JP2014023995A - 自動車車体の上塗り塗装方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】塗装ブースの温度及び湿度を管理するために消費されるエネルギを低減できる塗装方法を提供する。
【解決手段】被塗物Vの塗装部位に形成された下地塗膜P1の表面に、目的とする上塗りベース塗膜の膜厚未満の膜厚で水系上塗りベース塗料を塗装して第1未硬化ベース塗膜P3を形成する第1ステージ塗装工程72と、前記第1未硬化ベース塗膜に含まれる水分を蒸発させる第1水分蒸発工程73と、前記第1未硬化ベース塗膜の上に、上塗りベース塗膜の総膜厚が前記目的とする膜厚となるように前記水系上塗りベース塗料を塗り重ねて第2未硬化ベース塗膜P5を形成する第2ステージ塗装工程74と、前記第2未硬化ベース塗膜に含まれる水分を蒸発させる第2水分蒸発工程75と、を備える。
【選択図】 図2
【解決手段】被塗物Vの塗装部位に形成された下地塗膜P1の表面に、目的とする上塗りベース塗膜の膜厚未満の膜厚で水系上塗りベース塗料を塗装して第1未硬化ベース塗膜P3を形成する第1ステージ塗装工程72と、前記第1未硬化ベース塗膜に含まれる水分を蒸発させる第1水分蒸発工程73と、前記第1未硬化ベース塗膜の上に、上塗りベース塗膜の総膜厚が前記目的とする膜厚となるように前記水系上塗りベース塗料を塗り重ねて第2未硬化ベース塗膜P5を形成する第2ステージ塗装工程74と、前記第2未硬化ベース塗膜に含まれる水分を蒸発させる第2水分蒸発工程75と、を備える。
【選択図】 図2
Description
本発明は、自動車車体の上塗り塗装方法及び装置に関するものである。
一般的な自動車車体の塗装は、主として防錆を目的とする下塗り塗装と、主として防錆及び上塗り仕上がり性を目的とする中塗り塗装と、主として外観意匠性を目的とする上塗り塗装の3コート3ベーク方式で行われている。このうち中塗り塗料や上塗り塗料においては、従来の有機溶剤希釈型熱硬化性塗料(以下単に有機溶剤系塗料ともいう)に代えて水希釈型熱硬化性塗料(以下単に水系塗料ともいう)を用いることで、塗装作業環境の改善及び廃水処理負荷の軽減が図られている。
水系塗料は、有機溶剤系塗料に比べて蒸発エネルギが大きいため、塗装環境が低温または高湿度であると水が蒸発し難く、また有機溶剤のように種類(沸点)の選択ができないため、塗料の塗着固形分(被塗物に塗布された未硬化塗膜の固形分、以下塗着NVともいう)の調整が困難である。ブース温度又は被塗物温度が低い場合やブース湿度が高い場合には、塗着した未硬化塗膜中の水が蒸発し難いため、塗着固形分と塗膜粘度が低くなり、被塗物表面への濡れ性が悪くなることから、タレやタマリが発生しやすくなる。また、メタリック系塗膜においてはアルミニウムなどの光輝性顔料が流動しやすいため、メタルムラや色味不良が発生しやすくなる。
こうした理由により、水系塗料を用いた塗装工程においては、ブース温度、湿度及び被塗物温度などの塗装環境条件を狭い範囲で管理することで、水の蒸発をコントロールし、品質・性能上必要とされる塗着NVを得ているのが実情である(水系塗料の水を強制的に蒸発させる手段を採用するものとして特許文献1参照)。
ところで、未硬化塗膜中の水を蒸発させるためには、ブース温度及び被塗物温度を上げるか又はブース湿度を下げる必要がある。しかしながら、一般的にはブース温度を上げるか又はブース湿度を下げる方法として、ブースの空調設備において、取り入れた外気を加温し、加湿したのち冷却し、再度加温するといった複雑なステップを経るため、バーナや冷凍機において多量のエネルギが消費される。しかも、ブースの空調設備は、一つのブースに一式のみ設置するのが通常であるため、温度及び湿度を所定の狭い範囲でコントロールする必要がないブースエリア、たとえば有機溶剤系塗料を用いたクリヤ塗装エリアにおいても同様の温湿度で管理され、無駄なエネルギが発生する。
本発明が解決しようとする課題は、塗装ブースの温度及び湿度を管理するために消費されるエネルギを低減できる塗装方法及び装置を提供することである。
本発明は、被塗物に水系上塗りベース塗料を複数ステージで塗り重ねて塗装するにあたり、少なくとも各ステージ直後において当該工程で形成された未硬化塗膜の水を蒸発させることによって上記課題を解決する。
本発明によれば、前工程で形成された未硬化塗膜A中の水を蒸発させることで塗着固形分が増加し、この上に次工程で水系上塗り塗料を塗り重ねると、当該次工程で塗装された未硬化塗膜B中の水分は直下の未硬化塗膜A中に吸収されるとともに、未硬化塗膜B中の水を蒸発させるので、未硬化塗膜Bの塗着固形分が増加する。このため、塗装ブース全体を所定の温度及び湿度に管理しなくても、未硬化塗膜Bの塗着固形分の増加によってタレやタマリ、あるいはメタルムラや色味不良といった塗装不具合の発生が抑制されるので、塗装ブースの温度及び湿度を管理するために消費されるエネルギを低減することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施の形態に係る上塗り塗装方法を適用した自動車車体の塗装方法を示す工程図、図2は、図1の上塗り塗装工程を適用した上塗り塗装ブースの一例を示す平面図である。最初に自動車車体の塗装ラインの概要を説明する。なお本発明の上塗り塗装方法は、被塗物が自動車車体に限定される趣旨ではなく、車体部品の上塗り塗装方法としても適用でき、消費エネルギが多大な空調設備を備える塗装ブースで塗装される被塗物であれば本発明の効果は大きい。
まず、塗装ラインの前工程である車体溶接ラインで組み立てられたホワイトボディは、まず下塗り塗装工程1に搬入される。この下塗り塗装工程1では、ホワイトボディに付着した油分や鉄粉などを洗浄したのち、表面調整およびリン酸亜鉛などの化成皮膜処理が施され(以上が下塗り塗装工程1のうちの洗浄・前処理工程)、さらに下塗り塗膜を構成する電着塗装が行われる。これが下塗り塗装工程1のうちの電着塗装工程である。電着塗料は、たとえばポリアミン樹脂などのエポキシ系樹脂を基体樹脂とする熱硬化型塗料である。
電着塗料が塗布されたボディは、電着乾燥炉に搬入されて、たとえば160〜180℃で15分〜30分焼き付けられ、これにより自動車車体の内外板および袋構造部内に、膜厚10μm〜35μmの電着塗膜が形成される。これが下塗り乾燥工程2である。なお以下において、電着塗料、中塗り塗料及び上塗り塗料などの「塗料」という場合は、被塗物に塗装する前の液状の状態をいい、電着塗膜、中塗り塗膜及び上塗り塗膜などの「塗膜」という場合は、被塗物に塗装されて膜状となった状態をいい、両者を区別するものとする。
図1の工程図では省略するが、電着塗膜が形成された自動車車体は、シーリング工程(アンダーコート工程、ストーンガードコート工程を含む。)に送られて、鋼板合わせ目や鋼板エッジ部に防錆または目止めを目的とした塩化ビニル系樹脂製シーリング材が塗布される。また、アンダーコート工程では、タイヤハウスや床裏に塩化ビニル樹脂系の耐チッピング材が塗布され、ストーンガードコート工程では、シルやフェンダなどのボディ外板下部にポリエステル系又はポリウレタン系樹脂製耐チッピング材が塗布される。なお、これらシーリング材や耐チッピング材は専用の乾燥炉または次に述べる中塗り乾燥炉にて硬化することになる。
シーリング材や耐チッピング材が塗布され、内外板に電着塗膜が形成された自動車車体は、次に中塗り塗装工程3及び中塗り乾燥工程4に搬入される。中塗り塗装工程3は中塗りブースを有し、中塗り乾燥工程4は中塗り乾燥炉を有する。中塗りブースでは、エンジンルーム・フードインナ・ドアインナ・トランクリッドインナなどの自動車車体の内板部に、その車両の外板色に対応した着色顔料が添加された内板塗装用塗料が塗布されたのち、ウェットオンウェット(未硬化塗膜の上に塗料を塗布すること、以下同じ。)で、フードアウタ・ルーフ・ドアアウタ・トランクリッドアウタなどの外板部に中塗り塗料が塗布される。
この自動車車体は中塗り乾燥炉に搬送され、中塗り乾燥炉をたとえば130〜150℃で15分〜30分通過することにより、外板部に膜厚15μm〜35μmの中塗り塗膜が形成され、内板部に膜厚15μm〜30μmの内板塗装用塗膜が形成される。なお、内板塗装用塗料および中塗り塗料は、アクリル樹脂、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂などを基体樹脂とする熱硬化型塗料であり、水系塗料又は有機溶剤系塗料のいずれであってもよい。
中塗り塗装を終えた自動車車体は、必要に応じて水研工程5及び水研乾燥工程6へ送られる。水研工程5では、中塗り塗膜と上塗り塗膜との塗膜密着性を高めるとともに、外板部の上塗り塗膜の平滑性(塗り肌及び鮮映性)を高めるために、清浄な水と研磨材を用いて中塗り塗膜の表面を研磨する。水研乾燥工程6では、水研工程5で自動車車体に付着した水分を乾燥させるために水切り乾燥炉を通過させる。なお、中塗り塗膜と上塗り塗膜との塗膜密着性や上塗り塗膜の平滑性などが充分に確保できれば、水研工程5及び水研乾燥工程6は省略してもよい。
水研工程5及び水研乾燥工程6を通過した自動車車体は、上塗り塗装工程7に搬送される。自動車の外板色には、アルミニウム・雲母などの各種光輝性顔料を含むメタリック系外板色と、光輝性顔料を含まないソリッド系外板色があり、メタリック系外板色の場合は、上塗りブースにおいて、上塗りベース塗料と上塗りクリヤ塗料とがウェットオンウェットで塗装される。また、ソリッド系外板色の場合は、同じ上塗りブースを使用し、クリヤ塗装の工程にて、クリヤ塗料に代えて上塗りソリッド塗料が塗装される。この場合に、上塗りベース塗装の工程は回送される。なお、これらの上塗り塗料は、主として自動車車体の外板部に塗装される。
上塗りベース塗料、上塗りクリヤ塗料、上塗りソリッド塗料は、アクリル樹脂、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂などを基体樹脂とする塗料であり、本例の場合は、少なくとも上塗りベース塗料は水系塗料からなり、上塗りクリヤ塗料及び上塗りソリッド塗料は水系塗料又は有機溶剤系塗料のいずれであってもよい。なお、上塗りベース塗料は、光輝性顔料の配向などの仕上がり性を考慮して重量比で60〜80%希釈されて塗装され(固形分が20〜40%)、これに対して上塗りクリヤ塗料や上塗りソリッド塗料は重量比で15〜30%希釈されて塗装される(固形分が70〜85%)。したがって、希釈率が大きい上塗りベース塗料を水系塗料とすると、作業環境の改善効果及び廃水処理負荷の低減効果が大きい。
そして、上塗り塗料が塗装された自動車車体は上塗り乾燥炉を有する上塗り乾燥工程8へ搬送され、ここでたとえば130〜150℃で15分〜30分焼き付けられ、これにより上塗り塗膜が形成される。なお、上塗りベース塗膜の膜厚は、たとえば10μm〜20μm、上塗りクリヤ塗膜の膜厚は、たとえば15μm〜30μm、上塗りソリッド塗膜の膜厚は、たとえば15μm〜35μmである。最後に、図1の工程図では省略するが、塗装を完了した自動車車体(塗完ボディ)は、検査および手直し工程を経たのち、自動車部品が組み付けられる組立ラインへ搬送される。
以上が自動車車体の塗装ラインの概要であるが、この中の上塗り工程7について本発明の上塗り塗装方法を適用した一例を説明する。なお、本発明の上塗り塗装方法は、メタリック系外板色に適用するものであるため、メタリック系外板色を仕様とする自動車車体の上塗り塗装工程についてのみ説明するが、同じ塗装ブースを用いてソリッド系外板色を仕様とする自動車車体を塗装することは何ら問題ない。
また、雲母を光輝性顔料とする外板色はマイカ色とかパールマイカ色とか称され、アルミニウム及び雲母の両方を含む外板色はマイカメタリック色と称され、厳密にはメタリック系外板色と区別されるが、少なくともアルミニウムなどの金属粉や雲母片などの光輝性顔料を含んだ外板色について本発明は適用できるので、これらをメタリック系外板色と総称する。また、以下の実施形態では、上塗り塗膜を2コート1ベーク(2C1B)塗装系にて構成するが、上塗り塗膜を構成する塗膜層の少なくとも一つの塗膜層に光輝性顔料を含む層があればよい。たとえば、着色顔料を含み光輝性顔料を含まない第1ベース塗料と、少なくとも光輝性顔料を含む第2ベース塗料と、クリヤ塗料とをウェットオンウェットで塗装して上塗り塗膜を構成する3C1B塗装系にも本発明の上塗り塗装方法を適用することができる。
本例の上塗り工程7は、図1に示すように、自動車車体の塗装部位を清浄に払拭する上塗り準備工程71と、上塗りベース塗料を塗装する上塗りベース塗装工程第1ステージ72と、この第1ステージ72で形成された第1未硬化ベース塗膜の水分を蒸発させる第1水分蒸発工程73と、第1ステージ72で形成された第1未硬化ベース塗膜の上に上塗りベース塗料を塗り重ねる上塗りベース塗装工程第2ステージ74と、この第2ステージ74で形成された第2未硬化ベース塗膜の水分を蒸発させる第2水分蒸発工程75と、上塗りクリヤ塗料を塗装する上塗りクリヤ塗装工程76と、上塗りベース塗膜およびクリヤ塗膜の水分又は有機溶剤を蒸発させるために静置するセッティング工程77と、を備える。なお、一般的にクリヤ塗装工程76の前工程に設けられるフラッシュオフ工程は、第2水分蒸発工程75を設けることで省略している。
なお、上塗り塗料がソリッド系塗料である自動車車体については、上塗りベース塗装工程72〜75は回送(そのまま素通り)され、上塗りクリヤ塗装工程76にて、上塗りクリヤ塗料に代えて(塗装機でカラーチェンジする)上塗りソリッド塗料が塗装される。
特に本例の上塗りベース塗料の塗装工程は、水希釈型熱硬化性塗料が用いられている関係で以下のように構成されている。すなわち、目的とする上塗りベース塗膜の目標膜厚が10μm〜20μmであるとすると、第1ステージ72にてたとえば5〜10μm塗装し、第2ステージ74にて残りの5〜10μm塗装し、総計で10〜20μmになるようにする。そして、この第1ステージ72と第2ステージ74との間に第1ステージ72で形成された第1未硬化ベース塗膜に含まれる水分を蒸発させる第1水分蒸発工程73が設けられ、第2ステージ74の直後に当該第2ステージ74で形成された第2未硬化ベース塗膜に含まれる水分を蒸発させる第2水分蒸発工程75が設けられている。
図3は、本例の上塗り塗装方法の作用を説明するための塗膜断面図であり、第1ステージ72では、中塗り塗膜P1の上に光輝性顔料P2を含む第1未硬化ベース塗膜P3が形成される。この第1未硬化ベース塗膜P3は、第1水分蒸発工程73にて塗膜に含まれる水分の一部が蒸発し、これにより第1未硬化ベース塗膜P3の光輝性顔料が均一に配向する。そして、第2ステージ74にて、水分の一部が蒸発した第1未硬化ベース塗膜P3の上にさらに第2未硬化ベース塗膜P5が形成されると、当該第2未硬化ベース塗膜P5に含まれる水分は、環境温度によって塗膜表面から蒸発する以外に、下地である第1未硬化ベース塗膜P3に吸収され、これにより第2未硬化ベース塗膜P5の塗着NVが増加することになる。またこれと同時に、第2ステージ74の直後にもうけられた第2水分蒸発工程75によって第2未硬化ベース塗膜P5の水分が塗膜表面から蒸発するので塗着NVが増加することになる。
図7Aは、上塗り塗装ブースにおける温度及び湿度の管理範囲を示すグラフであり、上記背景技術にて説明したとおり従来の上塗り塗装方法では、ブース温度を25〜30℃、ブース湿度を65〜80%の範囲に属するように空調設備を制御しないとメタリック系外板色の色味が許容範囲に入らなかった。しかし、本例の上塗り塗装方法を採用すると、図7Aに示すX(ブース温度23℃,ブース湿度75%,図7B)、Y(ブース温度34℃,ブース湿度68%,図7C)、Z(ブース温度33℃,ブース湿度86%,図7D)といった管理範囲外のブース条件であってもメタリック系外板色の色味が許容範囲に入ることが確認された。
すなわち、図7Bは、X(ブース温度23℃,ブース湿度75%)のブース空調条件でメタリック系塗料を塗装した場合の本例、つまり図1及び図2に示す工程,第1ステージ72と第2ステージ74との間に第1水分蒸発工程73を有し、第2ステージ74の直後に第2水分蒸発工程75を有する工程で塗装した場合の各工程における塗着NVの測定結果と、比較例、つまり同じ上塗りメタリック系塗料を使用するが、第1ステージ72と第2ステージ74との間に第1水分蒸発工程73を有さないで塗装した場合の各工程における塗着NVの測定結果を示すグラフである。本例の塗装方法によれば、第1ステージ72直後の塗着NVが30%であるのに対し、水分蒸発工程73を経た第1未硬化ベース塗膜P3の塗着NVは85%まで増加し、その上に第2ステージ74にて第2未硬化ベース塗膜P5を形成すると、第2ステージ74直後の塗着NVは44%となる。なお、第2水分蒸発工程75直後の塗着NVは89%である。この結果得られた上塗り塗膜は標準板に対して色差ΔL(15度)は2.31となり、許容範囲である±3.0の範囲に入った。
これに対して、比較例の塗装方法によれば、第1ステージ72直後の塗着NVが本例と同じ30%であるのに対し、第1水分蒸発工程73を経ない第1未硬化ベース塗膜P3の塗着NVは34%までしか増加せず、その上に第2ステージ74にて第2未硬化ベース塗膜P5を形成すると、第2ステージ74直後の塗着NVは32%となる。なお、第2水分蒸発工程75直後の塗着NVは83%であり、一般的には許容範囲といわれている値であるが、この結果得られた上塗り塗膜は標準板に対して色差ΔL(15度)は−8.38となり、許容範囲である±3.0の範囲に入らなかった。
同様の測定を図7AのY及びZの条件で行った結果を図7C及び図7Dに示す。図7Cは、Y(ブース温度34℃,ブース湿度68%)のブース空調条件でメタリック系塗料を塗装した場合の本例と比較例の各工程における塗着NVの測定結果を示すグラフである。本例の塗装方法によれば、第1ステージ72直後の塗着NVが30%であるのに対し、第1水分蒸発工程73を経た第1未硬化ベース塗膜P3の塗着NVは78%まで増加し、その上に第2ステージ74にて第2未硬化ベース塗膜P5を形成すると、第2ステージ74直後の塗着NVは44%となる。なお、第2水分蒸発工程75直後の塗着NVは88%である。この結果得られた上塗り塗膜は標準板に対して色差ΔL(15度)は0.63となり、許容範囲である±3.0の範囲に入った。
これに対して、比較例の塗装方法によれば、第1ステージ72直後の塗着NVが本例と同じ30%であるのに対し、第1水分蒸発工程73を経ない第1未硬化ベース塗膜P3の塗着NVは46%までしか増加せず、その上に第2ステージ74にて第2未硬化ベース塗膜P5を形成すると、第2ステージ74直後の塗着NVは39%となる。なお、第2水分蒸発工程75直後の塗着NVは83%であり、一般的には許容範囲といわれている値である。またこの結果得られた上塗り塗膜は標準板に対して色差ΔL(15度)は0.97となり、許容範囲である±3.0の範囲に入った。これは、ブース温度が34℃と高く、ブース湿度も68%と低いので、第1未硬化ベース塗膜P3の蒸発条件には好条件となったのが原因であると推察される。
図7Dは、Z(ブース温度33℃,ブース湿度86%)のブース空調条件でメタリック系塗料を塗装した場合の本例と比較例の各工程における塗着NVの測定結果を示すグラフである。本例の塗装方法によれば、第1ステージ72直後の塗着NVが30%であるのに対し、第1水分蒸発工程73を経た第1未硬化ベース塗膜P3の塗着NVは78%まで増加し、その上に第2ステージ74にて第2未硬化ベース塗膜P5を形成すると、第2ステージ74直後の塗着NVは44%となる。なお、第2水分蒸発工程75直後の塗着NVは86%である。この結果得られた上塗り塗膜は標準板に対して色差ΔL(15度)は2.35となり、許容範囲である±3.0の範囲に入った。
これに対して、比較例の塗装方法によれば、第1ステージ72直後の塗着NVが本例と同じ30%であるのに対し、第1水分蒸発工程73を経ない第1未硬化ベース塗膜P3の塗着NVは41%までしか増加せず、その上に第2ステージ74にて第2未硬化ベース塗膜P5を形成すると、第2ステージ74直後の塗着NVは34%となる。なお、第2水分蒸発工程75直後の塗着NVは本例と同じ86%であり、一般的には許容範囲といわれている値であるが、この結果得られた上塗り塗膜は標準板に対して色差ΔL(15度)は−5.17となり、許容範囲である±3.0の範囲に入らなかった。
以上の検証の結果、本例のように第1ステージ72と第2ステージ74との間に第1未硬化ベース塗膜P3の水分を蒸発させる第1水分蒸発工程73を設けると、ブース条件が従来の管理範囲(ブース温度25〜30℃、ブース湿度65〜80%)でなくとも、色味の品質を充分に満足することが確認された。また、いずれのブース条件X,Y,Zにおいても、第2水分蒸発工程75後の塗着NVが80%以上に増加するにも拘らず、ブース条件X,Zの比較例では色味品質が不合格となったことに鑑みると、従来言われて来たクリヤ塗料の塗装直前、つまり第2水分蒸発工程75後の塗着NVによって塗装品質が左右されるという定説には多少の疑問が生じた。
そこで、色味品質を管理するためのパラメータを検証するために、第2ステージ74直前の塗着NVと、第2ステージ74直後の塗着NVとの組み合わせを変えて色味品質を確認した。図8Aは、塗装ブースの温度及び湿度と、第1水分蒸発工程73の有無との組み合わせを種々に変えて、第2ステージ74直前の塗着NV、第2ステージ74直後の塗着NV及び第2水分蒸発工程75直後の塗着NVを測定した結果を示すグラフである。また、この結果得られた各塗板の標準板との色差ΔL(15度)を測定し、第2ステージ74直後の塗着NVとの関係を整理したのが図8Bであり、同様に得られた各塗板の標準板とのメタリック感の差であるΔFIを測定し、第2ステージ74直後の塗着NVとの関係を整理したのが図8Cである。
図8Aに示す各種ブース条件にて塗板を作成し、色差ΔL及びメタリック感差ΔFIを測定した結果、第2ステージ74直前の塗着NVと、色差ΔL及びメタリック感差ΔFIとの間には強い相関は観察されなかったが、第2ステージ74直後の塗着NVと、色差ΔL及びメタリック感差ΔFIとの間には、図8B及び図8Cに示すように強い相関が見られた。
同図に示すように、第2ステージ74直後の塗着NVが38〜44%の範囲であると、色差ΔL(15度)が±3.0の範囲に入り、またメタリック感差ΔFIが±1.0の範囲に入ることが確認された。つまり、第2ステージ74直後の塗着NVが38%未満であると、色差ΔLがマイナス側に大きくなり(標準板に対して黒っぽくなる)、メタリック感差ΔFIもマイナス側に大きくなる(標準板に対してキラキラ感がなくなる)。また、第2ステージ74直後の塗着NVが44%を超えると、色差ΔLがプラス側に大きくなり(標準板に対して白っぽくなる)、メタリック感差ΔFIもプラス側に大きくなる(標準板に対してキラキラ感が過剰になる)。
したがって、メタリック系外板色の色差及びメタリック感差を標準板に対してゼロに近づけるには、第2ステージ直後の塗着NVを38〜44%の範囲に管理することが望ましく、このために本例のように第1ステージ72と第2ステージ74との間に第1水分蒸発工程73を設けるとともに、第2ステージ74の直後に第2水分蒸発工程75を設ければ、塗装ブース全体の温度及び湿度条件がどうであれ、第2ステージ74直後の塗着NVをこの範囲に制御することが容易となることが確認された。
次に、図4を参照して上塗り塗装ブースの空調設備の一般例を説明すると、空調設備9は、たとえば上塗り塗装ブースの屋上に設けられた空調筐体91を備え、当該空調筐体91の同図の左側に吸気ダクトを介して外気などが導入され、同図の右側から給気ダクトを介して空調エアを塗装ブース内に給気する。空調筐体91内には、導入された空気に含まれる塵埃を除去するプレフィルタ92と、導入空気を加温する加温用バーナ93と、加温された導入空気に冷水を噴霧状に噴霧して加湿する加湿用エアワッシャ94と、導入空気を冷却する冷却用冷水コイル95と、冷却された導入空気を再加温する加温用バーナ96と、こうして空調された空気を塗装ブース内に給気する給気ファン97と、を備える。
また、空調筐体91の外部には、冷却用冷水コイル95に冷水を供給する、クーリングタワー98を含む吸収式冷凍機99を備える。このような構成の空調設備9は、加温用バーナ93,96及び吸収式冷凍機99にガスが供給され、給気ファン97及び各種ポンプに電気が供給される。本例の上塗り塗装方法を採用すると、図7Aに示す上塗り塗装ブースの温度及び湿度の管理範囲が広がるので、日本の夏場においては高温・多湿の外気に対して冷房・除湿の程度が小さくなり、日本の冬場においては低温・低湿の外気に対して暖房・加湿の程度が小さくなる。本発明者らが見積もったところ、本例のように水分蒸発工程73を設けてメタリック系外板色の色味を管理することで、塗装ブース全体の温度・湿度の管理範囲が広がる結果、水分蒸発工程73に必要なエネルギが増加するとしても、年間で電気及びガスの使用量を47%削減することができる。
次に、本例の第1水分蒸発工程73及び第2水分蒸発工程75に適用できる設備の一例を説明する。図5は、ホットエアブロー装置100を示すブロック図であり、上塗り塗装ブース内の第1水分蒸発工程73又は第2水分蒸発工程75に設けられた門型タワー105を備え、ここに、塗装ブース内をフロアコンベアで搬送される自動車車体に対して主として外板部へホットエアを吹き付ける複数のノズル102が取り付けられている。熱風発生器101は、外気などを加温するヒータを備え、ダクト103を介してノズル102にホットエアを供給する。なお、図5の熱風発生器101に代えて除湿器を設け、ドライエアを自動車車体に吹き付けてもよい。
図2に示す第2ステージ74の直前には自動車車体に形成された第1未硬化ベース塗膜P3の水分量を測定する水分計Aが配置され、第2ステージ74の直後には自動車車体に形成された第2未硬化ベース塗膜P5の水分量を測定する水分計Bが配置されている。そして、これら水分計A,Bにより測定された各塗膜P3,P5の水分量のデータは中央制御装置104へ送出される。なお、水分計A,Bは、たとえば近赤外線を未硬化塗膜に照射しその反射光の分光スペクトルを基準試料と比較することで未硬化塗膜に含まれる水分量をオンライン(非破壊)で検出することができる。
たとえば第2ステージ74直後(水分計B)の塗着NVが38〜44%になるような第2ステージ74直前(水分計A)の塗着NVの条件を予め実験的に求めておき、その第2ステージ74直前の塗着NVを実現するための熱風発生器101の作動条件との関係を示す制御マップを中央制御装置104に格納する。そして、水分計Bで測定された第2ステージ74直後の塗着NVが38〜44%の範囲を外れた場合は、水分計Aの測定結果から制御マップを参照して熱風発生器101の作動条件を制御する。これにより、第1水分蒸発工程73においてホットエアブロー装置100から自動車車体の第1未硬化ベース塗膜P3に吹き付けられるホットエアの温度条件が修正され、第2ステージ直前の塗着NVも適切な値に修正される。その結果、第2ステージ直後の塗着NVが目的とする38〜44%の管理範囲に入ることになる。
図6は、本例の第1水分蒸発工程73及び第2水分蒸発工程75に適用できる設備の他例であってホットドライエアブロー装置200を示すブロック図である。本例の第1水分蒸発工程73は、第1未硬化ベース塗膜P3に含まれる水分を適量だけ蒸発させればよいので、また本例の第2水分蒸発工程75は、第2未硬化ベース塗膜P5に含まれる水分を適量だけ蒸発させればよいので、図5に示すよう第1未硬化ベース塗膜P3又は第2未硬化ベース塗膜P5の塗膜温度を上げる以外にも、塗膜に接する空気の湿度を下げてもよい。すなわち、水分蒸発を促進するためには加温及び/又は除湿すればよい。
そのため、図6に示すホットドライエアブロー装置200は、加熱器201に加えて除湿器202を備え、これら加熱器201と除湿器202を適宜組み合わせて、塗装ブース内の温度湿度環境に適したホットドライエアを自動車車体に吹き付ける。なお、図6に示すホットドライエアブロー装置200は、乾燥炉に類似した炉体206を備え、内部左右に設けられたダクト204に複数のノズル203が装着されている。そして、塗装ブース内をフロアコンベアで搬送される自動車車体に対して、中央制御装置205の制御によって調整されたホットドライエアを吹き付ける。
本例の上塗り塗装方法を適用するにあたり、図5に示すホットエアブロー装置100又は図6に示すホットドライエアブロー装置200のエア温度、エア風速及び吹付距離(ノズルと車体との間隔)については、メタリック感FI値の許容範囲(たとえばシルバー系外板色の場合は10.5±1.0)を満足し、色味変動範囲が大きいためには、エア温度が90℃±5℃、エア風速が10m/秒±1m/秒、吹付距離が200mm以上であることが望ましい。
すなわち本発明者らは、図9Aに示すように、図5の熱風発生器101と同様の構成の熱風発生器からφ75mmのダクトにホットエアを供給し、当該ダクトに120mmピッチで設けられたφ75mmのノズルから被塗物の試験パネルに向かってホットエアを吹き付ける試験を行った。図2に示す上塗り塗装工程7の第1水分蒸発工程73に図9Aに示すホットエアブロー装置を配置し、シルバー系の外板色塗料を用いて試験パネルを作製した。得られた試験パネルのメタリック感FI値と標準板との色差ΔLを測定した結果を図9B〜図9Dに示す。図9Bは吹付距離を100mm、図9Cは吹付距離を200mm、図9Dは吹付距離を300mmにそれぞれ設定し、各吹付距離について、エア温度を70±5℃、90±5℃、110±5℃、エア風速を6±1m/秒、10±1m/秒、14±1m/秒にそれぞれ設定した。
図9B〜図9Dの左図の縦軸はメタリック感FI値を示し、右図の縦軸は色味変動範囲(色差が合格となった面積)を示す。同図の結果から、吹付距離が200mm以上、エア温度が90℃±5℃、エア風速が10m/秒±1m/秒である場合に、メタリック感FI値が10.5±1.0の許容範囲を満足し、色味変動範囲が大きくなった。
以上のとおり、本例の上塗り塗装方法及び装置によれば、第1ステージ72で形成された第1未硬化ベース塗膜P3中の水を蒸発させることで塗着固形分が増加し、この上に第2ステージ74で水系上塗りベース塗料を塗り重ねると、当該工程で塗装された第2未硬化ベース塗膜P5中の水分は直下の第1未硬化ベース塗膜P3中に吸収され、これにより第2未硬化ベース塗膜P5の塗着固形分が増加する。このため、塗装ブース全体を所定の温度及び湿度に管理しなくても、第2未硬化ベース塗膜P5の塗着固形分の増加によってタレやタマリ、あるいはメタルムラや色味不良といった塗装不具合の発生が抑制される。その結果、上塗り塗装ブースの温度及び湿度を管理するために消費されるエネルギを低減することができる。
特に、第2ステージ直後の塗着NVが38〜44%となるように制御すれば、色差ΔL(15度)及びメタリック感差ΔFIが標準板に対して最もゼロに近づく。
また、第2ステージ74直後に第2水分蒸発工程75を設けて第2未硬化ベース塗膜P5の水分を蒸発させるので、従来のフラッシュオフ工程が不要となる。
また、第1水分蒸発工程73又は第2水分蒸発工程75で吹き付けられるホットエア又はホットドライエアの条件を、吹付距離が200mm以上、エア温度が90℃±5℃、エア風速が10m/秒±1m/秒に設定することで、メタリック感FI値及び色味の点で最も好ましいものとなる。
上記自動車車体Vは本発明に係る被塗物に相当し、上記中塗り塗膜P1は本発明に係る下地塗膜に相当する。
1…下塗り塗装工程
2…下塗り乾燥工程
3…中塗り塗装工程
4…中塗り乾燥工程
5…水研工程
6…水研乾燥工程
7…上塗り塗装工程
71…上塗り準備工程
72…上塗りベース塗装工程第1ステージ
73…第1水分蒸発工程
74…上塗りベース塗装工程第2ステージ
75…第2水分蒸発工程
76…クリヤ塗装工程
77…セッティング工程
8…上塗り乾燥工程
9…空調設備
91…空調筐体
92…プレフィルタ
93,96…加温用バーナ
94…加湿用エアワッシャ
95…冷却用冷水コイル
97…給気ファン
98…クーリングタワー
99…吸収式冷凍機
100…ホットエアブロー装置
101…熱風発生器
102…ノズル
103…ダクト
104…中央制御装置
105…門型タワー
200…ホットドライエアブロー装置
201…加熱器
202…除湿器
203…ノズル
204…ダクト
205…中央制御装置
206…炉体
A,B…水分計
P1…中塗り塗膜
P2,P4…光輝性顔料
P3…第1未硬化ベース塗膜
P5…第2未硬化ベース塗膜
V…自動車車体(被塗物)
2…下塗り乾燥工程
3…中塗り塗装工程
4…中塗り乾燥工程
5…水研工程
6…水研乾燥工程
7…上塗り塗装工程
71…上塗り準備工程
72…上塗りベース塗装工程第1ステージ
73…第1水分蒸発工程
74…上塗りベース塗装工程第2ステージ
75…第2水分蒸発工程
76…クリヤ塗装工程
77…セッティング工程
8…上塗り乾燥工程
9…空調設備
91…空調筐体
92…プレフィルタ
93,96…加温用バーナ
94…加湿用エアワッシャ
95…冷却用冷水コイル
97…給気ファン
98…クーリングタワー
99…吸収式冷凍機
100…ホットエアブロー装置
101…熱風発生器
102…ノズル
103…ダクト
104…中央制御装置
105…門型タワー
200…ホットドライエアブロー装置
201…加熱器
202…除湿器
203…ノズル
204…ダクト
205…中央制御装置
206…炉体
A,B…水分計
P1…中塗り塗膜
P2,P4…光輝性顔料
P3…第1未硬化ベース塗膜
P5…第2未硬化ベース塗膜
V…自動車車体(被塗物)
Claims (16)
- 被塗物の塗装部位に形成された下地塗膜の表面に、目的とする上塗りベース塗膜の膜厚未満の膜厚で水系上塗りベース塗料を塗装して第1未硬化ベース塗膜を形成する第1ステージ塗装工程と、
前記第1未硬化ベース塗膜に含まれる水分を蒸発させる第1水分蒸発工程と、
前記第1未硬化ベース塗膜の上に、上塗りベース塗膜の総膜厚が前記目的とする膜厚となるように前記水系上塗りベース塗料を塗り重ねて第2未硬化ベース塗膜を形成する第2ステージ塗装工程と、
前記第2未硬化ベース塗膜に含まれる水分を蒸発させる第2水分蒸発工程と、
前記第2未硬化ベース塗膜の上に、上塗りクリヤ塗料を塗装して未硬化クリヤ塗膜を形成する上塗りクリヤ塗装工程と、を備える上塗り塗装方法。 - 被塗物の塗装部位に形成された下地塗膜の表面に、目的とする上塗りベース塗膜の膜厚未満の膜厚で水系上塗りベース塗料を塗装して第1未硬化ベース塗膜を形成する第1ステージ塗装工程と、
前記第1未硬化ベース塗膜に含まれる水分を蒸発させる第1水分蒸発工程と、
前記第1未硬化ベース塗膜の上に、上塗りベース塗膜の総膜厚が前記目的とする膜厚となるように前記水系上塗りベース塗料を塗り重ねて第2未硬化ベース塗膜を形成する第2ステージ塗装工程と、
前記第2未硬化ベース塗膜に含まれる水分を蒸発させる第2水分蒸発工程と、
前記第2未硬化ベース塗膜の上に、上塗りクリヤ塗料を塗装して未硬化クリヤ塗膜を形成する上塗りクリヤ塗装工程と、
前記第1未硬化塗膜、前記第2未硬化塗膜及び前記未硬化クリヤ塗膜を同時に乾燥させる上塗り乾燥工程と、を備える上塗り塗装方法。 - 前記第1水分蒸発工程は、前記第1未硬化ベース塗膜を加温雰囲気にする工程を含む請求項1又は2に記載の上塗り塗装方法。
- 前記第2水分蒸発工程は、前記第2未硬化ベース塗膜を加温雰囲気にする工程を含む請求項1〜3のいずれか一項に記載の上塗り塗装方法。
- 前記第1水分蒸発工程は、前記第1未硬化ベース塗膜を除湿雰囲気にする工程を含む請求項1〜4のいずれか一項に記載の上塗り塗装方法。
- 前記第2水分蒸発工程は、前記第2未硬化ベース塗膜を除湿雰囲気にする工程を含む請求項1〜5のいずれか一項に記載の上塗り塗装方法。
- 前記第1水分蒸発工程は、前記第2未硬化ベース塗膜の水分量が38%〜44%の範囲に属するように前記第1未硬化ベース塗膜に含まれる水分を蒸発させる請求項1〜6のいずれか一項に記載の上塗り塗装方法。
- 前記第1水分蒸発工程は、前記第2未硬化ベース塗膜の水分量が38%未満の場合には前記第1未硬化ベース塗膜の水分の蒸発量を減少させ、前記第2未硬化ベース塗膜の水分量が44%を超える場合には前記第1未硬化ベース塗膜の水分の蒸発量を増加させる請求項7に記載の上塗り塗装方法。
- 被塗物の塗装部位に少なくともメタリック系上塗り塗料を塗装する塗装装置であって、
水系上塗りベース塗料を塗装して第1未硬化ベース塗膜を形成する第1ステージ塗装手段と、
前記第1未硬化ベース塗膜の上に前記水系上塗りベース塗料を塗り重ねて第2未硬化ベース塗膜を形成する第2ステージ塗装手段と、
前記第2未硬化ベース塗膜の上に上塗りクリヤ塗料を塗装する上塗りクリヤ塗装手段と、
前記第1ステージ塗装手段と前記第2ステージ塗装手段との間に設けられ、前記第1未硬化ベース塗膜に含まれる水分を蒸発させる第1水分蒸発手段と、
前記第2ステージ塗装手段と前記上塗りクリヤ塗装手段との間に設けられ、前記第2未硬化ベース塗膜に含まれる水分を蒸発させる第2水分蒸発手段と、を備える上塗り塗装装置。 - 被塗物の塗装部位に少なくともメタリック系上塗り塗料を塗装する塗装装置であって、
水系上塗りベース塗料を塗装して第1未硬化ベース塗膜を形成する第1ステージ塗装手段と、
前記第1未硬化ベース塗膜の上に前記水系上塗りベース塗料を塗り重ねて第2未硬化ベース塗膜を形成する第2ステージ塗装手段と、
前記第2未硬化ベース塗膜の上に上塗りクリヤ塗料を塗装する上塗りクリヤ塗装手段と、
前記第1未硬化塗膜、前記第2未硬化塗膜及び前記上塗りクリヤ塗装工程で形成された未硬化クリヤ塗膜を同時に乾燥させる上塗り乾燥手段と、
前記第1ステージ塗装手段と前記第2ステージ塗装手段との間に設けられ、前記第1未硬化ベース塗膜に含まれる水分を蒸発させる第1水分蒸発手段と、
前記第2ステージ塗装手段と前記上塗りクリヤ塗装手段との間に設けられ、前記第2未硬化ベース塗膜に含まれる水分を蒸発させる第2水分蒸発手段と、を備える上塗り塗装装置。 - 前記第1水分蒸発手段は、前記第1未硬化ベース塗膜を加温雰囲気にする手段を含む請求項10に記載の上塗り塗装装置。
- 前記第2水分蒸発手段は、前記第2未硬化ベース塗膜を加温雰囲気にする手段を含む請求項10又は11に記載の上塗り塗装装置。
- 前記第1水分蒸発手段は、前記第1未硬化ベース塗膜を除湿雰囲気にする手段を含む請求項10〜12のいずれか一項に記載の上塗り塗装装置。
- 前記第2水分蒸発手段は、前記第2未硬化ベース塗膜を除湿雰囲気にする手段を含む請求項10〜13のいずれか一項に記載の上塗り塗装装置。
- 前記第2ステージ塗装手段直後の前記第2未硬化ベース塗膜の水分量を検出する水分量検出手段と、
前記水分量検出手段で検出された第2未硬化ベース塗膜の水分量が38%〜44%の範囲に属するように、前記第1水分蒸発手段における前記第1未硬化ベース塗膜の水分の蒸発量を制御する蒸発量制御手段と、をさらに備える請求項10〜14のいずれか一項に記載の上塗り塗装装置。 - 前記蒸発量制御手段は、前記第2未硬化ベース塗膜の水分量が38%未満の場合には前記第1未硬化ベース塗膜の水分の蒸発量を減少させ、前記第2未硬化ベース塗膜の水分量が44%を超える場合には前記第1未硬化ベース塗膜の水分の蒸発量を増加させるように、前記第1水分蒸発手段を制御する請求項15に記載の上塗り塗装装置。
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JP2012165323A JP2014023995A (ja) | 2012-07-26 | 2012-07-26 | 自動車車体の上塗り塗装方法及び装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2016099592A (ja) * | 2014-11-26 | 2016-05-30 | 富士フイルム株式会社 | 位相差顕微鏡 |
JP2017015857A (ja) * | 2015-06-30 | 2017-01-19 | 富士フイルム株式会社 | 位相差顕微鏡および撮像方法 |
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