JP5115194B2 - 電気伝導性材料 - Google Patents

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Description

本発明は、フラットパネルディスプレィ(FPD)、電流駆動型発光素子(LED)に好適に使用される電気伝導性材料に関する。
従来、液晶表示素子、プラズマディスプレィ、有機LED等のFPDや太陽電池には、透明電極として透明導電膜付き基板が使用されている。この透明導電膜の材料としては、酸化インジウム系、酸化亜鉛系、酸化スズ系が知られている。酸化インジウム系としてITO(スズドープ酸化インジウム)は、特に有名で広く用いられている。ITOが広く用いられる理由として、その低抵抗性と良パターニング性が挙げられるが、現在資源の有効活用の点でインジウムの代替となる材料の開発が望まれている。
透明導電膜の材料として、2つの元素、つまり2元結晶では上記以外の物質として、TiO系の材料が知られている。例えば、Nbをアナターゼ型TiOに数%ドープすることによって、1E−4(1×10−4)Ω・cm台の比抵抗値を持つ材料を作成することができる(例えば、非特許文献1参照。)。一方、3つの元素、つまり3元結晶ではこれまでにZnSnO、ZnSnOが透明導電膜になることが知られており、それぞれ適当な成膜条件で作成することによって、1E−3Ω・cm台、1E−2Ω・cm台の比抵抗値を持つ材料を作成することができる。
しかし、これらほとんどの物質はn型の電気伝導性のみを持つ物質であった。有機LEDまたは太陽電池の分野においては、透明電極から直接p型の電気伝導性を持つ物質からなる膜にホールを注入することによって、発電または発光効率を向上させたいというニーズがある。しかし、上記の物質を含めて多くの物質はn型の電気伝導性のみを示し、p型の電気伝導性を示す物質を作成することは困難であった。 また、スズ酸化物とタングステン酸化物を含む3元系の透明電導性酸化スズ膜が知られている(例えば、特許文献1参照)。この透明電導性酸化スズ膜では、スズを主成分としながらタングステンを添加物として使用し、スズ化合物にタングステン化合物を添加した混合物の溶液を加熱した透明基板上にスプレー法で塗布して成膜している。この方法では導電性を良好とすることは可能かもしれないが、n型およびp型の材料を選択的に形成することはできない。
第65回応用物理学会学術講演会講演予稿集NO.2、p530、「新しい透明金属:NbドープアナターゼTiO2」 特開平8−64035号公報
本発明は、電気伝導性に優れ、かつp型の電気伝導性を示す電気伝導性材料を提供する。
本発明は、Sn、Wおよび酸素を含み、アルファタングステン酸スズ型(Alpha stannous tungstate型)の結晶構造を含み、p型の電気伝導性を示す電気伝導性材料であり、その組成範囲をSn(x)W(y)O(z)と表した場合に、x、yおよびzが下記の式(1)〜(4)を満たすことを特徴とする電気伝導性材料を提供する。
(1)0.7<x<1.3
(2)0.7<y<1.3
(3)3.2<z<4.0
(4)0.001≦(x−y)≦0.1
また、本発明は、前記電気伝導性材料形状が膜形状である前記電気伝導性材料を提供する。
本発明の電気伝導性材料によれば、p型の電気伝導性を容易に発現させることができ、かつ組成を調整するという容易な操作によりp型の電気伝導性を示す物質を選択的に形成することができる。
SnWO(Sn:W:酸素=1:1:4)の状態密度を示した図である。 図1におけるSnの局所状態密度(s状態)を示した図である。 図1におけるWの局所状態密度(d状態)を示した図である。 SnWO(Sn:W:酸素=1:1:4)の状態密度を示した他の一例の図である。 SnWO(Sn:W:酸素=15:17:64)の状態密度を示した図である。 SnWO(Sn:W:酸素=17:15:64)の状態密度を示した図である。 本発明の電気伝導性材料が膜形状である場合の膜付き基板の模式断面図である。
透明導電膜として主に使用される電気伝導性材料は、その価電子帯が主に酸素の2p軌道からできているため重い有効質量を持ち、結果としてホール伝導に関しては小さな移動度しか持たない。さらに、自己補償効果により安定なフェルミエネルギーの位置が伝導帯の近くに存在することが多いため、p型の電気伝導性を示す物質はほとんど知られていない。
発明者らは、Sn、Wおよび酸素を含む電気伝導性材料(以下、含SnWO材料と略す。)が良好な電気伝導性を示す物質であり、かつ組成を変更するという容易な方法でp型の電気伝導性を示す物質にもなりうることを見出した。
また、これらの含SnWO材料は、種々の形状として利用することが可能であり、例えば、含SnWO材料を薄膜状とすれば、透明導電膜として好適な透明性や導電性を有すること、およびこの含SnWO膜は、含SnWO材料と同様に、組成を変更するという容易な方法でp型の電気伝導性を示す膜とすることができることを見出した。
図1は、第一原理計算(シミュレーション)によって求めたSnWO結晶(Sn:W:酸素=1:1:4)の状態密度である。価電子帯の上部が−5から1.8eV程度の範囲のバンドと、1.9から2.8eV程度の範囲のバンドとの二つのバンドに分裂している。なお、図1におけるEは、フェルミエネルギー、つまり電子が占有されている最高占有軌道の位置を表している。
この状態密度を各構成元素の原子軌道に分解した状態密度を図2および図3に示す。図2がSn(s状態)の状態密度、図3がW(d状態)の状態密度を示す。この上部の価電子帯はSnの5s、Wの5d軌道を含んでいる。つまり金属元素の電子軌道の成分が多く価電子帯に含まれている。これはIn、SnO、ZnOなどの価電子帯が主に酸素の2p軌道から構成されるのと比較すると特徴的な電子軌道の構成である。つまり金属元素の電子軌道が価電子帯の上部を構成することによって、SnWOは、In、SnO、ZnOなど従来から知られている電気伝導性材料よりも比較的小さな有効質量を持つ価電子帯を形成している。このことから、この物質が高い電気伝導性を有することが示唆される。
次に、SnWO中の組成を変化させた場合のSnWOの状態密度を示す。図4はSnとWが1:1で存在する場合のSnWOの状態密度を示し、図5は(Sn:W:酸素=15:17:64)で存在する場合のSnWOの状態密度を示し、図6は(Sn:W:酸素=17:15:64)で存在する場合のSnWOの状態密度を示す。図6から、フェルミエネルギーが価電子帯の中に入り込んでいることが分かる。また、図5から、フェルミエネルギーが伝導帯に入り込んでいることが分かる。つまり、SnWO中のSnとWの比を制御することで、SnWOのフェルミエネルギーの位置を制御できる。材料の電気伝導度はキャリア密度×移動度で決定される。キャリア密度はフェルミエネルギーでの状態数に相当し、一方、移動度は有効質量と関係を有し、より小さな有効質量を有するほど大きな移動度を示す。材料の電気伝導度のこのような関係と上記SnWOの電子構造の特徴を考慮すると、この物質はSnがWより多く含まれる組成領域においてはp型の電気伝導性を示し、WがSnより多く含まれる組成領域ではn型の電気伝導性を示すことが十分に推測される。また、SnとWの組成を調整するという容易な操作により、p型の電気伝導性を示す物質を選択的に作成することができることも十分に推測される。
含SnWO材料は、その組成範囲をSn(x)W(y)O(z)とした場合に、xの範囲は0.7<x<1.3、特に0.8≦x≦1.2、さらには0.9≦x≦1.1であることが、低い電気伝導性の材料を作成する点で好ましい。また、yの範囲は0.7<y<1.3、特に0.8≦y≦1.2、さらには0.9≦y≦1.1であることが、低い電気伝導性の材料を作成する点で好ましい。zの範囲は3.2<z≦4、特に3.5≦z≦、さらには3.8≦z≦であることが低い電気伝導性の材料を作成する点で好ましい。
また、含SnWO材料中のSnとWと酸素との合計含有量が、含SnWO材料全体に対して70原子%以上、特に80原子%以上、さらには90原子%以上であることが、膜形状とした場合に導電性および透明性に優れるため好ましい。
含SnWO材料は、その組成範囲をSn(x)W(y)O(z)とした場合に、0.001≦(x−y)≦0.1、好ましくは0.01≦(x−y)≦0.05の範囲とすることで、高い導電性を発揮できるとともに、p型の電気伝導性を示す物質とすることができる。
さらに、xとyの関係については、x−yがマイナスの場合はn型の電気伝導性を示し、x−yがプラスの場合はp型の電気伝導性を示す。
また、x+yとzとは、(x+y)×1.5≦z≦(x+y)×2.5、特に(x+y)×1.8≦z≦(x+y)×2.2であることが、高い電気伝導性が得られる点で好ましい。
つまり、SnとWとの組成比に差がない場合(x=yの場合)は高い導電性を発揮することができない。単なる2つの元素を組み合わせた酸化物膜ではなく、それぞれの組成に差を設けることで、高い導電性の酸化物膜を形成することが可能となる。なお、xとyとの間に差を設けることで高い導電性を発揮できる理由は、xとyとの差を設けることで、キャリア濃度を稼ぐことができるからである。
特許文献1の含SnWO材料ではSnとWとの組成比に差がないので、つまりその組成をSn(x)W(y)O(z)とした場合にx=yであるので、p型の材料を選択的に形成することはできない。
上記のとおり、含SnWO材料は、SnとWの組成を調整するという容易な操作をすることで、容易にp型の材料を選択的に形成できる点で優れている。
また、含SnWO材料中には、Sn、WおよびO以外の不純物や後述の添加元素などを含んでいてもよい。その不純物の含有量は、透明性および導電性の点で、15質量%以下であることが好ましい。
含SnWO材料は、電気伝導性を向上させるという点で、結晶性であることが好ましい。含SnWO材料の結晶構造は、Alpha stannous tungstate型とbetha stannous tungstate型が存在する。特にAlpha stannous tungstate型の結晶構造を有することが、高い電気伝導性が得られる点で好ましい。特に膜形状となった場合に、薄い膜厚で低い抵抗を得ることができるという利点を有する。さらに、薄い形状では透明性にも優れる。膜形状の場合、電気伝導性の点で、シート抵抗値は5×10Ω/□以下、特に1×10Ω/□以下、さらには5×10Ω/□以下であることが好ましい。
含SnWO材料中に添加元素を加えて導電性を制御してもよい。含SnWO材料中のSn、W以外の金属元素の含有量は20原子%未満、特に10原子%未満、さらには5原子%未満であることが、導電性、透明性を損なわない点で好ましい。また、本発明の特徴を損なわない程度に、窒素、炭素、フッ素等の軽元素が含まれていてもよい。添加元素としては、具体的に、アンチモン、タンタル、ビスマス、マンガン、ニオブ、チタン、ジルコニウム、バナジウム、コバルト、亜鉛、ニッケル、モイブテン、インジウムおよびレニウムからなる群から選ばれる1種以上が例示される。
含SnWO材料は、種々の形状で使用することが可能である。例えば、バルク材料や薄膜などとして使用することが可能である。つまり、バルク材料として、あるいは含SnWO膜を形成するための源として、含SnWO材料を使用することが可能である。
図7は、本発明の含SnWO材料を膜として使用した場合の含SnWO膜付き基板1を示しており、基板10上に含SnWO膜20が形成されている。
本発明において含SnWO膜が形成される基体としては、特に限定されず、ガラス基板などの無機質の基体や、プラズチック基板などの有機質の基体が挙げられる。ガラス基板としては、ソーダライムシリケートガラス基板などのアルカリ含有ガラス基板や、ホウケイ酸ガラス基板などの無アルカリガラス基板などが挙げられる。無アルカリガラス基板の平均表面粗さRaは0.1〜10nm程度が好ましい。
含SnWO材料の薄膜を形成する方法としては、特に限定されないが、電極等の薄膜を形成しやすい点でスパッタリング法であることが好ましい。スパッタリング法で薄膜を形成する場合、前記含SnWO材料をターゲットとして使用することで、含SnWO膜を形成することが可能である。
スパッタリング法としては、直流スパッタリング法、交流スパッタリング法いずれも使用できる。スパッタリング法で含SnWO膜を形成する場合、成膜時の基板温度や圧力は特に限定されない。
スパッタリング法により成膜する場合に使用するターゲットは、酸化物ターゲットであっても、金属ターゲットであってもよい。成膜時の安定性から酸化物ターゲットを使用することが好ましい。酸化物ターゲットを用いると電力制御による成膜が容易に行え、膜厚を制御する上で有利である。また、金属ターゲットを用いる場合は、スズおよびタングステンを含有するターゲットを用いてもよいし、スズのターゲットおよびタングステンのターゲットを共用してもよい。スズとタングステンとの比を容易に変更できる点で、スズのターゲットおよびタングステンのターゲットを共用することが好ましい。上記比の変更は、ターゲットへの印加電圧を調整することで容易になしうる。スパッタリング時の基板温度は、250〜600℃であることが高い結晶性を得られる点で好ましい。
スパッタリング法におけるスパッタガスの材料としては、アルゴンガス等の不活性ガス、酸素等の酸化性ガス、またはこれらの混合ガスを使用することが可能である。
形成された膜は、成膜後に加熱処理を行なうことが好ましい。加熱処理は、膜の結晶性を向上させるだけでなく、高い電気伝導性が得られる点でも好ましい。前記加熱処理は、水素を1〜5体積%含有した不活性ガス中、特にArガス中で、200〜600℃、10〜100分間行うことが好ましい。
含SnWO膜の膜厚は、10〜300nmであることが、透明性や導電性の点で好ましい。
なお、形成された含SnWO膜の組成範囲や結晶構造は、前述した含SnWO材料の場合と同様である。
本発明の含SnWO膜は、LCD、無機EL素子、有機EL素子、電流駆動型発光素子(LED)などの表示デバイスの電極や、太陽電池の電極として好適である。特に、含SnWO膜は、その組成を調整することで、p型のみならずn型の電気伝導性を示す膜とすることができる。よって、この薄膜は、太陽電池または有機LED等のフラットディスプレィの分野における電極として特に有用である。
(例1)比較例
基板として石英基板を用意し、直流スパッタリング法により、金属スズのターゲット(金属スズ:99.9質量%)および金属タングステンのターゲット(金属タングステン:99.9質量%)を設置した2カソードスパッタリング装置を用いて、スパッタガスを酸素ガス100体積%として、前記基板に膜厚が200nmの膜を形成した。
スパッタリング装置はあらかじめ10−6Torr(133×10−6(Pa))以下に排気した後、酸素ガスを0.01Torr(1.33(Pa))導入してスパッタリングを行った。基板温度は室温に設定した。スパッタリングパワーは67W(金属スズのターゲット)、300W(金属タングステンのターゲット)とした。背圧は8×10−4(Pa)とした。
形成された膜を水素を3体積%含有したArガス中で、500℃で60分間加熱処理を行ない、含SnWO膜を得た。
形成された膜の組成は、組成範囲をSn(x)W(y)O(z)とした場合、x=0.98、y=1.02、z=4であった。
形成された含SnWO膜を以下のとおり評価し、結果を表1に示す。なお、(例2)および(例3)についても形成された含SnWO膜を同様に評価し、結果を表1に示す。
(1)膜厚
触針式膜厚測定装置(Dektak3 Sloan Tech.)により測定した。
(2)膜組成
xおよびy:EPMA(JXA−8200:日本電子(株)製)により測定した。
z:まず、膜の組成範囲をSn(x)W(y)O(z)とした場合にx=y、z=4であるSnWO膜のX線回折装置による分析を行った。その後、例1の含SnWO膜のX線回折装置による分析を行ったところ、ほぼ同様の場所にピークが現れた場合に、通常のSnWO膜と同様にz=4であると推定した。
(3)結晶性
X線回折装置(XRD−6000:島津製作所(株)製)により測定した。
(4)透明性(可視光透過率)
分光光度計(UV−3500:島津製作所(株)製)により、JIS−R3106(1998年)を用いて測定した。
(5)導電性
ファン・デル・パウ法による抵抗率測定法により、シート抵抗値を測定した。
(6)n型、p型の分析
ホール効果測定により分析し、膜の電気特性からn型かp型かを判断した。
(例2)
金属スズのターゲットに印加するスパッタリングパワーを67Wとする代わりに、73Wとする以外は例1と同様に処理して含SnWO膜を得た。
形成された膜の組成は、組成範囲をSn(x)W(y)O(z)とした場合、x=1.02、y=0.98、z=4であった。
(例3)比較例
金属スズのターゲットに印加するスパッタリングパワーを67Wとする代わりに、70Wとする以外は例1と同様に処理して含SnWO膜を得た。
形成された膜の組成は、組成範囲をSn(x)W(y)O(z)とした場合、x=1、y=1、Z=4であった。
Figure 0005115194
例1および例2から、x−yが適当な範囲とすることで、導電性および透明性に優れる含SnWO膜を形成することが可能となる。また、例1および例2の比較から明らかなように、SnとWの組成比を変更することで、容易にp型の膜を選択的に形成することができ、汎用性に優れる。また、スパッタリングパワーを変更するだけでSnとWとの組成比を変更することができ、生産性に優れる。
例3は、SnとWとの割合が同じであるため、p型の膜を選択的に形成することができないので、好ましくない。
本発明の電気伝導性材料は、電気伝導性に優れ、かつSnとWの組成を調整することによりp型の電気伝導性を示すことが可能であるため、特にFPDや太陽電池用の電極の材料として有用である。

Claims (5)

  1. Sn、Wおよび酸素を含み、アルファタングステン酸スズ型(Alpha stannous tungstate型)の結晶構造を含み、p型の電気伝導性を示す電気伝導性材料であり、その組成範囲をSn(x)W(y)O(z)と表した場合に、x、yおよびzが下記の式(1)〜(4)を満たすことを特徴とする電気伝導性材料。
    (1)0.7<x<1.3
    (2)0.7<y<1.3
    (3)3.2<z<4.0
    (4)0.001≦(x−y)≦0.1
  2. 前記電気伝導性材料中のSnとWと酸素との合計含有量が70原子%以上である請求項1に記載の電気伝導性材料。
  3. Sn(x)W(y)O(z)におけるx、yおよびzが、(x+y)×1.5≦z≦(x+y)×2.5を満たす請求項1または2に記載の電気伝導性材料。
  4. 前記電気伝導性材料の形状が膜形状である請求項1〜3のいずれかに記載の電気伝導性材料。
  5. 前記電気伝導性材料の成膜後に水素を含有するガス中で加熱処理を行なう請求項1〜4のいずれかに記載の電気伝導性材料。
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