JP4325889B2 - 半導体ウェハの積層治具および半導体ウェハの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体ウェハの積層治具および半導体ウェハの製造方法に関し、特に、拡散ウェハの生産性向上に有効な半導体ウェハの積層治具および半導体ウェハの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
パワートランジスタやパワーMOSFET等のパワーデバイスの製造には、シリコンウェハの片面に高濃度のドーパントを拡散させた拡散ウェハが用いられる。この拡散ウェハの製造方法としては、ドーパントを両面に拡散したシリコンウェハを2分割して行う方法が知られている。この2分割する方法によれば、1枚のシリコンウェハから2枚の片面拡散ウェハが得られるため、生産性の面からも好ましく、現在この方法が主流となっている。
【0003】
さらに、上記2分割法では、生産効率を向上させるために、複数のシリコンウェハを一度に分断する様々な方法が試みられている。このような複数ウェハの一括分断は、ワイヤーソーの利用によって既に実用化のレベルに達しており、数々の公知例が報告されている。
【0004】
例えば、特開平10−58440号公報には、複数のシリコンウェハをスライス台上に積層固着し、この状態で該複数のシリコンウェハをワイヤーソーにより一括分断する方法が開示されている。シリコンウェハをスライス台に固着する理由は、ワイヤーソーによる分断中もシリコンウェハの積層状態を保持するためである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の方法では、シリコンウェハをスライス台に固着したときに、該シリコンウェハの積層状態が変化して、再度積層し直さなければならないケースが多々あった。一旦スライス台に固着したシリコンウェハの再積層は、非常に手間のかかる作業であり、拡散ウェハの生産性を低下させる原因になる。
【0006】
そこで、本発明は、拡散ウェハの生産性向上に有効な半導体ウェハの積層治具および半導体ウェハの製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する手段として、以下に示すアプローチを行ったのでここに説明する。まず、スライス台に固着する際に積層状態が変化する原因について考察したので、その内容を示す。
【0008】
図1は、従来行われていた積層体固着方法の一例を示す斜視図である。同図に示すように、従来、積層体20のスライス台36への固着は、次のようにして行われていた。
【0009】
まず、スライス台36上で、複数の半導体ウェハ18を積層して、積層体20を形成する。その後、該積層体20の外周面に接着剤44を塗布して、該積層体20の積層状態を保持する。
【0010】
その後、同図に示すように、積層状態が接着保持された積層体20を一旦スライス台36から持ち上げて、該スライス台36の積層体載置面に接着剤44を塗布する。積層体載置面とは、半導体ウェハ18の外周形状に対応して、スライス台36の上部に形成された湾曲面であり、前述した半導体ウェハ18の積層は、この載置面上で行われる。
【0011】
そして、この接着剤44が塗布された載置面上に積層体20を載置して、該積層体20をスライス台36に固着する。このように、積層体20がスライス台36上に固着された状態で各半導体ウェハ18を分断すれば、該スライス台36が支持台となって分断作業が安定する。
【0012】
しかし、積層体20を一旦スライス台36から持ち上げたときに、半導体ウェハ18の積層状態がくずれると、この積層状態がくずれた状態で積層体20がスライス台36に固着される場合がある。このくずれが顕著であると、ワイヤーソーによる分断を行うことができないため、再積層が必要になる。
【0013】
即ち、積層体20を一旦スライス台36から持ち上げるという行為が積層状態がくずれる原因となっていたのである。しかしながら、積層体20をスライス台36に固着するためには、該スライス台36の載置面に接着剤44を塗布する必要があり、そのためには、積層体20を持ち上げなければならないため、積層状態のくずれは解決し難い問題である。
【0014】
そこで、積層体20を可能な限りスライス台36と接触させた状態で接着剤を塗布するという観点から検討し、以下に示す3つの発想を得た。
1)スライス台を分割する
2)スライス台を支持する貼り付け台を分割する
3)スライス台の載置面に溝を形成する
本発明は、上記の発想に基づいて、前述した課題の解決を図ろうとするものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
(発明の概要)
上記発想に基づいて想到された本発明の第1の特徴は、スライス台が半導体ウェハの積層方向に沿って分割された2以上の部材で構成されることにある。このように分割可能なスライス台を使用すれば、積層体をスライス台の一部に載置したまま、該スライス台の他の部分を分割離隔して、この部分に接着剤を塗布することができる。その結果、積層状態の保持と接着剤の塗布が同時に行われ、好適な積層状態を保持したまま積層体とスライス台を固着することができる。
【0016】
また、本発明の第2の特徴は、スライス台を支持する貼り付け台が2以上の部材で構成されることにある。このような分割可能な貼り付け台を使用すれば、積層体を挟持したまま、スライス台を積層体から離隔することができる。その結果、積層状態の保持と接着剤の塗布を同時に行うことができ、好適な積層状態を保持したまま積層体とスライス台を固着することができる。
【0017】
また、本発明の第3の特徴は、スライス台がその載置面に積層体の積層方向に沿って伸長した溝を有することにある。このような溝を設けることにより、積層体をスライス台上に載置したままであっても、該溝内に接着剤を注入することができる。
【0018】
(第1の形態)
図2は、本発明の第1の形態に係る積層体の固定方法を示す斜視図である。以下、同図に基づいて、本発明の第1の形態の構成を説明する。
【0019】
本発明の第1の形態に係るスライス台36は、半導体ウェハ18の積層方向に沿って分割された2以上の部材で構成される。2以上の部材で構成する理由は、積層体20の載置と接着剤44の塗布を同時に行うためである。
【0020】
即ち、同図に示すように、本発明に係るスライス台36は、例えば、第1のスライス台36−1と第2のスライス台36−2の分割可能な2つの部材で構成される。そして、第1のスライス台36−1を積層体20の載置用に使用し、第2のスライス台36−2を接着剤44の塗布用に使用する。
【0021】
スライス台36を積層方向に沿って分割する理由は、同図中の第1のスライス台36−1を参照すれば明らかであるように、積層体20を構成する全ての半導体ウェハ18を載置するためである。また、同図中の第2のスライス台36−2を参照すれば明らかであるように、積層体20を構成する全ての半導体ウェハ18の固着を可能にするためである。
【0022】
上記のように構成されるスライス台36は、次のようにして使用することができる。
【0023】
まず、第1のスライス台36−1と第2のスライス台36−2とが合体した状態のスライス台36上で、半導体ウェハ18を複数積層して積層体20を形成する。このとき、各半導体ウェハ18は、スライス台36の上部に設けられた載置面上に載置される。
【0024】
次に、スライス台36上に形成された積層体20の積層状態を保持する。積層状態を保持する方法としては、例えば、同図に示すように、積層体20の両端面に圧力Pをかけて該積層体20を挟持する方法が考えられる。積層体20の挟持は、後述の実施例で述べるようなクランプ台を用いて行うことが好ましい。
【0025】
その後、積層体20の積層状態を保持したままスライス台36を分割し、その一部を該積層体20から離隔する。同図に示す例では、スライス台36を第1のスライス台36−1と第2のスライス台36−2に分割し、第2のスライス台36−2を積層体20から離隔している。
【0026】
続いて、上記離隔によって露出した積層体20の外周面または上記離隔した第2のスライス台36−2に接着剤44を塗布する。同図に示す例では、第2のスライス台36−2上に接着剤44を塗布する例を示しているが、接着剤44の塗布は、第2のスライス台36−2を除去して露出した積層体20の底面に対して行ってもよい。
【0027】
このとき積層体20は、第2のスライス台36−2が離隔している間も、第1のスライス台36−1によって載置され、その積層状態が保持される。
【0028】
その後、前記離隔した第2のスライス台36−2を該離隔前の位置に戻して、該積層体20をスライス台36に固着する。即ち、第1のスライス台36−1と第2のスライス台36−2を再び合体させた状態とし、積層体20を第2のスライス台36−2に固着する。このとき、第1のスライス台36−1と第2のスライス台36−2の接触面にも接着剤を塗布しておき、合体状態を維持したままワイヤーソーによる分断工程に進めてもよい。
【0029】
また、第2のスライス台36−2を固着した後、今度は第1のスライス台36−1を積層体20から離隔して、これに接着剤を塗布し、積層体20を第1のスライス台36−1および第2のスライス台36−2の双方に固着してもよい。さらに、離隔した第1のスライス台36−1および第2のスライス台36−2の底面にも接着剤を塗布し、スライス台36の下に配設され該スライス台36を支持する部材(例えば、後述するような貼り付け台)に固定し、安定性の向上を図ってもよい。
【0030】
そして最後に、積層体20がスライス台36に固着された状態で、該積層体20を構成する半導体ウェハ18をワイヤーソー12により分断する。
【0031】
以上説明した本発明の第1の形態によれば、積層体20が第1のスライス台36−1に載置された状態で、接着剤44を塗布することができる。その結果、積層状態が好適に維持された状態で積層体20がスライス台36に固着され、積層のやり直しといった従来の問題は低減する。
【0032】
また、本発明によれば、従来のように、積層体20の外周面に接着剤44を塗布する必要がなくなるため、接着剤44の乾燥時間が不要であり作業時間の短縮が図られる。加えて、積層体20を持ち上げる必要もなくなるため、半導体ウェハ18が落下する危険性も少なくなる。
【0033】
(第2の形態)
図3は、本発明の第2の形態に係る積層体の固定方法を示す斜視図である。以下、同図に基づいて、本発明の第2の形態の構成を説明する。
【0034】
本形態では、スライス台36の下に配置される貼り付け台48が分割可能に構成される。この貼り付け台48は、該スライス台36を支持する部材である。同図に示す例では、貼り付け台48が第1の貼り付け台48−1と第2の貼り付け台48−2の2つの部材で構成される。
【0035】
スライス台36は、第1の貼り付け台48−1の上面に固定され、該第1の貼り付け台48−1の下方に第2の貼り付け台48−2が配設される。この第1の貼り付け台48−1と第2の貼り付け台48−2の接触面は、同図に示すように、斜面状に形成され、第1の貼り付け台48−1が該斜面上をスライドできる構成となっている。尚、第2のスライス台36−2は、その下方に配設される図示しない部材(例えば、後述するクランプ台)に固定される。
【0036】
上記のように構成される貼り付け台48は、次のようにして使用することができる。
【0037】
まず、前述した第1の形態と同様の手順によって、スライス台36上に積層体20を形成する。その後、該積層体20を挟持してその積層状態を保持する。この挟持によって、積層体20に圧力Pがかかり、積層状態が保持されるとともに、該圧力Pによって該積層体20自体が支持される。
【0038】
その後、同図に示すように、積層体20を挟持したまま貼り付け台48を分割して、該積層体20とスライス台36との間に隙間を生じさせる。同図に示す例では、貼り付け台48を第1の貼り付け台48−1と第2の貼り付け台48−2の2つの部材に分割し、第1の貼り付け台48−1を斜め下方にスライドさせている。その結果、第1の貼り付け台48−1上に固定されたスライス台36が斜め下方に下がり、該スライス台の載置面と積層体20との間に僅かな隙間が生じる。好ましくは、この隙間を生じさせる際に、スライス台36の一部を積層体20に接触させておく。これは、スライス台36と積層体20とを完全に離すと、半導体ウェハ18の自重によって積層状態にずれが生じやすくなるからである。
【0039】
そして、上記分割によって生じた隙間に接着剤44を注入する。このとき、積層体20は、圧力Pによって支持され、その積層状態が保持されため、積層状態を保持したままで接着剤を注入することができる。
【0040】
その後、前記分割した第1の貼り付け台48−1を分割前の位置に戻して、積層体20の底面をスライス台36の載置面に固着する。
【0041】
最後に、積層体20がスライス台36に固着された状態で、該積層体20を構成する半導体ウェハ18をワイヤーソー12により分断する。
【0042】
以上説明した本発明の第2の形態によれば、積層体20が挟持された状態で、該積層体20とスライス台36との間に隙間を作ることができるため、この隙間に接着剤を注入すれば、積層状態が好適に維持された状態で該積層体20をスライス台36に固着することができる。その結果、前述した第1の形態と同様に、積層やり直し発生の防止、接着剤乾燥時間が不要になることによる作業時間の短縮等の生産性の向上に有効な効果が得られる。
【0043】
(第3の形態)
図4は、本発明の第3の形態に係る積層体固定方法を示す斜視図である。以下、同図に基づいて、本発明の第3の形態の構成を説明する。
【0044】
同図に示すように、本形態に係るスライス台36は、積層体20が載置される載置面に、該積層体20の積層方向に沿って伸長した溝50が設けられる。この溝50は、接着剤を注入するための空間であり、好ましくは、スライス台36の長手方向に貫通させて設ける。
【0045】
図5は、図4に示したスライス台36の構造を示す平面図である。同図に示すように、スライス台36の載置面に設けられる溝50は、半導体ウェハの積層方向に伸長した形状を有し、スライス台36をその長手方向に貫通する。このような構造により、スライス台36のどちら側の面からでも接着剤が注入でき、該注入された接着剤が溝50内に充填されて、スライス台36上に載置された全ての半導体ウェハが固着される。
【0046】
上記のように構成されるスライス台36は、次のようにして使用することができる。
【0047】
まず、溝50を備えたスライス台36上で、半導体ウェハ18を複数積層して積層体20を形成する。次に、該スライス台36上に形成された積層体20を挟持して、その積層状態を保持する。
【0048】
その後、積層体20を挟持したまま、スライス台36に設けられた溝50に接着剤を注入して、積層体20を該スライス台36に固着する。この接着剤の注入は、積層体20がスライス台36上に載置された状態で行われるため、積層体20の積層状態は好適に維持される。
【0049】
最後に、積層体20がスライス台36に固着された状態で、該積層体20を構成する半導体ウェハ18をワイヤーソー12により分断する。
【0050】
以上説明した本発明の第3の形態によれば、積層体20がスライス台36上に載置された状態で、該積層体20とスライス台36との間に接着剤を注入することができるため、積層状態を維持したまま積層体20をスライス台36に固着することができる。その結果、前述した第1の形態と同様に、積層やり直し発生の防止、接着剤乾燥時間が不要になることによる作業時間の短縮、半導体ウェハの落下防止等の生産性の向上に有効な効果が得られる。
尚、用いられる接着剤としては、硬化前後の体積変化の少ないエポキシ系のもの、あるいは、揮発成分のないホットメルト型のものが好ましい。
【0051】
【実施例】
(要約)
クランプ台24を用いて、半導体ウェハ18の積層体20を挟持し、この状態で積層体20を載置するスライス台を第1のスライス台36−1と第2のスライス台36−2に分割する。そして、積層体20から離隔した第2のスライス台36−2に接着剤44を塗布した後、該第2のスライス台36−2を元の位置に戻し、該第2のスライス台36−2に積層体20を固着する(図7参照)。
【0052】
(好適な実施例)
スライス台を分割するという前述した技術思想は、拡散ウェハ製造の分野において、非常に有用な考え方である。ここでは、この特徴ある技術思想を産業上好ましいと思われる態様で具現化した例を示す。尚、前述した構成要素のうち、特に説明を加える必要がないと思われるものについては、同一名称および同一符号を付してその詳細な説明を省略する。また、以下に示す実施例は、本発明の一具現化例であり、本発明を限定するものではない。
【0053】
図6は、半導体ウェハの積層工程を示す斜視図である。同図に示すように、2分割法によって拡散ウェハを製造する場合には、まず、予め両面にドーパントが拡散された複数の半導体ウェハ18をスライス台36上に載置して、積層体20を形成する。
【0054】
このスライス台36は、ステンレス製の貼り付け台48を介してクランプ台24に固定され、積層体20を支持する支持台として機能する。このスライス台36は、カーボン等の比較的柔らかい材質で形成され、半導体ウェハ18とともにワイヤーソー12によって切断される。このスライス台36の上部、即ち、半導体ウェハ18が載置される部分には、該半導体ウェハ18の曲率に対応した湾曲面が形成され、各半導体ウェハ18は、オリエンテーションフラットが上に向いた状態でこの湾曲面上に載置される。
【0055】
次に、クランプシャフト34を回転させて、クランピング板32を積層体20に押し当て、該クランピング板32と基準面38とで積層体20を挟持する。このとき、積層体20を挟持する力は、半導体ウェハ18が破壊されない程度とする。
【0056】
図7は、図6に示した積層体をスライス台に固着する工程を示す斜視図である。積層体20を挟持した後は、同図に示すように、図6に示したスライス台36を第1のスライス台36−1と第2のスライス台36−2に分割し、第2のスライス台36−2をクランプ台24から取り外す。第1のスライス台36−1は、貼り付け台48上に固定されており、積層体20は、第2のスライス台36−2を取り外した後も、第1のスライス台36−1上によって載置される。
【0057】
その後、クランプ台24から取り外した第2のスライス台36−2の載置面および底面に接着剤を塗布し、元の位置に戻して、該第2のスライス台36−2の載置面と積層体20の底面を固着するとともに、第2のスライス台36−2の底面を貼り付け台48に固着する。その結果、積層体20およびスライス台36がクランプ台24に固定される。その後、積層体20を挟持したクランプ台24をワイヤーソーの内部に投入設置する。
【0058】
図8は、半導体ウェハの積層状態を確認する工程を示す側面図である。クランプ台24をワイヤーソーの内部に投入設置した後、同図に示すように、該クランプ台24によって挟持された積層体20の上方にワイヤー30を配置し、さらにその上にカメラ26を配置する。
【0059】
このカメラ26は、図中の矢印で示す方向、即ち、半導体ウェハの積層方向に移動可能に配設され、ワイヤー30と半導体ウェハ18のオリエンテーションフラットを上方から同時に撮像する。このカメラ26が捉えた映像は、該カメラ26に接続された図示しないモニタ上に拡大表示され、作業者は、この拡大表示に基づいて、ワイヤー30の位置決めを行う。
【0060】
ワイヤー30の位置決めは、同図に示すように、中央付近に積層された半導体ウェハ18を基準に行う。例えば、同図に示すように、基準面38から5枚目の半導体ウェハ18の厚さ中心に、該半導体ウェハ18を切断するワイヤー30を配置し、この位置を切断位置とする。
【0061】
上記のようにして基準ウェハの切断位置を決定した後、残りの半導体ウェハ18の切断位置を次のようにして確認する。まず、カメラ26を少しずつ移動させながら、各半導体ウェハ18とその上方にあるワイヤー30とを順次撮像してゆく。そして、各ワイヤー30の位置が各半導体ウェハ18の厚さ中心から許容範囲内になければ、半導体ウェハ18の積層を再度やり直し、再び、ワイヤー30の位置合わせを行う。一方、各ワイヤー30の位置が各半導体ウェハ18の厚さ中心から許容範囲内にあれば、切断可能と判断し、次の分断工程に進む。
【0062】
図9は、半導体ウェハの分断工程を示す斜視図である。同図に示すように、図7に示したワイヤーの位置決めを行った後、クランプ台を装填したワイヤーソーテーブルユニット42を上昇させて、積層体20を構成する各半導体ウェハをワイヤーソー12で分断する。
【0063】
ワイヤーソー12は、一本のワイヤー30が複数のワークローラ28に何重にも巻き付けられて形成される。そして、このワイヤー30の多重巻き付けによって、半導体ウェハを切断するための複数の切断部10が形成される。各ワークローラ28は、チェザーバイト加工で形成されたV溝を有し、前記ワイヤー30は、このV溝に沿って巻き付けられる。チェザーバイト加工とは、櫛状の刃を用いて複数のV溝を同時に形成する加工法であり、この加工法によればV溝のピッチ誤差が非常に小さくなるため、ワークローラ28の加工法として非常に好ましい。尚、ワイヤーソー自体は公知であるため、ワイヤーソーに関するその他の説明は省略する。
上記のような方法で拡散ウェハの製造を行ったところ、積層のやり直しを必要とするケースが低減し、生産性が向上した。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来行われていた積層体固着方法の一例を示す斜視図である。
【図2】本発明の第1の形態に係る積層体の固定方法を示す斜視図である。
【図3】本発明の第2の形態に係る積層体の固定方法を示す斜視図である。
【図4】本発明の第3の形態に係る積層体固定方法を示す斜視図である。
【図5】図4に示したスライス台36の構造を示す平面図である。
【図6】半導体ウェハの積層工程を示す斜視図である。
【図7】図6に示した積層体をスライス台に固着する工程を示す斜視図である。
【図8】半導体ウェハの積層状態を確認する工程を示す側面図である。
【図9】半導体ウェハの分断工程を示す斜視図である。
【符号の説明】
10…切断部、12…ワイヤーソー、18…半導体ウェハ、20…積層体、24…クランプ台、26…カメラ、28…ワークローラ、30…ワイヤー、32…クランピング板、34…クランプシャフト、36…スライス台、36−1…第1のスライス台、36−2…第2のスライス台、38…基準面、42…ワイヤーソーテーブルユニット、44…接着剤、46…オリエンテーションフラット、48…貼り付け台、48−1…第1の貼り付け台、48−2…第2の貼り付け台、50…溝、P…圧力
Claims (5)
- 半導体ウェハ(18)の積層体(20)を載置するスライス台(36)と、該積層体を挟持してその積層状態を保持する手段とを具備する半導体ウェハの積層治具において、
前記スライス台は、
前記半導体ウェハの積層方向に沿って分割された2以上の部材で構成される
ことを特徴とする半導体ウェハの積層治具。 - 半導体ウェハ(18)の積層体(20)を載置するスライス台(36)と、該スライス台を支持する貼り付け台(48)と、前記積層体を挟持してその積層状態を保持する手段とを具備する半導体ウェハの積層治具において、
前記貼り付け台は、
前記スライス台に固定された第1の部材と
前記第1の部材の下方に配設された第2の部材とで構成され、
前記第1の部材と前記第2の部材の接触面は、
斜面状に形成される
ことを特徴とする半導体ウェハの積層治具。 - 半導体ウェハ(18)を長さ方向に複数分割されたスライス台(36)上で複数積層して積層体(20)を形成する工程と、
前記スライス台上に形成された前記積層体の積層状態を保持する工程と、
前記積層状態を保持したまま前記スライス台の一部を該積層体から離隔する工程と、
前記離隔によって露出した前記積層体の外周面または前記離隔したスライス台に接着剤(44)を塗布する工程と、
前記接着剤の塗布後、前記離隔したスライス台を該離隔前の位置に戻して、該積層体を前記スライス台に固着する工程と、
前記積層体が前記スライス台に固着された状態で、該積層体を構成する前記半導体ウェハをワイヤーソー(12)により分断する工程と
を具備する半導体ウェハの製造方法。 - 第1の部材(48−1)と前記第1の部材の下方に配設された第2の部材(48−2)とで構成され、前記第1の部材と前記第2の部材の接触面が、斜面状に形成される貼り付け台(48)の前記第1の部材の上にスライス台(36)を固定する工程と、
前記貼り付け台に固定されたスライス台上で、半導体ウェハ(18)を複数積層して積層体(20)を形成する工程と、
前記スライス台上に形成された前記積層体を挟持して該積層体の積層状態を保持する工程と、
前記積層体を挟持したまま前記第1の部材を前記第2の部材との接触面に沿って斜め下方にスライドさせることによって前記貼り付け台を分割して、該積層体と前記スライス台との間に隙間を生じさせる工程と、
前記分割によって生じた隙間に接着剤(44)を注入する工程と、
前記分割した貼り付け台を分割前の位置に戻して、該積層体を前記スライス台に固着する工程と、
前記積層体が前記スライス台に固着された状態で、該積層体を構成する前記半導体ウェハをワイヤーソー(12)により分断する工程と
を具備する半導体ウェハの製造方法。 - 溝(50)を備えたスライス台(36)上で、半導体ウェハ(18)を複数積層して積層体(20)を形成する工程と、
前記スライス台上に形成された前記積層体の積層状態を保持する工程と、
前記積層状態を保持したまま前記溝に接着剤を注入して、前記積層体を前記スライス台に固着する工程と、
前記積層体が前記スライス台に固着された状態で、該積層体を構成する前記半導体ウェハをワイヤーソー(12)により分断する工程と
を具備する半導体ウェハの製造方法。
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