JP5121083B1 - 保護コート膜の製造方法およびそれに用いるブース - Google Patents

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Abstract

【課題】自動車のボディの塗装面を保護する保護コート膜はその乾燥に時間がかかり、また異物が混入するといった問題点があった。
【解決手段】下地処理工程を行う場所とは異なった密閉スペースにおいて、塗布や乾燥の工程を行う。この密閉スペースは防塵性に優れ、また複数の赤外線光源による自動車のボディへの全面照射による乾燥を行え、さらに、温度等の管理が容易である。結果として、乾燥時間の短縮や異物の混入を防ぐだけではなく、一様でむらの無い保護コート膜が得られる。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車ボディの塗装を保護するコーティングに関するものである。
自動車ボディの塗装を保護する本格的なコーティング技術として、一般にガラスコーティングと呼ばれるコーティング技術がある。このコーティング技術により生成した保護コート膜は、極めて長期に渡り塗装面を保護し、例えば、雨染みや洗車による傷を防ぐことができる。
保護コート膜の作製工程は、コーティング剤を塗布する前工程としてのポリッシュや洗浄、コーティング剤の塗布工程、さらにコーティング剤を乾燥させる乾燥工程からなり、一般には自動車ディーラーや専門業者によって行われる。作製工程は上記のように専門性を伴う複雑なものであるため、施工費用は比較的高価である。したがって、外車や国内の上級車といった高級車に施されるのが一般的である。そのため、建築材や家電品等に施されるコーティングとは異なり、最高のコーティングの仕上がりが要求される。わずかな埃の混入や塗布むらも許されない、完璧なコーティングが求められる。
自動車ボディの塗装の保護コートが最高のコーティングの仕上がりを要求されるのは、上述した美観の問題のためだけではなく、塗装を保護するという性能面からも必要だからである。すなわち、自動車は灼熱の炎天下を長時間走行することがあり、また、雨ざらしの駐車場で長期に保管されることもあり、保護コートにわずかな欠陥があっても、このような厳しい環境下においては、微小な欠陥から腐食等が生じるというリスクがあるためである。
このコーティング技術においては、コーティング剤として、無機質のガラスコート剤を用い、それを塗装面に塗布し、乾燥させることでシリカガラスのコーティングを得ることができる。また、無機質のガラスコート剤の代わりに、ガラス繊維系ポリマーやシラン化合物、あるいはシリコーン樹脂を用いるものもある。いずれのコーティング剤を用いた場合においても、コーティング性能、コーティング膜の耐久性、および塗装との密着性等を向上させるためには、十分な乾燥が必要である。
しかしながら、コーティング剤に含まれる溶剤が離脱し、また化学反応が十分に進んで強固な保護コート膜が得られるまでには、常温で放置した場合、1か月もの日数が必要であった。
また、保護コート膜に粉塵や研磨粉が混入し、外観を損ない、あるいは混入部分が欠陥となり、保護コートの耐久性が劣化するといった問題もあった。
主に自動車の塗装に関する乾燥についてではあるが、乾燥を促進し、且つ粉塵等の混入を防ぐための方法が提案されている。線状の空気噴流を被乾燥物である自動車のボディに沿うように流し、蒸発した溶剤を空気と置換することにより、溶剤の蒸発、すなわち乾燥を促進することができる。また、空気噴流がボディを沿うように流れるため、粉塵等の巻きこみを低減することで粉塵等の混入を防いでいる。さらに、IR加熱パネルを用いることで、その放射熱により被乾燥物の温度を高め、乾燥時間のさらなる短縮が行える。(例えば、特許文献1参照)。
特開平6−31221号公報
しかしながら、塗装に比べて保護コート膜の乾燥には長い時間が必要であるため、空気噴流による乾燥では、実用上十分な時間短縮が不可能であった。また、保護コート膜と塗装面との密着性を向上し且つ硬度の高い保護コート膜を得るためには、乾燥雰囲気の温度を室温以上、例えば摂氏90度程度にすることが望ましい。この観点からIR加熱パネルを用いることは有効である。しかし、IR加熱パネルによる昇温は、局所的な昇温になるため、乾燥むらが残り、また、ボディ全面で一様な保護コート膜が形成できない、といった問題点があった。
さらに、保護コート膜を塗布する前工程として塗装面のポリッシュを行うため、ポリッシュに伴う研磨粉の混入リスクが大きく、空気噴流を用いる方法では、例え、ボディに噴流を沿わせたとしても、研磨粉が保護コート膜に混入する恐れがあった。
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、乾燥工程にかかる時間を著しく低減し、また、粉塵や研磨粉の混入を最小限に抑え、且つボディ全面に渡って高い密着性やその他の保護コートとして必要な特性を満足できる自動車ボディの塗装面の保護コート膜を製造する方法を提供するものである。
本発明に係る自動車のボディを保護する保護コート膜の製造方法は、自動車のボディの研磨および洗浄を含む下地処理工程と、下地処理工程後に、防塵機能を有する略密閉可能な空間に自動車を移動する移動工程と、移動工程後に、略密閉可能な空間において自動車のボディの塗装面の略全面に保護コーティング剤を塗布する塗布工程と、塗布工程後に、複数の赤外線光源により自動車のボディの塗装面の略全面に赤外線を照射することで塗布した保護コーティング剤を乾燥させる乾燥工程とを有しており、略密閉可能な空間は、保護コーティング剤を塗布する工程中およびその前後において自動車のボディの傷またはコーティング剤の塗布むらを観察するための複数の照明が設けられ、特に、乾燥工程において、赤外線の照射量を調整することで温度管理を行うものである。
また、本発明に係る自動車のボディを保護する保護コート膜の製造に用いるブースは、ブース内の空間が自動車を収容できる広さを有し、この空間は防塵機能を有する略密閉可能な空間であり、この空間は、側壁および天井に配置された保護コート膜を昇温させるための複数の赤外線光源と、これらの赤外線光源により上昇した温度を測定する温度センサーと、保護コーティング剤を塗布する工程中およびその前後において自動車のボディの傷またはコーティング剤の塗布むらを観察するための複数の照明と、吸気口と、排気口と、赤外線の照射量を調整することで温度管理を行うことが可能な制御機構とを有するものである。
本発明に係る保護コート膜の製造方法は前記のごとく構成されているので、乾燥工程にかかる時間を著しく低減し、また、粉塵や研磨粉の混入を最小限に抑え、且つボディ全面に渡って高い密着性や、保護コートとして必要なその他の特性を満足できるとともに、視覚的にも優れた自動車用塗装面の保護コート膜を製造可能とするものである。
本発明に係る保護コート膜の製造方法の工程を表す工程図 本発明に係る移動工程の様子を示す図 本発明に係る塗布・乾燥ブースの構成を示す図
実施の形態.
以下に、本発明に係る自動車ボディの塗装面に関する保護コート膜の製造方法の実施形態について、図を用いて説明する。尚、以下の実施形態は、本発明の一例であって、特に本発明をこの一例に限定するものではない。また、本発明は、自動車ボディの塗装面だけではなく、自動二輪車等の塗装面に関する保護コート膜にも適用可能である。
図1は、本発明に係る保護コート膜の製造方法の工程を表す工程図である。保護コート膜の作製は、主に、下地処理工程、移動工程、塗布工程および乾燥工程の4つの工程からなる。以下、それぞれの工程に関し、順を追って説明する。
<下地処理工程>
まず、下地処理工程について説明する。
下地処理工程は、塗装面の傷を修復するとともに、保護コーティング剤に馴染む塗装面を得るために施される工程である。
まず、塗装面の脱脂洗浄を行う。脱脂洗浄は、脱脂洗浄用洗剤を用いてスポンジ等で洗い、その後に水を掛けて洗剤を流す。
次に必要に応じて塗装面の鉄粉除去を行う。鉄粉除去は、鉄粉除去剤を用いる場合もあるが、鉄粉除去剤を用いずに、ボディに水を掛けながら、粘土でボディを擦り洗いすることで行うことも可能である。
鉄粉除去を行った後に、塗装面のポリッシュを行う。塗装面のポリッシュに際しては、塗装面に隣接した樹脂部分等がポリッシュされないように、まず、マスキングテープを用いてマスキングを行う。
次に、溶剤とバフ等を用いてポリッシュを行う。少量の溶剤をたらした塗装面に、回転するバフをわずかな力で押し付けることで塗装面が研磨され、傷が修復されるととともに、光沢のある塗装面が得られる。
最後に、もう一度脱脂洗浄を行い、研磨粉や溶剤の油成分等を除去する。さらに水洗いすることで塗装面を清浄な状態にする。
以上で、下地処理工程が完了する。
<移動工程>
次に移動工程について説明する。
移動工程とは、自動車を移動する工程である。
下地処理工程では、ポリッシュを行ったため、塗装の研磨粉やポリッシュ用の溶剤が自動車の周りに飛散しており、後の塗布工程や乾燥工程において、それらが保護コート膜に混入する恐れがあるため、塗装工程に先立って、自動車を清浄な場所に移動する。移動は自動車を運転することでなされる。
図2は、本発明に係る移動工程の様子を示す図である。図2は、左下の自動車を清浄な場所である塗布・乾燥ブース1に向かって移動しているところを示している。自動車を塗布・乾燥ブース1に移動する際には、塗布・乾燥ブース1に設けられた扉2が、図2に示すように解放されている。移動完了後は、この扉2は閉じられ、塗布・乾燥ブース1は外部からの埃等が入らない防塵された環境となる。扉2には防塵パッキンが設けられており、隙間からの埃等の侵入を防ぐ構造になっている。
また、扉2には外部より外気を取り入れるための吸入口3が設けられている。この吸入口3には防塵フィルターが取り付けられており、やはり埃等の侵入を防ぐ構造となっている。
<塗布工程>
次に塗布工程について説明する。
塗布・乾燥ブース1に移動された自動車は、塗布・乾燥ブース1内の清浄な環境において、保護コーティング剤の塗布が行われる。
まず、塗布・乾燥ブース1の構造に関して、図3を用いて説明する。
図3において、左右の壁に、自動車の主にボディ側面に赤外線を照射可能な複数の側面用赤外線光源4が設けられている。図3においては、見やすさを考慮して左右の壁に設けられたそれぞれひとつの赤外線光源のみに引き出し線を付しているが、横一列に並んだ同形のものも側面用赤外線光源4である。なお、後述する上面用赤外線光源5、側面用照明6および上面用照明7に関しても、同様の方法で引き出し線を付している。
側面用赤外線光源4が設けられている位置は、標準的な車種の側面ボディのほぼ中央付近の高さである。側面ボディに効率良く赤外線光源からの放射を行うために、このような高さに設置されている。なお、車種によって、ボディの高さは異なるため、赤外線光源の位置を上下に移動できるようにしても良い。
また、天井には、自動車の主にボディ上面に赤外線を照射可能な複数の上面用赤外線光源5が設けられている。ボディ上面の高さも車種によって異なるため、はやり、赤外線光源の位置を上下に移動できるようにしても良い。
左右の壁には、保護コーティング剤を塗布する工程中、およびその前後において自動車のボディの傷またはコーティング剤の塗布むらを観察するための複数の側面用照明6が設けられている。自動車ボディの塗装面の保護コート膜は、愛車を極めて大事にする自動車オーナーの要求から、最高の仕上がりが要求される。例えば、微小な塗装面の傷や塗布むら、あるいは保護コートに混入した埃等を確実に見つけ、必要であれば、工程をやり直すこともある。このような微小な傷等を発見するためには、照明に様々な工夫が必要である。
例えば、図3に示すように、左右の壁に設けられた側面用照明6は、赤外線光源の下方に位置している。この位置から自動車のボディを照らすことにより、通常はボディよりも高い位置から観察する作業者が傷を発見しやすくしている。微小な傷等は、ボディから反射される照明を直視する角度から見るのが、最も見やすいためである。
また、天井には、複数の上面用照明7が設けられており、部屋全体を作業に必要な明るさに保つとともに、ボディ上面の傷等の観察に用いられる。
さらに、自動車のボディの色によって微小な傷等を見やすい照明色が異なるため、塗布を行う自動車のボディの色に応じて照明色を変えるようにしても良い。
図3から分かるように、塗布・乾燥ブース1の側壁は白色系の色であり、床は黒色系の光を反射しにくい色になっている。これも傷等を見やすくするための工夫である。ボディを観察する際の背景色となる側壁の色は白色が最も傷等の発見に適している。一方、床から照明の反射があると、ボディ側面の観察の邪魔になるため、床の色は可視光を反射しにくい黒色が良い。
塗布・乾燥ブース1には、温度センサー8および排気口9も設けられている。
温度センサー8は、後述する乾燥工程において温度制御のために用いられる。
また、排気口9は主に保護コーティング剤から出る溶剤を排気することを目的として設けられている。これにより、塗布工程においては、塗布を行う作業者が溶剤を吸気することをできるだけ低減し、後述する乾燥工程においては、溶剤の蒸発を促進し、乾燥を早めることができる。
次に、塗布工程で用いる保護コーティング剤について説明する。
塗装の保護コートに用いられる保護コーティング剤は多数あるが、代表的なものは、パーヒドロポリシラザンを溶媒に溶かし、少量の触媒を加えたものである。この保護コーティング剤は大気中の水分と反応して、シリカガラスに転化する。
その他に、珪素の水素化合物であるアルコキシシランをベースとしたガラス系コーティング剤や、ガラス系プライマーコートとフッ素系成分を含む超撥水トップコートを2層塗りするタイプのものもある。また、ジメチルシロキサンポリマーを含有するシリコーン樹脂系の保護コーティング剤も用いられる。
いずれの保護コーティング剤も高い防汚性、防食性、防傷性等の保護コートとして優れた特性を持っており、自動車ボディの塗装保護に広く用いられている。
塗布工程及び乾燥工程に関する以下の説明においては、パーヒドロポリシラザンを主成分とする保護コーティング剤を用いた場合の工程について主に示すが、その他の保護コーティング剤を用いた場合でも基本的には同様の工程を用いて保護コート膜の形成が可能である。
塗布工程は、自動車を塗布・乾燥ブース1のほぼ中央に置いて行う。自動車ボディ全体に保護コーティング剤を塗布する。塗装面だけでなく、バンパー等の樹脂部分を含めて塗布する。
塗布は、スプレーガンやウェスによる手塗等で行う。粘性が小さい保護コーティング剤はスプレーガンを用い、粘性が大きい保護コーティング剤はウェスによる手塗りで行うことが一般的である。パーヒドロポリシラザンを主成分とする保護コーティング剤は粘性が小さいため、スプレーガンを用いて吹付け塗布する。
塗布後に、保護コート膜の塗布むらや埃等の混入が無いことを確認する。
<乾燥工程>
最後の工程である乾燥工程について説明する。
保護コーティング剤の塗布を行った塗布・乾燥ブース1において、乾燥も行う。塗布後に自動車の移動を行わずに、塗布を行った場所で乾燥を行うことで、乾燥前の保護コート膜に埃等の異物が混入するリスクを軽減できる。
保護コート膜の乾燥は、側面用赤外線光源4と上面用赤外線光源5を自動車ボディに向けて照射することで行う。乾燥中は、温度センサー8で塗布・乾燥ブース1内の温度をモニターし、バンパー等の樹脂部品がダメージを受けないよう、温度が上がりすぎないように温度管理する。温度センサー8が示す温度が摂氏95度でほぼ一定となるよう、側面用赤外線光源4と上面用赤外線光源5に流す電流を制御し、10分程度の乾燥を行う。なお、ここでは温度を摂氏95度としたが、樹脂部分の耐久温度に応じて、この温度をさらに高くしたり、低くしたりしても良い。
なお、摂氏95度という高い温度を赤外線照射で実現するためには、通常はかなり大きな照射量が必要である。しかし、略密閉された塗布・乾燥ブース1内で行うため、熱の外部への逃げが少なく、比較的小さな照射量で温度を上昇させることができる。さらに、塗布・乾燥ブース1の壁や天井に断熱建築材を用いれば、この効果を一層高めることができる。
乾燥完了後に、目視で表面の出来具合等を観察し、問題が無ければ、すべての工程が完了する。
なお、温度モニターを行うために、塗布・乾燥ブース1の天井の中央付近に設置された温度センサー8を用いたが、赤外線放射温度計を用いて、自動車ボディの表面温度をモニターしても良い。特に、自動車ボディの複数個所を赤外線放射温度計を用いてモニターし、複数ある赤外線光源の放射量を制御し、上記複数個所の温度を等しくするようにコントロールすれば、より均一な保護コート膜の作製が可能となる。
また、塗布・乾燥ブース1内に加湿器を設置し、塗布・乾燥ブース1内の湿度を外気よりも高い状態になるように制御して、乾燥を行っても良い。保護コーティング剤の硬化は、大気が含む水分との化学反応により進むため、加湿環境下では、乾燥時間を短縮できると同時に、より高度の高い保護コート膜が得られる。
なお、乾燥方法としては自然乾燥も可能であるが、保護コーティング剤の硬化過程である化学反応の進行速度は常温では非常に遅く、実用的な硬化状態を得るのに必要な期間は、保護コーティング剤によっても異なるが、2週間から1か月程度もかかる。赤外線を用いた乾燥の場合は、5分から10分程度で実用的な硬化状態を得ることができる。また、赤外線を用いた乾燥の場合、自然乾燥に比べて、保護コート膜の硬度を大きくし、塗装面との密着性を向上させる効果もある。
側面用赤外線光源4と上面用赤外線光源5としては、近赤外線光源を用いた。遠赤外線光源や、近赤外線と遠赤外線との間の波長領域である中域の赤外線光源を用いることも可能であるが、保護コーティング剤の乾燥の目的としては、近赤外線光源が最適であり、より良好な保護コート膜が得られる。この理由としては、近赤外線が保護コート膜でほとんど吸収されずに自動車ボディまで到達するためであると考えている。すなわち、近赤外線は保護コート膜を直接加熱するのではなく、自動車ボディをまず温め、その熱が熱伝導により保護コートを温める。したがって、保護コート膜はその表面からではなく、内部から温められる。これにより、通常は蒸発しにくい保護コート膜内部の溶剤が蒸発しやすくなる。保護コート膜の硬化は大気が含む水分との反応によって生じるため、膜表面から硬化が進むが、表面の硬化が不十分である早い段階で、膜内部からの溶剤の蒸発を行わせることで、溶剤の蒸発に伴う膜表面の劣化を防止し、きれいな保護コート膜の表面を得ることができると考えられる。
また、本実施の形態においては塗布乾燥ブース1内に設置された複数の赤外線光源を用いて、自動車ボディ全体に赤外線を照射する方法で乾燥を行ったが、赤外線光源として赤外線パネル等を用い、自動車の各部を順に乾燥させていく方法も考えられる。しかし、この方法では、自動車ボディ全体の保護コート膜を一様に乾燥させることが難しく、乾燥むら等が生じやすい。
その理由は3つあり、第一の理由としては、自動車のボディは異なった曲率を持った形状の組み合わせであり、全体として極めて複雑な形状を持っていることである。こういった複雑な形状に対して、赤外線パネル等から各部に同じ放射条件で赤外線放射を行うことは不可能である。
第二の理由は、赤外線パネル等から赤外線が放射される自動車ボディ上の放射領域の端部では中央部と比較して温度が上がりにくいことである。特に自動車ボディのような熱伝導が良い材質から構成され、且つ体積が大きいものの場合、熱伝導により熱の逃げが顕著であり、放射領域の中央部から端部にいくにしたがって、温度の低下が顕著になり、一様な条件での乾燥は困難である。特に、塗装部と樹脂部に同時に放射する場合には、一様性の欠如が極めて顕著になり、かなり明確な乾燥むらが表れることが多い。
第三の理由は、乾燥時間が長くかかることから生じる問題である。上述したように、本実施の形態においては、乾燥時間は5分から10分程度で完了する。一方、赤外線パネル等を用いた場合には、これに比べて、乾燥開始から完了までに非常に長い時間がかかってしまう。例えば、自動車ボディの各部を20の部分に分けて乾燥させるならば、赤外線パネル等の照射位置を移動する時間を考慮しなくとも、20倍の時間がかかることになる。照射位置を移動する時間も考慮すれば、さらに長い時間がかかってしまう。そうすると、最初に赤外線照射を行う部分と、最後に赤外線照射を行う部分とでは2時間あるいはそれ以上の時間差が生じてしまう。この時間差は、保護コート膜表面の硬化状態の違いをもたらす。すなわち、最後に照射を行う部位に塗布された保護コート膜の表面は初期的な硬化がある程度は進んでいる。この段階で、保護コート膜の内部から溶剤が蒸発すると、膜表面が劣化し、きれいな表面が得られなくなる。ただし、この表面状態の劣化は極めてわずかなものであり、通常は人間の視覚能力では検知できない程度のものである。しかし、劣化していない部分と劣化している部分が同時に存在する、すなわち自動車ボディ全体で保護コート膜の表面状態の一様性が欠如している場合には、人間の視覚はそれを捉えることが可能となる。これが、いわゆる「乾燥むら」であり、美観を損ねる原因となる。前述した第一および第二の理由においても同様のことが言える。
ここで特に言及しておきたいことは、上記の3つの理由から生じる乾燥むらがどのようなコーティングの乾燥においても顕著になるわけではないこと、および、この乾燥むらがどのようなコーティングの乾燥においても重要視されるわけではないことである。
すなわち、乾燥むらが顕著になるのは、被塗布物品が自動車という複雑な形状を有し、且つ熱伝導率の良い材質で形成され、また体積が大きいものであるためである。そして、乾燥むらのこの程度の「顕著性」が問題視されるのは、自動車ボディの塗装の保護コート膜が顧客から非常に高い美観についての完成度を要求されると同時に、自動車の走行および保管環境からは塗装を保護する性能面についての同様に高い完成度を要求される特殊品だからである。
また、本実施の形態においては、塗布乾燥ブース1内で温度センサー8を用いて温度管理を行い、さらには必要に応じて加湿等による湿度管理を行うことを述べたが、このように環境条件を管理しやすいことも本発明の特長である。保護コーティング剤の硬化は化学反応により進行する。そのため、保護コートの仕上がり状態は、乾燥工程における温度や湿度といった環境条件に影響を受けやすい。したがって、赤外線パネル等を用いた赤外線照射では、環境条件を制御することが困難であり、例えば、夏と冬では保護コートの仕上がり状態に差が生じてしまう。一方、本実施の形態においては、防塵を行うための略密閉された空間である塗布乾燥ブース1が、環境条件制御にも適した空間であるため、年間を通して、最高の仕上がりが得られる環境条件設定を容易にしている。
なお、塗布及び乾燥工程で用いる塗布・乾燥ブース1は、1つの略密閉された部屋であったが、塗布・乾燥ブース1に複数の部屋、例えば2つの部屋を設けても良い。この場合、2つの部屋を有する乾燥ブース1全体が防塵性能を持ち、第一の部屋に傷等を観察するための照明が備えられ、第二の部屋には赤外線光源が備えられている。そして、これら2つの部屋を隔てる開閉可能な中間扉を有している。第一の部屋で塗布を行った後に、第二の部屋に自動車を移動して乾燥を行う。乾燥を行う際には、中間扉を閉めることで、熱を第二の部屋に閉じ込め、効率的に赤外線照射による乾燥を行うことができる。
以下において、本発明の有する特長をまとめる。
本発明においては、下地処理工程と、それに続く塗布工程及び乾燥工程を空間的に異なる場所で行うため、異物の混入がほとんど無い保護コート膜の製造が可能となる。
さらに、塗布工程及び乾燥工程を防塵性能を有する略密閉された空間で実施することで、異物が保護コート膜に混入する確率をさらに低減することができる。
また、乾燥工程を略密閉された空間で実施することは、比較的小さな赤外線照射でも必要な温度上昇を可能とし、乾燥工程における電気代等のエネルギー・コストを削減できる。
本発明においては、複数の赤外線光源により自動車のボディの略全面に赤外線を照射することで前記保護コーティング剤を乾燥させることで、乾燥時間を著しく低減し、硬度や密着性に優れた保護コート膜を得られるとともに、自動車ボディ全面に渡って保護コート膜の一様な乾燥を行い、視覚的に極めて良好な保護コート膜の製造が可能となる。
また、乾燥工程において温度管理を行うことで、樹脂部分等の耐熱性を損なわずに良好な保護コート特性を有する保護コート膜の製造が可能となる。さらに、赤外線放射温度計を用いて、自動車ボディの複数個所をモニターすることにより、より一様な条件での乾燥実現できる。
また、乾燥工程において、湿度制御を行うことで、さらに乾燥時間の短縮が可能となり、保護コート膜の硬度も上げることができる。
防塵性能を有する略密閉された空間は、温度や湿度を制御しやすい空間である。
本発明においては、赤外線光源として近赤外線光源を用いたので、劣化の無い良好な保護コート膜の表面を得ることができる。
また、塗布・乾燥ブースの側壁及び天井の適切な位置に赤外線光源を配置することで、ボディ前面に渡り保護コート膜の良好な乾燥が実現でき、赤外線光源の照射効率を高めることができる。
本発明においては、塗布・乾燥ブースに吸気口と排気口を設けることで、保護コーティング剤から出る溶剤を効率よくブース外に排出し、作業員の健康面を配慮できるとともに、乾燥工程の迅速化を行うことができる。
本発明においては、塗布・乾燥ブースに複数の照明を設け、特にボディ側面を観察するための照明を赤外線光源の下部に設け、また、壁や床の色を工夫したことで、ボディの傷、保護コーティング剤の塗布むら、または保護コート膜への異物の混入を効率よく発見することが可能となり、良好な保護コート膜の製造が可能となる。
1 塗布・乾燥ブース
2 扉
3 吸気口
4 側面用赤外線光源
5 上面用赤外線光源
6 側面用照明
7 上面用照明
8 温度センサー
9 排気口

Claims (8)

  1. 自動車のボディを保護する保護コート膜の製造方法であって、
    前記自動車のボディの研磨および洗浄を含む下地処理工程と、
    当該下地処理工程後に、防塵機能を有する略密閉可能な空間に前記自動車を移動する移動工程と、
    当該移動工程後に、前記空間において前記自動車のボディの塗装面の略全面に保護コーティング剤を塗布する塗布工程と、
    当該塗布工程後に、複数の赤外線光源により前記自動車のボディの塗装面の略全面に赤外線を照射することで前記保護コーティング剤を乾燥させる乾燥工程と、
    を有し、
    前記空間は、前記保護コーティング剤を塗布する工程中およびその前後において前記自動車のボディの傷またはコーティング剤の塗布むらを観察するための複数の照明が設けられ、
    前記乾燥工程において、前記赤外線の照射量を調整することで温度管理を行う
    保護コート膜の製造方法。
  2. 前記赤外線は、近赤外線であることを特徴とする請求項1に記載の保護コート膜の製造方法。
  3. 前記複数の赤外線光源は、前記空間の側壁部に設けられ主に自動車のボディ側面に赤外線を照射可能な複数の赤外線光源を有する側面用赤外線光源群と、前記空間の天井部に設けられ主に自動車のボディ上面に赤外線を照射する1または複数の赤外線光源を有する上面用赤外線光源群とからなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の保護コート膜の製造方法。
  4. 前記空間には、外部より外気を取り入れるための吸入口と、外部への排気を行うための排気口が設けられ、前記吸入口には防塵フィルターが設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の保護コート膜の製造方法。
  5. 前記複数の照明は、前記側面用赤外線光源群よりも下方に設けられていることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の保護コート膜の製造方法。
  6. 前記空間の床面は上記照明を反射し難い色であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の保護コート膜の製造方法。
  7. 前記空間の側壁は白色であることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の保護コート膜の製造方法。
  8. 自動車のボディを保護する保護コート膜の製造に用いるブースであって、
    当該ブース内の空間は自動車を収容できる広さを有し、
    前記空間は防塵機能を有する略密閉可能な空間であり、
    当該空間は、
    側壁および天井に配置された保護コート膜を昇温させるための複数の赤外線光源と、
    前記赤外線光源により上昇した温度を測定する温度センサーと、
    保護コーティング剤を塗布する工程中およびその前後において自動車のボディの傷またはコーティング剤の塗布むらを観察するための複数の照明と、
    吸気口と、
    排気口と、
    前記赤外線の照射量を調整することで温度管理を行うことが可能な制御機構と、
    を有する保護コート膜の製造に用いるブース。
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