JP5123025B2 - 自在継手用ヨーク、自在継手および車両用操舵装置 - Google Patents
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Description
特許文献4のヨークは、シャフト固定用の筒状部と、筒状部の軸方向に平行に延びる一対のアームと、筒状部の軸方向端部に設けられた平板とを有している。平板は、筒状部の軸方向に直交して配置されている。アームは、平板から軸方向に突出している。
一方、シャフトを固定し易くするために、自在継手用ヨークの筒状部に、軸方向に延びるスリットが形成される場合がある。例えば、スリットを挟んで相対向する第1および第2のタブが設けられる。第1のタブのボルト挿通孔から挿通したボルトを第2のタブのねじ孔にねじ込むことにより、筒状部によってシャフトを締め付けるようにしている。
そこで、本発明の目的は、小型で長寿命な自在継手用ヨーク、自在継手および車両用操舵装置を提供することである。
また、本発明において、上記第2方向に沿って見たときに、フランジの外郭寸法(L3)が、第3方向に関する、各アームの支持孔形成部(47)の幅(L4)よりも大きくされている場合がある。この場合、上記捩じり方向に関する補強効果をより一層高めることができる。
また、本発明において、上記アームの基端部の板厚(L1)が、各アームの延設端(44)の板厚(L2)よりも厚くされている場合がある。この場合、上記捩じり方向に関する補強効果をより一層高めることができる。
また、本発明の自在継手(6)は、上記本発明の自在継手用ヨークを含むことを特徴とする。本発明によれば、小型で長寿命の自在継手を得ることができる。
また、本発明の車両用操舵装置(1)は、上記本発明の自在継手を含む操舵軸(26)を備えることを特徴とする。本発明によれば、小型で長寿命の車両用操舵装置を得ることができる。また、自在継手用ヨークの変形が抑制されるので、操縦安定性が向上する。
図1は、本発明の一実施形態の自在継手用ヨークを有する電動パワーステアリング装置の概略構成の模式図である。図1を参照して、電動パワーステアリング装置(EPS:Electric Power Steering System)1は、ステアリングホイール等の操舵部材2に連結しているステアリングシャフト3と、ステアリングシャフト3に第1の自在継手4を介して連結された中間シャフト5と、中間シャフト5に第2の自在継手6を介して連結されたピニオンシャフト7と、ピニオンシャフト7の端部近傍に設けられたピニオン歯8に噛み合うラック歯9を有して自動車の左右方向に延びる転舵軸としてのラックバー10とを有している。
ステアリングシャフト3は、操舵部材2に連なる入力軸17と、ピニオンシャフト7に連なる出力軸18とに分割されている。これら入力軸17および出力軸18はトーションバー19を介して同一の軸線上で互いに連結されている。入力軸17に操舵トルクが入力されたときに、トーションバー19が弾性ねじり変形し、これにより、入力軸17および出力軸18が相対回転するようになっている。
図2は、図1に示す第2の自在継手6の側面図である。図2を参照して、第2の自在継手6は、第1のシャフトとしての中間シャフト5と、第2のシャフトとしてのピニオンシャフト7とを連結している。第2の自在継手6は、中間シャフト5が結合された自在継手用ヨークとしての第1のヨーク31と、ピニオンシャフト7が結合された他のヨーク(相手側ヨーク)としての第2のヨーク32と、第1のヨーク31および第2のヨーク32を互いに連結する十字軸33とを備えている。十字軸33は、軸部としての4つのトラニオン34を有している。
なお、第2のヨーク32が、本実施形態の第1のヨーク31と同じに構成されてもよい。また、第1の自在継手4が、第2の自在継手6の第1のヨーク31と同じに構成されたヨークを有してもよい。以下では、第2の自在継手6の第1のヨーク31に則して説明する。第2のヨーク32については、第1のヨーク31との相違点を中心に説明する。
図3、図4、図5を参照して、第1のヨーク31は、シャフト固定用の筒状部37を備えている。筒状部37は、第1方向としての当該筒状部37の軸方向S1(以下、第1方向S1ともいう。)に関する一端38および他端39を有している。筒状部37は、第1方向S1に平行に延びるスリット40を有している。また、筒状部37は、第1方向S1に貫通している。
図4,図5を参照して、一対のアーム43は、互いに同じ形状に形成されている。各アーム43は、延設端44と、基端部45を有している。
支持孔46は、中心軸線C2を有している。この中心軸線C2は、第2方向S2に延びている。一対のアーム43の支持孔46は、同心に配置されている。
図5を参照して、基端部45は、第2方向S2に互いに対向する外側面50と内側面51とを有している。外側面50と内側面51とは、第1方向S1に平行に延びている。
図3、図4を参照して、各アーム43の基端部45には、フランジ42と接続し各アーム43の基端部45を補強する補強部53が設けられている。補強部53は、隅肉部を形成しており、略三角形状をなしている。
図4,図5を参照して、フランジ42は、第1方向S1に対向する第1の端面56および第2の端面57を有している。筒状部37側にある第1の端面56は、筒状部37の他端39の外周面61に隣接して環状をなしている。第1の端面56は、その一部として、第3方向S3に対して傾斜する傾斜面58を含んでいる。この傾斜面58は、スリット40に近接して配置されている。
第1方向S1に関するフランジ42の寸法(肉厚)は、筒状部37の中心軸線C1から遠ざかるにしたがって薄くされている。
図6を参照して、第1方向S1に沿って見たときのフランジ42の外形は、角が丸められた多角形、例えば、四角形形状をなしている。なお、フランジ42の外形は、円形、楕円形、または長円形であってもよい。第1方向S1に沿って見たときのフランジ42の外形は、第2方向S2に長く形成されている。
図4,図5を参照して、筒状部37は、スリット40を有している。このスリット40は、当該筒状部37の一端38から第1方向S1に平行に所定長で延びている。スリット40の切り込み端63は、凹湾曲面60外にあり、凹湾曲面60に近接した位置に配置されている。スリット40は、第2方向S2に関して、一対のアーム43間の中央位置P1に配置されている。
図2,図3を参照して、筒状部37の内周には、中間シャフト5が嵌合されている。中間シャフト5は、締め付けボルト66を用いて固定されている。
第2のヨーク32は、筒状部37と、一対のアーム43とを有しているが、フランジ42を廃止されている。一対のアーム43は、筒状部37の他端39から延設されている。また、筒状部37の周方向に関して、スリット40の位置が90°ずれている。すなわち、スリット40は、一方のアーム43に最も近接するように配置されている。
図3を参照して、以上説明したように、第1のヨーク31は、シャフト固定用の筒状部37を備える。この筒状部37の一端38から第1方向S1としての筒状部37の軸方向S1に延びるスリット40を備える。筒状部37の他端39から筒状部37の径方向外方R1へ延びる環状のフランジ42を備える。このフランジ42から筒状部37とは反対側に延設され、相手側ヨークとしての第2のヨーク32とは十字軸33を介して揺動可能に連結される一対のアーム43を備える。
また、フランジ42の端面56の傾斜面58により、第1方向S1に関して、フランジ42の径方向外方部分を相対的にスリット40から遠ざけつつ、フランジ42の径方向内方部分を相対的にスリット40に近接して配置することができる。
図4を参照して、第2方向S2に沿って見たときに、フランジ42の外郭寸法L3が、第3方向S3に関する、各アーム43の支持孔形成部47の幅L4よりも大きくされている。これにより、上記捩じり方向に関する補強効果をより一層高めることができる。
図5を参照して、アーム43の基端部45の板厚L1が、各アーム43の延設端44の板厚L2よりも厚くされている。これにより、上記捩じり方向に関する補強効果をより一層高めることができる。
図2を参照して、第2の自在継手6は、第1のヨーク31を含んでいる。これにより、小型で長寿命の第2の自在継手6を得ることができる。
図1,図2を参照して、車両用操舵装置としての電動パワーステアリング装置1は、第2の自在継手6を含む操舵軸としてのユニット26を備えている。これにより、小型で長寿命の車両用操舵装置を得ることができる。また、自在継手用ヨーク31の変形が抑制されるので、操縦安定性が向上する。
例えば、図7は、本発明の一実施形態の変形例としての第1のヨーク31Aの平面図である。図7を参照して、第1のヨーク31Aは、第1のヨーク31に代えて用いられる。第1のヨーク31Aのフランジ42は、第2方向S2に一対のアーム43の基端部45の外側面50よりも突出している。第2方向S2に関して、フランジ42の外郭寸法L5は、一対のアーム43の基端部45の外側面50間の寸法L6よりも所定量大きくされている。フランジ42の外周面55と、各アーム43の基端部45の外側面50とは、凹湾曲面73を介して互いに接続されている。
Claims (8)
- シャフト固定用の筒状部と、
この筒状部の一端から第1方向としての筒状部の軸方向に延びるスリットと、
上記筒状部の他端から筒状部の径方向外方へ延びる環状のフランジと、
このフランジから筒状部とは反対側に延設され、相手側ヨークとは十字軸を介して揺動可能に連結される一対のアームとを備え、
各アームは、上記第1方向とは平行に延びる板状をなし、
各アームには、上記十字軸の対応するトラニオンを軸受を介して支持するための支持孔が形成され、
各アームの支持孔は、上記第1方向とは直交する第2方向に延びる中心軸線を有し、
上記スリットが、上記第2方向に関して上記一対のアーム間の中央位置に配置され、
上記フランジは、筒状部の外周面に隣接する環状の端面を含み、この端面は、上記第1方向および上記第2方向の双方とは直交する第3方向に対して傾斜する傾斜面を含み、
この傾斜面および筒状部の外周面は、凹湾曲面を介して接続されており、
上記傾斜面、上記凹湾曲面、および上記筒状部の上記外周面は、この記載の順に上記第1方向に並び、上記傾斜面および上記凹湾曲面が互いに連続してつながり、上記凹湾曲面および上記筒状部の上記外周面が互いに連続してつながっているとともに、
各アームの基端部には、フランジと接続する補強部が設けられていることを特徴とする自在継手用ヨーク。 - 請求項1において、上記第2方向に関して、フランジの外郭寸法は、一対のアームの基端部の外側面間の寸法と等しいかまたは大きくされていることを特徴とする自在継手用ヨーク。
- 請求項2において、上記第2方向に沿って見たときに、フランジの外郭寸法が、第3方向に関する、各アームの支持孔形成部の幅よりも大きくされていることを特徴とする自在継手用ヨーク。
- 請求項3において、上記第2方向に沿って見たときに、各アームの側縁部およびフランジの外周面が、略三角形状の上記補強部を介して互いに接続されていることを特徴とする自在継手用ヨーク。
- 請求項1から4の何れか1項において、上記アームの基端部の板厚が、各アームの延設端の板厚よりも厚くされていることを特徴とする自在継手用ヨーク。
- 請求項1から5の何れか1項において、上記筒状部、フランジ、および一対のアームが、単一の材料で一体に形成されていることを特徴とする自在継手用ヨーク。
- 請求項1から6の何れか1項の自在継手用ヨークを含むことを特徴とする自在継手。
- 請求項7の自在継手を含む操舵軸を備えることを特徴とする車両用操舵装置。
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