JP6123467B2 - 配向膜およびその製造方法 - Google Patents

配向膜およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、例えば、センサ用の基板およびコンデンサの誘電体などに用いることができる誘電体配向膜、ディスプレイやタッチパネルにおけるスイッチ、接点およびセンサの電極などに用いることができる導電性配向膜、光通信機器の導波路における電界印加型の光スイッチなどに用いることができる透明性を有する配向膜、およびその配向膜の製造方法に関する。
従来、配向膜を製造する方法には、スパッタ法、MBE法、パルスレーザー堆積法またはMOCVD法などが採用されている。
さらに、配向膜を製造する別の方法として、特許文献1に記載された化学溶液法も提案されている。この配向膜の製造方法は、MgO(100)基板上に形成されたBa(TizZr1-a)O3(100)の配向膜上に、BaxSryCazTiO3(100)の配向膜の原料となる化学溶液をスピンコートし、このスピンコートされた化学溶液を配向が起こるような温度で熱処理して、BaxSryCazTiO3(100)の配向膜をエピタキシャル成長させる方法である。化学溶液法は、安価でかつ組成比のコントロールが容易であるという利点がある。
特許第4752930号公報
ここで、ペロブスカイト系の複合酸化物の配向膜は、(110)方位に配向されている場合の方が、(100)方位に配向されている場合よりも、比誘電率が大きくなる。しかし、MgO(100)基板上に、(110)方位に配向されているペロブスカイト系の複合酸化物の配向膜を形成することは困難であり、通常、MgO(100)基板上には、(100)方位に配向されているペロブスカイト系の複合酸化物の配向膜が形成される。
それゆえに、本発明の目的は、単結晶基板上に設けられたPt膜の(100)方位の配向とは異なる方位に配向した配向膜を容易に得るための下地となる配向膜およびその製造方法を提供することである。
本発明は、単結晶基板上に設けられたPt(100)膜上に形成された配向膜であって、前記配向膜は、(110)方位に配向されているBapSrqZrr3配向膜(ただし、p+q=1.0、0.85≦r≦1.2)であること、を特徴とする、配向膜である。この発明では、単結晶基板上に設けられたPt膜の(100)方位の配向とは異なる方位に配向した配向膜を容易に得るための下地となる配向膜を得ることができる。
また、本発明は、単結晶基板上に設けられたPt(100)膜上に形成された配向膜であって、前記配向膜は、(110)方位に配向されているBapSrqZrr3配向膜(ただし、p+q=1.0、0.85≦r≦1.2)と、BapSrqZrr3配向膜上に形成された、(110)方位に配向されているBaxSryTiw3配向膜(ただし、x+y=1.0、0.85≦w≦1.2)とで構成されていること、を特徴とする、配向膜である。
ここで、Pt(100)膜は、(100)方位に配向されているPt膜を意味している。
本発明では、BapSrqZrr3配向膜やBaxSryTiw3配向膜が、下地のPt膜の(100)方位の配向とは異なる方位(110)に配向されているため、比誘電率が大きくなる。
また、本発明は、単結晶基板がMgO(100)基板であることが好ましい。ここで、MgO(100)基板は、(100)方位に配向されている単結晶MgO基板を意味している。本発明の場合、Pt(100)膜、すなわち、(100)方位に配向されているPt膜の作製が容易となる。
また、本発明は、(110)方位に配向されているBapSrqZrr3配向膜(ただし、p+q=1.0、0.85≦r≦1.2)を製造するための配向膜の製造方法であって、BapSrqZrr3配向膜の原料となる第1化学溶液を、単結晶基板上に設けられたPt(100)膜上にスピンコートする工程と、スピンコートされた第1化学溶液を配向が起こるような温度で熱処理して、(110)方位に配向されているBapSrqZrr3配向膜を前記Pt(100)膜上にエピタキシャル成長させる工程と、を備えたことを、特徴とする、配向膜の製造方法である。
BapSrqZrr3配向膜の原料となる第1化学溶液は、バリウムアルコキシドもしくはカルボン酸バリウムと、ストロンチウムアルコキシドもしくはカルボン酸ストロンチウムとの中から選択された少なくとも1種以上、および、ジルコニウムアルコキシドもしくはカルボン酸ジルコニウムが、有機溶剤中に混合された化学溶液であることが好ましい。
本発明の場合、BapSrqZrr3配向膜の方位を制御して、下地のPt膜の(100)方位の配向とは異なる方位へ配向することが可能になる。従って、下地のPt膜の(100)方位の配向とは異なる方位(110)に配向されているBapSrqZrr3配向膜が容易に作製できる。
さらに、BapSrqZrr3配向膜の原料となる第1化学溶液の混合比率を変えることによって、作製されるBapSrqZrr3配向膜の組成比の変更が容易に行われる。
また、本発明は、(110)方位に配向されているBaxSryTiw3配向膜(ただし、x+y=1.0、0.85≦w≦1.2)を製造するための配向膜の製造方法であって、BaxSryTiw3配向膜の原料となる第2化学溶液を、前述の配向膜の製造方法によってエピタキシャル成長されたBapSrqZrr3配向膜上にスピンコートする工程と、スピンコートされた第2化学溶液を配向が起こるような温度で熱処理して、(110)方位に配向されているBaxSryTiw3配向膜をBapSrqZrr3配向膜上にエピタキシャル成長させる工程と、を備えたことを、特徴とする、配向膜の製造方法である。
BaxSryTiw3配向膜の原料となる第2化学溶液は、バリウムアルコキシドもしくはカルボン酸バリウムと、ストロンチウムアルコキシドもしくはカルボン酸ストロンチウムとの中から選択された少なくとも1種以上、および、チタンアルコキシドもしくはカルボン酸チタンが、有機溶剤中に混合された化学溶液であることが好ましい。
本発明の場合、(110)方位に配向されているBapSrqZrr3配向膜が、BaxSryTiw3配向膜の下地となる。従って、下地のBapSrqZrr3配向膜の(110)方位と同じ(110)方位に配向されているBaxSryTiw3配向膜が容易に作製できる。
さらに、BaxSryTiw3配向膜の原料となる第2化学溶液の混合比率を変えることによって、作製されるBaxSryTiw3配向膜の組成比の変更が容易に行われる。
本発明によれば、単結晶基板上に設けられたPt膜の(100)方位の配向とは異なる方位に配向した配向膜を容易に得るための下地となる(110)方位へ配向したBapSrqZrr3配向膜を得ることができる。また、安価でかつ組成比のコントロールが容易であるBapSrqZrr3配向膜やBaxSryTiw3配向膜を得ることができる。
この発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明を実施するための形態の説明から一層明らかとなろう。
本発明に係る配向膜の一実施の形態を示す概略構成図である。 本発明に係る配向膜の製造方法の一実施の形態を示すフローチャートである。 実施例1で作製した試料のX線回折スペクトル図である。 比較例で作製した試料のX線回折スペクトル図である。 実施例2で作製した試料のX線回折スペクトル図である。
本発明に係る配向膜およびその製造方法の一実施の形態を説明する。
1.配向膜
図1は配向膜の一実施の形態を示す概略構成図である。配向膜6は、単結晶基板2の上面に設けられたPt(100)膜4の上面に形成されている。Pt(100)膜4は、(100)方位に配向されているPt膜である。なお、(100)方位に配向されているPt膜は、容易に作製できるけれども、(110)方位に配向されているPt膜は、容易に作製できない。
単結晶基板2には、MgO(100)基板などが使用される。MgO(100)基板は、(100)方位に配向されている単結晶MgO基板である。このMgO(100)基板を使用することによって、MgO(100)基板の上面に、(100)方位に配向されているPt膜が容易に作製できる。
配向膜6は、Pt(100)膜4の上面に形成されたBapSrqZrr3配向膜6aと、BapSrqZrr3配向膜6aの上面に形成されたBaxSryTiw3配向膜6bとで構成されている。BapSrqZrr3配向膜6aは、(110)方位に配向されているBapSrqZrr3配向膜(ただし、p+q=1.0、0.85≦r≦1.2)である。従って、BapSrqZrr3配向膜6aは、Ba(バリウム)とSr(ストロンチウム)との中から選択された少なくとも1種以上、および、Zr(ジルコニウム)が、混合された配向膜である。BaxSryTiw3配向膜6bは、(110)方位に配向されているBaxSryTiw3配向膜(ただし、x+y=1.0、0.85≦w≦1.2)である。従って、BaxSryTiw3配向膜6bは、Ba(バリウム)とSr(ストロンチウム)との中から選択された少なくとも1種以上、および、Ti(チタニウム)が、混合された配向膜である。
本発明では、BapSrqZrr3配向膜6aやBaxSryTiw3配向膜6bが、下地のPt(100)膜4の(100)方位の配向とは異なる方位(110)に配向されているため、比誘電率を大きくすることができる。
2.配向膜の製造方法
次に、図1に示した配向膜6の製造方法が、図2を参照して説明される。
ステップS1で、Pt(100)膜4が、スパッタリング法によって、単結晶基板であるMgO(100)基板2の上面に形成され、MgO(100)/Pt(100)基板が作製される。
次に、ステップS2で、BapSrqZrr3配向膜6a(ただし、p+q=1.0、0.85≦r≦1.2)の原料となる第1化学溶液が、MgO(100)/Pt(100)基板のPt(100)膜4の上面にスピンコートされる。
BapSrqZrr3配向膜6aの原料となる第1化学溶液は、バリウムアルコキシドもしくはカルボン酸バリウムと、ストロンチウムアルコキシドもしくはカルボン酸ストロンチウムとの中から選択された少なくとも1種以上、および、ジルコニウムアルコキシドもしくはカルボン酸ジルコニウムが、有機溶剤中に混合された化学溶液である。
次に、ステップS3で、スピンコートされた第1化学溶液が、配向が起こるような温度で熱処理される。熱処理条件は、例えば、酸素流量が200ml/分の酸素雰囲気下で、300℃/分の昇温速度で800℃まで過熱して20分間保持する。これによって、(110)方位に配向されているBapSrqZrr3配向膜6aが、Pt(100)膜4の上面にエピタキシャル成長する。BapSrqZrr3配向膜6aの膜厚は、ステップS2,S3を繰り返して行うことによって厚くすることができる。
こうして、BapSrqZrr3配向膜6aの方位を制御して、下地のPt(100)膜4の(100)方位の配向とは異なる方位(110)に配向されているBapSrqZrr3配向膜6aが容易に作製できる。さらに、BapSrqZrr3配向膜6aの原料となる第1化学溶液の混合比率を変えることによって、作製されるBapSrqZrr3配向膜6aの組成比を容易に変更することができる。
次に、ステップS4で、BaxSryTiw3配向膜6b(ただし、x+y=1.0、0.85≦w≦1.2)の原料となる第2化学溶液が、エピタキシャル成長されたBapSrqZrr3配向膜6aの上面にスピンコートされる。
BaxSryTiw3配向膜6bの原料となる第2化学溶液は、バリウムアルコキシドもしくはカルボン酸バリウムと、ストロンチウムアルコキシドもしくはカルボン酸ストロンチウムとの中から選択された少なくとも1種以上、および、チタンアルコキシドもしくはカルボン酸チタンが、有機溶剤中に混合された化学溶液である。
次に、ステップS5で、スピンコートされた第2化学溶液が、配向が起こるような温度で熱処理される。熱処理条件は、例えば、酸素流量が200ml/分の酸素雰囲気下で、300℃/分の昇温速度で800℃まで過熱して20分間保持する。これによって、(110)方位に配向されているBaxSryTiw3配向膜6bが、BapSrqZrr3配向膜6aの上面にエピタキシャル成長する。BaxSryTiw3配向膜6bの膜厚は、ステップS4,S5を繰り返して行うことによって厚くすることができる。
(110)方位に配向されているBapSrqZrr3配向膜6aが、BaxSryTiw3配向膜の下地となっているので、BaxSryTiw3配向膜6bは、BapSrqZrr3配向膜6aの(110)方位と同じ(110)方位に容易に配向される。従って、(110)方位に配向されたBaxSryTiw3配向膜6bが容易に作製できる。さらに、BaxSryTiw3配向膜6bの原料となる第2化学溶液の混合比率を変えることによって、作製されるBaxSryTiw3配向膜6bの組成比を容易に変更することができる。
以上説明した製造方法は、BapSrqZrr3配向膜6aの方位を制御して、下地のPt(100)膜4の(100)方位の配向とは異なる(110)方位へ配向することができる。また、BaxSryTiw3配向膜6bの方位を制御して、下地のPt(100)膜4の(100)方位の配向とは異なる(110)方位へ配向することができ、比誘電率を大きくすることができる。また、安価でかつ組成比のコントロールが容易であるBapSrqZrr3配向膜6aやBaxSryTiw3配向膜6bを得ることができる。
(実施例1)
単結晶基板2には、MgO(100)基板を使用した。Pt(100)膜4が、スパッタリング法によって、単結晶基板であるMgO(100)基板2の上面に形成され、MgO(100)/Pt(100)基板が作製された。
また、BapSrqZrr3配向膜6aにおいて、p=0.1、q=0.9、r=1.0になるように、BapSrqZrr3配向膜6aの原料となる第1化学溶液が、次の溶液作製条件で作製された。
(Ba0.1Sr0.9ZrO3の第1化学溶液作製条件)
A.原料塩
酢酸ストロンチウム 0.135g
酢酸バリウム 0.026g
ジルコニウムイソプロポキシド 0.229g
B.溶媒
酢酸 3ml
2−メトキシエタノール 7ml
さらに、BaxSryTiw3配向膜6bにおいて、x=1.0、y=0、w=1.0になるように、BaxSryTiw3配向膜6bの原料となる第2化学溶液が、次の溶液作製条件で作製された。
(BaTiO3の第2化学溶液作製条件)
A.原料塩
酢酸バリウム 1.149g
チタンイソプロポキシド 0.85g
B.溶媒
酢酸 3ml
2−メトキシエタノール 7ml
次に、作製されたBa0.1Sr0.9ZrO3配向膜6aの第1化学溶液が、MgO(100)/Pt(100)基板のPt(100)膜4の上面にスピンコートされた。その後、スピンコートされた第1化学溶液が熱処理された。すなわち、酸素流量が200ml/分の酸素雰囲気下で、300℃/分の昇温速度で800℃まで過熱して20分間保持された。こうして、Ba0.1Sr0.9ZrO3配向膜6aが、Pt(100)膜4の上面に形成された。
次に、作製されたBaTiO3配向膜6bの第2化学溶液が、形成されたBa0.1Sr0.9ZrO3配向膜6aの上面にスピンコートされた。その後、スピンコートされた第2化学溶液が熱処理された。すなわち、酸素流量が200ml/分の酸素雰囲気下で、300℃/分の昇温速度で800℃まで過熱して20分間保持された。以上の第2化学溶液のスピンコートおよび熱処理が、BaTiO3配向膜6bの膜厚を厚くするために、6回繰り返された。こうして、BaTiO3配向膜6bが、Ba0.1Sr0.9ZrO3配向膜6aの上面に形成された。
このように、実施例1では、MgO(100)/Pt(100)基板のPt(100)膜4の上面に、Ba0.1Sr0.9ZrO3配向膜6aが形成され、そのBa0.1Sr0.9ZrO3配向膜6aの上面に、BaTiO3配向膜6bが形成された試料が作製される。
図3は、実施例1で作製した試料のX線回折スペクトル図である。図3から、BaTiO3の(110)のピークが認められた。これは、MgO(100)/Pt(100)基板上に形成されたBaTiO3配向膜6bが、(110)方位に配向していることを示している。従って、実施例1の試料は、前述の実施の形態で説明した効果と同様の効果を奏することができる。なお、MgOの(200)のピークと、Ptの(200)のピークとは、MgO(100)基板2およびPt(100)膜4が、それぞれ(100)方位に配向していることを示している。
さらに、実施例1の試料のBa0.1Sr0.9ZrO3配向膜6aおよびBaTiO3配向膜6bのトータルの比誘電率(すなわち、配向膜6の比誘電率)を測定するために、BaTiO3配向膜6bの上面にPt電極を形成した。そして、LCRメーターを用いて比誘電率を測定すると、作製したBa0.1Sr0.9ZrO3配向膜6aおよびBaTiO3配向膜6bのトータルの比誘電率は5000で、誘電損失は0.2%だった。
(比較例)
実施例1と同様にして、MgO(100)/Pt(100)基板が作製された。
さらに、BaTiO3配向膜の原料となる化学溶液が、次の溶液作製条件で作製された。
(BaTiO3の化学溶液作製条件)
A.原料塩
酢酸バリウム 1.149g
チタンイソプロポキシド 0.85g
B.溶媒
酢酸 3ml
2−メトキシエタノール 7ml
このように、比較例では、MgO(100)/Pt(100)基板のPt(100)膜の上面に、BaTiO3配向膜が形成された試料が作製される。
図4は、比較例で作製した試料のX線回折スペクトル図である。図4から、BaTiO3の(100)、(200)のピークが認められた。これは、MgO(100)/Pt(100)基板の上面に形成されたBaTiO3配向膜が、(100)方位に配向していることを示している。つまり、(100)方位に配向したMgO(100)/Pt(100)基板の上面に薄膜を形成すると、通常、(100)方位に配向した薄膜が形成されることがわかる。
さらに、比較例の試料のBaTiO3配向膜の比誘電率を、実施例1と同様にして測定すると、比誘電率は2300で、誘電損失は0.9%だった。従って、実施例1の(110)方位に配向した配向膜6の比誘電率は、比較例の(100)方位に配向したBaTiO3配向膜の比誘電率の約2倍になることがわかる。
(実施例2)
実施例1と同様にして、MgO(100)/Pt(100)基板が作製された。
また、BapSrqZrr3配向膜6aにおいて、p=0.3、q=0.7、r=1.0になるように、BapSrqZrr3配向膜6aの原料となる第1化学溶液が、次の溶液作製条件で作製された。
(Ba0.3Sr0.7ZrO3の第1化学溶液作製条件)
A.原料塩
酢酸ストロンチウム 0.45g
酢酸バリウム 0.32g
ジルコニウムイソプロポキシド 0.229g
B.溶媒
酢酸 3ml
2−メトキシエタノール 7ml
さらに、BaxSryTiw3配向膜6bにおいて、x=0.1、y=0.9、w=1.0になるように、BaxSryTiw3配向膜6bの原料となる第2化学溶液が、次の溶液作製条件で作製された。
(Ba0.1Sr0.9TiO3の第2化学溶液作製条件)
A.原料塩
酢酸バリウム 0.149g
酢酸ストロンチウム 0.57g
チタンイソプロポキシド 0.85g
B.溶媒
酢酸 3ml
2−メトキシエタノール 7ml
次に、作製されたBa0.3Sr0.7ZrO3配向膜6aの第1化学溶液が、MgO(100)/Pt(100)基板のPt(100)膜4の上面にスピンコートされた。その後、スピンコートされた第1化学溶液が熱処理された。すなわち、酸素流量が200ml/分の酸素雰囲気下で、300℃/分の昇温速度で800℃まで過熱して20分間保持された。以上の第1化学溶液のスピンコートおよび熱処理が、Ba0.3Sr0.7ZrO3配向膜6aの膜厚を厚くするために、3回繰り返された。こうして、Ba0.3Sr0.7ZrO3配向膜6aが、Pt(100)膜4の上面に形成された。
次に、作製されたBa0.1Sr0.9TiO3配向膜6bの第2化学溶液が、形成されたBa0.3Sr0.7ZrO3配向膜6aの上面にスピンコートされた。その後、スピンコートされた第2化学溶液が熱処理された。すなわち、酸素流量が200ml/分の酸素雰囲気下で、300℃/分の昇温速度で800℃まで過熱して20分間保持された。以上の第2化学溶液のスピンコートおよび熱処理が、Ba0.1Sr0.9TiO3配向膜6bの膜厚を厚くするために、3回繰り返された。こうして、Ba0.1Sr0.9TiO3配向膜6bが、Ba0.3Sr0.7ZrO3配向膜6aの上面に形成された。
このように、実施例2では、MgO(100)/Pt(100)基板のPt(100)膜4の上面に、Ba0.3Sr0.7ZrO3配向膜6aが形成され、そのBa0.3Sr0.7ZrO3配向膜6aの上面に、Ba0.1Sr0.9TiO3配向膜6bが形成された試料が作製される。
図5は、実施例2で作製した試料のX線回折スペクトル図である。図5から、Ba0.3Sr0.7ZrO3の(110)のピークとBa0.1Sr0.9TiO3の(110)のピークが認められた。これは、MgO(100)/Pt(100)基板上に形成されたBa0.3Sr0.7ZrO3配向膜6aおよびBa0.1Sr0.9TiO3配向膜6bが、それぞれ(110)方位に配向していることを示している。従って、実施例2の試料は、前述の実施の形態で説明した効果と同様の効果を奏することができる。
なお、この発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々に変形される。
2 単結晶基板(MgO(100)基板)
4 Pt(100)膜
6 配向膜
6a BapSrqZrr3配向膜(Ba0.1Sr0.9ZrO3配向膜、Ba0.3Sr0.7ZrO3配向膜)
6b BaxSryTiw3配向膜(BaTiO3配向膜、Ba0.1Sr0.9TiO3配向膜)

Claims (6)

  1. 単結晶基板上に設けられたPt(100)膜上に形成された配向膜であって、
    前記配向膜は、(110)方位に配向されているBapSrqZrr3配向膜(ただし、p+q=1.0、0.85≦r≦1.2、p≦0.3、0.7≦qと、前記Ba p Sr q Zr r 3 配向膜上に形成された、(110)方位に配向されているBa x Sr y Ti w 3 配向膜(ただし、x+y=1.0、0.85≦w≦1.2)とで構成されていること、
    を特徴とする、配向膜。
  2. 前記単結晶基板がMgO(100)基板であること、を特徴とする、請求項1に記載の配向膜。
  3. (110)方位に配向されているBapSrqZrr3配向膜(ただし、p+q=1.0、0.85≦r≦1.2、p≦0.3、0.7≦q)を製造し、且つ(110)方位に配向されているBa x Sr y Ti w 3 配向膜(ただし、x+y=1.0、0.85≦w≦1.2)を製造するための配向膜の製造方法であって、
    前記BapSrqZrr3配向膜の原料となる第1化学溶液を、単結晶基板上に設けられたPt(100)膜上にスピンコートする工程と、
    前記スピンコートされた第1化学溶液を配向が起こるような温度で熱処理して、(110)方位に配向されているBapSrqZrr3配向膜を前記Pt(100)膜上にエピタキシャル成長させる工程と、
    前記Ba x Sr y Ti w 3 配向膜の原料となる第2化学溶液を、前記エピタキシャル成長されたBa p Sr q Zr r 3 配向膜上にスピンコートする工程と、
    前記スピンコートされた第2化学溶液を配向が起こるような温度で熱処理して、(110)方位に配向されているBa x Sr y Ti w 3 配向膜を前記Ba p Sr q Zr r 3 配向膜上にエピタキシャル成長させる工程と、
    を備えたことを、特徴とする、配向膜の製造方法。
  4. 前記BapSrqZrr3配向膜の原料となる第1化学溶液が、バリウムアルコキシドもしくはカルボン酸バリウムと、ストロンチウムアルコキシドもしくはカルボン酸ストロンチウムとの中から選択された少なくとも1種以上、および、ジルコニウムアルコキシドもしくはカルボン酸ジルコニウムが、有機溶剤中に混合された化学溶液であること、を特徴とする、請求項3に記載の配向膜の製造方法。
  5. 前記BaxSryTiw3配向膜の原料となる第2化学溶液が、バリウムアルコキシドもしくはカルボン酸バリウムと、ストロンチウムアルコキシドもしくはカルボン酸ストロンチウムとの中から選択された少なくとも1種以上、および、チタンアルコキシドもしくはカルボン酸チタンが、有機溶剤中に混合された化学溶液であること、を特徴とする、請求項4に記載の配向膜の製造方法。
  6. 前記単結晶基板がMgO(100)基板であること、を特徴とする、請求項3〜請求項5のいずれかに記載の配向膜の製造方法。
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