JP5115331B2 - 誘電体単結晶薄膜の製造方法 - Google Patents

誘電体単結晶薄膜の製造方法 Download PDF

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Description

この発明は、誘電体単結晶薄膜の製造方法に関し、特に、たとえばコンデンサの誘電体などに用いられるチタン酸バリウムストロンチウム(BST)系の誘電体単結晶薄膜を製造するための方法に関する。
従来、誘電体単結晶薄膜を製造する方法には、スパッタ法、MBE法、パルスレーザー堆積法またはMOCVD法などが採用されている。このような従来の誘電体単結晶薄膜の製造方法では、良好な誘電体単結晶薄膜を製造することができる。誘電体単結晶薄膜は、通常、高機能なものである。
また、特開平6−116095号公報には、結晶面が(111)軸方向に配向した白金基板上にチタン酸ジルコン酸鉛の前駆体溶液を塗布し、加熱することにより、結晶配向した鉛系の強誘電体薄膜を形成する方法が開示されている(特許文献1参照)。なお、特許文献1と同様に、鉛系の複合酸化物が配向しやすいことに起因して、鉛系の複合酸化物が配向した膜に関する報告は多い。
さらに、特開2007−180398公報には、チタン、バリウム、ストロンチウム、およびLiを含む誘電体前駆体溶液を基材上に塗布して塗膜を形成することなどによって、デカップリングコンデンサなどのコンデンサに用いられるBST系の高誘電体膜を形成する方法が開示されている(特許文献2参照)。
特開平6−116095号公報 特開2007−180398公報
しかしながら、上述の従来の誘電体単結晶薄膜の製造方法では、スパッタ法、MBE法、パルスレーザー堆積法またはMOCVD法などが採用されているので、複雑な環境、設備および工程が必要であって、誘電体単結晶薄膜を製造することが困難であり、製造される誘電体単結晶薄膜が高価なものとなってしまう。
さらに、上述の従来の誘電体単結晶薄膜の製造方法では、スパッタ法、MBE法、パルスレーザー堆積法またはMOCVD法などが採用されているので、製造される誘電体単結晶薄膜の原料が限られてしまい、製造される誘電体単結晶薄膜における組成の調整を行うことが困難である。
一方、特許文献1に開示されている方法では、結晶面が(111)軸方向に配向した白金基板上に鉛系の強誘電体薄膜を形成することについては着目されているが、BST系の誘電体単結晶薄膜を製造することについては全く着目されておらず、特許文献1においては、BST系の誘電体単結晶薄膜を製造するための具体的な手法については明らかにされていない。
また、特許文献2に開示されている方法では、BST系の単なる高誘電体膜を形成することについては考慮されているが、高誘電体膜を単結晶にすることや配向させることに関しては全く考慮されておらず、特許文献2においては、高機能であるBST系の誘電体単結晶薄膜を製造するための具体的な手法については明らかにされていない。
このように特許文献1および2に開示されている方法では、高機能であるBST系の誘電体単結晶薄膜を製造するための具体的な手法が明らかにされていないので、仮に特許文献1および2に開示されている方法を組み合わせることに着目したとしても、高機能であるBST系の誘電体単結晶薄膜を製造することは困難である。
したがって、上述の従来の誘電体単結晶薄膜の製造方法や特許文献1および2に開示されている方法から、高機能であるBST系の誘電体単結晶薄膜を容易にかつ安価に製造することができるようにするためや、製造されるBST系の誘電体単結晶薄膜における組成の調整を容易に行うことができるようにするためには、多大な困難性を有する。
それゆえに、この発明の主たる目的は、高機能であるBST系の誘電体単結晶薄膜を容易にかつ安価に製造することができるとともに、製造されるBST系の誘電体単結晶薄膜における組成の調整を容易に行うことができる、誘電体単結晶薄膜の製造方法を提供することである。
この発明にかかる誘電体単結晶薄膜の製造方法は、その表面がPt(100)面である単結晶成長用基板の前記Pt(100)面上にBaxSryTiO3(ただし、x+y=1.0)の誘電体単結晶薄膜の原料となる化学溶液をスピンコートし、スピンコートされた化学溶液を配向が起こるような温度で熱処理することによって、(100)に配向したBaxSryTiO3の誘電体単結晶薄膜をエピタキシャル成長させる、誘電体単結晶薄膜の製造方法であって、単結晶成長用基板として、Pt(100)膜がMgO単結晶基板またはAl23単結晶基板の表面に形成された単結晶成長用基板を用い、さらに、スピンコートされた化学溶液を熱処理する際に、化学溶液を800℃以上の温度で加熱する。
の発明にかかる誘電体単結晶薄膜の製造方法では、化学溶液として、バリウムアルコキシドまたはカルボン酸バリウムと、ストロンチウムアルコキシドまたはカルボン酸ストロンチウムと、チタンアルコキシドまたはカルボン酸チタンとが有機溶剤中に混合された化学溶液を用いることが好ましい。
また、この発明にかかる誘電体単結晶薄膜の製造方法では、BaxSryTiO3の誘電体単結晶薄膜をエピタキシャル成長させる際に、化学溶液を加熱した後に30K/分以上の冷却速度で冷却することが好ましい。
さらに、この発明にかかる誘電体単結晶薄膜の製造方法では、BaxSryTiO3の誘電体単結晶薄膜をエピタキシャル成長させる際に、化学溶液を加熱した後に30K/分から300K/分の冷却速度で冷却することがさらに好ましい。
また、この発明にかかる誘電体単結晶薄膜の製造方法では、化学溶液をスピンコートすることとスピンコートされた化学溶液を熱処理することとを、複数回繰り返して行うことが好ましい。
この発明にかかる誘電体単結晶薄膜の製造方法では、単結晶成長用基板の表面であるPt(100)面上に、BaxSryTiO3(ただし、x+y=1.0)の誘電体単結晶薄膜の原料となる化学溶液をスピンコートし、そのスピンコートされた化学溶液を配向が起こるような温度で熱処理することによって、BaxSryTiO3の誘電体単結晶薄膜のエピタキシャル成長が行われる。
この発明にかかる誘電体単結晶薄膜の製造方法では、従来の誘電体単結晶薄膜の製造方法で採用されているスパッタ法、MBE法、パルスレーザー堆積法またはMOCVD法などを用いずに、単結晶成長用基板の表面であるPt(100)面上に、BaxSryTiO3の誘電体単結晶薄膜の原料となる化学溶液をスピンコートし、そのスピンコートされた化学溶液を熱処理することによって、BaxSryTiO3の誘電体単結晶薄膜のエピタキシャル成長が行われるので、高機能であるBST系の誘電体単結晶薄膜の製造が容易であり、製造されるBST系の誘電体単結晶薄膜が安価なものとなる。
さらに、この発明にかかる誘電体単結晶薄膜の製造方法では、BaxSryTiO3の誘電体単結晶薄膜の原料となる化学溶液における組成を調整することによって、製造されるBST系の誘電体単結晶薄膜における組成を調整することができるので、製造されるBST系の誘電体単結晶薄膜における組成の調整を容易に行うことができる。
この発明にかかる誘電体単結晶薄膜の製造方法において、単結晶成長用基板として、Pt(100)膜がMgO単結晶基板またはAl23単結晶基板の表面に形成された単結晶成長用基板を用いるので、良好なBST系の誘電体単結晶薄膜を製造することができる。
また、この発明にかかる誘電体単結晶薄膜の製造方法において、スピンコートされた化学溶液を熱処理する際に、化学溶液を800℃以上の温度で加熱するとので、比較的短い時間で良好なBST系の誘電体単結晶薄膜を製造することができる。
さらに、この発明にかかる誘電体単結晶薄膜の製造方法において、化学溶液として、バリウムアルコキシドまたはカルボン酸バリウムと、ストロンチウムアルコキシドまたはカルボン酸ストロンチウムと、チタンアルコキシドまたはカルボン酸チタンとが有機溶剤中に混合された化学溶液を用いると、化学溶液中に混合されるバリウムアルコキシドまたはカルボン酸バリウムとストロンチウムアルコキシドまたはカルボン酸ストロンチウムとの比率を変えることによって、製造されるBST系の誘電体単結晶薄膜における組成すなわちバリウムおよびストロンチウムの比率を簡単に調整することができる。
また、この発明にかかる誘電体単結晶薄膜の製造方法では、BaxSryTiO3の誘電体単結晶薄膜をエピタキシャル成長させる際に、化学溶液を加熱した後に30K/分以上の冷却速度で冷却すると、単結晶成長用基板と誘電体単結晶薄膜との熱膨張係数差による応力に関係して、製造されるBST系の誘電体単結晶薄膜において高い比誘電率が得られる。
さらに、この発明にかかる誘電体単結晶薄膜の製造方法では、BaxSryTiO3の誘電体単結晶薄膜をエピタキシャル成長させる際に、化学溶液を加熱した後に30K/分から300K/分の冷却速度で冷却すると、30K/分以上の冷却速度で冷却する場合における単結晶成長用基板と誘電体単結晶薄膜との熱膨張係数差による応力に関係して、製造されるBST系の誘電体単結晶薄膜において高い比誘電率が得られるとともに、300K/分を超える冷却速度の場合のように急激に冷却した場合にクラックが発生してショート率が高くなることを防止して、製造されるBST系の誘電体単結晶薄膜において低いショート率が得られる。
さらに、この発明にかかる誘電体単結晶薄膜の製造方法において、化学溶液をスピンコートすることとスピンコートされた化学溶液を熱処理することとを複数回繰り返して行うと、その繰り返し回数を変えることによって、製造されるBST系の誘電体単結晶薄膜の膜厚を調整することができる。
この発明によれば、高機能であるBST系の誘電体単結晶薄膜を容易にかつ安価に製造することができるとともに、製造されるBST系の誘電体単結晶薄膜における組成の調整を容易に行うことができる、誘電体単結晶薄膜の製造方法が得られる。
この発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明を実施するための最良の形態の説明から一層明らかとなろう。
まず、単結晶成長用基板として、たとえばMgO(100)基板の一方主面にPt(100)膜が形成されたMgO(100)/Pt(100)基板を準備した。
また、たとえばBa0.7Sr0.3TiO3の誘電体単結晶薄膜の原料となる化学溶液を作製した。この化学溶液は、バリウムアルコキシドまたはカルボン酸バリウムと、ストロンチウムアルコキシドまたはカルボン酸ストロンチウムと、チタンアルコキシドまたはカルボン酸チタンとを有機溶剤中に混合することによって作製することができる。
そして、単結晶成長用基板(MgO(100)/Pt(100)基板)のPt(100)膜上に、作製された化学溶液をスピンコートした。それから、スピンコートされた化学溶液を、たとえば、300K/分で昇温し、800℃まで加熱して20分間保持した。そして、加熱された化学溶液を、たとえば100K/分の冷却速度で冷却した。
このような化学溶液のスピンコートおよび熱処理をたとえば6回繰り返して行うことによって、単結晶成長用基板のPt(100)膜上に、Ba0.7Sr0.3TiO3の誘電体単結晶薄膜をエピタキシャル成長させた。
この誘電体単結晶薄膜の製造方法では、単結晶成長用基板の表面であるPt(100)面上に、Ba0.7Sr0.3TiO3の誘電体単結晶薄膜の原料となる化学溶液をスピンコートし、そのスピンコートされた化学溶液を熱処理することによって、Ba0.7Sr0.3TiO3の誘電体単結晶薄膜のエピタキシャル成長が行われるので、高機能であるBST系の誘電体単結晶薄膜の製造が容易であり、製造されるBST系の誘電体単結晶薄膜が安価なものとなる。
さらに、この誘電体単結晶薄膜の製造方法では、誘電体単結晶薄膜の原料となる化学溶液における組成を調整することによって、製造されるBST系の誘電体単結晶薄膜における組成を調整することができるので、製造されるBST系の誘電体単結晶薄膜における組成の調整を容易に行うことができる。
また、この誘電体単結晶薄膜の製造方法では、Ba0.7Sr0.3TiO3の誘電体単結晶薄膜をエピタキシャル成長させる際に、化学溶液を加熱した後に100K/分の冷却速度で冷却するので、単結晶成長用基板と誘電体単結晶薄膜との熱膨張係数差による応力に関係して、製造されるBST系の誘電体単結晶薄膜において高い比誘電率が得られるとともに、急激に冷却した場合にクラックが発生してショート率が高くなることを防止して、製造されるBST系の誘電体単結晶薄膜において低いショート率が得られる。
さらに、この誘電体単結晶薄膜の製造方法では、化学溶液のスピンコートおよび熱処理の繰り返し回数を変えることによって、製造されるBST系の誘電体単結晶薄膜の膜厚を調整することができる。
(実験例1)
まず、MgO(100)基板を用いて、Ptスパッタ装置によって、MgO(100)/Pt(100)基板を作製した。このMgO(100)/Pt(100)基板は、MgO(100)基板の一方主面にPt(100)膜が形成された単結晶成長用基板である。
さらに、Ba0.7Sr0.3TiO3の誘電体単結晶薄膜の原料となる化学溶液を、次の溶液作製条件で作製した。
(溶液作製条件)
原料塩
酢酸バリウム 0.802g
酢酸ストロンチウム 0.289g
チタンイソプロポキシド 1.278g
溶媒
酢酸 3mL
2−メトキシエタノール 7mL
そして、単結晶成長用基板(MgO(100)/Pt(100)基板)のPt(100)膜上に、作製された化学溶液をスピンコートした。この場合、化学溶液を、単結晶成長用基板のPt(100)膜上に載置し、単結晶成長用基板とともに600r.p.m.で3秒間回転し、さらに4000r.p.m.で30秒間回転して、薄膜状に成形した後に、薄膜状に成形された化学溶液を150℃のホットプレートで5分間乾燥を行った。
それから、スピンコートされた化学溶液を、次の熱処理条件で熱処理した。
(熱処理条件)
スピンコートされた化学溶液を、酸素200mL/分の雰囲気下で、常温から300K/分で昇温し、650℃、750℃、800℃または950℃まで加熱して20分間保持した。
このようにして加熱された化学溶液を、100K/分の冷却速度で常温まで冷却した。
以上の化学溶液のスピンコートおよび熱処理を6回繰り返して、単結晶成長用基板のPt(100)膜上に、Ba0.7Sr0.3TiO3の誘電体薄膜を製造した。なお、2回目以降の化学溶液のスピンコートおよび熱処理では、先に形成されたBa0.7Sr0.3TiO3の誘電体薄膜上に、新たなBa0.7Sr0.3TiO3の誘電体薄膜が形成される。
このようにして製造された誘電体薄膜について表断面におけるFE−SEM像を得て、それらの表断面におけるFE−SEM像を図1、図2および図3に示した。図1は、650℃で熱処理して製造された誘電体薄膜の表断面におけるFE−SEM像であり、図2は、750℃で熱処理して製造された誘電体薄膜の表断面におけるFE−SEM像であり、図3は、800℃で熱処理して製造された誘電体薄膜の表断面におけるFE−SEM像である。なお、950℃で熱処理して製造された誘電体薄膜の表断面におけるFE−SEM像ついては、800℃で熱処理して製造された誘電体薄膜の表断面におけるFE−SEM像と同様のFE−SEM像が得られたので、図示していない。
図1、図2および図3のFE−SEM像から、650℃で熱処理した場合には膜厚260nmの粒子状の誘電体薄膜が形成され、750℃で熱処理した場合には膜厚266nmの粒子状の誘電体薄膜が形成されているが、800℃で熱処理した場合には膜厚230nmの緻密な誘電体薄膜が形成されていることがわかる。950℃で熱処理した場合にも、800℃で熱処理した場合と同様に、膜厚230nmの緻密な誘電体薄膜が形成されていることがわかった。
また、800℃で熱処理して製造された誘電体薄膜では、図4に示すように、その誘電体薄膜の(110)面における極点図からψ=45°付近に4回対称パターンのみが検出された。このことから、800℃で熱処理して単結晶成長用基板のPt(100)膜上に製造されたBa0.7Sr0.3TiO3の誘電体薄膜は、<100>方位が試料法線方向を向いた3軸配向膜である誘電体単結晶薄膜であることがわかる。950℃で熱処理して製造されたBa0.7Sr0.3TiO3の誘電体薄膜についても、800℃で熱処理して製造された誘電体薄膜の(110)面における極点図と同様の(110)面における極点図が得られ、<100>方位が試料法線方向を向いた3軸配向膜である誘電体単結晶薄膜であることがわかった。このように誘電体単結晶薄膜が得られるのは、800℃以上の温度で熱処理することによって、Pt(100)面上に、BaxSryTiO3(ただし、x+y=1.0)の誘電体単結晶薄膜のエピタキシャル成長が行われるからである。
さらに、800℃で熱処理して製造された誘電体薄膜では、図5に示すように、試料の境界部分の明視野像からもBa0.7Sr0.3TiO3の格子像が確認でき、(100)配向していることが確認できる。950℃で熱処理して製造された誘電体薄膜についても、800℃で熱処理して製造された誘電体薄膜と同様な試料の境界部分の明視野像が得られ、Ba0.7Sr0.3TiO3の格子像が確認でき、(100)配向していることを確認できた。
上述のようにして製造されたそれぞれの誘電体薄膜などに電極を形成して、静電容量、比誘電率、誘電損失およびショート率を測定ないしは計算した。
具体的には、製造された個々の誘電体薄膜上に、それぞれ、直径0.5mmの円形の孔が25個形成されたマスクを置き、スパッタにより、25個の円形のPt(100)膜を形成し、それらのPt(100)膜をそれぞれ一方の電極とした。
さらに、単結晶成長用基板において、誘電体薄膜が形成された面とは反対側の面、すなわちMgO(100)基板の表面の全体に、スパッタにより、Pt(100)膜を形成し、そのPt(100)膜を他方の電極とした。
そして、それぞれの一方の電極と他方の電極との間に、1kHzで100mVの交流電圧を印加して、それぞれの静電容量および誘電損失を測定した。さらに、測定した静電容量などから比誘電率を計算した。この場合、個々の誘電体薄膜において、それぞれ、静電容量、誘電損失および比誘電率については、25箇所において測定することができた静電容量などに基づく平均値とした。
また、個々誘電体薄膜において、それぞれ、ショート率については、25箇所のうち静電容量を測定することができた箇所の数と一方の電極と他方の電極とが誘電体薄膜を介してショートしているために静電容量を測定することができなかった個所の数との合計の数に対して、そのようにショートしているために静電容量を測定することができなかった箇所の数の比率とした。なお、ショート率は、個々の誘電体薄膜について、25箇所のうちショート以外の理由で静電容量を測定することができなかった箇所も存在するために、全体の箇所の数(25)の逆数である1/25の倍数になっていないものもある。
以上の結果を表1に示す。
表1の結果より、誘電体薄膜の比誘電率は、試料番号1−1のように650℃で熱処理した場合に600であり、試料番号1−2のように750℃で熱処理した場合に800であり、試料番号1−3または1−4のように800℃または950℃で熱処理した場合に2500であった。また、誘電体薄膜の誘電損失は、試料番号1−1のように650℃で熱処理した場合に3.0%であり、試料番号1−2のように750℃で熱処理した場合に3.5%であり、試料番号1−3または1−4のように800℃または950℃で熱処理した場合に0.9%であった。
さらに、電極間の静電容量は、試料番号1−1のように650℃で熱処理した場合に4.0nFであり、試料番号1−2のように750℃で熱処理した場合に5.5nFであり、試料番号1−3または1−4のように800℃または950℃で熱処理した場合に18.9nFであった。また、電極間のショート率は、試料番号1−1のように650℃で熱処理した場合に5%であり、試料番号1−2のように750℃で熱処理した場合に8%であり、試料番号1−3または1−4のように800℃または950℃で熱処理した場合に0%であった。
以上のことから、試料番号1−3および1−4のように誘電体薄膜を単結晶薄膜とすることによって、良好な誘電体薄膜を製造することができることがわかった。
また、試料番号1−3および1−4のように誘電体薄膜を単結晶薄膜とすることによって、比誘電率が向上し、誘電損失が低減することがわかった。
さらに、誘電体薄膜などに電極を形成した場合、試料番号1−3および1−4のように誘電体薄膜を単結晶薄膜とすることによって、誘電体薄膜の膜厚が薄くなって電極間の静電容量が増大する以上に静電容量が増大するとともに、誘電体薄膜の膜厚が薄くなっているにもかかわらず電極間のショート率が低減することがわかった。
このように、実験例1では、試料番号1−3および1−4で示すように、高機能であるBa0.7Sr0.3TiO3の誘電体単結晶薄膜を容易にかつ安価に製造することができる。
さらに、実験例1において、誘電体単結晶薄膜の原料となる化学溶液における組成を調整することによって、すなわち、化学溶液中に混合されるバリウムとストロンチウムとの比率を変えることによって、製造されるBST系の誘電体単結晶薄膜における組成すなわちバリウムおよびストロンチウムの比率を調整することができるので、製造されるBST系の誘電体単結晶薄膜における組成すなわちバリウムおよびストロンチウムの比率を容易にかつ簡単に調整することができる。
この場合、実験例1の試料番号1−3または1−4において、化学溶液中に混合されるバリウムとストロンチウムとの比率を変えることによって、たとえば、バリウムとストロンチウムとの比率を0.5:0.5にしたBa0.5Sr0.5TiO3の誘電体単結晶薄膜、バリウムとストロンチウムとの比率を1:0にしたBaTiO3の誘電体単結晶薄膜、または、バリウムとストロンチウムとの比率を0:1にしたSrTiO3の誘電体単結晶薄膜などのBST系の誘電体単結晶薄膜を製造することができる。
Ba0.5Sr0.5TiO3の誘電体単結晶薄膜の原料となる化学溶液は、たとえば、次の溶液作製条件で作製することができる。
(溶液作製条件)
原料塩
酢酸バリウム 0.573g
酢酸ストロンチウム 0.481g
チタンイソプロポキシド 1.278g
溶媒
酢酸 3mL
2−メトキシエタノール 7mL
また、BaTiO3の誘電体単結晶薄膜の原料となる化学溶液は、たとえば、次の溶液作製条件で作製することができる。
(溶液作製条件)
原料塩
酢酸バリウム 0.819g
チタンイソプロポキシド 1.278g
溶媒
酢酸 3mL
2−メトキシエタノール 7mL
さらに、SrTiO3の誘電体単結晶薄膜の原料となる化学溶液は、たとえば、次の溶液作製条件で作製することができる。
(溶液作製条件)
原料塩
酢酸ストロンチウム 0.963g
チタンイソプロポキシド 1.278g
溶媒
酢酸 3mL
2−メトキシエタノール 7mL
その結果、それらのBST系の誘電体単結晶薄膜についても、Ba0.7Sr0.3TiO3の誘電体単結晶薄膜と同様に、優れた特性を有していた。
(比較例1)
まず、その表面がPt(111)面である薄膜形成用基板を作製した。
この場合、Siウエハーの(100)面上に膜厚1μmの熱酸化膜を形成し、その熱酸化膜上に、次の溶液作製条件で作製された化学溶液を用いて、化学溶液法の一例であるMOD(Metal Organic Deposition)で膜厚100nmのBaTiO3の単結晶膜を形成した。
(溶液作製条件)
原料塩
酢酸バリウム 0.819g
チタンイソプロポキシド 1.278g
溶媒
酢酸 3mL
2−メトキシエタノール 7mL
なお、このBaTiO3の単結晶膜は、Siウエハーの(100)面上の熱酸化膜にスパッタでPt(111)膜を直接形成してもPt(111)膜が剥がれやすいために、スパッタによるPt(111)膜との密着性を高めるためのものである。
そして、BaTiO3の単結晶膜上にスパッタによりPt(111)膜を形成して、その表面がPt(111)面である薄膜形成用基板を作製した。
さらに、Ba0.7Sr0.3TiO3の誘電体単結晶薄膜の原料となる化学溶液を、実験例1と同じ条件で作製した。
そして、薄膜形成用基板のPt(111)膜上に、作製された化学溶液を、実験例1と同じ条件でスピンコートした。
それから、スピンコートされた化学溶液を、実験例1における熱処理条件と比べて800℃、700℃または600℃まで加熱する点のみを異ならせて、熱処理した。すなわち、比較例では、スピンコートされた化学溶液を、常温から300K/分で昇温し、800℃、700℃または600℃まで加熱して20分間保持し、100K/分の冷却速度で常温まで冷却した。
さらに、比較例でも、実験例1と同様に、化学溶液のスピンコートおよび熱処理を6回繰り返して、薄膜形成用基板のPt(111)膜上に、Ba0.7Sr0.3TiO3の誘電体薄膜を製造した。
このようにして製造された誘電体薄膜についても表断面におけるFE−SEM像を得て、それらの表断面におけるFE−SEM像を図6、図7および図8に示した。図6は、800℃で熱処理して製造された誘電体薄膜の表断面におけるFE−SEM像であり、図7は、700℃で熱処理して製造された誘電体薄膜の表断面におけるFE−SEM像であり、図8は、600℃で熱処理して製造された誘電体薄膜の表断面におけるFE−SEM像である。
800℃で熱処理して製造された誘電体薄膜は、図6のFE−SEM像から、膜厚が277nmであり、柱状晶になっていることがわかる。これは、800℃で熱処理すると、Ba0.7Sr0.3TiO3の誘電体薄膜が薄膜形成用基板のPt(111)膜上でエピタキシャル成長することによって、柱状晶になることが考えられる。
また、700℃で熱処理して製造された誘電体薄膜は、図7のFE−SEM像から、膜厚が339nmであり、粒子状の膜構造をしていることがわかり、粒界の大きさが30nm程度であることを確認することができる。
さらに、600℃で熱処理して製造された誘電体薄膜は、図8のFE−SEM像から、膜厚が252nmであり、粒子状の膜構造をしていることがわかる。
また、800℃で熱処理して製造された誘電体薄膜では、図9に示すように、その誘電体薄膜の(110)面における極点図から、(111)に1軸配向したBa0.7Sr0.3TiO3の柱状粒子薄膜であることがわかる。このように、誘電体薄膜をPt(111)膜上に形成すると、誘電体薄膜は、3軸配向した単結晶薄膜とはならず、1軸に配向した柱状粒子薄膜になる。
さらに、比較例でも、実験例1と同様に、誘電体薄膜などに電極を形成して、静電容量、比誘電率、誘電損失およびショート率を測定ないしは計算した。
その結果を表2に示す。
表2の結果より、試料番号2−2および2−3のように、誘電体薄膜が3軸配向した単結晶薄膜ではなくて粒子状の膜構造にすれば、比誘電率が小さくなることがわかる。
さらに、試料番号2−1のように、誘電体薄膜を3軸配向した単結晶薄膜ではないが1軸配向した柱状粒子薄膜とすれば、比誘電率の向上は図れるが、柱状粒子薄膜の粒界が導電のパスになるために、ショートしやすくなることがわかる。
(実験例2)
実験例2では、実験例1の試料番号1−3において、スピンコートした化学溶液を800℃に加熱して20分間保持した後に冷却する冷却速度を、500K/分、400K/分、300K/分、200K/分、100K/分、50K/分、30K/分、10K/分または5K/分に変更して、実験例1と同様の実験を行った。
その結果を表3に示す。
表3の結果より、冷却速度が速いほど、比誘電率が大きくなる傾向があることがわかる。これは、単結晶成長用基板の大部分を占めるMgO(100)基板の熱膨張係数(13×10-6/K)が、Ba0.7Sr0.3TiO3の誘電体薄膜の熱膨張係数(10×10-6/K)よりも大きいことに起因して、冷却時にBa0.7Sr0.3TiO3の誘電体薄膜に対して膜の面内方向に圧縮応力が発生し、膜厚方向に引張り応力が発生する。そして、膜厚方向の引張り応力が、Ba0.7Sr0.3TiO3の結晶構造の膜厚方向へのひずみを誘発することで、比誘電率が大きくなるからである。
逆に、冷却速度を遅くすると、それらの熱膨張係数差による膜厚方向の引張り応力が緩和されて、比誘電率が小さくなる。
そして、試料番号3−8および3−9のように冷却速度が10K/分以下になると、試料番号3−5のように冷却速度が100K/分である場合と比較して、比誘電率が半分以下になって良好なBa7Sr3TiO3の誘電体薄膜が得られなくなってしまう。
それに対して、試料番号3−1から3−7のように冷却速度を30K/分以上にすると、単結晶成長用基板と誘電体単結晶薄膜との熱膨張係数差によるによる応力に関係して、製造されるBST系の誘電体単結晶薄膜において高い比誘電率が得られる。
さらに、表3の結果より、冷却速度が速いと、ショート率が大きくなる傾向があることがわかる。これも、単結晶成長用基板の大部分を占めるMgO(100)基板の熱膨張係数(13×10-6/K)が、Ba0.7Sr0.3TiO3の誘電体薄膜の熱膨張係数(10×10-6/K)よりも大きいことに起因して、冷却時にBa0.7Sr0.3TiO3の誘電体薄膜に対して膜の面内方向に圧縮応力が発生する。面内方向の圧縮応力が大きくなると、Ba0.7Sr0.3TiO3の誘電体薄膜にクラックが入りやすくなる。誘電体薄膜にクラックが発生すると、クラックを伝ってスパッタしたPt膜(電極)間がショートしてしまう。そのため、試料番号3−2のように冷却速度を400K/分にすると、ショート率が80%と大きくなり、試料番号3−1のように冷却速度を500K/分にすると、ショート率が90%とさらに大きくなって、いずれの場合も、良好なBa0.7Sr0.3TiO3の誘電体薄膜が得られなくなってしまう。
それに対して、試料番号3−3から3−7のように冷却温度を30K/分から300K/分にすると、30K/分以上の冷却速度で冷却する場合における単結晶成長用基板と誘電体単結晶薄膜との熱膨張係数差による応力に関係して、製造されるBST系の誘電体単結晶薄膜において高い比誘電率が得られるとともに、300K/分を超える冷却速度の場合のように急激に冷却した場合にクラックが発生してショート率が高くなることを防止して、製造されるBST系の誘電体単結晶薄膜において低いショート率が得られる。
上述の実験例1および2では、単結晶成長用基板として、MgO(100)基板上にPt(100)膜を形成したMgO(100)/Pt(100)基板が用いられているが、この発明では、Al23(100)基板上にPt(100)膜を形成したAl23(100)/Pt(100)基板が用いられてもよい。Al23(100)/Pt(100)基板は、Al23(100)基板の一方主面にPt(100)膜をスパッタで形成することによって製造することができる。Al23(100)/Pt(100)基板が用いられても、MgO(100)/Pt(100)基板が用いられる場合と同様な効果を奏する。このように、この発明では、MgO(100)基板などのMgO(100)単結晶基板の表面にPt(100)膜を形成した単結晶成長用基板やAl23(100)基板などのAl23単結晶基板の表面にPt(100)膜を形成した単結晶成長用基板が用いられてもよい。なお、この発明に用いられる単結晶成長用基板としては、その表面部分における格子定数が、製造される誘電体単結晶薄膜の格子定数に近いものが好ましい。
また、上述の実験例1において、試料番号1−3および1−4のように化学溶液を800℃以上に加熱すると、誘電体単結晶薄膜が得られている。
それに対して、実験例1の試料番号1−1および1−2のように化学溶液を800℃より低い温度で加熱しても、誘電体単結晶薄膜は得られていない。
しかしながら、このように化学溶液を800℃より低い温度で加熱する場合でも、加熱している際の保持時間を長くすれば、誘電体単結晶薄膜が得られる。
したがって、スピンコートされた化学溶液を熱処理する際に、化学溶液を800℃以上の温度で加熱すれば、良好な誘電体単結晶薄膜が比較的短い時間で得られることになる。
また、上述の実験例1および2では、酢酸バリウム、酢酸ストロンチウムおよびチタンイソプロポキシドが化学溶液に混合されているが、この発明では、それ以外のものであって、バリウム、ストロンチウムおよびチタンのアルコキシドまたはカルボン酸が化学溶液に混合されてもよい。
このようなアルコキシドとしては、イソプロポキシド以外に、たとえばメトキシドやエトキシドなどが挙げられる。
また、このようなカルボン酸としては、酢酸以外に、たとえば蟻酸、プロピオン酸、酪酸、デカン酸、オクチル酸(2−エチルヘキサン酸)などが挙げられる。
そして、これらのアルコキシドやカルボン酸を用いても、実験例1および2と同様の効果が得られる。
さらに、上述の実験例1および2では、それぞれ、化学溶液をスピンコートすることとそのスピンコートされた化学溶液を熱処理することとを6回繰り返して行っているが、この発明では、スピンコートおよび熱処理を1回だけ行ってもよく、または、スピンコートおよび熱処理を6回以外の複数回繰り返して行ってもよい。スピンコートおよび熱処理の繰り返し回数を増やせば、製造される誘電体単結晶薄膜の膜厚は厚くなるのに対して、スピンコートおよび熱処理の繰り返し回数を減らせば、製造される誘電体単結晶薄膜の膜厚は薄くなる。したがって、スピンコートおよび熱処理の繰り返し回数を変えれば、製造されるBST系の誘電体単結晶薄膜の膜厚を調整することができる。
この発明にかかる誘電体単結晶薄膜の製造方法によって製造されたBST系の誘電体単結晶薄膜は、たとえばコンデンサの誘電体などに利用される。
実験例1の650℃で熱処理して製造された誘電体薄膜の表断面におけるFE−SEM像である。 実験例1の750℃で熱処理して製造された誘電体薄膜の表断面におけるFE−SEM像である。 実験例1の800℃で熱処理して製造された誘電体薄膜の表断面におけるFE−SEM像である。 実験例1の800℃で熱処理して製造された誘電体薄膜の(110)面における極点図である。 実験例1の800℃で熱処理して製造された誘電体薄膜の境界部分の明視野像である。 比較例の800℃で熱処理して製造された誘電体薄膜の表断面におけるFE−SEM像である。 比較例の700℃で熱処理して製造された誘電体薄膜の表断面におけるFE−SEM像である。 比較例の600℃で熱処理して製造された誘電体薄膜の表断面におけるFE−SEM像である。 比較例の800℃で熱処理して製造された誘電体薄膜の(110)面における極点図である。

Claims (5)

  1. その表面がPt(100)面である単結晶成長用基板の前記Pt(100)面上にBaxSryTiO3(ただし、x+y=1.0)の誘電体単結晶薄膜の原料となる化学溶液をスピンコートし、前記スピンコートされた化学溶液を配向が起こるような温度で熱処理することによって、(100)に配向したBaxSryTiO3の誘電体単結晶薄膜をエピタキシャル成長させる、誘電体単結晶薄膜の製造方法であって、
    前記単結晶成長用基板として、Pt(100)膜がMgO単結晶基板またはAl 2 3 単結晶基板の表面に形成された単結晶成長用基板を用い、さらに
    前記スピンコートされた化学溶液を熱処理する際に、前記化学溶液を800℃以上の温度で加熱することを特徴とする、誘電体単結晶薄膜の製造方法
  2. 前記化学溶液として、
    バリウムアルコキシドまたはカルボン酸バリウムと、
    ストロンチウムアルコキシドまたはカルボン酸ストロンチウムと、
    チタンアルコキシドまたはカルボン酸チタンと
    が有機溶剤中に混合された化学溶液を用いることを特徴とする、請求項1に記載の誘電体単結晶薄膜の製造方法。
  3. 前記Ba x Sr y TiO 3 の誘電体単結晶薄膜をエピタキシャル成長させる際に、前記化学溶液を加熱した後に30K/分以上の冷却速度で冷却することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の誘電体単結晶薄膜の製造方法。
  4. 前記Ba x Sr y TiO 3 の誘電体単結晶薄膜をエピタキシャル成長させる際に、前記化学溶液を加熱した後に30K/分から300K/分の冷却速度で冷却することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の誘電体単結晶薄膜の製造方法。
  5. 前記化学溶液をスピンコートすることと前記スピンコートされた化学溶液を熱処理することとを、複数回繰り返して行うことを特徴とする、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の誘電体単結晶薄膜の製造方法。
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