JP5117880B2 - ウエハの作製方法 - Google Patents

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Description

本発明は、水晶等の原石を薄く切断してウエハを作製するウエハの作製方法に関するものである。
近年、携帯電話や携帯情報端末機器には、時刻源や制御信号のタイミング源、リファレンス信号源として水晶等を利用した圧電振動子が用いられている。この種の圧電振動子は、様々なものが知られており、例えば音叉型の圧電振動片を有するものや、厚み滑り振動する圧電振動片を有するもの等が知られている。
上述した圧電振動片は、所定の厚みに研磨加工された1枚のウエハから、フォトリソ技術を利用したエッチング加工によって作製されたものである。ところで、圧電振動片の元となるウエハは、円柱形状や直方体形状に形成された水晶等の原石(インゴット)を薄く切断することで、1枚1枚のウエハとして分割され形成されるのが一般的である。原石の切断方法としては、例えば特許文献1,2に示すように、ワイヤソーを利用して薄く切断する方法が知られている。
ところで、原石を切断する際には、通常、切断用ベース上に固定した状態で切断を行うが、その際、原石の面内結晶方位に合わせて切断する必要がある。つまり、切断用ベースの基準面と原石の端面とのなす角、いわゆる原石の切断角度(カットアングル)θ’(図10参照)の設定が重要となる。そのため、原石を切断用ベース上に固定する際には、切断用ベースの基準面に対して原石の端面を予め所定の角度だけ傾けた状態で原石を固定する必要がある。
ここで、図9,10に基づいて、従来の原石の固定方法を説明する。
図9,10に示すように、最終的には、予め決められた指定の切断角度θ’に原石10を角度調整した状態で、端面を基準面101とする平板状の切断用ベース100上に原石10を接着する。そのためには、まず切断用ベース100との接着面11である原石10の下面全体に接着剤を塗布した後、切断用ベース100上に原石10を載置する。そして、X線回析法等を用いて切断角度θ’を測定しながら、原石10をZ軸(切断用ベースの上面に平行なXY軸に垂直な軸)回りに回転させて指定の切断角度θ’に調整する。その後、接着剤を乾燥させることで、切断用ベース100上に角度調整された原石10を接着固定することができるとされている。
特開平3−147504号公報 特開平10−128649号公報
しかしながら、従来の原石の固定方法にあっては、原石10に接着剤を塗布した後に、切断角度θ’を測定しながら原石10を指定の切断角度θ’に調整するため、接着剤が乾燥する前に原石10の位置決めを速やかにしなければならない。そのため、原石10の位置合わせが難しいという問題があった。
また、原石10と切断用ベース100とを確実に接着するためには、原石10と切断用ベース100とのそれぞれの接着面の全面に均一に接着剤が行渡らなければならない。この時、接着剤を厚く塗布してしまうと、原石10が切断用ベース100の上面に対して傾いてしまうため、接着剤は極力薄く塗布しなければならない。
また、原石10を強固に固定するには、該原石10を切断用ベース100に押し付けることが有効である。ところが、原石10を角度調整しながら押し付ける必要があるので、原石10が指定の切断角度θ’からずれてしまう虞があった。したがって、角度調整が難しく、切断用ベース100上にずれなく原石10を確実に接着するには、熟練作業者による作業が必要であった。
そこで、本発明は、このような事情に考慮してなされたもので、誰でも容易に角度調整することができ、指定した切断角度で切断用ベース上に原石を確実に固定することができるウエハの作製方法を提供するものである。
本発明は、前記課題を解決するために以下の手段を提供する。
本発明に係るウエハの作製方法は、切断用ワイヤにより原石を切断して複数枚のウエハに分割するウエハの作製方法であって、端面が基準面とされた切断用ベース上に、複数の線材を間隔を空けて平行に配置する線材配置工程と、前記線材を介して前記切断用ベース上に前記原石を載置した後、前記基準面と前記原石の端面とのなす角度が指定した切断角度となるように前記線材上で前記原石を動かしながら角度調整する調整工程と、前記線材を伝わらせながら、前記原石と前記切断用ベースとの隙間に接着剤を注入して両者を接着する接着工程と、前記接着剤の硬化後、前記基準面と略平行に前記原石を前記切断用ワイヤで切断して、複数枚の前記ウエハに分割する切断工程とを有することを特徴とするものである。
本発明に係るウエハの作製方法においては、調整工程に先立って、線材配置工程を有することで、切断用ベース上に原石が線材を介して配置されるため、原石の角度調整が容易になる。
つまり、切断用ベース上に線材を介して原石を載置することで、原石と切断用ベースとの間に隙間を有するため、原石の角度調整をした後に隙間から接着剤を注入することができる。これにより、従来のように接着剤を塗布した後に原石の角度調整を行う必要がなく、基準面と原石の端面とのなす角度が指定した切断角度となるように、線材上で原石を動かしながら容易、かつ高精度に角度調整することができる。
また、原石の角度調整を行った後に、線材を伝わらせて接着剤を注入することで、接着剤は線材に案内されて原石と切断用ベースとの隙間に行渡るため、原石と切断用ベースとのそれぞれの接着面に対して全面に均一に接着剤を塗布することができる。つまり、高精度に角度調整した原石を動かすことなく、原石と切断用ベースとを接着することができる。したがって、指定した切断角度で切断用ベース上に原石を確実に固定することができる。
その後、基準面と略平行に配置された切断用ワイヤで原石を切断する切断工程を行うことで、複数枚のウエハを作製することができる。特に、原石が高精度に角度調整されているので、面内結晶方位が正確に調整された高品質なウエハを作製することができる。
本発明に係るウエハの作製方法は、前記調整工程の前に、前記原石における前記切断用ベースとの接着面に、前記接着剤よりも接着強度の低い低強度接着剤を利用して固定用ベースを接着する固定用ベース接着工程を有することを特徴とするものである。
本発明に係るウエハの作製方法においては、原石と固定用ベースとを切断用ベースとの接着に用いる接着剤より接着強度の低い低強度接着剤を用いて接着し、この状態で切断用ベース上に固定用ベースを介して原石を固定する。そのため、切断後の原石、すなわち複数枚のウエハを切断用ベース上に直接接着されていた場合に比べて容易に剥離しやすくなる。したがって、製造効率を高めることができる。また、原石の接着面に接着剤が残存しにくいので、接着面を良好な状態に保つことができ、ウエハのさらなる高品質化を図ることができる。
本発明に係るウエハの作製方法は、上記ウエハの作製方法において、前記接着工程に先立って、前記原石と前記切断用ベースとの隙間に前記接着剤を局所的に注入して両者を仮接着する仮接着工程を有することを特徴とするものである。
本発明に係るウエハの作製方法においては、原石と切断用ベースとの隙間に接着剤を局所的に注入して両者を仮接着しておくことで、接着工程の前に原石と切断用ベースとを位置決めしておくことができる。これにより、接着工程において、原石と切断用ベースとの間に接着剤を注入する際に、原石がよりずれにくい。また、原石と切断用ベースとの間の隙間が変化することがないため、原石と切断用ベースとの間に注入された接着剤が押し退け合い、原石と切断用ベースとの接着面の全面に接着剤が行渡りやすくなる。したがって、より高精度、かつ強固に原石の接着を行うことができる。
本発明に係るウエハの作製方法は、上記ウエハの作製方法において、前記線材として、合成繊維からなる前記線材を用いることを特徴とするものである。
本発明に係るウエハの作製方法においては、線材として吸水性の低い合成繊維からなる線材を用いることで、接着剤が線材の表面を伝わりやくなる。これにより、原石と切断用ベースとの間に接着剤をスムーズに導くことができ、原石と切断用ベースとの接着面の全面に接着剤を行渡りやすくすることができる。また、短時間に接着剤を注入することができるので、製造効率を高めることができる。
本発明に係るウエハの作製方法は、上記ウエハの作製方法において、前記接着工程の際、前記原石を前記切断用ベースに押し付けた状態で前記接着剤を注入することを特徴とするものである。
本発明に係るウエハの作製方法においては、原石を切断用ベースに押し付けた状態で接着剤を注入するので、原石がずれにくい上、原石と切断用ベースとを圧着することができる。したがって、高精度に角度調整された原石を、より強固に接着することができる。
本発明に係るウエハの作製方法によれば、原石と切断用ベースとを容易、かつ高精度に角度調整できるとともに、原石と切断用ベースとを確実に固定することができるため、切断用ベース上に原石を接着する際に、誰でも容易に行うことができる。
そして、このように接着固定された原石からウエハを作製するので、面内結晶方位が正確に調整された高品質なウエハとすることができる。したがって、このウエハから複数の圧電振動片を作製した場合には、振動特性が理想的な高品質の圧電振動片を得ることができる。
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下に示す各図においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各部材ごとに縮尺を異ならせてある。
(切断装置)
まず、図1に基づいて原石の切断装置について説明する。
図1(a)に示すように、本実施形態の切断装置24は、ワイヤソー式の切断装置であって、原石10がセットされる図示しないステージと、原石10の上方に配置された回転可能な複数のローラ20と、これらローラ20間に巻回されたワイヤ(切断用ワイヤ)21とを備えている。
原石10は、水晶、タンタル酸リチウムやニオブ酸リチウム等からなる直方体形状のものであり、その下面が接着面11として構成されている。なお、原石10は、後述する切断用ベース30上に接着固定された状態で切断装置24のステージにセットされる。
各ローラ20は、Y方向に延びる円柱形状のものであり、原石10の幅方向(X方向)両側から原石10を挟むように配置されている。また、ローラ20は、ワイヤ21が巻回された状態でZ軸方向に移動可能に構成されている。
ワイヤ21は、線径が約160μmの高張力線等からなり、ワイヤ21の供給源(不図示)から供給され、ローラ20間を走行するように構成されている。ワイヤ21は、ローラ20の軸方向(Y方向)に沿って並ぶように複数列に亘って巻回されている。具体的には、ワイヤ21は、各ローラ20間において原石10の上面13と略平行に架け渡されており、それぞれが等間隔で平行に配列されている。そして、各ローラ20間のワイヤ21が架け渡された領域が、原石10と接触して切断を行う接触領域22となっている。
また、各ローラ20間であって、接触領域22を挟んで原石10の反対側には、接触領域22に向けて切削液を供給する図示しない切削液供給手段が設けられている。なお、切削液としては、砥粒にラッピングオイルを適量配合した液を使用する。この砥粒としては、平均粒径が約12μm程度の炭化珪素(SiC)が慣用される。なお、切削液は、常温を保つように温度管理されている。
この切断装置24では、後述する切断工程において、ローラ20の軸方向に沿って巻回されたワイヤ21によって原石10を一括して切断することで、原石10がワイヤ21の配列方向(Y方向)に沿って複数枚に分割される。
これにより、図1(b)に示すように、1つの原石10(図1(a)参照)から1枚1枚のウエハWに分割されるようになっている。なお、本実施形態のウエハWは、矩形平板状のものであり、厚さが例えば約220μmに形成されている。
(ウエハの作製方法)
次に、図2〜8に基づいて、ウエハの作製方法を説明する。以下の説明では、主として原石を切断用ベースに接着する際の原石の接着方法について説明する。
まず、図2,3に示すように、固定用ベース40を用意し、この固定用ベース40上に原石10を接着する(固定用ベース接着工程)。固定用ベース40は、ソーダライムガラスからなる平板状のものであり、その上面41の面積が原石10の接着面11の面積よりも大きく形成されている。そして、固定用ベース40の上面41に図示しない低強度接着剤を介して原石10を接着する。なお、低強度接着剤は、後述する接着工程に用いる接着剤に比べて接着強度が低いものである。
次に、図4に示すように、上述した切断装置24のステージにセットする切断用ベース30を用意する。この切断用ベース30は、上述した固定用ベース40と同様にソーダライムガラス等からなる平板状のものであり、X方向に沿う端面を基準面31として設定している。
そして、切断用ベース30上に複数(例えば、2本)の線材33を配置する(線材配置工程)。具体的には、切断用ベース30上の短手方向(Y方向)における中央部からX方向に沿って張力が付与された状態で、間隔を空けて互いに平行になるように2列配列する。なお、線材33は、ナイロンやフロロカーボン等の合成繊維からなり、線径が例えば90〜120μm程度のものが好ましい。
そして、図5,6に示すように、線材33が配置された切断用ベース30上に、線材33を介して原石10を載置する。この時、切断用ベース30と固定用ベース40との間に線材33が挟まれた状態となり、切断用ベース30と固定用ベース40との間に線材33の線径分の隙間が生じる(図7参照)。
次に、線材33を介して切断用ベース30上に原石10を載置した後、原石10の角度調整を行う(調整工程)。まずX線回析法等により原石10の切断角度θの測定を行う(図5,6中鎖線参照)。そして、原石10のXZ平面の端面12にX線を照射しつつ、原石10の端面12と切断用ベース30の基準面31とのなす角が指定の切断角度θになるように測定を行う。なお、この切断角度θは、例えば1〜2度に設定することが好ましい。
続いて、切断角度θの測定を行いながら、原石10をZ軸回りに回転させて指定の切断角度θに角度調整する。この時、原石10が接着された固定用ベース40は、切断用ベース30上に線材33を介して載置されているだけである。つまり、固定用ベース40は、線材33のみに接触しているため、固定用ベース40の下面と切断用ベース30の上面との間に隙間を有しており、線材33上を摺動させながら容易に固定用ベース40を回転させることができる。これにより、固定用ベース40に接着された原石10が、指定の切断角度θに角度調整された状態で、線材33を介して切断用ベース30上に配置された状態になる。
次に、切断角度θの再確認を行った後、原石10と切断用ベース30との隙間に接着剤44(図7参照)を局所的に注入して両者を仮接着する(仮接着工程)。具体的には、固定用ベース40の角部に少量の接着剤44を塗布する。これにより、切断用ベース30と固定用ベース40とが位置決めされる。なお、接着剤の構成材料は、上述した低強度接着剤の接着強度よりも高い接着剤が好ましく、瞬間接着剤等を好適に用いることが可能である。
次に、図7,8に示すように、切断用ベース30と固定用ベース40との両者を接着する(接着工程)。具体的には、切断用ベース30と固定用ベース40との間に線材33を伝わらせて接着剤44を注入していく。すると、接着剤44は線材33の表面を伝って切断用ベース30と固定用ベース40との間に広がっていく。これにより、切断用ベース30と固定用ベース40とのそれぞれの接着面(固定用ベース40の下面及び切断用ベース30の上面)の全面に接着剤44が行渡る。この時、原石10を切断用ベース30に向けて押し付けた状態で接着剤44を注入することが好ましい。これにより、接着工程において、原石10と切断用ベース30との間に接着剤44を注入する際に、固定用ベース40がずれにくい上、固定用ベース40と切断用ベース30とを圧着することができる。したがって、高精度に角度調整された原石10を、より強固に接着することができる。そして、接着剤44を乾燥させることで、切断用ベース30と固定用ベース40とが接着固定される。
接着剤44の硬化後、図1(a)に示すように、基準面31と平行(X方向)に原石10をワイヤ21で切断して、複数枚のウエハW(図1(b)参照)に分割する(切断工程)。具体的には、まず切削液供給手段から切削液を供給しつつ、ローラ20を回転させワイヤ21を走行させる。そして、ワイヤ21を走行させながら、ローラ20及びワイヤ21を原石10の切断位置まで下降させる(図1(a)矢印参照)。そして、ワイヤ21の接触領域22を原石10の高さ方向(Z方向)に押圧させながら、ローラ20及びワイヤ21を下降させ続けることで、原石10が高さ方向に沿って切断される。
その後、接着剤の剥離液を用い切断用ベース30と固定用ベース40及び固定用ベース40と原石10とをそれぞれ剥離する。
以上により、図1(b)に示すように、原石10から1枚1枚のウエハWが取り出される。
したがって、上述の実施形態によれば、原石10の調整工程に先立って、線材配置工程を有することで、切断用ベース30上に原石10が接着された固定用ベース40が線材33を介して配置されるため、原石10の角度調整が容易になる。
つまり、切断用ベース30上に線材33を介して固定用ベース40を載置することで、固定用ベース40と切断用ベース30との間に隙間を有するため、原石10の角度調整をした後に隙間から接着剤44を注入することができる。これにより、従来のように接着剤を塗布した後に原石10の角度調整を行うことがなく、基準面31と原石10の端面12とのなす角度が指定した切断角度θとなるように、線材33上で原石10を動かしながら容易、かつ高精度に角度調整することができる。
また、角度調整を行った後に、線材33を伝わらせて接着剤44を注入することで、接着剤44は線材33に案内されて固定用ベース40と切断用ベース30との間に行渡るため、固定用ベース40と切断用ベース30とのそれぞれの接着面に対して全面に接着剤44を塗布することができる。つまり、高精度に角度調整した原石10を動かすことなく、原石10と切断用ベース30とを接着することができる。したがって、指定した切断角度θで切断用ベース30上に原石10を確実に固定することができる。
特に、接着工程に先立って、固定用ベース40の角部のみを仮接着しておくことで、原石10と切断用ベース30とを位置決めしておくことができる。これにより、接着工程において、固定用ベース40と切断用ベース30との間に接着剤44を注入する際に、原石がよりずれにくい。また、固定用ベース40と切断用ベース30との間の隙間が変化することがないため、固定用ベース40と切断用ベース30との間に注入された接着剤44が押し退け合い、固定用ベース40と切断用ベース30とのそれぞれの接着面の全面に接着剤44が行渡りやすくなる。したがって、より高精度、かつ強固に原石10の接着を行うことができる。
さらに、線材33として吸水性の低い合成繊維からなる線材33を用いることで、接着剤44が線材33の表面を伝わりやくなる。これにより、固定用ベース40と切断用ベース30との間に接着剤44をスムーズに導くことができ、固定用ベース40と切断用ベース30とのそれぞれの接着面の全面に接着剤44を行渡りやすくすることができる。また、短時間に接着剤44を注入することができるので、製造効率を高めることができる。
その後、基準面31と略平行に配置されたワイヤ21で原石10を切断する切断工程を行うことで、複数枚のウエハWを作製することができる。特に、原石10が高精度に角度調整されているので、面内結晶方位が正確に調整された高品質なウエハWを作製することができる。
そして、本実施形態では、原石10と固定用ベース40とを切断用ベース30との接着に用いる接着剤44より接着強度の低い低強度接着剤を用いて接着し、この状態で切断用ベース30上に固定用ベース40を介して原石10を固定する。そのため、切断後の原石10、すなわち複数枚のウエハWを切断用ベース30上に直接接着されていた場合に比べて容易に剥離しやすくなる。したがって、製造効率を高めることができる。また、原石10の接着面11に接着剤が残存しにくいので、接着面11を良好な状態に保つことができ、ウエハWのさらなる高品質化を図ることができる。
このように、上述の実施形態によれば、原石10と切断用ベース30とを容易、かつ高精度に角度調整できるとともに、原石10と切断用ベース30とを確実に固定することができるため、切断用ベース30上に原石10を接着する際に、誰でも容易に行うことができる。
そして、このように接着固定された原石10からウエハWを作製するので、面内結晶方位が正確に調整された高品質なウエハWとすることができる。したがって、このウエハWから複数の圧電振動片を作製した場合には、振動特性が理想的な高品質の圧電振動片を得ることができる。
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上述の実施形態においては、直方体形状の原石を用いて説明したが、これに限られることなく、円柱形状等の原石を用いることも可能である。
また、上述の実施形態においては、線材を2本配置する場合について説明したが、2本以上用いてもよい。さらに、線材は必ずしもX方向に沿って配置する必要はなく、適宜調整が可能である。
また、上述の実施形態においては、原石を固定用ベースを介して切断用ベースに接着する場合について説明したが、原石を直接切断用ベースに接着してもよい。
(a)は切断装置を示す概略構成図であり、(b)はウエハの斜視図である。 本発明の実施形態における固定用ベース接着工程を示す工程図である。 本発明の実施形態における固定用ベース接着工程を示す工程図である。 本発明の実施形態における線材配置工程を示す工程図である。 本発明の実施形態における調整工程を示す工程図である。 図5のA矢視図であり、調整工程を示す工程図である。 本発明の実施形態における接着工程を示す工程図である。 本発明の実施形態における接着工程を示す工程図である。 従来における原石の固定方法を示す工程図である。 図9のB矢視図であり、従来における原石の固定方法を示す工程図である。
符号の説明
10原石 12端面 30切断用ベース 31基準面 33線材 40固定用ベース 44接着剤 Wウエハ θ切断角度

Claims (5)

  1. 切断用ワイヤにより原石を切断して複数枚のウエハに分割するウエハの作製方法であって、
    端面が基準面とされた切断用ベース上に、複数の線材を間隔を空けて平行に配置する線材配置工程と、
    前記線材を介して前記切断用ベース上に前記原石を載置した後、前記基準面と前記原石の端面とのなす角度が指定した切断角度となるように前記線材上で前記原石を動かしながら角度調整する調整工程と、
    前記線材を伝わらせながら、前記原石と前記切断用ベースとの隙間に接着剤を注入して両者を接着する接着工程と、
    前記接着剤の硬化後、前記基準面と略平行に前記原石を前記切断用ワイヤで切断して、複数枚の前記ウエハに分割する切断工程とを有することを特徴とするウエハの作製方法。
  2. 前記調整工程の前に、前記原石における前記切断用ベースとの接着面に、前記接着剤よりも接着強度の低い低強度接着剤を利用して固定用ベースを接着する固定用ベース接着工程を有することを特徴とする請求項1記載のウエハの作製方法。
  3. 前記接着工程に先立って、前記原石と前記切断用ベースとの隙間に前記接着剤を局所的に注入して両者を仮接着する仮接着工程を有することを特徴とする請求項1記載のウエハの作製方法。
  4. 前記線材として、合成繊維からなる前記線材を用いることを特徴とする請求項1記載のウエハの作製方法。
  5. 前記接着工程の際、前記原石を前記切断用ベースに押し付けた状態で前記接着剤を注入することを特徴とする請求項1記載のウエハの作製方法。
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