JP5116195B2 - ガス分離精製方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガスの分離精製装置およびその運転方法に関し、詳しくは、付加価値の高いガスを回収して精製する装置およびその運転方法であって、特に、半導体製造装置などの雰囲気ガスとして使用される付加価値の高いヘリウム、ネオン、クリプトン、キセノンなどの希ガスを回収再利用するのに最適な分離精製装置およびその運転方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体集積回路、液晶パネル、太陽電池パネル、磁気ディスクなどの半導体製品を製造する工程では、不活性ガス中でプラズマを発生させ、該プラズマによって半導体製品の各種処理を行なう装置、例えばスパッタリング装置、プラズマCVD装置、リアクティブイオンエッチング装置などが広く用いられている。
このような処理装置では、処理の対象となる基体などを処理チャンバ内に送入するときはチャンバ内を窒素ガス雰囲気としておき、プラズマ処理を行なう時点で希ガスのみ、もしくは反応に寄与するガスと希ガスとをチャンバ内に流して高周波放電などによりプラズマを発生させて処理を行ない、次いで窒素ガスを流して基体を取り出す枚葉処理といわれる方法で運転する。例えばプラズマ酸化などの処理では、反応に寄与するガスとして、若干量の酸素が使用される。
このような処理において使用される希ガスとしては、従来は主としてアルゴンが用いられてきたが、近年は、より高精密でかつプラズマダメージを防止するためにイオン化ポテンシャルの低いクリプトンやキセノンが注目されてきている。
クリプトンやキセノンは、空気中の存在比が極めて小さいこと、および分離工程が複雑なことから極めて高価である。したがって、このようなガスを使用するプロセスは、使用済みのガスを回収して精製し、高効率で循環使用することを前提として初めて経済性を持つ。回収したクリプトンやキセノンは不純物濃度が少なくとも100ppm以下の高純度下で使用される。
分離精製の対象となる希ガスを含む混合ガスは、主として希ガスと窒素とからなり、プラズマ酸化ではこれに数%の酸素が含まれたものとなる。また、プラズマCVDでは金属水素化物系ガスが含まれたものとなり、リアクティブイオンエッチングではハロゲン化炭化水素系ガスが含まれたものとなる。さらに、微量の不純物や反応副生成物として、水分、一酸化炭素、二酸化炭素、水素、炭化水素などが含まれることもある。
【0003】
原料ガスより目的とするガスを分離回収する方法としては、圧力変動吸着分離(PSA)法がある。
例えば、空気を原料として酸素を製品として得ようとする場合には、ゼオライトを吸着剤として用いて加圧下で空気を流通させることによって、易吸着成分である窒素が吸着剤側に固定され、難吸着成分である酸素が吸着剤層より流出する。
次いで、吸着剤層を空気の流通工程より十分に低い圧力条件下におけば、吸着剤に固定されていた窒素が脱離する。
相対的に高い圧力での吸着操作と相対的に低い圧力での再生操作を繰り返すPSA操作は、短時間での吸着-再生の切り替えが可能なため、吸着剤あたりの製品発生量を高めやすく、装置をコンパクトにしやすいという利点を持つ。
なお、この場合、目的とするガス成分は酸素ガスであり、原料となる空気中の酸素濃度は一定である。ある流量の製品酸素を得ようとする場合には、適宜圧縮機を選定して、製品酸素の取り出し量および純度に応じて設計した吸着剤層に、原料を一定流量で流通させていた。
既存のPSA装置を用いて製品酸素の純度を高める場合は、吸着剤層への流通量を一定とした吸着操作条件下において取り出し製品量を減少させていた。
すなわち、従来のPSA装置では、必要とする製品ガスの流量および純度に応じた吸着剤層を設計・選定し、その中に一定濃度の原料を一定流量で流通させることによって、製品を得ていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前述したように、半導体製品の製造装置で使用された希ガス含有ガス(排ガス)を原料とする場合には、製造装置の状態によって排ガス流量およびその中の希ガス濃度が変動する。
例えば、処理の対象となる基体を処理チャンバ内に送入する前には、チャンバ内に窒素ガスを流通させながら真空排気することにより、チャンバ内を清浄な窒素雰囲気とする。その後、基体をチャンバ内に送入する。この時、清浄な窒素雰囲気を保持するため、窒素ガスの通気と真空排気は継続されて行われている。したがって、基体の送入前および送入時に排気されるガスはそのほとんどが窒素ガスである。
その後、窒素ガスから希ガスに流通ガスが切り替わり、処理チャンバ内が希ガス雰囲気になってから高周波放電などによりプラズマを発生させて処理を行なう。
すなわち、プラズマ処理が行なわれている時、処理チャンバから排気されるガスは希ガスがそのほとんどの成分を占める。次いで、高周波印加を停止してプラズマを停止し、流通ガスを窒素ガスに切り替えた後、基体を取り出す。プラズマ停止から基体が搬出される間に排気されるガスは窒素ガスである。
また、真空排気システムからの不純物の逆拡散防止のため、処理チャンバと真空排気システムの間には常時窒素ガスが通気されている。この窒素ガスは処理チャンバから排気されたガスとともに排気される。さらに、真空ポンプの軸受け部からの大気巻き込みを防止するため、窒素ガスが軸受け部に通気され、その一部は真空排気系内部に導入され、排気される。
【0005】
以上述べたように、基体の処理チャンバへの搬入および搬出時、並びに処理チャンバの待機時に排気されるガスのほとんどの成分は窒素ガスであり、一方、プラズマ処理時の排気ガスは窒素と希ガスを含むものとなる。なお、それぞれの排気時におけるガス圧力は大気圧である。
したがって、処理チャンバでプラズマ処理が終了して窒素ガス流通が行なわれても、排気ガス中の希ガス量が速やかに減少することはない。すなわち、処理チャンバ内の雰囲気と排気ガスの成分濃度の変化には時間遅れが生じ、その結果、排気ガス中の希ガス濃度は常時変動することになる。さらに、処理チャンバへ流通する窒素ガスと希ガスの流量は必ずしも一致しない。これは、プラズマ処理時と基体の搬入搬出時に排気されるガス総量が変化することを意味する。
プラズマ処理時間は半導体製品によって異なる。例えば、希ガス中に数%の酸素ガスを添加して行なわれるプラズマ酸化処理の場合、その形成する酸化膜厚に応じて処理時間は1分から5分の間で決定される。しかも、酸化膜厚は数枚、もしくは数10枚毎に異なることがあるため、その結果、排気ガス中の最大希ガス濃度およびその時間は数10分から数10時間毎に大幅に変動する場合がある。
このように、流量および/または希ガス濃度が逐次変動するような原料ガスから目的とする希ガスを分離・精製するために、従来のPSAシステムを用いると、PSAシステムに導入される原料ガス量と製品ガス量が一致しないため、連続長時間運転を行なうと吸着圧力が高くなりすぎたり、低くなりすぎたりして、その結果、その運転状態が不安定になるという問題があった。そのため、製品希ガスの純度が極端に低下したり、希ガス回収率が安定しないという問題があった。
そこで、本発明は、半導体製品の製造装置などの雰囲気ガスとして使用されるクリプトン、キセノンなどの高付加価値ガスのガスを含む混合ガスを原料ガスとしてPSAプロセスによって回収するに当たって、原料ガス流量や原料ガス中の高付加価値ガス濃度が経時的に変動した場合でも、ガス分離精製装置を安定して運転し、かつ高付加価値ガスを高効率で精製、回収することができるガス分離精製装置およびその運転方法を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明のガス分離精製方法は、希ガスとしてヘリウム、ネオン、クリプトン、キセノンをいずれか一または二以上含む混合ガスを原料ガスとして、前記原料ガスを前段の圧力変動吸着分離装置と後段の圧力変動吸着分離装置とにより精製し製品ガスとするガス分離精製方法において、前記前段の圧力変動吸着分離装置が平衡吸着量差に基づいて原料ガスのガス成分を分離する平衡型圧力変動吸着分離装置であり、前記後段の圧力変動吸着分離装置が吸着速度差に基づいて原料ガスのガス成分を分離する速度型圧力変動吸着分離装置であり、製品ガス中の希ガス成分濃度又は製品ガス中の希ガス以外の成分濃度を計測し、該計測値に応じて製品ガスの導出量を制御する工程と、前記後段の圧力変動吸着分離装置の吸着工程における吸着塔内のガス圧力に応じて、前記後段の圧力変動吸着分離装置に導入するガスの流量を制御する工程と、前記前段の圧力変動吸着分離装置の吸着工程における吸着塔内のガス圧力に応じて、前記前段の圧力変動吸着分離装置から系外に放出する排ガスの流量を制御する工程と、を行うことによって前記製品ガス中の希ガス成分濃度を一定に維持しつつ、前記原料ガス中の希ガスの回収率を高くすることを特徴とする。
また、希ガスとしてヘリウム、ネオン、クリプトン、キセノンをいずれか一または二以上含む混合ガスを原料ガスとして、前記原料ガスを前段の圧力変動吸着分離装置と後段の圧力変動吸着分離装置とにより精製し製品ガスとするガス分離精製方法において、前記前段の圧力変動吸着分離装置が平衡吸着量差に基づいて原料ガスのガス成分を分離する平衡型圧力変動吸着分離装置であり、前記後段の圧力変動吸着分離装置が吸着速度差に基づいて原料ガスのガス成分を分離する速度型圧力変動吸着分離装置であり、前記原料ガスの流量を検出し、該検出信号に応じて、製品ガスの導出量及び前記前段の圧力変動吸着分離装置から系外に放出する排ガスの流量を制御する工程と、前記後段の圧力変動吸着分離装置の吸着工程における吸着塔内のガス圧力に応じて、前記後段の圧力変動吸着分離装置に導入するガスの流量を制御する工程と、を行うことによって前記製品ガス中の希ガス成分濃度を一定に維持しつつ、前記原料ガス中の希ガスの回収率を高くすることを特徴とする。
また、希ガスとしてヘリウム、ネオン、クリプトン、キセノンをいずれか一または二以上含む混合ガスを原料ガスとして、前記原料ガスを前段の圧力変動吸着分離装置と後段の圧力変動吸着分離装置とにより精製し製品ガスとするガス分離精製方法において、前記前段の圧力変動吸着分離装置が平衡吸着量差に基づいて原料ガスのガス成分を分離する平衡型圧力変動吸着分離装置であり、前記後段の圧力変動吸着分離装置が吸着速度差に基づいて原料ガスのガス成分を分離する速度型圧力変動吸着分離装置であり、前記原料ガス中の希ガス成分濃度又は原料ガス中の希ガス以外の成分濃度を計測し、該計測値に応じて前記前段の圧力変動吸着分離装置から系外に放出する排ガスの流量を制御する工程と、製品ガス中の希ガス成分濃度又は製品ガス中の希ガス以外の成分濃度を計測し、該計測値に応じて製品ガスの導出量を制御する工程と、前記後段の圧力変動吸着分離装置の吸着工程における吸着塔内のガス圧力に応じて、前記後段の圧力変動吸着分離装置に導入するガスの流量を制御する工程と、を行うことによって前記製品ガス中の希ガス成分濃度を一定に維持しつつ、前記原料ガス中の希ガスの回収率を高くすることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明のガス分離精製装置の第1の形態例を示す系統図である。
このガス分離精製装置は、高付加価値ガスとしてのクリプトンやキセノンを回収して分離精製するためのものであって、原料ガスを所定の圧力に昇圧する圧縮機31aと、平衡吸着量差に基づいてガス成分を分離する平衡型圧力変動吸着分離装置1と、吸着速度差に基づいてガス成分を分離する速度型圧力変動吸着分離装置2とを備えている。平衡型圧力変動吸着分離装置1と吸着速度型圧力変動吸着分離装置2とは、原料ガスが分配供給されるように連結されている。
【0009】
平衡型圧力変動吸着分離装置1は、クリプトンやキセノンを易吸着成分とし、窒素を難吸着成分とする吸着剤、例えば活性炭を充填した複数の吸着筒11a,11bと、吸着筒11a,11bの圧力を計測する圧力計(圧力計測手段)12a,12bと、吸着筒11a,11bを吸着工程と再生工程とに切り替えるために所定の位置に設けられた複数の弁とを有している。
平衡型圧力変動吸着分離装置1の出口側には、吸着分離装置1から排出されるガスの流量を制御する排ガス流量制御装置(流量制御手段)34が設けられている。流量制御装置34は外部からの信号によりその流量を制御できるものであれば良く、その制御方式は任意とすることができる。
【0010】
速度型圧力変動吸着分離装置2は、クリプトンやキセノンを難吸着成分とし、窒素を易吸着成分とする吸着剤、例えばNa-A型ゼオライトやカーボンモレキュラシーブスを充填した複数の吸着筒21a,21bと、吸着筒21a,21bの圧力を計測する圧力計(圧力計測手段)22a,22bと、吸着筒21a,21bを吸着工程と再生工程とに切り替えるために所定の位置に設けられた複数の弁とを有している。
【0011】
速度型圧力変動吸着分離装置2の出口側には、吸着分離装置2から導出されるガスを製品ガスとして貯留する製品貯槽52と、製品ガスの純度(成分濃度)を計測する純度センサ(成分濃度計測手段)35と、製品ガス流量を制御する製品ガス流量制御装置(流量制御手段)33とが設けられている。
純度センサ35としては、製品ガス(例えばクリプトン等の希ガスの濃縮物)中の窒素濃度を検出できるものが好ましく、例えば、ガスクロマトグラフ(GC)分析装置、GCに質量分析装置を結合したGC-質量分析装置、発光分析装置などを好適に用いることができる。
流量制御装置33は外部からの信号によりその流量を制御できるものであれば良く、その制御方式は任意とすることができる。
速度型圧力変動吸着分離装置2の入口側には、吸着分離装置2に導入される原料ガスの流量を制御する原料ガス流量制御装置(流量制御手段)32が設けられている。
【0012】
このガス分離精製装置において、流量制御装置32,33,34は、純度センサ35および圧力計12a,12b,22a,22bのうちいずれか一方または両方の計測値に応じて、流量制御装置32,33,34内の弁の開度を調節し、ガス流量を制御することができるようになっている。
【0013】
圧縮機31aは、インバータ回路を備え、インバータ回路を経由して入力された駆動信号によって、その駆動量が制御されるように構成するのが好ましい。
圧縮機31aの上流側には、吸着筒11a,11b,21a,21bの再生工程で排出されるガスを貯留するバッファタンク(貯留タンク)51が設けられている。
【0014】
バッファタンク51としては、図2に示す構成のものが使用可能である。
ここに示すバッファタンク51は、容積可変部51aと定容積部51bとから構成されている。
容積可変部51aは、吸着筒11a,11b,21a,21bの再生工程で排出されるガスが導入される袋体61と、袋体61の上部に設けられたフロート板62と、これらを収納する筐体63とを備えている。
袋体61は、柔軟性を有する材料、例えば合成樹脂などからなるラミネートフィルムなどからなるもので、側部が蛇腹状に形成されており、ガス導入量に応じてその容積を変化させることができるようにされている。
フロート板62は、袋体61上部に設けられており、袋体61の容積に応じてその高さ位置が変化するようになっている。すなわち袋体61の容積が大きいときには高く位置し、袋体61の容積が小さいときには低く位置するようになっている。
フロート板62は、筐体63の底板に対し平行な状態(水平)を維持するようにされている。
【0015】
このバッファタンク51は、導入ガス(吸着筒11a,11b,21a,21bの再生工程で排出されるガス等)が容積可変部51aに導入され、容積可変部51a内のガスが定容積部51bに送られ、定容積部51b内のガスが圧縮機31aに送られるようになっている。
バッファタンク51は、ガス導入量に応じて容積が変化する袋体61を有する容積可変部51aを備えているため、バッファタンク51内の圧力を略一定に保つことができるようになっている。
【0016】
バッファタンク51は、フロート板62の高さ位置を検出する位置センサ64を設けた構成とすることができる。位置センサ64は、高さ方向に間隔をおいて複数設けられている。図示例では、3つの位置センサ64(第1〜第3位置センサ64a〜64c)が設けられている。
位置センサ64としては、フロート板62に接触したときに検知信号を出力する接触式センサを用いることができる。また、光源と受光部とを備え、光源からの光がフロート板62に遮られて受光部に到達しなくなったときに検知信号を出力する構成のものを用いることもできる。
【0017】
位置センサ64を設けたバッファタンク51は、容積可変部51aにおける袋体61の容積が設定範囲にあるときに検知信号を出力せず、袋体61の容積が設定範囲を外れたときに検知信号を出力するように構成することができる。
例えば、袋体61の容積が設定範囲を下回ると、これに伴って位置が低くなったフロート板62が第1位置センサ64aにより検出され、袋体61の容積が設定範囲を越えると、位置が高くなったフロート板62が第3位置センサ64cにより検出されるようにすることができる。
これによって、バッファタンク51は、容積可変部51a内のガス量が設定範囲を外れた際に、適切な対処(ガス導入量またはガス導出量の調節)をとることができるようになるため、袋体61の過剰膨張や過剰収縮を防止することができるようになる。
なお、圧縮機31aとバッファタンク51の間に還流バイパス経路(図示せず)を設け、圧縮機31aを経た原料ガスを、このバイパス経路を通してバッファタンク51に戻すことができる構成も可能である。このバイパス経路には、流量制御装置を設け、この経路におけるガス流量を制御できるようにすることができる。
【0018】
次に、図1に示すガス分離精製装置を用いて、クリプトンと窒素との混合ガスである原料ガス中のクリプトンを精製する場合を例として、本発明のガス分離精製装置の運転方法の第1の形態例を説明する。
この方法では、平衡型圧力変動吸着分離装置1の吸着剤として活性炭を用い、速度型圧力変動吸着分離装置2の吸着剤としてNa-A型ゼオライトを使用する。
【0019】
まず、平衡型圧力変動吸着分離装置1において、原料ガス導入経路L1から導入されて圧縮機31aで所定の圧力に昇圧された原料ガスを、入口弁13aを通して第1の吸着筒11aに流入させる。
吸着筒11a,11bに充填されている活性炭は、クリプトンやキセノンに比べ窒素を吸着しにくい。
このため、易吸着成分であるクリプトンは優先的に活性炭に吸着され、難吸着成分である窒素の大部分は吸着筒11aの出口端から導出され、出口弁14a、流量制御装置34を経て排ガス放出経路L2により系外に排出される(吸着工程)。
第1の吸着筒11aにおいて吸着工程が行われている間には、第2の吸着筒11bでは再生工程(後述)が行なわれ、吸着筒11bからの導出ガス(クリプトン濃縮ガス)が再生弁15bを経て経路L4を通してバッファタンク51に導入される。
【0020】
第1の吸着筒11aの活性炭へのクリプトン吸着量が飽和に達する前に、入口弁13a,13b、出口弁14a,14b、再生弁15a,15bが切り替え開閉され、第1の吸着筒11aへの原料ガス流入が停止し、原料ガスは入口弁13bを通って第2の吸着筒11bに流入する。
第2の吸着筒11bにおいては、易吸着成分であるクリプトンが吸着され、難吸着成分である窒素の大部分が出口弁14b、流量制御装置34を経て経路L2により系外に放出される(吸着工程)。
【0021】
この際、第1の吸着筒11aでは、内圧を低下させ、活性炭に吸着していたクリプトンを脱離させる再生工程を行う。
この工程では、脱離したクリプトンを含むガス(クリプトン濃縮ガス)が吸着筒11aから導出され、再生弁15aを経て経路L4を通してバッファタンク51に導入される。
なお、吸着工程と再生工程の切り替え時には、通常のPSAプロセスと同様に、均圧弁16a、16bを有する均圧経路L3を使用した均圧操作や、再生工程に先だって吸着筒出口側から吸着筒内にパージガスを導入するパージ操作を行なうことができる。
平衡型圧力変動吸着分離装置1では、2つの吸着筒11a,11bを切り替え使用しつつ、連続的にクリプトン濃縮ガスをバッファタンク51に導入する。
【0022】
次いで、バッファタンク51内のクリプトン濃縮ガスを含む原料ガスを圧縮機31aで昇圧した後、その一部を、経路L5を通して流量制御装置32、入口弁23aを経て吸着分離装置2の第1の吸着筒21aに流入させる。
【0023】
吸着筒21a,21bに充填されているNa-A型ゼオライト、いわゆるゼオライト4Aでは、クリプトンやキセノンの吸着量と、窒素の吸着量とが同程度である。
しかしながら、クリプトンやキセノンの吸着速度が窒素の吸着速度に比べ遅いため、易吸着成分である窒素の大部分は優先的にゼオライト4Aに吸着され、吸着速度が遅くて吸着されにくい成分(難吸着成分)であるクリプトンは吸着筒21aを通過する(吸着工程)。
このため、クリプトンがさらに濃縮されたガスが吸着筒21aの出口端から導出され、出口弁24aを経て経路L6を通して製品貯槽52に導入される。
第1の吸着筒21aにおいて吸着工程が行われている間には、第2の吸着筒21bでは再生工程(後述)が行なわれ、吸着筒21bからの導出ガス(窒素濃縮ガス)が再生弁25b、経路L9を経てバッファタンク51に導入される。
【0024】
製品貯槽52内のクリプトン濃縮ガスは、製品クリプトン(精製高付加価値ガス)として、流量制御装置33を経て経路L7を通して使用先に供給される。
製品クリプトンの一部は、経路L8を通してバッファタンク51に返送され、この際、純度センサ35によって製品クリプトンの窒素濃度が計測される。
【0025】
第1の吸着筒21a内のゼオライト4Aへの窒素吸着量が飽和に達する前に、入口弁23a,23b、出口弁24a,24b、再生弁25a,25bが切り替え開閉され、上記原料ガスは入口弁23bを通って第2の吸着筒21bに流入する。
第2の吸着筒21bにおいては、易吸着成分である窒素の大部分は優先的にゼオライト4Aに吸着され、難吸着成分であるクリプトンは吸着筒21bを通過し、クリプトンが濃縮された製品クリプトンガスが出口弁24bを経て導出経路L6により製品貯槽52に導入される(吸着工程)。
【0026】
この際、第1の吸着筒21aでは、内圧を低下させ、ゼオライト4Aに吸着していた窒素を脱離させる再生工程を行う。
この工程では、脱離した窒素が濃縮されたガスが吸着筒21aから導出され、再生弁25a、経路L9を経てバッファタンク51に導入される。
なお、吸着工程と再生工程の切り替え時には、通常のPSAプロセスと同様に、均圧弁26a、26bを有する均圧経路L10を使用した均圧操作や、再生工程に先だって吸着筒出口側からパージガスを導入するパージ操作を行なうことができる。
速度型圧力変動吸着分離装置2では、2つの吸着筒21a,21bを切り替え使用しつつ、連続的に製品クリプトンを製品貯槽52に導入する。
【0027】
次に、原料ガス中のクリプトン濃度が経時的に変動した場合のガス分離精製装置の動作について説明する。濃度が変動する前の原料ガス中クリプトン濃度は49%とし、製品クリプトン中の窒素濃度は50ppmとする。
原料ガス中のクリプトン濃度が49%から60%に上昇すると、時間の経過とともにバッファタンク51内のクリプトン濃度が上昇する。
クリプトン濃度が上昇した原料ガス、すなわち窒素濃度が低い原料ガスが速度型圧力変動吸着分離装置2に流入すると、窒素が吸着筒21a,21bで除去されるため、窒素濃度が低い、例えば窒素濃度20ppmの製品クリプトンガスが生成し、製品貯槽52に貯留される。
【0028】
上述のように、このガス分離精製装置において、流量制御装置32,33,34は、純度センサ35および圧力計12a,12b,22a,22bのうちいずれか一方または両方の計測値に応じて、流量制御装置32,33,34内の弁の開度を調節し、ガス流量を制御することができるようになっている。
この運転方法では、製品クリプトン中の窒素濃度が純度センサ35で計測され、この計測値に応じて製品ガス流量制御装置33における弁の開度が調節される。
すなわち、流量制御装置33において、純度センサ35による窒素濃度計測値(例えば20ppm)と、あらかじめ設定された窒素濃度設定値(50ppm)との比較が窒素濃度比較演算回路で行われ、これら計測値と設定値との差分に応じて製品ガス流量の目標値が算出され、製品ガスの流量が目標値となるように、弁の開度が大きくなる。
これによって、経路L7から系外に導出される製品クリプトンの流量が目標値にまで増加し、製品貯槽52の圧力が低下するとともに、吸着筒21a,21bの最高到達圧力が低下する。
なお、この方法では、純度センサ35によって製品クリプトン中の窒素濃度を計測し、これに応じてガス流量の制御を行うが、本発明ではこれに限らず、製品クリプトン中のクリプトン濃度を計測し、これに応じてガス流量の制御を行うこともできる。
【0029】
吸着筒21a,21bの最高到達圧力が低下すると、この圧力が圧力計22a,22bにより計測され、この計測値に応じて原料ガス流量制御装置32における弁の開度が調節される。
すなわち、流量制御装置32において、圧力計22a,22bによる圧力計測値と、あらかじめ設定された圧力設定値(例えば0.65MPa)との比較が流量演算回路によって行われ、これら計測値と設定値との差分に応じて原料ガス流量の目標値が算出され、原料ガスの流量が目標値となるように、弁の開度が大きくなる。
これによって、吸着筒21a,21bに流入する原料ガス流量が増大し、吸着筒21a,21bにおいて吸着されずに通過する窒素が多くなり、製品クリプトン中の窒素濃度が設定値(50ppm)まで高められる。
このように、原料ガス中のクリプトン絶対量が増加して、クリプトン濃度が上昇した場合でも、製品クリプトンの純度を略一定に維持しつつ、増加した分のクリプトンガスを製品として使用先に供給することができる。
【0030】
圧縮機31aから吐出される原料ガスの流量は一定であるため、速度型圧力変動吸着分離装置2へ導入される原料ガス量が増加すると、平衡型圧力変動吸着分離装置1へ導入される原料ガス量が減少する。
吸着分離装置1へ導入される原料ガス量が減少すると、吸着筒11a,11b内の圧力が低下する。
吸着筒11a,11b内の圧力が低下すると、この圧力が圧力計12a,12bで計測され、この計測値に応じて排ガス流量制御装置34における弁の開度が調節される。
すなわち、流量制御装置34において、圧力計12a,12bによる圧力計測値と、あらかじめ設定された圧力設定値との比較が流量演算回路で行われ、これら計測値と設定値との差分に応じて排ガス(窒素ガス)流量の目標値が算出され、排ガスの流量が目標値となるように、弁の開度が小さくなる。
【0031】
これによって、経路L2から系外に排出されるガスの流量が減少する。
平衡型圧力変動吸着分離装置1に導入される原料ガス中の窒素濃度が減少するため、吸着筒11a,11bにおいて吸着されずに通過・排出されるクリプトン量は増加するが、経路L2から系外に排出されるガス量が減少することから、クリプトンの排出量は略一定に維持される。
このため、このガス分離精製装置におけるクリプトン回収率は略一定に維持される。
【0032】
原料ガス中のクリプトン濃度が49%から40%に低下した場合には、バッファタンク51内のクリプトン濃度が低下する。
クリプトン濃度が低下した原料ガス、すなわち窒素濃度が高い原料ガスが速度型圧力変動吸着分離装置2に流入すると、窒素が吸着筒21a,21bで除去されにくくなるため、窒素濃度が高い、例えば窒素濃度70ppmの製品クリプトンガスが生成し、製品貯槽52に貯留される。
【0033】
製品クリプトンの窒素濃度は純度センサ35で計測され、この計測値に応じて製品ガス流量制御装置33における弁の開度が調節される。
すなわち、流量制御装置33において、純度センサ35による窒素濃度計測値(例えば70ppm)と窒素濃度設定値(50ppm)との差分に応じて、弁開度が小さくなる。
これによって、経路L7から導出される製品クリプトンの流量が減少し、製品貯槽52の圧力が上昇するとともに、吸着筒21a,21bの最高到達圧力が上昇する。
【0034】
吸着筒21a,21bの最高到達圧力が上昇すると、流量制御装置32において、圧力計22a,22bによる圧力計測値と、圧力設定値(例えば0.65MPa)との差分に応じて弁の開度が小さくなり、原料ガスの流量が減少する。
これによって、吸着筒21a,21bにおいて吸着されずに通過する窒素が少なくなり、製品クリプトン中の窒素濃度が設定値(50ppm)まで減少する。
このように、原料ガス中のクリプトン絶対量が減少して、クリプトン濃度が低下した場合でも、所定箇所の流量を調整することによって製品クリプトンの純度を略一定に維持しつつ、減少量に見合った分のクリプトンガスを製品として使用先に供給することができる。
【0035】
速度型圧力変動吸着分離装置2に導入される原料ガス量が減少すると、平衡型圧力変動吸着分離装置1へ導入される原料ガス量が増加し、吸着筒11a,11b内の圧力が上昇する。
吸着筒11a,11b内の圧力が上昇すると、流量制御装置34において、圧力計12a,12bによる圧力計測値と、あらかじめ設定された圧力設定値との差分に応じて、弁の開度が大きくなる。
これによって、経路L2から系外に排出される排ガスの流量が増加するが、原料ガスのクリプトン濃度が低いため、クリプトンの排出量は略一定となり、平衡型圧力変動吸着分離装置1におけるクリプトン回収率は略一定となる。
【0036】
次に、図2に示す容積可変部51aを有するバッファタンク51を用いた場合において、原料ガス中のクリプトン濃度が一定のまま、その導入流量が50%に低下したときのガス分離精製装置の動作について説明する。
バッファタンク51へのガス導入量が減少すると、バッファタンク51の容積可変部51aの袋体61が収縮し、位置が低くなったフロート板62が位置センサ64(例えば第1位置センサ64a)によって検出され、検出信号が出力される。この検出信号は、容積可変部51aの容積が小さくなったことを示すものとなる。
検出信号は、流量制御装置33,34に入力され、流量制御装置33,34において、弁の開度が小さくなる。
その結果、製品貯槽52の圧力が上昇するとともに、吸着筒21a,21bの最高到達圧力が上昇する。吸着筒21a,21bの最高到達圧力が上昇すると、流量制御装置32において、圧力計22a,22bによる圧力計測値と、圧力設定値(例えば0.65MPa)との差分に応じて弁の開度が小さくなり、吸着分離装置2への原料ガスの導入流量が減少する。
これによって、経路L7から導出される製品クリプトンの流量が50%に減少する。
なお、この場合も純度センサ35による窒素濃度計測は継続して行なわれており、計測結果に応じて、上述の制御が行なわれる。
【0037】
なお、流量制御装置34の弁開度が小さい状態で、速度型圧力変動吸着分離装置2に導入される原料ガス量が減少すると、平衡型圧力変動吸着分離装置1へ導入される原料ガス量が増加し、吸着筒11a,11b内の圧力が上昇しやすくなる。
この場合には、圧縮機31aからバッファタンク51へのバイパスラインを設け、吸着筒11a,11bに導入される原料ガス量を実効的に低下させるか、または、圧縮機31aのインバータ回路によって平衡型圧力変動吸着分離装置2への原料ガス導入量を低下させるのが好ましい。
これによって、経路L2から系外に排出される排ガスの流量を増加させず、平衡型圧力変動吸着分離装置1におけるクリプトン回収率を略一定とすることができる。
【0038】
このように、原料ガスの流量が変動した場合でも、それに応じて製品クリプトンの流量が変動し、吸着分離装置1,2における圧力条件が一定に保たれ、製品クリプトンの純度が略一定に維持されるとともに、回収率も略一定に保たれる。
【0039】
上記方法では、原料ガス流量が減少したときに、容積可変部51aの容積が小さくなったことを示す検出信号に基づいてガス流量の制御を行ったが、これに限らず、原料ガスの総流量を検出する流量計(流量検出手段)を設け、この流量計からの検出信号に基づいて流量制御装置33,34におけるガス流量の制御を行うこともできる。
また上記方法では、原料ガス濃度が一定で原料ガス流量が減少した場合のガス分離精製装置の動作を示したが、原料ガス流量が増加した場合は、減少した場合とは逆に、流量制御装置32,33,34において弁の開度が大きくなり、ガス流量が増加するように制御を行えばよい。
【0040】
また、原料ガス中のクリプトン濃度と原料ガス流量が同時に変動した場合には、上述の過程に従って、流量制御装置32,33,34におけるガス流量が調節され、製品クリプトンガス純度が一定に維持される。
【0041】
図3は、本発明のガス分離精製装置の第2の形態例を示す系統図である。なお、以下の説明において、前記第1形態例の精製装置の構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
このガス分離精製装置は、平衡型圧力変動吸着分離装置1と速度型圧力変動吸着分離装置2との間に、圧縮機31bが設けられている点、および圧縮機31aから吐出される原料ガス中のクリプトンと窒素との組成比を計測する組成比センサ(組成比計側手段)36が設けられている点で図1に示すガス分離精製装置と異なる。
【0042】
組成比センサ36は、原料ガス中のクリプトンと窒素の組成比を計測できるものであれば良く、例えば、質量差を利用した流量により計測するものや、プラズマ発光強度よりクリプトン濃度を求めて組成比を決定するもの、GC、GC質量分析装置などが好適に用いられるが、その計測原理・方法は任意とすることができる。
なお、圧縮機31bの吸入側には、一次精製ガスの濃度や流量を均一化させるためのバッファタンク(図示略)を設けることができる。
【0043】
次に、図3に示すガス分離精製装置を用いて、クリプトンと窒素とを含む原料ガス中のクリプトンを精製する場合を例として、本発明のガス分離精製装置の運転方法の第2の形態例を説明する。
平衡型圧力変動吸着分離装置1において、上述の過程に従って、原料ガスを圧縮機31aを経て吸着筒11a,11bのうち一方に流入させる(吸着工程)とともに、他方側の吸着筒からクリプトン濃縮ガス(一次精製ガス)を導出する(再生工程)。
再生工程で得られた一次精製ガスは、経路L11を通して圧縮機31bに導入され、ここで昇圧された後、速度型圧力変動吸着分離装置2に導入される。
【0044】
この一次精製ガスは、吸着筒21a,21bのうち一方に導入され、この吸着筒における吸着工程によって得られた製品クリプトンが製品貯槽52に導入される。
この際、他方側の吸着筒においては、吸着筒内の圧力を低下させることによって再生工程が行われ、二次排ガスが経路L9を通してバッファタンク51に返送される。
この再生工程では、ゼオライト4Aから脱離した窒素だけでなく、吸着筒内に存在する一次精製ガスも流出するため、二次排ガスには相当量のクリプトンが含まれているが、二次排ガスをバッファタンク51に返送することによって、この二次排ガス中のクリプトンを吸着分離装置1,2で再度吸着分離することができ、クリプトンの回収が可能となる。
【0045】
次に、原料ガス中のクリプトン濃度が変動したガス分離精製装置の動作について説明する。濃度が変動する前の原料ガス中クリプトン濃度は49%とし、製品クリプトン中の窒素濃度は50ppmとする。
原料ガス中のクリプトン濃度が60%に上昇すると、バッファタンク51内のクリプトン濃度が上昇し、原料ガス中の窒素組成比が低下する。
原料ガスの一部は経路L12に導入され、原料ガスの窒素組成比が組成比センサ36によって計測され、流量制御装置34において、窒素組成比計測値と、あらかじめ設定された窒素組成比設定値との差分に応じて、弁開度が小さくなる。
このため、経路L2から排出される排ガスの流量が減少し、吸着筒11a,11bにおいて吸着されずに通過するクリプトン量が減少し、クリプトン排出量は略一定となる。
平衡型圧力変動吸着分離装置1には、クリプトン濃度が高い原料ガス、すなわち窒素組成比が低い原料ガスが流入するが、クリプトン排出量が略一定となるため、このガス分離精製装置におけるクリプトン回収率は略一定となる。
【0046】
吸着筒11a、11bの再生工程で得られた高濃度のクリプトンを含む一次精製ガスは、圧縮機31bを経て速度型圧力変動吸着分離装置2に導入される。
一次精製ガスのクリプトン濃度が高いため、吸着筒21a,21bにおいて、窒素濃度が低い、例えば窒素濃度20ppmの製品クリプトンガスが生成し、製品貯槽52に貯留される。
流量制御装置33においては、純度センサ35による製品クリプトンの窒素濃度計測値(20ppm)と、あらかじめ設定された窒素濃度設定値(50ppm)との差分に応じて、弁開度が大きくなる。
これによって、経路L7から導出される製品クリプトンの流量が増加し、製品貯槽52の圧力が低下するとともに、吸着筒21a,21bの最高到達圧力が低下する。
【0047】
吸着筒21a,21bの最高到達圧力が低下すると、圧力計22a,22bによる圧力計測値と、あらかじめ設定された圧力設定値(例えば0.65MPa)との差分に応じて、吸着分離装置2に導入される一次精製ガスの流量が増加し、吸着筒21a,21bにおいて吸着されずに通過する窒素が多くなり、製品クリプトン中の窒素濃度が設定値(50ppm)まで高められる。
【0048】
一次精製ガスの流量を調整するには、圧縮機31bの駆動をインバータ回路を経由して行なうようにし、上記計測値と設定値との差分に応じて、その周波数を決定する方法をとることができる。さらに、圧縮機31aに還流バイパス経路を別途設け、その経路に流量制御装置を設け、上記計測値と設定値との差分に応じて、その還流流量を制御しても良い。
このように、原料ガス中のクリプトン濃度が上昇した場合でも、製品クリプトンの純度は略一定に維持される。
【0049】
原料ガス中のクリプトン濃度が40%に低下した場合には、バッファタンク51内のクリプトン濃度が低下する。
原料ガスのクリプトンと窒素の組成比は組成比センサ36で計測され、この計測値と、あらかじめ設定された設定値との差分に応じて、排ガス流量制御装置34の弁開度が大きくなる。
このため、経路L2から排出される排ガスの流量が増加するが、平衡型圧力変動吸着分離装置1へ導入される原料ガス中のクリプトン濃度が低いため、吸着筒11a,11bにおいて吸着されずに通過するクリプトンの濃度は低下し、その結果、クリプトン排出量は略一定となる。
したがって、このガス分離精製装置におけるクリプトン回収率は略一定となる。
【0050】
吸着筒11a、11bの再生工程で得られた高濃度クリプトンを含む一次精製ガスは、圧縮機31bを経て速度型圧力変動吸着分離装置2に導入される。
一次精製ガスのクリプトン濃度が低いため、吸着筒21a,21bにおいて、窒素濃度が高い、例えば窒素濃度60ppmの製品クリプトンガスが生成し、製品貯槽52に貯留される。
流量制御装置33においては、純度センサ35による製品クリプトンの窒素濃度計測値(60ppm)と、あらかじめ設定された窒素濃度設定値(50ppm)との差分に応じて、弁開度が小さくなる。
これによって、経路L7から導出される製品クリプトンの流量が減少し、吸着筒21a,21bの最高到達圧力が上昇する。
【0051】
吸着筒21a,21bの最高到達圧力が上昇すると、圧力計22a,22bによる圧力計測値と、圧力設定値(例えば0.65MPa)との差分に応じて一次精製ガス流量の目標値が算出され、一次精製ガスの流量が目標値となるように減少する。
一次精製ガスの流量を調整するには、圧縮機31bの駆動をインバータ回路を経由して行なうようにし、上記計測値と設定値との差分に応じて、その周波数を決定する方法をとることができる。さらに、圧縮機31aに還流バイパス経路を別途設け、その経路に流量制御装置を設け、上記計測値と設定値との差分に応じて、その還流流量を制御しても良い。
一次精製ガスの流量が減少することによって、吸着筒21a,21bにおいて吸着されずに通過する窒素が少なくなり、製品クリプトン中の窒素濃度が設定値(50ppm)まで減少する。
このように、原料ガス中のクリプトン濃度が低下した場合でも、製品クリプトンの純度は略一定に維持される。
【0052】
次に、図2に示す容積可変部51aを有するバッファタンク51を用いた場合において、原料ガス中のクリプトン濃度が一定のまま、その導入流量が50%に低下したときのガス分離精製装置の動作について説明する。
バッファタンク51へのガス導入量が減少すると、バッファタンク51の容積可変部51aの袋体61が収縮し、位置が低くなったフロート板62が位置センサ64によって検出され、検出信号が流量制御装置33,34に入力され、流量制御装置33,34において弁の開度が小さくなる。
その結果、製品貯槽52の圧力が上昇するとともに、吸着筒21a,21bの最高到達圧力が上昇する。吸着筒21a,21bの最高到達圧力が上昇すると、圧力計22a,22bによる圧力計測値と、圧力設定値(例えば0.65MPa)との差分に応じて、一次精製ガス流量の目標値が算出され、一次精製ガス流量がこの目標値となるように圧縮機31aの駆動量が調整され、吸着分離装置2への一次精製ガス導入量が減少する。
この際、圧力計22a,22bによる圧力計測値と、圧力設定値(例えば0.65MPa)との差分に応じて、流量制御装置33において弁の開度が小さくなり、経路L7から導出される製品クリプトンの流量が50%に減少する。
なお、この場合も純度センサ35による窒素濃度計測は行われる。
【0053】
上記方法では、圧力計22a,22bによる圧力計測値に応じて、流量制御装置33において弁の開度を調節したが、これに限らず、純度センサ35による窒素濃度計測値と、窒素濃度設定値との差分に応じて、流量制御装置33の弁開度を小さくすることによって、製品クリプトンの流量を減少させることもできる。
すなわち、圧力計22a,22bによる圧力計測値に応じて、速度型圧力変動吸着分離装置2への一次精製ガス導入量が減少すると、窒素が吸着筒21a,21bで除去されやすくなり、製品クリプトンの窒素濃度が低下する。
製品クリプトンの窒素濃度が低下すると、流量制御装置33において、純度センサ35による窒素濃度計測値と、窒素濃度設定値との差分に応じて、弁開度を小さくする方法をとることもできる。
【0054】
流量制御装置34の弁開度が小さい状態で、速度型圧力変動吸着分離装置2に導入される原料ガス量が減少すると、平衡型圧力変動吸着分離装置1へ導入される原料ガス量が増加し、吸着筒11a,11b内の圧力が上昇しやすくなる。
この場合には、圧縮機31aからバッファタンク51へのバイパスラインを設け、吸着筒11a,11bに導入される原料ガス量を実効的に低下させるか、または、圧縮機31aのインバータ回路によって平衡型圧力変動吸着分離装置2への原料ガス導入量を低下させるのが好ましい。
これによって、経路L2から系外に排出される排ガスの流量を増加させず、平衡型圧力変動吸着分離装置1におけるクリプトン回収率を略一定とすることができる。
【0055】
このように、原料ガスの流量が変動した場合でも、それに応じて製品クリプトンの流量が変動し、吸着分離装置1,2における圧力条件が一定に保たれ、製品クリプトンの純度が略一定に維持されるとともに、回収率も略一定に保たれる。
【0056】
上記方法では、原料ガス流量が減少したときに、容積可変部51aの容積が小さくなったことを示す検出信号に基づいてガス流量の制御を行ったが、これに限らず、原料ガスの総流量を検出する流量計(流量検出手段)を設け、この流量計からの検出信号に基づいて流量制御装置33,34におけるガス流量の制御を行うこともできる。
また上記方法では、原料ガス濃度が一定で原料ガス流量が減少した場合のガス分離精製装置の動作を示したが、原料ガス流量が増加した場合は、減少した場合とは逆に、流量制御装置33,34において弁の開度が大きくなり、ガス流量が増加するように制御を行えばよい。
【0057】
また、原料ガス中のクリプトン濃度と原料ガス流量が同時に変動した場合には、上述の過程に従って、流量制御装置33,34におけるガス流量が調節され、製品クリプトンガス純度が一定に維持される。
【0058】
なお、上記各形態例では原料ガスとしてクリプトンと窒素との混合ガスを例示したが、通常、半導体製造装置からの原料ガスは、クリプトン、窒素以外に、酸素、水素、水分、アンモニア、酸化窒素、一酸化炭素、二酸化炭素、炭化水素などを不純物として含有する。
原料ガス中の酸素(通常、数%程度含まれる)は、平衡型圧力変動吸着分離装置1で窒素とともに除去することができる。その他の不純物については、各不純物除去に適した前処理装置を設け、本発明のガス分離精製装置には導入されないようすると、更に効率的な回収をすることができる。
また、上記各形態例では、最も簡単な原料ガス組成としてクリプトンと窒素との混合ガスを例示したが、キセノンと窒素との混合ガスの場合も同様にしてキセノンを分離回収することができる。また原料ガスがクリプトンとキセノンと窒素とを含む場合でも、クリプトンおよびキセノンを効率的に回収することができる。
【0059】
【実施例】
(実施例1)
図1に示す構成のガス分離精製装置を使用して希ガスを分離精製する実験を行なった。
平衡圧力変動吸着分離装置1は、内径43mm、長さ700mmの吸着筒11a,11bに吸着剤として活性炭0.455kgを充填して構成し、平衡分離操作の半サイクル時間は300秒、吸着工程圧力は570kPa、再生工程圧力は101kPaとした。
速度型圧力変動吸着装置2は、内径43mm、長さ700mmの吸着筒21a,21bに吸着剤としてゼオライト4Aを0.654kg充填して構成し、平衡分離操作の半サイクル時間は300秒、吸着工程圧力は620kPa、再生工程圧力は101kPaとした。
【0060】
この分離精製装置に、クリプトン49%、窒素51%の混合ガスを原料ガスとして毎分4.6リットル(流量[L/min]は0℃、1気圧換算値、以下同じ)導入した。
その結果、平衡型圧力変動吸着分離装置1の排ガス経路L2から濃度99.97%の窒素ガスが0.15L/minで放出され、二次精製ガス導出(出口)経路L7から濃度99.995%不純物濃度50ppmのクリプトンガスが0.15L/minで採取できた。
吸着筒21a,21bから経路L9によりバッファタンク51に返送されるガスのクリプトン濃度は46%、流量は1.70L/minであった。
従って、クリプトン回収率は99.97%となる。
【0061】
(実施例2)
実施例1と同様のガス分離装置を用いて、クリプトンと窒素との混合ガス中のクリプトン濃度が49%〜60%の間を変動する原料ガスからクリプトンを分離精製するにあたり、クリプトン濃度に応じて、次のような制御を行なった。
原料ガス中のクリプトン濃度が60%になると、平衡型圧力変動吸着分離装置1の吸着工程における吸着筒11a,11b内の圧力は550kPaに低下し、速度型圧力変動吸着分離装置2の吸着工程における吸着筒21a,21b内の圧力は635kPaに上昇してしまう。
そこで、純度センサ35により計測された製品クリプトンのクリプトン濃度が99.998%となった時点で、流量制御装置(MFC)33におけるガス流量を0.157L/minとするとともに、速度型圧力変動吸着装置2の入口の流量制御装置(MFC)32におけるガス流量を1.77L/minに制御し、排ガス(窒素)放出経路L2の流量制御装置(MFC)34におけるガス流量を0.143L/minとした。
その結果、安定的に高純度なクリプトンガスを収率99.95%で回収できた。
【0062】
(比較例1)
実施例2と同様の混合ガスからクリプトンガスを分離精製するにあたり、クリプトンガス濃度に応じた制御を行なわないで分離精製を行なった。
排ガス放出経路L2からは濃度99.2%の窒素ガスが流量0.15L/minで放出され、二次精製ガス(出口)経路L7からは濃度99.998%のクリプトンガスが0.15L/minで採取された。しかし、二次排ガス(循環)経路L9からの返送ガスのクリプトン濃度は56%であり、流量は1.92L/minであった。よってクリプトンの回収率は99.2%となった。
【0063】
(実施例3)
実施例1と同様のガス分離装置を用いて、クリプトンと窒素との混合ガス中クリプトン濃度が40%〜49%の間を変動する原料ガスからクリプトンを分離精製するにあたり、クリプトン濃度に応じて次のような制御を行なった。
原料ガス中のクリプトン濃度が40%になると、平衡型圧力変動吸着分離装置1の吸着工程における吸着筒11a,11b内の圧力は590kPaに上昇し、速度型圧力変動吸着分離装置2の吸着筒21a,21b内の圧力は605kPaに低下してしまう。
そこで、純度センサ35の精製クリプトン濃度が99.992%となった時点で、流量制御装置33におけるガス流量を0.143L/minとするとともに、流量制御装置32におけるガスを1.95L/minに制御し、流量制御装置34におけるガス流量を0.157L/minに制御した。
その結果、安定的に高純度なクリプトンガスを収率99.992%で回収できた。
【0064】
(比較例2)
実施例2と同様の混合ガスからクリプトンガスを分離精製するにあたり、クリプトンガス濃度に応じた制御を行なわないで分離精製を行なった。
排ガス放出経路L2からは濃度99.992%の窒素ガスが0.15L/minで放出され、二次精製ガス(出口)経路L7からは濃度99.7%のクリプトンガスを0.15L/minで採取された。よってクリプトンの回収率は99.2%となったが、不純物濃度が 0.3%となり高純度のクリプトンガス得ることはできなかった。
【0065】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、圧力変動吸着分離により精製された高付加価値ガスの成分濃度に応じて、圧力変動吸着分離におけるガス流量を制御するので、原料ガス中の高付加価値ガス濃度が変動した場合でも、この濃度変動に応じて吸着分離操作における圧力等の条件を最適化することができる。
従って、精製された高付加価値ガスの純度、および高付加価値ガスの回収率を高く維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のガス分離精製装置の第1形態例を示す概略構成図である。
【図2】 図1に示すガス分離精製装置に用いることができるバッファタンクの一例を示す概略構成図である。
【図3】 本発明のガス分離精製装置の第2形態例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1・・・平衡型圧力変動吸着分離装置、2・・・速度型圧力変動吸着分離装置、11a,11b,21a,21b・・・吸着筒、12a.12b,22a,22b・・・圧力計(圧力計測手段)、32,33,34・・・流量制御装置(流量制御手段)、35・・・純度センサ(成分濃度計測手段)、36・・・組成比センサ(組成比計測手段)

Claims (3)

  1. 希ガスとしてヘリウム、ネオン、クリプトン、キセノンをいずれか一または二以上含む混合ガスを原料ガスとして、前記原料ガスを前段の圧力変動吸着分離装置と後段の圧力変動吸着分離装置とにより精製し製品ガスとするガス分離精製方法において、
    前記前段の圧力変動吸着分離装置が平衡吸着量差に基づいて原料ガスのガス成分を分離する平衡型圧力変動吸着分離装置であり、前記後段の圧力変動吸着分離装置が吸着速度差に基づいて原料ガスのガス成分を分離する速度型圧力変動吸着分離装置であり、
    製品ガス中の希ガス成分濃度又は製品ガス中の希ガス以外の成分濃度を計測し、該計測値に応じて製品ガスの導出量を制御する工程と、
    前記後段の圧力変動吸着分離装置の吸着工程における吸着塔内のガス圧力に応じて、前記後段の圧力変動吸着分離装置に導入するガスの流量を制御する工程と、
    前記前段の圧力変動吸着分離装置の吸着工程における吸着塔内のガス圧力に応じて、前記前段の圧力変動吸着分離装置から系外に放出する排ガスの流量を制御する工程と、
    を行うことによって前記製品ガス中の希ガス成分濃度を一定に維持しつつ、前記原料ガス中の希ガスの回収率を高くすることを特徴とするガス分離精製方法。
  2. 希ガスとしてヘリウム、ネオン、クリプトン、キセノンをいずれか一または二以上含む混合ガスを原料ガスとして、前記原料ガスを前段の圧力変動吸着分離装置と後段の圧力変動吸着分離装置とにより精製し製品ガスとするガス分離精製方法において、
    前記前段の圧力変動吸着分離装置が平衡吸着量差に基づいて原料ガスのガス成分を分離する平衡型圧力変動吸着分離装置であり、前記後段の圧力変動吸着分離装置が吸着速度差に基づいて原料ガスのガス成分を分離する速度型圧力変動吸着分離装置であり、
    前記原料ガスの流量を検出し、該検出信号に応じて、製品ガスの導出量及び前記前段の圧力変動吸着分離装置から系外に放出する排ガスの流量を制御する工程と、
    前記後段の圧力変動吸着分離装置の吸着工程における吸着塔内のガス圧力に応じて、前記後段の圧力変動吸着分離装置に導入するガスの流量を制御する工程と、
    を行うことによって前記製品ガス中の希ガス成分濃度を一定に維持しつつ、前記原料ガス中の希ガスの回収率を高くすることを特徴とするガス分離精製方法。
  3. 希ガスとしてヘリウム、ネオン、クリプトン、キセノンをいずれか一または二以上含む混合ガスを原料ガスとして、前記原料ガスを前段の圧力変動吸着分離装置と後段の圧力変動吸着分離装置とにより精製し製品ガスとするガス分離精製方法において、
    前記前段の圧力変動吸着分離装置が平衡吸着量差に基づいて原料ガスのガス成分を分離する平衡型圧力変動吸着分離装置であり、前記後段の圧力変動吸着分離装置が吸着速度差に基づいて原料ガスのガス成分を分離する速度型圧力変動吸着分離装置であり、
    前記原料ガス中の希ガス成分濃度又は原料ガス中の希ガス以外の成分濃度を計測し、該計測値に応じて前記前段の圧力変動吸着分離装置から系外に放出する排ガスの流量を制御する工程と、
    製品ガス中の希ガス成分濃度又は製品ガス中の希ガス以外の成分濃度を計測し、該計測値に応じて製品ガスの導出量を制御する工程と、
    前記後段の圧力変動吸着分離装置の吸着工程における吸着塔内のガス圧力に応じて、前記後段の圧力変動吸着分離装置に導入するガスの流量を制御する工程と、
    を行うことによって前記製品ガス中の希ガス成分濃度を一定に維持しつつ、前記原料ガス中の希ガスの回収率を高くすることを特徴とするガス分離精製方法。
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