JP4109703B2 - 化成処理性に優れた高強度冷延鋼板 - Google Patents

化成処理性に優れた高強度冷延鋼板 Download PDF

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Description

本発明は、高強度を有すると共に、リン酸塩処理などの化成処理性に優れた冷延鋼板に関するものである。
最近、自動車などの軽量化に伴う燃費向上、更には排ガス低減の観点から、鋼材の一層の高強度化が求められており、特に冷延鋼板についてはハイテン化(高強度化)が急速に進んできている。こうした要望に対しては、合金元素を添加することで高強度化を図るのが一般的であるが、合金元素の添加量を多くすると化成処理性が低下するという問題が生じてくる。中でもMoは、高い強度向上効果を有している割には延性の低下が少ないことから、強度向上元素として汎用されている。ところが鋼にMoを添加すると、化成処理液中の鋼板の自然電位が貴な方向に進み、化成処理性が著しく劣化するという新たな問題が生じてくる。
そこで、合金元素の添加による高強度化の目的を果たしつつ、化成処理性を改善する方法も幾つか提案されている。
例えば特許文献1には、鋼板表面の粗度の規則性を表わす規則度パラメータを0.25%以下に抑えることで、化成処理性を高める方法が開示されている。この場合の制御対象は、低炭素キルド鋼に属する340MPa級以下のものであり、またこの技術は、本件発明で特に注目するMo添加鋼に対しては殆どその効果が発現されない。また高強度鋼板を得るには、SiやMnといった強化作用を有する合金元素の活用も有用な手段となる。ところがそれらの合金元素は、冷延後の焼鈍工程で表面酸化物を生成するため、その表面酸化物を制御しない限り、表面粗度の規則度パラメータを調整するだけで化成処理性を改善することはできない。
また特許文献2では、高強度冷延鋼板の表面に20〜1500mg/m程度の鉄被覆を形成し、鋼板表面に濃化した合金元素や選択酸化層の影響を抑えることで化成処理性の低下防止を図っている。ところがこの方法では、鉄被覆を形成するために電気メッキ処理が必要となり、生産性やコストの問題が生じてくる。
他方、本発明者らは、鋼板表面に生成する酸化物の形態を制御することで、リン酸塩結晶の核生成サイトとして有効に活用し、化成処理性を高める技術を開発し、先に特許文献3として提案している。
特開昭62−151208号公報 特開平5−320952号公報 特開2005−187863号公報
本発明は上記の様な状況の下で、Moを含まない高強度冷延鋼板は勿論のこと、高強度化を期してMoを添加した冷延鋼板であっても、安定して優れた化成処理性を発揮し得る様な高強度冷延鋼板を提供することを目的とする。
上記課題を解決することのできた本発明に係る高強度冷延鋼板は、たとえば390MPa以上、更には780MPaレベル以上の引張強度を有する高強度冷延鋼板であって、該鋼板表面に存在する凹凸の最大深さ(Ry)が10μm以上、該凹凸の平均間隔(Sm)が30μm以下という要件を満たす他、
1)表面凹凸の負荷長さ率(tp40)が20%以下、および
2)表面凹凸の負荷長さ率(tp60)と同(tp40)の差が60%以上、
という2つの要件のうちいずれか1方の要件を満たし、より好ましくは、これら1),2)の要件を同時に満たし、
更には、同表面に存在する幅3μm以下で、深さ5μm以上のクラックが存在しない化成処理性に優れた高強度冷延鋼板である。
本発明に係る上記鋼板の成分組成は、要求強度に応じて任意に変更できるが、好ましいのは、基本成分としてC:0.05〜1.0%、Si:2%以下(0%を含む)、Mn:0.3〜4.0%、Al:0.005〜3.0%を満たし、好ましくは更に、高強度化のため、Mo:0.02〜1.0%を含み、あるいは、必要に応じて更にCr:1.0%以下(0%を含まない)、Ti:0.2%以下(0%を含まない)、Nb:0.1%以下(0%を含まない)、V:0.1%以下(0%を含まない)、Cu:1.0%以下(0%を含まない)、Ni:1.0%以下(0%を含まない)、B:0.002%以下(0%を含まない)、Ca:0.005%以下(0%を含まない)よりなる群から選択される少なくとも1種の元素を含むもので、残部は鉄と不可避不純物からなる鋼である。
また、本発明に係る高強度冷延鋼板の強度レベルは、用途・目的によっても変わってくるので一律に定めることはできないが、汎用的な強度レベルは引張強度で390MPa以上、より好ましくは780MPa以上を有するものである。こうした強度レベルと化成処理性を満たす鋼板の好ましい金属組織は、a)フェライトと焼戻しマルテンサイトとの2相組織を有するものと、b)フェライトが5〜80面積%、ベイナイトが5〜80面積%で、フェライトとベイナイトの合計量が75面積%以上であり、且つ残留オーステナイトが5面積%以上の複合組織を有するものである。
本発明によれば、冷延鋼板の表面に存在する凹凸の最大深さ(Ry)と該凹凸の平均間隔(Sm)を規定すると共に、当該表面凹凸の負荷長さ率(tp40)および/または該負荷長さ率(tp40)と同(tp60)の差を規定し、更にはクラックの幅と深さを特定することによって、化成処理性を著しく改善することができ、Moを含まない冷延鋼板はもとより、化成処理性を劣化させるMoを高強度化のため適量含有させた高強度冷延鋼板であっても優れた化成処理性を保証し、強度と化成処理性を兼ね備えた冷延鋼板を安価に提供できる。
本発明者らは前述した様な解決課題の下で、特に高強度化の手段としてMoを添加した冷延鋼板を対象として、Mo添加による化成処理性低下の問題を改善すべく鋭意研究を進めてきた。
その結果、冷延鋼板表面の凹凸の最大深さ(Ry)を「10μm以上」、該凹凸の平均間隔(Sm)を「30μm以下」に特定すると共に、表面凹凸の負荷長さ率(tp40)を20%以下に、および/または該凹凸の負荷長さ率(tp60)と同(tp40)の差[(tp60)−(tp40)]を60%以上に調整し、更に、同表面に存在するクラックの幅と深さを特定してやれば、Moを含まない冷延鋼板はもとより、更なる高強度化を期して適量のMoが添加された冷延鋼板であっても化成処理性の低下が抑えられ、優れた化成処理性と強度を兼ね備えた冷延鋼板が得られることをつき止めた。
本発明で規定する表面凹凸の上記最大深さ(Ry)とは、例えば図1に示す如く表面粗さ曲線の最高山頂(Rt)と最深谷底(Rb)との間隔を意味し、該凹凸の平均間隔(Sm)とは、例えば図2に示す如く表面粗さ曲線における平均線の山から谷に変わる点を変化点として、変化点から次の変化点までの間隔(S,S……S)の平均値を意味する。また負荷長さ率(tp)とは、例えば図3に示す如く表面粗さ曲線をある切断線レベル(p)で切断したときの切断部分長さ(l,l……l)の測定長さ(L)に対する百分率を意味し、上記切断線レベル(p)が最高山頂(Rt)であるものは0(ゼロ)で(tp0)、最深谷底(Rb)であるものは100で(tp100)と表わされる。そして、該切断線レベル(p)が「40」または「60」であるときの上記切断部分長さ(l+l+l+……l)の測定長さ(L)に対する百分率が、(tp40)または(tp60)で表わされる値である。
そして、上記表面凹凸の最大深さ(Ry)が「10μm以上」、平均間隔(Sm)が「30μm以下」で、且つ、上記表面凹凸の負荷長さ率(tp40)が20%以下、および/または同負荷長さ率(tp60)と同(tp40)の差[(tp60)−(tp40)]が60%以上であり、更に、同表面に幅3μm以下で深さ5μm以上のクラックが存在しないものは、Moを含まない鋼材は勿論のこと、適量のMoを含有する冷延鋼板であっても安定して優れた化成処理性を示すことが確認されたのである。
本発明においては、上記の様に表面凹凸の最大深さ(Ry)が相対的に深く、且つ該凹凸の平均間隔(Sm)が相対的に小さいほど、表面凹凸が微細で且つ深くリン酸亜鉛結晶の核生成サイトとしての機能が高まり、全面にリン酸亜鉛結晶が生成、成長し易くなって化成処理性が高まるものと考えられる。
また上記表面凹凸の負荷長さ率(tp40)が「20%以下」(即ち、相対的に小さい)ということは、表面に突出した凸部よりも窪んだ凹部の領域(面積)が相対的に多いことを意味しており、該凹部が同様にリン酸亜鉛結晶の核生成サイトとなってリン酸亜鉛結晶の生成、成長を促し、更に、上記負荷長さ率(tp60)と同(tp40)の差[(tp60)−(tp40)]が「60%以上」(即ち、tp60とtp40の差が相対的に大きい)ということは、凸部の頂部から凹部の底部にわたる斜面が、底部方向に直線状の傾斜面を有しているのではなく湾上に窪んでいることを表わしており、該湾状に窪んだ斜面部分が結晶析出サイトとして機能することでリン酸亜鉛結晶の生成、成長を促し、化成処理性の一層の向上に寄与しているものと考えられる。
また本発明では、鋼板表面の更に他の表面特性として、幅3μm以下で深さ5μm以上のクラックが存在しないことが必要となる。このクラックとは、SEM写真により2000倍で鋼板表面近傍の断面を任意の10視野で観察することによって確認されるもので、鋼板表面にこの様な鋭利なクラックが存在すると、化成処理時に当該部位にリン酸亜鉛結晶が付着し難くなり、満足な化成処理性が得られなくなる。よって、上記の様な幅と深さの鋭利なクラックは存在しないことが、優れた化成処理性を確保する上で重要な要件となる。
いずれにしても本発明では、後記実施例でも明らかにする如く、上記表面凹凸の最大深さ(Ry)を「10μm以上」、平均間隔(Sm)を「30μm以下」にする他、これまでは化成処理性の観点から全く認識されたことのない負荷長さ率(tp40)を「20%以下」、および/または同負荷長さ率(tp60)と同(tp40)の差[(tp60)−(tp40)]を「60%以上」と定め、更には、幅3μm以下で深さ5μm以上のクラックが存在しないことを規定することにより、安定して優れた化成処理性を得ることができたのである。
化成処理性を高める上でより好ましいのは、平均間隔(Sm)が20μm以下、負荷長さ率(tp40)が15%以下、負荷長さ率の差[(tp60)−(tp40)]が70%以上で、幅3μm以下で深さ5μm以上のクラックが存在しないものである。尚、負荷長さ率(tP60)の値は特に規定しないが、化成処理性を高める上で好ましいのは60%以上、より好ましくは70%以上である。
上記の様な表面性状とすることで、化成処理によって鋼板表面に析出するリン酸塩結晶はより微細なものとなり、またリン酸塩の健全性の指標であるP比、即ちPhosphophyllite(ホスホフェライト:P)とHopeite(ホパイト:H)の比(P/P+H)はより1に近づき、化成処理性が向上する。またMo添加鋼では、化成処理液中で自然電位が貴な方向に進むため化成処理性が低下するが、上記の様な表面性状にしてやれば、Moによる化成処理性の劣化を補って余りある優れた化成処理性を得ることができる。
上記の様な表面性状の冷延鋼板を得るための方法は特に制限されないが、本発明者らの実験によれば、焼鈍後に強酸洗を行うことで上記表面性状に近づけることができることを確認している。
冷延鋼板は、焼鈍後そのままで酸洗を施さない場合もある一方で、加熱時や水焼入れ時に鋼板表面に生成する酸化物を除去するために酸洗を施す場合もある。その場合の酸洗は、通常3〜7質量%程度の塩酸水溶液を用いて40〜80℃程度で5〜20秒程度行われるが、本発明で意図する上記表面性状を得るには、酸洗液の塩酸濃度を高めに、酸洗温度を高めに、あるいは酸洗時間を長めに設定することで達成できる。より具体的には、酸洗液の塩酸濃度をA(%)、酸洗温度をB(℃)、酸洗時間(浸漬時間)をC(秒)とした時、これらが下記(I)式の関係
(A/100)×B×C≧14000……(I)
を満たす様に制御(例えば、11%HCl−80℃−30秒、15%HCl−80℃−20秒、16%HCl−85℃−15秒など)すれば、前述した様な表面性状が得られ易くなることを確認している。
また鋼板表面にできる鋭利なクラックは、熱間圧延および連続焼鈍時に生成したSi酸化物を含む線状化合物が酸溶解もしくは機械的に脱落することにより生じると考えられるが、上記の様な強酸洗条件で酸洗を行うと表面の凹凸が緩和され、化成処理性を阻害する鋭利なクラックは殆どなくなることを確認している。
本発明の高強度冷延鋼板は化成処理性に優れているため、合金元素が多く含まれる自動車の構造部品の用途に特に適している。自動車の構造部品としては、例えば、フロントやリア部のサイドメンバーやクラッシュボックス等の衝突部品を始め、センターピラーレインフォースなどのピラー類、ルーフレールレインフォース、サイドシル、フロアメンバー、キック部等の車体構造部品が挙げられる。
次に、本発明で使用する鋼材の好ましい成分組成を定めた理由は下記の通りである。
C:0.05〜1.0%
Cは、冷延鋼板の強度を高める上で重要な元素であり、0.05%未満ではCの大部分がフェライトに固溶してしまうため、高強度化に寄与する炭化物(基本的には鉄の炭化物であるセメンタイト、あるいは、必要に応じて添加されることのあるNb,Ti,Vなどの炭化物)の生成が不十分で、本発明で意図するレベルの強度が得られ難くなる。しかし多過ぎると、成形加工性が悪くなるほか溶接性にも悪影響が現れてくるので、多くとも1.0%以下、より好ましくは0.23%以下に抑えるのがよい。
Si:2.0%以下(0%を含む)
Siは、鋼を溶製する際に脱酸性元素として有効に作用する他、オーステナイトへの炭素の濃縮を促し、室温でオーステナイトを残留させて優れた強度−延性バランスを確保するうえでも有効である。こうした作用を有効に発揮させるには、Siを0.1%以上、好ましくは0.5%以上含有させるのがよい。しかしSi含量が多くなりすぎると、固溶強化作用が顕著となって圧延負荷が増大する。また、表面欠陥が生じ易くなり、更には酸洗性や塗装性にも悪影響が現われてくるので、多くとも2.0%以下、好ましくは1.5%以下に抑えるのがよい。
Mn:0.3〜4.0%
Mnは、強度を高める効果を有する他、鋼中に混入して脆化要因となるSをMnSとして固定する上でも重要な元素である。これらの作用を有効に発揮させるには、少なくとも0.3%以上、好ましくは0.5%以上含有させるのがよい。しかし多過ぎると、延性を低下させて加工性に悪影響を及ぼすばかりでなく溶接性も低下させるので、多くとも4.0%以下、好ましくは2.5%以下に抑えるのがよい。
Al:0.005〜3.0%
Alは脱酸作用を有する元素であり、Al脱酸を行う場合は0.005%以上のAlを添加する必要がある。これ未満では、脱酸不足となってMnO,SiOなどの酸化物系介在物が多量に生成し、局部的な加工性の低下を引き起こす。またAlは、Siと同様にオーステナイトへの炭素の濃縮を促して室温でのオーステナイトを残留させ、優れた強度−延性バランスを確保する上でも有効に作用する。これらの効果を有効に発揮させるには、Alを少なくとも0.005%以上、好ましくは0.01%以上、更に好ましくは0.2%以上含有させるのがよい。しかしAl含量が多すぎると、上記効果が飽和するばかりか、鋼の脆化やコストアップを招くので、多くとも3.0%、好ましくは2.0%以下に抑えるのがよい。
Al+Si:1.0〜4.0%
上記の様に本発明においてSiとAlは、何れも室温でのオーステナイトの残留を促して強度−延性バランスを高める作用を有しているので、後述する金属組織面からの特性をより有効に発揮させるには、SiとAlを合計で1.0%以上、より好ましくは1.2%以上含有させるのがよい。しかしこれらの総和が多過ぎると、鋼が脆化傾向を示す様になるので、合計で多くとも4.0%以下、好ましくは3.0%以下に抑えるのがよい。
Mo:1.0%以下
Moは、固溶強化による冷延鋼板の高強度化を進めるうえで重要な元素であり、その効果は0.02%以上含有させることで有効に発揮される。但し、要求強度が500MPaレベル未満の場合は、敢えてMoを含有させるまでもない。Mo量は要求される冷延鋼板の強度レベルにもよるが、その効果がより確実に発揮されるのは0.05%以上である。しかし、1.0%を超えると、高強度化への寄与以上に延性(加工性)に与える悪影響が顕著で、強度−伸びバランスが急激に悪くなるので、上限を1.0%と定めた。より好ましくは0.5%以下に抑えるのがよい。なお本発明は、先にも述べた様にMo添加により劣化する化成処理性を表面性状の改善で補うところに最大の特徴を有するものであるが、表面性状による化成処理性改善効果は、Moを含まない高強度冷延鋼板についても有効に発揮される。
本発明で使用する鋼の構成元素は上記の通りであり、残部は実質的にFeである。ここで「実質的に」とは、鋼原料もしくはその製造工程で混入し得る不可避不純物元素の含有を許容し、或いは前述した各成分元素の作用効果を阻害しない範囲で、更に他の元素が少量含まれていてもよいことを意味する。その様な不可避不純物元素としては、例えばP,S,N,Oなどが挙げられ、またその他の元素としては、Cr,Ti,Nb,V,Cu,Ni,B,Caなどが例示される。しかしこれらの元素は、多過ぎると大なり小なり延性や表面性状を劣化させ、化成処理性に悪影響を及ぼすので、Crは1.0%以下、Tiは0.2%以下、Nbは0.1%以下、Vは0.1%以下、Cuは1.0%以下、Niは1.0%以下、Bは0.002%以下、Caは0.005%以下、に夫々抑えるべきである。
尚、本発明に係る冷延鋼板の強度は、用途に応じてC,Si,Mn,Moなどの含有率を変えることで390MPaレベル以上、更には780MPaレベル以上の任意の強度に調整できる。
尚、780MPa級以上の冷延鋼板を得たい場合は、冷延後の連続焼鈍でAc変態点以上の温度に加熱した後、所定の徐冷終点温度(焼入れ開始温度という場合もある、通常は350〜750℃)まで徐冷し、その後様々の方法(水冷、ガス吹き付け、水冷ロール抜熱による冷却、ミスト冷却など)で焼入れを行い、更に150〜550℃程度の温度で焼戻し処理を行うことにより、金属組織をフェライト−焼戻しマルテンサイトの2相組織とするのがよい。2相組織の好ましい含有比率は、縦断面組織中に占める面積比率で、フェライト:5〜95%、焼戻しマルテンサイト:5〜95%の範囲である。
あるいは、鋼組成がSi:0.1〜2.0%、Al:0.01〜3.0%で且つ(Si+Al)が1.0〜4.0%を満たす鋼材を使用し、冷延後の連続焼鈍でAc変態点以上の温度に加熱した後、所定の徐冷終点温度(例えば150〜600℃)まで冷却し、その温度域に60秒程度以上滞留させることで、フェライト−ベイナイト−残留オーステナイトからなる複合組織とするのがよい。
該複合組織の場合のフェライト、ベイナイト、残留オーステナイトの好ましい含有比率は、同じく縦断面組織内に占める面積比率で、フェライト:5〜80%(好ましくは30%以上)、ベイナイト:5〜80%(好ましくは50%以下)、残留オーステナイト:5%以上の範囲である。フェライトとベイナイトの合計含量は75%以上、より好ましくは80%以上とするのがよく、その上限は、残留オーステナイト量とのバランスによって制御される。
なお上記「フェライト」とは、ポリゴナルフェライト、すなわち転位密度の少ないフェライトを意味し、特に延性に寄与する組織であるのに対し、ベイナイトは特に強度に寄与する組織であり、本発明では強度と延性のバランスを図るため、上記金属組織が重要な意味を持ってくるのである。
本発明は以上の様に構成されるが、高強度冷延鋼板を対象として化成処理性を改善し、特に強化元素として有用なMoを添加した高強度冷延鋼板であっても、表面性状を適正にコントロールすることで、Mo添加に伴う現実的な問題点として指摘されていた化成処理性の劣化を防止し、高強度と優れた化成処理性を兼ね備えた冷延鋼板を提供し得ることになった。
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらは何れも本発明の技術的範囲に含まれる。
実施例
下記表1に示す化学成分の鋼材1〜29を溶製し、鋳造によりスラブを製造した。このスラブをAc点以上の温度に加熱した後、表2に示す条件で厚さ3.2mmにまで熱間圧延し、酸洗してから厚さ1.4mmまで冷間圧延する。その後、加熱焼鈍してから表3,4に示す条件で酸洗処理することにより冷延鋼板を得た。この実験で採用したヒートパターンの概要を図4(a),(b)に示す。
得られた冷延鋼板の機械的特性と縦断面組織の観察結果を表2に併記した。なお断面組織は、供試鋼板の縦断面をレペラー腐食した後、光学顕微鏡を用いて倍率1000倍で観察することにより、組織の同定と面積率を求めた。また残留オーステナイト(γ)はX線回折(XDR)によって求めた。
得られた各冷延鋼板の表面性状を、レーザー顕微鏡(レーザーテック社製、型番「1LM21W」)により50倍の対物レンズを用いて観察し、無作為に選択した10箇所について、1箇所当り0.16mm×0.22mmの面積を走査することによって、表面凹凸の平均間隔(Sm)、最大深さ(Ry)、負荷長さ率(tp40)および(tp60)の値とその差を求めると共に、下記の方法で各供試材表面のクラックの有無を確認し、更に下記の方法で化成処理性を評価した。結果を表3,4に一括して示す。
クラックの確認:SEM(日立製作所製の品番「S−4500」)を使用し、倍率2000倍で供試鋼板断面の表面近傍における任意の10視野(2000倍の画像での1視野:13cm×11cm)を観察し、幅3μm以下で深さ5μm以上のクラックの有無を調べた。
化成処理性:
各供試鋼板の表面を下記の条件で化成処理した後、鋼板表面を1000倍でSEM観察し、無作為に選択した10視野についてリン酸亜鉛結晶の付着状況を調べ、下記の基準で化成処理性を評価した。
化成処理液…日本パーカライジング社製の化成処理液「パルボンドL3020」を使用
化成処理工程…脱脂(日本パーカライジング社製の脱脂液「ファインクリーナー」を用い、45℃で120秒)→水洗(30秒)→表面調整(日本パーカライジング社製の表面調整液「プレパレンZ」に15秒浸漬)→化成処理(上記化成処理液に43℃で120秒浸漬)
評価基準
スケ:10視野全てにおいて均一に付着しているもの:(◎)、10視野中で5%以下のスケが認められたものが3視野以下であるもの:(○)、それ以外:(×)。
粒径:各視野の中から大きなものを10個選択し、その平均径で評価する。
10μm以上:×、7μm以上〜10μm未満:○、
4μm以上〜7μm未満:◎、4μm未満:●。
P比:化成処理後の鋼板表面をX線回折によりホスホフェライト(P)とホパイト(H)に相当するピークを測定し、その比(P/P+H)(n=5の平均値)によって評価する。P比=P/(P+H)で、0.85未満:×、0.85以上〜0.93未満:○、0.93以上〜0.96未満:◎、0.96以上:●。
判定は、上記スケと粒径およびP比から、下記の様に総合評価した。
スケが◎、粒径が●、P比が●であるものは、総合で●(ベスト)、
スケが◎、粒径とP比が◎以上で、上記以外のものは、総合で◎(優)、
スケ、粒径、P比が○以上で上記以外のものは、総合で○(良)、
スケ、粒径、P比のどれか1つでも×であるものは、総合で×(不良)。
Figure 0004109703
Figure 0004109703
Figure 0004109703
Figure 0004109703
上記表1〜4から次の様に考えることができる。
実験No.1,6は、負荷長さ率のtp40と(tp60−tp40)が何れも本発明の規定要件を外れる比較例であるが、Moが添加されていないため極端な化成処理性の劣化は認められない。
実験No.12,16は、鋼材中にMoが含まれており、しかも、負荷長さ率のtp40と(tp60−tp40)が何れも本発明の規定要件を外れているため、Moによる化成処理性阻害作用が顕著に現れ、いずれも化成処理性が劣悪である。
実験No.22は、負荷長さ率のtp40と(tp60−tp40)が何れも本発明の規定要件を外れるほか、表面凹凸の最大深さRyも規定値に達していないため、化成処理性が悪い。
実験No.28,29は、負荷長さ率のtp40と(tp60−tp40)が何れも本発明の規定要件を外れており、且つ表面に狭くて深いクラックが存在するため、化成処理性が劣悪である。
実験No.46は、表面凹凸の平均間隔Smが規定値を超え、実験No.48は、表面凹凸の最大深さRyが規定値に達していないため、何れも化成処理性が悪い。更に実験No.50は、鋼板の表面性状は良好であるものの、鋼中のMo含量が多過ぎるため化成処理性が悪い。
これらに対し、上記の摘出例以外は、Moが添加されていない鋼種は勿論のこと、高強度化のため適量のMoが添加されたものであっても、本発明で規定する表面性状の規定要件を満足しているため、いずれも優れた化成処理性が得られている。
鋼板表面に存在する凹凸の最大深さ(Ry)の定義を説明するための図である。 鋼板表面に存在する凹凸の平均間隔(Sm)の定義を説明するための図である。 鋼板表面に存在する凹凸の負荷長さ率(tp40),(tp60)の定義を説明するための図である。 実験で採用した酸洗前の加熱焼入れ・焼戻しヒートパターンの概要を示す図である。

Claims (7)

  1. C:0.05〜1.0%(化学成分の場合は質量%を意味する、以下同じ)、Si:2.0%以下(0%を含む)、Mn:0.3〜4.0%、Al:0.005〜3.0%を満たし、残部が鉄および不可避不純物で、引張強度が390MPa以上である高強度冷延鋼板であって、
    鋼板表面に存在する凹凸の最大深さ(Ry)が10μm以上、該凹凸の平均間隔(Sm)が30μm以下で、且つ表面凹凸の負荷長さ率(tp40)が20%以下または表面凹凸の負荷長さ率(tp60)と同(tp40)の差が60%以上であり、SEMを用いて2000倍で鋼板表面の断面を観察したときに、任意の10視野において幅3μm以下で深さ5μm以上のクラックが存在しないことを特徴とする、化成処理性に優れた高強度冷延鋼板。
  2. C:0.05〜1.0%、Si:2.0%以下(0%を含む)、Mn:0.3〜4.0%、Al:0.005〜3.0%を満たし、残部が鉄および不可避不純物で、引張強度が390MPa以上である高強度冷延鋼板であって、
    鋼板表面に存在する凹凸の最大深さ(Ry)が10μm以上、該凹凸の平均間隔(Sm)が30μm以下であり、表面凹凸の負荷長さ率(tp40)が20%以下で、且つ表面の負荷長さ率(tp60)と同(tp40)の差が60%以上であり、SEMを用いて2000倍で鋼板表面の断面を観察したときに、任意の10視野において幅3μm以下で深さ5μm以上のクラックが存在しないことを特徴とする、化成処理性に優れた高強度冷延鋼板。
  3. 鋼がMo:0.02〜1.0%を含む請求項1または2に記載の化成処理性に優れた高強度冷延鋼板。
  4. 鋼がMo:0.02〜1.0%を含み、引張強度が780MPa以上である請求項に記載の化成処理性に優れた高強度冷延鋼板。
  5. 鋼が、更に他の元素として、
    Cr:1.0%以下(0%を含まない)、
    Ti:0.2%以下(0%を含まない)、
    Nb:0.1%以下(0%を含まない)、
    V:0.1%以下(0%を含まない)、
    Cu:1.0%以下(0%を含まない)、
    Ni:1.0%以下(0%を含まない)、
    B:0.002%以下(0%を含まない)、
    Ca:0.005%以下(0%を含まない)、
    よりなる群から選択される少なくとも1種の元素を含むものである請求項のいずれかに記載の化成処理性に優れた高強度冷延鋼板。
  6. 金属組織がフェライトと焼戻しマルテンサイトとの2相組織であり、引張強度が780MPa以上である請求項のいずれかに記載の高強度冷延鋼板。
  7. 化学成分が、Si:0.1〜2.0%、Al:0.01〜3.0%、(Si+Al):1.0〜4.0%を満足すると共に、金属組織は、フェライトが5〜80面積%、ベイナイトが5〜80面積%で、フェライトとベイナイトの合計量が75面積%以上であり、且つ残留オーステナイトが5面積%以上の複合組織を有し、引張強度が780MPa以上である請求項のいずれかに記載の高強度冷延鋼板。
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