JP2009196001A - ウエハの作製方法 - Google Patents

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洋一 藤平
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Abstract

【課題】切断用ワイヤの断線を防いだ上で、1つの原石からより多くのウエハを取り出すこと。
【解決手段】端面が基準面31とされた切断用ベース30上に、基準面31と原石10の端面12とのなす角度が指定した切断角度θとなるように原石10を接着する接着工程と、切断用ベース30上に接着された原石10を間に挟むように、該原石10の両端面12に、平板状のカバーガラス46を貼付するカバー工程と、基準面31と平行に原石10を複数のワイヤ21で切断して、複数枚のウエハに分割する切断工程とを有するウエハの作製方法を提供する。
【選択図】図7

Description

本発明は、水晶等の原石を薄く切断してウエハを作製するウエハの作製方法に関するものである。
近年、携帯電話や携帯情報端末機器には、時刻源や制御信号のタイミング源、リファレンス信号源として水晶等を利用した圧電振動子が用いられている。この種の圧電振動子は、様々なものが知られており、例えば音叉型の圧電振動片を有するものや、厚み滑り振動する圧電振動片を有するもの等が知られている。
上述した圧電振動片は、所定の厚みに研磨加工された1枚のウエハから、フォトリソ技術を利用したエッチング加工によって作製されたものである。ところで、圧電振動片の元となるウエハは、円柱形状や直方体形状に形成された水晶等の原石(インゴット)を薄く切断することで、1枚1枚のウエハとして平板状に分割され形成されるのが一般的である。原石の切断方法としては、例えば特許文献1,2に示すように、ワイヤソーを利用して薄く切断する方法が知られている。
ところで、原石を切断する際には、通常、切断用ベース上に固定した状態で切断を行うが、その際、原石の面内結晶方位に合わせて切断する必要がある。つまり、切断用ベースの基準面と原石の端面とのなす角、いわゆる原石の切断角度(カットアングル)θ’(図9参照)の設定が重要となる。そのため、原石を切断用ベース上に固定する際には、切断用ベースの基準面に対して原石の端面を予め所定の角度だけ傾けた状態で原石を固定する必要がある。
ここで、図8,9に基づいて、従来の原石の切断方法を説明する。
図8,9に示すように、原石10を切断する際には、まず予め決められた指定の切断角度θ’に原石10を角度調整した状態で、端面を基準面101とする平板状の切断用ベース100上に原石10を接着する。その後、ワイヤソー式の切断装置にて原石10を切断する。切断装置には、図示しないローラに間隔を空けて複数列に亘ってワイヤ(切断用ワイヤ)110が巻回されており、このワイヤ110を走行させながら、原石10の上面13に向けて押圧する。そして、基準面101と平行に原石10を一括して切断することで、原石10がワイヤ110の配列方向(Y方向)に沿って複数枚に分割される(図9中鎖線参照)。これにより、1つの原石10から1枚1枚のウエハが作製されるようになっている。
特開平3−147504号公報 特開平10−128649号公報
ところで、原石10を切断する際には、1つの原石10から出来るだけ多くのウエハを取り出すために、出来るだけ多くのワイヤ110をローラに配列して切断している。
しかしながら、従来の原石の切断方法にあっては、原石10を切断する際に、切断装置のワイヤ110が断線する虞がある。つまり、原石10が基準面101に対して指定された切断角度θ’で傾けられた状態で固定されるのに対して、原石10はワイヤ110により基準面101に対して平行に切断される。そのため、原石10の短手方向(Y方向)の両端側では、一様な厚みを有する平板状のウエハを取り出すことができず、どうしても切れ端となって残存してしまう。つまり、この切れ端部分は、原石10の切断の際における捨て代S’であり、廃棄するだけの無駄な部分となってしまう。そこで、できるだけ捨て代S’を少なくするために、原石10の両端まで切断することが好ましいが、ワイヤ110が断線する虞があった。つまり、原石10の両端近傍まで切断してしまうと、捨て代S’が割れて破片となり、周囲に飛散する可能性がある。すると、ワイヤ110がこの飛散した破片を巻き込んでしまい、こすれ等によってワイヤ110が断線する虞がある。
そこで、このようなワイヤ110の断線を防止するため、原石10を両端近くまで切断せず、ある程度の厚みが残るように捨て代S’を残存させる必要があった。つまり、ワイヤ110の配列数を減少させてワイヤ110による原石10の切断領域を限定しなければならなかった。ところが、このような切断を行った場合は、1つの原石10から作製できるウエハの数が減少してしまい、製造効率が低下するという新たな問題が生じてしまっていた。
そこで、本発明は、このような事情に考慮してなされたもので、切断用ワイヤの断線を防いだ上で、1つの原石からより多くのウエハを取り出すことができるウエハの作製方法を提供するものである。
本発明は、前記課題を解決するために以下の手段を提供する。
本発明に係るウエハの作製方法は、平行に並んだ複数の切断用ワイヤにより直方体状の原石を切断して複数枚のウエハに分割するウエハの作製方法であって、端面が基準面とされた切断用ベース上に、前記基準面と前記原石の端面とのなす角度が指定した切断角度となるように前記原石を接着する接着工程と、前記切断用ベース上に接着された前記原石を間に挟むように、該原石の両端面に、平板状のカバー部材を貼付するカバー工程と、前記基準面と略平行に前記原石を前記複数の切断用ワイヤで切断して、複数枚の前記ウエハに分割する切断工程とを有することを特徴とするものである。
本発明に係るウエハの作製方法においては、まず、接着工程により原石を切断用ベース上に接着する。この際、原石の端面と切断用ベースの基準面とのなす角度が、指定した切断角度となるように角度調整した状態で接着する。その後、カバー工程により原石の両端面に該原石を挟み込むようにカバー部材を貼り付けることで、2枚のカバー部材の厚み分だけ原石の横幅を増すことができる。そして、切断工程により原石を複数の切断用ワイヤで切断して、複数枚のウエハに分割する。これにより、切断角度が調整されたウエハを得ることができる。
特に、原石の両端面には、カバー部材が貼り付けられているので、切断用ワイヤにより原石の両端近傍まで切断しても、カバー部材がそのまま捨て代の一部分になるため、原石が割れて飛散する虞がない。よって、切断用ワイヤが飛散した破片を巻き込むようなことがないため、切断用ワイヤの断線を防ぐことができる。なお、カバー部材の厚みを厚くするだけの簡単な方法で捨て代を大きくできるので、切断用ワイヤの切断をより確実に防止することができる。
しかも、切断用ワイヤの配列数を従来より増加して、原石を両端まで余すことなく切断することができるので、1つの原石からより多くのウエハを取り出すことができ、製造効率を向上させることができる。
本発明に係るウエハの作製方法は、上記ウエハの作製方法において、前記カバー工程の前に、前記原石の接着面に、前記切断用ベースの平面面積よりも小さな平面面積の固定用ベースを接着する固定用ベース接着工程を有することを特徴とするものである。
本発明に係るウエハの作製方法においては、切断用ワイヤの断線をより確実に防ぐことができる。
つまり、原石を確実に分割するには、切断用ベースに切断用ワイヤが多少切り込むように原石を切断しなければならない。そのため、切断用ワイヤが切断用ベースに切り込んだ瞬間に切断用ワイヤにかかる抵抗が急増して切断用ワイヤに多大な負荷がかかってしまう。その結果、切断用ワイヤが断線する虞がある。
これに対して、固定用ベースを介して原石を接着した場合には、切断用ベースではなく、平面面積が切断用ベースよりも小さい固定用ベースに切断用ワイヤを切り込ませることで、原石を確実に分割することができる。そのため、切断用ベースに原石を直接接着した場合に比べて、切断用ワイヤに作用する切断時の抵抗の変化を減少させることができる。したがって、切断用ワイヤの断線をより確実に防ぐことができる。
本発明に係るウエハの作製方法は、上記ウエハの作製方法において、前記固定用ベース接着工程の際、前記接着工程で利用する前記接着剤よりも接着強度の低い低強度接着剤を利用することを特徴とするものである。
本発明に係るウエハの作製方法においては、原石と固定用ベースとを接着工程で使用した接着剤より接着強度の低い低強度接着剤を介して接着するので、固定用ベースから切断後の原石、すなわちウエハを容易に剥離することができる。これにより、ウエハに接着剤が残存しにくいので、残存した接着剤を除去する等の手間を省くことができる。
本発明に係るウエハの作製方法は、上記ウエハの作製方法において、前記固定用ベース接着工程の際、前記固定用ベースとして、前記原石の両端面から少なくとも前記カバー部材の厚み分だけ外方に延在するサイズのベースを接着することを特徴とするものである。
本発明に係るウエハの作製方法においては、カバー部材を貼り付ける両端側に、固定用ベースが延在しているので、カバー部材を固定用ベース上に載置した状態で貼り付けることができる。したがって、ガタツキ等なく、より強固にカバー部材を貼り付けることができる。
本発明に係るウエハの作製方法によれば、切断用ワイヤの断線を防いだ上で、1つの原石からより多くのウエハを取り出すことができ、製造効率を向上させることができる。
このように、指定された切断角度に調整された原石からより多くのウエハを取り出すことができるので、面内結晶方位が正確に調整された高品質なウエハをより多く作製することができる。したがって、このウエハから複数の圧電振動片を作製した場合には、振動特性が理想的な高品質の圧電振動片を1つの原石からより多く得ることができる。
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下に示す各図においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材ごとに縮尺を異ならせてある。
(切断装置)
まず、図1に基づいて原石の切断装置について説明する。
図1(a)に示すように、本実施形態の切断装置24は、ワイヤソー式の切断装置であって、原石10がセットされる図示しないステージと、原石10の上方に配置された回転可能な複数のローラ20と、これらローラ20間に巻回されたワイヤ(切断用ワイヤ)21とを備えている。
原石10は、水晶、タンタル酸リチウムやニオブ酸リチウム等からなる直方体形状のものであり、その下面が接着面11として構成されている。なお、原石10は、後述する切断用ベース30上に接着された状態で切断装置24のステージにセットされる。
各ローラ20は、Y方向に延びる円柱形状のものであり、原石10の幅方向(X方向)両側から原石10を挟むように配置されている。また、ローラ20は、ワイヤ21が巻回された状態でZ軸方向に上下動可能に構成されている。
ワイヤ21は、線径が約160μmの高張力線等からなり、ワイヤ21の供給源(不図示)から供給され、ローラ20間を走行するように構成されている。ワイヤ21は、ローラ20の軸方向(Y方向)に沿って並ぶように複数列に亘って巻回されている。具体的には、ワイヤ21は、各ローラ20間において原石10の上面13と略平行に架け渡されており、それぞれが等間隔で平行に配列されている。そして、各ローラ20間のワイヤ21が架け渡された領域が、原石10と接触して切断を行う接触領域22となっている。
また、各ローラ20間であって、接触領域22を挟んで原石10の反対側には、接触領域22に向けて切削液を供給する図示しない切削液手段が設けられている。なお、切削液としては、砥粒にラッピングオイルを適量配合した液を使用する。この砥粒としては、平均粒径が約12μm程度の炭化珪素(SiC)が慣用される。なお、切削液は、常温を保つように温度管理されている。
この切断装置24では、後述する切断工程において、ローラ20の軸方向に沿って巻回されたワイヤ21によって原石10を一括して切断することで、原石10がワイヤ21の配列方向(Y方向)に沿って複数枚に分割される。
これにより、図1(b)に示すように、1つの原石10(図1(a)参照)から1枚1枚のウエハWに分割されるようになっている。なお、本実施形態のウエハWは、矩形平板状のものであり、厚さが例えば約220μmに形成されている。
(ウエハの作製方法)
次に、図2〜8に基づいて、ウエハの作製方法を説明する。
まず、図2,3に示すように、固定用ベース40を用意し、この固定用ベース40上に原石10を接着する(固定用ベース接着工程)。固定用ベース40は、ソーダライムガラスからなる平板状のものであり、その上面41の面積が原石10の接着面11の面積よりも大きく形成されている。具体的には、固定用ベース40のY方向における長さが原石10のY方向における長さよりも長く形成される一方、固定用ベース40のX方向における長さは原石10のX方向における長さと同等に形成されている。このように、固定用ベース40としては、原石10の両端面12からY方向に延在するようなサイズのベースを用いることが好ましい。
固定用ベース接着工程では、固定治具50を用いて原石10と固定用ベース40との位置決めを行いながら接着固定する。
固定治具50は、固定用ベース40が載置される平板状のステージ51と、固定用ベース40と原石10との位置合わせを行う調整機構52とを備えている。調整機構52は、固定用ベース調整部53と、原石調整部54とを備えている。
固定用ベース調整部53は、ステージ51の表面からZ方向に向けて立設した直方体形状のものであり、その側面53aに固定用ベース40の端面42を当接させて固定用ベース40の位置決めを行うものである。原石調整部54は、固定用ベース調整部53の先端からY方向に向けて延出しており、その端面54aに原石10の端面12を当接させて固定用ベース40上において原石10の位置決めを行うものである。また、原石調整部54は、固定用ベース調整部53上をY方向に沿って移動可能に構成されており、固定用ベース調整部53の側面53aから原石調整部54の端面54aのY方向における突出量Dを調整できるようになっている。本実施形態において、突出量Dは5mm程度に調整されている。
固定用ベース接着工程では、まず固定用ベース調整部53の側面53aに固定用ベース40の端面42を当接させた状態で、ステージ51上に固定用ベース40を載置する。次に、原石10の接着面11に低強度接着剤を塗布した後、固定用ベース40の上面41に載置する。この時、原石10の端面12を原石調整部54の端面54aに当接させるように、固定用ベース40上に原石10を載置することで、固定用ベース40上で原石10が位置決めされる。その後、低強度接着剤を乾燥させ、固定用ベース40上に原石10を接着固定する。
これにより、固定用ベース40の端面42が、原石10の両端面12からそれぞれY方向に沿って突出量Dだけ延在した状態で、原石10と固定用ベース40とが接着固定される。なお、低強度接着剤は、後述する接着工程に用いる接着剤に比べて接着強度が低いものである。
次に、固定用ベース40の下面に図示しない接着剤を塗布する(接着剤塗布工程)。具体的には、上述した低強度接着剤の接着強度よりも接着強度の高い接着剤を用い、固定用ベース40の下面全体に均一に塗布する。
図4,5に示すように、上述した切断装置24のステージ(不図示)にセットする切断用ベース30を用意する。この切断用ベース30は、上述した固定用ベース40と同様にソーダライムガラス等からなる平板状のものであり、X方向に沿う端面を基準面31として設定している。また、切断用ベース30の平面面積は、固定用ベース40の平面面積よりも大きく形成されており、固定用ベース40との接着面として構成されている。つまり、原石10は、切断用ベース30の平面面積よりも小さな平面面積の固定用ベース40を介して、切断用ベース30上に接着される。なお、平面面積とは、切断用ベース30及び固定用ベース40、原石10におけるそれぞれの接着面の面積とする。
そして、接着剤が塗布された固定用ベース40を切断用ベース30上に載置し、原石10の角度調整を行う(調整工程)。まずX線回析法等により、原石10の切断角度θの測定を行う(図4,5中鎖線参照)。続いて、原石10のXZ平面の端面12にX線を照射しつつ、原石10の端面12と切断用ベース30の基準面31とのなす角が指定の切断角度θになるように測定を行う。なお、この切断角度θは、例えば1〜2度に設定することが好ましい。そして、切断角度θの測定を行いながら、原石10をZ軸回りに回転させて指定の切断角度θになるように原石10の位置を微調整する。
次に、原石10の角度調整を行った後、接着剤を乾燥させて切断用ベース30上に固定用ベース40を接着する(接着工程)。この接着工程では、原石10を切断用ベース30に向けて押し付けた状態で接着剤を乾燥させることが好ましい。これにより、接着剤が固定用ベース40に押圧され、切断用ベース30と固定用ベース40との間に均一に行渡りつつ、切断用ベース30と固定用ベース40とが接着固定される。また、固定用ベース40がずれにくい上、固定用ベース40と切断用ベース30とを圧着することができる。したがって、高精度に角度調整された原石10を強固に接着することができる。
次に、図6に示すように、カバーガラス(カバー部材)46を用意し、固定用ベース40を介して切断用ベース30上に接着固定された原石10の両端面12に、カバーガラス46を貼り付ける(カバー工程)。カバーガラス46は、上述した固定用ベース40と同様にソーダライムガラス等からなる平板状のものであり、幅方向(X方向)及び高さ方向(Z方向)における長さが、原石10のX方向及びZ方向の長さと同等に形成されている。また、カバーガラス46の厚み(Y方向)は、上述した原石10の端面からの固定用ベース40の端面42の突出量Dと同等に形成されている。つまり、本実施形態では、カバーガラス46の厚みが5mm程度に形成されている。
カバー工程では、原石10を間に挟むように、原石10の両端面12に低強度接着剤を用いてカバーガラス46をそれぞれ接着する。具体的には、カバーガラス46のXZ方向における表面を原石10の端面12に、カバーガラス46のXY方向における表面を固定用ベース40の上面41に接着する。これにより、固定用ベース40の端面42及びカバーガラス46と原石10の上面13とカバーガラス46とがそれぞれ面一の状態で接着される。つまり、原石10、固定用ベース40及びカバーガラス46のそれぞれが接着されて、直方体形状に構成される。なお、カバー工程で用いる接着剤は、接着工程で用いる接着剤と同様の接着剤を用いても構わない。
接着剤の硬化後、図1(a),7に示すように、基準面31と平行(X方向)に原石10をワイヤ21で切断して、複数枚のウエハW(図1(b)参照)に分割する(切断工程)。具体的には、まず切削液供給手段から切削液を供給しつつ、ローラ20を回転させワイヤ21を走行させる。そして、ワイヤ21を走行させながら、ローラ20及びワイヤ21を原石10の切断位置まで下降させる(図1(a)矢印参照)。そして、ワイヤ21の接触領域22を原石10の高さ方向(Z方向)に押圧させながら、ローラ20及びワイヤ21を下降させ続けることで、原石10が高さ方向に沿って切断される。
ここで、本実施形態では、切断工程に先立って、上述したカバー工程において原石10の両端面12にカバーガラス46を貼り付けることで、原石10のY方向における厚み(横幅)をカバーガラス46により確保することができる。これにより、切断工程においてカバーガラス46がダミーとなり、そのまま捨て代Sの一部分になるため、原石10の厚みとカバーガラス46の厚みとの厚み分を捨て代Sとして確保することができる。そのため、原石10の両端近傍までワイヤ21を配列した状態で、原石10の切断を行うことができる。
その後、接着剤の剥離液を用い切断用ベース30と固定用ベース40及び固定用ベース40と原石10とをそれぞれ剥離する。この時、原石10と固定用ベース40とを接着剤より接着強度の低い低強度接着剤を用いて接着し、この状態で切断用ベース30上に固定用ベース40を介して原石10を固定する。これにより、固定用ベース40から切断後の原石10、すなわちウエハW(図1(b)参照)を容易に剥離することができる。これにより、原石10の接着面11に接着剤が残存することがないため、接着面11を良好な状態に保つことができる。また、ウエハWに接着剤が残存しにくいので、残存した接着剤を除去する等の手間を省くことができ、製造効率をより高めることができる。
以上により、図1(b)に示すように、原石10から1枚1枚のウエハWが取り出される。
したがって、上述の実施形態によれば、まず、接着工程により原石10を固定用ベース40を介して切断用ベース30上に接着する。この際、原石10の端面12と切断用ベース30の基準面31とのなす角度が、指定した切断角度θとなるように角度調整した状態で接着する。その後、カバー工程により原石10の両端面12に該原石10を挟み込むようにカバーガラス46を貼り付けることで、2枚のカバーガラス46の厚み分だけ原石10の横幅を増すことができる。そして、切断工程により原石10を複数のワイヤ21で切断して、複数枚のウエハWに分割する。これにより、切断角度θが調整されたウエハWを得ることができる。
特に、原石10の両端面12には、カバーガラス46が貼り付けられているので、ワイヤ21により原石10の両端近傍まで切断しても、カバーガラス46がそのまま捨て代Sの一部分になるため、原石10が割れて飛散する虞がない。よって、ワイヤ21が飛散した破片を巻き込むようなことがないため、ワイヤ21の断線を防ぐことができる。なお、カバーガラス46の厚みを厚くするだけの簡単な方法で捨て代Sを大きくできるので、ワイヤ21の切断をより確実に防止することができる。
しかも、ワイヤ21の配列数を従来より増加して、原石10を両端まで余すことなく切断することができるので、1つの原石10からより多くのウエハWを取り出すことができ、製造効率を向上させることができる。
さらに、カバーガラス46を貼り付ける原石10の両端側に、カバーガラス46の厚み分だけ固定用ベース40が延在しているので、カバーガラス46を固定用ベース40上に載置した状態で貼り付けることができる。したがって、ガタツキ等なく、より強固にカバーガラス46を貼り付けることができる。
ところで、原石10を確実に分割するには、切断用ベース30にワイヤ21が多少切り込むように原石10を切断しなければならない。そのため、ワイヤ21が切断用ベース30に切り込んだ瞬間にワイヤ21にかかる抵抗が急増してワイヤ21に多大な負荷がかかってしまう。その結果、ワイヤ21が断線する虞がある。
これに対して、本実施形態のように、固定用ベース40を介して原石10を接着した場合には、切断用ベース30ではなく、平面面積が切断用ベース30よりも小さい固定用ベース40にワイヤ21を切り込ませることで、原石10を確実に分割することができる。そのため、切断用ベース30に原石10を直接接着した場合に比べて、ワイヤ21に作用する切断時の抵抗の変化を減少させることができる。したがって、ワイヤ21の断線をより防ぐことができる。
このように、指定された切断角度θに調整された原石10からより多くのウエハWを取り出すことができるので、面内結晶方位が正確に調整された高品質なウエハWをより多く作製することができる。したがって、このウエハWから複数の圧電振動片を作製した場合には、振動特性が理想的な高品質の圧電振動片を1つの原石10からより多く得ることができる。
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、カバーガラスの厚み、固定用ベースの突出量等は、適宜設計変更が可能である。
また、上述の実施形態においては、原石を固定用ベースを介して切断用ベースに接着する場合について説明したが、原石にカバー部材を取り付けた後、固定用ベースを介さずに直接切断用ベースに接着してもよい。
(a)は切断装置を示す概略構成図であり、(b)はウエハの斜視図である。 本発明の実施形態における固定用ベース接着工程を示す工程図である。 本発明の実施形態における固定用ベース接着工程を示す工程図である。 本発明の実施形態における調整工程を示す工程図である。 図4のA矢視図であり、調整工程を示す工程図である。 本発明の実施形態におけるカバー工程を示す工程図である。 図6のB矢視図であり、本発明の実施形態における切断工程を示す工程図である。 従来における切断用ベース上に原石が接着固定された状態を示す斜視図である。 図8のC矢視図であり、従来における原石の切断方法を示す工程図である。
符号の説明
10原石 12端面 30切断用ベース 31基準面 33線材 40固定用ベース 44接着剤 Wウエハ θ切断角度

Claims (4)

  1. 平行に並んだ複数の切断用ワイヤにより直方体状の原石を切断して複数枚のウエハに分割するウエハの作製方法であって、
    端面が基準面とされた切断用ベース上に、前記基準面と前記原石の端面とのなす角度が指定した切断角度となるように前記原石を接着する接着工程と、
    前記切断用ベース上に接着された前記原石を間に挟むように、該原石の両端面に、平板状のカバー部材を貼付するカバー工程と、
    前記基準面と略平行に前記原石を前記複数の切断用ワイヤで切断して、複数枚の前記ウエハに分割する切断工程とを有することを特徴とするウエハの作製方法。
  2. 前記カバー工程の前に、前記原石の接着面に、前記切断用ベースの平面面積よりも小さな平面面積の固定用ベースを接着する固定用ベース接着工程を有することを特徴とする請求項1記載のウエハ作製方法。
  3. 前記固定用ベース接着工程の際、前記接着工程で利用する前記接着剤よりも接着強度の低い低強度接着剤を利用することを特徴とする請求項2記載のウエハの作製方法。
  4. 前記固定用ベース接着工程の際、前記固定用ベースとして、前記原石の両端面から少なくとも前記カバー部材の厚み分だけ外方に延在するサイズのベースを接着することを特徴とする請求項2または請求項3記載のウエハの作製方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH0550422A (ja) * 1991-08-20 1993-03-02 Sumitomo Metal Ind Ltd マルチワイヤソーによる切断方法
JPH091544A (ja) * 1995-06-20 1997-01-07 Meidensha Corp マルチワイヤソー用治具

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