JP6687174B1 - 熱延鋼板およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

冷延鋼板とした後に評価される外観が優れる熱延鋼板を提供する。上記熱延鋼板は、質量%で、C:0.0005〜0.0100%、Si:0.20%以下、Mn:0.50%以下、P:0.030%以下、S:0.005〜0.030%、Ti:0.020〜0.100%、Al:0.01〜0.05%、N:0.005%以下、および、Cu:0.005%超0.100%以下、を含み、残部はFeおよび不可避的不純物からなり、特定の式で定義されるTi*が、0<Ti*<0.0200を満たし、かつ、{(1/12)×(C%)}/{(1/32)×(S%)}<1.00を満たす鋼組成を有し、表層10μm以内に含まれる析出物aが特定の式(3)を満たし、表層10μm以内に含まれる析出物bが特定の式(6)を満たす。

Description

本発明は、熱延鋼板およびその製造方法に関する。
自動車用外板として、例えば、加工性に優れた冷延鋼板が使用されている。冷延鋼板は、その表面に、溶融亜鉛めっき層や合金化溶融亜鉛めっき層などのめっき層を有していてもよい。
このような冷延鋼板として、いわゆるIF(Interstitial Free)鋼板が知られている。IF鋼板は、鋼中の固溶Cおよび固溶NをTi等の合金元素の作用により減らした鋼板である。
より詳細には、IF鋼板は、炭窒化物形成元素を含有する極低炭素鋼を熱間圧延し、得られる熱延鋼板の段階で炭窒化物を生成させ、鋼中の固溶Cおよび固溶Nを低減させた後、冷間圧延および再結晶焼鈍を経て製造される(特許文献1)。
特開2011−231373号公報
IF鋼板は、深絞り性等の加工性に優れる特徴を持つ。これは、熱延鋼板を冷間圧延後に焼鈍する工程において、深絞り性に適した集合組織が再結晶現象により形成されるためである。
しかしながら、鋼中に微細な析出物が多量に存在すると、析出物のピン止め効果により再結晶が抑制され未再結晶粒が残存することがある。未再結晶粒が局所的に残存すると、加工性が局所的に低下し、加工後に形状不均一が生じることがある。
本発明者らが、特許文献1に記載された熱延鋼板を冷延鋼板とした後に、特定の条件下で外観を評価したところ、外観が不十分である場合があった。
そこで、本発明は、冷延鋼板とした後に評価される外観が優れる熱延鋼板を提供することを目的とする。
また、本発明は、上記熱延鋼板を製造する方法を提供することも目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、鋼組成および表層10μm以内に含まれる析出物が特定条件を満たす熱延鋼板が、冷延鋼板とした後に評価される外観(以下、単に「外観」ともいう)が優れることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[4]を提供する。
[1]質量%で、C:0.0005%以上0.0100%以下、Si:0.20%以下、Mn:0.50%以下、P:0.030%以下、S:0.005%以上0.030%以下、Ti:0.020%以上0.100%以下、Al:0.01%以上0.05%以下、N:0.005%以下、および、Cu:0.005%超0.100%以下、を含み、残部はFeおよび不可避的不純物からなり、Ti=(Ti%)−(24/7)×(N%)−(3/2)×(S%)−4×(C%)で定義されるTiが、0<Ti<0.0200を満たし、かつ、{(1/12)×(C%)}/{(1/32)×(S%)}<1.00を満たす鋼組成を有し、ただし、(Ti%)、(N%)、(S%)および(C%)は、それぞれ、上記鋼組成におけるTi、N、SおよびCの含有量を表し、表層10μm以内に含まれ、かつ、下記式(1)および(2)を満たす析出物aが、下記式(3)を満たし、更に、表層10μm以内に含まれ、かつ、下記式(4)および(5)を満たす析出物bが、下記式(6)を満たす、熱延鋼板。
(1)[S]/([S]+[Ti]+[Mn]+[Cu])≧20%
(2)[Ti]/([S]+[Ti]+[Mn]+[Cu])≧20%
(3)1%≦[Cu]/([Ti]+[Cu])≦5%
(4)[S]/([S]+[Ti]+[Mn]+[Cu])≧20%
(5)[Mn]/([S]+[Ti]+[Mn]+[Cu])>0%
(6)[Mn]/([S]+[Mn])≦20%
ただし、[S]、[Ti]、[Mn]および[Cu]は、それぞれ、上記析出物aおよび上記析出物bにおけるS、Ti、MnおよびCuの原子数を表す。
[2]上記鋼組成が、更に、Nb:0.001%以上0.010%以下、B:0.0002%以上0.0015%以下、および、Sb:0.001%以上0.030%以下、からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する、上記[1]に記載の熱延鋼板。
[3]Cu:0.030%超0.100%以下、であって、かつ、Sb:0.001%以上0.030%以下、である、上記[2]に記載の熱延鋼板。
[4]上記[1]〜[3]のいずれかに記載の鋼組成を有するスラブを、1200℃以上1300℃以下の加熱温度で4時間以上保持してから、Ar点以上の仕上げ圧延温度で熱間圧延を施し、その後、680℃以上750℃以下の巻取温度で巻き取り、熱延鋼板を得る、熱延鋼板の製造方法。
本発明によれば、冷延鋼板とした後に評価される外観が優れる熱延鋼板を提供することができる。
また、本発明によれば、上記熱延鋼板を製造する方法を提供することもできる。
[本発明者らが得た知見]
Cuは、積極的に添加される元素ではなく、鉄資源から混入して除去が困難なトランプエレメントである。Cu量が0.005%超である熱延鋼板を冷延鋼板(IF鋼板)としたときに、外観が不十分である場合があった。
そこで、本発明者らは、熱延鋼板の表層の析出物と、冷間圧延および焼鈍後の冷延鋼板の表層組織との関係について、詳細に検討を重ねた。熱延鋼板の表層の析出物を調べたのは、熱延段階での析出物の形態が、冷間圧延後の焼鈍での再結晶に大きな影響を与えるためである。その結果、次の知見を得た。
1)熱延鋼板で観察される析出物は、主に、TiC、TiN、TiS、Ti、MnS、CuSおよびこれらの複合である。
2)CuSは、単独で微細に析出する場合と、粗大なTiSに複合して析出する場合とがある。
3)CuSが単独で微細に析出した熱延鋼板に冷間圧延および焼鈍を施すと、一部に未再結晶粒が残存する。
4)MnS量が増大すると、微細なTiC析出物が増え、冷間圧延および焼鈍の後に、未再結晶粒が残存する。
すなわち、Cuを0.005%超含む極低炭素鋼において、再結晶を抑制する有害な微細析出物は、単独で析出するCuSと、TiCである。
Cuを含む硫化物の析出を完全に抑制するのは困難であるが、粗大な析出物に複合させれば、再結晶に対しては無害である。
また、炭素を、微細なTiCではなく、粗大なTiとして析出させると、再結晶が抑制されにくい。そのため、Tiとして析出可能なSを固定してしまうMnSの析出を抑制すればよい。
そこで、微細なCuSおよびTiCの析出を抑制するため、更に詳細に熱延鋼板の析出物について調べて、以下の知見を得た。
5)オーステナイト域で析出する硫化物は、TiSおよびMnSの2種類であり、TiおよびCuSは観察されない。MnSは1200℃以上の温度で溶解する。
6)オーステナイト域で析出したTiSは、フェライト域で一部が溶ける。巻取り工程では、TiSから溶けたSが、Ti、CuSおよびMnSとして再析出する。
7)オーステナイト域で析出するTiSの大きさが100nm未満であると、フェライト域でTiSが完全に溶け、微細かつ単独のMnSまたはCuSが析出する。オーステナイト域で析出するTiSの大きさが100nm以上であると、フェライト域でTiSが溶け残り、溶け残ったTiSに、MnS、CuSおよび/またはTiが複合して析出する。
8)巻取り温度が680℃未満では、巻取り温度の低下に伴いTiSから溶けたSのうち、MnSとして再析出する量が増加する。結果として、Tiの析出が減り、炭素がTiCとして析出する。
よって、オーステナイト域で1200℃以上に加熱することにより、MnSとして固定されるSを減らすことができる。更に長時間保持することによりTiSが100nm以上の大きさに粗大化し、フェライト域でCuSが再析出しても粗大なTiSに複合析出する。また、巻取り温度を適切に制御することにより、TiSから溶けたSがMnSとして再析出する量を抑制し、SをCとともにTiとして固定できる。
本発明は、以上のような知見に基づいて、なされたものである。
[熱延鋼板]
本発明の熱延鋼板は、質量%で、C:0.0005%以上0.0100%以下、Si:0.20%以下、Mn:0.50%以下、P:0.030%以下、S:0.005%以上0.030%以下、Ti:0.020%以上0.100%以下、Al:0.01%以上0.05%以下、N:0.005%以下、および、Cu:0.005%超0.100%以下、を含み、残部はFeおよび不可避的不純物からなり、Ti=(Ti%)−(24/7)×(N%)−(3/2)×(S%)−4×(C%)で定義されるTiが、0<Ti<0.0200を満たし、かつ、{(1/12)×(C%)}/{(1/32)×(S%)}<1.00を満たす鋼組成を有し、ただし、(Ti%)、(N%)、(S%)および(C%)は、それぞれ、上記鋼組成におけるTi、N、SおよびCの含有量を表し、表層10μm以内に含まれ、かつ、下記式(1)および(2)を満たす析出物aが、下記式(3)を満たし、更に、表層10μm以内に含まれ、かつ、下記式(4)および(5)を満たす析出物bが、下記式(6)を満たす、熱延鋼板である。
(1)[S]/([S]+[Ti]+[Mn]+[Cu])≧20%
(2)[Ti]/([S]+[Ti]+[Mn]+[Cu])≧20%
(3)1%≦[Cu]/([Ti]+[Cu])≦5%
(4)[S]/([S]+[Ti]+[Mn]+[Cu])≧20%
(5)[Mn]/([S]+[Ti]+[Mn]+[Cu])>0%
(6)[Mn]/([S]+[Mn])≦20%
ただし、[S]、[Ti]、[Mn]および[Cu]は、それぞれ、上記析出物aおよび上記析出物bにおけるS、Ti、MnおよびCuの原子数を表す。
本発明の熱延鋼板は、冷延鋼板とした後に評価される外観が優れる。
本発明の熱延鋼板の板厚は、特に限定されないが、例えば、2.0mm以上4.5mm以下であり、2.3mm以上4.0mm以下が好ましい。
〈ミクロ組織〉
まず、本発明の熱延鋼板において、ミクロ組織として観察される析出物について説明する。本発明においては、熱延鋼板の表層10μm以内に含まれる析出物の状態を把握し、制御することが重要である。
鋼板の析出物の状態を把握する手法としては、鋼板の母相のみを溶かして、析出物を抽出し、抽出した析出物を定量分析する化学分析的手法が用いられることがある。しかし、この手法では、複数種類の析出物が単独で析出しているか複合して析出しているかを判定することが困難である。
このため、本発明において、熱延鋼板の析出物の状態は、個々の析出物を、電子顕微鏡を用いて組成分析することにより把握する。組成分析は、特性X線の強度を調べるエネルギー分散型X線分光(EDS)により行なう。
複合析出物は、析出物の場所により異なる組成を示すため、空間的に連続してつながった析出物は一つの粒子と見なし、この粒子全体の組成を析出物の組成とする。
熱延鋼板の表層10μm以内に含まれる、以下に説明する析出物について、1000個以上組成分析を行ない、統計分析する。
なお、熱延鋼板の「表層10μm以内」とは、熱延鋼板の「スケールを含まない表面から厚さ方向に10μm以内」を意味する。
《析出物a》
本発明においては、熱延鋼板の表層10μm以内に含まれ、かつ、下記式(1)および(2)を満たす析出物aが、下記式(3)を満たす。
(1)[S]/([S]+[Ti]+[Mn]+[Cu])≧20%
(2)[Ti]/([S]+[Ti]+[Mn]+[Cu])≧20%
(3)1%≦[Cu]/([Ti]+[Cu])≦5%
ただし、[S]、[Ti]、[Mn]および[Cu]は、それぞれ、上記析出物aにおけるS、Ti、MnおよびCuの原子数を表す。
CuSについては、単独で析出する微細なCuSの析出を抑制し、粗大なTiSに複合して析出させることが重要である。CuSの析出状態は、TiSに含まれるCu量によって知ることができる。
析出物がTiSであるか否かは、粒子の組成分析により判定できる。
具体的には、S、Ti、MnおよびCuの原子数の合計を100%としたときに、Sの原子数が20%以上、Tiの原子数が20%以上である析出物、すなわち、上記式(1)および(2)を満たす析出物(析出物a)は、TiSであると判定できる。
この場合、TiもTiSと判定されるが、CuSおよびMnSの析出状態を知るうえでは、問題ない。
そして、TiSであると判定された析出物aについて、TiおよびCuの原子数の合計を100%としたときにCuの原子数が1%以上5%以下である場合、すなわち、上記式(3)を満たす場合は、CuSはTiSに複合して析出しており、再結晶を抑制する単独かつ微細なCuSの析出は抑制される。
析出物aについて、TiおよびCuの原子数の合計を100%としたときにCuの原子数が1%未満である場合、すなわち、1%>[Cu]/([Ti]+[Cu])である場合は、CuSは単独で微細に析出している。CuSは、単独で微細に析出すると、冷間圧延後の焼鈍での再結晶が抑制され、外観が劣る。単独で微細に析出したCuSを直接的に分析することは困難であるが、TiSに複合して析出したCuSの量を調べることで、微細なCuSが単独で析出しているか否かを判定できる。
一方、析出物aについて、TiおよびCuの原子数の合計を100%としたときにCuの原子数が5%超である場合、すなわち、[Cu]/([Ti]+[Cu])>5%である場合は、鋼中に含まれるCu量が過剰となる場合であり、表面のCuS析出が多くTiが減りTiC析出が増加したり、熱間脆性が劣ったりする。
《析出物b》
更に、本発明においては、熱延鋼板の表層10μm以内に含まれ、かつ、下記式(4)および(5)を満たす析出物bが、下記式(6)を満たす。
(4)[S]/([S]+[Ti]+[Mn]+[Cu])≧20%
(5)[Mn]/([S]+[Ti]+[Mn]+[Cu])>0%
(6)[Mn]/([S]+[Mn])≦20%
ただし、[S]、[Ti]、[Mn]および[Cu]は、それぞれ、上記析出物bにおけるS、Ti、MnおよびCuの原子数を表す。
MnSについて説明する。MnSは、Sを固定し、微細なTiCを析出しやすくする。このため、本発明においては、MnSの析出を抑制する。MnSの析出状態は、上記と同様に、電子顕微鏡を用いた組成分析により知ることができる。
MnSは、オーステナイト域で単独で析出するもの、フェライト域で単独で微細に析出するもの、および、フェライト域でTiSに複合して析出するものがあるが、いずれも、Sと結合する。
このため、析出物に含まれるS、Ti、MnおよびCuの原子数の合計を100%としたときに、Sの原子数が20%以上であり、かつ、Mnが含まれている場合には、すなわち、上記式(4)および(5)を満たす場合には、この析出物は、MnSとして析出していると判定できる。
MnS析出の完全な抑制は困難であるが、MnSであると判定された析出物bについて、SおよびMnの原子数の合計を100%としたときに、Mnの原子数が20%以下である場合、すなわち、上記式(6)を満たす場合は、MnSに固定されるSが少なくなり、Tiの析出が増え、微細なTiCの析出が減る。
析出物bにおいて、SおよびMnの原子数の合計を100%としたときに、Mnの原子数は15%以下が好ましい。すなわち、下記式(7)を満たすことが好ましい。
(7)[Mn]/([S]+[Mn])≦15%
〈鋼組成〉
次に、本発明の熱延鋼板の鋼組成について説明する。以下の鋼組成の説明において、特に断わりの無い限り、「%」は「質量%」を表す。
《C:0.0005%以上0.0100%以下》
Cは、固溶強化元素であり降伏強度の上昇に寄与するが、深絞り性等の加工性に優れるIF鋼板を得るためには、極力低減することが好ましい。
C量が多すぎると、微細なTiCが析出しやすくなり、かつ、固溶Cを減らすことが困難となる。このため、C量は、0.0100%以下であり、0.0040%以下が好ましく、0.0030%以下がより好ましい。
一方、C量を0.0005%未満にすると脱炭コストの増大を招くことから、C量は、0.0005%以上であり、0.0010%以上が好ましい。
《Si:0.20%以下》
Siは、固溶強化元素であるが、スケール外観を悪化させ、かつ、めっき処理を施す場合はめっき濡れ性を低下させる。このため、Si量は、0.20%以下であり、0.15%以下が好ましく、0.10%以下がより好ましい。
Si量は、下限は特に限定されないが、例えば、0.01%以上である。
《Mn:0.50%以下》
Mnは、固溶強化元素であるが、過度に添加すると、MnSが析出して、Tiを減らし、微細なTiCが析出しやすくなる。このため、Mn量は、0.50%以下であり、0.40%以下が好ましく、0.30%以下がより好ましい。
Mn量は、下限は特に限定されないが、例えば、0.01%以上である。
《P:0.030%以下》
Pは、固溶強化元素であるが、過度に添加すると、熱間割れの原因となり、また、スケールの均一性も低下する。このため、P量は、0.030%以下であり、0.023%以下が好ましく、0.015%以下がより好ましい。
P量は、下限は特に限定されないが、例えば、0.001%以上である。
《S:0.005%以上0.030%以下》
Sは、本発明において重要な元素であり、固溶CをTiとして固定する役割を持つ。S量が少なすぎると、微細なTiCとして析出するCが増える。このため、S量は、0.005%以上であり、0.010%以上が好ましい。
一方、Sが多すぎると熱間割れの原因となることから、S量は、0.030%以下であり、0.025%以下が好ましく、0.015%以下がより好ましい。
《Ti:0.020%以上0.100%以下》
Tiは、本発明において重要な元素であり、オーステナイト域ではTiSとしてSを固定してMnS析出を抑制するほか、CuS析出の核となり、微細なCuSの単独析出を防ぐ役割がある。また、Tiは、Tiとして固溶Cを減らす役割を持つ。このような効果を得るために、Ti量は、0.020%以上であり、0.030%以上が好ましい。
一方、Tiが多すぎると微細なTiCが析出しやすくなることから、Ti量は、0.100%以下であり、0.080%以下が好ましく、0.070%以下がより好ましく、0.060%以下が更に好ましい。
《Al:0.01%以上0.05%以下》
Alは、脱酸材として機能する。その効果を得るために、Al量は、0.01%以上であり、0.02%以上が好ましい。
一方、Alを多量に含有しても、その効果は飽和することから、Al量は、0.05%以下であり、0.04%以下が好ましい。
《N:0.005%以下》
Nは、IF鋼板の延性および深絞り性を低下させる作用を持つことから、少ないほど好ましい。このため、N量は、0.005%以下であり、0.004%以下が好ましい。
N量は、下限は特に限定されないが、例えば、0.001%以上である。
《Cu:0.005%超0.100%以下》
上述したように、Cu量が0.005%超であると外観が不十分な場合があるが、本発明は、Cu量が0.005%超であっても良好な外観が得られるようにするものである。一方、Cuが過剰であると粒界割れが生じることから、Cu量は0.100%以下とする。外観がより優れるという理由から、Cu量は0.030%以下が好ましく、0.027%以下がより好ましく、0.023%以下が更に好ましい。
Cu量が0.030%超である場合、表面のCuS析出量が増え、Ti析出が抑制されて、微細なTiCが析出しやすいことがある。このため、Cu量が0.030%超である場合は、後述するように、更にSbを含有することが好ましい。このとき、Sb量は、0.001%以上0.030%以下が好ましい。
《Nb、BおよびSn》
本発明の熱延鋼板における鋼組成は、更に、Nb:0.001%以上0.010%以下、B:0.0002%以上0.0015%以下、および、Sb:0.001%以上0.030%以下、からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有することが好ましい。
(Nb:0.001%以上0.010%以下)
Nbは、Tiと同様に炭窒化物を形成し、固溶Cおよび固溶Nを低減する効果を持つ。そのような効果を得るために、Nb量は、0.001%以上が好ましく、0.003%以上がより好ましい。
一方、Nbが過剰に含まれると焼鈍での再結晶が抑制され得ることから、Nb量は、0.010%以下が好ましく、0.005%以下がより好ましい。
(B:0.0002%以上0.0015%以下)
Bは、IF鋼板の粒界強化に有効な元素であり、耐二次加工脆性が必要とされる場合には、B量は、0.0002%以上が好ましく、0.0003%以上がより好ましく、0.0004%以上が更に好ましい。
一方、過剰に添加すると、効果が飽和するばかりでなく、熱間圧延抵抗が増加する場合があることから、B量は、0.0015%以下が好ましく、0.0012%以下がより好ましく、0.0010%以下が更に好ましい。
(Sb:0.001%以上0.030%以下)
上述したCuは、熱延鋼板の表面に濃化しやすい元素であるが、Sbの添加によりCuの表面濃化を抑える効果がある。これにより、多量のCuSが表面に析出しSが枯渇してTi析出が抑制され微細なTiCが表面に析出することが抑制される。また、表面の窒化を抑制し、焼鈍での表層の微細なTiNの析出を抑制する効果がある。このような効果を得るために、Sb量は、0.001%以上が好ましく、0.002%以上がより好ましく、0.003%以上が更に好ましい。
一方、Sbが過剰に含まれると表面スケールが不均一になることから、Sb量は、0.030%以下が好ましく、0.015%以下がより好ましく、0.012%以下が更に好ましい。
《残部》
上記鋼組成において、残部は、Feおよび不可避的不純物である。
《Ti
更に、本発明の熱延鋼板の鋼組成は、Ti=(Ti%)−(24/7)×(N%)−(3/2)×(S%)−4×(C%)で定義されるTiが、0<Ti<0.0200を満たす。ただし、(Ti%)、(N%)、(S%)および(C%)は、それぞれ、上記鋼組成におけるTi、N、SおよびCの含有量を表す。
この規定は、下記2式に48をかけることにより導かれる。
(1/48)×Ti=(1/48)×(Ti%)−(1/14)×(N%)−(1/32)×(S%)−(1/12)×(C%)
0<(1/48)×Ti<(1/48)×0.0200
Tiは、固溶Cおよび固溶Nを減らすために添加される。Tiを原子数でNよりも多く添加することにより、オーステナイト域でNを固定できる。Tiはオーステナイト域では更にTiSとして析出し、残ったTiがフェライト域でCを固定する。このような効果を得るため、0<Tiとする。これを満たさない場合は、Cを完全に固定できない。このような効果がより優れるという理由から、0.0004≦Tiが好ましく、0.0007≦Tiがより好ましく、0.0010≦Tiが更に好ましい。
一方、Ti≧0.02であると、固溶Tiが多く、焼鈍で表層の窒化が生じ、微細なTiNが生成する。このため、Ti<0.0200とし、Ti≦0.0180が好ましく、Ti≦0.0150がより好ましく、Ti≦0.0130が更に好ましい。
《{(1/12)×(C%)}/{(1/32)×(S%)}<1.00》
本発明の熱延鋼板の鋼組成は、{(1/12)×(C%)}/{(1/32)×(S%)}<1.00を満たす。ただし、(S%)および(C%)は、それぞれ、上記鋼組成におけるSおよびCの含有量を表す。
この規定は、下記式より導かれる。
(1/32)×(S%)>(1/12)×(C%)
Sは、CuS、TiS、MnS、Tiなどの様々な形態で析出し、微細なTiCの析出に影響を及ぼす。原子数でS≦Cである場合はCが微細なTiCとして析出しやすくなるが、原子数でS>Cを満たすことにより、CがTiとして析出する。
[熱延鋼板の製造方法]
次に、上述した本発明の熱延鋼板を製造する方法の好適態様(以下、単に「本発明の製造方法」ともいう)について説明する。
本発明の製造方法は、上述した鋼組成を有するスラブを、1200℃以上1300℃以下の加熱温度で4時間以上保持してから、Ar点以上の仕上げ圧延温度で熱間圧延を施し、その後、680℃以上750℃以下の巻取温度で巻き取り、熱延鋼板を得る、熱延鋼板の製造方法である。
上述した鋼組成を有するスラブは、例えば、上述した鋼組成を有する溶鋼を連続鋳造することにより、得られる。
〈1200℃以上1300℃以下の加熱温度で4時間以上保持〉
スラブの加熱温度および保持時間は、CuSおよびMnSの析出状態を制御するために重要である。加熱温度を1200℃以上とすることにより、鋳造時などに析出するMnSを固溶させ、更に、SをTiSとして固定できる。加熱温度は、1210℃以上が好ましく、1220℃以上がより好ましい。
加熱温度が1200℃未満であると、MnSが析出する。また、TiSの大きさが100nm未満となり、フェライト域でTiSが完全に溶けて、微細なCuSが単独で析出する。
加熱温度が1300℃超であると、TiSが溶け始めて固溶Sが増大し、フェライト域で単独で微細に析出するCuSが析出する。また、エネルギー消費が大きく、スケールロスも大きくなる。このため、加熱温度は1300℃以下とし、1280℃以下が好ましく、1260℃以下がより好ましい。
保持時間は、4時間未満であると、加熱温度が1200℃以上であってもMnSが溶け残る。また、TiSが100nm以上に粗大化せず、フェライト域でCuSを粗大TiSに複合析出させることができない。このため、保持時間は4時間以上とし、5時間以上が好ましい。
保持時間は、上限は特に限定されないが、例えば、10時間以下であり、8時間以下が好ましい。
〈スケール除去および粗圧延〉
上記条件で加熱保持されたスラブは、後述する熱間圧延が施される前に、スケール除去および粗圧延が施されることが好ましい。
〈Ar点以上の仕上げ圧延温度で熱間圧延〉
仕上げ圧延温度がAr点未満の温度であると、フェライトが生成するため、圧延組織が極めて不均一になる。このため、Ar点以上の仕上げ圧延温度で熱間圧延する。
一方、仕上げ圧延温度は、スケールロスが小さくなることから、Ar点+100℃以下が好ましい。Ar点(単位:℃)は、下記式から求める。下記式中の各元素記号は、それぞれ、スラブの鋼組成における各元素の含有量(単位:質量%)を表す。
Ar=910−310×C−80×Mn−20×Cu−15×Cr−55×Ni−80×Mo
〈680℃以上750℃以下の巻取温度で巻き取り〉
MnSおよび炭素の析出形態を制御するうえで、巻取温度は重要である。巻取温度を680℃以上750℃以下とすることにより、TiSが溶け、SがTiおよびCuSとして析出する。このとき、スラブの加熱温度が1200℃以上1300℃以下であって、かつ、保持時間が4時間以上であれば、オーステナイト域で析出するTiSが粗大であるため、TiSが溶け残り、TiおよびCuSがTiSに複合して析出する。
巻取温度が680℃未満であると、Tiの析出が抑制されて、MnSおよび微細なTiCが析出する。このため、巻取温度は、680℃以上であり、685℃以上が好ましく、690℃以上がより好ましい。
一方、巻取温度が750℃超であると、スケールロスが大きくなる。このため、巻取温度は、750℃以下であり、740℃以下が好ましく、730℃以下がより好ましい。
[熱延鋼板に施される処理]
本発明の熱延鋼板に対して施される処理については、特に限定されず、例えば、以下に示すような従来公知の処理を施すことができる。各種処理の条件は、特に限定されず、常法に従えばよい。
例えば、本発明の熱延鋼板に、冷間圧延を施して冷延鋼板を得る。冷間圧延の前に、表面に生成したスケールを除去するため、酸洗を行なってもよい。冷間圧延の圧下率は、自動車用外板を製造する際には、例えば50〜90%程度である。
次いで、得られた冷延鋼板は、圧延油の脱脂や汚れを除くために洗浄された後、焼鈍(再結晶焼鈍)される。焼鈍温度は、例えば、700℃以上Ac変態点以下が好ましい。
焼鈍後の冷延鋼板に対して、めっき処理が施される。こうして、表面にめっき層を有する冷延鋼板が得られる。めっき処理としては、例えば、溶融亜鉛めっき処理、溶融亜鉛めっき処理および合金化処理、ならびに、電気亜鉛めっき処理が挙げられる。溶融亜鉛めっき処理および合金化処理を行なう場合、冷延鋼板の表面には、合金化溶融亜鉛めっき層が形成される。各種めっき処理の条件も、特に限定されず、常法に従えばよい。
めっき処理後、調質圧延を行なってもよい。調質圧延の圧延率は、例えば、0.5〜1.5%程度である。
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されない。
〈製造〉
下記表1または表2に示す鋼組成を有する溶鋼を、真空脱ガス処理後、連続鋳造することにより、スラブを得た。次いで、得られたスラブを、下記表3または表4に示す条件で、加熱保持し、板厚3.5mmまで熱間圧延し、巻き取りを行ない、熱延鋼板を得た。
次に、得られた熱延鋼板を、塩酸を用いて酸洗し、80%の圧下率で冷間圧延した後、840℃の焼鈍温度で焼鈍し、冷延鋼板を得た。得られた冷延鋼板に、更に、溶融亜鉛めっき処理および合金化処理を施して、合金化溶融亜鉛めっき鋼板を得た。溶融亜鉛めっき処理では、冷延鋼板を溶融亜鉛めっき浴(浴温:470℃、浴組成:Zn−0.14質量%Al)に浸漬し、めっき層の付着量が片面あたり45g/mとなるように調整した。合金化処理の合金化温度は、520℃とした。
〈熱延鋼板のミクロ組織〉
得られた酸洗後の熱延鋼板について、表層10μm以内に含まれる析出物の組成分析を行なった。具体的には、まず、酸洗後の熱延鋼板を、10mm×10mm×板厚に切断し、試験片を得た。試験片の片側表面を5μm研磨した後、10%AA系電解液(10体積%のアセチルアセトン−1質量%の塩化テトラメチルアンモニウム−メタノール)を用いて、研磨表面を更に電解研磨し、析出物を遊離させた。遊離した析出物を、C蒸着膜に転写してレプリカ試料とした。レプリカ試料を、Ni製のメッシュに乗せ、走査型透過電子顕微鏡(STEM)観察用の試料ホルダーに設置し、走査型電子顕微鏡(SEM)の試料室にセットし、SEMで析出物の組成分析を行なった。より詳細には、支持膜であるC蒸着膜とは異なるコントラストを析出物とし、空間的に連続した粒子全体に電子線を照射し、EDSにより元素分析を行なった。電子線の加速電圧は15kVとし、1粒子あたり5秒間、電子線を照射して、X線スペクトルを記録した。X線の強度をもとに、元素を定量した。
上述した式(1)および(2)を満たす析出物aをTiSであると判定した。
TiSであると判定される析出物aの分析数が1000個以上になるまで、異なる粒子を測定し、X線スペクトルを記録した。1000個以上のTiS粒子(析出物a)について、X線スペクトルを積算し、SN比の良いTiS合計スペクトルを得た。積算した理由は、1スペクトルあたり5秒間の分析では、スペクトルのSN比が悪く、微量Cuの存在の確認および定量ができないためである。TiS合計スペクトルに対して、TiおよびCuの定量分析を行ない、析出物aについて、[Cu]/([Ti]+[Cu])の値(単位:%)を求めた。結果を下記表3または表4に示す。
同様に、上述した式(4)および(5)を満たす析出物bの分析数が1000個以上になるまで、異なる粒子を測定し、X線スペクトルを記録した。X線スペクトルを積算して得られた合計スペクトルに対して、SおよびMnの定量分析を行ない、析出物bについて、[Mn]/([S]+[Mn])の値(単位:%)を求めた。結果を下記表3または表4に示す。
〈外観〉
得られた合金化溶融亜鉛めっき鋼板から、圧延方向30mm、圧延直角方向100mmの試験板を切り出した。切り出した試験板に対して、圧延直角方向に10%引張加工を加えた。引張加工後の試験板の表面を、800番の砥石で圧延直角方向(引張方向と平行な方向)に砥石掛けし、圧延方向に沿った筋状欠陥の有無を目視で確認した。筋状欠陥が生じていた場合には「×」を、筋状欠陥が生じていなかった場合には「○」を下記表3または表4に記載した。「○」であれば外観に優れるものとして評価できる。
上記表1〜表4中、下線部は、本発明の範囲外または好適範囲外を示す。
上記表1〜表4に示す結果から明らかなように、発明例の熱延鋼板を用いた場合は、外観が優れていた。
これに対して、鋼組成が本発明の範囲外である、上述した式(1)および(2)を満たす析出物aが上述した式(3)を満たさない、および/または、上述した式(4)および(5)を満たす析出物bが上述した式(6)を満たさない比較例の熱延鋼板を用いた場合は、外観が不十分であった。

Claims (4)

  1. 質量%で、
    C:0.0005%以上0.0100%以下、
    Si:0.20%以下、
    Mn:0.50%以下、
    P:0.030%以下、
    S:0.005%以上0.030%以下、
    Ti:0.020%以上0.100%以下、
    Al:0.01%以上0.05%以下、
    N:0.005%以下、および、
    Cu:0.005%超0.100%以下、
    を含み、残部はFeおよび不可避的不純物からなり、
    Ti=(Ti%)−(24/7)×(N%)−(3/2)×(S%)−4×(C%)で定義されるTiが、0<Ti<0.0200を満たし、かつ、
    {(1/12)×(C%)}/{(1/32)×(S%)}<1.00を満たす鋼組成を有し、
    ただし、(Ti%)、(N%)、(S%)および(C%)は、それぞれ、前記鋼組成におけるTi、N、SおよびCの含有量を表し、
    表層10μm以内に含まれ、かつ、下記式(1)および(2)を満たす析出物aが、下記式(3)を満たし、
    (1)[S]/([S]+[Ti]+[Mn]+[Cu])≧20%
    (2)[Ti]/([S]+[Ti]+[Mn]+[Cu])≧20%
    (3)1%≦[Cu]/([Ti]+[Cu])≦5%
    更に、表層10μm以内に含まれ、かつ、下記式(4)および(5)を満たす析出物bが、下記式(6)を満たす、熱延鋼板。
    (4)[S]/([S]+[Ti]+[Mn]+[Cu])≧20%
    (5)[Mn]/([S]+[Ti]+[Mn]+[Cu])>0%
    (6)[Mn]/([S]+[Mn])≦20%
    ただし、[S]、[Ti]、[Mn]および[Cu]は、それぞれ、前記析出物aおよび前記析出物bにおけるS、Ti、MnおよびCuの原子数を表す。
  2. 前記鋼組成が、更に、
    Nb:0.001%以上0.010%以下、
    B:0.0002%以上0.0015%以下、および、
    Sb:0.001%以上0.030%以下、
    からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する、請求項1に記載の熱延鋼板。
  3. Cu:0.030%超0.100%以下、
    であって、かつ、
    Sb:0.001%以上0.030%以下、
    である、請求項2に記載の熱延鋼板。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の鋼組成を有するスラブを、1200℃以上1300℃以下の加熱温度で4時間以上保持してから、Ar点以上の仕上げ圧延温度で熱間圧延を施し、その後、680℃以上750℃以下の巻取温度で巻き取り、請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱延鋼板を得る、熱延鋼板の製造方法。
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