JP5131052B2 - 磁気エンコーダー - Google Patents

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Description

本発明は、磁気エンコーダー及びその製造方法、さらにその磁気エンコーダー付きの転がり軸受装置に関する。
特開2001−241435号公報
一般に、自動車のハブユニットには車輪の回転速度を検出する回転速度検出装置(回転検出装置)が取り付けられている。その回転検出装置は、例えば自動車のアンチロックブレーキシステム(ABS)の情報入力手段として用いられる。例えば回転検出装置は、ハブユニットの内輪側に固定される環状の磁気エンコーダーと、この磁気エンコーダーの周方向の一部区間と対面する形で外輪側に固定されるセンサーとを有し、車輪の回転に伴い内輪と共に一体回転する磁気エンコーダーの回転変化をセンサーによって検出するように構成されたものが知られている(特許文献1参照)。
ところで、上記のような磁気エンコーダーには、磁性材料の粉末(例えばフェライトパウダー)をゴムに混ぜて固められた、いわゆるゴム磁石と称されるものが使用される傾向があった。この場合、磁気エンコーダーは、内輪に嵌装される金属スリンガに対し加硫接着により固定されるが、近年、ゴムを主成分とするものではなく、より弾性変形能の低い樹脂や金属を主材料とする磁石に材料変更する要望がある。
しかしながら、樹脂ないし金属を主材料として構成される磁気エンコーダー(磁性体)は、当然従来のように簡易に可能な加硫接着ができるはずもない。同様に簡易に可能なインサート成形等によって一体成形するにも、両材料間の線膨張係数差が大きいため冷却・固化時に収縮して隙間が生じてしまう可能性がある。従って、金属スリンガに対し位置ずれ等が生じないようより安定的に保持されるための新たな構造が求められていた。
また、樹脂ないし金属を主材料として構成される磁気エンコーダー(磁性体)は、異物の表面接触により磨耗や傷がつきやすいという課題も有する。磁気エンコーダーが使用される環境や、あるいはその製造過程等において、異物が直接的に付着したり衝突したりすると、上記のような表面劣化が生じてセンシング精度の低下を招いたりする場合がある。また、磁気エンコーダーをスリンガに対し接着剤等で取り付ける際には、通常は専用の組み付け治具等を用いて、一定以上の位置決め精度を確保するようにする。ところが、この場合、磁気エンコーダーの主表面(センサー検知面)を押圧することになるため、そこに傷が生じる可能性が生じるし、治具を使う分だけ作業性が落ちる点も課題となる。
本発明の課題は、別体形成された環状磁性体、特に樹脂ないし金属を主材料として構成される環状磁性体を、外部からの異物の影響を受けにくい形で、なおかつ安定的に保持される形でスリンガ側に固定される磁気エンコーダーを提供することにある。
課題を解決するための手段及び発明の効果
上記課題を解決するために、本発明の磁気エンコーダーは、
環状支持体と、周方向で磁気特性が交互に変化するよう磁化された環状磁性体と、環状磁性体を外部空間から切り離された密閉空間内に閉じ込めた状態に保持した形で環状支持体に接着固定される磁性体保護部とを備えることを特徴とする。
この構成によれば、環状磁性体の全露出面が、磁性体保護部、あるいは磁性体保護部と環状支持体とによって覆われるので、該環状磁性体が異物と接触することがなく、長期にわたり安定的なセンシングが可能となる。
これに加え、本発明の磁性体保護部は、環状磁性体の環状支持体とは逆側にて該環状磁性体を被覆する磁性体正面被覆部を含む磁性体主被覆部と、環状磁性体の双方の側方が被覆されるよう各々が該環状磁性体を挟んで対向する形で磁性体主被覆部側に延出するとともに、一方が該環状磁性体の第一側の側方位置を規定し、他方が該環状磁性体の第二側の側方位置を規定する対をなす側方位置決め部を有し、環状支持体に接着固定される環状支持体固定部との別体の二部材が、接着固定により一体化されたものであることを特徴とする。
環状磁性体のセンサー検知面(正面)の、センサーとの対向位置関係はセンサーのセンシング精度に影響を与える。上記構成によると、環状磁性体は、対をなす側方位置決め部に挟まれる形で安定的に位置決めされるから、組み付け位置精度が増し、高精度のセンシングが可能となる。また、上記本発明の構成によれば、これらの従来の場合に比べ、固定後の環状支持体や環状磁性体の姿勢をより適切なものとできる。従来の場合、環状支持体(スリンガ)と環状磁性体との固定は、接着剤による面同士の接着や、環状磁性体を環状支持体に圧入する形でなされてきた。つまり、従来の場合、環状磁性体は、センサー検知面を比較的と強い一定以上の力で押圧する形で環状支持体に固定されるため、この環状磁性体(特に樹脂製や金属製の場合)は、その押圧力によってセンサー検知面(正面)に傷等ができる可能性があった。これを解消するために専用の組み付け治具等を使う方法があるが、結局のところ治具であってもセンサー検知面を押圧することに変わりはないし、治具を使う分、作業性が落ちる。これに対し上記本発明の構成によれば、そうした治具によって環状磁性体のセンサー検知面を押圧する必要がなくなるから、センサー検知面に傷が生じる可能性を大幅に減じることができる。また、磁性体主被覆部は、環状支持体固定部とともに環状磁性体を内方可能な形状で形成されているので、磁性体主被覆部を環状支持体固定部に接着固定する際にも、環状磁性体のセンサー検知面を押圧して傷等が生じる可能性が少ない。
また、この位置規制部は、環状磁性体を仮配置させる磁性体仮配置部とすることもできる。これにより、環状支持体固定部及び磁性体主被覆部を密着固定する際には、環状磁性体を磁性体仮配置部に仮配置した状態のまま、それら環状支持体固定部及び磁性体主被覆部を接着固定することにより、内部に形成される密閉空間内に、仮配置されていた磁性体がそのまま収容される。したがって、磁性体が内包された状態をより容易に形成することが可能な構造となる。
特に、環状磁性体が、磁性材料を含有する熱可塑性樹脂からなる樹脂製の磁性体又は鉄粉を磁性材料と共に焼結させた金属製の磁性体のいずれかである場合には、そうした傷への配慮が従来のゴム磁石の場合よりもさらに必要となるので、上記のような構成はより重要となる。
一方、本発明の磁気エンコーダーは、金属製の環状支持体と、磁性材料を含有する熱可塑性樹脂からなる樹脂製の磁性体又は鉄粉を磁性材料と共に焼結させた金属製の磁性体のいずれかであって周方向で磁気特性が交互に変化するよう磁化された環状磁性体と、ゴム材料からなり、環状磁性体よりも弾性率が高く、かつ環状磁性体に比べ環状支持体への加硫接着性に優れるとともに、環状磁性体を外部空間から切り離された密閉空間内に閉じ込めた状態に保持した形で環状支持体に加硫接着される磁性体保護部と、を備えることを特徴とすることができる。
上記構成によれば、金属製の環状支持体と、樹脂製又は金属製の環状磁性体とが、ゴム材料を介して固定されている。これにより、両者の線膨張係数差がゴムの弾性で吸収されるため、両者は安定した接着固定状態となる。また、環状磁性体が従来のゴム製のものからより弾性率の低い樹脂製又は金属製のものに変更されたにもかかわらず、従来と同様、簡易に可能な加硫接着を利用する形で金属製の環状支持体に固定できるため、新たな一体化固定方法を検討する必要がない。さらには、樹脂製又は金属製の環状磁性体の全露出面が、磁性体保護部、あるいは磁性体保護部と環状支持体とで覆われる構成となっているので、磁性体が異物と接触することがなく、長期にわたり安定的なセンシングが可能となる。
なお、上記のように加硫接着による固定方法を採用する構成においては、環状磁性体が、金属製の環状支持体に対し加硫接着によって一体固定し難い材料からなることが前提である。さらにいえば、加硫接着が不向きな材料からなるこの環状磁性体を、加硫接着を使用する形で環状支持体に固定する方法として考案されたものである。そして、その結果、本発明では、この加硫接着が不向きな材料からなる環状磁性体を、加硫接着による一体固定がよりし易い材料からなる磁性体保護部によって包み込む形で位置保持する形態とし、この形態の磁性体保護部を金属製の環状支持体に対し加硫接着によって一体固定させている。従って、本発明の環状磁性体は、上記した樹脂製又は金属製のものに限らず、少なくとも磁性体保護部よりも加硫接着によって固定され難いものであれば、上記本発明の効果を達成できる。逆に、本発明の磁性体保護部も、ゴム材料に限られず、環状磁性体よりも加硫接着によって固定され易いものであれば、上記本発明の効果を達成できる。なお、本発明でいう樹脂とは、ゴム(エラストマーを含む)を含まないものとして使用されるものとする。
上記本発明において、環状磁性体は、背面が環状支持体に密着する形で被覆される一方で、正面を含む残余の露出面全てが磁性体保護部により被覆され、密閉空間が、環状支持体と磁性体保護部とにより形成された構成とできる。この構成によると、磁性体保護部となるゴム材料を減じることができる。
この場合、磁性体保護部は、環状支持体上の、環状磁性体の密着領域の周辺領域に対し固定されるようにできる。さらには、環状支持体は板状端部を有する形で構成できる。例えば、環状支持体の全体を板状部材、さらにはこれに曲げ形成などを施してなるものとすることができ、こうした場合、その板状の端部の主表面上に、環状磁性体の密着領域と、磁性体保護部の固定領域とを設けるだけでなく、磁性体保護部が、当該板状端部の端面を越えて主裏面に回り込む形で形成されていてもよい。これにより、磁性体保護部は、環状支持体に対しより安定的に固定保持される。さらに、磁性体保護部は、板状端部の主裏面上に対しても加硫接着されるようにすることで、環状支持体に対しより安定的に固定保持される。さらには、板状端部の端面においても加硫接着されるようにすることで、環状支持体に対しより安定的に固定保持される。
上記本発明において、環状磁性体は、その露出面全てが磁性体保護部により被われるように形成することができる。この場合、磁性体保護部は、環状磁性体の露出面全てを被う一方で、その一部の外表面が環状支持体に接着固定されるように形成することができる。これにより、磁性体が磁性体保護部により完全に保護される一方で、磁性体の背面側(環状支持体側)にも回り込んでいるので、環状支持体との接着固定領域を広くとることができ、両者をより安定的に固定することができる。なお、磁性体保護部がゴム材料である場合には、環状支持体に対する接着固定として、上記したような加硫接着固定を採用できる。
この場合、磁性体保護部は、環状磁性体を閉じ込める密閉空間を形成する内壁面の一部を有し、かつ環状支持体に固定される外表面を有した環状支持体固定部と、密閉空間を形成する残余の内壁面を有するよう環状支持体固定部とは別体に形成され、環状磁性体を密閉空間内に閉じ込めた後に、該環状支持体固定部に対し接着固定(例えば加硫接着)される磁性体主被覆部と、を備える形で構成することができる。この構成によると、磁性体保護部は、複数の部材により環状磁性体を挟み込む形で組み付けられるので、該磁性体が内包された状態を容易に形成することができる。
また、磁性体保護部は、環状磁性体の環状支持体側にて該環状磁性体を被覆する磁性体背面被覆部と、環状磁性体の環状支持体とは逆側にて該環状磁性体を被覆する磁性体正面被覆部と、それらの一方の端部同士を連結する形で環状磁性体の一方の側方を被覆する第一の側方被覆部と、同じくそれらの他方の端部同士両端を連結する形で環状磁性体の他方の側方を被覆する第二の側方被覆部とを有して形成することができる。そして、この磁性体保護部は、それら両側方被覆部において二分される二部材が一体化されたものであり、磁性体背面被覆部を含む環状支持体固定部(環状支持体側)と、磁性体正面被覆部を含む磁性体主被覆部(環状支持体とは逆側)とを有した構成とすることができる。磁性体保護部は、両側方被覆部において二分されることで、二分された少なくとも一方に、環状磁性体の正面側から背面側に延出してその側方の一部又は全体を被覆する延出部が形成されるから、この部分を上記の側方位置決め部及び磁性体仮配置部とすることが可能となる。
なお、上記した全ての構成において、密閉空間内に内包される環状磁性体の周方向位置を規定するために、当該密閉空間を形成する内壁部に周方向係合部を形成する一方で、環状磁性体にも、当該係合部に対し係合することで自身の周方向の位置決めがなされる周方向係合部を形成することができる。この構成により、環状磁性体が、環状支持体ないしは磁性体保護部に対しより安定的に保持され、センシング精度の信頼性を増すことができる。
ところで、本発明の磁気エンコーダーは、環状に形成された第一のスリンガと第二のスリンガとが互いに同心をなして対向配置され、それら第一及び第二のスリンガの一方に一体化されたシール部材が他方のスリンガに向けて延出しており、それらシール部材と他方のスリンガとが協働してシール機能を発揮するシール装置を備える形で構成することができ、この場合、第一のスリンガを環状支持体とすることができる。この構成によると、シール装置と一体化した磁気エンコーダーを形成することができ、上記効果と、シール装置のシール機能との双方を達成することが可能となる。
また、本発明の磁気エンコーダーは、転がり軸受装置に適用することもできる。転がり軸受装置は、車両インナー側の車両固定部材に接続される外輪と、外輪と同心的に配置され、車輪に接続される内輪と、内輪と外輪との間に介在される転動体と、を備えて構成されており、上記磁気エンコーダーは、内輪と同心をなして一体回転可能に固定することができる。これにより、上記した磁気エンコーダーの利点を有した転がり軸受装置が得られる。
さらに、この磁気エンコーダーが、上記したシール装置と一体化した磁気エンコーダーであった場合、シール装置は、内輪の外周に第一のスリンガが嵌装され、かつ外輪の外周又は内周に第二スリンガが嵌装される形で、内輪と外輪との間の転動体配置空隙のアキシャル方向端部側に取り付けられる。そして、第一のスリンガに密着固定される磁性体保護部は、転動体配置空隙の外部空間に臨む形で位置する構成となる。これにより、上記した磁気エンコーダーの効果と、シール装置のシール機能との双方を達成することが可能な転がり軸受装置が得られる。この場合、磁性体保護部は、外輪ないし車両固定部材に固定されるABSセンサーに対し、環状磁性体の周方向の一部区間が対向するよう内輪側に固定される。
また、本発明の磁気エンコーダーの製造方法は、上記した磁気エンコーダーを製造する方法であって、環状支持体に環状支持体固定部を接着固定する環状支持体固定工程と、環状支持体固定部の対をなす側方位置決め部の双方の間に挟み込む形で、環状磁性体を該環状支持体固定部に嵌め込む磁性体嵌め込み工程と、環状磁性体が嵌め込まれた環状支持体固定部に対し、磁性体主被覆部を所定の接着固定位置に位置決めする磁性体主被覆部位置決め工程と、環状支持体固定部と磁性体主被覆部とを接着固定する磁性体保護部形成工程と、を有することを特徴とする。この製造方法によれば、環状磁性体を、環状支持体固定部の対をなす側方位置決め部の双方の間に挟み込む形で嵌め込むことで、該環状磁性体が高い精度で位置決めされる。嵌め込むだけなので、従来のように環状磁性体のセンサー検知面を押圧するようなことはせずとも、高精度の位置決めが簡易に可能となる。また、対をなす側方位置決め部の双方の間に挟み込まれた該環状磁性体の位置決め状態は、該環状磁性体の仮配置状態として保持されるので、この状態のまま磁性体主被覆部を接着固定することで磁性体保護部を形成することができ、形成後の環状磁性体がそれ以前に位置合わせされた位置からずれ難い。また、磁性体主被覆部は、環状支持体固定部とともに、環状磁性体を内方可能な形状で形成されているので、この磁性体主被覆部を環状支持体固定部に接着固定する際に、仮配置状態のまま内包される環状磁性体(特にセンサー検知面)に押圧力が加わることがなくて済む。
上記の磁気エンコーダーの製造方法の具体的な手順としては、該環状支持体固定工程と、磁性体嵌め込み工程と、磁性体主被覆部位置決め工程と、磁性体保護部形成工程とがこの順で行うようにすることができる。
また、これとは違う手順としては、磁性体嵌め込み工程と、磁性体主被覆部位置決め工程と、磁性体保護部形成工程と、がこの順でなされるとともに、磁性体保護部形成工程と同時に環状支持体固定工程が行われるようにすることができる。環状支持体と環状支持体固定部、さらに環状支持体固定部と磁性体主被覆部とでは、接着固定方向がそれぞれ同じであるから、両者を接着固定する場合には、接着するための押圧力を全て同一方向に作用させればよく、環状支持体と磁性体主被覆部とを挟むよう押圧すれば、一度の押圧で接着固定を完了できる。。また、環状支持体と環状支持体固定部、さらに環状支持体固定部と磁性体主被覆部の双方の接着固定を加硫接着で行う場合は、一回の熱処理で接着固定を完了できる。
以下、本発明の実施の形態につき図面に示す実施例を参照して説明する。図1は、本発明に係る磁気エンコーダー付き転がり軸受装置の取付状態の断面図、図2は、同装置の回転検出装置の部分拡大図である。図1において、磁気エンコーダー付き転がり軸受装置1は、固定輪としての外輪2aと、回転輪としての内輪2bと、該内輪2bと外輪2aとの間に介在される複数列で配列される転動体2cから構成される転がり軸受2を備えている。
転がり軸受2は車両における懸架装置の車両インナー側のナックル、アクスルハウジングなどの車両固定部材3の取付口3aに接続される。この接続は転がり軸受2の外輪2aを取付口3a内に挿入して嵌装するとともに、外輪2aから外方へ突設されるフランジ部2dをボルト・ナットなどのファスナー2eを介して車両固定部材3の取付口3aの周辺面(車両アウター側)に固定させている。
転がり軸受2の内輪2bはハブ4と接続されている。ハブ4は車両アウター側に車輪(図示せず)を装着するためのハブボルト4aを有している。ハブ4の車両インナー側には、転がり軸受2の内輪2bに圧入嵌装される圧入軸部4bを有しており、該圧入軸部4bを内輪2bに圧入してハブ4を内輪2bとともに回転可能に設けている。ハブ4は、ドライブシャフト5に対しスプライン結合され、ドライブシャフト5の一端側をハブ4の圧入軸部4bに形成される挿通孔4cに通し、この端部にナット6を螺合することにより固定されている。
転がり軸受2の車両インナー側端部には、車輪の回転変化を検出する回転検出装置7が取付られている。回転検出装置7は、図2、3に示すように、転がり軸受2の内輪2bと外輪2aとの間を外部から密封するための密封装置部8と、磁気エンコーダー部9と、該磁気エンコーダー部9の回転による磁気変化を検出するABSセンサー14と、を備えた複合構造となしている。なお、本発明の磁気エンコーダーは、磁気エンコーダー部9のみならず密封装置部(場合によっては、そのうちの内輪2bへの固定部材のみ)8を備えた構成とされている。
密封装置部8は、図2、3に示すように、内輪2bの外周に嵌装される環状の金属スリンガ(以下、スリンガと称する)8bと、外輪2aの外周若しくは内周に嵌装(本例では内周に圧入)される環状の金属スリンガ(以下、スリンガと称する)8aからなり、該スリンガ8aに加硫接着され、スリンガ8bに摺動自在に接触するゴム状弾性体からなるシール部材8cを備え、それらスリンガ8b,8aとを、外輪2aと内輪2bとに振り分けて嵌装され、互いが同心をなす形で対向配置される。
スリンガ8aは、外輪2aの軸方向Z内方側(車両アウター側)に向けて延設される筒部8a1と、該筒部8a1の軸方向Z内方側(車両アウター側)の端部から径方向X内方側に折り曲がって延設される壁部8a2とを、板金材によって屈曲形成させている。この筒部8a1は外輪2aの内周に圧入嵌装される部位である。スリンガ8aは、筒部8a1を外輪2aの内周に押し込むようにして圧入嵌装することにより外輪2aに組み付けられる。スリンガ8aは、金属板材(例えばSUS430,SPCC等)のプレス加工で製作できるため、加工コストが安価となる。
スリンガ8bは、内輪2bの軸方向Z内方側に延設されて、内輪2bの外周に圧入嵌装される筒部8bと、該筒部8b1の軸方向Z外方側の端部から折り曲がって径方向X外方側に延設される壁部8bと、を板金材によって屈曲形成させている。この壁部8bは、磁気エンコーダー部9を固定する部位である。スリンガ8bは、筒部8b1を外輪2aの内周に押し込むようにして圧入嵌装することにより外輪2aに組み付けられる。スリンガ8bは、金属板材(例えばSUS430,SPCC等)のプレス加工で製作できるため、加工コストが安価となる。
また、スリンガ8aには、シール部材8cが一体化されており、スリンガ8bと協働して接触方式のシール機能を発揮している。ここでのシール部材8cはゴム状弾性体として形成され、スリンガ8aのスリンガ8b側の主表面に加硫接着されて一体化される。このシール部材8cには、ゴム状弾性体の一部を、軸方向Z外方や、その軸方向Zと交差する方向の内方に突出させたシールリップ部8c1を備えている。
このシールリップ部8c1は、その先端がスリンガ8bの壁部8b2に摺接する軸方向Zのシールとなすアキシャルリップ8c2と、先端がスリンガ8bの筒部8b1に摺接する軸方向Zと交差する方向のシールとなすラジアルリップ8c3,8c4とを有し、スリンガ8bとシール部材8cとが協働して接触方式のシール機能を発揮させている。
磁気エンコーダー部9は、図3に示すように、筒状に形成され、異なる極性の磁極(N極,S極)が周方向Yに交互並ぶようにして形成される。そして、磁気エンコーダー部9は、スリンガ8bの一部として壁部8b2の軸方向Z外方側の外周に互いに同心をなす形で固定されている。
図4は、図3(b)のA−A断面図である。この磁気エンコーダー部9は、図5に示すような環状磁性体(ここでは円盤状)13と、該環状磁性体13が外部空間から切り離された密閉空間内に閉じ込めた状態に保持されるようスリンガ8bに加硫接着される磁性体保護部10と、を備えて形成されている。符号10d1は加硫接着層である。
環状磁性体13は、環状磁性体13よりも弾性変形能が劣り、かつ環状磁性体13に比べ金属部材への加硫接着性に劣る材料からなる磁性体であって、周方向で磁気特性(N極,S極)が交互に変化するよう磁化されたものである。具体的には、磁性材料を含有する熱可塑性樹脂からなる樹脂製の磁性体又は金属粉を磁性材料と共に焼結された金属製の磁性体のいずれかである。本実施形態においては、プラスチックであるナイロンに、磁性粉末であるフェライトを練りこんだ後、磁化されたプラスチック製の磁性体である。なお、環状磁性体13を構成する樹脂材料としては、ナイロンの他にもエンジニアリングプラスチック等がある。金属粉を用いる場合には、鉄の他にもケイ索鋼やセンダスト、パーマイト等を使用することができる。磁性材料としては、フェライトの他にもネオジムやサマリウム等を使用することができる。
磁性体保護部10は、ゴム材料(エラストマーを含む)からなり、環状磁性体13よりも弾性変形能が高く、かつ環状磁性体13に比べ金属部材のへの加硫接着性に優れる。本実施形態においては、加硫接着性に優れるゴム材料としてNBRを使用している。なお、本実施形態の磁性体保護部10は非磁性である。
また、磁性体保護部10は、環状磁性体13の背面側(スリンガ8b側)にて該環状磁性体13を密着する形で被覆する磁性体背面被覆部10dと、環状磁性体13の正面側(スリンガ8bとは逆側)にて該環状磁性体13を密着する形で被覆する磁性体正面被覆部10aと、それらの一方の端部同士(ここでは径方向Xにおける外方端部同士)を連結する形で環状磁性体13の一方の側方を密着する形で被覆する外周側側方被覆部10bと、同じくそれらの他方の端部同士と(ここでは径方向Xにおける内方端部同士)を連結する形で環状磁性体の他方の側方を被覆する内周側側方被覆部10cとを有して形成されている。つまり、環状磁性体13の全露出面が被覆されており、外部からの異物が環状磁性体13に接触することはできないようになっている。
また、磁性体保護部10は、その一部の外表面がスリンガ8bに加硫接着されている。本実施形態では、磁性体背面被覆部10dがスリンガ8bと加硫接着されており、そのスリンガ8b側表面に加硫接着層10d1が形成されている。一方、この磁性体保護部10は、図2に示すように、転動体配置空隙C3の外部空間C2に臨む形で位置し、外輪2a側(ここでは車両固定部材3(ナックル))に対しボルト等の締結により固定されるABSセンサー14に対し、環状磁性体13の周方向の一部区間が対向するよう内輪2b側(ここではスリンガ8bの壁部8b2の軸方向X外方の面)に密着している。
ABSセンサー14は、磁気エンコーダー部9の回転による磁気変化を検出する検出体(図示せず)を、樹脂モールドによってパケージングして、その断面形状を矩形状となした簡素な柱状にセンサー本体14aが形成されている。なお、ABSセンサー14から車両に搭載されたECUへ接続する信号ケーブルは、軸方向Zへ引き出される形態となしている(図示なし)。なお、ABSセンサー14は、外輪2aや該外輪2aと一体回転可能に組み付けられるスリンガ8a等に固定することもできる。
なお、本発明のABSセンサー(回転検知部)は、上記のものに限られるものではない。少なくとも内輪の車両インナー側端部に取り付けられる被検知部とその外を覆うカバー部材(キャップ部)に取り付けられる検知部とが非接触対向の形で配置されるものであれば、他の周知のセンサーを用いることも可能である。例えば、アクティブセンサではなくパッシブセンサを用いてもよく、環状磁性体も、センサー対向面において周方向に凹凸を繰り返す形状を有した磁性材料からなる環状のギア部材(ギアローター)としてもよい。
次に、磁気エンコーダー部9及び密封装置部8からなる磁気エンコーダー部材19の製造方法について説明する。図6は、磁気エンコーダー部材19の製造方法を示している。
磁性体保護部10は、環状磁性体13を閉じ込める密閉空間を形成する内壁面の一部12a2を有し、かつスリンガ8bに固定される外表面12a3を有したスリンガ固定部(環状支持体固定部)12と、該密閉空間を形成する残余の内壁面11a2を有する形でスリンガ固定部12とは別体に形成され、環状磁性体13を該密閉空間内に閉じ込める形で、該スリンガ固定部12に対し加硫接着される磁性体主被覆部11との、別体の二部材が一体化されてなる。
さらにいえば、スリンガ固定部12及び磁性体主被覆部11の一方又は双方は、環状磁性体13を仮配置させる磁性体仮配置部を設けた形で形成されている。本実施形態においては、磁性体保護部10が両側方被覆部10b、10cにおいて、その中間で二分される構成を有しており、磁性体背面被覆部10dを含む側がスリンガ固定部12、磁性体正面被覆部10aを含む側が磁性体主被覆部11とされており、分断された両側方被覆部10b、10cを形成する突出部12b、12c及び11b,11cを側方位置決め部ないしは磁性体仮配置部とすることができる。また、本実施形態においては、スリンガ8bの壁部(磁気エンコーダー部の固定部)8b2とスリンガ固定部12、スリンガ固定部12と環状磁性体13、環状磁性体13と磁性体主被覆部11、スリンガ固定部12と磁性体主被覆部11とは、全てアキシャル方向に対向している。
まずは、図6(a)に示すように、スリンガ8bの壁部8b2にスリンガ固定部12をアキシャル方向に接触させる形で位置決めし、加硫接着する(環状支持体固定工程)。これにより、スリンガ固定部12の壁部8b2側に加硫接着層10d1が形成される。
次に、図6(b)に示すように、固定されたスリンガ固定部12に環状磁性体13をアキシャル方向に接近させて、磁性体仮配置部12b、12c(いずれか一方でもよいし、磁性体主被覆部11の磁性体仮配置部11b,11cのいずれか又は双方を用いてもよい)の間に挟み込む形で環状磁性体13を仮配置する(磁性体嵌め込み工程)。ここでは、スリンガ固定部12の径方向Xにおける中間領域に形成された環状の溝に環状磁性体13を挟み込む形で嵌め込み、仮配置する。
その上で、図6(c)に示すように、磁性体主被覆部11をスリンガ固定部12の所定位置にアキシャル方向に接触させる形で配置する(磁性体主被覆部位置決め工程)。その上で、これら磁性体主被覆部11とスリンガ固定部12とを加硫接着する。ここでは、突出部12b、12c及び11b,11cの突出先端面をつき合わせる形で配置し、その状態で加硫接着がなされる(磁性体保護部形成工程)。これにより、図6(d)に示すように、両者の接触領域に加硫接着層10b1,10c1が形成される。そして、このようにして形成された磁気エンコーダー部材19が、後に内輪2bに対し嵌装される。
以上、本発明の実施形態を説明したが、これらはあくまで例示にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。以下、上記実施形態を第一実施形態とし、それとは異なる実施形態について説明する。なお、同様の構造については同一の符号を付することでその説明を省略する。
例えば、上記実施形態においては、接着固定を全て加硫接着により行うようになっているが、例えば接着剤を用いた接着固定等にすることもできる。また、この場合、各種パーツ(スリンガ8b、磁性体主被覆部11、スリンガ固定部12、環状磁性体13)も、加硫接着にこだわる材料選択でなくともよい。
上記実施形態においては、図6に示すように、磁気エンコーダー部9及び密封装置部8からなる磁気エンコーダー部材を、スリンガ2bに対し順に各部材を組みつけていく形で製造されているが、例えば、図7に示すように製造することで、その工数を短縮できる。図7の場合、環状磁性体13が予め形成されていることは上記実施形態と同じであるが、図7(a)に示すように、まずは磁性体主被覆部11とスリンガ固定部12との双方を、環状磁性体13を内包した状態にて接触保持する。具体的にいえば、スリンガ固定部12に環状磁性体13をアキシャル方向に接近させ、磁性体仮配置部12b、12c(いずれか一方でもよいし、磁性体主被覆部11の磁性体仮配置部11b,11cのいずれか又は双方を用いてもよい)の間に挟み込む形で環状磁性体13を仮配置する(磁性体嵌め込み工程)。その上で、磁性体主被覆部11をスリンガ固定部12の所定位置にアキシャル方向に接触させる形で配置する(磁性体主被覆部位置決め工程)。さらにこの内方状態の磁性体主被覆部11とスリンガ固定部12とを、図7(b)に示すように、スリンガ2bに接触保持する(環状支持体位置決め工程)。そして、この状態で加硫接着を同時に行う(磁性体保護部形成工程と環状支持体固定工程:加硫接着工程)。これにより、図7(c)に示すように、加硫接着層10d1、10b1,10c1を同時に形成することができる。なお、図7(a)の状態で先に、磁性体主被覆部11とスリンガ固定部12との加硫接着を行っておいてもよい。
なお、図7では、加硫接着による固定を行っているが、接着剤による固定であってもよい。この場合、スリンガ2bとスリンガ固定部12、さらにスリンガ固定部12と磁性体主被覆部11とでは、接着固定方向がそれぞれ同じであるから、それらを接着固定する場合には、それぞれの間に接着剤を塗布して、接着するための押圧力を全て同一方向(ここではアキシャル方向)に作用させればよい。スリンガ2bと磁性体主被覆部11とを挟むよう押圧するだけで接着固定が完了する。
また、上記実施形態においては、磁性体保護部10の磁性体主被覆部11とスリンガ固定部12とは、2つの側方被覆部10b、10cの中央で分断された形で形成されているが、少なくとも磁性体仮配置部が形成される形態であれば、別の位置で二分された形状であってもよい。例えば、双方が断面L字状の部材であってもよい。また、2部材ではなく、3以上の部材を加硫接着させて形成されるものであってもよい。ただし、磁性体仮配置部は、組み付け性の観点からスリンガ固定部12に形成されることが望ましい。
また、上記実施形態においては、磁性体保護部10と、これに内方される環状磁性体13との周方向位置は、両者の接触により生じる摩擦によりなされているが、より確かな位置規制を行うために、磁性体保護部10と環状磁性体13とに、互いに係合する係合部を設け、それらの係合により周方向の位置決めがされるように構成してもよい。例えば、磁性体保護部10と環状磁性体13といずれか一方に周方向において1以上の係合凹部を設け、他方にも周方向においてこれと係合する1以上の凸部を設け、これらによる周方向双方への当接により互いの周方向における相対的な位置移動を規制することができる。図8はその一例であり、磁性体保護部10に係合凹部10eが、環状磁性体13に係合凸部13eが形成されている。こうした係合部は、磁性体保護部10と環状磁性体13との双方に、それぞれ複数設けられ、かつそれぞれが対称性を有する位置関係にて形成されていることが望ましい。
また、この場合、例えば、環状磁性体13を、センサー対向面において周方向に凹凸を繰り返す形状(例えば、周方向に所定間隔おきに貫通窓部が形成される形状等)を有した磁性材料からなる環状のギア部材(ギアローター)とすれば、環状磁性体13の外周面には必然的に係合部(環状磁性体側係合部)が形成されるので、磁性体保護部10の内周面に当該環状磁性体側係合部に係合する係合部(磁性体保護部側係合部)を形成しておけば、周方向の位置決めを行うことができる。
また、上記実施形態においては、磁性体保護部10全体が非磁性体として形成されているが、磁性体主被覆部11は、磁性材料を含有するゴム材料からなり、周方向で磁気特性が交互に変化するよう磁化された環状磁性体とされていてもよい。磁力低下を補うことができ、ABSセンサー14での検出精度を高めることができる。
ところで、本発明においては、上記実施形態のように、磁性体保護部10によって、環状磁性体13の全露出面が被覆される形で構成されている。ところが、別の実施形態として、環状磁性体13の全露出面を被覆するために、その一部の被覆をスリンガ8bに依存する構成がありうる。
例えば、環状磁性体13は、その背面がスリンガ8bに密着する形で被覆される一方で、正面を含む残余の露出面全てが磁性体保護部10により被覆され、内包される密閉空間が、スリンガ8bと磁性体保護部10とにより形成された構成であってもよい。この場合、磁性体保護部10は、スリンガ8b上の、環状磁性体13の密着領域の周辺領域に対し固定される例えば、図9や図10に示すように形成することができる。
図9では、スリンガ8b2の主表面8b21上に、環状磁性体13の密着領域8b22と、磁性体保護部10の固定領域8b23とが設けられている。さらに、磁性体保護部10は、環状磁性体13の正面側(スリンガ8b2とは逆側)にて該環状磁性体13を密着する形で被覆する磁性体正面被覆部10aと、該被覆部10aの一方の端部(ここでは径方向Xにおける外方端部)から延出してその延出先端面がスリンガ8b2に加硫接着されるとともに環状磁性体13の一方の側方を密着する形で被覆する外周側側方被覆部10bと、同じく該被覆部10aの他方の端部(ここでは径方向Xにおける内方端部)から延出してその延出先端面がスリンガ8b2に加硫接着されるとともに環状磁性体の他方の側方を密着する形で被覆する内周側側方被覆部10cとを有して形成されている。さらに、側方被覆部10bから延出してスリンガ8b2の先端面8b24を密着する形で被覆するスリンガ先端被覆部10fと、スリンガ先端被覆部10fからさらに延出してスリンガ8b2の主裏面8b25を密着する形で被覆するスリンガ裏面被覆部10gとを有して形成されている。つまり、磁性体保護部10には、板状部8b2の端部8b2の先端面8b4を越えて主裏面8b25に回り込む回り込み被覆部10f、10gが形成されている。これにより、磁性体保護部10は、スリンガ8bに対しより安定的に固定保持される。さらに、磁性体保護部10は、主裏面8b25に対しても加硫接着されており、さらには、先端面8b24においても加硫接着されているので、スリンガ8bに対しより安定的に固定保持されている。なお、主裏面8b25への回り込み構造や、主裏面8b25との加硫接着構造は、他の実施形態においても適用することができる。
図10では、図9と同様に、スリンガ8bの板状部8b2の端部の主表面8b21上に、環状磁性体13の密着領域8b22と、磁性体保護部10の固定領域8b23とが設けられ、磁性体正面被覆部10aと、外周側側方被覆部10bと、内周側側方被覆部10cとを有して形成されることは共通するが、スリンガ8bの先端からもう一方のスリンガ8aに向けて接近するアキシャルリップ10lが形成されており、スリンガ8aとアキシャルリップ10lとが協働して接触方式のシール機能を発揮させている。本実施形態においては、外周側側方被覆部10bからスリンガ8aに向けて延出し、当該スリンガ8aに先端が摺接するアキシャルリップ10lが形成されており、転動体配置空間C3をより確実にシールしている。なお、このアキシャルリップ10lを有した構造は、他の実施形態においても適用することができる。なお、上記した主裏面8b25への回り込み構造や、主裏面8b25との加硫接着構造とともに実施することにより、摺動するアキシャルリップ10lを有した磁性体保護部10を、スリンガ8bに安定的に固定保持できる。
また、上記全実施形態においては、ABSセンサー14と磁気エンコーダーブb9とは軸方向Xにて対向配置する構成となっているが、径方向Xにて対向配置する構成であってもよい。
本発明に係る磁気エンコーダー付き転がり軸受装置の取付状態の断面図。 図1の回転検出装置の部分拡大断面図。 図1の回転検出装置の部分分解図。 図2の回転検出装置の部分拡大断面図。 環状磁性体の斜視図。 磁気エンコーダーの製造方法を説明する図。 磁気エンコーダーの、図6とは異なる製造方法を説明する図。 図4とは異なる形態を有する回転検出装置の部分拡大断面図。 図4、8とは異なる形態を有する回転検出装置の部分拡大断面図。 図4,8,9とは異なる形態を有する回転検出装置の部分拡大断面図。
符号の説明
2a 外輪
2b 内輪
2c 転動体
8 密封装置部(シール装置)
8a スリンガ
8b スリンガ(環状支持体)
9 磁気エンコーダー部
10 磁性体保護部
11 磁性体主被覆部
12 スリンガ固定部(環状支持体固定部)
13 環状磁性体
14 ABSセンサー

Claims (2)

  1. 環状支持体と、周方向で磁気特性が交互に変化するよう磁化された環状磁性体と、前記環状磁性体を外部空間から切り離された密閉空間内に閉じ込めた状態に保持した形で前記環状支持体に接着固定される磁性体保護部とを備え、
    前記磁性体保護部は、前記環状磁性体の前記環状支持体とは逆側にて該環状磁性体を被覆する磁性体正面被覆部を含む磁性体主被覆部と、前記環状磁性体の双方の側方が被覆されるよう各々が該環状磁性体を挟んで対向する形で前記磁性体主被覆部側に延出するとともに、一方が該環状磁性体の第一側の側方位置を規定し、他方が該環状磁性体の第二側の側方位置を規定する対をなす側方位置決め部を有し、前記環状支持体に接着固定される環状支持体固定部との別体の二部材が、接着固定により一体化されたものであることを特徴とする磁気エンコーダー。
  2. 前記磁性体保護部は、前記環状磁性体の露出面全てを被う形で形成されており、該磁性体保護部の一部の外表面が前記環状支持体に接着固定されている請求項1記載の磁気エンコーダー。
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