JP5121374B2 - 液晶シール剤、それを用いた液晶表示パネルの製造方法、および液晶表示パネル - Google Patents

液晶シール剤、それを用いた液晶表示パネルの製造方法、および液晶表示パネル Download PDF

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Description

本発明は、液晶シール剤、それを用いた液晶表示パネルの製造方法、および液晶表示パネルに関する。
近年、薄型・軽量・低消費電力という面で、フラットパネルディスプレイの中でも液晶表示パネルの需要が急速に増大している。従来、液晶表示パネルは、車載用途や携帯電話などの小型電子機器用途が主流であったが、次第に30型以上の大型液晶テレビ用途へと移行しており、特に、家庭用大型液晶テレビ用途の伸張が著しい。このような動向を受けて、最近では、液晶表示パネルの大型化、低コスト化が加速している。そこで、液晶表示パネルの製造分野では、設備スペースの拡大や投資額をできる限り抑えながら、製造時間の短縮などを図り、高生産性で大型かつ高品質の液晶表示パネルを製造できる技術の構築が望まれている。
予てから、液晶表示パネルの製造には、液晶注入方式と呼ばれる液晶表示パネルの製造方法が採用されてきた。液晶注入方式とは、液晶シール剤を介して2枚の透明基板を貼り合わせた後、当該2枚の透明基板の間に形成された空の液晶セル内に液晶を注入し、液晶表示パネルを製造する方法である。液晶注入方式で用いられる液晶シール剤としては、エポキシ樹脂を主成分とする熱硬化性の液晶シール剤(以下、単に熱硬化性シール剤と称する)が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、液晶注入方式では、液晶の注入時間が長いこと、液晶シール剤の硬化時に120〜150℃の高温加熱処理が必要であること、などの理由から生産性の低さが問題視されている。特に、大型液晶表示パネルを製造する場合には、空の液晶セル内へ液晶を注入するために数十時間以上を要する可能性が高く、生産性の極端な低下が懸念されている。
これを受けて、最近では、液晶滴下方式と呼ばれる液晶表示パネルの製造方法が注目されている。新方式である液晶滴下方式は、2枚の透明基板のいずれか一方に液晶を滴下した後、高真空下で透明基板同士を貼り合わせる。そのため、大型液晶表示パネルを製造する場合でも、数分間で液晶の充填が可能であるといわれ、従来の液晶注入方式よりも製造時間の短縮が可能となるから、液晶滴下方式は液晶表示パネルの製造方法として主流となりつつある。液晶滴下方式に用いられる液晶シール剤としては、紫外線硬化性と熱硬化性とを併せ持つ液晶シール剤が提案されている(例えば、特許文献2、3参照)。
ところが、液晶滴下方式では、未硬化の液晶シール剤に液晶が接触するため、液晶シール剤の樹脂成分や添加剤が液晶に溶け出すことにより液晶が汚染され、液晶表示パネルの表示性が低下するという問題を抱えている。液晶の汚染は、液晶シール剤の樹脂成分や添加剤が液晶になじみやすい成分であるほど、また液晶シール剤の硬化物中に未硬化部分が多く残るほど起こりやすい。また、液晶シール剤の硬化物中に未硬化部分が残ると、液晶が汚染されるだけでなく、かかる硬化物と液晶表示パネルを構成する基板(単に「基板」と称することもある)との接着強度の低下が懸念される。そのために、液晶滴下方式に用いられる液晶シール剤に対しては、液晶を汚染しにくいこと(低液晶汚染性)、短時間のうちに隅々まで硬化が進行すること(高硬化性)、などの特性が求められている。
そこで、今までに、硬化性の高い液晶シール剤として、エポキシ(メタ)アクリレートのみから選ばれるプレポリマーまたはオリゴマー、ヒドロキシルアルキル(メタ)アクリレートおよびアルキレングリコール(メタ)アクリレートからなる群より選ばれる1種以上の反応性希釈剤、光ラジカル重合開始剤、を含む光硬化性の液晶シール剤が提案されている(例えば、特許文献4参照)。また、液晶汚染性の低い液晶表示パネル用途の樹脂組成物として、分子内に2個以上のチオール基を有するポリチオール化合物と、分子内に2個以上の炭素−炭素二重結合を有するポリエン化合物と、光ラジカル重合開始剤と、を含む樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献5参照)。
国際公開第2004/039885号パンフレット 特開2001−133794号公報 特開2002−214626号公報 特許第2754004号公報 特開2005−336404号公報
しかしながら、特許文献4に記載されている(メタ)アクリレート成分は、光ラジカル重合反応に伴う硬化収縮率が大きく、また吸湿性が高い。そのために、かかる成分を原料とした液晶シール剤を液晶表示パネルの製造に用いると、液晶シール剤の硬化物と基板との接着強度が低下したり、得られる液晶表示パネルの耐湿信頼性が低下する可能性が高い。また、前記(メタ)アクリレート成分は、酸素が存在しない雰囲気下において急速に重合が進行する。そのために、かかる成分を原料とした液晶シール剤を液晶滴下方式に適用すると、高真空下で基板を重ね合わせる際に液晶シール剤の硬化が急速に進行し、液晶セルの間隔(セルギャップ)を適切に制御することが困難となるほか、液晶シール剤の硬化物と基板との接着強度が低下してしまう。
一方で、特許文献5に記載されている樹脂組成物は、ポリチオール化合物とポリエン化合物とが併用されているので反応性が極めて高い。そのため、当該樹脂組成物は常温下のような低温領域でも粘度が上昇しやすいので、適正な粘度を保持することが難しい。このように液晶シール剤の粘度が上昇すると、基板に対する塗布性が低下するなど常温での可使時間(ポットライフ)が短くなるから、液晶表示パネルの製造時における生産性の低下や液晶表示パネルの品質低下を引き起こす。
そこで、本発明は、液晶汚染性が低く抑えられていると共に、適正な高硬化性を有し、かつ常温での可使時間が長く、適正粘度が保持される液晶シール剤の提供を第一の目的とする。また、本発明の液晶シール剤を用いることにより、生産性の高さを保持しながら、液晶汚染を抑制することにより表示性が高く良好であり、かつ液晶シール剤の硬化物と基板との接着強度が高い液晶表示パネル、およびその製造方法の提供を第二の目的とする。
本発明者らは、鋭意検討を行った結果、液晶シール剤の原料に着目し、ラジカル硬化性樹脂とチオール化合物とラジカル重合開始剤とを併用することによって、上記課題が解決され得ることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、上記課題は、本発明の液晶シール剤によって解決される。
[1] (a)分子内に2個以上のエチレン性不飽和結合を有するラジカル硬化性樹脂と、(b)分子内に2個以上の1級または2級メルカプト基を含むチオール化合物であって、前記1級メルカプト基に対するβ位の炭素が3級炭素または4級炭素であるチオール化合物と、(c)ラジカル重合開始剤と、を含む液晶シール剤。
[2] 前記液晶シール剤は、前記(a)〜(c)成分が均一に混合された一液タイプである[1]に記載の液晶シール剤。
[3] 前記(a)成分が、(メタ)アクリル基、アリル基、およびビニル基からなる群より選ばれる1種以上のエチレン性不飽和結合を有する有機基を含有するラジカル硬化性樹脂である[1]または[2]に記載の液晶シール剤。
[4] 前記(b)成分が、下記の一般式(1)で表されるメルカプト基含有カルボン酸と、多官能アルコールとを反応させることにより得られるエステル化合物である[1]〜[3]いずれかに記載の液晶シール剤。
Figure 0005121374
前記一般式(1)中の、
およびRは、各々独立して水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を表し、その少なくとも一方はアルキル基を表し、
mは0または1〜2の整数を表し、nは0または1である。
[5] 前記一般式(1)中の、mが0または1、nが0である[4]に記載の液晶シール剤。
[6] 前記多官能アルコールが、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール、および1,3,5−トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌル酸からなる群より選ばれる1つ以上の化合物である[4]に記載の液晶シール剤。
[7] 前記(a)成分が、(メタ)アクリル基、アリル基、およびビニル基からなる群より選ばれる1種以上のエチレン性不飽和結合を有する有機基を2個以上含有するポリオルガノシルセスキオキサンである[1]〜[6]のいずれかに記載の液晶シール剤。
[8] 前記オルガノポリシルセスキオキサンの数平均分子量が、5×10〜1.5×10であり、かつ、前記オルガノポリシルセスキオキサン中の(メタ)アクリル基、アリル基、およびビニル基に含まれるエチレン性不飽和基1当量あたりのポリオルガノシルセスキオキサンのグラム数が50〜300g/eq.である[7]に記載の液晶シール剤。
[9] 前記(c)成分が、光エネルギーを吸収することによってラジカル種を発生する化合物であり、ベンゾフェノン化合物、アセトフェノン化合物、アントラキノン化合物、チオキサントン化合物、ベンゾイン化合物、およびベンゾインエーテル化合物からなる群より選ばれる1つ以上の化合物である[1]〜[8]いずれかに記載の液晶シール剤。
[10] (d)分子内に1個以上のグリシジル基を有するエポキシ樹脂と、(e)熱潜在性エポキシ硬化剤と、(f)フィラーとをさらに含む[1]〜[9]いずれかに記載の液晶シール剤。
また、上記課題は、本発明の液晶表示パネルの製造方法によって解決される。
[11] 対向する2枚の基板を、液晶シール剤を介して貼り合わせることにより製造される液晶表示パネルの製造方法において、上記[1]〜[10]に記載の液晶シール剤によって、画素配列領域が包囲されるように形成された枠状の表示領域を有する1枚以上の基板を準備する工程と、未硬化状態の前記表示領域内、またはもう一方の基板の上に液晶を滴下する工程と、前記液晶が滴下された基板と、もう一方の基板とを減圧下にて重ね合わせる工程と、前記基板の間に挟まれた液晶シール剤を硬化させる工程と、を含む液晶表示パネルの製造方法。
[12] 上記[11]に記載の液晶表示パネルの製造方法により得られた液晶表示パネル。
本発明によれば、液晶汚染性が低く抑えられていると共に、適正な高硬化性を有し、かつ常温での可使時間が長く、適正粘度が保持される液晶シール剤を提供することができる。また、本発明の液晶シール剤を用いることによって、生産性の高さを保持しながら、液晶汚染が抑制されることで表示性が高く良好であり、かつ液晶シール剤の硬化物と基板との接着強度が高い液晶表示パネルを提供することができる。
次に本発明を詳細に説明する。本発明では、「〜」を用いて数値範囲を規定するが、本発明の「〜」は境界値を含む。例えば、「10〜100」とは、10以上100以下を意味する。
本発明の液晶シール剤は、(a)分子内に2個以上のエチレン性不飽和結合を有するラジカル硬化性樹脂と、(b)分子内に2個以上の1級または2級メルカプト基を含むチオール化合物であって、前記1級メルカプト基に対するβ位の炭素が3級炭素または4級炭素であるチオール化合物と、(c)ラジカル重合開始剤と、を含むことを特徴とする。
上述のような本発明の液晶シール剤に光や熱を与えると、ラジカル重合反応、およびエチレン性不飽和結合に対するチオール化合物の付加(エン‐チオール反応)が同時に起こる。そのために、かかる液晶シール剤は高い硬化性を示すために、未硬化成分が液晶を汚染する可能性が極めて低く抑えられる。また、かかる液晶シール剤の硬化物中には未硬化部分が極めて少ないので、液晶シール剤の硬化物と基板との接着強度を低下させる可能性が低く抑えられる。
また、チオール化合物である(b)成分は、ラジカル重合反応時に連載移動剤としても作用する。連鎖移動剤とは、連鎖移動反応によって反応の活性点を移動させる化合物を意味する。このような連鎖移動剤を含む液晶シール剤は、硬化反応時に生長ラジカルが生じやすく、多くのラジカルが発生するから、配線とシールパターンとが重なり合うような遮光エリアが比較的広い場合でも、高い硬化性を示し、隅々に至るまで効率よく硬化が進む。このとき、液晶シール剤の硬化は、急速ではなく適正な硬化速度が保持されながら連鎖的に進行するため、セルギャップの制御が困難となることもない。
以下、本発明の原料として用いられる各原料について説明する。
(a)分子内に2個以上のエチレン性不飽和結合を有するラジカル硬化性樹脂
本発明の「分子内に2個以上のエチレン性不飽和結合を有するラジカル硬化性樹脂」とは、分子内に2個以上のエチレン性不飽和結合を有しておりラジカル硬化性を示す樹脂を意味する。このようなエチレン性不飽和結合を有するラジカル硬化性樹脂は、液晶シール剤を調製する際に後述するチオール化合物およびラジカル重合開始剤と併用させることにより、先に説明した通りラジカル重合反応とエン‐チオール反応とが同時に起こるために、硬化性が高くなる。
液晶シール剤の高硬化性を実現させる観点から、本発明の(a)成分は、(メタ)アクリル基、アリル基、およびビニル基からなる群より選ばれる1種以上のエチレン性不飽和結合を有する有機基を含有するラジカル硬化性樹脂であることが好ましい。
本発明の(a)成分の例には、(メタ)アクリル酸エステルモノマーまたはこれらのオリゴマー、アリルアルコール誘導体、あるいはビニル化合物が含まれるが特に限定されず、分子内に2個以上のエチレン性不飽和結合を有する化合物を用いることができる。
上記の(メタ)アクリル酸エステルモノマーまたはこれらのオリゴマーの例には、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのジアクリレートおよび/またはジメタクリレート;トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのジアクリレートおよび/またはジメタクリレート;ネオペンチルグリコール1モルに4モル以上のエチレンオキサイド若しくはプロピレンオキサイドを付加して得たジオールのジアクリレートおよび/またはジメタクリレート;ビスフェノールA1モルに2モルのエチレンオキサイド若しくはプロピレンオキサイドを付加して得たジオールのジアクリレートおよび/またはジメタクリレート;トリメチロールプロパン1モルに3モル以上のエチレンオキサイド若しくはプロピレンオキサイドを付加して得たトリオールのジまたはトリアクリレートおよび/またはジまたはトリメタクリレート;ビスフェノールA1モルに4モル以上のエチレンオキサイド若しくはプロピレンオキサイドを付加して得たジオールのジアクリレートおよび/またはジメタクリレート;トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレートおよび/またはトリメタクリレート;トリメチロールプロパントリアクリレートおよび/またはトリメタクリレート、または、そのオリゴマー;ペンタエリスリトールトリアクリレートおよび/またはトリメタクリレート、または、そのオリゴマー;ジペンタエリスリトールのポリアクリレートおよび/またはポリメタクリレート;トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート;カプロラクトン変性トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート;カプロラクトン変性トリス(メタクリロキシエチル)イソシアヌレート;アルキル変性ジペンタエリスリトールのポリアクリレートおよび/またはポリメタクリレート;カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールのポリアクリレートおよび/またはポリメタクリレート;ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレートおよび/またはジメタクリレート;カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレートおよび/またはジメタクリレート;エチレンオキサイド変性リン酸アクリレートおよび/またはジメタクリレート;エチレンオキサイド変性アルキル化リン酸アクリレートおよび/またはジメタクリレート;ネオペンチルグルコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールのオリゴアクリレートおよび/またはオリゴメタクリレートが含まれる。
上記のほかにも、本発明の(メタ)アクリル酸エステルモノマーまたはこれらのオリゴマーの例には、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、トリフェノールエタン型エポキシ樹脂、トリスフェノール型エポキシ樹脂、ジフェニルエーテル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂などのエポキシ樹脂の(メタ)アクリルエステルであるエポキシ(メタ)アクリレートが含まれる。これらの化合物は、単独で、あるいは複数種を組み合わせて用いてもよい。
前記アリルアルコール誘導体の例には、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルマレエート、ジアリルアジペート、ジアリルフタレート、ジアリルイソフタレート、トリアリルトリメリテート、テトラアリルピロメリテート、グリセリンジアリルエーテル、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、ペンタエリスリトールジアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、アリルエステル樹脂が含まれるが、特に限定されない。これらの化合物は、単独で、あるいは複数種を組み合わせて用いてもよい。
前記ビニル化合物は、分子内に1個以上のビニル基を有する化合物であればよい。本発明のビニル化合物として好ましい例には、ジビニルベンゼンが含まれるが特に限定されない。ビニル化合物は、単独で、あるいは複数種を組み合わせて用いてもよい。
液晶汚染性を低く抑える観点から、本発明の(a)成分は、(メタ)アクリル基、アリル基、およびビニル基からなる群より選ばれる1種以上のエチレン性不飽和結合を2個以上有するポリオルガノシルセスキオキサンが好ましい。ポリオルガノシルセスキオキサンとは、シロキサン結合で主鎖が構成されており、基本構成単位をT単位とし、当該T単位が繰り返し結合している三次元構造を有する化合物を意味する。また、T単位とは、1個のケイ素に、酸素が3つと、メチル基やフェニル基に代表される有機基が1つ結合した状態で構成される単位をいう。
前記ポリオルガノシルセスキオキサンは、シロキサン結合の自由な回転が拘束された剛直な梯子状構造の分子骨格を有している。シロキサン結合は、一般的に結合エネルギーが大きく、熱分解温度が高い。そのため、ポリオルガノシルセスキオキサンは、耐熱性および高温信頼性が高くなる。また、剛直で梯子状構造の分子骨格により液晶に対する溶解度が低くなる。くわえて、その分子内に付加重合性が高いエチレン性不飽和結合を2個以上有しているので反応性が高く良好である。そのために、ポリオルガノシルセスキオキサンを液晶シール剤の原料として用いると、液晶に対する溶解度が低く低液晶汚染性であると共に、反応性の高さにより高硬化性を示す液晶シール剤を調製することができる。
ポリオルガノシルセスキオキサンを液晶シール剤の原料として用いる場合、液晶シール剤の適正粘度および高硬化性を実現させる観点から、かかるポリオルガノシルセスキオキサンは、数平均分子量が5×10〜1.5×10の範囲内であり、かつ、前記ポリオルガノシルセスキオキサン中の(メタ)アクリル基、アリル基、およびビニル基に含まれるエチレン性不飽和基1当量あたりのポリオルガノシルセスキオキサンのグラム数が50〜300g/eq.であることが好ましい。
さらに、液晶シール剤の適正粘度および高硬化性を実現させる観点から、本発明のポリオルガノシルセスキオキサンは、下記の一般式(2)で表される化合物を加水分解し、縮合させることで合成される縮合物であることが好ましい。
Figure 0005121374
前記一般式(2)中の、
は少なくとも1つのエチレン性不飽和結合を有する炭素数1〜8の有機基を表し、
は水素原子、炭素数1〜8の炭化水素基または芳香族炭化水素基を表す。
前記一般式(2)で表される化合物は、エチレン性不飽和結合を有するアルコキシシラン化合物である。このアルコキシシラン化合物を加水分解して得られる縮合物は、エチレン性不飽和結合を有し、かつ高分子量体であるから、反応性が高く良好である一方で液晶に対する溶解度が低い。そのために、当該縮合物を液晶シール剤の原料として用いると、高硬化性であり、液晶汚染性が低く抑えられた液晶シール剤を得ることができる。このような液晶シール剤を液晶表示パネルの製造方法、特に液晶滴下方式に適用すると、液晶汚染が抑制されると共に、かかる液晶シール剤の硬化物中に未硬化部分はほとんど残存していないので、基板に対する接着強度が高く、表示性が高く良好な液晶表示パネルを製造することができる。
前記一般式(2)中のRの例には、−X−CH=CH、−X−CH(CH)=CH、で表される基が含まれる。また、Xの例には単結合、−(CH−、−(CH−OCO−(ただし、nは0〜8の整数)が含まれる。
前記ポリオルガノシルセスキオキサンを液晶シール剤の原料とする場合、液晶シール剤の液晶汚染性を低く抑える観点から、前記アルコキシシラン化合物の好ましい例には、ビニルトリアルコキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリアルコキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリアルコキシシラン、アリルトリアルコキシシランが含まれる。
前記ビニルトリアルコキシシランの例には、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリプロポキシシラン、ビニルトリブトキシシランが含まれる。また、前記3−メタクリロキシプロピルトリアルコキシシランの例には、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリプロポキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリブトキシシランが含まれる。上記3−アクリロキシプロピルトリアルコキシシランの例には、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリプロポキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリブトキシシランが含まれる。上記アリルトリアルコキシシランの例には、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、アリルトリプロポキシシラン、アリルトリブトキシシランが含まれる。これらの化合物は、単独で、あるいは複数種を組み合わせて用いてもよい。
中でも前記ビニルトリアルコキシシランとしては、入手が容易であるという観点から、ビニルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシランが好ましい。これらの化合物は、単独で、あるいは複数種を組み合わせて用いてもよいし、さらにエチレン性不飽和結合を有していないアルコキシシラン化合物と併用してもよい。
前記ビニルトリアルコキシシランの中でも、ビニルトリメトキシシランは容易に入手できるだけでなく、常温時の粘度が高すぎたり低すぎたりすることもなく、また紫外線硬化性が高く良好であるから、液晶シール剤の原料として特に有用である。
また、本発明のポリオルガノシルセスキオキサンの例には、ラジカル重合性を示すエチレン性不飽和結合にチオール基を有する有機基が結合した化合物も含まれる。このようにチオール基が導入されたポリオルガノシルセスキオキサンは、液晶汚染性の低さに加えて、エン‐チオール反応に係る反応性が高いために、液晶シール剤の硬化性向上に有用である。
本発明の(a)成分として用いられるポリオルガノシルセスキオキサンは、特に限定されず、市販品として入手可能な化合物を用いてもよい。入手した市販品は、手を加えずにそのままの状態で用いてもよいし、必要に応じて化学修飾を施してもよい。かかるポリオルガノシルセスキオキサンのうちで市販品として入手可能な例には、AC−SQ(東亞合成(株)製)が含まれる。このAC−SQは、含ケイ素ポリマーの基本構成単位がほぼ完全にT単位のポリオルガノシルセスキオキサンである。
(b)分子内に2個以上の1級または2級メルカプト基を含むチオール化合物であって、前記1級メルカプト基に対するβ位の炭素が3級炭素または4級炭素であるチオール化合物
本発明の液晶シール剤には、前記(a)成分と共に「分子内に2個以上の1級または2級メルカプト基を含むチオール化合物であって、前記1級メルカプト基に対するβ位の炭素が3級炭素または4級炭素であるチオール化合物(「本発明のチオール化合物」と称することもある)」が用いられる。
上記の3級炭素であるとは、前記1級メルカプト基に対するβ位の炭素が、1個の水素、α位の炭素、および2個の有機基と結合している状態を意味する。また、4級炭素であるとは、前記1級メルカプト基に対するβ位の炭素が、α位の炭素および3個の有機基と結合している状態を意味する。このようなチオール化合物である(b)成分は、立体障害のためにエン‐チオール反応が適度に抑制される。そのために、(b)成分を液晶シール剤の原料とした場合、当該液晶シール剤は、粘度が適正に保たれ、保存安定性が高く良好となる。
その一方で、1級メルカプト基に対するβ位の炭素が1級炭素または2級炭素であるチオール化合物は、エン‐チオール反応が起こりやすいので、液晶シール剤の原料として用いると、液晶シール剤の粘度が適正に保たれず、保存安定性が低下することなどが懸念される。
上記置換基は、置換基のうち少なくとも1つがアルキル基であることが好ましい。置換基のうち少なくとも1つがアルキル基であるとは、メルカプト基に対してα位および/またはβ位に位置する主鎖以外の置換基の少なくとも1つがアルキル基である場合をいう。ここで主鎖とは、メルカプト基を含む水素以外の原子で構成される最も長鎖の骨格を意味する。
中でも、(b)成分を液晶シール剤の原料として用いた場合、液晶シール剤の反応性を高める観点から、本発明の(b)成分としては、下記の一般式(1)で表されるメルカプト基含有カルボン酸と多官能アルコールとをエステル化反応させることによって得られるエステル化合物であることが好ましい。
Figure 0005121374
前記一般式(1)中の、
およびRは、各々独立して水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を表し、その少なくとも一方はアルキル基を表し、
ここでRおよびRがともに水素原子となることはなく、
およびRがともにアルキル基の場合、RおよびRは同じであってもよいし、または異なっていてもよい。前記一般式(1)において、mは0または1〜2の整数であり、nは0または1であることが好ましく、mが0または1であり、nが0であることが特に好ましい。
また、前記一般式(1)中で、RおよびRが表わす炭素数1〜10のアルキル基は、直鎖状、または分岐状のどちらでもよい。かかるアルキル基の例には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、ターシャリーブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基が含まれる。中でも、メチル基またはエチル基であることがより好ましい。
前記一般式(1)で表される化合物と、前記多官能アルコールとを反応させてエステル化合物を製造する方法は特に限定されない。前記一般式(1)で表されるメルカプト基含有カルボン酸の例には、2−メルカプトプロピオン酸、2−メルカプトイソ酪酸、3−メルカプトイソ酪酸が含まれる。また、前記多官能アルコールとして好ましい例には、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール、1,3,5−トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌル酸が含まれる。
前記多官能アルコールの例には、エチレングリコール、トリメチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、テトラメチレングリコールなどの炭素数2〜10のアルキレングリコール類、ジエチレングリコール、グリセリン、ジプロピレングリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールが含まれる。
したがって、本発明の(b)成分として好ましい化合物の例には、ペンタエリスリトールと3−メルカプトイソ酪酸とのエステル化物であるペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、1,3,5−トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌル酸と3−メルカプトイソ酪酸とのエステル化物である1,3,5−トリス(3−メルカプトブチルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオンが含まれる。
本発明の(b)成分に該当するチオール化合物は、市販品として容易に入手できる。かかる市販品として入手可能なチオール化合物は、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン(カレンズMT BD1 昭和電工(株)製)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)(カレンズMT PE1 昭和電工(株)製)、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン(カレンズMT NR1 昭和電工(株)製)が含まれる。
前記(b)成分は、液晶シール剤の適切粘度および低液晶汚染性を実現させる観点から、数平均分子量が500〜2000であることが好ましい。数平均分子量は、GPC分析などにより容易に測定できる。このような数平均分子量を示す(b)成分は、粘度が高すぎたり、低すぎたりすることがなく、また液晶に対してなじみにくいので液晶シール剤の原料として有用である。
その一方で、数平均分子量が2000を超えた(b)成分を液晶シール剤の原料として用いると、液晶シール剤の粘度が上昇し、基板に対する塗布性を低下させるなど可使時間が短くなる可能性が高い。可使時間が短くなれば、液晶表示パネルの歩留まりが低下することがある。これに対して、数平均分子量が500未満の(b)成分を液晶シール剤の原料として用いると、液晶シール剤の粘度が低くなりシールパターンを適切に形成することが困難となるほか、液晶に対してなじみやすく高液晶汚染性を示すことがある。
また、前記(b)成分は、(a)成分のエチレン性不飽和二重結合に対する(b)成分中のメルカプト基の当量比が0.5〜1.5となるように量比が調整されていることが好ましい。このような(b)成分は、エン‐チオール反応が適宜行われるために、高硬化性を示すから、結果として、表示性が高く良好であり、基板と液晶シール剤の硬化物との接着強度の高さが保持された高品質の液晶表示パネルを製造することができる。
(c)ラジカル重合開始剤
本発明の液晶シール剤は、ラジカル硬化性樹脂である(a)成分と、チオール化合物である(b)成分とともに、(c)ラジカル重合開始剤を含むことを特徴とする。本発明のラジカル重合開始剤とは、光や熱のエネルギーを吸収することによってラジカル種を発生する化合物を意味する。このようなラジカル重合開始剤の好ましい例には、公知である光ラジカル重合開始剤および熱ラジカル重合開始剤が含まれるが、特に限定されない。
本発明の光ラジカル重合開始剤として好ましい例には、ベンゾイン系化合物、アセトフェノン化合物、ベンゾフェノン化合物、チオキサトン化合物、α−アシロキシムエステル化合物、フェニルグリオキシレート化合物、ベンジル化合物、アゾ系化合物、ジフェニルスルフィド系化合物、アシルホスフィンオキシド系化合物、有機色素系化合物、鉄−フタロシアニン系化合物、ベンゾインエーテル化合物、アントラキノン化合物が含まれる。これらの化合物は、単独で、あるいは複数種を組み合わせて用いてもよい。
本発明の熱ラジカル重合開始剤として好ましい例には、有機過酸化物、アゾ化合物、ベンゾイン化合物、ベンゾインエーテル化合物、アセトフェノン化合物が含まれる。前記有機過酸化物の例には、ケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、パーオキシエステル、ジアシルパーオキサイド、パーオキシジカーボネートに分類される化合物が含まれるが、有機過酸化物として公知の化合物を用いればよく特に限定されない。これらの化合物は、単独で、あるいは複数種を組み合わせて用いてもよい。
前記(c)成分を液晶シール剤の原料として用いる場合、紫外線硬化性あるいは熱硬化性を高くする観点から、(c)成分の使用量は、液晶シール剤100質量部に対して0.01〜5質量部とすることが好ましい。このように(c)成分の使用量が適切に調節された液晶シール剤は、適宜発生したラジカル種により硬化が進められるので、短時間のうちに未硬化部分が残らずに均質な硬化物を得ることができる。
前記(c)成分として熱ラジカル重合開始剤を使用する場合、熱ラジカル重合開始剤は10時間半減期温度が適宜調節されていることが好ましい。10時間半減期温度とは、熱ラジカル重合開始剤を不活性ガス下において、一定の温度で10時間熱分解反応を行った際に熱ラジカル重合開始剤の濃度が元の半分になるときの温度を意味する。本発明の好ましい熱ラジカル重合開始剤は、10時間半減期温度が40〜80℃であることが好ましく、50〜70℃であることがより好ましい。
上述のように熱ラジカル重合開始剤の10時間半減期温度を調節する効果を説明する。液晶シール剤は、加熱硬化時での粘度が低すぎると、液晶シール剤で形成されたシールの外側に液晶が漏れる(リーク)ことがあり問題となる。よって、熱ラジカル重合開始剤を液晶シール剤の原料として用いる場合、加熱硬化時での液晶シール剤の粘度低下を抑制することが好ましい。かかる粘度の低下を抑制するためには、液晶シール剤の硬化反応を促進させてゲル化を早めることが有効である。ここで、液晶シール剤の硬化温度は80〜150℃とされることが一般的である。そのために、熱ラジカル重合開始剤の10時間半減期温度を80℃以下、より好ましくは70℃以下とすると、熱ラジカル重合開始剤はラジカル種を発生しやすくなるから、液晶シール剤の硬化が促進し、加熱硬化時の粘度低下が抑制される。
また、熱ラジカル重合開始剤の10時間半減期温度が40℃を下回ると、室温下にて硬化反応が容易に進行してしまうために、液晶シール剤の粘度が上昇し、適正粘度を保持することが困難となる。これに対して、熱ラジカル重合開始剤の10時間半減期温度が40℃以上、好ましくは50℃以上であれば、室温下での液晶シール剤の適正粘度が保持でき、かつ可使時間が長くなるので、高品質の液晶表示パネルを高生産性で製造することが可能となる。
本発明の10時間半減期温度は、以下のようにして求められる。先ず、熱分解反応を1次反応式として取り扱うと、以下の式(1)の関係が成立する。
Figure 0005121374
半減期は、熱ラジカル重合開始剤の濃度が半分になる時間、すなわち、C=C/2となる場合である。よって、t時間に熱ラジカル重合開始剤が半減期になる場合は、以下の式(2)の関係が成立する。
Figure 0005121374
一方、速度定数の温度依存性はアレニウスの式で表されから、以下の式(3)の関係が成立する。
Figure 0005121374
kdおよびΔEの値は、J.Brandrupら著、「ポリマーハンドブック」(第4版)、第1巻、第II/1頁、A john Wiley&Sons,Inc.Publication、(1998年)(Polymer HandBook Fourth edition volume1)に記載されており、Aは上記の式3より求められる。
ここで、上記式(2)を式(3)に代入すると、以下の式(4)の関係が成立する。
Figure 0005121374
そして、この上記式(4)を用いて、t=10時間とすると、10時間半減期温度Tが求められる。
また、本発明の液晶シール剤は、(d)分子内に1個以上のグリシジル基を有するエポキシ樹脂、(e)熱潜在性エポキシ硬化剤、(f)フィラーをさらに含んでいてもよい。以下に、各成分の詳細について説明する。
(d)分子内に1個以上のグリシジル基を有するエポキシ樹脂
本発明の(d)成分としては、分子内に1個以上のグリシジル基を有するエポキシ樹脂であれば特に限定されない。エポキシ樹脂である(d)成分として好ましい例には、芳香族ジオール類エポキシ樹脂、芳香族多価グリシジルエーテル化合物、フェノールまたはクレゾールとホルムアルデヒドとから誘導されたノボラック樹脂のグリシジルエーテルであるノボラック型多価グリシジルエーテル化合物、キシリレンフェノール樹脂のグリシジルエーテル化合物類が含まれる。
前記芳香族ジオール類エポキシ樹脂の例には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂が含まれる。
前記芳香族多価グリシジルエーテル化合物は、前記芳香族ジオール類エポキシ樹脂をエチレングリコール、プロピレングリコール、アルキレングリコールなどで変性したジオール化合物とエピクロルヒドリンとの反応で得られたエポキシ樹脂を意味する。また、前記ノボラック型多価グリシジルエーテル化合物は、ポリアルケニルフェノールやそのコポリマーなどで代表されるポリフェノール化合物とエピクロルヒドリンとの反応で得られたエポキシ樹脂を意味する。
中でも、(d)成分として好ましいエポキシ樹脂の例には、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、トリフェノールエタン型エポキシ樹脂、トリスフェノール型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂が含まれる。これらのエポキシ樹脂は、単独で、あるいは複数種を組み合わせて用いてもよい。
また、本発明の(d)成分は、上記のようなエポキシ樹脂に(メタ)アクリル酸を付加させることにより、分子中にラジカル重合性官能基とグリシジル基とを併せ持ったエポキシ樹脂も好ましく用いることができる。このような分子内の一部分が(メタ)アクリル化されたエポキシ樹脂は、例えば、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸とを公知の方法に従い、塩基性触媒の存在下で反応させることにより得られる。
前記(d)成分は、環球法によって測定される軟化点温度が40℃以上であることが好ましく、かつその重量平均分子量が1000〜10000の範囲内にあることがより好ましい。このようなエポキシ樹脂は、液晶に対する溶解度や拡散性が低いので、液晶汚染が抑制される。また、前記エポキシ樹脂の重量平均分子量は、例えば、ポリスチレンを標準としたゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)分析で測定することができる。
また、通常、工業的に入手可能なエポキシ樹脂は、その合成途中で溶媒に溶解しない不純物を含んでいることが多い。ただし、このような不純物を含むエポキシ樹脂を液晶シール剤の原料として用いると、イオン性不純物が液晶表示パネルの配線を腐食させるなど、品質低下の原因となる。そこで、液晶シール剤のような電子材料の原料として用いられる(d)成分としては、分子蒸留法などにより不純物を十分に取り除き、高純度化された樹脂が好ましく用いられる。
(e)熱潜在性エポキシ硬化剤
本発明の熱潜在性エポキシ硬化剤とは、エポキシ樹脂に混合されていても、樹脂を通常保存する室温下ではエポキシ基とほとんど反応しないが、熱を与えることによってエポキシ基の反応活性を呈する硬化剤を意味する。このような熱潜在性エポキシ硬化剤を液晶シール剤の原料として用いると、加熱硬化性が高く、かつ室温下での適正粘度が保持された液晶シール剤を得ることができる。
本発明の熱潜在性エポキシ硬化剤は特に限定されず、熱潜在性エポキシ硬化剤として公知の化合物を用いればよいが、その中でも、アミン系熱潜在性エポキシ硬化剤が好ましく用いられる。アミン系熱潜在性エポキシ硬化剤とは、分子内にアミノ基を有し、上述のような熱潜在性エポキシ硬化剤の特長を示す化合物を意味する。このようなアミン系熱潜在性エポキシ硬化剤は室温下では反応しない。そのため、当該エポキシ硬化剤を液晶シール剤の原料として用いると、室温下では液晶シール剤の粘度が上昇せず適正な粘度が保たれるが、加熱により高硬化性を示す。
前記アミン系熱潜在性エポキシ硬化剤の例には、有機酸ジヒドラジド化合物、イミダゾールおよびその誘導体、ジシアンジアミド、芳香族アミン、エポキシ変性ポリアミンおよびポリアミノウレアなどからなる化合物が含まれる。これらの化合物は、単独で、あるいは複数種を組み合わせて用いてもよい。
室温下での適正粘度、および可使時間が長い液晶シール剤を得る観点から、アミン系熱潜在性エポキシ硬化剤としては、融点または環球法による軟化点温度が70℃以上である化合物が特に好ましい。このようなアミン系熱潜在性エポキシ硬化剤の例には、ジシアンジアミド類エポキシ硬化剤、有機酸ジヒドラジド、イミダゾール誘導体が含まれる。
前記ジシアンジアミド類エポキシ硬化剤の例には、ジシアンジアミド(融点209℃)が含まれる。前記有機酸ジヒドラジドの例には、アジピン酸ジヒドラジド(融点181℃)、1,3−ビス(ヒドラジノカルボエチル)−5−イソプロピルヒダントイン(融点120℃)、7,11−オクタデカジエン−1,18−ジカルボヒドラジド(融点160℃)、ドデカン二酸ジヒドラジド(融点190℃)、セバシン酸ジヒドラジド(融点189℃)が含まれる。また、前記イミダゾール誘導体の例には、2,4−ジアミノ―6―[2’−エチルイミダゾリル−(1’)]−エチルトリアジン(融点215〜225℃)、2−フェニルイミダゾール(融点137〜147℃)が含まれる。
また、本発明のアミン系熱潜在性エポキシ硬化剤の中には、アミンアダクト系熱潜在性エポキシ硬化剤、ポリアミン系熱潜在性エポキシ硬化剤、ポリアミノウレア系熱潜在性エポキシ硬化剤のような変性アミン系熱潜在性エポキシ硬化剤も含まれる。
アミンアダクト系熱潜在性エポキシ硬化剤とは、熱潜在硬化性を有し、触媒活性を有するアミン系化合物と任意の化合物とを反応させて得られる付加化合物を意味する。アミンアダクト系熱潜在性エポキシ硬化剤としては、例えば、「アミキュアMY−24(軟化点120℃)」、「アミキュアMY−H(軟化点131℃)」(以上、味の素ファインテクノ(株)製)として市販されており、容易に入手できる。
ポリアミン系熱潜在性エポキシ硬化剤とは、アミンとエポキシの反応物であるポリマー構造を有しており、触媒活性を有するアミンが任意の化合物と安定化構造をなしている熱潜在硬化性を示す化合物を意味する。ポリアミン系熱潜在性エポキシ硬化剤としては、例えば、「アデカハードナーEH4339S(軟化点120〜130℃)」、「アデカハードナーEH4357S(軟化点73〜83℃)」(以上、(株)ADEKA製)として市販されており、容易に入手できる。
ポリアミノウレア系熱潜在性エポキシ硬化剤とは、アミン、尿素とイソシアネート化合物とを反応させて得られるウレア結合を有する化合物を意味する。ポリアミノウレア系熱潜在性エポキシ硬化剤としては、例えば、「オミキュアー94(融点126〜136℃)」、「オミキュアー52(融点220〜230℃)」(以上、PTIジャパン(株)製)として市販されており、容易に入手できる。
(d)成分を液晶シール剤の原料として用いる場合、(d)成分の使用量は、液晶シール剤100質量部に対して1〜10質量部とすることが好ましく、2〜5質量部がより好ましい。このように熱潜在性エポキシ硬化剤の使用量が調節された液晶シール剤は、適正粘度が保持されるから可使時間が長い。
熱潜在性エポキシ硬化剤を液晶シール剤のような電子材料用途とする場合、液晶シール剤を調製する前に、使用する熱潜在性エポキシ硬化剤を、水洗法、再結晶法などで不純物を十分に取り除き、高純度化することが好ましい。
(f)フィラー
本発明のフィラーとは、液晶シール剤の粘度制御や、液晶シール剤を硬化させた硬化物の強度向上、または線膨張性を抑えることによって液晶シール剤の接着信頼性を向上させるなどの目的で用いられる充填剤をいう。
前記(f)成分は特に限定されず、電子材料用途として一般的に使用されている公知のフィラーを用いればよい。本発明の(f)成分として好ましいフィラーの例には、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、珪酸ジルコニウム、酸化鉄、酸化チタン、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化亜鉛、二酸化ケイ素、チタン酸カリウム、カオリン、タルク、ガラスビーズ、セリサイト活性白土、ベントナイト、窒化アルミニウム、窒化ケイ素などの無機フィラーが含まれる。
また、液晶シール剤の特性を損なわない範囲であれば、下記のような有機フィラーを用いてもよい。有機フィラーは特に限定されず、公知のフィラーを用いればよい。好ましい有機フィラーの例には、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン、およびこれらと共重合可能なモノマー類を共重合した共重合体、ポリエステル微粒子、ポリウレタン微粒子、ゴム微粒子が含まれる。
中でも、液晶シール剤の線膨張率や形状保持性を向上させるという観点から、無機フィラーが好ましい。無機フィラーの中では、紫外線透過性が高く良好である理由から、二酸化ケイ素、タルクがより好ましい。
フィラーの形状は特に限定されず、球状、板状、針状などの定形物、または非定形物のいずれでもよい。また、フィラーの使用量は、液晶シール剤100質量部に対して2〜40質量部とすることが好ましく、5〜30質量部がより好ましい。このようにフィラーの使用量が調整された液晶シール剤は、適正粘度が保持されており、基板に対する塗布性が高く良好であるなど非常に扱いやすい。また、かかる液晶シール剤の硬化物は吸湿しづらいので、耐湿接着信頼性が高く良好な液晶表示パネルを得ることができる。
(g)その他の添加剤
本発明の液晶シール剤は、上述したような各種成分以外に、必要に応じてその他の添加剤を含んでいてもよい。本発明において好ましく用いられる添加剤の例には、シランカップリング剤などのカップリング剤、イオントラップ剤、イオン交換剤、レベリング剤、顔料、染料、可塑剤、消泡剤、導電性粒子が含まれる。これらの添加剤は、単独で、あるいは複数種を組み合わせて用いてもよい。
また、液晶セルの間隔(ギャップ)を好適に制御できる観点から、液晶表示パネルの製造時にスペーサーを使用してもよい。スペーサーを使用する場合、液晶シール剤の中にスペーサーを含ませてもよいし、予め、液晶表示パネルを構成する基板の上にスペーサーを塗布してもよい。
さらに、本発明の液晶シール剤には、必要に応じて溶剤を含ませてもよい。溶剤は、後述する液晶滴下方式に適用され得る液晶シール剤に好ましく用いられる。本発明で好ましく用いられる溶剤の例には、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、アセテート系溶剤、トルエン、ヘキサンが含まれる。
液晶シール剤の調製時に用いる溶剤の量は、液晶シール剤の全量に対して20質量%以下であることが好ましく、10質量%以下がより好ましい。このように溶剤の使用量が調整された液晶シール剤は、基板に対して塗布する上で適正な粘度が保持される。また、かかる液晶シール剤を液晶表示パネルの製造に適用した場合、その製造工程の途中で溶剤は適宜蒸発するので、液晶に溶出することもない。ただし、液晶シール剤の全量に対して溶剤の使用量が20質量%を超えると、液晶シール剤の粘度が低くなり、シールパターンを形成しづらくなるほか、液晶シール剤の硬化物中に多量の溶剤が残存し、液晶表示パネルの表示性を低下させることが懸念される。
前記ケトン系溶剤の例には、シクロヘキサノンが含まれる。前記エーテル系溶剤の例には、ジエチレングリコールジメチルエーテルやメチルカルビトールやエチルカルビトールおよびブチルカルビトールが含まれる。前記アセテート系溶剤の例には、ジエチレングリコールジアセテートやアルコキシジエチレングリコールモノアセテートが含まれる。
本発明の液晶シール剤を調製する方法は特に限定されず、公知の技術を用いることができる。液晶シール剤の各成分を混合する手段の例には、双腕式攪拌機、ロール混練機、2軸押出機、ボールミル混練機、遊星式撹拌機が含まれるが、特に限定されず、公知の混練機械を用いればよい。いずれかの方法により好適に混合された液晶シール剤は、フィルタでろ過され、不純物が取り除かれた後に真空脱泡処理が施され、ガラス瓶やポリ容器に密封充填されてから、必要に応じて貯蔵、輸送される。
次に、本発明の液晶表示パネルの製造方法について説明する。本発明の液晶シール剤は、光照射による硬化プロセスが組み込まれている公知の液晶表示パネルの製造方法に好ましく適用できる。その中でも、以下に説明する液晶滴下方式が採用された液晶表示パネルの製造方法に適用すれば、優れた生産性で高品質の液晶表示パネルを製造することができるので好ましい。
本発明の液晶滴下方式による液晶表示パネルの製造方法は、対向する2枚の基板を、液晶シール剤を介して貼り合わせることにより製造される液晶表示パネルの製造方法において、(1)本発明にかかる液晶シール剤によって、画素配列領域が包囲されるように形成された枠状の表示領域を有する1枚以上の基板を準備する工程と、(2)未硬化状態の前記表示領域内、またはもう一方の基板の上に液晶を滴下する工程と、(3)前記液晶が滴下された基板と、もう一方の基板とを減圧下にて重ね合わせる工程と、(4)前記基板の間に挟まれた液晶シール剤を硬化させる工程と、を含む。
前記(1)の工程では、2枚の基板のうちいずれか一方に液晶シール剤が塗布され、枠状の表示領域が配置された基板が準備される。この枠は、基板の外周付近に設置されることが好ましいが、特に限定されない。基板上に液晶シール剤を塗布する方法は、特に限定されない。かかる塗布方法の例には、スクリーン印刷やディスペンサによる塗布が含まれる。また、液晶シール剤は、互いの基板の表面に塗布されていてもよい。
本発明の液晶表示パネルに用いられる2枚の基板の例には、TFTがマトリックス状に形成されたガラス基板や、カラーフィルタ、ブラックマトリクスが形成された基板が含まれる。基板の材質の例には、ガラスやポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルサルフォン、PMMAなどのプラスチックが含まれる。このような基板の表面には、酸化インジウムに代表される透明電極、ポリイミドなどに代表される配向膜、その他に無機質イオン遮蔽膜などが施工されていてもよい。上記の配向膜の例には、公知である有機または無機成分からなる配向膜が含まれる。
前記(2)の工程では、未硬化状態の前記表示領域内、またはもう一方の基板上に適量の液晶が滴下される。この液晶滴下は、通常、大気圧下で行われる。このとき、液晶が枠内に収まるように枠のサイズに応じて液晶の滴下量を調節することが好ましい。このようにして枠内に液晶を滴下すれば、液晶の容量が貼り合わせ後の枠と基板とで囲まれる空のセルの容量を超えることがない。そのため、枠に過剰の圧力がかからないので、枠を形成するシールが破れるおそれが少ない。
上記において液晶が滴下されるもう一方の基板とは、表示領域を有する基板とは異なる基板を意味する。かかるシールが配置されていない基板の上に液晶を滴下する場合には、基板同士を重ね合わせたときに、表示領域となり得るもう一方の基板上の任意の位置に液晶を滴下すればよい。
前記(3)の工程では、前記液晶が滴下された基板と、もう一方の基板とを減圧下にて重ね合わせる。基板同士の重ね合わせは、真空貼り合せ装置などを用いて行なえばよいが、特に限定されない。
また、通常、液晶滴下方式では、基板の重ね合わせが減圧下で行われる。このように減圧下で重ね合わせた2枚の基板を大気圧へ戻せば、発生する気圧差により短時間で効率よく基板同士を貼り合わせることができる。このように気圧差を利用して貼り合わされた基板同士は密着性が良好であるから、高品質の液晶表示パネルが得られる。
前記(4)の工程では、前記基板の間に挟まれた液晶シール剤を硬化させる。本発明の液晶シール剤には、少なくとも適量の光を照射する。これにより、液晶シール剤中では、硬化促進剤であるラジカル硬化性樹脂や、所定のチオール化合物、あるいは光ラジカル重合開始剤とエポキシ樹脂などとの重合反応が好適に進められ、液晶シール剤が硬化する。また、使用する液晶シール剤に熱硬化性成分が含まれている場合には、必要に応じて適宜加熱処理が行われる。
硬化時における光の種類や照射時間、あるいは加熱時の温度や時間などの硬化処理条件は、用いられる液晶シール剤の組成に応じて適宜選択すればよい。例えば、液晶シール剤を光によって硬化させる場合には、安全性や作業性の観点から紫外線が好ましく用いられ、この紫外線を加圧下にて1000〜18000mJの範囲内で液晶シール剤に照射すればよい。また、液晶シール剤を加熱硬化させる場合には、無加圧のまま加熱温度を110〜140℃の範囲内とし、1時間の加熱を行えば、十分に液晶シール剤を硬化させることができる。
本発明の液晶シール剤を用いて上記のような製造方法で作られた液晶表示パネルは、短時間のうちに優れた生産性で得られるにも係らず、基板と液晶シール剤の硬化物との接着強度が高く、液晶汚染も抑えられるので極めて良好な表示性を示す。
以下に、本発明に係る実施例および比較例を挙げて本発明をより詳細に説明する。ただし、本発明はここに示される形態に限定されるものではない。以下の実施例・比較例で記載した「%」および「部」は、それぞれ「質量%」および「質量部」を意味する。
先ず、本実施例および比較例で用いた液晶シール剤の原料を説明する。
(a)ラジカル硬化性樹脂
分子内に2個以上のエチレン性不飽和結合を有するラジカル硬化性樹脂である(a)成分としては、下記の合成例1〜3により3種類の化合物A1〜A3を合成し、適宜選択し、使用した。
[合成例1]
攪拌機、気体導入管、温度計、冷却管を備えた500mlの四つ口フラスコにビスフェノールF型エポキシ樹脂(エポトートYDF−8170C 東都化成(株)製)160g、アクリル酸72g、トリエタノールアミン0.2gを入れ、110℃で加熱混合し、ささに乾燥空気を吹き込みながら攪拌し、5時間反応させた。得られた反応液を超純水で12回洗浄し、ビスフェノールF型エポキシ樹脂変性ジメタクリレートである化合物A1を得た。化合物A1をFD−MS分析した結果、化合物A1の数平均分子量は484であった。
[合成例2]
攪拌機、冷却管、分水器、温度計、窒素吹き込み口を備えた反応装置に、ビニルトリメトキシシラン210部(1.42mol)、イオン交換水76.3部(4.24mol)、88%ギ酸2.10部(0.05mol)、トルエン210部を入れ、室温で30分間加水分解反応させた。反応中、反応液は発熱し、最大20℃温度上昇した。反応液を71℃まで加熱し、加水分解させることによってメタノールおよび水、トルエンを反応液中から留去した。この後、反応液をさらに75℃まで1時間加熱した。反応液の温度が75℃となったところで、トルエン210部を追加し、50℃/4.0×10Paで1.5時間、さらに50℃/2.7×10Paで2.5時間減圧し、反応液中に残るメタノール、水、ギ酸、トルエンを留去して化合物を得た。得られた化合物の数平均分子量は、2.1×10であり、ビニル基当量は86g/eq.であった。得られた化合物に、トリメチロールプロパンジアリルエーテル18.7部(0.09mol)を入れ、反応させることにより化合物A2を得た。この化合物A2は、エチレン性不飽和結合を有するポリオルガノシルセスキオキサンである。また、化合物A2のビニル基当量は84g/eq.であった。
[合成例3]
合成例2と同じ反応装置に、ビニルトリメトキシシラン130部(0.88mol)、フェニルトリメトキシシラン87.0部(0.44mol)、イオン交換水70.8部(3.93mol)、88%ギ酸2.17部(0.05mol)、トルエン217部を入れ、室温で30分間加水分解反応させた。反応中、反応液は発熱し、最大20℃温度上昇した。反応液を加熱し、71℃まで昇温した後、さらに75℃まで昇温し、1時間加熱することにより上記加水分解で発生したメタノールおよび水、トルエンを反応液中から留去した。
液温が75℃となった反応液にトルエン210部を入れ、50℃/4.0×10Paで1.5時間、さらに50℃/2.7×10Paで2.5時間減圧することにより、反応液中に残るメタノール、水、ギ酸、トルエンを留去し、化合物を得た。得られた化合物はポリオルガノシルセスキオキサンであり、その数平均分子量は1.8×10、ビニル基当量は158g/eq.であった。得られた化合物にトリメチロールプロパンジアリルエーテル18.0部(0.08mol)を添加し、反応させることにより化合物A3を得た。この化合物A3は、ビニル基含有ポリオルガノジメチルシロキサンである。また、化合物A3のビニル基当量は138g/eq.であった。
(b)チオール化合物
分子内に2個以上の1級または2級メルカプト基を含むチオール化合物であって、前記1級メルカプト基に対するβ位の炭素が3級炭素または4級炭素のチオール化合物である(b)成分としては、(i)ジトリメチロールプロパンテトラキス(3−メルカプトブチレート)、(ii)ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)(カレンズPE−1 昭和電工(株)製)の2種類を適宜選択して用いた。前記(i)成分は下記の方法(合成例4)で合成した化合物であり、前記(ii)成分は市販品である。
[合成例4]
先ず、攪拌機、気体導入管、温度計、Dean−Stark装置および冷却管を備えた500mlの四つ口フラスコにジトリメチロールプロパン11.1g(0.05mol)、3−メルカプトブタン酸26.43g(0.22mol)、ドデシルベンゼンスルホン酸0.5g、トルエン200gを入れ、150℃に加熱し、3時間攪拌してエステル化反応させた。冷却された反応液に炭酸水素ナトリウム水溶液を入れて中和した。中和された反応液をイオン交換水で5回洗浄し、無水硫酸マグネシウムを用いて脱水乾燥することによりトルエンを留去した。脱水された反応液をシリカゲルでカラム分離し、化合物A4を28g得た。この化合物A4は、ジトリメチロールプロパンテトラキス(3−メルカプトブチレート)である。得られた化合物A4をFD−MS分析した結果、かかる化合物の数平均分子量は937であった。
(c)ラジカル重合開始剤
(c)成分としては、光ラジカル重合開始剤である(i)1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(イルガキュア184 チバ・ジャパン(株)製)、熱ラジカル重合開始剤である(ii)ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(V−601 和光純薬工業(株)製、10時間半減期温度65℃)を適宜選択し、使用した。
(d)分子内に1個以上のグリシジル基を有するエポキシ樹脂
(d)成分としては、下記の合成例5で合成したビスフェノールF型エポキシ樹脂変性モノメタクリレートを使用した。
[合成例5]
攪拌機、気体導入管、温度計、冷却管を備えた500mlの四つ口フラスコにビスフェノールF型エポキシ樹脂(エポトートYDF−8170C 東都化成(株)製)160g(0.5mol)、アクリル酸36g(0.5mol)、トリエタノールアミン0.2gを入れ、乾燥空気を吹き込みながら攪拌し、110℃、5時間加熱して化合物を得た。得られた化合物を超純水で12回洗浄し、ビスフェノールF型エポキシ樹脂変性モノメタクリレート(化合物A5)を得た。得られた化合物A5をFD−MS分析した結果、化合物A5の数平均分子量は398であった。
(e)熱潜在性エポキシ硬化剤
(e)成分としては、1,3−ビス(ヒドラジノカルボエチル)−5−イソプロピルヒダントイン(アミキュアVDH−J 味の素ファインテクノ(株)製;融点120℃)を使用した。
(f)フィラー
(f)成分としては、球状シリカ(アドマファインA−802 アドマテック(株)製;1次平均粒子径0.7μm)を使用した。
(g)その他の添加剤
(g)成分としては、シランカップリング剤であるγ−グリシドキシプロピルトリメトキシ(KBM−403 信越化学工業(株)製)を使用した。
(h)本発明に非該当のチオール化合物
(h)成分として、本発明の(b)成分に該当しないチオール化合物として、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカブチレート)(堺化学工業(株)製)を使用した。
また、各実施例および比較例では、(i)液晶シール剤の粘度安定性、(ii)液晶シール剤の接着強度、(iii)液晶表示パネルの表示性、をそれぞれ測定、評価し、液晶シール剤の特性を評価した。各測定の詳細を以下に示す。
(i)液晶シール剤の粘度安定性
E型粘度計を用いて液晶シール剤の25℃における粘度値を測定した。粘度測定に供する液晶シール剤は、液晶シール剤20gを内容量100mlの遮光型ポリエチレン製容器に入れて密封した後、密封で25℃に保持した状態で5日間保管した。そして、所定期間経過後に、E型粘度計で25℃の粘度値を測定し、測定された値を基に密封前の粘度値を100とした場合の25℃/5日経過後の粘度値の変化率を算出した。このとき、かかる変化率が50%以下の場合には粘度安定性が高く良好である(○)とし、変化率が50%を超える場合を粘度安定性が低く悪い(×)とした。
(ii)液晶シール剤の接着強度
先ず、5μmのガラスファイバを1質量%添加した液晶シール剤を、25mm×45mm×厚さ5mmの無アルカリガラス上に直径1mmの円状にスクリーン印刷した。次に、この基板と対となる同様のガラスを十字に貼り合わせてから冶具で固定した後、紫外線照射装置(ウシオ電機(株)製)を用いて、100mW/cmの紫外線を照射し、液晶シール剤を硬化させた試験片を作製した。このとき、紫外線の照射エネルギーを2000mJとした。また、後述する実施例5、実施例6および比較例3では、上述の方法で紫外線照射により液晶シール剤を光硬化させた後、さらに循環式オーブンで120℃、60分加熱硬化することにより試験片を作製した。
得られた試験片を、オーブンを用いて窒素雰囲気中で120℃、60分加熱処理した。この後、試験片の平面引張強度を、引張試験機(モデル210 インテスコ(株)製)を用いて引張速度2mm/分とし、ガラス底面に対して平行な方向に引き剥がすことにより平面引張強度を測定した。ここで、液晶シール剤の接着強度を、平面引張強度の大きさに応じて2段階で評価した。すなわち、引張強度が5MPa以上のである場合を接着強度が高く良好である(○)とし、引張強度が5MPa未満の場合を接着強度が低く劣る(×)とした。
(iii)液晶表示パネルの表示性
透明電極および配向膜を付した40mm×45mmガラス基板(RT−DM88PIN EHC(株)製)上に、5μmのガラスファイバを1質量%添加した液晶シール剤を用いて、0.5mmの線幅、50μmの厚みで35mm×40mmの枠型を描画した。上記描画には、ディスペンサ(ショットマスター 武蔵エンジニアリング(株)製)を用いた。
描画した基板と、対となるもう一方の基板と貼り合わせた後のセル内容量に相当する液晶材料(MLC−11900−000 メルク(株)製)を、描画した枠内にディスペンサを用いて精密に滴下した後、90Paの減圧下で、2枚の基板同士を重ね合わせ、荷重をかけ固定した。
この後、後述する実施例1〜4、6、および比較例1〜3では、紫外線照射装置(ウシオ電機(株)製)を用いて、100mW/cmの紫外線を照射し、液晶シール剤を硬化させることにより液晶表示パネルを作製した。このとき、紫外線の照射エネルギーは3000mJとした。光源には、メタルハライドランプを使用し、積算光量の測定には340〜390nmの測定波長範囲を有し、ピーク感度波長が365nmの紫外線積算光量計(UVR−T35 トプコン(株)製)を用いた。また、上記の実施例6、比較例3では、紫外線を照射した後、さらに、循環式オーブンを用いて120℃、60分加熱硬化させることにより液晶表示パネルを作製した。
これに対して、実施例5では、上記の紫外線照射装置を用いずに循環式オーブンで70℃、30分、液晶シール剤を仮硬化した後、さらに120℃、60分加熱することにより液晶表示パネルを作製した。
完成した液晶表示パネルに対して、直流電源装置にて5Vの電圧を印加することにより液晶表示パネルを駆動させた。このとき、液晶シール剤によって形成されたシール近傍の液晶表示機能が駆動初期から正常に機能するか否かを目視により観察し、所定の基準によって液晶表示パネルの表示性を2段階で評価した。液晶表示パネルの表示性は、シールの際まで液晶表示機能が発揮されている場合を表示性が高く良好である(○)とし、シールの際付近から枠の内側に向かって0.3mm離れたところまで表示機能が発揮されていない場合を表示性が著しく悪い(×)とした。
[実施例1]
(a)成分として、合成例1のビスフェノールF型エポキシ樹脂変性ジメタクリレート53部に、(b)成分として、合成例4のジトリメチロールプロパンテトラキス(3−メルカプトブチレート)47部、(c)成分として、光ラジカル重合開始剤である1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(イルガキュア184、チバスペシャリティケミカル社製)2部、(f)成分として、無機フィラーである球状シリカ(アドマファインA−802 アドマテックス(株)製)を15部、さらに(g)成分として、シランカップリング剤であるγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを1部、それぞれ加えてから、ミキサで予備混合した。得られた混合物を3本ロールで固体原料が5μm以下になるまで混練し、目開き10μmのフィルタ(MSP−10−E10S ADVANTEC(株)製)でろ過した。ろ過後の混合物を遊星式攪拌機で真空攪拌脱泡することによって液晶シール剤を調製した。
[実施例2]
(a)成分の使用量を61質量部とし、(b)成分として、(i)成分の代わりに、(ii)成分であるペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)を39質量部とした以外は、全て実施例1と同じ方法で液晶シール剤を調製した。
[実施例3]
(a)成分として、化合物A1の代わりに、化合物A1を32質量部と化合物A2を11質量部とを併用し、(b)成分として、(i)成分の代わりに、(ii)成分であるペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)を57質量部とした以外は、全て実施例1と同じ方法で液晶シール剤を調製した。
[実施例4]
(a)成分として、化合物A1の代わりに、化合物A3を57質量部使用し、(b)成分として、(i)成分の代わりに、(ii)成分であるペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)を43質量部とした以外は、全て実施例1と同じ方法で液晶シール剤を調製した。
[実施例5]
(a)成分として、化合物A1の代わりに、化合物A3を57質量部使用し、(b)成分として、(i)成分の代わりに、(ii)成分であるペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)を43質量部とし、さらに(c)成分として、(i)成分の代わりに、(ii)の熱ラジカル重合開始剤を0.5質量部とした以外は、全て実施例1と同じ方法で液晶シール剤を調製した。
[実施例6]
(a)成分として、化合物A1の代わりに、化合物A3を47質量部使用し、(b)成分として、(i)成分の代わりに、(ii)成分であるペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)を33質量部とし、そして新たに(d)成分を20質量部使用し、(e)成分を5質量部とした以外は、全て実施例1と同じ方法で液晶シール剤を調製した。
[比較例1]
(a)成分として、化合物A1の代わりに、化合物A3を59質量部使用し、(b)成分の代わりに本発明の(b)成分に該当しないペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)を41質量部とした以外は、全て実施例1と同じ方法で液晶シール剤を調製した。
[比較例2]
(a)成分として、化合物A1の代わりに、化合物A1を50質量部と化合物A3を50質量部とを併用し、(b)成分を使用しない以外は、全て実施例1と同じ方法で液晶シール剤を調製した。
[比較例3]
(a)成分として、化合物A1の代わりに、化合物A3を55質量部とし、(b)成分を使用せず、そして新たに(d)成分を45質量部使用し、(e)成分を10質量部とした以外は、全て実施例1と同じ方法で液晶シール剤を調製した。
上記の各実施例および比較例における評価結果を表1にまとめて示す。
Figure 0005121374
表1から明らかなように、本発明を適用した液晶シール剤は粘度安定性が高く良好であることが確認された。また、かかる液晶シール剤を用いて作製された液晶表示パネルは、液晶表示パネルを構成する基板と液晶シール剤の硬化物との接着強度が高く、さらには表示性が高く良好であることも確認された。
その一方で、比較例1は、本発明の範囲外であるチオール化合物を使用した形態であるが、液晶シール剤の粘度安定性、および液晶表示パネルの接着強度が低いことが確認された。比較例2は、チオール化合物である(b)成分を使用しない形態であるが、液晶表示パネルの接着強度が低下した。比較例3は、(b)成分を使用しない形態であるが、液晶シール剤の粘度安定性が低下すると共に、液晶表示パネルの表示性が著しく低くなった。比較例3で液晶表示パネルの表示性が低下した理由としては、チオール化合物を使用しないために、液晶シール剤の硬化性が低く抑えられたことが考えられる。
本発明の液晶シール剤は、ラジカル硬化性樹脂とチオール化合物とラジカル重合開始剤とを併用しているので、室温下では適正粘度が保持されるものの、光や熱を与えることによってラジカル重合反応が起こり、硬化が進行する。また、この硬化時には、ラジカル重合反応と同時に、エン‐チオール反応が進行するので、遮光エリアが広く存在する場合でも隅々まで十分に硬化が進む。したがって、本発明の液晶シール剤を液晶表示パネルの製造に適用すると、液晶汚染が抑制され、かつ液晶シール剤の硬化物と基板との接着強度が高く、結果として表示性が高く良好な高品質の液晶表示パネルを製造することができる。

Claims (9)

  1. (a)分子内に2個以上のエチレン性不飽和結合を有するラジカル硬化性樹脂と、
    (b)分子内に2級メルカプト基を含み、かつ分子内に2個以上の1級または2級メルカプト基を含むチオール化合物と
    (c)ラジカル重合開始剤と、
    を含み、(a)成分のエチレン性不飽和結合に対する(b)成分中のメルカプト基の当量比が0.5〜1.5である、液晶シール剤。
  2. 前記液晶シール剤は、前記(a)〜(c)成分が均一に混合された一液タイプである請求項1に記載の液晶シール剤。
  3. 前記(a)成分が、(メタ)アクリル基、アリル基、およびビニル基からなる群より選ばれる1種以上のエチレン性不飽和結合を有する有機基を含有するラジカル硬化性樹脂である請求項1または2に記載の液晶シール剤。
  4. 前記(a)成分が、(メタ)アクリル基、アリル基、およびビニル基からなる群より選ばれる1種以上のエチレン性不飽和結合を有する有機基を2個以上含有するポリオルガノシルセスキオキサンである請求項1〜のいずれか一項に記載の液晶シール剤。
  5. 前記ポリオルガノシルセスキオキサンの数平均分子量が、5×10〜1.5×10であり、かつ、
    前記ポリオルガノシルセスキオキサン中の(メタ)アクリル基、アリル基、およびビニル基に含まれるエチレン性不飽和基1当量あたりのポリオルガノシルセスキオキサンのグラム数が50〜300g/eq.である請求項に記載の液晶シール剤。
  6. 前記(c)成分が、光エネルギーを吸収することによってラジカル種を発生する化合物であり、ベンゾフェノン化合物、アセトフェノン化合物、アントラキノン化合物、チオキサントン化合物、ベンゾイン化合物、およびベンゾインエーテル化合物からなる群より選ばれる1つ以上の化合物である請求項1〜のいずれか一項に記載の液晶シール剤。
  7. (d)分子内に1個以上のグリシジル基を有するエポキシ樹脂と、(e)熱潜在性エポキシ硬化剤と、(f)フィラーとをさらに含む請求項1〜のいずれか一項に記載の液晶シール剤。
  8. 対向する2枚の基板を、液晶シール剤を介して貼り合わせることにより製造される液晶表示パネルの製造方法において、
    請求項1〜に記載の液晶シール剤によって、画素配列領域が包囲されるように形成された枠状の表示領域を有する1枚以上の基板を準備する工程と、
    未硬化状態の前記表示領域内、またはもう一方の基板の上に液晶を滴下する工程と、
    前記液晶が滴下された基板と、もう一方の基板とを減圧下にて重ね合わせる工程と、
    前記基板の間に挟まれた液晶シール剤を硬化させる工程と、
    を含む液晶表示パネルの製造方法。
  9. 請求項に記載の液晶表示パネルの製造方法により得られた液晶表示パネル。
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