後差回転設定ステップにて設定した安定後差回転が前記差回転閾値を超えると共に、前記初期差回転と前記安定後差回転との減算結果が前記差回転閾値よりも小さい値に予め設定された変化量閾値を超えた場合に、前記入力クラッチに対する流体圧を減圧させる変化量流体圧減圧ステップと
    が含まれている自動変速機の制御方法。
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