JP2009196001A - ウエハの作製方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】端面が基準面31とされた切断用ベース30上に、基準面31と原石10の端面12とのなす角度が指定した切断角度θとなるように原石10を接着する接着工程と、切断用ベース30上に接着された原石10を間に挟むように、該原石10の両端面12に、平板状のカバーガラス46を貼付するカバー工程と、基準面31と平行に原石10を複数のワイヤ21で切断して、複数枚のウエハに分割する切断工程とを有するウエハの作製方法を提供する。
【選択図】図7
Description
図8,9に示すように、原石10を切断する際には、まず予め決められた指定の切断角度θ’に原石10を角度調整した状態で、端面を基準面101とする平板状の切断用ベース100上に原石10を接着する。その後、ワイヤソー式の切断装置にて原石10を切断する。切断装置には、図示しないローラに間隔を空けて複数列に亘ってワイヤ(切断用ワイヤ)110が巻回されており、このワイヤ110を走行させながら、原石10の上面13に向けて押圧する。そして、基準面101と平行に原石10を一括して切断することで、原石10がワイヤ110の配列方向(Y方向)に沿って複数枚に分割される(図9中鎖線参照)。これにより、1つの原石10から1枚1枚のウエハが作製されるようになっている。
しかしながら、従来の原石の切断方法にあっては、原石10を切断する際に、切断装置のワイヤ110が断線する虞がある。つまり、原石10が基準面101に対して指定された切断角度θ’で傾けられた状態で固定されるのに対して、原石10はワイヤ110により基準面101に対して平行に切断される。そのため、原石10の短手方向(Y方向)の両端側では、一様な厚みを有する平板状のウエハを取り出すことができず、どうしても切れ端となって残存してしまう。つまり、この切れ端部分は、原石10の切断の際における捨て代S’であり、廃棄するだけの無駄な部分となってしまう。そこで、できるだけ捨て代S’を少なくするために、原石10の両端まで切断することが好ましいが、ワイヤ110が断線する虞があった。つまり、原石10の両端近傍まで切断してしまうと、捨て代S’が割れて破片となり、周囲に飛散する可能性がある。すると、ワイヤ110がこの飛散した破片を巻き込んでしまい、こすれ等によってワイヤ110が断線する虞がある。
本発明に係るウエハの作製方法は、平行に並んだ複数の切断用ワイヤにより直方体状の原石を切断して複数枚のウエハに分割するウエハの作製方法であって、端面が基準面とされた切断用ベース上に、前記基準面と前記原石の端面とのなす角度が指定した切断角度となるように前記原石を接着する接着工程と、前記切断用ベース上に接着された前記原石を間に挟むように、該原石の両端面に、平板状のカバー部材を貼付するカバー工程と、前記基準面と略平行に前記原石を前記複数の切断用ワイヤで切断して、複数枚の前記ウエハに分割する切断工程とを有することを特徴とするものである。
特に、原石の両端面には、カバー部材が貼り付けられているので、切断用ワイヤにより原石の両端近傍まで切断しても、カバー部材がそのまま捨て代の一部分になるため、原石が割れて飛散する虞がない。よって、切断用ワイヤが飛散した破片を巻き込むようなことがないため、切断用ワイヤの断線を防ぐことができる。なお、カバー部材の厚みを厚くするだけの簡単な方法で捨て代を大きくできるので、切断用ワイヤの切断をより確実に防止することができる。
しかも、切断用ワイヤの配列数を従来より増加して、原石を両端まで余すことなく切断することができるので、1つの原石からより多くのウエハを取り出すことができ、製造効率を向上させることができる。
つまり、原石を確実に分割するには、切断用ベースに切断用ワイヤが多少切り込むように原石を切断しなければならない。そのため、切断用ワイヤが切断用ベースに切り込んだ瞬間に切断用ワイヤにかかる抵抗が急増して切断用ワイヤに多大な負荷がかかってしまう。その結果、切断用ワイヤが断線する虞がある。
これに対して、固定用ベースを介して原石を接着した場合には、切断用ベースではなく、平面面積が切断用ベースよりも小さい固定用ベースに切断用ワイヤを切り込ませることで、原石を確実に分割することができる。そのため、切断用ベースに原石を直接接着した場合に比べて、切断用ワイヤに作用する切断時の抵抗の変化を減少させることができる。したがって、切断用ワイヤの断線をより確実に防ぐことができる。
このように、指定された切断角度に調整された原石からより多くのウエハを取り出すことができるので、面内結晶方位が正確に調整された高品質なウエハをより多く作製することができる。したがって、このウエハから複数の圧電振動片を作製した場合には、振動特性が理想的な高品質の圧電振動片を1つの原石からより多く得ることができる。
(切断装置)
まず、図1に基づいて原石の切断装置について説明する。
図1(a)に示すように、本実施形態の切断装置24は、ワイヤソー式の切断装置であって、原石10がセットされる図示しないステージと、原石10の上方に配置された回転可能な複数のローラ20と、これらローラ20間に巻回されたワイヤ(切断用ワイヤ)21とを備えている。
原石10は、水晶、タンタル酸リチウムやニオブ酸リチウム等からなる直方体形状のものであり、その下面が接着面11として構成されている。なお、原石10は、後述する切断用ベース30上に接着された状態で切断装置24のステージにセットされる。
ワイヤ21は、線径が約160μmの高張力線等からなり、ワイヤ21の供給源(不図示)から供給され、ローラ20間を走行するように構成されている。ワイヤ21は、ローラ20の軸方向(Y方向)に沿って並ぶように複数列に亘って巻回されている。具体的には、ワイヤ21は、各ローラ20間において原石10の上面13と略平行に架け渡されており、それぞれが等間隔で平行に配列されている。そして、各ローラ20間のワイヤ21が架け渡された領域が、原石10と接触して切断を行う接触領域22となっている。
これにより、図1(b)に示すように、1つの原石10(図1(a)参照)から1枚1枚のウエハWに分割されるようになっている。なお、本実施形態のウエハWは、矩形平板状のものであり、厚さが例えば約220μmに形成されている。
次に、図2〜8に基づいて、ウエハの作製方法を説明する。
まず、図2,3に示すように、固定用ベース40を用意し、この固定用ベース40上に原石10を接着する(固定用ベース接着工程)。固定用ベース40は、ソーダライムガラスからなる平板状のものであり、その上面41の面積が原石10の接着面11の面積よりも大きく形成されている。具体的には、固定用ベース40のY方向における長さが原石10のY方向における長さよりも長く形成される一方、固定用ベース40のX方向における長さは原石10のX方向における長さと同等に形成されている。このように、固定用ベース40としては、原石10の両端面12からY方向に延在するようなサイズのベースを用いることが好ましい。
固定治具50は、固定用ベース40が載置される平板状のステージ51と、固定用ベース40と原石10との位置合わせを行う調整機構52とを備えている。調整機構52は、固定用ベース調整部53と、原石調整部54とを備えている。
固定用ベース調整部53は、ステージ51の表面からZ方向に向けて立設した直方体形状のものであり、その側面53aに固定用ベース40の端面42を当接させて固定用ベース40の位置決めを行うものである。原石調整部54は、固定用ベース調整部53の先端からY方向に向けて延出しており、その端面54aに原石10の端面12を当接させて固定用ベース40上において原石10の位置決めを行うものである。また、原石調整部54は、固定用ベース調整部53上をY方向に沿って移動可能に構成されており、固定用ベース調整部53の側面53aから原石調整部54の端面54aのY方向における突出量Dを調整できるようになっている。本実施形態において、突出量Dは5mm程度に調整されている。
これにより、固定用ベース40の端面42が、原石10の両端面12からそれぞれY方向に沿って突出量Dだけ延在した状態で、原石10と固定用ベース40とが接着固定される。なお、低強度接着剤は、後述する接着工程に用いる接着剤に比べて接着強度が低いものである。
以上により、図1(b)に示すように、原石10から1枚1枚のウエハWが取り出される。
しかも、ワイヤ21の配列数を従来より増加して、原石10を両端まで余すことなく切断することができるので、1つの原石10からより多くのウエハWを取り出すことができ、製造効率を向上させることができる。
これに対して、本実施形態のように、固定用ベース40を介して原石10を接着した場合には、切断用ベース30ではなく、平面面積が切断用ベース30よりも小さい固定用ベース40にワイヤ21を切り込ませることで、原石10を確実に分割することができる。そのため、切断用ベース30に原石10を直接接着した場合に比べて、ワイヤ21に作用する切断時の抵抗の変化を減少させることができる。したがって、ワイヤ21の断線をより防ぐことができる。
例えば、カバーガラスの厚み、固定用ベースの突出量等は、適宜設計変更が可能である。
また、上述の実施形態においては、原石を固定用ベースを介して切断用ベースに接着する場合について説明したが、原石にカバー部材を取り付けた後、固定用ベースを介さずに直接切断用ベースに接着してもよい。
Claims (4)
- 平行に並んだ複数の切断用ワイヤにより直方体状の原石を切断して複数枚のウエハに分割するウエハの作製方法であって、
端面が基準面とされた切断用ベース上に、前記基準面と前記原石の端面とのなす角度が指定した切断角度となるように前記原石を接着する接着工程と、
前記切断用ベース上に接着された前記原石を間に挟むように、該原石の両端面に、平板状のカバー部材を貼付するカバー工程と、
前記基準面と略平行に前記原石を前記複数の切断用ワイヤで切断して、複数枚の前記ウエハに分割する切断工程とを有することを特徴とするウエハの作製方法。 - 前記カバー工程の前に、前記原石の接着面に、前記切断用ベースの平面面積よりも小さな平面面積の固定用ベースを接着する固定用ベース接着工程を有することを特徴とする請求項1記載のウエハ作製方法。
- 前記固定用ベース接着工程の際、前記接着工程で利用する前記接着剤よりも接着強度の低い低強度接着剤を利用することを特徴とする請求項2記載のウエハの作製方法。
- 前記固定用ベース接着工程の際、前記固定用ベースとして、前記原石の両端面から少なくとも前記カバー部材の厚み分だけ外方に延在するサイズのベースを接着することを特徴とする請求項2または請求項3記載のウエハの作製方法。
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Citations (2)
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JPH0550422A (ja) * | 1991-08-20 | 1993-03-02 | Sumitomo Metal Ind Ltd | マルチワイヤソーによる切断方法 |
JPH091544A (ja) * | 1995-06-20 | 1997-01-07 | Meidensha Corp | マルチワイヤソー用治具 |
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2008
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