JP5127346B2 - ビス(4−オキソシクロヘキシル)化合物及びそれから誘導されるテトラキスフェノール化合物 - Google Patents
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Description
さらに詳しくは、本発明は、中心骨格に1,3−フェニレンビスアルキレン基を有するビス(4−オキソシクロヘキシル)及びそのビス(4−オキソシクロヘキシル)の両末端のオキソ基に各々2つのフェニル基が結合した構造をもつテトラキスフェノール化合物に関する。
本発明で得られたビス(4−オキソシクロヘキシル)化合物は、医薬品原料、工業薬品原料、エポキシ樹脂、イミド樹脂、フェノール樹脂等の樹脂原料、又は酸化防止剤等の中間原料として有用であり、また、上記ビス(4−オキソシクロヘキシル)化合物から誘導される、テトラキスフェノール化合物は、感光性レジスト材料、感光性ポリイミド材料、感光性透明樹脂絶縁膜材料、フェノール樹脂、エポキシ樹脂の原料や硬化剤等として有用である。
また、それらのビス(4−オキソシクロヘキシル)化合物から誘導されるテトラキスフェノールとしては、4,4,4’,4’−テトラ(4−ヒドロキシフェニル)ビシクロヘキシル2,2−ビス[4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキシル]プロパン、2,2−ビス[4,4−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキシル]プロパン、2,2−ビス[4,4−ビス(2−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキシル]プロパン等が知られている(特開2000−34248号公報、特開昭49−250号公報)。しかしながら、これらはいずれも、アルキリデンビス(シクロヘキシル)骨格又はビシクロヘキサン骨格を有するものである。
一方、テトラキスフェノールにおいては、このような中心骨格を有する化合物は、いずれも融点が高く、溶媒等への溶解性が劣るため、例えば、感光性レジスト組成物用途等において、耐熱性、耐水性を維持しつつ、溶媒への溶解性の改良が望まれている。
また、このようなテトラキスフェノール化合物の原料化合物となり得る、中心骨格に、対応する1,3−フェニレンビスアルキル基を持つ新規なビス(4−オキソシクロヘキシル)化合物を見出し、本発明を完成した。
(式中、Xは、炭素原子数1〜8の2価の飽和炭化水素基を示し、R1は、炭素原子数1〜8のアルキル基を示し、nは0〜4の整数を示す。)で表されるビス(4−オキソシクロヘキシル)化合物が提供される。
(式中、R2及びR3は、各々独立して水素原子又は炭素原子数1〜8のアルキル基を示し、R1、X及びnは、一般式(1)のそれと同じである。)で表されるテトラキスフェノール化合物が提供される。
そして、本発明で得られた化合物は従来の高価なロジウムカーボン触媒(特開昭62−281832号公報等)に比べて安価なパラジウムカーボンを用いて、比較的穏和な条件下、原料のビス(4−オキソシクロヘキシル)類の製造が容易に行えるので、工業的な実施に有利である。
また、シクロヘキシルアルキル基を(1,4−位ではなく、)非対称な1,3−位に結合させることによって、溶剤への溶解性の向上をはかることができた。
さらに、本発明の原料化合物の新規なビス(4−オキソシクロヘキシル)化合物も、本発明の新規なテトラキスフェノール化合物と同様に、フェニレン基の1,3−位置に結合したアルキル基を介してシクロヘキサン環が2つ結合した骨格を有するジオキソ化合物であるので、各種化学品の中間体化合物として使用した場合、融点が低く、溶媒に対する高い溶解性を有し、また、耐熱性、耐水性、可撓性の向上が期待でき、本発明のテトラキスフェノール化合物の原料として有用である
従って、本発明の新規なテトラキスフェノール化合物、及び本発明の新規なビス(4−オキソシクロヘキシル)化合物は、感光性レジスト材料、感光性ポリイミド材料、感光性透明樹脂絶縁膜材料、フェノール樹脂、エポキシ樹脂の原料や硬化剤、感熱記録材料に用いられる顕色剤や退色防止剤等として、又はこれらの原料又は原料中間体として好適に用いることができる。
上記一般式(1)においてXは、炭素原子数1〜8の2価の飽和単価水素基を示し、具体的には、メチレン基、エチリデン基、プロパン−2−イリデン基、プロパン−1−イリデン基、ペンタン−3−イリデン基、2−メチルプロパン−1−イリデン基、2−メチルブタン−1−イリデン基、n−ペンタン−1−イリデン基等の直鎖状又は分枝鎖状のアルキリデン基、エチレン基、1,2−プロピレン基等の直鎖状又は分枝鎖状のアルキレン基であり、Xとしては、下記一般式(3)のアルキリデン基が好ましい。
式中、R4及びR5は各々独立して水素原子又は炭素原子数1〜4のアルキル基を示し、但し、R4とR5の炭素原子数の和は0〜7の整数を示す。
上記炭素原子数1〜4のアルキル基としては、具体的には、メチル基、エチル基、直鎖状又は分岐鎖状のプロピル基、ブチル基を示し、メチル基、エチル基等の1級又は2級アルキル基が好ましい。
1,3−ビス[1−メチル−1−(3−メチル−4−オキソシクロヘキシル)エチル]ベンゼン、
1,3−ビス[1−メチル−1−(2,3,5−トリメチル−4−オキソシクロヘキシル)エチル]ベンゼン、
1,3−ビス[(4−オキソシクロヘキシル)メチル]ベンゼン、
1,3−ビス[(3−メチル−4−オキソシクロヘキシル)メチル]ベンゼン、
1,3−ビス[1−(2−メチル−4−オキソシクロヘキシル)エチル]ベンゼン、
1,3−ビス[1−メチル−1−(2,5−ジメチル−4−オキソシクロヘキシル)エチル]ベンゼン、
1,3−ビス[2−メチル−2−(2−メチル−4−オキソシクロヘキシル)エチル]ベンゼン、
1,3−ビス[1−エチル−1−(2−メチル−4−オキソシクロヘキシル)エチル]ベンゼン、
1,3−ビス[1−エチル−1−(2−メチル−4−オキソシクロヘキシル)プロピル]ベンゼン、
1,3−ビス[1−イソプロピル−1−(2−メチル−4−オキソシクロヘキシル)ブチル]ベンゼン
等が挙げられる。
(式中、X、R1及びnは一般式(1)のそれと同じである。)
1,3−ビス〔1−メチル−1−(4−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼン、1,3−ビス〔1−メチル−1−(2−メチル−5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼン、1,3−ビス〔1−メチル−1−(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼン、1,3−ビス〔1−メチル−1−(2,3,5−トリメチル−4−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼン、1,3−ビス〔(4−ヒドロキシフェニル)メチル〕ベンゼン、1,3−ビス〔(2,3,5−トリメチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル〕ベンゼン等を挙げることができる。
また、このような上記一般式(3)で表され、Xがアルキリデン基であるビスフェノール類は、特開平9−143115号公報、特開2001−58968号公報等に記載の方法により、例えば、1,3−ジ(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ベンゼンのような1,3−ジ(1−ヒドロキシアルキル)ベンゼンに塩化水素ガス等の酸触媒の存在下、過剰のフェノール類を反応させる方法により、容易に得ることができる。
一般式(3)で表されるビスフェノール類が1,3−ビス〔1−メチル−1−(4−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼンである場合の、上記2段反応により対応するビス(4−オキソシクロヘキシル)を得る製造方法を下記に反応式(反応式3)で示す。
水素化反応において、水素添加に用いられる水素化触媒としては、収率よく反応するものであれば特に制限はないが、例えば、ラネー触媒、貴金属触媒、貴金属担持触媒、貴金属錯体触媒等が挙げられる。これらの貴金属触媒に用いられる貴金属としては、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、白金(Pt)、金(Au)、銀(Ag)等が挙げられるが、好ましくはロジウムである。また、貴金属担持触媒に用いられる担持体としては、カーボン、アルミナ、シリカ等が挙げられる。
また、上記反応式2の一段反応で用いられるアルカリ金属含有パラジウム触媒としては、触媒金属活性成分としてのパラジウムと助触媒成分としてのアルカリ金属の双方を担体に担持したものであり、担体としては、カーボン及びアルミナが好ましく、アルカリ金属成分としては、具体的には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩などが挙げられ、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウムが好ましい。
水素化反応は、好ましくは、溶媒の存在下に行われる。用いられる溶媒としては、原料を溶解して、反応を阻害しないものであれば特に制限はないが、エタノール、2−ブタノール、2−プロパノール等の脂肪族アルコールが好ましい。溶媒量としては、通常、原料ビスフェノール100重量部に対して50〜1000重量部の範囲、好ましくは100〜300重量部の範囲である。反応温度としては、通常、20〜200℃の範囲、好ましくは100〜150℃の範囲である。また、反応圧力(水素圧)は、通常、常圧〜10MPa程度、好ましくは0.1〜5MPaの範囲である。このような反応条件において、水素化反応は、通常、2〜40時間程度で完結する。
上記酸化反応に用いられる酸化剤又は酸化触媒としては、収率よく反応するものであれば特に制限はないが、例えば、銅酸化物、銅−クロム酸化物、銅−亜鉛酸化物等の銅系酸化触媒、次亜塩素酸、次亜臭素酸等の次亜ハロゲン酸又はその塩等が挙げられる。好ましくは、次亜ハロゲン酸又はその塩であり、用いられる酸化剤の量としては、通常、中間原料のビス(4−ヒドロキシシクロキサン)類1モル部に対し、2〜4モル倍の範囲である。
酢酸等の有機カルボン酸を次亜ハロゲン化酸又はその塩と併用するのが、反応を短時間で完結できる理由でさらに好ましく、用いられる有機カルボン酸の量は、次亜ハロゲン化酸又はその塩1モルに対して1〜2モル倍である。
また、反応温度は、通常、0〜100℃の範囲 好ましくは20〜50℃の範囲である。
このような反応条件において、酸化反応は、通常、0.1〜5時間程度で完結する。
必要に応じてさらに精製が必要な場合は、このような再結晶を複数回繰り返しても良い。
式中、R2及びR3は、各々独立して水素原子又は炭素原子数1〜8のアルキル基を示し、具体的には、メチル基、エチル基、炭素原子数3〜8の直鎖状、分岐鎖状のプロピル、ブチル、ペンチル、オクチル等のアルキル基、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル等のシクロアルキル基等が挙げられる。これらのうち好ましくは炭素原子数1〜4のアルキル基である。また、R2とR3の両方がアルキル基の場合少なくとも一つが1級または2級アルキル基であることが好ましい。
また、nが1のときR1の置換位置は2−位が好ましく、nが2のときR1の置換位置は2−位および6−位が好ましい。
1,3−ビス{1−メチル−1−[4,4−ビス(3−エチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキシル]エチル}ベンゼン、
1,3−ビス{1−メチル−1−[4,4−ビス(3−イソプロピル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキシル]エチル}ベンゼン、
1,3−ビス{1−メチル−1−[4,4−ビス(3−sec−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキシル]エチル}ベンゼン、
1,3−ビス{1−メチル−1−[4,4−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキシル]エチル}ベンゼン、
1,3−ビス{1−メチル−1−[4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルシクロヘキシル]エチル}ベンゼン、
1,3−ビス{1−メチル−1−[4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2,5−ジメチルシクロヘキシル]エチル}ベンゼン、
1,3−ビス{1−メチル−1−[4,4−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルシクロヘキシル]エチル}ベンゼン、
1,3−ビス{[4,4−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキシル]メチル}ベンゼン、
1,3−ビス{[4,4−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−2―メチルシクロヘキシル]メチル}ベンゼン、
1,3−ビス{1−メチル−1−[4,4−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−2,3,5−トリメチルシクロヘキシル]エチル}ベンゼン、
1,3−ビス{2−メチル−2−[4,4−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキシル]エチル}ベンゼン、
1,3−ビス{1−エチル−1−[4,4−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルシクロヘキシル]エチル}ベンゼン、
1,3−ビス{1−エチル−1−[4,4−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルシクロヘキシル]プロピル}ベンゼン、
1,3−ビス{1−イソプロピル−1−[4,4−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルシクロヘキシル]ブチル}ベンゼン、
等が挙げられる。
従って、本発明によるテトラキスフェノール化合物の製造方法において、原料のビス(4−オキソシクロヘキシル)化合物と共に用いられる原料のフェノール類としては、下記一般式(4)
(式中、R2及びR3は、一般式(2)のそれと同じである。)
で表わされるフェノール類であり、具体的には、例えば、フェノール、o−クレゾール、2,6−キシレノール、2−イソブチルフェノール、2−シクロペンチルフェノール、2−シクロヘキシルフェノール、2−sec−ブチルフェノール、2−t−ブチルフェノール、2−イソプロピルフェノール、2−エチルフェノール、2−シクロヘキシル−6−メチルフェノール等が挙げられる。
フェノール類とビス(4−オキソシクロヘキシル)との反応において、反応溶媒は用いてもよく、また、用いなくてもよい。しかしながら、原料及び酸触媒が均一に溶解できない場合、又は、反応液の粘度が高い等の理由で十分攪拌できない場合は、溶媒を用いることが好ましい。反応溶媒としては、メタノール、n−ブタノール、t−ブタノール、シクロヘキサノール等の低級脂肪族アルコール類、トルエン、キシレン、ベンゼン等の芳香族炭化水素類、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ペンタン等の飽和炭化水素類を挙げることができ、これらの内では、メタノール等の炭素原子数1〜4の低級脂肪族アルコール類が好ましい。
このような溶媒は、通常、用いるフェノール類1重量部に対して、0.1〜10重量倍の範囲、好ましくは0.5〜2重量倍で用いられるが、これに限定されるものではない。
このような酸触媒は、通常、ビス(4−オキソシクロヘキシル)に対して5wt%〜100wt%の範囲で用いられ、また、乾燥塩化水素ガスの場合は、好ましくは、反応系内を飽和させる量において用いられる。
反応温度は、通常、0〜60℃の範囲、好ましくは10〜40℃の範囲である。このような反応条件において、反応は、通常、1〜20時間程度、好ましくは1〜10時間程度で完結する。
反応終了後、得られた反応終了混合物から目的物を精製するには、公知の方法を適宜用いることができる。例えば、反応終了混合物に水酸化ナトリウム水溶液等のアルカリ水を加え、中和する。中和後、水層を分離除去するために必要に応じてトルエン、キシレン、メチルイソブチルケトン又はエーテル等の水と分離可能な溶媒を加え、その後、水層を分離すると共に得られた油層を水洗し、次いで、必要に応じて溶媒や原料フェノール類を留去した後、これに適宜の晶析溶媒を添加し、晶析又は沈析させ、ろ過することによって、結晶体、又は非結晶体(アモルファス体)として目的物を得ることができる。また、テトラキスフェノール化合物によっては、フェノール類又は晶析に用いた溶媒との付加物結晶として得ることもできる。
また、得られた目的生成物が低沸点化合物(溶媒)との付加物結晶(アダクト結晶)の場合には、減圧下、100〜200℃程度で付加物結晶を熱で分解し、付加した化合物(溶媒)を除去して精製してもよい。
さらに、得られた目的生成物が結晶体又は個体状(非結晶体)として得られない場合は、上記得られた反応混合物を、蒸留等で原料フェノール類除去した後、その蒸留残渣として、目的物の粗製物を得ることができ、又は、カラム分離法等でも高純度品を得ることができる。
1L容量のSUS製オートクレーブに1,3−ビス〔1−メチル−1−(4−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼン(以下BisP-Mと略称)266.0g(0.768モル)、川研ファイン製5%Pd/C(ADタイプ)2.5g、2−ブタノール400gを仕込み、オートクレーブ内部を水素で置換した後、攪拌しながら135℃に昇温した。その後、反応温度135℃、水素圧0.25MPaを保持しながら13時間反応をおこなった。
反応液をガスクロマトグラフィー分析した結果、その組成値(Area%)は、ビス(4−オキソシクロヘキシル)化合物が71.8%、1−(1−メチル−1−(4−ヒドロキシシクロヘキシル)エチル)−3−(1−メチル−1−(4−オキソシクロヘキシル)エチル)ベンゼンが26.3%、1,3−ビス(1−メチル−1−(4−ヒドロキシシクロヘキシル)エチル)ベンゼンが1.5%であった。
反応終了後、触媒を濾別し、濾液を蒸留し、溶媒を留出させ、除去した。 得られた蒸留残渣267gにメチルイソブチルケトン400g、酢酸20.5gを加えて溶解させた後、室温で10%次亜塩素酸水溶液233.0gを1.5時間かけて滴下し、滴下終了後、室温で1時間、酸化反応をおこなった。
反応終了後、反応終了混合液に16%水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和し、水層を分液除去した。得られた油層に水を加えて攪拌後、水層を分液除去した。得られた油層に同様の水洗操作を2回行った。その後、溶媒を蒸留により除去した後、残渣にヘプタン266gを加えて加熱溶解して、晶析し、結晶を析出させた。
析出した結晶を濾別、乾燥して純度99%(ガスクロマトグラフィー分析法)、融点100〜101℃(DSC法)の淡黄色結晶232.0g(原料のBisP-Mに対する収率84モル%)を得た。
プロトンNMR分析及び液体クロマトグラフィー質量分析により目的物であることを確認した。
プロトンNMR分析結果(400MHz、溶媒:DMSO-d6、基準物質:テトラメチルシラン)
1Lのガラス製四つ口フラスコにメタノール33.0g、ドデシルメルカプタン4.2gを仕込み、塩酸ガスでフラスコ内を置換した。その後、実施例1で得られた1,3−ビス(1−メチル−1−(4−オキソシクロヘキシル)エチル)ベンゼン(以下4H-BPMと略称)70.9g (0.200モル)に フェノール225.8g(2.40モル)とメタノール113gを加えて溶解した混合液をこの溶液に塩酸ガスの吹き込みを続けながら攪拌下1.5時間かけて滴下した。滴下中、反応液を25〜30℃に保持した。滴下終了後、塩酸ガス吹き込みを続けながら25〜30℃で1時間反応を続けたところで結晶が析出し、反応液が固化したためトルエン316gとメタノール45gを加えた。その後さらに塩酸ガス吹き込みを続けながら4時間反応を続けた。
反応終了後、反応液に16%水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和し、70℃に昇温して水層を分離した。得られた油層に水を加えて攪拌して水洗した後、水層を分離した。得られた油層から溶媒を留去した後、フェノールを減圧蒸留することにより回収し、残った蒸留残渣に酢酸エチル278gとシクロヘキサン139gの混合液を添加して加熱溶解し、晶析した。析出した結晶を濾別して粗結晶約200gを得た。
得られた粗結晶を2−プロパノールとメタノールの混合液で再晶析した後、冷却、ろ過して、減圧下、180℃で乾燥し、純度99.1%(HPLC分析法)の透明固体(非結晶体)71.0g(原料の4H-BPMに対する収率54%)を得た。液体クロマトグラフィー質量分析及びプロトンNMR分析より目的物であることを確認した。
ガラス転移温度 137.3℃(示差走査熱量計による)融点は認められなかった。
プロトンNMR分析結果(400MHz、溶媒:DMSO-d6、基準物質:テトラメチルシラン)
1Lのガラス製四つ口フラスコにo−クレゾール108.0g、メタノール26.6g、ドデシルメルカプタン4.4gを仕込み、塩酸ガスでフラスコ内を置換した。その後、実施例1で得られた4H-BPM88.6g(0.250モル) にo−クレゾールを216.0g(2.00モル)とメタノール17.7gを加えて溶解した混合液を攪拌下塩酸ガスの供給を続けながら1.0時間かけて滴下した。滴下中、反応液を25〜30℃に保持した。滴下終了後、塩酸ガスの供給を続けながら25〜30℃で1.5時間反応を続けたところで結晶が析出し、反応液が固化したためメタノール44.3gを加えた。その後、さらに塩酸ガス吹き込みを続けながら4時間反応を続けた。
反応終了後、反応液に16%水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和し、78℃に昇温して水層を分離した。得られた油層にトルエン376gと水を加えて攪拌して水洗した後、水層を分離した。得られた油層から溶媒を留去した後、o−クレゾールを減圧蒸留することにより回収し、残った蒸留残渣にトルエン469gを加え、加熱溶解して晶析した。析出した結晶を濾別して粗結晶318gを得た。
この粗結晶を2−プロパノールとメタノールの混合液で溶解、再晶析した後、冷却、ろ過し、4KPa、180℃で乾燥して純度98.0%(HPLC)の透明固体(非結晶)67.0gを得た。液体クロマトグラフィー質量分析及びプロトンNMR分析より目的物であることを確認した。
分子量 749(M−H)−(液体クロマトグラフィー質量分析法/大気圧化学イオン化法)
ガラス転移温度 110.6℃(示差走査熱量計による)融点は認められなかった。
プロトンNMR分析結果(400MHz、溶媒:DMSO-d6、基準物質:テトラメチルシラン)
(1,4−ビス〔1−メチル−1−(4−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼンの水素化);
1LのSUS製オートクレーブに1,4−ビス〔1−メチル−1−(4−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼンを20g(0.058モル)、川研ファイン製5%Pd/C(ADタイプ)2.0g、2−ブタノール400gを仕込み、水素置換後、攪拌しながら反応温度120℃/水素圧0.4MPaを保持しながら反応をおこなった。しかし理論吸収量の約20%で水素の吸収が停止した。このことから、1,4−結合体は、本発明の1,3−結合体と比べ水素化反応性が困難で、容易にビス(4−オキソシクロヘキシル)が得られないことが判った。
室温下、オートクレーブを開けてみると白色結晶が析出して反応液が固化していた。この白色結晶はテトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド等の極性溶媒にもまったく溶けなかった。
Claims (2)
- 一般式(1)
(式中、Xは、炭素原子数1〜8の2価の飽和炭化水素基を示し、R1は、炭素原子数1〜8のアルキル基を示し、nは0〜4の整数を示す。)で表されるビス(4−オキソシクロヘキシル)化合物。 - 一般式(2)
(式中、R2及びR3は、各々独立して水素原子又は炭素原子数1〜8のアルキル基を示し、R1、X及びnは、一般式(1)のそれと同じである。)で表されるテトラキスフェノール化合物。
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