JP5115865B2 - グラフ表示処理装置およびその方法 - Google Patents

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    • A61B5/339Displays specially adapted therefor

Description

関連出願の参照
日本国特許出願2002−301074号(平成14年10月15日出願)の明細書、請求の範囲、図面および要約を含む全開示内容は、これら全開示内容を参照することによって本出願に合体される。
この発明は、グラフ表示処理装置およびその方法に関するものであり、特に、周期性を有するデータの視認を容易にするものに関する。
データをグラフ形式で表示する技術においては、そのデータのグラフがグラフ表示エリア内に表示されるようにあらかじめグラフ表示エリアの表示幅や目盛りが設定される。このとき、あらかじめ設定した表示幅から外れたデータがある場合には、グラフ表示エリアにグラフが表示されないことになる。また、データ内容の変動によって、グラフ形状が小さすぎたり大きすぎたりしてグラフの特徴が把握しにくい事態が生じることもある。
ここで、グラフの表示対象として血圧や心電図などの生体情報やプラントにおけるプロセス値などを表示する場合には、リアルタイムでグラフの表示を監視する必要があるから、データ内容の変動にもかかわらずグラフがディスプレイ内に適切に表示される技術が特に要求される。
そのような要求を満たすため、表示画面中の中心座標または表示画面上のポインタの座標を基準として、新たな表示幅(レンジ)に変更(拡大、縮小)することのできるグラフ表示機能を備えた計算機の技術がある(例えば、特許文献1参照)。特許文献1:特開昭62−186346号公報(第2図)
上述のような技術によれば、表示画面中の中心座標またはポインタの位置を基準として拡大または縮小処理を行うことにより、グラフを適切な大きさで表示することができ、表示画面中のデータの全体的な傾向の把握が容易になる。
しかしながら、生体情報やプロセス値のグラフ表示においては、表示画面中のグラフの全体的な傾向の把握ではなく、所定のデータの変動パターンの把握が優先される場合がある。例えば、機械の周期的な信号を示す電圧波形または電流波形等の正弦波を示すデータや、心電図データなどのように周期性を有するグラフの場合は、その周期を示す形状部分の確認が重要となることも多い。
特開昭62−186346号公報
本発明は、上記のような要求に鑑みて、周期性を有するデータの視認を容易に行うことができるグラフ表示処理装置およびその方法を提供することを目的とする。
1)本発明のグラフ表示処理装置は、
周期性を有するデータを出力領域に表示するグラフ表示処理装置であって、
周期性を有するデータを順次受けて、当該データの周期性に基づいて対象周期を判断する周期判断手段、
前記対象周期のデータに基づいて、当該周期に含まれるデータが前記出力領域に適切にグラフ表示されるか否かを判断し、当該周期に含まれるデータが前記出力領域に適切にグラフ表示されないと判断した場合には、当該周期に含まれるデータが前記出力領域に適切にグラフ表示されるように前記出力領域における当該データのグラフの表示位置を補正する表示制御手段、
を備えたことを特徴としている。
これらの特徴により、前記グラフ表示処理装置は、前記周期に含まれるデータが前記出力領域に表示されない場合であっても、グラフ位置を補正することによって前記周期に含まれるデータのグラフを出力領域に表示させることができる。
したがって、前記グラフ表示処理装置は、ユーザに対して、前記周期に含まれるグラフを確実に提示することができる。
2)本発明のグラフ表示制御装置は、
周期性を有するデータを出力領域に表示するグラフ表示制御装置であって、
前記データの周期性に基づく対象周期のデータに基づいて、当該周期に含まれるデータが前記出力領域に適切にグラフ表示されるか否かを判断し、当該周期に含まれるデータが前記出力領域に適切にグラフ表示されないと判断した場合には、当該周期に含まれるデータが前記出力領域に適切にグラフ表示されるように前記出力領域における当該データのグラフの表示位置を補正する表示制御手段、
を備えたことを特徴としている。
これらの特徴により、前記グラフ表示制御装置は、前記周期に含まれるデータが前記出力領域に表示されない場合であっても、グラフ位置を補正することによって前記周期に含まれるデータのグラフを出力領域に表示させることができる。
5)本発明の前記表示制御手段または前記グラフの表示位置の補正処理は、
前記出力領域にグラフ表示可能に前記データを記録するための第1記録領域および前記出力領域にグラフ表示可能に前記データを記録するための第2記録領域に記録されたデータについて、
当該周期に含まれるデータが前記出力領域に適切にグラフ表示されると判断した場合には、前記第1記録領域に記録されたデータを前記出力領域に出力する一方で、
当該周期に含まれるデータが前記出力領域に適切にグラフ表示されないと判断した場合には、当該周期に含まれるデータが前記出力領域に適切にグラフ表示されるように前記第2記録領域の記録内容を補正するとともに、その第2記録領域の記録内容を前記第1記録領域に複写し、
前記第1記録領域に複写された記録内容を前記出力領域に出力すること、
を特徴としている。
これらの特徴により、前記グラフ表示処理装置は、前記周期に含まれるグラフが前記出力領域に表示されない場合に、前記周期に含まれるグラフが前記出力領域に表示されるように記録内容を補正するために利用する記録領域を、記録内容を前記出力領域に出力するために利用する記録領域と区別することができる。したがって、前記グラフ表示方法は、記録内容の補正処理と出力領域への出力処理とを迅速に実行することができる。
6)本発明の前記表示制御手段または前記グラフの表示位置の補正処理は、
前記周期判断手段または前記対象周期の判断処理が前記対象周期を判断しない場合には、前記出力領域における当該データのグラフの表示位置を補正しないこと、
を特徴としている。
この特徴により、前記グラフ表示処理装置は、前記周期に含まれるグラフが前記出力領域に表示されない場合に限定して、グラフ位置を補正することができる。
7)本発明の前記周期判断手段または前記対象周期の判断処理は、
前記データの特徴量に基づいて前記対象周期を判断することを特徴としており、
前記表示制御手段または前記グラフの表示位置の補正処理は、
前記周期に含まれるデータが前記出力領域に適切にグラフ表示されないと判断した場合には、当該周期に含まれるデータが前記出力領域に適切にグラフ表示されるように前記出力領域における当該グラフの表示位置を、当該周期性を有するデータの変動成分の方向へ移動すること、
を特徴としている。
これらの特徴により、前記グラフ表示処理装置は、前記周期に含まれるグラフが前記出力領域に表示されない場合であっても、グラフの表示位置をデータの変動成分の方向へ移動することによって前記周期に含まれるグラフを出力領域に表示することができる。
8)本発明の前記特徴量は、当該周期内における中心部分に関連する中心部分データを含んでおり、
前記表示制御手段または前記グラフの表示位置の補正手段は、
前記中心部分データに基づいて、前記周期内における中心部分が前記出力領域における中央領域に位置するか否かの判定を行うことによって、前記周期に含まれるデータが前記出力領域に適切にグラフ表示されるか否かを判断し、前記周期に含まれるデータが前記出力領域に適切にグラフ表示されないと判断した場合には、前記周期内における中心部分が前記中央領域に位置するように前記出力領域における当該グラフの表示位置を、当該周期性を有するデータの変動成分の方向へ移動すること、
を特徴としている。
これらの特徴により、前記グラフ表示処理装置は、前記グラフの周期内における中心部分が前記中央領域に位置するような配置で前記周期に含まれるグラフを適切に表示することができる。
9)本発明の前記特徴量は、
前記対象周期における極大値または極小値に基づいて算出されること、
を特徴としている。
この特徴により、前記グラフ表示処理装置は、前記周期に含まれるグラフにおける極大値または極小値に基づく前記特徴量を考慮して、前記周期に含まれるグラフを表示することができる。
10)本発明の前記データは、心電図測定データであり、
前記特徴量は、
心電図波形のP波高(P電位)、またはQ波高(Q電位)、またはR波高(R電位)、またはS波高(S電位)、またはT波高(T電位)のいずれかに基づいて算出されること、
を特徴としている。
これらの特徴により、前記グラフ表示処理装置は、前記心電図波形のP波高(P電位)、またはQ波高(Q電位)、またはR波高(R電位)、またはS波高(S電位)、またはT波高(T電位)のいずれかに基づく特徴量を考慮して、前記周期に含まれる心電図を表示することができる。
11)本発明の前記周期内における中心部分に関連するデータは、
前記R波高から前記S波高の間を1:2に分ける位置に関連するデータであること、
を特徴としている。
この特徴により、前記グラフ表示処理装置は、前記R波高から前記S波高の間を1:2に分ける位置に関連するデータに基づき、前記心電図波形の周期に含まれるグラフをバランスよく配置して表示することができる。
12)本発明の前記周期判断手段または前記対象周期の判断処理は、さらに、
前記データの特徴量に基づいて前記対象周期を判断することを特徴としており、
前記表示制御手段または前記グラフの表示位置の補正処理は、
前記周期に含まれるデータが前記出力領域に適切にグラフ表示されないと判断した場合には、当該周期に含まれるデータが前記出力領域に適切にグラフ表示されるように前記出力領域における前記変動成分の方向の表示倍率を変更すること、
を特徴としている。
これらの特徴により、前記グラフ表示処理装置は、前記周期に含まれるグラフが前記出力領域に表示されない場合であっても、前記出力領域における前記変動成分の方向の表示倍率を変更することによって前記周期を出力領域に表示することができる。
13)本発明の前記対象周期のデータは、周期内の振幅に関連する振幅データを含んでおり、
前記表示制御手段または前記グラフの表示位置の補正処理は、
前記振幅データに基づいて、前記周期内の振幅の大きさが所定の振幅基準に合致するか否かを判断し、当該振幅の大きさが前記振幅基準に合致しないと判断した場合には前記出力領域における前記変動成分の方向の表示倍率を変更すること、
を特徴としている。
これらの特徴により、前記グラフ表示処理装置は、前記振幅基準に合致しない振幅の大きさを有するグラフを、前記表示制御手段によって適当な大きさになるように表示倍率を変更したグラフを表示することができる。
14)本発明の前記特徴量は、
前記対象周期における極大値または極小値に基づいて算出されること、
を特徴としている。
この特徴により、前記グラフ表示処理装置は、前記グラフの各周期における極大値または極小値に基づく前記振幅データを考慮して、前記グラフを適当な大きさで表示することができる。
15)本発明の前記データは心電図測定データであり、
前記特徴量は、
心電図波形のP波高(P電位)、またはQ波高(Q電位)、またはR波高(R電位)、またはS波高(S電位)、またはT波高(T電位)のいずれかに基づいて算出されること、
を特徴としている。
これらの特徴により、前記グラフ表示処理装置は、前記心電図波形のP波高(P電位)、またはQ波高(Q電位)、またはR波高(R電位)、またはS波高(S電位)、またはT波高(T電位)のいずれかに基づく振幅データを考慮して、前記グラフを適当な大きさで表示することができる。
16)本発明の前記表示制御手段または前記グラフの表示位置の補正処理は、
複数の前記周期内の振幅データの平均に関連する値に基づいた振幅の大きさが前記振幅基準に合致するか否かを判断すること、
を特徴としている。
この特徴により、前記グラフ表示処理装置は、複数の周期内の振幅の傾向を考慮することによって、個々の周期内の振幅にかかわらず全体的な振幅が適当な大きさとなるように前記グラフを表示することができる。
17)本発明の前記表示制御手段または前記グラフの表示位置の補正処理は、
前記振幅データが振幅上限基準を超えていれば表示倍率を2倍に変更すること、または、前記振幅データが振幅下限基準を下回っていれば表示倍率を1/2倍に変更すること、
を特徴としている。
これらの特徴により、前記グラフ表示処理装置は、振幅が大きすぎる場合には、表示倍率を2倍に変更、すなわち、表示目盛を2倍にすることによって振幅が小さくなるようにグラフを表示することができ、一方、振幅が小さすぎる場合には、表示倍率を1/2倍に変更、すなわち、表示目盛を半分にすることによって振幅が大きくなるようにグラフを表示することができる。
19)本発明の前記グラフ表示処理装置は、さらに、
前記出力領域にグラフ表示可能に前記データを記録するための記録領域、
を備えており、
前記記録領域は、
少なくとも、前記周期判断手段によって判断される前記対象周期の単位で区分け可能なように前記データを記録すること、
を特徴としている。
この特徴により、前記グラフ表示処理装置は、前記対象周期の単位で前記データのグラフの表示位置を補正することができる。
20)本発明の前記表示制御手段または前記グラフの表示位置の補正処理は、さらに、
前記対象周期の判断に基づいて、前記出力領域において前記グラフの対象周期が識別可能となるような識別マークを当該周期に対応づけて表示すること、
を特徴としている。
この特徴により、前記グラフ表示処理装置は、グラフの各周期の位置を簡易に視認することができるようにグラフを表示することができる。
23)本発明のグラフ表示物は、
周期性を有するデータに基づくグラフを表示するグラフ表示物であって、
出力領域に前記データに基づくグラフが表示されており、
表示対象となるグラフの周期内における中心部分が前記出力領域における中央領域に位置するように、前記出力領域における当該グラフの位置が前記データの周期単位で補正されていること、
を特徴としている。
これらの特徴により、前記グラフ表示物には、前記グラフの周期内における中心部分が前記出力領域における中央領域に位置するような形式でグラフが表示される。
28)本発明のグラフ表示方法は、
データを出力領域に表示するグラフ表示方法であって、
データを順次受けて、所定区間の当該データが前記出力領域に適切にグラフ表示されるか否かを判断し、当該データが前記出力領域に適切にグラフ表示されないと判断した場合には、当該データが前記出力領域に適切にグラフ表示されるように前記出力領域を補正すること、
を特徴としている。
これらの特徴により、前記グラフ表示処理装置は、所定区間におけるグラフが前記出力領域に表示されない場合であっても、グラフ位置を補正することによって前記所定区間に含まれるグラフを出力領域に表示させることができる。
29)本発明の心電図表示方法は、
心電図測定データに基づいて出力領域に心電図を表示する心電図表示方法であって、
心電図の表示位置に影響を与えるノイズを含む心電図測定データを受け付け、
前記心電図測定データに基づいて前記出力領域に心電図を表示し、
表示対象となる心電図の心周期を判断し、
前記心周期のデータに基づいて、当該心周期に含まれる心電図が前記出力領域に表示されるか否かを判断し、
前記ノイズの存在によって当該心周期に含まれる心電図が前記出力領域に表示されないと判断した場合には、当該心周期に含まれる心電図が前記出力領域に表示されるように、その出力領域における当該心電図の位置を、当該心電位変動成分の方向にスクロール処理すること、
を特徴としている。
これらの特徴により、前記心電図表示方法は、前記ノイズの存在によって前記心周期の波形形状が前記出力領域に表示されない場合であっても、前記スクロール処理によって、表示対象となる心電図の心周期の波形形状を表示することができる。
30)本発明の心電図表示方法は、
心電図測定データに基づく心電図の心周期が出力領域に表示されるように表示位置補正処理を行いつつ心電図を表示する心電図表示方法であって、
心電図測定データを受け付け、
前記心電図測定データに基づいて心電図の心周期を判断し、
当該心周期に含まれる心電図が出力領域に表示されるようにするための表示位置補正処理を実行するタイミングを、前記心周期の判断処理のタイミングに対応づけて行うこと、
を特徴としている。
これらの特徴により、前記心電図表示方法は、前記心周期の判断タイミングに対応づけて、前記心電図波形が出力領域に表示されるようにすることができる。
以下、用語の定義について説明する。
この発明において、
「周期性を有するデータ」とは、所定の特徴によって定義づけられるデータ部分が、時間の経過に応じて繰り返される傾向を有するデータ一般を含む概念である。例えば、時間の経過に応じて所定の関数で表現される部分が繰り返すデータ(正弦波を示すデータなど)、または、心電図測定データ(P波、またはQ波、またはR波、またはS波、またはT波の特徴によって定義づけられるデータ)、または、所定データ範囲内における極大値(または最大値)または極小値(または最小値)によって定義づけられる部分が繰り返すデータなどがこの概念に対応する。
「周期に含まれるデータ」とは、1または複数の周期を示すデータを含む概念である。例えば、正弦波における1周期または複数の周期を示す部分、または、心電図グラフにおける1心拍の周期(心周期)または複数の周期を示す部分などがこの概念に対応する。
「対象周期を判断」とは、周期性を有するデータから当該周期に含まれるデータを直接的に判断する場合、または、周期性を有するデータから判断される特徴量に基づいて当該周期に含まれるデータを判断する場合、または、周期性を有するデータをグラフにプロットして当該周期に含まれるデータを判断する場合を含む概念である。
「対象周期のデータ」とは、対象周期内に入っているデータ、または、対象周期内に入っているという情報が付加されたデータを含む概念である。実施形態では、1心拍として認識される心電図波形データを構成する各データが、この「対象周期のデータ」に対応する。
「データの特徴量」とは、データの特徴を示すもの一般を含む概念である。実施形態においては、心電図のP波高(P電位)を示すデータ、またはQ波高(Q電位)を示すデータ、またはR波高(R電位)を示すデータ、またはS波高(S電位)を示すデータ、またはT波高(T電位)を示すデータ、または波形の極大値を示すデータ、または波形の極小値を示すデータ、または中心点を示すデータ、または振幅値を示すデータが、この「データの特徴量」の概念に含まれる。
「出力領域に適切にグラフ表示される」とは、周期に含まれるデータの全体が出力領域に表示される場合、または、周期に含まれるデータの大部分が出力領域に表示される場合、または、出力領域において周期に含まれるデータの特徴が認識可能に表示される場合、または、出力領域において周期に含まれるデータが適切な大きさで表示される場合を含む概念である。
「出力領域に適切にグラフ表示されない」とは、周期に含まれるデータが全く出力領域に表示されない場合、または、周期に含まれるデータの大部分が出力領域に表示されない場合、または、出力領域においてデータの周期の特徴が認識可能に表示されない場合、または、出力領域において周期に含まれるデータが適切な大きさで表示されない場合を含む概念である。例えば、心電図波形の場合においては、波形が出力領域の上部に位置することにより、P、Q、S、T波のそれぞれを認識することができるがR波の上部がとぎれている状態も、この「出力領域に適切にグラフ表示されない」という概念に含まれる。
「周期内における中心部分」とは、周期に含まれるデータの物理的な中心を表す部分、または、周期に含まれるデータの形状の重心を表す部分、または、周期に含まれるデータの振幅に関する中心を表す部分、または、周期に含まれるデータの時間幅に関する中心を表す部分、または周期に含まれるデータの特徴部分を表示するために選択した仮想の中心を表す部分を含む概念である。また、中心部分における「部分」とは、点として表現できる対象、または、一定の面積を有する形状として表現できる対象を含む概念である。実施形態においては、例えば、図4の位置44で示される、R−S間を1:2に分ける位置が、この「周期内における中心部分」に対応する。
「周期性を有するデータの変動成分」とは、周期性を有するデータにおいて時間の経過に応じて変動する成分を含む概念である。実施形態においては、心電図波形データにおける電位値が、この「周期性を有するデータの変動成分」に対応する。
「変動成分の方向」とは、時間の経過に応じて変動するデータをグラフ形式にて表示した場合に、そのデータの変動成分が変動する方向を含む概念である。実施形態においては、心電図グラフの時間軸と直交する軸方向(電位軸方向)が、この「データの変動成分の方向」に対応する。
「表示倍率を変更」とは、表示倍率を変更すること、表示の縮尺率を変更すること、または、表示の目盛を変更することを含む。また、「変更」とは、表示倍率または縮尺率を上下することを含む。実施形態では、スケール変更処理の内容が、この「表示倍率を変更」することに対応する。
「対象周期が識別可能となるような識別マーク」とは、周期の位置に関連づけられる記号、または符号、または図形、または文字一般含む概念である。実施形態では、各心拍のR波の位置にプロットされる認識ポイント1105(図11参照)がこの「識別マーク」に対応する。
本発明の特徴は、上記のように広く示すことができるが、その構成や内容は、それらの特徴および効果とともに、図面を考慮に入れた上で以下の開示によりさらに明らかになるであろう。
図1は、心電図表示装置の機能ブロック図である。 図2は、心電図表示装置のハードウェア構成例である。 図3は、記録された心電波形データを模式的にグラフによって表したものである。 図4は、心電図波形において、心電図表示装置のCPUが演算する心電図波形の中心点の位置および振幅を示す模式図である。 図5は、心室細動波形において、心電図表示装置のCPUが演算する心電図波形の中心点の位置および振幅を示す模式図である。 図6Aおよび図6Bは、第1実施形態によるスクロール処理の概略図である。 図7Aおよび図7Bは、スクロール処理中のVRAMとスクロール用RAMとの対応を示す概念図である。 図8は、スクロール処理のフローチャートである。 図9は、スクロール処理のフローチャートである。 図10は、スクロール処理のフローチャートである。 図11Aおよび図11Bは、スクロール処理中の心電図表示装置のディスプレイ表示例である。 図12Aおよび図12Bは、第2実施形態によるスケール変更処理の概略図である。 図13は、第2実施形態によるスケール変更処理のフローチャートである。 図14は、第2実施形態によるスケール変更処理のフローチャートである。 図15は、第2実施形態によるスケール変更処理のフローチャートである。 図16Aおよび図16Bは、スケール変更処理中の心電図表示装置のディスプレイ表示例である。 図17Aおよび図17Bは、スクロール処理のその他の実施形態を示す図である。 図18Aおよび図18Bは、スクロール処理のその他の実施形態を示す図である。 図19は、スクロール処理のその他の実施形態を示す図である。
本発明は、一定の周期性を有する物理量データ(生体情報を含む)をグラフ表示する装置として実施可能である。具体的には、機械の周期的な信号を示す電圧波形または電流波形のグラフ表示に基づいて、機械の監視や故障状況を判断すること等が可能である。また、光波形、音声波形、地震波形等を示すデータを採用することも可能である。
以下の説明では、それらの物理量の一例として「心電図」に関するデータを用い、本発明の実施形態を提示する。本発明にかかる「グラフ表示処理装置」の実施形態としての心電図表示装置は、患者の心電図をディスプレイ表示する処理を例示するものである。本実施形態によれば、例えば患者の体動などを原因とするノイズの存在によって心電図波形がディスプレイから外れてしまう場合に、所定のスクロール処理によってその心電図波形をディスプレイ内に表示することができる(第1実施形態)。また、心電図波形の振幅がディスプレイ表示に対して大きすぎる場合や小さすぎる場合に、所定のスケール変更処理によって視認が容易になるようにその心電図波形の大きさを変更して表示することができる(第2実施形態)。
以下、心電図表示処理の概略、装置のハードウェア構成、特許請求の範囲に記載した用語と実施形態との対応を説明し、次に各実施形態の説明等を行う。
目次
1.心電図表示処理の概略
2.ハードウェア構成等
3.特許請求の範囲に記載した用語と実施形態との対応
4.心電図波形の概略
5.第1実施形態(スクロール処理)
6.第2実施形態(スケール変更処理)
7.実施形態による効果
8.心電図表示装置のその他の機能
9.その他の実施形態等
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
−−1.心電図表示処理の概略−−
心電図グラフのディスプレイ表示を行う心電図表示装置100は、救急現場、救急車内、病院内での使用に好適であり、実施形態では、例示として患者搬送中の救急車内で救急救命士が使用する場合を説明する。この心電図表示装置100の構成は後述する。
1−1.スクロール処理(第1実施形態)の概略
図6は、後述する第1実施形態による心電図グラフのスクロール処理の概略図である。心電図グラフの縦軸は電位値(電圧値)(ミリボルト(mV))であり、横軸は時間(秒)である。また、心電図グラフは、心電図の測定時間の経過にしたがって表示エリアの左から右の方向へ進行しながら描画(プロット)される。
図6Aは、スクロール処理前のディスプレイ表示例である。表示エリア62には、心電図グラフ61が表示される。スクロール処理は、最新の心周期波形(心拍1回の波形)が表示エリア62に視認できる位置にない場合に、所定のスクロール処理を行うものである。
心周期波形が表示エリア62に視認できる位置にない場合とは、本実施形態では、例示として心周期(1心拍)の波形の中心点(重心点)が表示エリアの中央部分1/3内に入っていない場合と定義している。具体的には、スクロール処理を行うか否かの判断は、心電図表示装置100のCPUが、心周期を認識する毎に心周期のR波からS波の間(図3参照)の下から2/3の位置を心周期波形の中心点60として算出し、その中心点60が表示エリア62の中央部分1/3で定義される中央領域63(出力領域における中央領域)に位置するように表示されているか否かによって行う。図6Aでは、最新の心周期波形の中心点60が中央領域63内にないため、心電図表示装置100のCPUが心電図グラフ61のスクロール処理を行う。
図6Bは、そのスクロール処理後の心電図グラフである。スクロール処理後は、図6Aと比較すると表示エリアに対する心電図グラフの位置が下方向(周期性を有するデータの変動成分の方向)に平行移動されており、図6Aでは視認し難かった心周期波形の全体がより明確に視認できるようにされる。具体的には、スクロール処理は、心周期波形の中心点65が中央領域68の中央(出力領域における中央領域の中央部分)に位置するよう行われる。
なお、中央領域63、68および図6Bの点線で示す心電図グラフは説明のために図示するものであり、実際には表示されるものではない。ただし、それらを表示エリアに表示するようにしてもよい。
以上のように、第1実施形態では、心電図グラフを表示するとともに、心拍1回ごとに心電図波形を認識し、その認識結果に基づいて当該心拍の心周期波形が表示エリアに適切に表示されるかを判断し、表示されない場合にはスクロール処理を行うこととしている。これにより、心電図表示装置100のユーザ(医師、救急救命士など)に対して、心疾患の有無の判断の補助に重要な心電図波形の形状(QRS波の形状等を含む)を適切にディスプレイ表示することが可能となる。
1−2.スケール変更処理(第2実施形態)の概略
図12は、後述する第2実施形態による心電図グラフのスケール変更処理の概略図である。心電図グラフの縦軸は、スケール変更処理前は−(マイナス)1mV〜+(プラス)1mVまでとする。
図12Aは、スケールを2倍に変更する場合の処理前後のディスプレイ表示例である。表示エリア1201には、心電図グラフ1202が表示される。スケール変更処理は、所定心拍数の心電図波形の振幅(例えば、R波高からS波高までの電位差)が表示エリア縦方向1/2(基準線1203)の電位差より大きい場合に、表示エリアのスケールを2倍にして表示する(出力領域のスケールを変更)。具体的には、心電図表示装置100のCPUは、スケール変更処理によって表示エリア1205のスケールを−(マイナス)2mV〜+(プラス)2mVに設定し、それに伴って心電図グラフ1206は振幅が小さくなる方向に圧縮された表示となる。
図12Bは、スケールを1/2倍に変更する場合の処理前後のディスプレイ表示例である。表示エリア1211には、心電図グラフ1212が表示される。スケール変更処理は、所定心拍数の心電図波形の振幅(例えば、R波高からS波高までの電位差)が表示エリア縦方向1/5(基準線1213)の電位差より小さい場合に、表示エリアのスケールを1/2倍にして表示する(出力領域のスケールを変更)。具体的には、心電図表示装置100のCPUは、スケール変更処理によって表示エリア1215のスケールを−(マイナス)0.5mV〜+(プラス)0.5mVに設定し、それに伴って心電図グラフ1216は振幅が大きくなる方向に拡張された表示となる。
なお、基準線1203、1213は説明のために図示するものであり、実際には表示されるものではない。ただし、それらを表示エリアに表示するようにしてもよい。
以上のように、第2実施形態では、心電図グラフを表示するとともに、心電図波形の振幅が大きすぎる場合には圧縮して表示し、一方、振幅が小さすぎる場合には拡張して表示するようにスケール変更処理を行うこととしている。これにより、心電図表示装置100のユーザに対して、心疾患の有無の判断の補助に重要な心電図波形の形状(QRS波の形状等を含む)を適切なサイズでディスプレイ表示することが可能となる。
−−2.ハードウェア構成等−−
図1は、心電図表示装置の機能ブロック図を示す。心電図表示装置は、データ取得手段110、周期判断手段112、表示制御手段124を備えている。表示制御手段124は、グラフ出力手段111、グラフ位置判断手段114、グラフ位置補正手段116、振幅データ判断手段120、スケール変更手段(表示倍率変更手段)122を備えている。
データ取得手段110は、心電図測定データを取得する。グラフ出力手段111(表示制御手段124)は、心電図測定データをグラフ形式にしてディスプレイに表示する。
周期判断手段112は、心電図測定データの中の心周期(1心拍)を判断する。グラフ位置判断手段114(表示制御手段124)は、周期内における中心部分に関連する中心部分データに基づいて、その心周期に含まれるデータが表示エリアに表示されるか否かを判断する。グラフ位置補正手段116(表示制御手段124)は、その心周期に含まれるデータが表示エリアに表示されるようにグラフの位置をスクロール処理する。
振幅データ判断手段120(表示制御手段124)は、周期内の振幅に関連する振幅データに基づいて、その心周期(1心拍)に含まれるデータの振幅の大きさが所定の振幅基準に合致するか否かを判断する。スケール変更手段122(表示制御手段124)は、ディスプレイのスケールを変更する。
図2は、図1に示す心電図表示装置をCPUを用いて実現したハードウェア構成の例を示す。心電図表示装置100は、CPU10、増幅アンプ11、A/D変換12、マウス/キーボード13、ディスプレイ14(表示装置)、スピーカ15、メモリ16、Flash−ROM17(フラッシュメモリ等の、記憶したデータを電気的に消去できる書き換え可能な読み出し専用メモリ、以下、F−ROM17とする)、ディスプレイコントローラ18、ECG電極20(生体信号検出器)を備えている。
ECG電極20は、患者の心電流を測定する電極である。増幅アンプ11は、ECG電極20によって得られた心電流を増幅するものである。CPU10は、得られた心電流を心電図測定データに変換する処理、グラフ描画処理、スクロール処理、スケール変更処理等のほか、心電図表示装置100全体を制御する。F−ROM17は、心電図表示装置100を制御するためのプログラムを記録する。メモリ16は、CPU10のワーク領域等を提供する。また、メモリ16は、Video Random Access Momory22(以下、VRAM22とする)、スクロール用RAM24を備えている。マウス/キーボード13またはディスプレイコントローラ18の操作により生成される操作情報はCPU10に入力され、CPU10が生成した画像情報及び音声情報は、ディスプレイ14、スピーカ15にそれぞれ出力される。
本実施形態では、心電図表示装置100のオペレーティングシステム(OS)の例として、マイクロソフト社のWindows(登録商標)XP、NT、2000、98SE、ME、CE等を用いることとする。本実施形態の制御プログラムは、OSと共働して各機能を実現しているが、これに限らず、制御プログラム単独で各機能を実現するようにしてもよい。
なお、実施形態で説明する「心電図」は、患者の身体の2点間における心電位差を測定することの結果として得られるものである。したがって、実施形態における「心電図の測定」等の表現は、心電位等を測定する概念を含む。
−−3.特許請求の範囲に記載した用語と実施形態との対応−−
特許請求の範囲に記載した用語と実施形態との対応は以下の通りである。
「データ」は、実施形態では心電図測定データに対応する。「出力領域」は、実施形態では、ディスプレイ14における心電図グラフの表示エリアに対応する。
「対象周期のデータ」は、実施形態では、図8ステップS813または図13ステップS1309においてCPU10が認識(抽出)する1心拍の波形の認識点のデータに対応する。「中心部分データ」は、実施形態では、図10ステップS1007、またはS1011、またはS1015における中心点を示すデータに対応する。「周期判断手段」は、データの周期性に基づいて対象周期を判断する機能を有するもの一般を含む概念であり、例えば、実施形態における図8ステップS813または図13ステップS1309の処理を行うCPU10に対応する。「表示制御手段(グラフ出力手段)」は、グラフの出力機能を有するもの一般を含む概念であり、例えば、実施形態における図8ステップS809または図13ステップS1307の処理を行うCPU10に対応する。「表示制御手段(グラフ位置判断手段)」は、グラフの表示位置を判断する機能を有するもの一般を含む概念であり、例えば、実施形態における図8ステップS817、S819の処理を行うCPU10に対応する。「表示制御手段(グラフ位置補正手段、表示位置補正処理)」は、グラフの表示位置を補正する機能を有するもの一般を含む概念であり、例えば、実施形態における図9ステップS903、S905の処理を行うCPU10に対応する。
「周期内の振幅」は、実施形態では、QRS波におけるR値とS値との差(図14ステップS1411参照)、または、心室細動波形の最大値と最小値との差(図14ステップS1407参照)に対応する。「振幅データ」は、実施形態では、図14ステップS1411または図14ステップS1407における振幅値を示すデータに対応する。「表示制御手段(振幅データ判断手段)」は、振幅データを判断する機能を有するもの一般を含む概念であり、例えば、実施形態における図13ステップS1311、S1313、S1315の処理を行うCPU10に対応する。「表示制御手段(スケール変更手段)」は、スケールを変更する機能を有するもの一般を含む概念であり、例えば、実施形態における図13ステップS1317の処理を行うCPU10に対応する。
「第1記録領域」は、実施形態では図2のVRAM22に対応し、「第2記録領域」は、実施形態では図2のスクロール用RAM24に対応する。
−−4.心電図波形の概略−−
心電図表示装置100のCPU10が処理する心電図測定データについて、図を用いて説明する。
4−1.心電図波形グラフ
CPU10は、ECG電極20を介して得られるデジタルデータ(心電波形データ)を、12誘導の各誘導毎に連続的にメモリ16(またはF−ROM17)に記録する。図3は、一つの誘導について、その記録された心電波形データを模式的にグラフ(縦軸:電位(電圧)、横軸:時間)によって表したものである。 CPU10は、図3に例示する心電図波形グラフを、ディスプレイ14に描画する処理を行う。心電図グラフの描画は、心電図の測定時間の経過にしたがってプロットポイントが移動(ディスプレイ右方向)することによって行われる。また、CPU10は、心電図測定データに基づいて、心拍1回毎の波形を認識する。図3に示すように、CPU10は、心電図波形データから、P(P電位またはP波高)、Q(Q電位またはQ波高)、R(R電位またはR波高)、S(S電位またはS波高)、T(T電位またはT波高)、ST(STレベル)、QT(QT間隔)、RR(RR間隔)の全てまたはそれらの一部を認識値データ(特徴量)として認識(抽出)してメモリ16(またはF−ROM17)に記録する。CPU10は、正常波形の場合、例えば以下のような処理によって、1心拍の認識、および、心電図の各波を認識する。
(1)1心拍の認識:所定時間の心電波形データ(電位値または電圧値)のサンプリングを行った後、所定の閾値を超える極大値成分であるR波と、(所定の閾値を超える極大値成分である)次のR波を認識し、RR間隔を1心拍として認識する。このとき、R波以外の極大値であるT波成分(R波より周波数が低い)を、ローカットフィルタを利用して除去してもよい。
(2)P波:R波の位置から200〜300msec(ミリ秒)前の位置に存在する極大値をP波と認識する。
(3)Q波:R波の位置の直前に存在する極小値をQ波と認識する。
(4)S波:R波の位置の直後に存在する極小値をS波と認識する。
(5)T波:R波と次のR波の間に存在する極大値をT波と認識する。
(6)ST部:心電図上においてS波とT波との間を直線補間した場合に、その間の極大値成分となる部分をST部と認識する。
なお、心電図測定中の患者の動作等によっては、心電図波形中に異常な周期を有する高周波ノイズが生じてしまい、認識値データの抽出が正確に行われ難い場合も多い。そのような高周波ノイズを除外して正確な認識値データをとる方法として、例えば、特開平6−261871に開示されている技術を利用してもよい。
4−2.心電図波形グラフの中心点と振幅
図4は、第1実施形態および第2実施形態においてCPU10が利用する、心電図グラフの中心点データと振幅データとを説明する図である。
図4において、PP間隔42(P波からP波の間)を1心拍(心周期)とする。CPU10は、心電図波形のR波からS波を結ぶ線45(ディスプレイ14の縦方向の線)の上から1/3の位置44を示すデータを中心点データとして算出する(図10ステップS1011参照)。言い換えると、位置44は、R−S間を1:2に分ける位置(「R波高からS波高の間を1:2に分ける位置」)である。この位置44の中心点データは、第1実施形態(スクロール処理)において利用される。
なお、患者の心臓の状態によっては、R波高が上がらずQ波高とほぼ同等で、S波高が下がった波形形状になることもある。この場合であっても、図10ステップS1011の処理により、R波からS波を1:2に分ける位置が中心点データとして演算される。
また、CPU10は、R−S間の電位差(振幅の差)であるRS間隔40を振幅データとして算出する。このRS間隔40の振幅データは、第2実施形態(スケール変更処理)において利用される。
4−3.心室細動の場合の心電図波形グラフの中心点と振幅
図5は、心室細動(および/または心室粗動(以下同じ))が起こっている場合の心電図グラフの中心点データと振幅データとを説明する図である。心室細動が起こっている場合の心電図波形は、通常の心電図波形ではなく正弦波を描くようになるのが一般的である。したがって、実施形態では、心室細動の場合は図4の場合とは異なる手法によって中心点データ等を算出することとしている。
図5において、正弦波の1周期間隔52を1心拍とする。CPU10は、1心拍の最大値位置と最小値位置(「各周期における極大値または極小値」)とを結ぶ線(ディスプレイ14の縦方向の線)の中心点である位置54を示すデータを中心点データとして算出する。この位置54の中心点データは、第1実施形態(スクロール処理)において利用される。
また、CPU10は、最大値位置−最小値位置の電位差(振幅の差)である間隔50を振幅データとして算出する。この間隔50の振幅データは、第2実施形態(スケール変更処理)において利用される。
なお、第1実施形態におけるスクロール処理は、ディスプレイ14の縦方向(Y軸方向)にて行われるものである。したがって、上述した中心点データの算出は、Y軸方向での位置を示すデータ、例えば、電圧値(mV)を利用して行えばよい。ただし、スクロール処理をディスプレイ14の横方向(X軸方向)も考慮して行う場合の中心点データの算出は、X軸(時間データ)およびY軸(電圧データ)の両方の位置データを利用すればよい(説明の便宜上、図4および図5では、中心点を、X軸およびY軸の両方によって特定される位置として表現している)。
−−5.第1実施形態(スクロール処理)−−
以下、第1実施形態によるスクロール処理プログラムの内容を図7に基づいて説明し、続いて、図8〜図10に示すプログラムのフローチャート等を参照しながら心電図表示装置100のCPU10が行う処理について説明する。
5−1.スクロール処理の内容
図7は、スクロール処理の際のVRAM22とスクロール用RAM24との関係を示す模式図である。
VRAM22は、ディスプレイ14に表示される画面内容を記録するメモリ(バッファ)である。したがって、VRAM22に記録された心電図測定データは、表示信号に変換されてディスプレイ14の表示エリアに出力される。一方、スクロール用RAM24は、画面内容を記録するメモリ(バッファ)であるが、VRAM22のように記録された心電図測定データが直接表示エリアに表示されるのではなく、CPU10が心電図測定データの画面内容をスクロール処理するために利用するメモリである(仮想VRAMとして機能する)。
より具体的には、CPU10は、取得した心電図測定データをVRAM22およびスクロール用RAM24の両方にグラフとして書き込む。通常、CPU10は、VRAM22の記録内容である心電図グラフをディスプレイ14の表示エリアに出力する。そして、認識した最新の1心拍の心電図の波形形状がディスプレイ14の表示エリアに収まらない場合には、CPU10は、スクロール用RAM24の記録内容をスクロールさせつつ、そのスクロール処理後の記録内容をVRAM22に複写(コピー)する。その結果、ディスプレイ14において心電図グラフのスクロールが行われる。
図7では、VRAM22およびスクロール用RAM24の記録内容を画面内容そのものとして模式的に表現している。図7Aは、VRAM22の記録内容の経時的変化を示しており、図7Bは、スクロール用RAM24の記録内容の経時的変化を示している。
VRAM22の記録内容は、縦軸が−1mV〜1mVの幅の表示領域に対応し、一方、スクロール用RAM24の記録内容は、縦軸が−7mV〜7mVの表示領域に対応する。これらの記録内容の縦軸の座標情報は、上限値、下限値、中央値によって定義づけられる。横軸は、全幅がVRAM22およびスクロール用RAM24とも5秒間の時間幅の表示領域に対応する。この実施形態では、ディスプレイ14における心電図グラフの実測の表示エリアは、縦軸が1mV=1センチメートル(cm)、横軸が1秒=25ミリメートル(mm)という比率で構成される。
次に、このスクロール処理の内容を図7に基づいて説明する。CPU10は、VRAM22およびスクロール用RAM24の両方に心電図測定データを書き込む。その結果、VRAM22にはデータ70が記録され、一方のスクロール用RAM24にはデータ74が記録される。VRAM22に記録された内容は、ディスプレイ14の表示エリア(以下、「ディスプレイ14」との記述は、ディスプレイ14の表示エリアを含むこととする)に表示される。スクロール用RAM24の中央部分78の記録内容は、VRAM22のデータ70と同じ記録内容である。この中央部分78は、例えば、スクロール用RAM24における縦軸中央値の座標情報と縦軸中央値からの上下幅情報とによって定義づければよい。
時間の経過にしたがって、CPU10は新たな心電図測定データをVRAM22およびスクロール用RAM24に追加して書き込む。その結果、VRAM22にはデータ71が記録され、スクロール用RAM24にはデータ75が記録される(中央部分79はデータ71に対応)。
CPU10は、新たな心電図測定データをVRAM22およびスクロール用RAM24に追加して書き込む。VRAM22にはデータ72が記録され、スクロール用RAM24にはデータ76が記録される(中央部分80はデータ72に対応)。このとき、CPU10は、データ72が示すように右端の1心拍の波形形状がディスプレイ14に表示されない状態となっていることを判断し、スクロール用RAM24を利用してスクロール処理を行う。スクロール処理の要否の判断は、「1−1.スクロール処理(第1実施形態)の概略」の項で説明した内容と同様である。
CPU10は、スクロール用RAM24の記録内容をスクロール処理させてデータ77とする。具体的には、図7Bでは、スクロール用RAM24における記録領域を、−7mV〜7mVの範囲から−6mV〜8mVの範囲に書き換えている。その書き換えに伴い、VRAM22の記録内容に対応づけられる中央部分81も、0mV〜2mVに書き換えられることになる。具体的には、スクロール用RAM24の記録内容を消去して、縦方向の上限値、下限値、中央値のそれぞれの座標を所定単位数(例えばピクセル数)変更したうえで再描画(書き換え)することにより、スクロール用RAM24の座標情報と心電図測定データの電位値(mV)との対応づけが変更される。なお、このスクロール処理を行うプログラムとしては、例えば、スクロール関数であるScrollWindowやScrollDCなどを用いればよい。
CPU10は、中央部分81の記録内容をVRAM22にコピー(複写)することにより、VRAM22にはデータ73が記録される。その結果、ディスプレイ14にはスクロール処理された心電図グラフが表示されることになる。なお、このコピーによって、VRAM22の座標情報と心電図測定データの電位値(mV)との対応づけも変更される。図7の例では、VRAM22の中心値は0mVから1mVに変更される。したがって、スクロール処理以降に取得した心電図測定データによる心電図グラフは、そのスクロール処理後の心電図グラフに連続するように描画される。
なお、VRAM22の表示領域の右端まで心電図グラフが表示されると、つまり、心電図グラフの表示から5秒間経過すると、再度VRAM22の表示領域の左端から心電図測定データが記録される。
5−2.スクロール処理について
図8〜図10に示すプログラムのフローチャート等を参照しながら心電図表示装置100のCPU10によるスクロール処理プログラムの内容について説明する。
AD変換によって入力された心電図測定データのサンプリング周波数は、例えば125、250、500、1000Hzなどとする。心電図表示装置100のCPU10は、所定の周波数でサンプリングした心電図測定データをディスプレイ14に描画(VRAM22へのデータ書き込み)する。ただし、サンプリングしたデータを所定数まとめてブロック化したうえでディスプレイ14に描画するようにしてもよい。
ここで、ディスプレイ14への心電図グラフの描画処理と、第1実施形態によるスクロール処理または第2実施形態によるスケール変更処理とは、CPU10が別々のタイミングで実行する(または、処理を実行する時間間隔を異なるものとする)ようにしてもよいし、あるいは、同じタイミングで実行する(処理を実行する時間間隔を同じにする)ようにしてもよい。
以下、説明の便宜上、心電図グラフの描画中にスクロール処理が行われない場合と、スクロール処理が行われる場合とに分けて説明する。
5−3.心電図グラフの描画中にスクロール処理が行われない場合
CPU10は、ディスプレイ14に表示される画面内容を記録するVRAM22の表示領域を設定する(図8ステップS801)。具体的には、縦軸が−1mV〜1mVの範囲に対応し、横軸が5秒間の範囲に対応するように表示領域の座標情報を設定する。CPU10は、スクロール用RAM24の記録領域をVRAM22の表示領域の縦方向の上下3倍(−7mV〜7mV)に設定する(ステップS803)。
CPU10は、後述するスクロール処理のループ回数を示す”ループ値”Nを”0”に設定する(ステップS805)。CPU10は、患者の身体に取り付けられたECG電極20および増幅アンプ11を介して12誘導の心電波形を測定して心電図測定データをメモリ16に記録する(ステップS807)(データ取得手段)。12誘導心電図とは、数個から10数個の電極を生体につけることによって得られる12パターンの心電図のことをいう。CPU10は、取得した心電図測定データに基づいて、ディスプレイ14に表示される画面内容(心電図グラフ)をVRAM22およびスクロール用RAM24に記録(描画)する(ステップS809)(グラフ出力手段)。
CPU10は、”N=0”であるか否かを判断し(ステップS811)、”N=0”であると判断した場合には、1心拍の波形を認識(抽出)できたか否かを判断する(ステップS813)。このステップS813の判断は、具体的には心周期の始めであるP波から次の心周期の始めであるP波までの各認識点(P波、Q波、R波、S波、T波)のデータ(認識値データ)が抽出できたか否かに基づいて行う。ステップS813において1心拍の波形を認識できないと判断した場合には、CPU10は再びステップS807からの処理を繰り返す。
一方、ステップS813において1心拍の波形が認識できたと判断した場合には、CPU10は、スクロールタイマをリセットした後に当該タイマをスタートする(ステップS815)。なお、ステップS813において、心停止の場合(死亡時)はP波等が認識されないため、1秒間の間の心電図測定データ(一般的にはフラットな心電図グラフとしてディスプレイ表示されるデータ)の取得後、ステップS815の処理を行う。CPU10は、ステップS813で認識した1心拍の波形についての中心点を算出する(ステップS817)。この中心点の算出処理の内容は後述する。
CPU10は、ステップS817で算出した中心点の位置がVRAM22の表示領域(ステップS801参照)の縦方向の中心1/3内(出力領域における中央領域)に入っているか否かを判断する(ステップS819)。具体的には、ステップS817で算出した中心点の値が、−0.3mVから+0.3mVの範囲に有るか否かを判断する。CPU10は、中心点の位置がVRAM22の表示領域の縦方向中心1/3内に入っていると判断した場合には、ステップS827において測定終了であるか否かを判断し、測定終了でない場合にはステップS807からの処理を繰り返し、一方、測定終了である場合には処理を終了する。なお、測定終了であるか否かの判断は、ユーザによる測定終了情報の入力を受け付けるか、あるいはメモリへの心電図測定データの入力がないこと等に基づいて行えばよい。
以上が、心電図グラフの描画中にスクロール処理が行われない場合の説明である。
5−4.心電図グラフの描画中にスクロール処理が行われる場合
次に、心電図グラフの描画中にスクロール処理が行われる場合を説明する。
スクロール処理が行われる場合とは、ステップS819において、CPU10が、中心点の位置がVRAM22の表示領域の縦方向中心1/3内に入っていないと判断した場合である。この場合、CPU10は、スクロール処理のループ回数を示す”ループ値”Nを”5”に設定する(ステップS821)。CPU10は、スクロール用RAM24の縦方向スクロール量を算出する(ステップS823)。このスクロール量は、演算式:(ステップS817で算出した中心点の値)−(スクロール用RAM24の表示領域の縦軸中央値)によって算出される(両値の差を求める)。CPU10は、ステップS823で算出したスクロール量の5分の1の量を算出する(ステップS825)。
CPU10は、ステップS815でスタートしたスクロールタイマが50m秒以上であるかを判断する(図9ステップS901)。50m秒以上でない場合には、CPU10は図8ステップS807、S809の処理を行い、続けて取得した心電図測定データをVRAM22およびスクロール用RAM24に記録する。このとき、N=5が設定されているから、ステップS811の後には、CPU10はステップS901の処理を行うことになる。したがって、スクロールタイマが50m秒以上経過するまでは、新たに取得した心電図測定データがVRAM22に記録されるから、ディスプレイ14には継続して心電図グラフが描画されることになる。
ステップS901においてスクロールタイマが50m秒以上経過したと判断した場合には、CPU10は、ステップS825で算出したスクロール量/5でスクロール用RAM24を縦方向にスクロール処理する(ステップS903)。
具体的には、スクロール用RAM24の記録内容を消去して、縦方向の上限値、下限値、中央値のそれぞれの座標を所定単位数(例えばピクセル数)変更したうえで再描画することにより、スクロール用RAM24の座標情報と心電図波形の電位値(mV)との対応づけが変更される(”5−1.スクロール処理の内容”の項参照)。
CPU10は、スクロール用RAM24の記録内容における中央部分(VRAM22の表示領域に対応づけられる部分)をVRAM22にコピーする(ステップS905)。この処理により、ディスプレイ14にはスクロール処理された心電図グラフが表示される。CPU10は、ループ値”N”を”N−1”に設定する(ステップS907)。具体的には、図8ステップS821において”5”に設定されたNは、ステップS907において”4”に変更される。
CPU10は、スクロールタイマをリセット・スタートして(ステップS909)、再び図8ステップS807からの処理を繰り返す。CPU10は、スクロール処理に関する以上までの処理をN=0になるまで行い、結局、合計5回のスクロール処理によって対象としている心拍(認識した心拍)に対するスクロール処理を完成させる。そして、図8ステップS811においてN=0であると判断された場合には、CPU10は、次の1心拍の波形を認識するステップS813からの処理を行う。CPU10は、ステップS827において測定終了と判断されるまで以上の処理を繰り返し、測定終了と判断された場合には処理を終了する。
なお、ステップS821でループ数を5に設定すること、および、ステップS825でスクロール量/5を算出する理由は、本実施形態では、ディスプレイ14においてユーザがスクロールの経過を視認可能にするためである(スムーズスクロール処理)。具体的には、本実施形態ではステップS901の処理によってタイマが50m秒以上経過した時点で1回のスクロール処理を行い、ループ数が5であるから実質的には250m秒間で必要なスクロール処理を完成する。このように必要なスクロール処理を5コマに分けてディスプレイ14に表示することにより、一般的には人間の目で心電図グラフの移動経過が認識できるようになる。また、250m秒間でスクロール処理を完成させることとしているのは、心拍1回は通常約1秒であり、さらに、心拍が速い場合には約500m秒であるから、実際には500m秒以内にスクロール処理を完成させる必要があるからである。そこで、例示として、本実施形態では余裕をみて250m秒でスクロール処理が完成することとしている。
図8ステップS823におけるスクロール量の算出は、心電図波形の中心点およびスクロール用RAM24の中央値のそれぞれのポジション値、または電圧値(mV)、または表示領域の実測値(mm)等を利用して行えばよい。これらの各値はそれぞれ互いに対応づけされており、いずれの値を基準にして心電図グラフ表示処理およびスクロール処理を行ってもよく、本実施形態では、例示として電圧値を基準にしてスクロール量の算出を行うものとして説明する。
図9ステップS903におけるスクロールの方向は、例えばステップS823において電圧値を利用してスクロール量の演算をした場合、(ステップS817で算出した中心点の値)−(スクロール用RAM24の表示領域の縦軸中央値)の値がプラスの場合には上方向とし(図7Bのデータ77参照)、一方、マイナスの場合には下方向とするように定義づければよい。
5−5.中心点算出処理のフローチャート
次に、図10に基づき、図8ステップS817においてサブルーチンとして示す中心点算出処理プログラムの内容を説明する。
中心点のデータは、心電図のR波等の認識点の電位(電圧)値、または、認識点の位置に対応するスクロール用メモリ24上のポジション値(アドレス値)、または、または認識点の位置に対応する表示領域上の実測値を用いて算出することができるが、本実施形態では例示として電位(電圧)値を利用して算出することとしている。したがって、本実施形態のCPUは、図8ステップS807で取得する測定データのみを利用して中心点の算出処理を行うこととする。ただし、その他の実施形態として、描画した心電図グラフの図形データ(位置データ等を含む)に基づいて中心点の算出処理を行うようにしてもよい。
心電図表示装置100のCPU10は、図8ステップS813で認識した1拍の心電図波形の形状に基づいて、心室細動が有るか否かを判断する(図10ステップS1001)。心室細動がないと判断した場合には、CPU10は、心停止が有るか否かを判断する(ステップS1003)。CPU10によるステップS1001およびステップS1003の判断は、心電図波形の認識点(P波、またはQ波、またはR波、またはS波、またはQRS波)の有無、または波形の振幅の大きさなどに基づいて行えばよい。
ステップS1003において心停止がないと判断した場合には、CPU10は、ステップS813で認識した心拍のR電位およびS電位のデータを取得する(ステップS1009)。CPU10は、QRS波の中心点を算出する(ステップS1011)。中心点は、”演算式:(R電位×2+S電位)/3”に基づいて算出する。この中心点は、通常の心電図波形の中心点であり、図4におけるR−S間を1:2に分ける位置44の電位(縦軸の値)に対応する。
一方、ステップS1001において心室細動があると判断した場合には、CPU10は、認識した心拍(心室細動波形)の最大値(対象周期における極大値)および最小値(対象周期における最小値)を取得する(ステップS1005)。CPU10は、心室細動波形の中心点を算出する(ステップS1007)。中心点は、”演算式:(最大値+最小値)/2”に基づいて算出する。この中心点は、心室細動波形の中心点であり、図5における位置54の電位(縦軸の値)に対応する。
ステップS1003において、心室停止があると判断した場合には、CPU10は、過去1秒間の心電図測定データを取得し(ステップS1013)、心電図測定データの中心点を算出する(ステップS1015)。中心点は、心電図測定データの平均値を演算することによって求める。
以上の処理により、CPU10は、通常の場合、心室細動の場合、心室停止の場合のそれぞれに応じて中心点を算出し、図8ステップS819からの処理を行う。
以上、第1実施形態によるスクロール処理プログラムの内容について説明したが、この処理のプログラムまたはアルゴリズム等は例示として説明するものである。したがって、スクロール処理の手法(ループ数、ループ単位時間、スクロール量、スクロール処理を実行するタイミングなど)、VRAMおよびスクロール用RAMの表示領域の大きさの設定(図8ステップS801、803等参照)、スクロール処理の要否の判断基準(図8ステップS819参照)などは、当業者に周知の手段によって変更可能である。
例えば、実施形態では、図8ステップS809の描画処理の後にステップS813の1心拍の波形の認識処理を行うこととしているが、これに限らず、1心拍の波形の認識処理の後に描画処理を行うようにしてもよい。スクロール処理は、最後(最新)に認識した1心拍の波形を基準にしているが、これに限らず、最後以前の(過去の)心拍の波形を基準にして行ってもよい。中心点として、RS間を上から1:2に分ける位置を例示したが(図10ステップS1011参照)、その他の位置を採用してもよい。また、スクロール処理の有無の判断として、VRAM22の表示領域の縦方向の中心1/3内(「出力領域における中央領域」に対応)にあるか否かという基準を例示したが(図8ステップS819参照)、これに限られるものではなく、その他の基準として、VRAM22の表示領域の縦方向の中心1/4内にあるか否かという基準、または、心電図波形の中心点の値がVRAM22の表示領域の縦方向の中央値と等しいか否かという基準等を採用してもよい。
5−6.第1実施形態(スクロール処理)におけるディスプレイ表示
図11に、第1実施形態におけるディスプレイ14の表示例を示す。図11Aは、スクロール処理前のディスプレイ14の表示例である。ディスプレイ14には、心電図グラフ1103が表示され、加えて、各心拍のR波の付近に認識ポイント1105がプロットされる。心電図グラフの左側に示す心電図波形基準1101は、電圧1mVの縦幅を示すものである。
心電図グラフ1103は、−1mV〜1mVの幅で表示される。この−1mV〜1mVの幅は、心電図グラフの表示領域の縦軸の中心を仮想の0点(0mV)とした場合の電圧幅を示すものであって電圧の電位値(絶対的な値)とは必ずしも一致しない。本実施形態では、電圧の電位値(絶対的な値)のディスプレイ表示を省略しているが、必要に応じて電圧の電位値(絶対的な値)を表示するようにしてもよい。
図11Bは、スクロール処理後のディスプレイ14の表示例である。図に示すように、心電図グラフは、スクロール処理によって心電図波形の形状の視認が容易な位置に移動される。
−−6.第2実施形態(スケール変更処理)−−
以下、第2実施形態によるスクロール処理プログラムの内容を図12に基づいて説明し、続いて、図13〜図15のフローチャート等を参照しながら心電図表示装置100のCPU10が行う処理について説明する。
6−1.スケール変更処理の内容
図12は、スケール変更処理の際のVRAM22の記録内容を示す模式図である。図12では、VRAM22の記録内容を画面内容そのものとして模式的に表現している。VRAM22の記録内容の座標情報等は図7と同様である。
図12Aは、VRAM22の記録内容を圧縮する例を示している。VRAM22のデータ1201は、心電図グラフ1202を記録している。振幅基準線1203は説明のためのものであり、VRAM22の表示領域の縦方向1/2の長さを示している。心電図グラフ1202の振幅は、VRAM22の表示領域の縦方向1/2よりも大きいので、心電図表示装置100のCPU10は、心電図グラフ1202の振幅を縦方向に圧縮するようにスケール変更処理を行う。その結果、図12A右部分に示すように、VRAM22にはデータ1205が記録され、心電図グラフ1206は縦方向1/2に圧縮された形状となる。すなわち、VRAM22に記録されるデータ1201は、圧縮の結果、−2mV〜2mVの幅の表示領域に対応するデータ1205に書き換えられることになる。
図12Bは、VRAM22の記録内容を拡張する例を示している。VRAM22のデータ1211は、心電図グラフ1212を記録している。振幅基準線1213は説明のためのものであり、VRAM22の表示領域の縦方向1/5の長さを示している。心電図グラフ1212の振幅は、VRAM22の表示領域の縦方向1/5よりも小さいので、CPU10は、心電図グラフ1212の振幅を縦方向に拡張するようにスケール変更処理を行う。その結果、図12B右部分に示すように、VRAM22にはデータ1215が記録され、心電図グラフ1216は縦方向2倍に拡張された形状となる。すなわち、VRAM22のデータ1211は、拡張の結果、−0.5mV〜0.5mVの幅の表示領域に対応するデータ1215に書き換えられることになる。
なお、心電図表示装置100のCPU10は、第2実施形態によるスケール変更処理と第1実施形態によるスクロール処理とを別々のプログラムで並行して処理することとしている。ただし、いずれかのプログラムのみを実行するようにしてもよい。具体的には、心電図グラフの表示処理とスクロール処理(第1実施形態)のみを行う構成、または、心電図グラフの表示処理とスケール変更処理(第2実施形態)のみを行う構成を採用してもよい。
第2実施形態による「スケール変更」という文言は、その他、レンジ変更、または振幅補正、または表示倍率調節、または表示縮尺率変更、または拡大処理、または縮小処理等と表現することもできる。
6−2.スケール変更処理について
図13〜図15のフローチャート等を参照しながら心電図表示装置100のCPU10によるスケール変更処理プログラムの内容について説明する。第2実施形態での心電図測定データのサンプリング数、VRAM22およびスクロール用RAM24の表示領域の設定、心拍の認識処理、描画処理等は、第1実施形態と同様である。
CPU10は、第1実施形態の場合と同様に、ディスプレイ14に表示される画面内容を記録するVRAM22の表示領域を設定する(図13ステップS1301)。CPU10は、スクロール用RAM24の記録領域をVRAM22の表示領域の縦方向の上下3倍に設定する(ステップS1303)。
CPU10は、患者に身体に取り付けられたECG電極20および増幅アンプ11を介して12誘導の心電図を測定して心電図測定データをメモリ16に記録する(ステップS1305)(データ取得手段)。CPU10は、取得した心電図測定データに基づいて、ディスプレイ14に表示される画面内容(心電図グラフ)をVRAM22およびスクロール用RAM24に記録(描画)する(ステップS1307)(グラフ出力手段)。
CPU10は、1心拍の波形を認識(抽出)できたか否かを判断する(ステップS1309)。このステップS1309の判断は、第1実施形態の場合と同様である(図8ステップS813参照)。ステップS1309において1心拍の波形を認識できないと判断した場合には、CPU10は再びステップS1305からの処理を繰り返す。
一方、ステップS1309において1心拍の波形が認識できたと判断した場合には、CPU10は振幅値算出処理を行う(ステップS1311)。この振幅値算出処理については後述する。なお、ステップS1309において、心停止の場合(死亡時)はP波等が認識されないため、実施形態では1秒間の間の心電図測定データ(一般的にはフラットな心電図グラフとしてディスプレイ表示されるデータ)の取得後、ステップS1311の処理を行う。
CPU10は、最新20拍分の振幅値を取得したか否かを判断する(ステップS1313)。最新20拍分の振幅値を取得していないと判断した場合には、CPU10は、ステップS1305からの処理を繰り返す。一方、最新20拍分の振幅値を取得したと判断した場合には、それら最新20拍分の振幅値の平均値(「複数の周期内の振幅データの平均に関連する値」に対応)を算出し(ステップS1315)、スケール変更処理を行う(ステップS1317)。このスケール変更処理の内容は後述する。
CPU10は、ステップS1317の処理後、測定終了であるか否かを判断し(ステップS1319)、測定終了でない場合にはステップS1305からの処理を繰り返し、一方、測定終了である場合には処理を終了する。
6−3.振幅値算出処理
次に、図14に基づき、図13ステップS1311においてサブルーチンとして示す振幅値算出処理プログラムの内容を説明する。
心電図表示装置100のCPU10は、図13ステップS1309で認識した1拍の心電図波形の形状に基づいて、心室細動が有るか否かを判断する(図14ステップS1401)。心室細動がないと判断した場合には、CPU10は、心停止が有るか否かを判断する(ステップS1403)。CPU10は、心停止がある場合には図13ステップS1319の処理を行う。ステップS1401およびステップS1403の判断は、第1実施形態の場合と同様である(図10ステップS1001、ステップS1003参照)。
ステップS1403において心停止がないと判断した場合には、CPU10は、ステップS1309で認識した心拍のR電位およびS電位のデータを取得し(ステップS1409)、振幅値を算出する(ステップS1411)。振幅値は、”演算式:|R電位−S電位|”(R電位とS電位の差の絶対値)に基づいて算出する。この振幅値は、通常の心電図波形の振幅値であり、図4にけるRS間隔40に対応する。
一方、ステップS1401において心室細動があると判断した場合には、CPU10は、認識した心拍(心室細動波形)の最大値(対象周期における極大値)および最小値(対象周期における最小値)を取得する(ステップS1405)。CPU10は、心室細動波形の振幅値を算出する(ステップS1407)。振幅値は、”演算式:最大値−最小値”に基づいて算出する。この振幅値は、図5における間隔50に対応する。
以上の処理により、CPU10は、通常の場合、心室細動の場合のそれぞれに応じて振幅値(周期内の振幅データ)を算出し、図13ステップS1313からの処理を行う。
なお、各振幅値のデータは、心電図のR波等の認識点の電位(電圧)値、または、認識点の位置に対応するスクロール用メモリ24上のポジション値(アドレス値)、または、または認識点の位置に対応する表示領域上の実測値を用いて算出することができるが、本実施形態では例示として電位(電圧)値を利用して算出することとしている。
6−4.スケール変更処理
次に、図15に基づき、図13ステップS1317においてサブルーチンとして示すスケール変更処理プログラムの内容を説明する。
CPU10は、ステップS1315で算出した振幅値の平均値がVRAM22の表示領域の縦方向の1/2より大きいか否かを判断する(ステップS1501)。具体的には、本実施形態ではVRAM22の表示領域の幅を−1mV〜1mVに設定しているから(図13ステップS1301参照)、振幅値の平均値が1mVより大きいか否かを判断する。
CPU10は、振幅値の平均値がVRAM22の表示領域の縦方向の1/2より大きくないと判断した場合は、その平均値がVRAM22の表示領域の縦方向1/5より小さいか否かを判断する(ステップS1503)。具体的には、振幅値の平均値が0.4mVより小さいか否かを判断する。振幅値の平均値がVRAM22の表示領域の縦方向の1/5より小さくないと判断した場合には、CPU10は、図13ステップS1319の処理を行う。
ステップS1501において振幅値の平均値がVRAM22の表示領域の縦方向1/2より大きいと判断した場合(振幅基準に合致しない、または、振幅上限基準を超えている場合)には、CPU10は、VRAM22の表示領域の縦方向スケールを”2倍”に決定する(ステップS1505)。一方、ステップS1503において振幅値の平均値がVRAM22の表示領域の縦方向1/5より小さいと判断した場合(振幅基準に合致しない、または振幅下限基準を下回っている場合)には、CPU10は、VRAM22の表示領域の縦方向スケールを”1/2倍”に決定する(ステップS1507)。
ステップS1505またはステップS1507の処理の後、CPU10は、VRAM22の表示領域を決定したスケールに変更する(ステップS1509)。
スケールの変更処理は、上述した「6−1.スケール変更処理の内容」の項で説明したように、”2倍”の場合には−2mV〜2mVの幅の表示領域に対応するデータに書き換えられる(図12A参照)。一方、”1/2倍”の場合には−0.5mV〜0.5mVの幅の表示領域に対応するデータに書き換えられる(図12B参照)。
ステップS1509の処理の後、CPU10は、スクロール用RAM24の表示領域を決定したスケールに変更する(ステップS1511)。この処理により、CPU10は、スケール変更処理をした後であっても、その変更処理後の記録内容にしたがって描画処理および第1実施形態によるスクロール処理を実行することができる。
上記の処理によって、CPU10は心電図グラフの圧縮または拡張を行い、続いて図13ステップS1319の処理を行う。
以上、第2実施形態によるスケール変更処理について説明したが、この処理のプログラムまたはアルゴリズム等は例示として説明するものである。したがって、スケール変更処理を実行するタイミング、VRAMおよびスクロール用RAMの表示領域の大きさの設定(図15ステップS1301、1303等参照)、スケール変更処理の要否の判断基準(図15ステップS1501、1503参照)、スケール変更の設定(図15ステップS1505、1507参照)などは、当業者に周知の手段によって変更可能である。
例えば、振幅値として”R値−S値”によって演算される値を例示したが(図14ステップS1411参照)、その他の演算方法による値を採用してもよい。また、20心拍の振幅データの平均ではなく、その他の拍数の振幅データの平均値を採用してもよいし、あるいは、1心拍の振幅データに基づいてスケール変更処理を行うようにしてもよい。
第1実施形態および第2実施形態における1心拍の波形の認識処理(図8ステップS813、図13ステップS1309参照)は、P波から次の心周期のP波までの各認識点のデータが抽出できたか否かによって判断することとしている。また、図10ステップS1001および図14ステップS1401の心室細動の有無判断、図10ステップS1003および図14ステップS1403の心室停止の有無判断は、心電図波形の認識点(特徴量を示す点)の有無、または波形の振幅の大きさなどに基づいて判断することとしている。これらの波形の認識処理、心室細動の有無判断、心室停止の有無判断については、例えば、P波、Q波、R波、S波、T波の全ての認識点のデータを利用する場合のほか、それらの中の一部(例えばR波とS波)のデータ、またはそれ以外の極大点、極小点を示すデータを判断することによって行ってもよい。なお、認識点(P波、Q波、R波、S波、T波)は、極大点または極小点の位置に限らず、所定の判断基準によって得られる位置を採用してもよい。
なお、これらの波形の認識処理、心室細動の有無判断、心室停止の有無判断は、例えば以下のような評価プログラムを利用することもできる。ただし、これらに限定されるものではない。
(評価プログラムのリスト)
(プログラム名/主要開発者/国)
・AVA/Pipberger/USA
・IBM/Bonner,Poppl/USA
・HP/Monroe/USA
・Marquette/Rowlandson/USA
・Nagoya/Okajima,Ohsawa/Japan
6−5.第2実施形態(スケール変更処理)におけるディスプレイ表示
図16に、第2実施形態におけるディスプレイ14の表示例を示す。図16Aは、スケール変更処理前のディスプレイ14の表示例である。ディスプレイ14には、心電図グラフが表示される。心電図グラフの左側に示す心電図波形基準1601は、電圧1mVの縦幅の大きさの基準を示すものである。
図16Bは、スケール変更処理後のディスプレイ14の表示例である。ここでは、スケールを”2倍”に変更した例を示している(図15ステップS1505参照)。このスケール変更処理の結果、心電図グラフは縦方向が1/2に圧縮された形状で表示される。また、本実施形態では、このスケール変更処理に対応づけて心電図波形基準1602のスケール変更処理を行うこととしている。具体的は、心電図波形基準1602は、図16Aの心電図波形基準1601の長さの半分に変更される。スケールを”1/2倍”に変更した場合には、心電図グラフは縦方向が2倍に拡張された形状で表示され、心電図波形基準の長さは、心電図波形基準1601の長さの2倍に変更される。
ディスプレイ14における電圧値とディスプレイ14上での実測値との対応は、図16Aでは1mV=1cmに対応するが、スケールを”2倍”にした図16Bの場合は1mV=0.5cmに対応する。また、スケールを”1/2倍”にした場合は1mV=2cmに対応する。
−−7.実施形態による効果−−
7−1.第1実施形態(スクロール処理)による効果
第1実施形態によれば、心電図表示装置100のCPU10は、1心拍の心電図波形を認識する毎に、ディスプレイ14上で、ユーザにとってその心拍の形状が視認しやすい位置に表示されるか否かを判断し、表示されない場合にはその心拍の形状が視認しやすい位置に表示されるように心電図グラフのスクロール処理を行う。したがって、心電図表示装置100のユーザは、表示対象とされている心電図波形の形状を確実に視認することができ、心疾患の補助判断(予備判断)を有効に行うことができる。
ここで、心拍の形状が把握しやすい位置に表示されない場合とは、一般的には、取得した心電位にノイズが含まれている場合である。具体的には、ECG電極20と患者の心臓との間隔が変動した場合に低周波数成分のうねりが生じ、このノイズを含む情報をAD変換して心電図測定データとして表示すると、ノイズの存在によってディスプレイ14上での心電図グラフの位置が変動することになる。このノイズ周波数成分のうねりが生ずる原因の一つは、心電図測定中の患者の体動の変化である。例えば、救急車内では患者の体が安定しない場合が多いのでこのような心電図グラフの表示位置の上下変動が多くみられる傾向にある。
心電図を表示する一般的な従来の装置では、心電図の情報をAD変換する前にローカットのアナログフィルタを利用することによってノイズとなる低周波数成分をカットし、それによって心電図グラフの表示位置の上下変動がないように処理することとしている。しかし、ローカットのアナログフィルタを使用する場合、カット周波数の中にT波やS波の周波数の成分が含まれている場合があり、心電図波形の形状がくずれてしまうという問題の可能性が指摘されている(参考文献:岡島・橋口,「心電図システムの信頼性」,株式会社アイ・ピー・シー,312頁〜313頁)。
この点、本実施形態では、ノイズとなる低周波成分に対するアナログフィルタをかけることなくデジタル処理によって心電図グラフの上下変動を補正しており、心電図波形の表示に必要な周波数成分をカットすることもなく、従来のような心電図波形の形状のくずれの問題を解消している。なお、心電図グラフの表示に影響を与えるハムなどの高周波成分のノイズは、従来と同様の手法によってカットすればよい。
7−2.第2実施形態(スケール変更処理)による効果
第2実施形態によれば、心電図表示装置100のCPU10は、複数の心拍を認識する毎に、ユーザにとって心電図波形の形状(R−S波間の振幅を含む)が視認しやすい大きさでディスプレイ表示されるか否かを判断し、表示されない場合には心電図波形の形状が視認しやすい大きさで表示されるように心電図グラフのスケール変更処理を行う。したがって、心電図表示装置100のユーザは、心電図波形の形状を適切な大きさで視認することができ、心疾患の補助判断を有効に行うことができる。なお、心電図波形の振幅が変動する場合としては、例えば、不整脈の患者や新生児では振幅が通常より小さくなるという現象を挙げることができる。
第2実施形態によれば、図16Aの心電図波形基準1601および図16Bの心電図波形基準1602が示すように、基準となる電位差の幅(大きさ)が心電図グラフに対応づけらている。したがって、スケール変更処理を行った場合でも、ユーザは、それらの心電図波形基準に基づいて各心電図波形の振幅の(電位差)大きさを容易に確認することができる。
−−8.心電図表示装置のその他の機能−−
次に、心電図表示装置100が備える上述のスクロール処理およびスケール変更処理以外の機能について説明する。
8−1.心拍状態の表示
心電図表示装置100は、心拍の状態を、所定の記号(マーク)の点滅によって表す(「心拍に関連する情報を表示形態の変化によって示す心拍情報表示手段」)。具体的には、CPU10は、図11に示すように測定中の心臓の鼓動に応じてハートマークを点滅させるようにしている。
これにより、ユーザは、心電図表示装置100が正常に動作中であることを確認することができ、かつ、患者の心拍の状態を把握することができる。なお、マークの点滅とともに、あるいはマークの点滅に代えて、心臓の鼓動に応じてスピーカ15から音声(例えばピッチ音等)を出力するようにしてもよい。
8−2.解析不能状態の警告
心電図表示装置100は、心電図グラフ表示処理中に、患者の身体に取り付けたECG電極20等が外れた場合や心電図グラフ作成処理のトラブルが発生した場合等に、所定の警告を表示する(「表示が不能な場合に警告信号を出力する警告信号出力手段」)。具体的には、CPU10は、”電極はずれ”等の警告メッセージをディスプレイ14上に表示する。
これにより、ユーザは、心電図グラフ作成処理が事故によって中断されていることを迅速に確認することができる。なお、CPU10は、警告メッセージに代えて、ユーザの注意を喚起するためにディスプレイの全体または一部の色を変更したり、警告音声(アラーム音等)を出力するようにしてもよい。
8−3.認識ポイントの表示
心電図表示装置100のCPU10は、図11に示すように認識ポイント1105をプロットする。この認識ポイント1105のマークは、各心拍のR波の位置にプロットされる。具体的には、CPU10は、1心拍の波形を認識する毎に認識ポイントをプロットする(図8ステップS813参照)。これにより、心電図表示装置100のユーザは、心電図グラフにおける各心周期の形状の位置を簡易に視認することができる。
認識ポイントをプロット(描画)する手法は、当業者に周知の手段を採用すればよい。本実施形態では、VRAM22に記録する内容として、心電図グラフを表示するプレーン(レイヤー)以外に、認識ポイントをプロットするための認識ポイント用プレーンを利用している。具体的には、認識ポイント用プレーンにおいて、CPU10は、R波の位置を認識する毎にそのR波の付近に認識ポイントをプロットする。このとき、認識ポイントのプロットの位置は、時間軸(X軸)方向のポジションのみが演算され、一方の電位軸(Y軸)方向は、VRAM22の表示領域の縦方向の所定位置に固定されている。また、心電図グラフが表示エリアの右端まで表示されると、心電図グラフとともに認識ポイントも消去され、再度表示エリアの左端から心電図グラフが描画されたときには再びR波の付近に認識ポイントが描画される。
このように、認識ポイントのプロットする位置を、表示エリアの縦方向において固定しておくことにより、波形毎にR波の位置の上下変動がある場合であっても容易に認識ポイントを確認することができる。
なお、認識ポイントの表示は、認識ポイント1105に限らず、ディスプレイ14上におけるP波の位置に縦線を表示したり、または、P波からS波の範囲を示す横線を表示したり、または、P波の位置に「P」という記号を表示するようにしてもよい。
−−9.その他の実施形態等−−
9−1.VRAM22およびスクロール用RAM24の構成変形例
第1実施形態では、メモリ16に、ディスプレイ14に表示される内容を記録するVRAM22と、CPU10がスクロール処理用に利用するスクロール用RAM24とが設定される場合を例示したが、これに限られるものではない。その他の実施形態として、スクロール用RAM24を設定することなく、CPU10は、VRAM22の記録内容自体を利用してスクロール処理を実行するようにしてもよい。
第2実施形態では、VRAM22およびスクロール用RAM24の両方についてスケール変更処理を行うこととしているが(図15ステップS1509、S1511参照)、これに限られるものではない。その他の実施形態として、CPU10は、スクロール用RAM24のみのスケール変更処理を行い、そのスクロール用RAM24の記録内容をVRAM22にコピーすることによってスケール変更処理後の心電図グラフをディスプレイ表示するようにしてもよい。
その他、VRAM22およびスクロール用RAM24の記録内容の書き込み、消去、書き換え処理についても当業者に周知の手段によって変更可能である。例えば、スクロール用RAM24の記録内容をVRAM22にコピー(書き換え)する処理については、VRAM22の記録内容の全体を書き換えるのではなく、スクロール処理やスケール変更処理が実行された部分のみを書き換えるようにしてもよい。
9−2.スクロール処理変形例
第1実施形態では、認識した心電図波形の形状がディスプレイの適切な位置に表示されるようにするために、過去の心拍も含めて心電図グラフ全体のスクロール処理をすることとしているが(図9ステップS903、S905等参照)、これに限られるものではなく、認識した最新の心電図波形部分のみをスクロール処理するようにしてもよい。具体的には、CPU10は、認識した心拍の心電図グラフをスクロール用RAM24上でスクロール処理した後に、その認識した心拍の心電図波形部分(P波から次の心拍のP波まで)のみを選択的に切り出し、その心電図波形部分のみをVRAM22にコピーする。図17は、そのようなスクロール処理を例示するものである。図17Aの心電図グラフ1701は、最新の心電図波形のR波がディスプレイ表示されておらず、その後、図17Bに示すように当該心電図波形のP波のポジション1705より右側が切り出されたうえでスクロール処理されて心電図グラフ1703となる。この場合、CPU10は、VRAM22またはスクロール用RAM24にデータを記録する際に、周期毎にデータを切り出し可能なように位置情報を付加してもよい(対象周期の単位で区分け可能なように前記データを記録する)。
第1実施形態では、認識した心拍の心電図波形の中心点の位置をスクロール用RAM24の中央値の位置に移動させるアルゴリズムによってスクロール処理することとしたが、これに限られるものではない。その他の実施形態として、心電図グラフ自体を移動させるのではなく、スクロール用RAM24の切り出し部分のポジション(表示領域部分)のみを変更するようにしてもよい。
図19は、そのようなスクロール処理を行うためのスクロール用RAM24の記録内容の模式図である。具体的には、図19において、通常はスクロール用RAM24の表示領域部分1901がVRAM22の表示領域に対応づけられている。そして、スクロール処理の終了後には表示領域部分1903がVRAM22の表示領域に対応づけらるれるようにスクロール用RAM24の表示領域部分(VRAM22へのコピー部分)の変更を行う。ただし、スムーズスクロール処理を行うため、表示領域部分の変更は所定のループ数によって完成させるようにしてもよい。表示領域部分1901および1903は、中央値と上下幅値等によって定義づけることができる。このようなスクロール処理の場合、測定データがスクロール用RAM24の表示領域の上部分を超えて描画されるデータである場合には、基準ライン1905の下部分に描画すればよい。具体的には、基準値ライン1905を、スクロール用RAM24に記録可能な測定データの下限値として設定しておき、基準ライン1905の下側をスクロール用RAM24の上限値として設定しておく。これにより、スクロール用RAM24の上部分を超えるデータの部分は、基準ライン1905の下部分に描画される。そして、スクロール用RAMの記録内容をVRAM22にコピーする際には、スクロール用RAM24の上部分に描画されたデータと、基準ライン1905の下部分に描画されたデータとを組み合わせてコピーすればよい。この基準ライン1905のポジションは、心電図測定開始時にはスクロール用RAM24の下端位置に設定しておき、表示領域部分の変動に応じて、その表示領域部分の上下に対して描画可能な表示幅(電位値幅)が均等となる位置に変動させればよい。これにより、スクロール用RAM24の表示領域は、常に最新の心電図測定データを基準にして上下に均等な表示領域を保つことができる。
第1実施形態では、認識した心拍の心電図波形がディスプレイ上に適切に表示されるようにするために、スクロール用RAM24上において心電図グラフ全体を縦方向に平行にスクロール処理(シフト処理)することとしたが、これに限られるものではない。その他の実施形態として、心電図グラフ全体を平行移動させるのではなく、各心拍の心電図波形を画像補正処理することによって波形をディスプレイ上に適切に表示するようにしてもよい。具体的には、各心拍のP波のポジションを基準にして表示中の各心拍の心電図波形を直線補間(あるいはスプライン補間)することにより、縦方向に対してP波のポジションが一定になるように(フラットになるように)してディスプレイ表示すればよい(心電図波形の基線(ある心拍のP波と次の心拍のP波とを結んだ線)が一定になるように表示の補正を行う基線補正手段)。図18は、そのようなスクロール処理(画像補正処理)を例示するものである。図18Aの心電図グラフは、P波ポジション1801とP波ポジション1802の高さが一定していない。そして、スクロール処理により、図18Bに示すようにP波ポジション1803およびP波ポジション1804が基線1805上で一定する。この基線1805はディスプレイの横軸方向に平行であることを示す線であり、実際には表示されるものではないが、ディスプレイ表示するようにしてもよい。
第1実施形態では、スクロール用RAM24の表示領域の設定を、VRAM22の表示領域の縦方向上下3倍に設定することとしたが(図8ステップS803参照)、これに限られるものではない。このスクロール用RAM24の表示領域の設定は、患者の心電図測定状況を考慮して心電図グラフが表示領域から外れないよう設定すればよい。
ただし、心電図波形がスクロール用RAM24の表示領域から外れた場合、すなわち、取得した心電図測定データの電圧値がスクロール用RAM24の表示領域の電圧値範囲を逸脱した場合には、例えばスクロール用RAM24の表示領域の電圧値範囲を再設定してその心電図波形を描画することもできる。その他、ディスプレイ表示不能として、スクロール処理することなくVRAM22の記録内容をそのまま(その心拍の波形は非表示のまま)ディスプレイ表示してもよい。また、認識した心拍の心電図波形がスクロール用RAM24の表示領域から外れた場合、スクロール用RAM24およびVRAM22の記録内容を消去した後、スクロール用RAM24およびVRAM22の表示領域の電圧値範囲を再設定して(あるいは設定を変更せずに)、再度、表示領域の左から、その心拍の次の心拍からの心電図グラフの書き込み処理を開始するようにしてもよい。
9−3.中心点の設定変形例
第1実施形態では、心電図波形の中心点を、R波高からS波高までの間を1:2に分ける位置として演算することとしているが(図10ステップS1011参照)、これに限られるものではない。中心点の位置およびその演算手法は、当業者に周知の手段によって変形可能である。例えば、複数の心電図波形の中心点の平均値を採用したり、あるいは、P電位を基準にした中心点を算出したり、あるいは、S電位の代わりにQ電位を利用して中心点を算出したり、あるいは、QRS形状(三角形形状)の図形特徴に基づいて中心点を算出するようにしてもよい。
9−4.スケール変更処理変形例
第2実施形態では、スケール変更処理を行う際に、VRAM22の表示領域を所定のスケールに変更することによってディスプレイ14上に表される心電図グラフのスケール変更(圧縮または拡張)を行うこととしているが、これに限られるものではない。その他の実施形態として、VRAM22の表示領域のスケールを変更することなく(メモリ内容の書き換えを行うことなく)、VRAM22の記録内容を読み出すときにスケール変更する処理を実行するようにしてもよい。
第2実施形態では、VRAM22の表示領域およびスクロール用RAM24の表示領域を所定のスケールに変更する処理を行うこととしているが(図15ステップS1509、S1511参照)、これに限られるものではない。その他の実施形態として、VRAM22の表示領域およびスクロール用RAM24の表示領域のスケール変更処理、すなわち、メモリの記録内容の書き換え処理を行うのではなく、メモリの記録内容を消去した後、VRAM22およびスクロール用RAM24の表示領域のスケールを再設定(圧縮または拡張)して、再度、表示領域の左から、スケールが変更された状態で心電図グラフの書き込み処理を開始するようにしてもよい。
9−5.心電図表示変形例
実施形態では、「グラフ出力手段」として、心電図グラフをディスプレイ14に表示する例を示した。この「グラフ出力手段」のその他の実施形態として、グラフ表示のためのデータを、メモリカード、CD−ROM等の記録媒体へ出力したり、通信手段(LAN、イーサネット(登録商標)、電話回線、無線通信、インターネット、有線、赤外線通信、携帯電話、Bluetooth、PHS等)に対して出力、あるいは、可搬性媒体を介した2つの装置間でのファイルコピーを目的とした出力(例えば、PCMCIAメモリーカードへの書き込み等)、あるいは、プリントアウト(印刷)によるハードコピーとしての出力、ファクシミリによる出力等を採用してもよい。
なお、特許請求の範囲に記載する「グラフ表示物」は、グラフを視覚的に認識可能に出力されたもの一般を含む概念である。例えば、心電図グラフをディスプレイ上に表示したもの、または、プロッタによって描画されたもの、または、ハードコピーとして出力されたもの、または、ファクシミリによって出力されたもの等がこの概念に含まれる(出力対象は、「出力領域」に対応)。
プリントアウト(印刷)によるハードコピーとしての出力、あるいはファクシミリによる出力等を行う際に、第1実施形態によるスクロール処理を実行した場合、それらのハードコピーまたはファクシミリ用紙には、各心拍についてスクロール処理が行われた後の心電図グラフが出力されることになる。そのような出力が要求される場合には用紙幅などの制限があるから、例えば認識した心電図波形部分のみをスクロール処理したものを出力するようにすればよい。具体的には、CPU10は、認識した心拍の心電図グラフをスクロール用RAM24上でスクロール処理した後に、その認識した心拍の心電図波形部分(P波から次の心拍のP波まで)のみを選択的に切り出し、その心電図波形部分のみをVRAM22にコピーする。これにより、出力結果は、スクロール処理が行われた部分の心電図波形が切り出された形状(切り出し前後でグラフ線が連続しない形状)ととされる(出力領域における当該グラフの位置が前記データの周期単位で補正されている)(図17B参照)。ただし、直線補間処理等を行うことにより、そのような不連続な形状が生じないように出力してもよい。
実施形態におけるグラフ表示は、連続する直線または曲線によって示す例を示したが、これに限らず、不連続な直線または曲線、または、所定のデータポイントのみをプロットするようにしてもよい。
9−6.グラフ表示のためのデータ例
実施形態では、データとして心電図測定データを例示したが、これに限られるものではない。その他の実施形態として、一定の周期性を有する情報(生体情報を含む)を本発明におけるデータとして利用することが可能である。具体的には、機械の周期的な信号を示す電圧波形または電流波形のグラフ表示に基づいて、機械の監視や故障状況を判断すること等が可能である。また、光波形、音声波形、地震波形等を示すデータを採用することも可能である。本発明は、各周期の波形形状を観測することがそのデータ対象の状態を把握するのに重要である場合に好適である。
その他、本発明は、周期性を有するデータに限らず、時系列的に表示されるデータ一般について、一定の時間間隔におけるデータが適切に表示されるようにグラフ表示形式を変更することも可能である。具体的には、例えば最新5秒間のデータがディスプレイ14の表示エリアに適切に表示されているかを判断して(所定区間のデータが出力領域に適切にグラフ表示されるか否かを判断)、適切に表示されていなければ、その最新5秒間のデータがディスプレイ14の表示エリアに適切に表示されるように、グラフ全体またはその最新5秒間のグラフをスクロール処理またはスケール変更処理等することもできる。なお、「所定区間」とは、表示エリア全部(出力領域の全体)、または表示エリアの一部分(出力領域の一部分)を含む。
9−7.装置構成変形例
実施形態では、心電図表示装置100は、心電図の測定処理、スクロール処理、スケール変更処理の各処理を行うこととしたが、それらの処理を2以上の別々の装置によって行うような装置構成としてもよい。その他、心電図の測定処理、スクロール処理、スケール変更処理のそれぞれを実行する装置構成(装置の数、組み合わせ等)、CPU構成等は、当業者に周知の手段によって変形可能である。
例えば、心電図の測定と認識値データの抽出を行う装置と、心電図の表示を行う装置とを別々の装置として構成することもできる。具体的には、救急車内に設置される第1の装置は、心電図を測定して心電図波形データを記録し、その心電図波形データに基づいて認識値データを抽出する処理を行う。そして、病院内に設定される第2の装置は、第1の装置が送信するそれらの心電図波形データおよび認識値データを受信して、心電図グラフを表示するとともにスクロール処理(第1実施形態)またはスケール変更処理(第2実施形態)を行う(第2の装置は、特許請求の範囲に記載する「グラフ表示制御装置」に対応)。なお、第1の装置と第2の装置との間の通信手段は、LAN、イーサネット(登録商標)、電話回線、無線通信、インターネット、有線、赤外線通信、携帯電話、Bluetooth、PHS等を採用すればよい。また、可搬性媒体を介した2つの装置間でのファイルコピー(例えば、PCMCIAメモリーカードによる転送等)を実行するようにしてもよい。
その他、心電図表示装置100にその他の周辺装置を接続するようにしてもよい。具体的には、周辺装置として血圧測定装置を心電図表示装置100に接続して”血圧(Blood Pessure(BP))”を表示したり、血中酸素飽和度測定装置を接続して、”血中酸素飽和度(SpO値)を表示するようにしてもよい。
9−8.心電図表示装置適用実施例
実施形態では、心電図表示装置100を、救急車内で使用するケースを例示したが、これに限られるものではなく、救急医療現場に携帯できるようにしたり、あるいは、家庭に設置して在宅医療用に利用したり、人または動物を含む生体に対して広く利用することもできる。例えば、小型の心電図表示装置の場合は、横軸(時間)の実測値12.5mmを1秒間に対応づけるようにしてディスプレイを小さめにすることも可能である。
また、心電図表示装置100と同様の機能を有するデバイスを、自動車や電車の運転席、飛行機のコックピット等に設置して、心筋梗塞等の発作によって重大な事故につながる可能性を未然に防止したり、トイレの便座等に設置して日常の健康管理用に応用することもできる。このとき、ECG電極20等は、対象者の身体が接触する必然性のある部位、例えば、ハンドルや便座、手すり等に設置する必要がある。
9−9.プログラム実行方法等の実施例
本実施形態では、CPU10の動作のためのプログラムをF−ROM17に記憶させているが、このプログラムは、プログラムが記憶されたCD−ROMから読み出してハードディスク等にインストールすればよい。また、CD−ROM以外に、DVD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、ICカード等のプログラムをコンピュータ可読の記録媒体からインストールするようにしてもよい。さらに、通信回線を用いてプログラムをダウンロードさせることもできる。また、CD−ROMからプログラムをインストールすることにより、CD−ROMに記憶させたプログラムを間接的にコンピュータに実行させるようにするのではなく、CD−ROMに記憶させたプログラムを直接的に実行するようにしてもよい。
なお、コンピュータによって、実行可能なプログラムとしては、そのままインストールするだけで直接実行可能なものはもちろん、一旦他の形態等に変換が必要なもの(例えば、データ圧縮されているものを解凍する等)、さらには、他のモジュール部分と組合して実行可能なものも含む。
上記各実施形態では、図1の各機能をCPUおよびプログラムによって実現することとしているが、各機能の一部または全部をハードウェアロジック(論理回路)によって構成してもよい。
以上、本発明の概要および本発明の好適な実施形態を説明したが、各用語は、限定のために用いたのではなく説明のために用いたのであって、本発明に関連する技術分野の当業者は、本発明の説明の範囲内でのシステム、装置、及び方法のその他の変形を認め実行することができる。したがって、そのような変形は、本発明の範囲内に入るものとみなされる。

Claims (14)

  1. 複数拍の心電図波形データのグラフを出力領域に表示するグラフ表示処理装置であって、
    前記グラフ表示処理装置は、
    心電図波形データを順次受けて、当該心電図波形データの一拍を判断する周期判断手段、
    複数拍の心電図波形データのグラフを表示するための表示制御手段であって、これから表示を行おうとする前記一拍の心電図波形データに基づいて、当該一拍の周期に含まれる心電図波形データが前記出力領域に適切にグラフ表示されるか否かを判断し、当該一拍の周期に含まれる心電図波形データが前記出力領域に適切にグラフ表示されないと判断した場合には、当該一拍の周期に含まれる心電図波形データが前記出力領域に適切にグラフ表示されるように前記出力領域における当該心電図波形データのグラフの表示位置を補正する表示制御手段を備え、
    前記周期判断手段は、
    前記心電図波形データの特徴量に基づいて前記対象周期を判断することを特徴としており、
    前記表示制御手段は、
    前記一拍の周期に含まれる心電図データが前記出力領域に適切にグラフ表示されないと判断した場合には、当該周期に含まれる心電図波形データが前記出力領域に適切にグラフ表示されるように、複数拍の心電図波形データのグラフ全体について、前記出力領域における前記変動成分の方向の表示倍率を一拍ごとに変更すること、
    を特徴とするグラフ表示処理装置。
  2. 複数拍の心電図波形データのグラフを出力領域に表示するグラフ表示制御装置であって、
    前記グラフ表示制御装置は、
    複数拍の心電図波形データのグラフを表示するための表示制御手段であって、これから表示を行おうとする前記心電図波形データの一拍のデータに基づいて、当該一拍の周期に含まれる心電図波形データが前記出力領域に適切にグラフ表示されるか否かを判断し、当該一拍の周期に含まれる心電図波形データが前記出力領域に適切にグラフ表示されないと判断した場合には、当該一拍の周期に含まれる心電図波形データが前記出力領域に適切にグラフ表示されるように前記出力領域における当該心電図波形データのグラフの表示位置を補正する表示制御手段を備え、
    前記表示制御手段は、
    前記一拍の周期に含まれる心電図データが前記出力領域に適切にグラフ表示されないと判断した場合には、当該周期に含まれる心電図波形データが前記出力領域に適切にグラフ表示されるように、複数拍の心電図波形データのグラフ全体について、前記出力領域における前記変動成分の方向の表示倍率を一拍ごとに変更すること、
    を特徴とするグラフ表示制御装置。
  3. コンピュータを、複数拍の心電図波形データのグラフを出力領域に表示するグラフ表示処理装置として機能させるためのコンピュータ読み取り可能なプログラムであって、
    前記プログラムは、前記コンピュータを、
    心電図波形データを順次受けて、当該心電図波形データの一拍を判断する周期判断手段と、
    複数拍の心電図波形データのグラフを表示するための表示制御手段であって、これから表示を行おうとする前記一拍の心電図波形データに基づいて、当該一拍の周期に含まれる心電図波形データが前記出力領域に適切にグラフ表示されるか否かを判断し、当該一拍の周期に含まれる心電図波形データが前記出力領域に適切にグラフ表示されないと判断した場合には、当該一拍の周期に含まれる心電図波形データが前記出力領域に適切にグラフ表示されるように前記出力領域における当該心電図波形データのグラフの表示位置を補正する表示制御手段と、
    を備えたグラフ表示処理装置として機能させるためのプログラムであって、
    前記周期判断手段は、
    前記心電図波形データの特徴量に基づいて前記対象周期を判断することを特徴としており、
    前記表示制御手段は、
    前記一拍の周期に含まれる心電図データが前記出力領域に適切にグラフ表示されないと判断した場合には、当該周期に含まれる心電図波形データが前記出力領域に適切にグラフ表示されるように、複数拍の心電図波形データのグラフ全体について、前記出力領域における前記変動成分の方向の表示倍率を一拍ごとに変更すること、
    を特徴とするグラフ表示プログラム。
  4. コンピュータを、複数拍の心電図波形データのグラフを出力領域に表示するグラフ表示処理装置として機能させるためのコンピュータ読み取り可能なプログラムであって、
    前記プログラムは、前記コンピュータを、
    複数拍の心電図波形データのグラフを表示するための表示制御手段であって、これから表示を行おうとする前記心電図波形データの一拍のデータに基づいて、当該一拍の周期に含まれる心電図波形データが前記出力領域に適切にグラフ表示されるか否かを判断し、当該一拍の周期に含まれる心電図波形データが前記出力領域に適切にグラフ表示されないと判断した場合には、当該一拍の周期に含まれる心電図波形データが前記出力領域に適切にグラフ表示されるように前記出力領域における当該心電図波形データのグラフの表示位置を補正する表示制御手段と、
    を備えたグラフ表示処理装置として機能させるためのプログラムであって、
    前記表示制御手段は、
    前記一拍の周期に含まれる心電図データが前記出力領域に適切にグラフ表示されないと判断した場合には、当該周期に含まれる心電図波形データが前記出力領域に適切にグラフ表示されるように、複数拍の心電図波形データのグラフ全体について、前記出力領域における前記変動成分の方向の表示倍率を一拍ごとに変更すること、
    を特徴とするグラフ表示プログラム。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の前記グラフ表示処理装置、グラフ表示制御装置またはグラフ表示プログラムにおいて、
    前記特徴量は、周期内の振幅に関連する振幅データを含んでおり、
    前記表示制御手段または前記グラフの表示位置の補正処理は、
    前記振幅データに基づいて、前記周期内の振幅の大きさが所定の振幅基準に合致するか否かを判断し、当該振幅の大きさが前記振幅基準に合致しないと判断した場合には前記出力領域における前記変動成分の方向の表示倍率を変更すること、
    を特徴とするもの。
  6. 請求項1〜5の何れかに記載のグラフ表示処理装置、グラフ表示制御装置またはグラフ表示プログラムにおいて、
    前記特徴量は、
    前記対象周期における極大値または極小値に基づいて算出されること、
    を特徴とするもの。
  7. 請求項1〜6の何れかに記載のグラフ表示処理装置、グラフ表示制御装置またはグラフ表示プログラムにおいて、
    前記特徴量は、
    心電図波形のP波高(P電位)、またはQ波高(Q電位)、またはR波高(R電位)、またはS波高(S電位)、またはT波高(T電位)のいずれかに基づいて算出されること、
    を特徴とするもの。
  8. 請求項1〜7の何れかに記載のグラフ表示処理装置、グラフ表示制御装置またはグラフ表示プログラムにおいて、
    前記表示制御手段または前記グラフの表示位置の補正処理は、
    複数の前記周期内の振幅データの平均に関連する値に基づいた振幅の大きさが前記振幅基準に合致するか否かを判断すること、
    を特徴とするもの。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の前記グラフ表示処理装置、グラフ表示制御装置またはグラフ表示プログラムにおいて、
    前記表示制御手段または前記グラフの表示位置の補正処理は、
    前記振幅データが振幅上限基準を超えていれば前記表示倍率を2倍に変更すること、または、前記振幅データが振幅下限基準を下回っていれば前記表示倍率を1/2倍に変更すること、
    を特徴とするもの。
  10. 複数拍の心電図波形データのグラフを出力領域に表示するグラフ表示方法であって、
    前記グラフ表示方法は、
    心電図波形データを順次受けて、当該心電図波形データの周期性に基づいて一拍を判断し、
    これから表示を行おうとする前記一拍の心電図波形データに基づいて、当該一拍の周期に含まれる心電図波形データが前記出力領域に適切にグラフ表示されるか否かを判断し、前記一拍の周期に含まれる心電図波形データが前記出力領域に適切にグラフ表示されないと判断した場合には、当該一拍の周期に含まれる心電図波形データが前記出力領域に適切にグラフ表示されるように前記出力領域における当該心電図波形データのグラフの表示位置を補正することを特徴とするグラフ表示方法であって、
    前記表示位置の補正は、複数拍の心電図波形データのグラフ全体について、当該心電図波形データの前記変動成分の方向の表示倍率を一拍ごとに変更することにより行われることを特徴とするグラフ表示方法。
  11. 複数拍の心電図波形データのグラフを出力領域に出力するグラフ表示方法であって、
    前記グラフ表示方法は、
    前記出力領域にグラフ表示可能に前記心電図波形データを記録するための第1記録領域に記録された心電図波形データ、および前記出力領域にグラフ表示可能に前記心電図波形データを記録するための第2記録領域に記録された心電図波形データについて、
    これから表示を行おうとする一拍の周期に含まれる心電図波形データが前記出力領域に適切にグラフ表示されると判断した場合には、前記第1記録領域に記録された心電図波形データを前記出力領域に出力する一方で、
    当該一拍の周期に含まれる心電図波形データが前記出力領域に適切にグラフ表示されないと判断した場合には、当該一拍の周期に含まれる心電図波形データが前記出力領域に適切にグラフ表示されるように前記第2記録領域の記録内容を補正するとともに、その第2記録領域の記録内容を前記第1記録領域に複写し、
    前記第1記録領域に複写された記録内容を前記出力領域に出力すること、
    を特徴とするグラフ表示方法であって、
    前記表示位置の補正は、複数拍の心電図波形データのグラフ全体について、当該心電図波形データの前記変動成分の方向の表示倍率を一拍ごとに変更することにより行われることを特徴とするグラフ表示方法。
  12. 複数拍の心電図波形データのグラフを出力領域に表示するグラフ表示方法であって、
    前記グラフ表示方法は、
    心電図波形データを順次受けて、これから表示を行おうとする一拍の心電図波形データが前記出力領域に適切にグラフ表示されるか否かを判断し、当該心電図波形データが前記出力領域に適切にグラフ表示されないと判断した場合には、当該心電図波形データが前記出力領域に適切にグラフ表示されるように前記出力領域を補正することを特徴とするグラフ表示方法であって、
    前記表示位置の補正は、複数拍の心電図波形データのグラフ全体について、当該心電図波形データの前記変動成分の方向の表示倍率を一拍ごとに変更することにより行われることを特徴とするグラフ表示方法。
  13. 心電図測定データに基づいて複数拍の心電図波形データのグラフを出力領域に表示する心電図表示方法であって、
    心電図の表示位置に影響を与えるノイズを含む心電図測定データを受け付け、
    前記心電図測定データに基づいて前記出力領域に心電図を表示し、
    表示対象となる心電図の心周期を判断し、
    これから表示を行おうとする一拍の前記心周期のデータに基づいて、当該一拍の心周期に含まれる心電図が前記出力領域に表示されるか否かを判断し、
    前記ノイズの存在によって当該心周期に含まれる心電図が前記出力領域に表示されないと判断した場合には、当該心周期が前記出力領域に表示されるように、複数拍の心電図波形データのグラフ全体について、当該心電図測定データの前記変動成分の方向の表示倍率を一拍ごとに変更すること、
    を特徴とする心電図表示方法。
  14. 心電図測定データに基づく心電図の複数の心周期が出力領域に表示されるように表示位置補正処理を行いつつ心電図を表示する心電図表示方法であって、
    前記心電図表示方法は、
    心電図測定データを受け付け、
    前記心電図測定データに基づいて心電図の心周期を判断し、
    これから表示を行おうとする一拍の前記心周期に含まれる心電図が出力領域に表示されるようにするための表示位置補正処理を実行するタイミングを、前記心周期の判断処理のタイミングに対応づけて行うことを特徴とする心電図表示方法であって、
    前記表示位置の補正は、複数拍の心電図波形データのグラフ全体について、当該心電図波形データの前記変動成分の方向の表示倍率を一拍ごとに変更することにより行われることを特徴とするグラフ表示方法。







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