JP5126846B2 - 熱延鋼板およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、熱延鋼板およびその製造方法に関する。特に、本発明は、自動車や各種の産業機械に用いられる構造部材の素材、なかでも自動車の足廻り部材やシャーシ、バンパーの補強部材等に代表される構造部材の素材として好適な、耐孔あき腐食性に優れる390MPa以上の引張強度を有する熱延鋼板およびその製造方法に関する。
近年、自動車には、腐食による孔あきがないことを10年間保証することが必要視されている。このため、自動車に使用される鋼板には優れた耐食性が求められており、特に厳しい腐食環境に曝される足廻り部材に使用される鋼板に対して耐食性改善への要求が強い。例えば、北米等の寒冷地帯においては、路面の凍結防止や融雪用に散布される塩類による腐食が著しく促進されるため、足廻り部材を中心に一層の耐食性改善が強く望まれている。
従来、このような耐食性改善の方法の一つとして、裸の鋼板を使用していた部材について、溶融亜鉛めっきを中心としためっき鋼板を使用するように切り替えることが一般に行われていた。このような背景から耐食性に優れためっき鋼板が数多く開発され、例えば特許文献1には、熱延鋼板を原板として冷間圧延することなしに溶融亜鉛めっきを施すことにより、加工性に優れる溶融亜鉛めっき鋼板を製造する方法が開示されている。
しかし、自動車の足廻り部材や補強部材には、個々の部品をアーク溶接して製造されるものが多いため、めっき鋼板を素材として用いると、溶接時にブローホール等の欠陥が発生してしまい、健全な溶接部が得られないという問題があった。
一方、自動車には、地球環境保全等の観点から燃費の向上も望まれており、使用する鋼板を高強度化して薄肉化することによる軽量化が推進されている。この軽量化に伴う鋼板の板厚の低減は、耐孔あき腐食性の観点からは、不利に働く。
このようなことから、例えば特許文献2には、めっき原板自体の耐食性を向上させることにより、薄目付けでも優れた耐食性を示すとされる合金化亜鉛めっき鋼板を製造する方法が開示されている。しかし、この方法により製造される自動車足回り用鋼板は、薄目付けとはいえめっき層が存在するため、アーク溶接時に欠陥が発生することは免れ得ない。また、この提案のめっき原板は裸で使用できるほどの十分な耐食性を有しているとはいえない。
ところで、鋼板の高強度化に関しては、例えば特許文献3および特許文献4に開示されるように、安価でありながら添加量に対する強度上昇量が大きいTiを多量に添加することが一般的に行われている。
しかしながら、Tiを多量に添加すると、スラブの凝固偏析に伴い、鋼板に粗大なTi系の晶出物や析出物が生成する。また、Tiの偏析によるTi濃度の不均一化が生じる。このような粗大な晶出物や析出物の生成やTi濃度の不均一化は、孔あき腐食の起点となったり、その進行を促進させたりする要因となる。このため、Ti添加鋼板の耐孔あき腐食性を著しく劣化させる。
特許文献5には、Ti含有量を厳密に制御した、優れた耐孔あき腐食性を有する高張力鋼板が開示されている。しかし、特許文献5により開示された発明では、Ti添加に伴う上記影響を考慮していないため、十分な耐孔あき腐食性を有する高張力鋼板が開示されているとはいえない。
特開平2−310354号公報 特開平2−22416号公報 特開平9−143570号公報 特開平10−8138号公報 特開平5−195144号公報
本発明は、上記従来の技術が有する課題に鑑みてなされたものであり、例えば自動車の足廻り部材や補強部材の素材として好適な、裸での使用にも耐え得る耐孔あき腐食性に優れた耐孔あき腐食性に優れる390MPa以上の引張強度を有する熱延鋼板およびその製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために以下のように鋭意検討を行った。
熱延鋼板の高強度化にはTiを添加することがコスト面から有利である。しかしながら、Tiを多量に添加すると、スラブの凝固偏析に伴い、鋼中に粗大なTi系の晶出物や析出物が生成したり、Tiの偏析によるTi濃度の不均一化が生じたりする。これらは、孔あき腐食の起点となったり、孔あき腐食の進行を促進させたりするので、鋼板の耐孔あき腐食性を著しく劣化させる。
このため、耐孔あき腐食性を向上させるには、これらの粗大なTi系の晶出物や析出物の生成やTi濃度の不均一化を防げばよい。しかし、Tiを多量に添加する以上、これらを完全に防ぐことは困難である。
本発明者らは、孔あき腐食の律速となるのが、腐食の起点の発生や腐食初期段階における腐食の進行であることに着目した。そして、鋼板表層部において粗大なTi系の晶出物や析出物の生成やTi濃度の不均一化を抑制することによって鋼板の耐孔あき腐食性を向上させることを着想した。ここで、鋼板表層部における粗大な介在物も粗大なTi系の晶出物や析出物と同様に孔あき腐食を促進する作用を有するので、これらをあわせて低減することを着想した。
その結果、鋼板表層部における粒径5μm以上の介在物、晶出物および析出物の合計の数密度を50個/mm以下と抑制することにより鋼板の耐孔あき腐食性が著しく向上することを知見した。
また、このように、鋼板表層部における粒径5μm以上の介在物、晶出物および析出物の合計の数密度を50個/mm以下とするには、連続鋳造工程において、単位時間当たりの溶鋼鋳込み量を1トン/分以上6トン/分以下、スラブ表層部における平均凝固速度を5℃/秒以上とし、熱間圧延工程において、スラブを加熱炉に装入して1100℃以上の温度で30分間以上保持し、加熱炉抽出から10分間以内に750℃以上の温度域で圧延を完了し、その後5℃/秒以上の平均冷却速度で冷却して巻き取ることが有効であることを知見した。
さらに、鋼板表層部におけるTi濃度の不均一化の指標である、Tiの質量濃度の最大値(Timax)と最小値(Timin)との比(Timax/Timin)について下記式(1)を満足させること、さらに好ましくは下記式(2)を満足させることにより、鋼板の耐孔あき腐食性が一層向上することを知見した。
1.0≦(Timax/Timin)≦6.0 ・・・・・・・(1)
1.0≦(Timax/Timix)≦4.0 ・・・・・・・(2)
そして、上記式(1)を満足させるには、連続鋳造工程において、連続鋳造機の鋳型内の溶鋼に移動磁場による攪拌を施すことが有効であること、上記式(2)を満足させるには、さらに鋼組成としてBiを含有させることが有効であることを知見した。
さらに、腐食の起点の発生や腐食初期段階における腐食の進行を抑制するという観点から検討した結果、鋼板の表面粗さを小さくして腐食を均一に進行させることにより耐孔あき腐食性を向上させることを着想し、鋼板の表面粗さRzを15μm以下とすることにより、耐孔あき腐食性がさらに向上することを知見した。
そして、鋼板の表面粗さRzを15μm以下とするには、連続鋳造工程において、PおよびBの1種または2種を含有する連続鋳造用モールドフラックスを用いれば、熱間圧延工程におけるデスケーリング性が向上し、スケールに起因する鋼板表面の凹凸が減少させることができるので極めて有効であることを知見した。
本発明は、これらの知見に基づいてなされたものである。
本発明は、C:0.01%以上0.35%以下(以下、特に断りがない限り組成に関する「%」は「質量%」を意味するものとする)、Si:0.01%以上2.0%以下、Mn:0.1%以上3.0%以下、P:0.3%以下、S:0.01%以下、Al:0.005%以上2.0%以下、N:0.01%以下およびTi:0.01%以上0.25%以下を含有し、残部Fe及び不純物からなる鋼組成を有するとともに、鋼板表面から板厚方向50μm深さ位置までの鋼板表層部の板厚方向断面における粒径5μm以上の介在物、晶出物および析出物の合計の数密度が50個/mm以下であることを特徴とする熱延鋼板である。
この本発明に係る熱延鋼板では、鋼組成が、Feの一部に代えて、V:0.5%以下、Nb:0.1%以下、Cr:1.0%以下、Mo:1.0%以下、Cu:1.0%以下、Ni:1.0%以下およびB:0.01%以下からなる群から選ばれた1種または2種以上を含有することが好ましい。
これらの本発明に係る熱延鋼板では、鋼組成が、Feの一部に代えて、REM:0.1%以下、Mg:0.01%以下およびCa:0.01%以下からなる群から選ばれた1種または2種以上を含有することが好ましい。
これらの本発明に係る熱延鋼板では、鋼板表層部の板厚方向断面におけるTiの質量濃度の最大値(Timax)と最小値(Timin)との比(Timax/Timin)が下記式(1)を満足することが好ましい。
1.0≦(Timax/Timin)≦6.0 ・・・・・・・(1)
これらの本発明に係る熱延鋼板では、鋼組成が、Feの一部に代えて、Biを0.1%以下含有するとともに、比(Timax/Timin)が下記式(2)を満足することが好ましい。
1.0≦(Timax/Timix)≦4.0 ・・・・・・・(2)
これらの本発明に係る熱延鋼板では、表面粗さRzが15μm以下であることが好ましい。
別の観点からは、本発明は、下記工程(A)〜(C)を備えることを特徴とする熱延鋼板の製造方法である。
(A)上述した本発明に係る熱延鋼板の鋼組成を有する溶鋼を、単位時間当たりの溶鋼鋳込み量を1トン/分以上6トン/分以下とし、さらに、スラブ表面からスラブ厚方向の0.05mm×(スラブ厚(mm)/製品厚(mm))深さ位置のスラブ表層部における平均凝固速度を5℃/秒以上とする連続鋳造法によりスラブとする連続鋳造工程;
(B)スラブを加熱炉に装入して1100℃以上の温度で30分間以上保持し、加熱炉から抽出したスラブに、加熱炉抽出から10分間以内に750℃以上の温度域で圧延を完了する熱間圧延を施して熱延鋼板とする熱間圧延工程;および
(C)熱延鋼板を、熱間圧延の完了後5℃/秒以上の平均冷却速度で冷却して700℃以下の温度域で巻き取る冷却および巻取工程。
この本発明に係る熱延鋼板の製造方法では、連続鋳造工程において、連続鋳造機の鋳型内の溶鋼に移動磁場による攪拌を施すことが好ましい。
さらに、これらの本発明に係る熱延鋼板の製造方法では、連続鋳造工程において、PおよびBの1種または2種を含有する連続鋳造用モールドフラックスを用いることが好ましい。
本発明に係る熱延鋼板は、高強度で優れた耐孔あき腐食性を有し、安価に製造できる。そのため、自動車や各種の産業機械に用いられる構造部材の素材、特に自動車のシャーシ、バンパーや足廻り部品に代表される構造部材の素材として、最適である。
以下、本発明に係る熱延鋼板およびその製造方法を実施するための最良の形態を、具体的に説明する。
はじめに、本発明に係る熱延鋼板の鋼組成を限定する理由を説明する。
(A)鋼組成
[C:0.01%以上0.35%以下]
Cは、高強度化に有効な元素である。C含有量が0.01%未満ではその効果が小さい。したがって、C含有量は0.01%以上とする。好ましくは0.02%以上である。一方、C含有量が0.35%超では、溶接性の劣化が著しくなる。さらに、例えばパーライト、ベイナイト、マルテンサイト、残留オーステナイト等の第2相の増加により加工性の低下が著しくなる。したがって、C含有量は0.35%以下とする。好ましくは0.25%以下である。
[Si:0.01%以上2.0%以下]
Siは、高強度化に有効な元素である。Si含有量が0.01%未満ではその効果が小さい。したがって、Si含有量は0.01%以上とする。好ましくは0.02%以上である。一方、Si含有量が2.0%超では、化成処理性の低下を招いたり、島状スケール疵と呼ばれる表面不良が著しくなったりする。したがって、Si含有量は2.0%以下とする。好ましくは1.5%以下である。
[Mn:0.1%以上3.0%以下]
Mnは、高強度化に有効な元素である。Mn含有量が0.1%未満ではその効果が小さい。したがって、Mn含有量は0.1%以上とする。好ましくは0.5%以上である。一方、Mn含有量が3.0%超では、溶接性の劣化が著しくなる。したがって、Mn含有量は3.0%以下とする。好ましくは2.5%未満である。
[P:0.3%以下]
Pは、靱性を劣化させる好ましくない元素である。したがって、P含有量は0.3%以下とする。好ましくは0.1%以下であり、さらに好ましくは0.05%以下である。
[S:0.01%以下]
Sは、靭性を低下させる好ましくない元素である。したがって、S含有量は0.01%以下とする。好ましくは0.008%以下であり、さらに好ましくは0.004%以下である。
[Al:0.005%以上2.0%以下]
Alは、フェライトの生成を促し、加工性を向上させるのに有効な元素である。Al含有量が0.005%未満ではその効果が小さい。したがって、Al含有量は0.005%以上とする。好ましくは0.01%以上である。一方、Al含有量が2.0%超では溶接性の劣化が著しくなる。したがって、Al含有量は2.0%以下とする。好ましくは1.0%以下である。
[N:0.01%以下]
Nは、Tiと結合して窒化物を形成する。N含有量が0.01%超では粗大なTiNが析出して靭性の劣化が著しくなる。したがって、N含有量は0.01%以下とする。好ましくは0.008%以下であり、さらに好ましくは0.005%以下である。
[Ti:0.01%以上0.25%以下]
Tiは、本発明において重要な元素である。比較的安価な元素でありながら、析出強化により効果的に鋼板を高強度化できる。Ti含有量が0.01%未満ではその効果が小さい。したがって、Ti含有量は0.01%以上とする。好ましくは0.02%以上である。一方、Ti含有量が0.25%超では、粗大なTi系晶出物とTi系炭窒化物などを多量に生成してしまい、耐孔あき腐食性および靭性が著しく劣化する。したがって、Ti含有量は0.25%以下とする。好ましくは0.20%以下である。
次に、任意元素について説明する。
[V:0.5%以下、Nb:0.1%以下、Cr:1.0%以下、Mo:1.0%以下、Cu:1.0%以下、Ni:1.0%以下およびB:0.01%以下からなる群から選択される1種または2種以上]
V、Nb、Cr、Mo、Cu、NiおよびBは、いずれも焼入性を向上させることによって高強度化に寄与する任意元素である。したがって、これらの任意元素を含有させることにより鋼板の強度を一層高めることができる。これらの任意元素は、2種以上の元素を複合して含有させてもそれぞれの作用が失われることはない。しかしながら、Vについては0.5%を、Nbについては0.1%、Cr、Mo、CuおよびNiについては1.0%を、Bについては0.01%を、それぞれ超えて含有させても上記効果は飽和してしまい、いたずらにコストが嵩むばかりである。したがって、これらの元素を含有させる場合には、V:0.5%以下、Nb:0.1%以下、Cr:1.0%以下、Mo:1.0%以下、Cu:1.0%以下、Ni:1.0%以下およびB:0.01%以下として、1種または2種以上を含有させるとよい。
この場合に、V、Nb、Cr、Mo、CuおよびNiについてはそれぞれ0.001%以上含有させることにより、Bについては0.0001%以上含有させることにより、上記効果をより確実に得ることができるので、これらを下限とすることが好ましい。
[REM:0.1%以下、Mg:0.01%以下およびCa:0.01%以下からなる群から選択される1種または2種以上]
REM、MgおよびCaは、いずれも、硫化物、酸化物等の介在物を球状化し、これらの介在物による延性の低下を抑制する作用を有する元素である。したがって、これらの元素を含有させることにより、鋼板の延性を一層向上させることができ、2種以上の元素を含有させても、それぞれの作用が失われることはない。
しかしながら、REMについては0.1%を、MgおよびCaについては0.01%を、それぞれ超えて含有させても上記効果は飽和してしまい、いたずらにコストが嵩むばかりである。したがって、これらの元素を含有させる場合には、REM:0.1%以下、Mg:0.01%以下およびCa:0.01%以下として、1種または2種以上を含有させるとよい。この場合には、REMについては0.0001%以上含有させることにより、MgおよびCaについては0.0001%以上含有させることにより、上記効果をより確実に得ることができるので、これらを下限とすることが好ましい。
ここで、REMとは、Sc、Yおよびランタノイドの合計17元素を指し、ランタノイドの場合、工業的にはミッシュメタルの形で添加される。なお、本発明では、REMの含有量はこれらの元素の合計含有量を指す。
[Bi:0.1%以下]
Biは、溶鋼の凝固過程において凝固の核となり、デンドライトアーム間隔を小さくする効果がある。その結果、デンドライト樹間での成分濃化、言い換えれば、偏析を抑制する効果がある。Tiのように偏析しやすい元素を含有する場合には、偏析を抑制するうえで特に効果的である。したがって、本発明においてTiの偏析を抑制する場合にBiは重要な成分となる。しかしながら、Bi含有量を0.1%超とすると、介在物を形成して加工性を劣化させる場合がある。したがって、Biを含有させる場合にはその含有量は0.1%以下とする。上記効果をより確実に得るには、Bi含有量を0.0001%以上とすることが好ましい。
上記以外の組成は、Feおよび不純物である。
(B)介在物、晶出物および析出物
Ti添加型熱延鋼板において、良好な耐孔あき腐食性を確保するために、鋼板表面から板厚方向50μm深さ位置までの鋼板表層部の板厚方向断面における粒径5μm以上の介在物、晶出物および析出物の合計の数密度を50個/mm以下とする。
ここで、鋼板表面から板厚方向50μm深さ位置までの鋼板表層部における介在物、晶出物および析出物を規定したのは、孔あき腐食の抑制には腐食起点の発生および腐食初期段階における腐食進行を抑制することが重要であり、鋼板表層部における介在物、晶出物および析出物は、孔あき腐食の腐食起点の発生および腐食初期段階における腐食進行に大きな影響を及ぼすからである。
すなわち、粗大な介在物、晶出物および析出物が存在すると、それらとFeとの界面において腐食の発生および進行が生じ易くなるので、鋼板表層部の板厚方向断面における粒径5μm以上の介在物、晶出物および析出物の合計の数密度が50個/mmを超えると、孔あき腐食の腐食起点が多くなるばかりか、腐食初期段階における腐食進行が助長される。
したがって、鋼板表層部の板厚方向断面における粒径5μm以上の介在物、晶出物および析出物の合計の数密度を50個/mm以下とする。
上記数密度が低いほど耐孔あき腐食性が向上するので、耐孔あき腐食性の観点からは上記数密度の下限を規定する必要はない。しかし、鋼板表層部における介在物、晶出物および析出物の低減には操業効率の低下やコストの上昇を伴うため、このような観点から上記数密度を0.01個/mm以上とすることが好ましい。
上記介在物は、主に連続鋳造工程においてスラブに捕捉されるアルミナ系介在物、CaO系介在物、SiO系介在物であり、上記晶出物や析出物は、TiNやTi系の炭窒化物であるTi(N、C)などである。
(C)Tiの濃度分布
鋼板表層部の板厚方向断面におけるTiの質量濃度の最大値(Timax)と最小値(Timin)との比(Timax/Timin)が下記式(1)を満足することが好ましい。
1.0≦(Timax/Timin)≦6.0 ・・・・・・・(1)
Ti濃度分布が不均一であると、鋼板の腐食が均一に進行せず、Ti濃度の低い部分において選択的に腐食が進行してしまう。このため、鋼板表層部におけるTi濃度分布が不均一であると、孔あき腐食の初期段階における腐食進行が助長されてしまい、耐孔あき腐食性が劣化する。
この比(Timax/Timin)を6.0以下とすることにより、Ti濃度分布の不均一性に起因する耐孔あき腐食性の劣化を抑制することができる。したがって、上記比(Timax/Timin)について上記式(1)を満足させることが好ましい。上記比(Timax/Timin)について下記式(2)を満足させることがさらに好ましい。
1.0≦(Timax/Timin)≦4.0 ・・・・・・・(2)
(D)鋼板表面粗さ
鋼板の表面粗さRzは15μm以下とすることが好ましい。鋼板の表面粗さが粗い場合、特にRzで15μmを超えると、孔あき腐食の腐食初期段階における腐食進行が著しくなる。これは、鋼板表面の凹凸が大きくなると、その凹部に腐食液体が溜まりやすくなり、耐孔あき腐食の進行が促進されるためである。鋼板の表面粗さが小さいほど耐孔あき腐食性が向上するので、耐孔あき腐食性の観点からは鋼板の表面粗さRzの下限を規定する必要はない。しかし、鋼板の表面粗さRzが4μm未満になると耐孔あき腐食性に及ぼす鋼板の表面粗さの影響がほとんどなくなるので、鋼板の表面粗さRzを4μm以上とすることが操業効率およびコストの観点から好ましい。
(E)金属組織
本発明は、Tiを添加することに伴う耐孔あき腐食性を向上させることを目的とするものであるから、金属組織は特に規定しない。所望の特性に合わせて好適な金属組織を適宜選択すればよい。
例えば、伸び加工性を重視する場合には、フェライト主体の組織にするのが好ましく、所望の強度を得るために、パーライト、ベイナイト、オーステナイト、マルテンサイトなどを第2相として適宜選択すればよい。
また、穴広げ加工性、伸びフランジ加工性、曲げ加工性を重視する場合には、フェライトまたはベイナイトの単相組織、あるいは、フェライトと硬度差の少ない組織、たとえばベイナイトなどを選択するのが好ましい。
(F)製造条件
鋼板表層部の板厚方向断面における粒径5μm以上の介在物、晶出物および析出物の合計の数密度を50個/mm以下とするには、
連続鋳造工程において、上記鋼組成を有する溶鋼を、単位時間当たりの溶鋼鋳込み量を1トン/分以上6トン/分以下とし、さらに、スラブ表面からスラブ厚方向の0.05mm×(スラブ厚(mm)/製品厚(mm))深さ位置のスラブ表層部における平均凝固速度を5℃/秒以上とする連続鋳造法によりスラブとし、
次に、熱間圧延工程において、得られたスラブを加熱炉に装入して1100℃以上の温度で30分間以上保持し、加熱炉から抽出したスラブに、加熱炉抽出から10分間以内に750℃以上の温度域で圧延を完了する熱間圧延を施して熱延鋼板とし、
さらに、冷却および巻取工程において、得られた熱延鋼板を、熱間圧延の完了後5℃/秒以上の平均冷却速度で冷却して700℃以下の温度域で巻き取ること
が有効である。
連続鋳造工程における単位時間当たりの溶鋼鋳込み量が6トン/分超では、溶鋼の流動が過大となるため、介在物がスラブ表層近傍に捕捉され易くなり、鋼板表層部における大型介在物が増加してしまう。一方、単位時間当たりの溶鋼鋳込み量が1トン/分未満では、連続鋳造過程における温度降下が大きくなるため、凝固殻の先端部の爪が伸びたり介在物が浮上し難くなったりして、介在物がスラブ表層近傍に捕捉され易くなり、鋼板表層部における大型介在物が増加してしまう。したがって、連続鋳造工程における単位時間当たりの溶鋼鋳込み量は、1トン/分以上6トン/分以下とすることが好ましい。
また、スラブ表面からスラブ厚方向の0.05mm×(スラブ厚(mm)/製品厚(mm))深さ位置のスラブ表層部における平均凝固速度が5℃/秒未満では、液相線温度〜固相線温度間で晶出するTiNが粗大となり、鋼板表層部における大型晶出物が増加してしまう。したがって、上記平均凝固速度は5℃/秒以上とすることが好ましい。上記平均凝固速度が大きいほど鋼板表層部における大型晶出物の生成を抑制できるので、上記平均凝固速度の上限を規定する必要はない。しかし、上記平均凝固速度が過大であるとスラブの表面割れを誘発する可能性が高まるので、このような観点からは上記平均凝固速度を100℃/秒以下とすることが好ましい。
ここで、「スラブ表層部における平均凝固速度」とは、スラブ表面からスラブ厚方向の0.05mm×(スラブ厚(mm)/製品厚(mm))深さ位置まで、スラブ厚方向に1mmピッチで測定した凝固速度を平均したものである。また、「凝固速度」とは、溶鋼が凝固する際の液相線温度〜固相線温度間での冷却速度であり、各測定位置におけるデンドライト2次アーム間隔から求めることできる。
熱間圧延工程において、スラブを加熱炉に装入して保持する温度が1100℃未満であったり、保持する時間が30分間未満であったりすると、連続鋳造後の凝固後のスラブ段階で析出した粗大なTi(N、C)の再固溶が十分に進行せず、鋼板表層部における大型析出物が増加してしまう。したがって、熱間圧延工程において、スラブを加熱炉に装入して1100℃以上の温度で30分間以上保持することが好ましい。
上記保持温度が高いほど、また、上記保持時間が長いほど、鋼板表層部における大型析出物の再固溶を促進できるので、上記保持温度や上記保持時間の上限を規定する必要はない。しかし、上記保持温度が高すぎると操業コストが嵩み、上記保持時間が長すぎると操業効率が低下する。したがって、このような観点からは、上記保持温度を1320℃以下、上記保持時間を10時間以下とすることが好ましい。
熱間圧延工程における、加熱炉抽出から熱間圧延完了までの時間が10分間超であったり、熱間圧延完了温度が750℃未満であったり、あるいは、冷却および巻取工程における、熱間圧延完了から巻取までの平均冷却速度が5℃/秒未満であったり、巻取温度が700℃超であったりすると、スラブを加熱炉に装入して再固溶させたTi(N、C)が再析出して粗大化してしまい、鋼板表層部における粗大な析出物が増加する。
したがって、加熱炉から抽出したスラブには、加熱炉抽出から10分間以内に750℃以上の温度域で圧延を完了する熱間圧延を施して熱延鋼板とし、得られた熱延鋼板に、熱間圧延の完了後5℃/秒以上の平均冷却速度で冷却して700℃以下の温度域で巻き取ることが好ましい。
ここで、加熱炉抽出から熱間圧延完了までの時間が短いほどTi(N、C)の再析出を抑制することができるので、上記時間の下限を規定する必要はない。しかし、上記時間を著しく短縮するには圧延機の圧下力を増強する必要が生じてしまい、設備コストの増加を招く。したがって、このような観点から上記時間は30秒間以上とすることが好ましい。
また、熱間圧延完了温度が高いほどTi(N、C)の再析出を抑制することができるので、熱間圧延完了温度の上限を規定する必要はない。しかし、熱間圧延完了温度の高温化はスケール疵を誘発する可能性を高める。したがって、このような観点から熱間圧延完了温度を1050℃以下とすることが好ましい。
また、熱間圧延完了から巻取までの平均冷却速度が大きいほどTi(N、C)の再析出を抑制することができるので、上記平均冷却速度の上限を規定する必要はないが、工業的製造プロセスにおいては通常2000℃/秒以下である。
なお、巻取温度は、所望の特性に合わせた好適な第2相組織に応じて、適宜選択すればよい。例えば、第2相としてパーライト組織を得るには580℃以上750℃以下、ベイナイト組織を得るには350℃以上580℃未満、マルテンサイト組織を得るには室温以上350℃未満とすればよい。
また、熱間圧延完了から巻取までの冷却は、5℃/秒以上の平均冷却速度で700℃以下の温度域まで冷却するものであればよく、途中で冷却を停止し、放冷し、その後冷却するものであっても構わない。
鋼板表層部の板厚方向断面におけるTiの質量濃度の最大値(Timax)と最小値(Timin)との比(Timax/Timin)が下記式(1)を満足するようにするには、連続鋳造工程において、連続鋳造機の鋳型内の溶鋼に移動磁場による攪拌を施すことが有効である。
1.0≦(Timax/Timin)≦6.0 ・・・・・・・(1)
さらに、上記比(Timax/Timin)が下記式(2)を満足するようにするには、上記移動磁場による攪拌に加えて、鋼組成としてさらにBiを0.1%以下含有させることが有効である。
1.0≦(Timax/Timix)≦4.0 ・・・・・・・(2)
連続鋳造工程において、連続鋳造機の鋳型内の溶鋼に移動磁場による攪拌を施すことにより、スラブ表層部におけるTiの成分偏析が抑制される。これにより、上記比(Timax/Timin)を低下させることができる。
ここで、移動磁場による溶鋼の攪拌は、鋳型から20mm位置における流速が5cm/秒以上100cm/秒以下となるように行うことが好ましい。上記流速が5cm/未満ではTiの成分偏析抑制作用が十分でない場合があり、100cm/秒超ではパウダーの巻き込みにより介在物が増加する場合があるからである。上記流速は、10cm/秒以上60cm/秒以下となるように行うことがさらに好ましい。上記流速は、例えばカルマン渦式流量計を用いて測定することができる。
上記移動磁場による攪拌に加えて、鋼組成としてBiを0.1%以下含有させると、スラブ表層部におけるTiの成分偏析がより一層抑制される。これにより、上記比(Timax/Timin)をさらに低下させることができる。
表面粗さRzを15μm以下とするには、連続鋳造工程において、PおよびBの1種または2種を含有する連続鋳造用モールドフラックスを用いることが有効である。
モールドフラックスにPおよびBの1種または2種を含有させると、高温域で鋼材の表面に形成されるスケール中のファイアライト層にこれら酸化物が濃化し、ファイアライトの融点を降下させる。これにより、熱間圧延工程におけるデスケーリング性が向上し、スケールに起因する鋼板表面の凹凸を低減させることができる。
モールドフラックスにおけるP濃度は0.5%以上4.0%以下、B濃度は1.0%以上8.0%以下とすることが好ましい。これらの含有量がそれぞれの規定範囲よりも少ない場合には、ファイアライトの融点を下げる作用が十分に得られない場合があり、これらの含有量がそれぞれの規定範囲よりも多い場合には、モールドフラックスの物性に与える影響が顕著となり、モールドフラックスの物性調整が困難となるからである。
なお、スラブ割れ防止、鋳型とスラブ凝固シェルとの潤滑の観点からは、モールドフラックスのCaO/SiO濃度比を0.6以上2.0以下、凝固温度を1050℃以上1280℃以下とすることが好ましい。
このように、本実施の形態により、390MPa以上の高い強度と優れた耐孔あき腐食性とを有する熱延鋼板を安価に製造できるため、自動車や各種の産業機械に用いられる構造部材の素材、なかでも自動車のシャーシ、バンパーや足廻り部品に代表される構造部材の素材として好適な熱延鋼板が提供される。
次に、実施例を参照しながら、本発明をさらに具体的に説明する。
表1に示す鋼組成を有する溶鋼を、試験転炉を用いて溶製し、試験連続鋳造機によりスラブとした。
Figure 0005126846
連続鋳造工程におけるスラブ表層部の凝固速度の変更は、鋳型内の冷却水量を調整することにより行った。スラブ表層部における平均冷却速度は、スラブ表面からスラブ厚方向に1mmピッチでデンドライト2次アーム間隔を測定し、各位置における凝固速度を算出し、これらを平均することにより求めた。
連続鋳造用モールドフラックスは、凝固温度1200℃、CaO/SiO濃度比1.2のものを使用した。また、P:2.0%および/またB:4.0%を含有させたものと、PおよびBを添加しないものを使用した。
一部の供試材については、連続鋳造機の鋳型内の溶鋼に移動磁場による攪拌を施した。移動磁場による溶鋼の攪拌は、鋳型から20mm位置における流速が25cm/秒となる条件で行った。
このようにして得られたスラブに、試験熱間仕上圧延機を用いて熱間圧延を施し、板厚2.6mmの熱延鋼板を製造した。
次いで、得られた熱延鋼板について、試験用の酸洗設備にてスケール除去を行った。
これらの製造条件を表2に示す。
Figure 0005126846
このようにして得られた熱延鋼板から圧延直角方向にJIS5号引張試験片を採取して引張試験を行った。
また、圧延方向に平行な板厚方向断面を観察し、鋼板表層部に存在する粒径5μm以上の介在物、晶出物および析出物の個数をカウントした。
上記観察は、走査型電子顕微鏡を用いて、倍率2000倍で100視野を実施した。そして、それらの合計個数を算術計算し数密度(個/mm)を求めた。
ここで、介在物、晶出物および析出物の粒径は、介在物、晶出物および析出物を画像解析することでそれらの実面積を求め、この面積を円に置き換え、その円の直径を算出することにより得られた値を粒径とした。
さらに、鋼板表層部の板厚方向断面におけるTiの質量濃度の最大値(Timax)と最小値(Timin)は、GDS(グロー放電分光分析)にて測定した。各試料について異なる5箇所の位置について測定を行い、得られたTiの質量濃度の最大値(Timax)と最小値(Timin)から比(Timax/Timin)を算出した。
さらに、鋼板表面の粗さを、JIS B 0601に準じてRzを測定した。
さらに、得られた各熱延鋼板を酸腐食試験に供した。
腐食試験は、70×150mmの試験片を切り出し、端面および裏面をシールし、複合腐食試験(CCT)を実施した。試験条件は、JIS Z 2371に準じた35℃の塩水噴霧試験を3時間、常温の乾燥試験を2時間、50℃で湿度95%以上の湿潤試験を6時間の合計12時間を1サイクルとして60サイクル行った。
腐食生成物を除去したうえ、最大侵食深さ(mm)および腐食減量(g)を測定し、耐孔あき腐食性の評価とした。
各測定結果を表3に示す。
Figure 0005126846
本発明鋼である供試材No.1〜15は、鋼板表層部において粒径5μm以上の介在物、晶出物および析出物の合計の数密度が50個/mm以下であるため、CCT後の最大侵食深さが0.10〜0.38mm、CCT後の腐食減量(g)が2.0〜7.2gとなり、耐孔あき腐食性が良好であった。
その中で、鋳型内における移動磁場による溶鋼の攪拌を実施した供試材No.1、3、5、7、9および12〜15は、鋼板表層部における比(Timax/Timin)が2.0〜5.4となり、Tiの偏析が抑制されたため、CCT後の最大侵食深さが0.10〜0.27mm、腐食減量(g)が2.0〜4.8gと耐孔あき腐食性がさらに良好であった。
さらに、その中で、Biを含有させ、鋳型内における移動磁場による溶鋼の攪拌を実施した供試材No.12〜15は、鋼板表層部における比(Timax/Timin)が2.0〜3.2となり、Tiの偏析がさらに抑制されたため、CCT後の最大侵食深さが0.10〜0.17mm、腐食減量(g)が2.0〜2.9gと耐孔あき腐食性が著しく良好であった。
さらにその中で、PおよびBの1種または2種を含有する連続鋳造用モールドフラックスを用いて鋳造したNo.13および15は、鋼板表面粗さRzが7μmと小さく、CCT後の最大侵食深さが0.10mm、腐食減量(g)が2.0gと最も耐孔あき腐食性が良好であった。
これに対し、供試材No.16〜31は比較例である。
供試材No.16および23は、連続鋳造をする際、単位時間当たりの溶鋼鋳込み量が6トン/分超であった。その結果、鋼板表層部における粒径5μm以上の介在物、晶出物および析出物の合計の数密度が50個/mm超となった。このため、CCT後の最大侵食深さが0.50mmと0.54mm、腐食減量(g)が10.0gと11.7gとなり、耐孔あき腐食性に劣っていた。
供試材No.17および24は、連続鋳造をする際、スラブ表層部における平均凝固速度が5℃/秒未満であった。その結果、鋼板表層部において粒径5μm以上の介在物、晶出物および析出物の合計の数密度が50個/mm超となった。このため、CCT後の最大侵食深さが0.52mmと0.53mm、腐食減量(g)が11.2gと10.8gとなり、耐孔あき腐食性に劣っていた。
供試材No.18および25は、加熱炉でのスラブ加熱温度が1100℃未満であった。その結果、鋼板表層部において粒径5μm以上の介在物、晶出物および析出物の合計の数密度が50個/mm超となった。このため、CCT後の最大侵食深さが0.55mmと0.51mm、腐食減量(g)が13.1gと12.5gとなり、耐孔あき腐食性に劣っていた。
供試材No.19および26は、加熱炉でのスラブ加熱時間が30分間未満であった。その結果、鋼板表層部において粒径5μm以上の介在物、晶出物および析出物の合計の数密度が50個/mm超となった。このため、CCT後の最大侵食深さが0.56mmと0.54mm、腐食減量(g)が15.6gと12.1gとなり、耐孔あき腐食性に劣っていた。
供試材No.20および27は、加熱炉抽出から熱間圧延を完了までの時間が10分間を超えていた。その結果、鋼板表層部における粒径5μm以上の介在物、晶出物および析出物の合計の数密度が50個/mm超となった。このため、CCT後の最大侵食深さが0.52mmと0.54mm、腐食減量(g)が11.4gと12.3gとなり、耐孔あき腐食性に劣っていた。
供試材No.21および28は、熱間圧延の完了温度が750℃未満であった。その結果、鋼板表層部における粒径5μm以上の介在物、晶出物および析出物の合計の数密度が50個/mm超となった。このため、CCT後の最大侵食深さが0.54mmと0.60mm、腐食減量(g)が12.0gと14.1gとなり、耐孔あき腐食性に劣っていた。
供試材No.22および29は、熱間圧延完了から巻き取りまでの平均冷却速度が5℃/秒未満であった。 その結果、鋼板表層部における粒径5μm以上の介在物、晶出物および析出物の合計の数密度が50個/mm超となった。このため、CCT後の最大侵食深さが0.52mmと0.58mm、腐食減量(g)が10.6gと12.5gとなり耐孔あき腐食性が劣化した。
供試材No.23および30は、巻取温度が700℃超であった。その結果、鋼板表層部における粒径5μm以上の介在物、晶出物および析出物の合計の数密度が50個/mm超となった。このため、CCT後の最大侵食深さが0.54mmと0.54mm、腐食減量(g)が11.7gと11.9gとなり、耐孔あき腐食性に劣っていた。
さらに、供試材No.31は、Tiの含有量が0.3%と本発明の範囲外であった。その結果、鋼板表層部における粒径5μm以上の介在物、晶出物および析出物の合計の数密度が50個/mm超となった。このため、CCT後の最大侵食深さが0.55mm、腐食減量(g)が12.0gとなり、耐孔あき腐食性に劣っていた。
本発明の鋼板は、高強度で耐孔あき腐食性に優れている。そのため、自動車や各種の産業機械に用いられる構造部材の素材、特に自動車のシャーシ、バンパーや足廻り部品に代表される構造部材の素材として最適である。また安価に製造できるので産業上格段の効果を奏する。

Claims (9)

  1. 質量%で、C:0.01%以上0.35%以下、Si:0.01%以上2.0%以下、Mn:0.1%以上3.0%以下、P:0.3%以下、S:0.01%以下、Al:0.005%以上2.0%以下、N:0.01%以下およびTi:0.01%以上0.25%以下を含有し、残部Fe及び不純物からなる鋼組成を有するとともに、鋼板表面から板厚方向50μm深さ位置までの鋼板表層部の板厚方向断面における粒径5μm以上の介在物、晶出物および析出物の合計の数密度が50個/mm以下であることを特徴とする熱延鋼板。
  2. 前記鋼組成が、Feの一部に代えて、質量%で、V:0.5%以下、Nb:0.1%以下、Cr:1.0%以下、Mo:1.0%以下、Cu:1.0%以下、Ni:1.0%以下およびB:0.01%以下からなる群から選ばれた1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載の熱延鋼板。
  3. 前記鋼組成が、Feの一部に代えて、質量%で、REM:0.1%以下、Mg:0.01%以下およびCa:0.01%以下からなる群から選ばれた1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の熱延鋼板。
  4. 前記鋼板表層部の板厚方向断面におけるTiの質量濃度の最大値(Timax)と最小値(Timin)との比(Timax/Timin)が下記式(1)を満足することを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の熱延鋼板。
    1.0≦(Timax/Timin)≦6.0 ・・・・・・・(1)
  5. 前記鋼組成が、Feの一部に代えて、質量%で、Biを0.1%以下含有するとともに、前記鋼板表層部の板厚方向断面におけるTiの質量濃度の最大値(Timax)と最小値(Timin)との比(Timax/Timin)が下記式(2)を満足することを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の熱延鋼板。
    1.0≦(Timax/Timix)≦4.0 ・・・・・・・(2)
  6. 表面粗さRzが15μm以下であることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の熱延鋼板。
  7. 下記工程(A)〜(C)を備えることを特徴とする熱延鋼板の製造方法:
    (A)請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の鋼組成を有する溶鋼を、単位時間当たりの溶鋼鋳込み量を1トン/分以上6トン/分以下とし、さらに、スラブ表面からスラブ厚方向の0.05mm×(スラブ厚(mm)/製品厚(mm))深さ位置のスラブ表層部における平均凝固速度を5℃/秒以上とする連続鋳造法によりスラブとする連続鋳造工程;
    (B)前記スラブを加熱炉に装入して1100℃以上の温度で30分間以上保持し、前記加熱炉から抽出したスラブに、加熱炉抽出から10分間以内に750℃以上の温度域で圧延を完了する熱間圧延を施して熱延鋼板とする熱間圧延工程;および
    (C)前記熱延鋼板を、前記熱間圧延の完了後5℃/秒以上の平均冷却速度で冷却して700℃以下の温度域で巻き取る冷却および巻取工程。
  8. 前記連続鋳造工程において、連続鋳造機の鋳型内の溶鋼に移動磁場による攪拌を施すことを特徴とする請求項7に記載の熱延鋼板の製造方法。
  9. 前記連続鋳造工程において、PおよびBの1種または2種を含有する連続鋳造用モールドフラックスを用いることを特徴とする請求項7または請求項8に記載の熱延鋼板の製造方法。
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