従来、この種の遊技機の回転リールユニットとしては、例えば、図4に示すスロットマシン1に用いられている図5(a)に示す回転リールユニット11がある。
回転リールユニット11はリールドラム12の外周にリール帯3が張り付けられて構成されている。このリール帯13の周囲には図示しない種々の図柄(シンボル)が描かれている。これらシンボルは、各リールドラム12の内部に設けられた図5(b)に示すバックランプ14によって背後から映し出され、スロットマシン1の各窓2から観察される。バックランプ14はリールドラム12の内部に固定される基板18に3個取り付けられている。投入口3にメダルが投入されてスタートレバー4が操作されると、ブラケット15に取り付けられたモータ16が駆動され、各リールドラム12が回転する。従って、各窓2には高速に移動するシンボルが観察される。
遊技者によってストップスイッチ5が押圧操作されると各リールドラム12は停止制御される。この停止制御は、ホトセンサによって遮蔽板17の通過が検出されることにより行われ、また、遊技者による各ストップスイッチ5の操作タイミングに応じて行われる。従って、遊技者は高速に移動する特定のシンボルの通過を目印にストップスイッチ5を操作し、各リールドラム12の停止時に所定のシンボル組合せがペイライン6上に停止表示されるのを狙う。ペイライン6上に所定のシンボル組合せが停止表示されると入賞が生じ、払出口7から所定枚数のメダルが受け皿8に払い出される。
このようなストップスイッチ5の操作タイミングは熟練者でないと判別がつかず、初心者は高速で回転する各シンボルの相違を識別することが困難である。従って、従来、ストップスイッ5の操作タイミングを初心者に教える様々な手段が提案されている。
例えば、下記の特許文献1には、リール帯の特定シンボルに近接する位置に孔を開け、この孔から漏れる内部ランプの光によってストップスイッチの操作タイミングを遊技者に報知する手段が開示されている。
また、下記の特許文献2には、リール帯の特定シンボルが描かれた帯領域に光透過性を持たせ、特定シンボルが窓に出現すると内部ランプの光によってその特定シンボルを目立たせる手段が開示されている。遊技者は目立たせられたこの特定シンボルの出現によってストップスイッチの操作タイミングを掴むことが出来る。
また、下記の特許文献3には、リール帯の特定シンボルを蛍光物質で描き、この特定シンボルに光を照射してその特定シンボルを目立たせる手段が開示されている。このような特定シンボルの出現によってもストップスイッチの操作タイミングを掴むことが出来る。
次に、本発明による遊技機の回転リールユニットを前述したスロットマシンに適用した一実施形態について説明する。
図3は本実施形態による回転リールユニット41の斜視図であり、図1(a)はこの回転リールユニット41に用いられているリール帯21の平面図である。本実施形態による回転リールユニット41は、このリール帯21以外の構成は図5に示す回転リールユニット11の構成と同じであり、図3において図5と同一または相当する部分には同一符号を付している。
リール帯21は円筒状をしたリールドラム12の外周に沿って曲げられ、その外周面に貼られている。リール帯21の表面には種々のシンボルが描かれており、本実施形態ではそのうちのセブン22およびウルフ23を特定シンボルとしている。すなわち、本実施形態ではこれらセブン22およびウルフ23の異種シンボルの識別を容易化する。
リール帯21は透明フィルム材からなり、各シンボルはこの透明フィルム材の裏面に光透過性有色インキで印刷されて描かれている。この際、リール帯21上の各セブン22の図柄部分はそれぞれ光透過性赤色インキで着色され、各ウルフ23の図柄部分はそれぞれ光透過性青色インキで着色されている。リール帯21はこの光透過性有色インキによる各シンボルの印刷後、光透過性白色インキで背景が印刷される。最後に、セブン22およびウルフ23の図柄領域を除き、遮光性銀色インキが印刷されてマスク処理が施されている。
このような過程を経て、図1(a)に示すリール帯21が得られている。すなわちリール帯21は、セブン22およびウルフ23の異なる2つの特定シンボルの図柄部分だけが、それぞれ半透明に形成され、かつ、それぞれ異なる色に着色されている。なお、セブン22の図柄領域に付された格子は赤色を表し、ウルフ23の図柄領域に付された斜線は青色を表している。また、光透過性白色インキによる背景印刷をセブン22,ウルフ23の特定図柄領域を除く領域に対して行い、セブン22,ウルフ23の特定図柄領域を半透明ではなく、透明に形成しても良い。
このような構成において、モータ16が駆動されてリールドラム12が回転すると、リールドラム12の外周に貼られたリール帯21も回転する。リールドラム12の内部に設けられた基板18に取り付けられたバックランプ14は、常時点灯している。このため、リール帯21が回転してセブン22のシンボルがバックランプ14の照射部前部を通過すると、セブン22はバックランプ14の出射光を背後に浴びて赤色に発光する。また、ウルフ23のシンボルがバックランプ14の照射部前部を通過すると、ウルフ23はバックランプ14の出射光を背後に浴びて青色に発光する。
これらセブン22の赤色発光やウルフ23の青色発光はスロットマシン1の窓2から観察される。従って、窓2から観察される赤色の発光により、セブン22のシンボルが窓2を通過するタイミングを判別することが出来、また、窓2から観察される青色の発光により、ウルフ23のシンボルが窓2を通過するタイミングを判別することが出来る。
よって、遊技者はこの発光色の相違から特定シンボルの種類を識別することが出来、所望の特定シンボルがペイライン6上に停止表示されるのを狙ってストップスイッチ5を操作することが可能となる。この結果、初心者であっても、ペイライン6上にセブン22のシンボルを並べたり、ウルフ23のシンボルを並べることが容易に行える。
図1(b)は他の実施形態による回転リールユニットに用いられるリール帯31の平面図である。本実施形態によるその他の構成は上記実施形態の構成と同じである。
本実施形態のリール帯31では、セブン32およびウルフ33の2つの各特定シンボルの図柄の一部分に、それぞれ円形の半透明部分32aおよび33aが形成されている。つまり、セブン32のシンボルでは、図2(a)の拡大図に示すように、ウルフの足跡部分に円形半透明部分32aが形成されている。また、ウルフ33のシンボルでは、図2(b)の拡大図に示すように、目の部分に円形半透明部分33aが形成されている。
各シンボルは上記実施形態と同様にリール帯31を形成する透明フィルム材の裏面に光透過性有色インキが印刷されて描かれているが、各半透明部分32aおよび33aにはこの有色インキが印刷されていない。その後の光透過性白色インキによる背景印刷は全面に対して行われ、最後の遮光性銀色インキによるマスク処理は各半透明部分32aおよび33aを除く領域に対して行われている。
なお、光透過性白色インキによる背景印刷を各部分32a,33aを除く領域に対して行い、各部分32a,33aを半透明ではなく、透明に形成しても良い。
セブン32のシンボルに形成された半透明部分32aと、ウルフ33のシンボルに形成された半透明部分33aとは、リールドラム12の回転方向に直交する方向、つまりリール帯31の幅方向において異なる位置に配されている。すなわち、セブン32のシンボルではこの幅方向の右方に半透明部分32aが位置しており、ウルフ33のシンボルではこの幅方向の左方に半透明部分33aが位置している。
このような本実施形態において、リールドラム12が回転するとリールドラム12の外周に貼られたリール帯31が回転し、各半透明部分32a,33aも回転する。本実施形態においても、リールドラム12の内部に設けられたバックランプ14は常時点灯しているため、リール帯31が回転して各半透明部分32a,33aがバックランプ14の照射部前部を通過すると、各半透明部分32a,33aからバックランプ14の出射光が漏れ、各半透明部分32a,33aは発光する。
これら各半透明部分32a,33aの発光はスロットマシン1の窓2から観察される。この際、セブン32のシンボルに形成された半透明部分32aはリール帯31の幅方向の右側に観察され、ウルフ33のシンボルに形成された半透明部分33aはリール帯31の幅方向の左側に観察される。
すなわち、窓2の右方に観察される半透明部分32aの発光により、セブン32のシンボルが窓2を通過するタイミングを判別することが出来、また、窓2の左方に観察される半透明部分33aの発光により、ウルフ33のシンボルが窓2を通過するタイミングを判別することが出来る。
よって、遊技者はこの発光位置の相違から特定シンボルの種類を識別することが出来、所望の特定シンボルがペイライン6上に停止表示されるのを狙ってストップスイッチ5を操作することが可能となる。この結果、本実施形態による回転リールユニットにおいても、初心者であっても、ペイライン6上にセブン32のシンボルを並べたり、ウルフ33のシンボルを並べることが容易に行える。