JP5131844B2 - 熱間プレス用熱延鋼板およびその製造方法ならびに熱間プレス鋼板部材の製造方法 - Google Patents

熱間プレス用熱延鋼板およびその製造方法ならびに熱間プレス鋼板部材の製造方法 Download PDF

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本発明は、自動車用の足廻り、シャ−シ、補強部品などとして使用される熱間プレス鋼板部材の素材として好適な熱間プレス用熱延鋼板およびその製造方法ならびに熱間プレス鋼板部材の製造方法に関する。
近年、自動車の軽量化のため、鋼材の高強度化を図り、使用する鋼材の厚みを減ずる努力が進められている。そして、高強度鋼板等の難プレス成形材料をプレス成形する技術として、成形すべき材料を予め加熱して成形する熱間成形(熱間プレス)技術が採用されており、特許文献1〜4にはいくつかの技術が開示されている。
特開平2002−102980号公報 特開平2003−73774号公報 特開平2003−147499号公報 特開平2003−126921号公報
従来、熱間プレス鋼板部材は、特許文献1〜4に開示されるように、薄肉化のために板厚1.6mm未満の冷延鋼板またはその冷延鋼板に溶融亜鉛めっきを施した溶融亜鉛めっき鋼板もしくは合金化溶融亜鉛めっき鋼板を素材として用いてきた。
しかし、熱間プレス技術の進歩ならびに適用部品のニーズの拡大に伴って、熱間プレス鋼板部材は大型部品にも採用されるようになってきており、特に自動車用の大型熱間プレス鋼板部材としては、バンパーの補強材やセンターピラーの補強材等に板厚1.6mm以上の鋼板が採用されるようになってきている。
ここで、一般に、板厚1.6mm以上の鋼板については、生産効率やコストの観点から熱延鋼板を使用することが多い。したがって、熱間プレス用鋼板についても板厚が厚いものについては熱延鋼板を適用することが求められるようになることが予想される。
しかしながら、熱間プレス用鋼板に熱延鋼板を適用することについては十分な検討がなされていないのが現状である。そして、本発明者の検討によれば、熱間プレス用鋼板に熱延鋼板を適用するには、解決しなければならない重要な課題が存在することが明らかになった。すなわち、一般的な冷間プレスにおいて冷延鋼板に代えて熱延鋼板を用いると、熱延鋼板は冷延鋼板に比べて表面粗さが粗く、粗さも鋭いため、プレス金型の寿命が短くなるという問題が生じるが、熱間プレスの場合には、金型が高温にさらされるという過酷な条件のため、冷間プレスの場合よりも金型寿命が短縮される。さらに、冷間プレス後の冷間プレス鋼板部材の強度は、冷間プレスによって生じる加工硬化によってある程度上昇するだけであるが、熱間プレス後の熱間プレス鋼板部材の強度は、焼入によって著しく強度が上昇するため、金型から取り出す際のかじりが冷間プレスに比べて生じやすくなる。このことによって、金型寿命が一層短縮されるのである。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、自動車や各種の産業機械に用いられる、引張強さ980MPa以上の熱間プレス鋼板部材の素材として好適であり、さらに金型寿命の延命に寄与し得る熱間プレス用熱延鋼板およびその製造方法ならびに熱間プレス鋼板部材の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討を行った。その結果、以下の知見を得た。
本発明者は、目的とする高強度を確保しつつ熱間プレス鋼板部材を金型から取り出す際のかじりを抑制する方法として、新たに、熱間プレス鋼板部材の板厚中心部は従来のように硬質な組織としたままで表層部のみを軟質化することを着想した。
そして、熱間プレス鋼板部材の表層部のみを軟質化する方法として、熱間プレス鋼板部材の素材である熱間プレス用鋼板の表層部を脱炭することにより、熱間プレスにおいて焼きが入らないようにすることが有効であることを知見した。
さらに、熱間プレス用鋼板の表層部に形成する脱炭層は、熱間プレスに供する際の加熱工程においてCの拡散の進行により消失しないように、ある程度の厚さが必要であることも知見した。そして、このような脱炭層の厚さは、熱間圧延後の巻取り条件を規定することにより調整可能であることを知見した。
また、本発明者は、熱間プレスにおける金型寿命を短縮化させる要因が、鋼板表面に存在する粗大かつ硬質な介在物および析出物であり、このような介在物および析出物の金型寿命に及ぼす影響が、金型が高温にさらされる熱間プレスにおいて特に顕著になることを突き止めた。そして、上記介在物は連続鋳造工程において混入するものであり、上記析出物は連続鋳造工程における凝固過程において生成するものであることを突き止め、連続鋳造工程における諸条件を規定することによりこれらの介在物および析出物を低減させることが可能であることを知見した。特に、連続鋳造機の鋳型内において、移動磁場による溶鋼の攪拌を実施することで、上記介在物を効果的に低減させることが可能であることも知見した。
さらに、本発明者は、冷延鋼板に代えて熱延鋼板を用いる場合における金型寿命の短縮の原因が、熱延鋼板が冷延鋼板に比べて表面粗さが粗く、粗さも鋭いことであるところ、このような熱延鋼板の表面粗さが熱間圧延過程において形成されるスケールや、その後の冷却過程および巻取り過程において生じる粒界酸化に起因することを突き止め、熱間圧延、その後の冷却条件および巻取り条件を規定することにより熱延鋼板の表面粗さを調整することが可能であることを知見した。
本発明は、上記検討により得られた知見に基づいてなされたものである。
本発明は、C:0.09%以上0.50%以下(以下、特に断りがない限り組成に関する「%」は「質量%」を意味する)、Si:0.02%以上2.0%以下、Mn:0.3%以上3.5%以下、Cr:0.01%以上1.0%以下、Ti:0.008%以上0.10%以下、B:0.0002%以上0.0050%以下、Al:0.005%以上0.1%以下、P:0.10%以下、S:0.05%以下およびN:0.01%以下を含有し、残部がFeおよび不純物からなる鋼組成を有し、鋼板の表層部に平均厚さが2μm以上かつ板厚の5%以下である脱炭層を有し、鋼板表面に存在する粒径1μm以上の介在物および析出物の数密度が30個/mm以下であり、表面粗さRaが1.5μm以下であることを特徴とする熱間プレス用熱延鋼板である。
この本発明に係る熱間プレス用熱延鋼板は、鋼組成が、Feの一部に代えて、Nb:0.1%以下、V:0.5%以下、W:0.5%以下、Mo:1.0%以下、Cu:1.0%以下およびNi:1.0%以下からなる群から選択された1種または2種以上を含有することが好ましい。
これらの本発明に係る熱間プレス用熱延鋼板は、鋼組成が、Feの一部に代えて、REM:0.1%以下、Mg:0.01%以下およびCa:0.01%以下からなる群から選択された1種または2種以上を含有することが好ましい。
これらの本発明に係る熱間プレス用熱延鋼板では、鋼板表面に存在する粒径1μm以上の介在物および析出物の数密度が5個/mm以下であることが好ましい。
別の観点からは、本発明は、上記の鋼組成を有する溶鋼を、単位時間当たりの溶鋼鋳込み量を2.0トン/分以上6.0トン/分以下とし、さらに、スラブの表面から5mm深さ位置までの表層部の液相線温度と固相線温度との間の平均冷却速度を4℃/秒以上とする連続鋳造によりスラブとし、このスラブに1000℃以下の温度域で圧延を完了する熱間圧延を施して熱延鋼板とし、5℃/秒以上100℃/秒以下の平均冷却速度で冷却して580℃以上750℃以下の温度域で巻き取ることを特徴とする熱間プレス用熱延鋼板の製造方法である。
この本発明に係る熱間プレス用熱延鋼板の製造方法では、連続鋳造の際に、連続鋳造機の鋳型内の溶鋼に移動磁場による攪拌を施すことが好ましい。
さらに別の観点からは、本発明は、上記の本発明に係る熱間プレス用熱延鋼板を850℃以上1000℃以下の温度域に2分間以上15分間以下保持したのちに熱間プレスを施し、10℃/秒以上の冷却速度で350℃未満の温度域まで冷却することを特徴とする熱間プレス鋼板部材の製造方法である。
本発明により、自動車や各種の産業機械に用いられる、引張強さ980MPa以上の熱間プレス鋼板部材の素材として好適であり、さらに金型寿命の延命に寄与し得る熱間プレス用熱延鋼板およびその製造方法ならびに熱間プレス鋼板部材の製造方法を提供することができる。
以下、本発明に係る熱間プレス用熱延鋼板およびその製造方法ならびに熱間プレス鋼板部材の製造方法を実施するための最良の形態を、説明する。
(A)鋼組成
C:0.09%以上0.50%以下
熱間プレスは、素材となる熱間プレス用鋼板を加熱することで軟質化させ、プレス成形を容易にすることが一つの特色であるが、あわせて、プレス金型等で急冷することで鋼を焼き入れし、より高強度の成形品である熱間プレス鋼板部材を得ることも特色である。鋼の焼き入れ後の強度は主にC含有量によって決定されるため、熱間プレス鋼板部材に要求される強度に応じてC含有量を設定する。C含有量が0.09%未満では、本発明が目的とする熱間プレス鋼板部材の引張強度を980MPa以上とすることが困難となる。したがって、C含有量を0.09%以上とする。好ましくは0.18%以上である。一方、C含有量が0.50%超では、熱間プレス鋼板部材の靭性の劣化が著しくなる。したがって、C含有量は0.50%以下とする。好ましくは0.35%以下である。
Si:0.02%以上2.0%以下
Siは、熱間プレス用鋼板の焼入れ性を高め、かつ熱間プレス鋼板部材の強度を安定して確保するのに有効な元素である。Si含有量が0.02%未満では、上記作用による効果を十分に得ることが困難となる。したがって、Si含有量は0.02%以上とする。一方、Si含有量が2.0%を超えると、熱間プレスに供する際の加熱工程において熱間プレス用熱延鋼板の表面にSiスケールが多量に発生し、熱間プレス鋼板部材にSiスケール疵を誘発する。したがって、Si含有量は2.0%以下とする。熱間プレス用熱延鋼板の表面に合金化溶融亜鉛めっきを施す場合には、合金化処理性の観点からSi含有量を1.0%以下とすることが好ましく、0.5%以下とすることがさらに好ましい。
Mn:0.3%以上3.5%以下
Mnは、熱間プレス用鋼板の焼入れ性を高め、かつ熱間プレス鋼板部材の強度を安定して確保するのに非常に有効な元素である。Mn含有量が0.3%未満では、上記作用による効果を十分に得ることが困難となる。したがって、Mn含有量は0.3%以上とする。好ましくは0.8%以上である。一方、Mn含有量が3.5%を超えると、熱間プレス鋼板部材の靭性劣化を招く。したがって、Mn含有量は3.5%以下とする。好ましくは3.0%以下である。
Cr:0.01%以上1.0%以下
Crは、熱間プレス用鋼板の焼入れ性を高め、かつ熱間プレス鋼板部材の強度を安定して確保するのに非常に有効な元素でもある。Cr含有量が0.01%未満では、上記作用による効果を十分に得ることが困難となる。したがって、Cr含有量は0.01%以上とする。好ましくは0.1%以上である。一方、Cr含有量が1.0%を超えると、熱間プレス鋼板部材の靭性劣化を招く。したがって、Cr含有量は1.0%以下とする。好ましくは0.6%以下である。
Ti:0.008%以上0.10%以下
後述するBによる作用効果は固溶状態にあるBによってもたらされるため、鋼中におけるBNの形成を抑制する必要がある。Tiは、Bよりも窒化物形成能が高いので、Tiを含有させることにより鋼中におけるBNの形成を抑制することが可能となる。この作用効果を得るために、Ti含有量は0.008%以上とする。好ましくは0.01%以上である。一方、Ti含有量が0.10%超ではTiNが粗大化してしまい、鋼板表層部にTiNが析出するとTiNが非常に硬質なために金型寿命に悪影響を及ぼし、鋼板内部に析出すると熱間圧延鋼板部材の靭性劣化を招く。したがってTi含有量は0.10%以下とする。好ましくは0.035%以下である。
B:0.0002%以上0.0050%以下
Bは、熱間プレス用鋼板の焼入れ性を高め、かつ熱間プレス鋼板部材の強度を安定して確保するのに非常に有効な元素である。B含有量が0.0002%未満では、上記作用による効果を十分に得ることが困難となる。したがって、B含有量は0.0002%以上とする。好ましくは0.0003%以上である。一方、B含有量が0.0050%を超えると、熱間プレス鋼板部材の靭性劣化を招く。したがって、B含有量を0.0050%以下とする。好ましくは0.0035%以下である。
Al:0.005%以上0.1%以下
Alは、製鋼工程において脱酸材として添加され、鋼材を健全化する作用を有する。Al含有量が0.005%未満では、上記作用による効果を十分に得ることが困難となる。したがって、Al含有量は0.005%以上とする。好ましくは0.01%以上である。一方、Al含有量が0.1%を超えると、鋼中に多量の酸化物を形成して熱間プレス鋼板部材の靭性を劣化させる。したがって、Al含有量は0.1%以下とする。好ましくは0.08%以下である。
P:0.10%以下、S:0.05%以下、N:0.01%以下
P、SおよびNは、一般に不純物として鋼中に含有される元素であるが、熱間プレス用鋼板の焼入れ性を高め、かつ熱間プレス鋼板部材の強度を安定して確保するのに有効な元素でもあるので、積極的に含有させてもよい。しかし、P含有量が0.10%超、S含有量が0.05%超またはN含有量が0.01%超では、熱間プレス鋼板部材の靭性を劣化させる。したがって、P含有量は0.10%以下、S含有量は0.05%以下、N含有量は0.01%以下とする。なお、これらの不純物元素を過剰に低減するには著しいコストの増加を伴うので、P含有量は0.005%以上、S含有量は0.0005%以上、N含有量は0.001%以上とすることが好ましい。
Nb:0.1%以下、V:0.5%以下、W:0.5%以下、Mo:1.0%以下、Cu:1.0%以下およびNi:1.0%以下からなる群から選択された1種または2種以上
これらの元素は、いずれも熱間プレス用鋼板の焼入れ性を高め、かつ熱間プレス鋼板部材の強度を安定して確保するのに有効な任意元素である。したがって、これらの元素から選ばれる1種または2種以上を積極的に含有させてもよい。しかし、Nbについては0.1%を超えて、VおよびWについてはそれぞれ0.5%を超えて、Mo、CuおよびNiについてはそれぞれ1.0%を超えて、含有させても上記作用による効果は飽和してしまい、徒にコストの増加を招くのみである。したがって、Nbの含有量は0.1%以下、VおよびWの含有量はそれぞれ0.5%以下、Mo、CuおよびNiの含有量はそれぞれ1.0%以下とする。なお、上記作用による効果をより確実に得るには、Nbについては0.005%以上、VおよびWについてはそれぞれ0.01%以上、Mo、CuおよびNiについてはそれぞれ0.02%以上として、いずれかの元素を含有させることが好ましい。
REM:0.1%以下、Mg:0.01%以下およびCa:0.01%以下からなる群から選択された1種または2種以上
REM(希土類元素)、MgおよびCaは、いずれも鋼中の介在物の形態を微細化する作用を有し、介在物による熱間プレス時の割れを防止するのに有効な元素である。したがって、これらの元素から選ばれる1種または2種以上を積極的に含有させてもよい。しかし、REMについては0.1%を超えて、MgおよびCaについては0.01%を超えてそれぞれ含有させても上記作用による効果は飽和してしまい、徒にコストの増加を招くのみである。したがって、REMの含有量は0.1%以下、MgおよびCaの含有量はそれぞれ0.01%以下とする。なお、上記作用による効果をより確実に得るには、いずれかの元素の含有量を0.0005%以上とすることが好ましい。
上記以外の残部は、Feおよび不純物である。
(B)熱間プレス用熱延鋼板の諸特性
<脱炭層>
熱間プレスにおける金型摩耗を抑制するには、熱間プレス用熱延鋼板の表層部に平均厚さが2μm以上かつ板厚の5%以下の脱炭層を有することが有効である。ここで、脱炭層とは、鋼板表層部に存在するフェライトの面積率が95%以上の組織の層であり、炭化物が殆ど存在しないフェライト主体の層であるため、ミクロ観察によってその他の部位の組織と容易に区別されるものである。
この脱炭層の平均厚さが2μm未満では、金型摩耗の抑制効果が十分に得られない。これは、熱間プレスに供する熱間プレス用鋼板の加熱工程において脱炭層にCが拡散されるところ、平均厚さが2μm未満の薄い脱炭層ではこの加熱工程において脱炭層が消失してしまい、熱間プレス後の熱間プレス鋼板部材の表層部に脱炭による軟質層が維持されない場合があるからである。したがって、熱間プレス用熱延鋼板の表層部における脱炭層の平均厚さは2μm以上とする。
一方、この脱炭層の平均厚さが板厚の5%超では、熱間プレスによる焼入れにより高強度化される部位の割合が過少となり、熱間プレス鋼板部材について目的とする引張強さが得られない場合がある。したがって、熱間プレス用熱延鋼板の表層部における脱炭層の平均厚さは板厚の5%以下とする。
熱間プレスは、供給する熱間プレス用熱延鋼板を一旦オーステナイト単相域まで加熱するプロセスであるから、熱間プレス用熱延鋼板における脱炭層以外の内部の鋼組織は特に規定する必要はない。すなわち、フェライト、パーライト、ベイナイト、マルテンサイト、オーステナイト、球状化セメンタイトなど如何なる相および組織であっても構わない。ただし、熱間プレスに供する前のブランキングにおける加工性の確保という観点からは、フェライトとパーライトまたはフェライトと球状化セメンタイトの鋼組織とすることが好ましい。
<介在物および析出物>
鋼板表面に存在する粒径1μm以上の介在物および析出物の数密度を30個/mm以下とする。ここで、介在物および析出物の粒径は、介在物および析出物の面積から換算した円相当直径である。
介在物はAl系やTi系の酸化物であり、その代表的なものはAlである。また、析出物はTi系やAl系の析出物であり、その代表的なものは窒化物であり、TiNやAlNであるが、高温で生成して粗大化するのはTiNである。これらの介在物および析出物はいずれも硬質であるため、鋼板表面にこれらの介在物や析出物のうち粒径1μm以上の粗大なものが多数存在すると、金型の磨耗が促進され、金型寿命が短縮される。したがって、鋼板表面に存在する粒径1μm以上の介在物および析出物の数密度を30個/mm以下とする。なお、介在物および析出物のうち粒径1μm以上のものを規定するのは、粒径1μm未満の介在物および析出物は金型磨耗に及ぼす影響が小さいからである。
<表面粗さ>
鋼板の表面粗さRaは1.5μm以下とする。鋼板の表面粗さがRaが1.5μm超では、金型の磨耗が著しく促進され、金型寿命が顕著に短縮される。したがって鋼板の表面粗さRaを1.5μm以下とする。
<その他>
熱間プレス用熱延鋼板の表面には、熱間プレス工程におけるスケール生成の抑制や熱間プレス鋼板部材の耐食性の向上を目的として、例えば、溶融亜鉛めっきや合金化溶融亜鉛めっきなどの表面処理を施してもよい。このようなめっき被膜は軟質であるため、金型寿命はめっきの基材である熱延鋼板の性状によって決定されるからである。
(C)熱間プレス用熱延鋼板の製造条件
上述した本発明に係る熱間プレス用熱延鋼板を得るには、以下のような製造条件を適用することが有効である。
(連続鋳造工程)
溶鋼を連続鋳造してスラブとする連続鋳造工程において、単位時間当たりの溶鋼鋳込み量を2.0トン/分以上6.0トン/分以下とし、さらに、スラブの表面から5mm深さ位置までの表層部の液相線温度と固相線温度と間における平均冷却速度を4℃/秒以上とする。
単位時間当たりの溶鋼鋳込み量が2.0トン/分未満では、鋳型に供給される熱量が減少し、凝固殻上部の爪長さが長くなるため、スラブ表層へのモールドパウダーの捕捉が生じやすくなり、鋼板表面に存在する粒径1μm以上の介在物および析出物の数密度が30個/mm超となる場合がある。したがって、単位時間当たりの溶鋼鋳込み量は2.0トン/分以上とする。なお、モールドパウダーは、一般に、Al、SiO、CaOの成分系で構成されている。
一方、単位時間当たりの溶鋼鋳込み量が6.0トン/分超では、溶鋼の流動が大きくなり過ぎて、モールドパウダーの巻き込みによるアルミナ系介在物のスラブ表層への捕捉が生じやすくなり、鋼板表面に存在する粒径1μm以上の介在物および析出物の数密度が30個/mm超となる場合がある。したがって、単位時間当たりの溶鋼鋳込み量が6.0トン/分以下とする。
また、液相線温度と固相線温度との間は凝固の途中過程であるため、Ti、Al、Nなどが溶鋼偏析し、その凝固界面でTiNやAlNの析出を開始して成長する。したがって、スラブの表面から5mm深さ位置までの表層部の液相線温度と固相線温度との間における平均冷却速度が4℃/秒未満では、冷却速度が小さいため、溶鋼偏析が進行して析出核生成が促進されるとともに析出後の析出物の粒成長も促進されてしまい、鋼板表面に存在する粒径1μm以上の介在物および析出物の数密度が30個/mm超となる場合がある。したがって、スラブの表面から5mm深さ位置までの表層部の液相線温度と固相線温度との間の平均冷却速度が4℃/秒以上とする。
鋼板表面の析出物の生成を抑制する観点からは、上記平均冷却速度は大きい方が好ましいので、上記平均冷却速度の上限は特に規定する必要はないが、冷却速度が過大であるとスラブに割れが生じる可能性があるので、100℃/秒以下とすることが好ましい。
鋼板表面に存在する粒径1μm以上の介在物および析出物の数密度をより一層低減させるには、連続鋳造機の鋳型内において、移動磁場による溶鋼の攪拌を実施することが有効である。移動磁場による溶鋼の攪拌を実施することにより、凝固殻上部の爪長さが短くなり、スラブ表層へのモールドパウダーの捕捉が生じにくくなる。加えて、一度捕捉されても、鋳型上部表層の溶鋼流動により、再度介在物が浮上する頻度が高くなる。したがって、移動磁場による溶鋼の攪拌を実施することが鋼板表面に存在する粒径1μm以上の介在物および析出物の数密度の低減に有効であり、それらの数密度を5個/mm以下とすることが可能となり、金型寿命を一層向上させることができる。
ここで、移動磁場による溶鋼の攪拌は、鋳型から20mm位置における流速が10cm/秒以上100cm/秒以下となるように行うことが好ましい。上記流速が10cm/未満では介在物捕捉抑制作用が十分でない場合があり、100cm/秒超ではパウダーの巻き込みにより却って介在物が増加する場合があるからである。上記流速は、例えばカルマン渦式流量計を用いて測定することができる。
(熱間圧延工程)
このようにして得たスラブに1000℃以下の温度域で圧延を完了する熱間圧延を施して熱延鋼板とし、5℃/秒以上100℃/秒以下の平均冷却速度で冷却して580℃以上750℃以下の温度域で巻き取る。
熱間圧延完了温度が1000℃超では、鋼板表面にスケール疵が多発し、鋼板の表面粗さRaが1.5μm超となる場合がある。したがって、熱間圧延完了温度は1000℃以下とする。なお、熱間圧延完了温度の下限は特に規定する必要はないが、熱間圧延過程で変態が生じると体積変動に起因する操業トラブルを誘発するため、820℃以上とすることが好ましい。
また、熱間圧延完了から巻取りまでの平均冷却速度が5℃/秒未満では、高温状態に保持される時間が長過ぎるため、粒界酸化が著しく進行してしまい、鋼板の表面粗さRaが1.5μm超となる場合がある。したがって、熱間圧延完了から巻取りまでの平均冷却速度は5℃/秒以上とする。
一方、熱間圧延完了から巻取りまでの平均冷却速度が100℃/秒超では、高温状態に保持される時間が短過ぎるため、鋼板の表層部に形成される脱炭層の平均厚さが2μm未満となる場合がある。したがって、熱間圧延完了から巻取りまでの平均冷却速度は100℃/秒以下とする。
また、巻取温度が580℃未満では、高温状態に保持される時間が短過ぎるため、鋼板の表層部に形成される脱炭層の平均厚さが2μm未満となる場合がある。したがって、巻取温度は580℃以上とする。
一方、巻取温度が750℃超では、高温状態に保持される時間が長過ぎるため、粒界酸化が著しく進行してしまい、鋼板の表面粗さRaが1.5μm超となる場合がある。したがって、巻取温度は750℃以下とする。
なお、上記冷却条件を満足するのであるなら、熱間圧延後の冷却を、1次冷却−空冷−2次冷却という冷却を採用してもよい。
(D)熱間プレス鋼板部材の製造方法
(加熱条件:850℃以上1000℃以下の温度域に2分間以上15分間以下保持)
記熱間プレス用鋼板を熱間プレスに供する際にオーステナイト単相状態となるように加熱を施す。
このときの加熱温度が850℃未満または加熱時間が2分間未満では、オーステナイト単相とならずにフェライト、パーライト、ベイナイトやセメンタイトが残存したり、Cの固溶が不均一となる場合があり、このため、熱間プレス鋼板部材について目的とする強度を確保できなかったり、熱間プレス鋼板部材内における硬度変動が著しくなる場合がある。したがって、加熱温度は850℃以上、加熱時間は2分間以上とする。一方、加熱温度が1000℃超または加熱時間が15分間超では、鋼板表面に厚いスケールが形成されてしまい、熱間プレスにおいてスケール噛み込みが生じて熱間プレス鋼板部材に表面疵が生じる場合がある。また、Cの拡散が大きくなるため、鋼板表層部の脱炭層が消失してしまい、目的とする金型磨耗抑制効果が得られなくなる場合もある。したがって、加熱温度は1000℃以下、加熱時間は15分間以下とする。
(熱間プレス後に10℃/秒以上の冷却速度で350℃未満の温度域まで冷却)
熱間プレス後の冷却速度が10℃/秒未満では、熱間プレスの途中やその後の冷却過程においてフェライトが生成し始めるため、熱間プレス鋼板部材について目的とする強度を確保できない場合がある。また、冷却を350℃以上の温度で停止してしまったのでは、マルテンサイト以外の相や組織が生成してしまい、熱間プレス鋼板部材について目的とする強度を確保できない場合がある。したがって、熱間プレス後に10℃/秒以上の冷却速度で350℃未満の温度域まで冷却する。冷却速度は20℃/秒以上とすることが好ましく、冷却速度の上限は特に規定する必要はない。また、冷却完了温度は100℃以下、さらには室温とすることが好ましい。
このようにして、本実施の形態により、自動車や各種の産業機械に用いられる、引張強さ980MPa以上の熱間プレス鋼板部材の素材として好適であり、さらに金型寿命の延命に寄与し得る熱間プレス用熱延鋼板およびその製造方法ならびに熱間プレス鋼板部材の製造方法が提供される。
本発明の具体的な実施例を以下に説明する。
表1に示す化学成分を有する鋼を試験転炉で溶製し、試験連続鋳造機にて連続鋳造を実施し、スラブとした。供試材の一部は、連続鋳造時に鋳型内電磁攪拌を実施した。その後、試験熱間圧延機にて、得られたスラブを表2に示す条件にて加熱した後、熱間圧延を施した。板厚は、3.2mmとした。その後、ラボにて酸洗を行い熱間プレス用熱延鋼板とした。
Figure 0005131844
Figure 0005131844
得られた熱間プレス用熱延鋼板を加熱炉内で鋼板表面温度900℃に到達させ、その温度にて4分間保持し、加熱炉より取り出して速やかに、本実施例でのハット成形法を模式的に示す説明図である図1に示す、冷却装置付きの銅製のパンチ1およびダイス2を備える熱間プレス試験装置3を用いて、熱間プレスを施し、焼入れ処理を施して、熱間プレス鋼板部材4とした。
図1に示すように、熱間プレス鋼板部材4の形状は、ハット型の形状(巾100mm×長さ150mm)とし、成形高さは70mmとした。各条件で製造した鋼板を50枚用意し、熱間プレスを実施した。
1)スラブ表面から深さ5mm位置における液相線温度と固相線温度との間での平均凝固速度の算出
得られたスラブの一部を切り出し、ピクリン酸にてエッチングを行った。光学顕微鏡を用いて、スラブの凝固組織を観察した。スラブ表面から5mm位置のデンドライト2次アーム間隔を測定した。測定は各供試材でn=10で測定し、各々の箇所で冷却速度を求め、その平均値を平均冷却速度とした。
2)鋼組織の評価
鋼板の圧延方向に平行な断面について、ナイタール液でエッチングを行い、光学顕微鏡を用いて、鋼板表層の鋼組織を観察した。倍率は500倍として、各製造条件に付きn=10の視野で観察を行った。各視野における最小脱炭層厚みと最大脱炭厚みを測定し、得られた測定値(n=20)から脱炭層の平均厚さを算出した。
3)介在物および析出物の調査
鋼板の表面を、走査型電子顕微鏡で観察した。倍率は3000倍で実施し、各製造条件についてn=20の視野を観察した。粒径は画像解析により求められる各々の介在物および析出物の面積から円相当粒径に換算し、その直径を各々の介在物および析出物の粒径とした。その粒径1μm以上の個数をカウントし、単位面積における個数を換算した。
4)鋼板の機械特性
各鋼板の圧延直角方向からJIS5号引張試験を採取した。試験方法はJIS Z 2241に準じた。降伏点(YP)、引張強さ(TS)、全伸び(El)を測定した。
5)鋼板の表面粗さ
表面粗さ計を用いて、各鋼板の圧延方向ならびに圧延直角方向について鋼板表面粗さ(Ra)を測定した。各鋼板について圧延方向をn=5ならびに圧延直角方向n=5のRaを測定し、算術計算にて平均値とした。
6)金型摩耗の評価
金型摩耗の評価は、同一条件で製造した熱間プレス用鋼板を50枚熱間プレスした後、図1に示すパンチ1を取り出し、パンチ1の縦壁部の表面粗さRyを測定した。金型使用前のRyと50枚熱間プレスした金型使用後のRyとの差を摩耗量とした。
7)熱間プレス鋼板部材の硬度
図1に示す熱間プレス鋼板部材1のハット形状の硬度は、ビッカース硬度計を用いて測定した。荷重は98kN(10kgf)とした。ハット形状部の縦壁部を切り出し、板厚1/4部での断面硬度をn=5で測定し、算術計算にて平均値とした。
結果を表3にまとめて示す。
Figure 0005131844
本発明である供試材H1〜H8は、金型摩耗量Ryが6μm以下で金型の摩耗が少なく良好であった。特に、鋳型内電磁攪拌を行ったH1、H6およびH8は、鋼板表面に存在する粒径1μm以上の介在物および析出物の数密度が一層少なくなっており、金型摩耗量Ryが3μm以下と、金型の摩耗が極めて少なく良好であった。
供試材No.H9〜H17は本発明で規定する条件のいずれかを外れる比較例である。
供試材H9は、単位時間当りの溶鋼鋳込み量が1.8トン/分と、本発明の範囲外であった。そのため、鋳型の熱量が少なくなり、凝固殻に介在物が捕捉されやすくなり、鋼板表面に存在する粒径1μm以上の介在物および析出物の数密度が35個/mmと増加し、金型摩耗量Ryが10μmと悪化した。
供試材H10は、単位時間当りの溶鋼鋳込み量が6.2トン/分と、本発明の範囲外であった。そのため、鋳型内の溶鋼流動が過大となり、モールドパウダーの巻き込みによるアルミナ系介在物のスラブ表層への捕捉が生じやすくなり、鋼板表面に存在する粒径1μm以上の介在物および析出物の数密度が38個/mmと増加し、金型摩耗量Ryが12μmと悪化した。
供試材H11は、スラブの表面から5mm深さ位置までの表層部の液相線温度〜固相線温度間の平均冷却速度が3℃/秒と、本発明の範囲外であった。そのため、溶鋼偏析が進行して析出核生成が促進されるとともに析出後の析出物の粒成長も促進されてしまい、鋼板表面に存在する粒径1μm以上の介在物および析出物の数密度が50個/mmと増加し、金型摩耗量Ryが14μmと悪化した。
供試材H12は、熱間圧延完了温度が1020℃と、本発明の範囲外であった。そのため、鋼板表面にスケール疵が多発し、鋼板の表面粗さRaが1.8μmとなり、金型摩耗量Ryが12μmと悪化した。
供試材H13は、熱間圧延完了から巻取りまでの平均冷却速度が4℃/秒と、本発明の範囲外であった。そのため、鋼板表層での粒界酸化が顕著になり、鋼板の表面粗さRaが1.8μmとなり、金型摩耗量Ryが13μmと悪化した。
供試材H14は、熱間圧延完了から巻取りまでの平均冷却速度が120℃/秒と、本発明の範囲外であった。そのため、鋼板の表層部に形成される脱炭層の平均厚さが0μmとなり、金型摩耗量Ryが16μmと悪化した。
供試材H15は、巻取温度が560℃と、本発明の範囲外であった。そのため、鋼板の表層部に形成される脱炭層の平均厚さが1μmとなり、金型摩耗量Ryが15μmと悪化した。
供試材H16は、巻取温度が760℃と、本発明の範囲外であった。そのため、鋼板表層での粒界酸化が顕著になり、鋼板の表面粗さRaが1.7μmとなり、金型摩耗量が12μmと悪化した。
さらに、供試材H17は、Mn含有量が0.2%と、本発明の範囲外であった。そのため、焼入性が不十分となり、熱間プレス鋼板部材の硬度が200Hvと低い値となった。
本発明の熱間プレス用鋼板は、熱間プレス鋼板部材の素材として好適であり、上記熱間プレス鋼板部材は、自動車や各種の産業機械に用いられる構造部材、特に、自動車のメンバーや足廻り部品に代表される構造部材として好適である。また、熱間プレスに用いる金型の長寿命化をも可能にする。したがって、産業上格段の効果を奏する。
実施例でのハット成形法を模式的に示す説明図である。
符号の説明
1 パンチ
2 ダイス
3 熱間プレス試験装置
4 熱間プレス鋼板部材

Claims (7)

  1. 質量%で、C:0.09〜0.50%、Si:0.02〜2.0%、Mn:0.3〜3.5%、Cr:0.01〜1.0%、Ti:0.008〜0.10%、B:0.0002〜0.0050%、Al:0.005〜0.1%、P:0.10%以下、S:0.05%以下およびN:0.01%以下を含有し、残部がFeおよび不純物からなる鋼組成を有し、
    鋼板の表層部に平均厚さが2μm以上かつ板厚の5%以下である脱炭層を有し、
    鋼板表面に存在する粒径1μm以上の介在物および析出物の数密度が30個/mm以下であり、
    表面粗さRaが1.5μm以下であること
    を特徴とする熱間プレス用熱延鋼板。
  2. 前記鋼組成が、Feの一部に代えて、質量%で、Nb:0.1%以下、V:0.5%以下、W:0.5%以下、Mo:1.0%以下、Cu:1.0%以下およびNi:1.0%以下からなる群から選択された1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載の熱間プレス用熱延鋼板。
  3. 前記鋼組成が、Feの一部に代えて、REM:0.1%以下、Mg:0.01%以下およびCa:0.01%以下からなる群から選択された1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の熱間プレス用熱延鋼板。
  4. 鋼板表面に存在する粒径1μm以上の介在物および析出物の数密度が5個/mm以下であることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかに記載の熱間プレス用熱延鋼板。
  5. 請求項1から請求項3までのいずれかに記載の鋼組成を有する溶鋼を、単位時間当たりの溶鋼鋳込み量を2.0〜6.0トン/分とし、さらに、スラブの表面から5mm深さ位置までの表層部の液相線温度〜固相線温度間の平均冷却速度を4℃/秒以上とする連続鋳造によりスラブとし、該スラブに1000℃以下の温度域で圧延を完了する熱間圧延を施して熱延鋼板とし、5〜100℃/秒の平均冷却速度で冷却して580〜750℃の温度域で巻き取ることを特徴とする熱間プレス用熱延鋼板の製造方法。
  6. 前記連続鋳造の際に、連続鋳造機の鋳型内の溶鋼に移動磁場による攪拌を施すことを特徴とする請求項5に記載の熱間プレス用熱延鋼板の製造方法。
  7. 請求項1から請求項4までのいずれかに記載の熱間プレス用熱延鋼板を850〜1000℃の温度域に2分間〜15分間保持したのちに熱間プレスを施し、10℃/秒以上の冷却速度で350℃未満の温度域まで冷却することを特徴とする熱間プレス鋼板部材の製造方法。
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