JP5125883B2 - 液体現像剤および画像形成方法 - Google Patents
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Description
乾式トナーを用いる方法は、固体状態のトナーを取り扱うので、取り扱い上の有利さはあるものの、粉体による人体等への悪影響が懸念されるほか、トナーの飛散による汚れ、トナーを分散した際の均一性等に問題がある。また、乾式トナーでは、粒子の凝集が起こり易く、トナー粒子の大きさを十分に小さくするのが困難であり、解像度の高いトナー画像を形成するのが困難であるという問題がある。また、トナー粒子の大きさを比較的小さなものとした場合には、上述したような粉体であることによる問題が更に顕著なものとなる。
本発明の液体現像剤は、トナー粒子と、
主としてエポキシ変性化合物で構成された絶縁性液体と、
カチオン型光重合開始剤とを含み、
前記エポキシ変性化合物は、植物油をエポキシ変性することにより得られるエポキシ化植物油であることを特徴とする。
本発明の液体現像剤では、前記エポキシ化植物油のヨウ素価をI1、前記エポキシ化植物油のエポキシ変性に供される前記植物油のヨウ素価をI2としたとき、0≦I1/I2≦0.17の関係を満足することが好ましい。
本発明の液体現像剤では、前記カチオン型光重合開始剤は、芳香族スルホニウム塩、あるいは芳香族ヨードニウム塩であることが好ましい。
本発明の液体現像剤では、前記カチオン型光重合開始剤の含有量は、前記エポキシ変性化合物100重量部に対して、0.5〜8重量部であることが好ましい。
各色に対応した複数の前記単色像を記録媒体に転写し、前記記録媒体上に、複数の前記単色像を重ね合わせてなる未定着カラー画像を形成する転写工程と、
前記未定着カラー画像に紫外線を照射することにより、前記未定着カラー画像を前記記録媒体上に定着する定着工程とを有し、
前記液体現像剤が、トナー粒子と、主としてエポキシ変性化合物で構成された絶縁性液体と、カチオン型光重合開始剤とを含むものであり、前記エポキシ変性化合物は、植物油をエポキシ変性することにより得られるエポキシ化植物油であることを特徴とする。
本発明の画像形成方法では、前記定着工程において、前記未定着カラー画像に照射する紫外線の照射エネルギーは、25〜500mJ/cm2であるとともに、前記記録媒体の搬送速度は50〜1000mm/secであることが好ましい。
≪液体現像剤≫
まず、本発明の液体現像剤について説明する。本発明の液体現像剤は、以下に示すような絶縁性液体中にトナー粒子が分散したものである。また、本発明の液体現像剤は、カチオン型光重合開始剤を含むものである。
<絶縁性液体>
まず、絶縁性液体について説明する。
本発明の液体現像剤を構成する絶縁性液体は、主としてエポキシ変性化合物で構成されたものである。
ところで、液体現像剤を用いた画像形成では、記録媒体にトナー粒子を定着させる際に、トナー粒子表面に絶縁性液体が付着している。従来の液体現像剤では、このトナー粒子表面に付着した絶縁性液体の存在により、トナー粒子の記録媒体への定着性が阻害される(定着強度が低下する)という問題点があった。また、トナー粒子の記録媒体に対する定着強度を向上させようと、定着時に比較的高い温度で、長時間加熱して、絶縁性液体を記録媒体上から完全に除去(乾燥)するような方法も考えられるが、かかる方法では、近年要求されている画像形成の高速化を実現することが困難であった。
一般に、上述したようなエポキシ変性化合物とカチオン型光重合開始剤とを含む液体では、紫外線(UV光)や電子線などのエネルギー線が照射されると、カチオン型光重合開始剤が活性化し、水素イオンが生成される。この水素イオンが、エポキシ変性化合物のエポキシ基と反応することにより、エポキシ変性化合物の硬化反応、重合反応が進行し、液体が固化する。
また、本発明の液体現像剤では、紙等の記録媒体にしみ込んだ絶縁性液体が固化することにより、固化した絶縁性液体と、記録媒体との間でアンカー効果が発現する。これにより、トナー粒子の記録媒体への定着強度は特に優れたものとなる。
このようなエポキシ変性化合物としては、例えば、植物油、鉱物油等が有する炭素−炭素二重結合(C=C)の少なくとも一部をエポキシ基に変性したエポキシドや、シリコーンオイルが有するメチル基の少なくとも一部をエポキシ基含有アルキル基に置換したエポキシ変性シリコーンオイル等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
このようなエポキシ化植物油に供される植物油は、炭素−炭素二重結合を2以上有する不飽和脂肪酸を構成成分として含むものであるのが好ましい。このような植物油をエポキシ変性して得られるエポキシ化植物油は、より短時間で固化するとともに、固化後の硬度が十分に高いものとなる。
上述したような植物油の中でも、亜麻仁油または大豆油が好ましい。すなわち、エポキシ化植物油として、亜麻仁油をエポキシ変性して得られるエポキシ化亜麻仁油、または大豆油をエポキシ変性して得られるエポキシ化大豆油が好ましい。亜麻仁油および大豆油は、出発原料として安定性が高く、また、構造中に比較的多くの炭素−炭素二重結合を有するものである。そのため、これらを出発原料としたエポキシ化亜麻仁油およびエポキシ化大豆油は、後述するカチオン型光重合開始剤から発生した水素イオンにより、好適に硬化反応、重合反応を起こす。結果として、より高速での画像形成が可能となるとともに、トナー粒子の記録媒体への定着強度を特に優れたものとすることができる。
このような成分としては、例えば、アイソパーE、アイソパーG、アイソパーH、アイソパーL(アイソパー;エクソン化学社の商品名)、シエルゾール70、シエルゾール71(シエルゾール;シエルオイル社の商品名)、アムスコOMS、アムスコ460溶剤(アムスコ;スピリッツ社の商品名)、低粘度・高粘度流動パラフィン(和光純薬工業)等の鉱物油(炭化水素系液体)、脂肪酸グリセリド、中鎖脂肪酸エステル等を含む植物油、脂肪酸と一価のアルコールとの間のエステルである脂肪酸モノエステル、オクタン、イソオクタン、デカン、イソデカン、デカリン、ノナン、ドデカン、イソドデカン、シクロヘキサン、シクロオクタン、シクロデカン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等が挙げられる。
また、このような絶縁性液体の室温(20℃)での電気抵抗は、1011Ωcm以上のものであるのが好ましく、1012Ωcm以上のものであるのがより好ましく、1013Ωcm以上のものであるのがさらに好ましい。
また、絶縁性液体の比誘電率は、3.5以下であるのが好ましい。
次に、カチオン型光重合開始剤について説明する。
本発明の液体現像剤中には、カチオン型光重合開始剤が含まれている。
このようなカチオン型光重合開始剤は、紫外線等のエネルギー線が照射されることにより、活性化して水素イオンを生成する化合物であり、絶縁性液体を構成するエポキシ変性化合物の硬化反応、重合反応を起こす機能を有するものである。
このようなカチオン型光重合開始剤としては、例えば、ハロゲン系アニオン、スルホン酸系アニオン、カルボン酸系アニオン、硫酸アニオン等のアニオンを対イオンとするジアゾニウム塩、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、およびホスホニウム塩等のオニウム塩が挙げられる。
次に、トナー粒子について説明する。
[トナー粒子の構成材料]
トナー粒子は、少なくとも、結着樹脂(樹脂材料)と着色剤とを含むものである。
1.樹脂材料(結着樹脂)
トナー粒子は、主成分としての樹脂材料を含む材料で構成されている。
樹脂材料の軟化点は、特に限定されないが、50〜130℃であるのが好ましく、50〜120℃であるのがより好ましく、60〜115℃であるのがさらに好ましい。なお、本明細書で、軟化点とは、高化式フローテスター(島津製作所製)における測定条件:昇温速度:5℃/min、ダイ穴径1.0mmで規定される軟化開始温度のことを指す。
また、トナーは、着色剤を含んでいてもよい。着色剤としては、特に限定されず、例えば、公知の顔料、染料等を使用することができる。
3.その他の成分
また、トナーは、上記以外の成分を含んでいてもよい。このような成分としては、例えば、公知のワックス、磁性粉末等が挙げられる。
また、トナー粒子の構成材料(成分)としては、上記のような材料のほかに、例えば、ステアリン酸亜鉛、酸化亜鉛、酸化セリウム、シリカ、酸化チタン、酸化鉄、脂肪酸、脂肪酸金属塩等を用いてもよい。
上記のような材料で構成されたトナー粒子の平均粒径は、0.5〜5μmであるのが好ましく、1〜4μmであるのがより好ましく、1〜3.5μmであるのがさらに好ましい。トナー粒子の平均粒径が前記範囲内の値であると、各トナー粒子間での特性のばらつきを小さいものとし、液体現像剤全体としての信頼性を高いものとしつつ、液体現像剤により形成されるトナー画像の解像度を十分に高いものとすることができる。また、トナー粒子の絶縁性液体への分散を良好にし、液体現像剤の保存性を高いものとできる。なお、本明細書では、「平均粒径」とは、体積基準の平均粒径のことを指すものとする。
液体現像剤中におけるトナー粒子の含有率は、10〜60wt%であるのが好ましく、20〜50wt%であるのがより好ましい。
次に、本発明の液体現像剤の製造方法の好適な実施形態について説明する。
本実施形態の液体現像剤の製造方法は、樹脂材料、着色剤が水系分散媒に分散した分散液を調製する分散液調製工程と、複数個の分散質を合一させ、合一粒子を得る合一工程と、合一粒子に含まれる有機溶剤を除去し、樹脂材料と着色剤とを含むトナー粒子を得る脱溶剤工程と、トナー粒子およびカチオン型光重合開始剤を上述したような絶縁性液体に分散させる分散工程とを有する。
[分散液調製工程(水系分散液調製工程)]
まず、分散液(水系分散液)を調製する。
水系分散液は、いかなる方法で調製されるものであってもよいが、例えば、樹脂材料、着色剤等のトナー粒子の構成材料(トナー材料)を有機溶剤中に溶解、分散させて樹脂液を得(樹脂液調製処理)、水系液体で構成された水系分散媒を樹脂液に添加することにより、トナー材料を含む分散質(液状の分散質)を水系液体中に形成し、分散質が分散した分散液(水系分散液)を得る(分散質形成処理)。
まず、樹脂材料、加水分解抑制剤を有機溶剤に溶解または分散させた樹脂液を調製する。
調製された樹脂液は、前述したようなトナー粒子の構成材料、および、次に述べるような有機溶剤を含むものである。
有機溶剤としては、樹脂材料の少なくとも一部を溶解するものであればいかなるものであってもよいが、後述する水系液体よりも沸点が低いものを用いるのが好ましい。これにより、有機溶剤を容易に除去することができる。
また、有機溶剤の組成は、例えば、前述したような樹脂材料、着色剤の組成や、水系分散媒の組成等に応じて適宜選択することができる。
このような有機溶剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、MEK等のケトン系溶媒、トルエン等の芳香族炭化水素系溶媒等が挙げられる。
また、攪拌時における材料温度は、20〜60℃であるのが好ましく、30〜50℃であるのがより好ましい。
また、樹脂液の調製においては、調製すべき樹脂液の構成成分をすべて同時に混合してもよいし、予め、調製すべき樹脂液の構成成分のうち一部を混合して混合物(マスター)を得、その後、当該混合物(マスター)を、他の成分と混合してもよい。
次に、水系分散液(分散液)を調製する。
水系液体で構成された水系分散媒を樹脂液に添加することにより、トナー材料を含む分散質(液状の分散質)を水系液体中に形成し、分散質が分散した分散液(水系分散液)を得る。
水系液体としては、主として水で構成されたものを用いることができる。
水系液体中には、例えば、水との相溶性に優れる溶媒(例えば、25℃での100重量部の水に対する溶解度が、50重量部以上である溶媒)を含むものであってもよい。
また、水系分散媒には、必要に応じて乳化分散剤を添加してもよい。乳化分散剤を添加することにより、より容易に水系乳化液を調製することができる。
また、水系分散液の調製に際して、例えば、中和剤を用いてもよい。これにより、例えば、樹脂材料が有する官能基(例えば、カルボキシル基等)を中和することができ、調製される水系分散液中における分散質の形状、大きさの均一性、分散質の分散性を特に優れたものとすることができ。このため、得られるトナー粒子は、粒度分布が特に狭いものとなる。
また、中和剤は、水系分散液の調製において、複数回に分けて添加されるものであってもよい。
中和剤としては、塩基性化合物を用いることができ、より具体的には、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等の無機塩基や、ジエチルアミン、トリエチルアミン、イソプロピルアミン等の有機塩基等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。また、中和剤は、上記のような化合物を含む水溶液であってもよい。
また、樹脂液への水系液体の添加時には、翼先端速度が10〜20m/秒となるように撹拌を行うことが好ましく、12〜18m/秒となるように撹拌を行うことがより好ましい。翼先端速度が前記範囲内の値であると、水系分散液を効率良く得ることができるとともに、水系分散液中における分散質の形状、大きさのばらつきを特に小さいものとすることができ、過剰に微細な分散質、粗大粒子の発生を防止しつつ、分散質の均一分散性を特に優れたものとすることができる。
また、本処理における材料温度は、20〜60℃であるのが好ましく、20〜50℃であるのがより好ましい。
次に、複数個の分散質を合一させ、合一粒子を得る(合一工程)。分散質の合一は、通常、有機溶剤を含む分散質が衝突することにより、これらが一体化して進行する。
複数個の分散質の合一は、分散液を撹拌しながら、分散液に電解質を添加することにより行う。これにより、容易かつ確実に合一粒子を得ることができる。また、電解質の添加量を調節することにより、容易かつ確実に、合一粒子の粒径、粒度分布を制御することができる。
また、電解質は、1価のカチオンの塩であることが好ましい。これにより、得られる合一粒子の粒度分布を狭いものとできる。また、1価のカチオンの塩を用いることで、本工程において、粗大粒子が発生することを確実に防止することができる。
本工程で添加される電解質の量は、電解質が添加される分散液に含まれる固形分:100重量部に対し、0.5〜3重量部であるのが好ましく、1〜2重量部であるのがより好ましい。これにより、特に容易かつ確実に合一粒子の粒径を制御できるとともに、粗大粒子の発生を確実に防止することができる。
また、電解質を水溶液の状態で添加する場合、水溶液中における電解質の濃度は、2〜10wt%であることが好ましく、2.5〜6wt%であることがより好ましい。これにより、特に速やかに分散液全体に、電解質を拡散させることができ、電解質の添加量を容易かつ確実に制御することができる。また、このような水溶液を加えることにより、電解質を加え終えた際における分散液中の水の含有量が、好適なものとなる。このため、電解質添加後における合一粒子の成長速度を、生産性が落ちない程度に、適度に遅いものとすることができる。結果として、粒径をより確実に制御できる。また、不本意な合一粒子の合一を確実に防止することができる。
また、本工程は、分散液を攪拌した状態で行う。これにより、粒子間での形状、大きさのばらつきが特に小さい合一粒子を得ることができる。
得られる合一粒子の平均粒径は、0.5〜5μmであるのが好ましく、1.5〜3μmであるのがより好ましい。これにより、最終的に得られるトナー粒子の粒径を適度なものとすることができる。
その後、分散液中に含まれる有機溶剤を除去する。これにより、分散液中に分散した樹脂微粒子(トナー粒子)が得られる。
有機溶剤の除去は、いかなる方法で行ってもよいが、例えば、減圧により行うことができる。これにより、樹脂材料等の構成材料の変性等を十分に防止しつつ、効率良く有機溶剤を除去することができる。
また、本工程での処理温度は、合一粒子を構成する樹脂材料のガラス転移点(Tg)よりも低い温度であるのが好ましい。
また、本工程は、分散液に、消泡剤を添加した状態で行ってもよい。これにより、効率良く有機溶剤を除去することができる。
消泡剤の使用量は、特に限定されないが、分散液中に含まれる固形分に対して、重量比で、20〜300ppmであるのが好ましく、30〜100ppmであるのがより好ましい。
なお、本工程においては、必ずしも全ての有機溶剤(分散液中に含まれる有機溶剤の全量)が除去されなくてもよい。このような場合であっても、後述する他の工程において、残存する有機溶剤を十分に除去することができる。
次に、上記のようにして得られた樹脂微粒子(トナー粒子)の洗浄を行う(洗浄工程)。
本工程を行うことにより、不純物として、有機溶剤等が含まれる場合であっても、これらを効率良く除去することができる。その結果、最終的に得られる樹脂微粒子における、揮発性有機化合物(TVOC)量を特に少ないものとすることができる。
本工程は、例えば、固液分離(水系液体からの分離)により樹脂微粒子を分離し、さらにその後、固形分(樹脂微粒子)の水中への再分散および固液分離(水系液体からの樹脂微粒子の分離)をすることにより行うことができる。固形分の水中への再分散および固液分離は、複数回、繰り返し行ってもよい。
その後、乾燥処理を施すことにより、トナー粒子を得ることができる(乾燥工程)。
乾燥工程は、例えば、真空乾燥機(例えば、リボコーン(大川原製作所社製)、ナウター(ホソカワミクロン社製)等)、流動層乾燥機(大川原製作所社製)等を用いて行うことができる。
次に、上記のようにして得られたトナー粒子とカチオン型光重合開始剤とを、絶縁性液体中に分散する。これにより液体現像剤を得る。
カチオン型光重合開始剤および絶縁性液体としては、前述したようなものを用いることができる。
また、トナー粒子およびカチオン型光重合開始剤の絶縁性液体への分散は、最終的に得られる液体現像剤を構成する絶縁性液体の全量を用いて行うものであってもよく、絶縁性液体の一部を用いて行うものであってもよい。
<第1実施形態>
次に、本発明の画像形成方法の第1実施形態について説明する。
本実施形態の画像形成方法は、上述したような本発明の液体現像剤を用いて記録媒体上にカラー画像(トナー画像)を形成するものである。
図1は、本実施形態の画像形成方法の第1実施形態が適用される画像形成装置の一例を示す模式図、図2は、図1に示す画像形成装置の一部を拡大した拡大図、図3は、現像ローラ上の液体現像剤層内におけるトナー粒子の状態を示す模式図である。
現像部30Y、30M、30Cは、それぞれ、イエロー系液体現像剤(Y)、マゼンダ系液体現像剤(M)、シアン系の液体現像剤(C)で、潜像を現像し、各色に対応したカラーの単色像を形成する機能を有している。また、現像部30Kは、ブラック系液体現像剤(K)で、潜像を現像し、ブラック(黒)の単色像を形成する機能を有している。
現像部30Yは、図2に示すように、像担持体の一例としての感光体10Yと、感光体10Yの回転方向に沿って、帯電ローラ11Yと、露光ユニット12Yと、現像ユニット100Yと、感光体スクイーズ装置101Yと、1次転写バックアップローラ51Yと、除電ユニット16Yと、感光体クリーニングブレード17Yと、現像剤回収部18Yとを有している。
感光体10Yは、後述する現像ユニット100Yにより液体現像剤が供給され、表面に液体現像剤の層が形成されるものである。すなわち、感光体10Yの表面に単色像が現像される(現像工程)。
感光体スクイーズ装置101Yは、現像ユニット100Yより回転方向下流側に、感光体10Yに対向して配置されており、感光体スクイーズローラ13Yと、該感光体スクイーズローラ13Yに押圧摺接して表面に付着した液体現像剤を除去するクリーニングブレード14Yと、除去された液体現像剤を回収する現像剤回収部15Yとで構成される。この感光体スクイーズ装置101Yは、感光体10Yに現像された現像剤から余剰なキャリア(絶縁性液体)および本来不要なカブリトナーを回収し、顕像内のトナー粒子比率を上げる機能を有する。
除電ユニット16Yは、1次転写バックアップローラ51Yによって中間転写部40上に中間転写像が転写された後に、感光体10Y上の残留電荷を除去する装置である。
感光体クリーニングブレード17Yは、感光体10Yの表面に当接されたゴム製の部材で、1次転写バックアップローラ51Yによって中間転写部40上に像が転写された後に、感光体10Y上に残存する液体現像剤を掻き落として除去する機能を有している。
中間転写部40は、エンドレスの弾性ベルト部材であり、図示しないモータの駆動力が伝達されるベルト駆動ローラ41および一対の従動ローラ44、45に張架されている。また、中間転写部40は、1次転写バックアップローラ51Y、51M、51C、51Kで感光体10Y、10M、10C、10Kと当接しながらベルト駆動ローラ41により反時計回りに回転駆動される。
この中間転写部40に、1次転写バックアップローラ51Y、51M、51C、51Kにより、現像部30Y、30M、30C、30Kで形成された各色に対応した単色像が順次転写され、各色に対応した単色像が重ね合わされる。これにより、中間転写部40にフルカラー現像剤像(中間転写像)が形成される(中間転写工程)。
中間転写部クリーニングブレード46および現像剤回収部47は、従動ローラ45側に配されている。
中間転写部クリーニングブレード46は、2次転写ユニット(2次転写部)60によって記録媒体F5上に像が転写された後に、中間転写部40上に付着した液体現像剤を掻き落として除去する機能を有している。
非接触式バイアス印加部材48はテンションローラ49に対向する位置に中間転写部40から離間して配設されている。この非接触式バイアス印加部材48は、二次転写後に中間転写部40上に残留する液体現像剤のトナー(固形分)に、このトナーと逆極性のバイアス電圧を印加するものである。これにより、トナーが除電されて中間転写部40へのトナーの静電付着力が低減されるようにしている。この例では、非接触式バイアス印加部材48として、コロナ帯電器が用いられている。
この中間転写部スクイーズ装置52Yは、中間転写部40上に転写された液体現像剤が望ましい分散状態に至っていない場合に、転写された液体現像剤から余剰の絶縁性液体を除去する手段として設けられている。
中間転写部スクイーズ装置52Yは、中間転写部40に1次転写された現像剤から余剰な絶縁性液体を回収し、像内のトナー粒子比率を上げると共に、本来不要なカブリトナーを回収する機能を有する。
すなわち、上流側2次転写ローラ64、下流側2次転写ローラ65は、それぞれ、ベルト駆動ローラ41および従動ローラ44に掛けられた中間転写部40に記録媒体F5を当接させて、中間転写部40上に色重ねして形成された中間転写像を記録媒体F5に2次転写する(2次転写工程)。
紫外線照射手段F40は、上記のようにして排出された記録媒体F5のトナー画像F5aが形成されている面に対して紫外線を照射する機能を有している。紫外線照射手段F40からトナー画像F5aに紫外線が照射されることにより、トナー画像F5aを構成する絶縁性液体が固化される。これにより、トナー粒子は記録媒体に強固に定着され、トナー画像F5aの記録媒体F5に対する定着強度は優れたものとなる。本発明の画像形成方法は、この定着工程に特徴を有するものである。
また、紫外線照射手段F40から照射される紫外線の照射エネルギーは、35〜500mJ/cm2であるのが好ましく、40〜500mJ/cm2であるのがより好ましい。これにより、液体現像剤中に含まれるカチオン型光重合開始剤がより確実に活性化され、エポキシ変性化合物の硬化反応、重合反応をより効率良く引き起こすことができる。その結果、トナー画像F5aを、記録媒体F5により短時間で、かつより強固に定着させることができる。
なお、トナー画像F5aを加熱する場合、このような加熱温度は、具体的には、70〜160℃であるのが好ましく、100〜150℃であるのがより好ましく、100〜140℃であることがさらに好ましい。
現像ユニット100Yは、図2に示すように、液体現像剤貯留部31Yと、塗布ローラ32Yと、規制ブレード33Yと、現像剤攪拌ローラ34Y、連通部35Yと、回収スクリュー36Yと、現像ローラ20Yと、現像ローラクリーニングブレード21Yと、コロナ放電器(圧縮手段)25Yとを有している。
供給部31aYは、液体現像剤を塗布ローラ32Yに供給する機能を有し、現像剤撹拌ローラ34Yを設置した凹状の部分を有する。また、供給部31aYには、液体現像剤貯留部31Yから連通部35Yを通じて液体現像剤が供給される。
供給部31aYと回収部31bYとの境界には、壁状の仕切31cYが設けられている。仕切31cYは、供給部31aYと回収部31bYとを仕切り、回収された液体現像剤の新鮮な液体現像剤への混入を防ぐことができる。また、供給部31aYに過剰の液体現像剤が供給された際に、過剰分の液体現像剤は、仕切31cYを超えて供給部31aYから回収部31bYへあふれ出ることができる。このため、供給部31aYの液体現像剤の量が一定に保持されることができ、塗布ローラ32Yに供給される液体現像剤の液量を一定に維持することができる。このため、最終的に形成される画像の画質が安定したものとなる。
また、仕切31cYには、切欠部が設けられており、切欠部を通じて液体現像剤が供給部31aYから回収部31bYへあふれ出ることができる。
この塗布ローラ32Yは、鉄等金属性のローラの表面に溝が均一かつ螺旋状に形成されニッケルメッキが施された、いわゆるアニロクスローラを呼称されるものであり、その直径は約25mmである。本実施形態では、塗布ローラ32Yの回転方向に対して斜めに複数の溝が、いわゆる切削加工や転造加工等によって形成されている。この塗布ローラ32Yは、反時計回りに回転しながら液体現像剤に接触することによって、溝に、供給部31aY内の液体現像剤を担持して、該担持した液体現像剤を現像ローラ20Yへ搬送する。
供給部31aY内において、液体現像剤の中のトナー粒子1はプラスの電荷を有し、液体現像剤は、現像剤撹拌ローラ34Yにより撹拌されて一様分散状態になり、塗布ローラ32Yが回転することによって、液体現像剤貯留部31Yから汲み上げられ、規制ブレード33Yによって液体現像剤量が規制されて現像ローラ20Yに供給される。また、現像剤攪拌ローラ34Yによって攪拌されることにより、仕切31cYを超えて回収部31bY側に液体現像剤を安定して溢れさせることができ、液体現像剤が滞留し圧縮することを防ぐことができる。
連通部35Yを現像剤攪拌ローラ34Yの下方に設けることにより、連通部35Yから供給される液体現像剤は、現像剤攪拌ローラ34Yに止められることになり、吹き出しによる液上面の盛り上がりがなく、液上面がほぼ一定に保持され、塗布ローラ32Yに安定して現像剤を供給できる。
現像ローラ20Yは、感光体10Yに担持された潜像を液体現像剤により現像するために、液体現像剤を担持して感光体10Yと対向する現像位置に搬送する。
この現像ローラ20Yは、鉄等金属製の内芯の外周部に、導電性を有する弾性体の層を備えたものであり、その直径は約20mmである。また、弾性体の層は、二層構造になっており、その内層として、ゴム硬度がJIS−A約30度で、厚み約5mmのウレタンゴムが、その表層(外層)として、ゴム硬度がJIS−A約85度で、厚み約30μmのウレタンゴムが備えられている。そして、現像ローラ20Yは、前記表層が圧接部となって、弾性変形された状態で塗布ローラ32Yおよび感光体10Yのそれぞれに圧接している。
また、現像ユニット100Yは、現像ローラ20Yの表面に当接されたゴム製の現像ローラクリーニングブレード21Yと、現像剤回収部24Yとを有している。この現像ローラクリーニングブレード21Yは、前記現像位置で現像が行われた後に、現像ローラ20Y上に残存する液体現像剤を掻き落として除去するための装置である。現像ローラクリーニングブレード21Yにより除去された液体現像剤は、現像剤回収部24Y内に回収される。
なお、上記装置を用いた画像形成は、色の異なる複数の液体現像剤を用いて、感光体10(10Y、10M、10C、10K)に、各色に対応する複数の単色像を形成する現像工程と、感光体10に形成された複数の単色像を記録媒体F5に転写し、記録媒体F5上に複数の単色像を重ね合わせてなる未定着のトナー画像F5aを形成する転写工程と、未定着のトナー画像F5aに紫外線を照射することにより、未定着のトナー画像F5aを記録媒体F5上に定着する定着工程とにより行う。このような方法を用いることにより、記録媒体F5上にトナー画像F5aを速やかに定着することができ、その結果、高速での画像形成が可能となる。
次に、本発明の画像形成方法の第2実施形態について説明する。
本実施形態の画像形成方法は、未定着のトナー画像に対して、熱処理を行ってから、紫外線を照射することにより、記録媒体上にトナー画像を定着させる定着工程を有する点で、前記第1実施形態の画像形成方法とは異なる。
図4は、本実施形態の画像形成方法の第2実施形態が適用される画像形成装置の一例を示す模式図である。
図4に示す画像形成装置1000’は、定着装置F40’として、加熱ローラ(加熱手段)F41と、紫外線照射手段F42とを備えている以外は、前述した画像形成装置1000と同様の構成を有している。
画像形成装置1000’を用いた画像形成方法では、2次転写ユニット60で記録媒体F5上に転写されたトナー画像F5aが、加熱ローラF41において加熱された後に、紫外線照射手段F42において紫外線が照射されて、記録媒体F5に定着する。このような画像形成方法では、加熱ローラF41において、トナー画像F5aが加熱されることにより、トナー画像F5aを構成するトナー粒子が溶融する。そして、紫外線照射手段F42において、かかるトナー画像F5aに紫外線を照射し、絶縁性液体を固化する際に、溶融した状態のトナー粒子を記録媒体F5に強固に定着させることができる。そして、トナー粒子を記録媒体F5に定着させる際に、トナー粒子が溶融状態にあることから、隣接するトナー粒子同士が混ざり合って、トナー画像F5aの発色性が特に優れたものとなる。また、このように溶融したトナー粒子は、トナー粒子自身が紙等の記録媒体F5の表面付近に入り込み、記録媒体F5とトナー粒子との密着性が向上する。その結果、トナー画像F5aの定着強度は特に優れたものとなる。
なお、上記の説明では、加熱手段としてローラ状のものについて説明したが、これに限定されず、例えば、トナー画像に対して熱風を吹き付ける方法であってもよい。
例えば、本発明の液体現像剤は、前述したような画像形成方法および画像形成装置に適用されるものに限定されない。
また、本発明の画像形成方法は、前述したような画像形成装置に適用されるものに限定されない。
また、前述した実施形態では、水系乳化液を得、該水系乳化液に電解質を添加することにより合一粒子を得るものとして説明したが、本発明は、これに限定されない。例えば、合一粒子は、水系液体に、着色剤とモノマーと界面活性剤と重合開始剤とを分散させ、乳化重合により、水系乳化液を調製し、該水系乳化液に電解質を添加して会合させる乳化重合会合法を用いて調製されたものであってもよいし、得られた水系乳化液を噴霧乾燥することにより合一粒子を得るものであってもよい。
また、前述した実施形態では、画像形成装置として、コロナ放電器を有する構成について説明したが、コロナ放電器は無くてもよい。
以下のようにして、液体現像剤を製造した。
(実施例1)
まず、トナー粒子の製造を行った。なお、温度が記載されていない工程については、室温(25℃)で行った。
(着色剤マスター溶液の調製)
まず、樹脂材料として、ポリエステル樹脂(酸価:10mgKOH/g、ガラス転移点(Tg):55℃、軟化点:107℃):60重量部を用意した。
次に、上記樹脂材料と、着色剤としてのシアン系顔料(大日精化社製、ピグメントブルー15:3)との混合物(質量比50:50)を用意した。これらの各成分を20L型のヘンシェルミキサーを用いて混合し、トナー製造用の原料を得た。
次に、この原料(混合物)を2軸混練押出機を用いて混練した。2軸混練押出機の押出口から押し出された混練物を冷却した。
上記のようにして冷却された混練物を粗粉砕し、平均粒径:1.0mm以下の着色剤マスターバッチとした。混練物の粗粉砕にはハンマーミルを用いた。
上記着色剤マスターバッチ:97.5重量部にメチルエチルケトン:175重量部、前記ポリエステル樹脂:227.6重量部を高速分散機(プライミクス社製、T.K.ロボミクス/T.K.ホモディスパー2.5型翼)で混合し、乳化剤としてのネオゲンSC−F(第一工業製薬社製):1.38重量部を加えて樹脂液を作製した。なお、この溶液中において、顔料は均一に微分散していた。
次いで容器内の樹脂液に1規定アンモニア水:72.8重量部を加えて、高速分散機(プライミクス社製、T.K.ロボミクス/T.K.ホモディスパー2.5型翼)により、攪拌翼の翼先端速度を7.5m/sとして十分に攪拌し、フラスコ内の溶液の温度を25℃に調整し、その後攪拌翼の翼先端速度を14.7m/sとして攪拌を行いつつ、400重量部の脱イオン水を滴下して転相乳化を起こした。攪拌を継続しながら、上記樹脂液に対して、さらに脱イオン水:100重量部を加えた。これにより、樹脂材料を含む分散質が分散した水系分散液を得た。
次に、水系分散液をマックスブレンド翼を有した攪拌容器に移し、攪拌翼の翼先端速度を1.0m/sとして攪拌を行いながら水系分散液の温度を25℃とした。
次に、同様の温度、攪拌条件を保ちつつ、5.0%の硫酸ナトリウム水溶液:200重量部を滴下し、分散質の合一を行い、合一粒子の形成を行った。滴下後、合一粒子のトナー粒子についての50%体積粒径Dv(50)[μm]が3.5μmに成長するまで攪拌を続けた。合一粒子のDv(50)が3.5μmになったら、脱イオン水:200重量部を添加し、合一を終了した。
得られた合一粒子分散液に対して、減圧下で、固形分含有量が23wt%となるまで有機溶剤を留去を行い、樹脂微粒子のスラリーを得た。
<洗浄工程>
次に、スラリーに対し、固液分離を行い、さらに水中への再分散(リスラリー)、固液分離を繰り返し行うことによる洗浄処理を施した。その後、吸引ろ過法により、着色樹脂微粒子のウェットケーキ(樹脂微粒子ケーキ)を得た。なお、ウェットケーキの含水率は35wt%であった。
その後、真空乾燥機を用いて、得られたウェットケーキを乾燥することにより、トナー粒子を得た。
<分散工程>
上記の方法で得られたトナー粒子:37.5重量部、カチオン型光重合開始剤としてのジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート:4.5重量部、エポキシ変性化合物としてのエポキシ化亜麻仁油:150重量部をセラミック製ポット(内容積600ml)に入れ、さらにジルコニアボール(ボール直径:1mm)を体積充填率85%になるようにセラミック製ポットに入れ、卓上ポットミルにて回転速度230rpmで24時間分散を行った。これにより、液体現像剤が得られた。なお、前述したエポキシ化亜麻仁油としては、亜麻仁油を過酢酸で酸化(エポキシ変性)させることにより得られた化合物を用いた。
また、シアン系顔料の代わりに、マゼンダ系顔料:ピグメントレッド238(山陽色素社製)、イエロー系顔料:ピグメントイエロー180(クラリアント社製)、ブラック系顔料:カーボンブラック(デグサ社製、Printex L)に、それぞれ変更した以外は、上記と同様にして、マゼンダ系液体現像剤、イエロー系液体現像剤、ブラック系液体現像剤を製造した。
カチオン型光重合開始剤の種類、および含有量、エポキシ変性化合物の種類を表1に示すような構成にした以外は、前記実施例1と同様にして各色に対応する液体現像剤を製造した。
(実施例5)
ポリエステル樹脂の代わりに、エポキシ樹脂(ガラス転移点(Tg):60℃、軟化点:120℃)を用い、カチオン型光重合開始剤の種類、および含有量、エポキシ変性化合物の種類を表1に示すような構成にした以外は、前記実施例1と同様にして各色に対応する液体現像剤を製造した。
(実施例6、7)
エポキシ変性化合物の種類を表1に示すような構成にした以外は、前記実施例1と同様にして各色に対応する液体現像剤を製造した。
絶縁性液体として、エポキシ化亜麻仁油の代わりに流動パラフィン(コスモ石油社製、商品名「コスモホワイトP−70」)を用いた以外は、前記実施例1と同様にして各色に対応する液体現像剤を製造した。
カチオン型光重合開始剤を添加しなかった以外は、前記実施例1と同様にして各色に対応する液体現像剤を製造した。
(比較例2)
絶縁性液体として、ハイオレイック(HO)菜種油:90重量部、および大豆油とメタノールとのエステル交換反応により得られる大豆油脂肪酸メチル:60重量部の混合液体を用いた以外は、前記実施例1と同様にして各色に対応する液体現像剤を製造した。
上記のようにして得られた各液体現像剤について、以下のような評価を行った。
[2.1]定着強度および高速での画像形成性
図1、図2に示すような画像形成装置を用いて、前記各実施例で得られた液体現像剤による所定パターンの画像を記録紙(セイコーエプソン社製、上質紙 LPCPPA4)上に形成し、記録紙の搬送速度を320mm/sec、画像に照射する紫外線の照射エネルギーを70mJ/cm2として、紫外線照射による定着を行った。
さらに、記録紙の搬送速度を、70mm/sec、450mm/secに変更して、上記と同様の評価を行った。
(B) :画像濃度残存率が90%以上95%未満。(良い)
(C) :画像濃度残存率が80%以上90%未満。(許容範囲)
(D) :画像濃度残存率が70%以上80%未満。(やや悪い)
(E) :画像濃度残存率が70%未満。(悪い)
前記各実施例および前記各比較例で得られたトナーについて、以下のようにしてブロッキングに対する耐性(耐ブロッキング性)の評価を行った。
まず、図1、図2に示すような構成を有する画像形成装置を用意した。この画像形成装置を用いて、記録紙(セイコーエプソン社製、上質紙 LPCPPA4)上に、記録紙に形成されたトナー画像のトナー重量が0.75mg/cm2となるように、所定のパターンの単色のトナー像を転写した。このトナー像が転写された記録紙について、記録紙の搬送速度を320mm/secに設定し、[2.1]と同様にして定着を行い、トナー画像を得た。
放冷後、2枚の記録媒体を剥がすことで、密着させていた定着トナー画像同士を引き剥がした。剥がされた後の定着トナー画像を目視にて確認し、付着粉、光沢むら、濃度むら等の有無を以下の4段階の基準に従い評価した。
A :定着トナー画像上に、付着粉、光沢むら、濃度むらがまったく認められない。
B :定着トナー画像上に、付着粉、光沢むら、濃度むらがほとんど認められない。
C :定着トナー画像上に、付着粉、光沢むら、濃度むらがわずかに認められる。
D :定着トナー画像上に、付着粉、光沢むら、濃度むらがはっきりと認められる。
前記各実施例および前記各比較例で得られた液体現像剤を、50℃、相対湿度60%の環境下に、8ヶ月間放置した。その後、液体現像剤の様子を観察し、放置前後の粘度、色、酸価、および電気抵抗値の変化を以下の5段階の基準に従い評価した。なお、酸価の測定は、JIS K2501に準拠して行った。また、液体現像剤の色の変化は、目視により評価した。また、粘度は、振動式粘度計を用いて、JIS Z8809に準拠して行った。また、電気抵抗値は、ユニバーサルエレクトロメーター MMAII−17B、液体用電極LP−05、シールドボックスP−618(川口電機製作所製)を用いて測定した。
B :液体現像剤の粘度/色/酸価/電気抵抗値の変化がほとんど認められない。
C :液体現像剤の粘度/色/酸価/電気抵抗値の変化がわずかに認められるが、液
体現像剤として問題の無い範囲である。
D :液体現像剤の粘度/色/酸価/電気抵抗値の変化がはっきりと認められる。
E :液体現像剤の粘度/色/酸価/電気抵抗値の変化が顕著に認められる。
前記各実施例および前記各比較例で得られた液体現像剤を、温度:20〜30℃の環境下に、4ヵ月間静置した。その後、液体現像剤中のトナーの様子を目視にて確認し、以下の5段階の基準に従い評価した。
A :トナー粒子の浮遊および凝集沈降がまったく認められない。
B :トナー粒子の浮遊および凝集沈降がほとんど認められない。
C :トナー粒子の浮遊または凝集沈降がわずかに認められるが、液体現像剤として
問題の無い範囲である。
D :トナー粒子の浮遊または凝集沈降がはっきりと認められる。
E :トナー粒子の浮遊および凝集沈降が顕著に認められる。
前記各実施例で得られた液体現像剤を、図1、図2に示すような画像形成装置に適用して、所定パターンの画像を記録紙(セイコーエプソン社製、上質紙 LPCPPA4)上に形成し、記録紙の搬送速度を320mm/sec、画像に照射する紫外線の照射エネルギーを70mJ/cm2として、紫外線照射による定着を行った。
このようにして得られた記録紙上の画像について、グロスメーター(村上色彩研究所製 GM−26D)を用い、光沢度(グロス)測定を行い、以下の4段階の基準に従い評価した。
B :光沢度が7以上8未満
C :光沢度が6以上7未満
D :光沢度が6未満
これらの結果を表2に示す。
上記のようにして得られた各液体現像剤について、以下のような評価を行った。
[3.1]定着強度および高速での画像形成性
図4に示すような画像形成装置を用いて、前記各実施例で得られた液体現像剤による所定パターンの画像を記録紙(セイコーエプソン社製、上質紙 LPCPPA4)上に形成し、加熱ローラF41の設定温度を125℃に設定し、記録紙の搬送速度を320mm/sec、画像に照射する紫外線の照射エネルギーを70mJ/cm2、紫外線照射による定着を行った。
さらに、記録紙の搬送速度を、70mm/sec、450mm/secに変更して、上記と同様の評価を行った。
(B) :画像濃度残存率が90%以上95%未満。(良い)
(C) :画像濃度残存率が80%以上90%未満。(許容範囲)
(D) :画像濃度残存率が70%以上80%未満。(やや悪い)
(E) :画像濃度残存率が70%未満。(悪い)
前記各実施例で得られたトナーについて、以下のようにしてブロッキングに対する耐性(耐ブロッキング性)の評価を行った。
まず、図4に示すような構成を有する画像形成装置を用意した。この画像形成装置を用いて、記録紙(セイコーエプソン社製、上質紙 LPCPPA4)上に、記録紙に形成されたトナー画像のトナー重量が0.75mg/cm2となるように、所定のパターンの単色のトナー像を転写した。このトナー像が転写された記録紙について、記録紙の搬送速度を320mm/secに設定し、[2.1]と同様にして定着を行い、トナー画像を得た。
放冷後、2枚の記録媒体を剥がすことで、密着させていた定着トナー画像同士を引き剥がした。剥がされた後の定着トナー画像を目視にて確認し、付着粉、光沢むら、濃度むら等の有無を以下の4段階の基準に従い評価した。
A :定着トナー画像上に、付着粉、光沢むら、濃度むらがまったく認められない。
B :定着トナー画像上に、付着粉、光沢むら、濃度むらがほとんど認められない。
C :定着トナー画像上に、付着粉、光沢むら、濃度むらがわずかに認められる。
D :定着トナー画像上に、付着粉、光沢むら、濃度むらがはっきりと認められる。
前記各実施例で得られた液体現像剤を、図4に示すような画像形成装置に適用して、所定パターンの画像を記録紙(セイコーエプソン社製、上質紙 LPCPPA4)上に形成し、加熱ローラF41の設定温度を125℃に設定し、記録紙の搬送速度を320mm/sec、画像に照射する紫外線の照射エネルギーを70mJ/cm2、紫外線照射による定着を行った。
A :光沢度が8以上
B :光沢度が7以上8未満
C :光沢度が6以上7未満
D :光沢度が6未満
これらの結果を表3に示す。
また、前記各実施例で得られた液体現像剤を、それぞれ図1および図4に示すような画像形成装置に適用して画像形成を行った結果、図4に示すような画像形成装置を用いて得られた画像の方が、図1に示すような画像形成装置を用いて得られた画像よりも発色性に優れていた。
Claims (8)
- トナー粒子と、
主としてエポキシ変性化合物で構成された絶縁性液体と、
カチオン型光重合開始剤とを含み、
前記エポキシ変性化合物は、植物油をエポキシ変性することにより得られるエポキシ化植物油であることを特徴とする液体現像剤。 - 前記エポキシ化植物油のヨウ素価は、15以下である請求項1に記載の液体現像剤。
- 前記エポキシ化植物油のヨウ素価をI1、前記エポキシ化植物油のエポキシ変性に供される前記植物油のヨウ素価をI2としたとき、0≦I1/I2≦0.17の関係を満足する請求項1または2に記載の液体現像剤。
- エポキシ変性に供される前記植物油は、不飽和二重結合を2以上有する不飽和脂肪酸を構成成分として含むものである請求項1ないし3のいずれかに記載の液体現像剤。
- 前記カチオン型光重合開始剤は、芳香族スルホニウム塩、あるいは芳香族ヨードニウム塩である請求項1ないし4のいずれかに記載の液体現像剤。
- 前記カチオン型光重合開始剤の含有量は、前記エポキシ変性化合物100重量部に対して、0.5〜8重量部である請求項1ないし5のいずれかに記載の液体現像剤。
- 色の異なる複数の液体現像剤を用いて、各色に対応した複数の単色像を形成する現像工程と、
各色に対応した複数の前記単色像を記録媒体に転写し、前記記録媒体上に、複数の前記単色像を重ね合わせてなる未定着カラー画像を形成する転写工程と、
前記未定着カラー画像に紫外線を照射することにより、前記未定着カラー画像を前記記録媒体上に定着する定着工程とを有し、
前記液体現像剤が、トナー粒子と、主としてエポキシ変性化合物で構成された絶縁性液体と、カチオン型光重合開始剤とを含むものであり、前記エポキシ変性化合物は、植物油をエポキシ変性することにより得られるエポキシ化植物油であることを特徴とする画像形成方法。 - 前記定着工程において、前記未定着カラー画像に照射する紫外線の照射エネルギーは、25〜500mJ/cm2であるとともに、前記記録媒体の搬送速度は50〜1000mm/secである請求項7に記載の画像形成方法。
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