JP5114785B2 - 電子写真現像剤用キャリアとその製造方法、および電子写真現像剤 - Google Patents

電子写真現像剤用キャリアとその製造方法、および電子写真現像剤 Download PDF

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Description

電子写真現像に用いられる電子写真現像用キャリアとその製造方法、および電子写真現像剤に関する。
電子写真の乾式現像法は、現像剤である粉体のトナーを感光体上の静電潜像に付着させ、当該付着したトナーを所定の紙等へ転写して現像する方法である。ここで、現像剤としては、トナーのみを含む1成分系現像剤を用いる1成分系現像法と、トナーと、磁性を有する電子写真現像用キャリア(以下、磁性キャリアと記載する場合がある。)とを含む2成分系現像剤を用いる2成分系現像法とに分けられる。そして、近年はトナーの荷電制御が容易で安定した高画質が得ることができ、高速現像が可能であることから、2成分系現像法が多く用いられている。
一方、電子写真用複写機に対する要求特性として、高画質化、高速化、カラー化が、主なものとして挙げられる。ここで、2成分系現像法に用いられる電子写真用複写機においては、内部にマグネットを有する現像スリーブにトナーと磁性キャリアとを担持し、感光体上の静電潜像を顕在化する事により現像が行なわれる。そして、電子写真を高画質化する為には、画像を形成するトナーの粒子の小径化が必須であるが、近年は該小粒径化を目的とした重合法によるトナー粒子の合成が幅広く実施されており、平均粒径1〜10μmのトナーが多くなってきている。一方、電子写真の高画質化には、トナー粒子の小径化と共に現像剤の構成物質である磁性キャリアの粒径も大きく関与しており、該磁性キャリアも小粒径化の方向へシフトしつつある。
ところが磁性キャリアの小粒径化に伴い、高速現像等の際、得られる電子写真にキャリア飛び等の不具合が発生した。
また、特許文献1には、飽和磁化と体積粒径分布累積カーブとを規定した磁性キャリアが提案されている。
特開2001−154414号公報
しかしながら、本発明者らの検討によれば、該飽和磁化と体積粒径分布累積カーブとを規定した磁性キャリアを用いたとしても、高速現像等の際に発生するキャリア飛び等の不具合を抑止するには不十分であることが判明した。
本発明は、上述の状況のもとでなされたものであり、電子写真の高画質な画像を担保しながら、高速現像に対応できる電子写真現像用キャリアおよびその製造方法、並びに当該電子写真現像用キャリアを含む電子写真現像剤を提供することを課題とする。
本発明者らは前記課題を解決するために鋭意検討した結果、磁性キャリアを構成する芯材としての磁性粒子の平均粒径、磁力、粒度分布幅が、所定の範囲にあるとき、該磁性キャリアは、小粒径、狭分布化されたトナーと組み合わせるのに適したものとなり、該組合せにより調製された電子写真用現像剤は、高速現像等においてもキャリア飛びや画像カブリを起こさず、高画質な画像が得られることに想到し、本発明を完成したものである。
即ち、課題を解決するための第1の構成は、
ソフトフェライトの芯材を有する電子写真現像剤用キャリアであって、
当該芯材は、Feと、Mn、Mgの内から選択される1種以上の金属からなるソフトフェライトであり、
該電子写真現像剤用キャリアの粒子の小粒径側から積算した体積粒径分布累積の値が、16重量%となる粒子の粒径をd16、同じく50重量%となる粒子の粒径をd50、同じく84重量%となる粒子の粒径をd84、としたとき、
20μm≦d50≦50μm、且つ(d84−d16)/2≦(0.25×d50)であり、
前記芯材が1KOeの磁場にあるときの磁力が、35emu/g以上、75emu/g以下の範囲にあることを特徴とする電子写真現像剤用キャリアである。
第2の構成は、
前記芯材は、Fe と、MnCO 、Mn 、Mg(OH) 、MgOから選択される1種以上との混合物、または、Fe と、MnCO 、Mn から選択される1種以上との混合物が、1000℃〜1300℃で3時間〜30時間焼成されたソフトフェライトであることを特徴とする第1の構成に記載の電子写真現像剤用キャリアである。
第3の構成は、
前記芯材を、樹脂で被覆したことを特徴とする第1または第2の構成のいずれかに記載の電子写真現像剤用キャリアである。
第4の構成は、
前記樹脂の被覆量が、前記芯材の0.1重量%以上、5.0重量%以下であることを特徴とする第3の構成に記載の電子写真現像剤用キャリアである。
第5の構成は、
第1から第4の構成のいずれかに記載の電子写真現像剤用キャリアと、平均粒径1〜10μmのトナーとを含むことを特徴とする電子写真現像剤である。
第6の構成は、
粒子の小粒径側から積算した体積粒径分布累積の値が、16重量%となる粒子の粒径をd 16 、同じく50重量%となる粒子の粒径をd 50 、同じく84重量%となる粒子の粒径をd 84 、としたとき、
20μm≦d 50 ≦50μm、且つ(d 84 −d 16 )/2≦(0.25×d 50 )であり、
前記芯材が1KOeの磁場にあるときの磁力が、35emu/g以上、75emu/g以下の範囲にある電子写真現像剤用キャリアの製造方法であって、
Fe と、MnCO 、Mn 、Mg(OH) 、MgO、から選択される1種以上とを混合し、混合物を得る工程と
得られた混合物を、1000℃〜1300℃で3時間〜30時間焼成し、ソフトフェライトを含む焼成物を得る焼成工程と
得られた焼成物を粗粉砕する粗粉砕工程と
前記粗粉砕工程で粉砕後に含まれる粒径15μm以下の微粉を除去する気流分級工程と
前記気流分級工程で得られた粉体を、目開き30〜55μmの粗目網と、目開き20〜40μmの微粉網を用い、さらに、当該粗目網と微粉網との目開きの差(粗目網−微粉網)を<15μmとした2種類の篩網を用い、前期篩の形式を超音波篩とし、さらに、前期粉体の間欠投入運転を行なって分級する分級工程とを、有することを特徴とする電子写真現像剤用キャリアの製造方法である。
第1から第4の構成のいずれかに記載の電子写真現像剤用キャリアを含む電子写真現像剤は、高速現像等においてもキャリア飛びや画像カブリを起こさず、高画質な画像を現像できる電子写真現像剤となる。
第5の構成に記載の電子写真現像剤を用いれば、高速現像等においてもキャリア飛びや画像カブリを起こさず、高画質な画像を有する電子写真を得ることが出来る。
第6の構成に記載の電子写真現像剤用キャリアの製造方法によれば、高速現像等においてもキャリア飛びや画像カブリを起こさず、高画質な画像を現像できる電子写真現像剤に用いられる電子写真現像剤用キャリアを製造することができる。
以下、本発明の実施形態を説明する。
上述したように、近年の画像システムの高画質化や高速化の要求により、トナー及びキャリアの小粒径化やシステムの高速化が急速に進んでいる。
ここで、本発明者らは、いわゆるキャリア飛び等の現象の原因が、小粒径の磁性キャリア粒子にあることに想到した。即ち、磁性キャリアはトナーと混合され、電子写真用現像剤として、内部にマグネットを有する現像スリーブ上に鎖状に担持され、該現像スリーブの磁気拘束力により現像スリーブ表面に配列する。しかし、小粒径の磁性キャリア粒子においては当該拘束力が弱まり、当該小粒径の磁性キャリアが、現像スリーブ表面からドラム表面へ飛散し、さらに画像上へ現れてキャリア飛びを起こしていたのである。他方、磁性キャリアの粒子の粒径分布が大粒径へ移行すると、当該粒径分布がブロードになり、細線再現性等の画質上の問題が生じることも見出された。
ここで、本発明者らはさらに研究を行い、当該磁性キャリアの粒子の粒径分布において、小粒径側から積算した体積粒径分布累積の値が16重量%となる粒子の粒径をd16、同じく50重量%となる粒子の粒径をd50、同じく84重量%となる粒子の粒径をd84、としたとき、20μm≦d50≦50μm、且つ(d84−d16)/2≦(0.25×d50)となるシャープなものとし、且つ、当該磁性キャリア粒子が有する芯材が、1KOeの磁場におかれたときの磁力を、35emu/g以上、75emu/g以下の範囲に設定すること。そして、該粒径分布と磁気特性とを有する磁性キャリア粒子と、平均粒径1〜10μm、好ましくは平均粒径2〜8μmのトナーとを混合して得られる電子写真現像剤を用いれば、システムの高速化が実施されても前記キャリア飛び等を起こさず、高画質な画像が得られることに想到した。
次に本発明に係る磁性キャリアの製造方法、および、該磁性キャリアを用いた電子写真用現像剤について説明する。
[秤量・混合]
本発明に係る磁性キャリアが有する芯材に用いるソフトフェライトは、一般式MO・Feであらわされる。ここでMは、例えばCu、Zn、Mn、Mg、Ni等の金属が挙げられ、中でもMn及びMg、またその混合組成の使用が好ましい。
そして、Mの原料としては、例えば、CuO、ZnO、MnCO、Mn、Mg(OH)、MgO、NiO、が好適に使用できる。これらの原料とFeとを、当該ソフトフェライトが目的組成となるように秤量し混合する。
ここで、磁性キャリア粒子が有する芯材が、1KOeの磁場におかれたときの磁力を35emu/g以上、75emu/g以下の範囲に設定するための、ソフトフェライトの組成について説明する。
当該実施の形態に係るソフトフェライトは、構造的にスピネル構造になる。その際、金属イオンが4個の酸素イオンにより4面体的にかこまれるA位置、および6個の酸素イオンにより8面体に囲まれるB位置を占める。A位置とB位置に入る金属イオンの磁化の方向は各々逆向きとなり、その差分が磁気として発生する。最終的な磁気特性の強さはA位置とB位置を占める各金属イオンの磁気発生量(磁気モーメント)による。そして、上述のMにおいて、磁気モーメントが高く高磁力になる組成系はMnを用いたフェライトであり、低磁力になり易い組成はMg、Znを用いたフェライトである。一方、FeのMに対する組成比が大きいほど高磁力となりやすい。
この結果、MとFeとの配合比をMO(Mの酸化物):Feのモル比であらわしたとき、MO:Fe=40:60〜50:50の範囲に調整することで、芯材が1KOeの磁場におかれたときの磁力を、35emu/g以上、75emu/g以下の範囲に設定することが出来た。尤も、フェライト化反応においては、焼成温度や焼成雰囲気も芯材の結晶構造を形成する上で重要な要因であるが、それらについては[焼成]の欄にて説明する。
[仮焼]
目的とする組成量の原料を混合した混合物を、800℃〜1000℃に加熱した炉に投入し、大気雰囲気中で焼成し仮焼品とする。但し、例えばMの原料として、CuO、ZnO、Mn、MgO等であって水分や揮発分が少なく、さらに高純度の原料を選択することにより、当該仮焼工程を省略することもできる。その場合、該材料は秤量・混合するのみで仮焼品代替物となる。
[粉砕・造粒]
上記工程で得られた仮焼原料を、振動ミル等の粉砕機中に導入し粒径1μmまで粉砕する。次いで、この粉砕物に水、ポリビニルアルコールバインダー0.5〜2wt%、分散剤0.5〜2wt%を加えることで固形分濃度が50〜90wt%のスラリーとし、この後ボールミル等で湿式粉砕する。
造粒工程では粉砕後のスラリーを噴霧乾燥機に導入し、温度100℃〜300℃のエアー供給ガス中に噴霧して、乾燥した造粒粉を得る。
[焼成]
造粒・乾燥工程で得られた造粒粉を、焼成炉に設置し、1000℃〜1300℃の温度範囲で3時間〜30時間焼成する。焼成時の雰囲気は目的とする組成に応じて、窒素、酸素分圧調整雰囲気(大気または窒素雰囲気であって、O分圧を1〜5%、好ましくは3%に調整したもの。)、大気、の中から選択できる。
ここで、Mとして、MnまたはMgを用いた場合、窒素を用いた場合に最も磁力が高くなり、次に酸素分圧調整雰囲気、最後に大気の順となる。この結果、MとしてMnを用い、窒素雰囲気下で焼成した場合は、74emu/g程度の磁力を有する芯材を製造することが出来る。一方、MとしてMgを用いた場合、35emu/g以上の磁力を有する芯材を製造するためには、窒素、または、酸素分圧調整雰囲気下で焼成することが好ましい。
この他、例えば、MとしてCu−Znを用いるのであれば大気、Mn−Mgを用いるのであれば酸素分圧調整雰囲気が好適である。
[解砕、分級]
得られた焼成物をハンマーミル解粒等で粗粉砕し、次に分級して粒度分布調整を行う。
ここで、粒度調整の好ましい例について説明する。
まず、該粗粉砕物を気流分級機で分級し、1次分級された粉体を得る。次に、該1次分級された粉体を超音波篩により分級することが好ましい。該超音波篩による分級には、粗粉カット用網と、微粉カット用網との篩を準備する。そして、篩分けの工程において粉体を連続的に投下するのではなく、まず一定量を篩上に投下し、分級が完了した後、篩上に残った粉体を除去する。その後、再度、篩上に投下する方法を繰り返して分級を行うことが好ましい。そして、該2段階の分級により目的とする粒度分布を有する粉体を得、これを芯材とした。
次に、該2段階の分級を行う理由について説明する。
粗粉砕工程で粉砕後に含まれる微粉(粒径15μm以下)の割合は1%程度であるが、この微粉を気流分級により除去している。これは、気流分級では、気流中に粉体を分散させ、粉体の気流に対する抗力の違いを利用し粗粉と微粉に分けるのが一般的であり、処理能力は高いが、本発明が必要とする精密な粒度調整は困難である。そこで、該気流分級を1次分級手段として採用し、粒径15μm以下の微粉をほぼ0%にカットしている。該微粉カットにより、後述する2次分級時の篩目詰まりを回避出来るからである。
次に、微粉がカットされた粉体へ、本発明が必要とする精密な粒度調整を行うために、篩網を使った分級を行う。しかしながら篩網を使う分級機においては、連続して粉体を投入すると、網目上に積層した状態になり上部からの重量が網目に対し垂直方向に生じる。この事により網目に粉体が入り込み、いわゆる目詰まりの現象を起す。一度目詰まりが発生すると、その後連続して篩い分けを行っても収率の低下や初期の粒度分布からのずれを生じる結果となる。ここで本発明者らは、粗目カット用の網と微粉カット用の網との、2種類の網を準備し、且つ、篩分けの工程において粉体を連続的に投下するのではなく、一定量を投下し分級を行なった後、篩上に残った粉体を除去し、その後、再度投下する方法を繰り返して分級を行うことに想到した。ところが、2種類の篩網(粗目網,微粉網)を用いる分級において、分級網の目開きを近づける程、処理物の粒度はシャープになるが、目開きを近づけることで収率は低下傾向になる。そこで、粗目網の目開きは30〜55μm、微粉網の目開きは20〜40μmとし、さらに目開きの差を(粗目網−微粉網)<15μmとし、篩形式を超音波篩とし、さらに、間欠投入運転を行なうことで、篩網の性能を初期の段階に保持出来ることに想到した。
当該構成を採ることで、所定の粒度分布と生産性の確保とを実現できた。
[コーティング]
得られた芯材に対して所望により樹脂コーティングを施すことも好ましい構成である。
コーティング樹脂としては、KR251(信越化学製)のようなシリコーン系樹脂が良い。当該コーティング樹脂を適宜な溶剤(トルエン等)に、50重量%溶解させ、樹脂溶液を調製する。ここで、当該樹脂溶液の濃度により芯材への被覆樹脂料を制御することができる。そして調製された樹脂溶液と芯材とを重量比で、芯材:樹脂溶液=99:1〜65:35の割合にて混合した後、150℃〜250℃にて加熱撹拌して、樹脂被覆された芯材を得る。ここでコート量が0.1重量%以上あれば芯材の耐久性を確保することができ、5.0重量%以下であれば樹脂層が厚化に伴う芯材の流動性低化によるトナー搬送性の低化を回避できる。以上の観点から、前記樹脂の被覆量が、前記芯材の0.1重量%以上、5.0重量%以下であることが好ましい。
この樹脂被覆された芯材をさらに加熱して、該被覆樹脂層を硬化させ、磁性キャリアを得ることができる。
[電子写真用現像剤の製造]
上述の工程により得られた、20μm≦d50≦50μm、且つ(d84−d16)/2≦(0.25×d50)であり、1KOeの磁場におかれたときの磁力が35emu/g以上、75emu/g以下の範囲にある芯材を有する磁性キャリアと、平均粒径1〜10μm、好ましくは平均粒径2〜8μmのトナーとを混合することで、高速現像等においてもキャリア飛び等を起こさず、高画質な画像が得られる電子写真用現像剤を製造することができる。
以下、実施例を用いて、本発明をより具体的に説明する。
(実施例1)
芯材の組成が、MnO:Fe=40モル:60モルになるように、原材料粉であるMnCOとFeとを秤量した後、湿式ボールミルで3時間混合し、乾燥して仮焼原料とした。
前記仮焼原料を加熱炉に設置し、大気雰囲気下において900℃で3時間仮焼して仮焼粉を得た。得られた仮焼粉を振動ミルで粉砕して1μm径の粉体とし、この粉体にバインダーを1重量%、分散剤を重量1%加え、さらに水を加えて固形分濃度75%のスラリーとした。ここで、バインダーとして、ポリビニールアルコールを用い、分散剤としてポリカルボン酸ナトリウム塩を用いた。該スラリーを、湿式ボールミルで湿式粉砕し、得られた懸濁液をスプレードライヤーにて乾燥し、造粒品を得た。
該造粒品を焼成炉に設置し、窒素雰囲気下において1150℃で5時間焼成して焼成品を得た。該焼成品を解砕機で粉砕した後、気流分級機による1次分級を行って粉体を得た。
次に、粗30μmの粉カット用網と、20μmの微粉カット用網とを準備し、超音波出力を36KHzとして、該粉体を投入し、篩分、網上品排出、再投入の間欠投入運転を行い分級し、平均粒径(d50)23.8μmの粒度分布のそろった球形のMn系ソフトフェライト粉である芯材を得た。
この芯材は、0.25×d50=6.0μm、且つ(d84−d16)/2=5.2μm、1KOeの磁場におかれたときの磁力は71emu/gであった。
次に、シリコーン系樹脂として(商品名:KR251、信越化学製)をトルエンに、50重量%溶解してなるコーティング樹脂溶液を準備した。そして、前記芯材と該樹脂溶液とを重量比で、芯材:樹脂溶液=9.1:0.9の割合にて撹拌機に導入し、樹脂溶液に芯材を3時間浸漬しながら150℃〜250℃にて加熱撹拌した。これにより、該樹脂が芯材重量に対し1.0重量%の割合でコーティングされた。
この樹脂被覆された芯材を熱風循環式加熱装置に設置し、250℃で5時間加熱を行い、該被覆樹脂層を硬化させて磁性キャリアを得た。
(実施例2)
磁性キャリアの芯材組成がMnO:MgO:Fe=25モル:25モル:50モルになるようにMnCO、Mg(OH)、Feの原材料粉を秤量し、湿式ボールミルで3時間混合し、実施例1と同様に乾燥し仮焼原料とした後、仮焼、造粒して造粒品を得た。
焼成時の炉内酸素濃度を3%とし、分級工程の粗粉側分級網を53μm、微粉側分級網を40μmとした以外は実施例1と同様に焼成、分級を行い、平均粒径(d50)が46.6μmで粒径のそろった球形のMn−Mg系ソフトフェライト粉である芯材を得た。
この芯材の(d84−d16)/2は10.6μmであり、(0.25×d50)は11.7μmであった。また1KOeの磁場におかれたときの磁力は55emu/gであった。
樹脂コーティング工程は、樹脂が芯材重量に対し2重量%の割合でコーティングされるように樹脂溶液を調整し、実施例1と同様にしてMn−Mg系磁性キャリアを得た。
(実施例3)
磁性キャリアの芯材組成がMgO:Fe=40モル:60モルになるようにMg(OH)、Feの原材料粉を秤量し、湿式ボールミルで3時間混合し、実施例1と同様に乾燥し仮焼原料とした後、仮焼し、造粒して造粒品を得た。
該造粒品を実施例1と同様に焼成した後、分級工程の粗粉側分級網を35μm、微粉側分級網を25μmとした以外は、実施例1と同様に分級を行い、平均粒径(d50)が30.6μmで粒径のそろった球形のMg系ソフトフェライトである芯材を得た。この芯材の(d84−d16)/2は7.2μmであり、(0.25×d50)は7.7μmであった。また1KOeの磁場におかれたときの磁力は36emu/gであった。
樹脂コーティング工程は、樹脂が芯材重量に対し4.5重量%の割合でコーティングされるように樹脂溶液を調整し、実施例1と同様にしてMg系磁性キャリアを得た。
(比較例1)
磁性キャリアの芯材組成がMnO:MgO:Fe=25モル:25モル:50モルになるようにMnCO、Mg(OH)、Feの原材料粉を秤量し、湿式ボールミルで3時間混合し、実施例1と同様に乾燥し仮焼原料とし、仮焼、造粒して造粒品を得た。
該造粒品を実施例2と同様に焼成して焼成品を得た。該焼成品を解砕機で粉砕した後、気流分級機による1次分級を行った。次に、分級工程は、粗粉側分級網を45μm、微粉側分級網を20μmとし振動篩において原料連続供給により篩分けを行った。上記工程により平均粒径(d50)が32.7μmで、球形のMn−Mg系ソフトフェライトである芯材を得た。この芯材の(d84−d16)/2は8.8μmであり、(0.25×d50)は8.2μmであった。また1KOeの磁場におかれたときの磁力は57emu/gであった。
樹脂コーティング工程は、樹脂が芯材重量に対し1.0重量%の割合でコーティングされるように溶液を調整し、実施例1と同様にしてMn−Mg系磁性キャリアを得た。
(比較例2)
磁性キャリアの芯材組成がMgO:Fe=50モル:50モルになるようにMg(OH)、Feの原材料粉を秤量し、湿式ボールミルで3時間混合し、実施例1と同様に乾燥して仮焼原料とし、仮焼、造粒して造粒品を得た。
焼成を大気雰囲気中で行った以外は、実施例3と同様にして平均粒径(d50)が29.7μmで球形のMg系ソフトフェライトである芯材を得た。この芯材の(d84−d16)/2は7.0μmであり、(0.25×d50)は7.4μmであった。また1KOeの磁場におかれたときの磁力は32emu/gであった。
樹脂コーティング工程は、樹脂が芯材重量に対し3.0重量%の割合でコーティングされるように溶液を調整し、実施例1と同様にしてMg系磁性キャリアを得た。
(実施例1〜3、比較例1〜2のまとめ)
まず、上述した実施例1〜3、比較例1〜2における、芯材の組成、磁性キャリアの焼成雰囲気の一覧表を表1に、磁性キャリアの粒子の分級内容の一覧表を表2に示した。
Figure 0005114785
Figure 0005114785
次に、上述した実施例1〜3、比較例1〜2で得られた各種の磁性キャリアの粒子と、平均粒径7μmのトナーとを、混合して電子写真用現像剤を作製し、評価機により初期画像評価を行った。その実機評価結果を表3に示す。表3において○は良好なレベル、△は使用可能なレベル、×は使用不可なレベルとした。尚、1KOeにおける磁場はσ1Kと表記した。
表3の結果から明らかなように、実施例1〜3、比較例1〜2に係る磁性キャリアの粒子とも、20μm≦d50≦50μmの範囲にあった。そして、実施例1〜3および比較例2に係る磁性キャリアの粒子は、(d84−d16)/2<(0.25×d50)であったが、比較例1では(d84−d16)/2>(0.25×d50)であった。さらに、実施例1〜3および比較例1に係る磁性キャリアの粒子は、1KOeの磁場におかれたときの磁力が35emu/g以上、75emu/g以下の範囲にあったが、比較例2では32emu/gであった。
この結果、実施例1〜3に係る磁性キャリアとトナーとを混合して製造した電子写真現像剤は、画質濃度、カブリ濃度、キャリア飛び、ホワイトスポット、細線再現性、画質の評価においていずれも好結果を示した。一方、(d84−d16)/2>(0.25×d50)であった比較例1に係る磁性キャリアを用いて製造した電子写真現像剤は、キャリア飛びに問題があり、1KOeの磁場におかれたときの磁力が32emu/gであった比較例2に係る磁性キャリアを用いて製造した電子写真現像剤では、キャリア飛び、ホワイトスポット、画質に問題があった。
Figure 0005114785

Claims (6)

  1. ソフトフェライトの芯材を有する電子写真現像剤用キャリアであって、
    当該芯材は、Feと、Mn、Mgの内から選択される1種以上の金属からなるソフトフェライトであり、
    該電子写真現像剤用キャリアの粒子の小粒径側から積算した体積粒径分布累積の値が、16重量%となる粒子の粒径をd16、同じく50重量%となる粒子の粒径をd50、同じく84重量%となる粒子の粒径をd84、としたとき、
    20μm≦d50≦50μm、且つ(d84−d16)/2≦(0.25×d50)であり、
    前記芯材が1KOeの磁場にあるときの磁力が、35emu/g以上、75emu/g以下の範囲にあることを特徴とする電子写真現像剤用キャリア。
  2. 前記芯材は、Fe と、MnCO 、Mn 、Mg(OH) 、MgOから選択される1種以上との混合物、または、Fe と、MnCO 、Mn から選択される1種以上との混合物が、1000℃〜1300℃で3時間〜30時間焼成されたソフトフェライトであることを特徴とする請求項1に記載の電子写真現像剤用キャリア。
  3. 前記芯材を、樹脂で被覆したことを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の電子写真現像剤用キャリア。
  4. 前記樹脂の被覆量が、前記芯材の0.1重量%以上、5.0重量%以下であることを特徴とする請求項3に記載の電子写真現像剤用キャリア。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の電子写真現像剤用キャリアと、平均粒径1〜10μmのトナーとを含むことを特徴とする電子写真現像剤。
  6. 粒子の小粒径側から積算した体積粒径分布累積の値が、16重量%となる粒子の粒径をd 16 、同じく50重量%となる粒子の粒径をd 50 、同じく84重量%となる粒子の粒径をd 84 、としたとき、
    20μm≦d 50 ≦50μm、且つ(d 84 −d 16 )/2≦(0.25×d 50 )であり、
    前記芯材が1KOeの磁場にあるときの磁力が、35emu/g以上、75emu/g以下の範囲にある電子写真現像剤用キャリアの製造方法であって、
    Fe と、MnCO 、Mn 、Mg(OH) 、MgO、から選択される1種以上とを混合し、混合物を得る工程と
    得られた混合物を、1000℃〜1300℃で3時間〜30時間焼成し、ソフトフェライトを含む焼成物を得る焼成工程と
    得られた焼成物を粗粉砕する粗粉砕工程と
    前記粗粉砕工程で粉砕後に含まれる粒径15μm以下の微粉を除去する気流分級工程と
    前記気流分級工程で得られた粉体を、目開き30〜55μmの粗目網と、目開き20〜40μmの微粉網を用い、さらに、当該粗目網と微粉網との目開きの差(粗目網−微粉網)を<15μmとした2種類の篩網を用い、前期篩の形式を超音波篩とし、さらに、前期粉体の間欠投入運転を行なって分級する分級工程とを、有することを特徴とする電子写真現像剤用キャリアの製造方法。
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