JP2005195960A - 電子写真現像用キャリアおよびその製造方法並びに電子写真用現像剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】小粒径化および狭分布化されたトナーと組み合わせるのに適し、長期連続コピーにおける帯電量の維持性を確保することができて、画像かぶり、トナーかぶり、画像濃度不足、細線再現性の悪化などを解消して、高画質化を実現することの可能な電子写真用キャリアを提供する。
【解決手段】キャリア芯材である磁性粒子の平均粒径が20〜40μm、嵩密度が1.60〜2.40g/cm3 であり、マイクロトラックによる粒度分布が、44μm以上:10.0%以下、31〜16μm:80.0%以上、16μm以下:10.0%以下、であり、磁性粒子の表面が2.0〜6.0重量%の樹脂により完全被覆されている電子写真用キャリアを製造する。
【選択図】無し
【解決手段】キャリア芯材である磁性粒子の平均粒径が20〜40μm、嵩密度が1.60〜2.40g/cm3 であり、マイクロトラックによる粒度分布が、44μm以上:10.0%以下、31〜16μm:80.0%以上、16μm以下:10.0%以下、であり、磁性粒子の表面が2.0〜6.0重量%の樹脂により完全被覆されている電子写真用キャリアを製造する。
【選択図】無し
Description
本発明は、2成分系の電子写真用現像剤に用いられる電子写真現像用キャリアおよびその製造方法並びに電子写真用現像剤に関する。
電子写真用複写機やプリンタ等に使用される電子写真用現像剤として、2成分系の現像剤が普及している。2成分系の現像剤は、トナーと電子写真現像用キャリア(以下、キャリアと略記する場合がある。)を含有している。ここで、キャリアは、現像ボックス内でトナーと混合撹拌されトナーに所望の電荷を与え、当該電荷を帯びたトナーを感光体上の静電潜像に運び、トナー像を形成させる担体物質である。このキャリアは、担体機能を果たした後、マグネットロール上に残り、再び現像ボックスに戻って、新たなトナーと再び混合撹拌されることで、繰り返し使用される。
従って、この2成分系の電子複写機用現像剤に用いられるキャリア(電子写真現像用キャリア)には、所定の電気・磁気特性、摩擦帯電性、帯電維持性、耐久性、流動性などの特性が要求される。また、撹拌によるキャリア同士の衝突や摩擦などにより、キャリア表面にトナー成分の融着が生じて帯電不良が起こり、それが原因でトナー飛散、画像かぶり及び転写不良などの不具合が発生するおそれがあるので、これを防止するために、キャリア表面に樹脂の被覆を施し、長期連続現像におけるトナーのキャリアへの表面融着の防止および摩擦帯電性を維持することが要求されている。
また、近年では、安全性重視の観点から、トナーにおいて帯電制御剤と兼用の重金属含有の顔料を使用しなくなり、四級アンモニウム塩などの有機系顔料を使用することが多くなった。この顔料の変化により、トナーとしての十分な摩擦帯電性を保持することが困難となり、キャリア側に良好な摩擦帯電性が要求されるようになってきた。
また、フルカラー用複写機ではベタ画像領域が増大し、現像領域での現像トナー量を充分に確保するため、現像システムへの交流バイアス印加など、システムの工夫がなされている。しかし、このようなシステムの採用により、今度は、キャリア付着、電荷リークに起因するベタ画像部のホワイトスポットなどの不具合が発生しやすくなる。そこで、キャリアにはこのような不具合の発生しないものが要求されている。そのような要求に伴う形で、近年では、高画質を達成する為に、トナーの小粒径化および狭分布化が主流となりつつある。
一方、従来の技術に係るキャリアとして、例えば、特許文献1において、キャリア芯材の平均粒径が40〜60μmで、31μm以下の小粒径粒子の割合が10%以下、嵩密度が2.45〜2.65g/cm3であり、キャリア芯材の表面に樹脂被覆を施すことにより、耐久性、帯電安定性に優れ、高画質を達成できるとされる電子写真現像用キャリアが提案されている。
特開平4−309965公報
しかしながら、本発明者らの検討によれば、例えば特許文献1に示されるキャリアは、最近の傾向である小粒径化および狭分布化されたトナーには適さないことが判明した。そして、たとえ適用したとしても、電子写真現像剤としての安定性が劣り、帯電性の悪化による画像かぶり、トナーかぶり、画像濃度不足、細線再現性が悪くなる等の不具合が生じる可能性があるものとなった。
本発明は、上記事情を考慮し、小粒径化および狭分布化されたトナーと組み合わせるのに適し、長期連続現像における帯電量の維持性を確保することができて、画像かぶり、トナーかぶり、画像濃度不足、細線再現性の悪化などを解消して、高画質化を実現することの可能な電子写真用キャリア、およびその製造方法、並びに当該電子写真用キャリアを含む電子写真用現像剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、電子写真現像用キャリアにおいて、キャリア芯材である磁性粒子の平均粒径、嵩密度、およびマイクロトラックによる粒度分布が所定の範囲内にあるとき、当該キャリアは、小粒径化および狭分布化されたトナーと組み合わせるのに適し、当該組み合わせか調製された電子写真用現像剤は、長期連続コピーにおける帯電量の維持性を確保することができて、画像かぶり、トナーかぶり、画像濃度不足、細線再現性の悪化などを解消して、高画質化を実現することが可能なことを見出した。
即ち、上述の課題を解決するための第1の構成は、電子写真用現像剤に含まれる電子写真現像用キャリアであって、
電子写真用現像剤に含まれる電子写真現像用キャリアであって、
前記電子写真現像用キャリアのキャリア芯材である磁性粒子の平均粒径が20〜40μm、嵩密度が1.60〜2.40g/cm3であり、マイクロトラックによる粒度分布が、44μm以上:10.0%以下、31〜16μm:80.0%以上、16μm以下:10.0%以下、であることを特徴とする電子写真現像用キャリアである。
電子写真用現像剤に含まれる電子写真現像用キャリアであって、
前記電子写真現像用キャリアのキャリア芯材である磁性粒子の平均粒径が20〜40μm、嵩密度が1.60〜2.40g/cm3であり、マイクロトラックによる粒度分布が、44μm以上:10.0%以下、31〜16μm:80.0%以上、16μm以下:10.0%以下、であることを特徴とする電子写真現像用キャリアである。
第2の構成は、前記磁性粒子が、球形のMnO−MgO−Fe2O3粒子であることを特徴とする第1の構成に記載の電子写真現像用キャリアである。
第3の構成は、前記磁性粒子の表面が、前記磁性粒子の重量の2.0〜6.0重量%の樹脂により被覆されていることを特徴とする第1または第2の構成に記載の電子写真現像用キャリアである。
第4の構成は、前記磁性粒子の表面が、前記樹脂により全て被覆されていることを特徴とする第1から第3の構成に記載のいずれかに記載の電子写真現像用キャリアである。
第5の構成は、第1から第4の構成のいずれかに記載の電子写真現像用キャリアを含むことを特徴とする電子写真用現像剤である。
本発明によれば、キャリア芯材である磁性粒子の平均粒径、嵩密度、およびマイクロトラック粒度分布を、所定の範囲とすることによって、小粒径化および狭分布化されたトナーと組み合わせるのに好適な電子写真現像用キャリアを得ることができた。従って、本発明のキャリアと、小粒径化および狭分布化されたトナーとを組み合わせ、電子写真現像剤とすることにより、長期連続コピーにおける良好な帯電量維持性を確保することができ、画像かぶり、トナーかぶり、画像濃度不足、細線再現性の悪化などの問題を解消することができて、電子写真の高画質化を実現することが可能となる。
以下、本発明の実施形態を説明する。
実施形態の電子写真現像用キャリアの芯材である磁性粒子は、ソフトフェライト粒子であり、そのソフトフェライト粒子としては種々の物が使用でき、代表的には、一般式MO・Fe2O3系のソフトフェライトが使用できる。ここで、Mは、例えば亜鉛、鉛、スズ、ビスマス、マンガン、マグネシウム等の金属が挙げられが、中でもマンガンおよびマグネシウムの使用が好ましい。当該構成を有するソフトフェライトは、目標組成となるように原料を調合し、仮焼、粉砕、造粒、乾燥、焼成、解砕、分級の工程を経て製造することができる。以下、この工程について簡単に説明する。
実施形態の電子写真現像用キャリアの芯材である磁性粒子は、ソフトフェライト粒子であり、そのソフトフェライト粒子としては種々の物が使用でき、代表的には、一般式MO・Fe2O3系のソフトフェライトが使用できる。ここで、Mは、例えば亜鉛、鉛、スズ、ビスマス、マンガン、マグネシウム等の金属が挙げられが、中でもマンガンおよびマグネシウムの使用が好ましい。当該構成を有するソフトフェライトは、目標組成となるように原料を調合し、仮焼、粉砕、造粒、乾燥、焼成、解砕、分級の工程を経て製造することができる。以下、この工程について簡単に説明する。
〔仮焼工程〕
所定量に調合された原料を十分に混合し加熱炉中に設置する。そして加熱炉温度を600℃〜1000℃に設定し、大気雰囲気中にて原料を仮焼し仮焼品とする。
尚、上記仮焼工程は、所望により省略することもできる。上記焼成工程を省略する場合は、上記原料の酸化物の混合物を準備し、これを上記仮焼品の代替品とすることができる。
〔粉砕、造粒・乾燥工程〕
仮焼工程にて得られた仮焼品を冷却した後、粉砕機(例えば、振動ミル)を用いて1μmまで粉砕する。次いで、この粉砕物へ水を加えて水分60〜80%のスラリーとし、これをボールミル等で湿式粉砕する。これにより微細に粉砕された仮焼粉のスラリーが得られる。このスラリーを例えば噴霧乾燥機で100℃〜300℃の温度で噴霧乾燥し造粒粉を得る。
〔焼成〕
造粒・乾燥工程にて得られた造粒粉を焼成炉に設置する。焼成炉の雰囲気を酸素濃度を1.0〜6.0容量%に調整した窒素雰囲気とし、焼成炉温度を1150℃〜1200℃とする。当該焼成炉温度にて10時間〜30時間焼成しフェライト粉を得る。
〔解砕、分級〕
焼成工程にて得られたフェライト粉を粉砕機で解砕し、この解砕品へ分級または篩い分けを行いキャリアとして適正な粒度のものを採取しキャリアとなるソフトフェライト粒子を得る。
所定量に調合された原料を十分に混合し加熱炉中に設置する。そして加熱炉温度を600℃〜1000℃に設定し、大気雰囲気中にて原料を仮焼し仮焼品とする。
尚、上記仮焼工程は、所望により省略することもできる。上記焼成工程を省略する場合は、上記原料の酸化物の混合物を準備し、これを上記仮焼品の代替品とすることができる。
〔粉砕、造粒・乾燥工程〕
仮焼工程にて得られた仮焼品を冷却した後、粉砕機(例えば、振動ミル)を用いて1μmまで粉砕する。次いで、この粉砕物へ水を加えて水分60〜80%のスラリーとし、これをボールミル等で湿式粉砕する。これにより微細に粉砕された仮焼粉のスラリーが得られる。このスラリーを例えば噴霧乾燥機で100℃〜300℃の温度で噴霧乾燥し造粒粉を得る。
〔焼成〕
造粒・乾燥工程にて得られた造粒粉を焼成炉に設置する。焼成炉の雰囲気を酸素濃度を1.0〜6.0容量%に調整した窒素雰囲気とし、焼成炉温度を1150℃〜1200℃とする。当該焼成炉温度にて10時間〜30時間焼成しフェライト粉を得る。
〔解砕、分級〕
焼成工程にて得られたフェライト粉を粉砕機で解砕し、この解砕品へ分級または篩い分けを行いキャリアとして適正な粒度のものを採取しキャリアとなるソフトフェライト粒子を得る。
上記の工程にて得られたソフトフェライト粒子は、篩い分け工程を経て、適正な粒度のものが採取される。これにより、平均粒子径が揃った球形のMnO−MgO−Fe2O3系のソフトフェライト粒子が得られる。ここで得られたソフトフェライト粒子は、平均粒径が20〜40μm、嵩密度が1.60〜2.40g/cm3であり、マイクロトラックによる粒度分布が、44μm以上:10.0%以下、31〜16μm:80.0%以上、16μm以下:10.0%以下に調製されたものである。
上述の構成を有するソフトフェライト粒子から、好ましい特性を有する電子写真現像用キャリアを得ることができた理由は、次のように考えられる。
磁性粒子の平均粒径が20μm以上のもの、もしくはマイクロトラック粒度分布による16μm以下の微粒子が10.0%以下に存在するものをキャリアとして使用すると、現像装置内の現像スリーブへの付着力が強くなるため、現像域および非現像域へのキャリア付着が生じ難くなる。また、コーティング時においても細かい粒子同士の会合が起き難くなり、完全被覆コーティングが困難になる。逆に、平均粒径が40μm以下のもの、もしくはマイクロトラック粒度分布による44μm以上の粒子が10.0%以下に存在するものをキャリアとして使用すると、画像のシャープさが向上し画質に好影響を与えることができると考えられる。
磁性粒子の平均粒径が20μm以上のもの、もしくはマイクロトラック粒度分布による16μm以下の微粒子が10.0%以下に存在するものをキャリアとして使用すると、現像装置内の現像スリーブへの付着力が強くなるため、現像域および非現像域へのキャリア付着が生じ難くなる。また、コーティング時においても細かい粒子同士の会合が起き難くなり、完全被覆コーティングが困難になる。逆に、平均粒径が40μm以下のもの、もしくはマイクロトラック粒度分布による44μm以上の粒子が10.0%以下に存在するものをキャリアとして使用すると、画像のシャープさが向上し画質に好影響を与えることができると考えられる。
また、樹脂被覆する粒子の嵩密度が1.60g/cm3以上のものであると、粒子の凹凸が小さくなり、樹脂被覆を行う場合、粒子表面の完全被覆が容易になり、キャリア付着、電荷リークによるホワイトスポットが生じる危険性が減少する。また、嵩密度が2.40g/cm3以下であると、粒子表面と樹脂層の結着性が向上し、十分な耐久性が得られるものと考えられる。
なお、好適なことに、磁性粒子の嵩密度は焼成条件によって調整が可能であり、焼成温度を高くすると結晶化が進み、表面の凹凸が増加するため、嵩密度は小さくなり、逆に焼成温度を低くすると表面の凹凸が細かくなり嵩密度は大きくなる。
磁性粒子の表面を被覆する樹脂としては、様々な樹脂を採用することができる。例えばアクリル系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、オレフィン系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン系樹脂、ジアリルフタレート系樹脂等が採用できるが、後述の実施例においては上記の樹脂のなかでも好適な樹脂であるシリコーン樹脂を用いる。
磁性粒子の表面を上述の樹脂にて被覆する際、被覆に用いられる樹脂の重量は磁性粒子の重量の2.0〜6.0重量%であることが好ましい。樹脂の重量が磁性粒子の重量の2.0重量%以上あれば、当該樹脂にて磁性粒子の表面が完全に被覆された完全被覆タイプの
キャリアとすることができ、当該キャリアを用いた電子写真現像剤の寿命を延ばすことができる。また、樹脂の重量が磁性粒子の重量の6重量%以下であれば、当該樹脂被覆された磁性粒子がキャリアとして好ましい電気的、磁気的特性を発揮するからである。
キャリアとすることができ、当該キャリアを用いた電子写真現像剤の寿命を延ばすことができる。また、樹脂の重量が磁性粒子の重量の6重量%以下であれば、当該樹脂被覆された磁性粒子がキャリアとして好ましい電気的、磁気的特性を発揮するからである。
(実施例1)
まず、キャリア芯材が、組成式:MnO・MgO・Fe2O3で示されるフェライト組成になるように、Mn源としてのMnCO3粉、Mg源としてのMg(OH)2および鉄源としてのFe2O3粉をそれぞれ所定量混合して原料調合を行い、混合粉を得た。
まず、キャリア芯材が、組成式:MnO・MgO・Fe2O3で示されるフェライト組成になるように、Mn源としてのMnCO3粉、Mg源としてのMg(OH)2および鉄源としてのFe2O3粉をそれぞれ所定量混合して原料調合を行い、混合粉を得た。
この混合粉を900℃設定の加熱炉により3時間大気雰囲気下で仮焼し、得られた仮焼品を冷却後、振動ミルで粉砕してほぼ1μm径の粉体とした。この粉体を乾燥し、さらにその乾燥粉に対して、1重量%の割合で分散剤(商品名:サンノプコSNディスパーサント5468、サンノプコ社製)を水と共に加えて、濃度が70%のスラリーとした。このスラリーを湿式ボールミルに装填して湿式粉砕し、得られた懸濁液をスプレードライヤににて乾燥し、平均粒径約70μmの造粒品を得た。
この造粒品を焼成炉に装填し、窒素雰囲気中の酸素濃度をほぼ2.0容量%に調整した雰囲気中で、1170℃にて5時間焼成した。得られた焼成品を解砕機で粉砕した後、篩い分けにより粒度調整を行い、粒径が約31μmに揃った球形の磁性体粒子を得た。
この時のフェライト粉の嵩密度は2.05g/cm3、マイクロトラックによる粒度分布は、44μm以上:5.4%、31μm〜16μm:85.1%、16μm以下:4.6%、であった。このようにして球形のMn−Mg系ソフトフェライト粉であるキャリア芯材を得た。
次にシリコーン系樹脂として(商品名:KR−350、信越化学社製)を、トルエンに溶解してなるコーティング樹脂溶液を準備する。そして、このコーティング樹脂溶液と前記のキャリア芯材とを、キャリア芯材:樹脂溶液=9:1の割合で攪拌機の容器に装入し、該樹脂溶液にキャリア芯材を3時間浸積しながら150℃〜250℃にて加熱撹拌する。これにより、キャリア芯材総重量に対してコーティング樹脂総重量が4.0重量%の割合となるように各キャリア芯材粒子にコーティング樹脂を被覆した。この樹脂被覆された粒子を熱風循環式加熱装置により、250℃で5時間加熱を行い被覆樹脂層を硬化させ、キャリアを得た。
得られたキャリアについて、物性値測定およびSEM写真による樹脂被覆状態の観察をおこなった。その結果を、表1に記載する。
表1に示すように、得られたキャリアの平均粒径は33μmであり、キャリア表面の樹脂被覆は完全な状態であった。
得られたキャリアについて、物性値測定およびSEM写真による樹脂被覆状態の観察をおこなった。その結果を、表1に記載する。
表1に示すように、得られたキャリアの平均粒径は33μmであり、キャリア表面の樹脂被覆は完全な状態であった。
(実施例2)
実施例2では、実施例1で得られた焼成品を分級後、篩い分けにより粒度調整を行い、平均粒径が約23μmのキャリア芯材を得た。そのときの嵩密度は2.38g/cm3、マイクロトラックによる粒度分布は、44μm以上:2.8%、31μm〜16μm:87.2%、16μm以下:8.7%、であった。その後のコーティングは、コーティング樹脂総量が2.0重量%となるように調製した以外は、実施例1と同様に行った。
表1に示すように、得られたキャリアの平均粒径は25μmであり、キャリア表面の樹脂被覆は完全な状態であった。
実施例2では、実施例1で得られた焼成品を分級後、篩い分けにより粒度調整を行い、平均粒径が約23μmのキャリア芯材を得た。そのときの嵩密度は2.38g/cm3、マイクロトラックによる粒度分布は、44μm以上:2.8%、31μm〜16μm:87.2%、16μm以下:8.7%、であった。その後のコーティングは、コーティング樹脂総量が2.0重量%となるように調製した以外は、実施例1と同様に行った。
表1に示すように、得られたキャリアの平均粒径は25μmであり、キャリア表面の樹脂被覆は完全な状態であった。
(実施例3)
実施例3では、実施例1で得られた焼成品を分級後、篩い分けにより粒度調整を行い、平均粒径が約37μmのキャリア芯材を得た。そのときの嵩密度は1.65g/cm3、マイクロトラックによる粒度分布は、44μm以上:8.6%、31μm〜16μm:89.0%、16μm以下:2.1%、であった。その後のコーティングは、コーティング樹脂総量が6.0重量%となるように調製した以外は、実施例1と同様に行った。
表1に示すように、得られたキャリアの平均粒径は39μmであり、キャリア表面の樹脂被覆は完全な状態であった。
実施例3では、実施例1で得られた焼成品を分級後、篩い分けにより粒度調整を行い、平均粒径が約37μmのキャリア芯材を得た。そのときの嵩密度は1.65g/cm3、マイクロトラックによる粒度分布は、44μm以上:8.6%、31μm〜16μm:89.0%、16μm以下:2.1%、であった。その後のコーティングは、コーティング樹脂総量が6.0重量%となるように調製した以外は、実施例1と同様に行った。
表1に示すように、得られたキャリアの平均粒径は39μmであり、キャリア表面の樹脂被覆は完全な状態であった。
(比較例1)
比較例1では、実施例1で得られた焼成品を分級後、篩い分けにより粒度調整を行い、平均粒径が約22μmのキャリア芯材を得た。そのときの嵩密度は2.38g/cm3、マイクロトラックによる粒度分布は、44μm以上:2.7%、31μm〜16μm:84.5%、16μm以下:12.0%、であった。その後のコーティングは、実施例1と同様に行った。
表1に示すように、得られたキャリアの平均粒径は24μmであり、キャリア表面の樹脂被覆は不完全な状態であった。
比較例1では、実施例1で得られた焼成品を分級後、篩い分けにより粒度調整を行い、平均粒径が約22μmのキャリア芯材を得た。そのときの嵩密度は2.38g/cm3、マイクロトラックによる粒度分布は、44μm以上:2.7%、31μm〜16μm:84.5%、16μm以下:12.0%、であった。その後のコーティングは、実施例1と同様に行った。
表1に示すように、得られたキャリアの平均粒径は24μmであり、キャリア表面の樹脂被覆は不完全な状態であった。
(比較例2)
比較例2では、実施例1で得られた焼成品を分級後、篩い分けにより粒度調整を行い、平均粒径が約39μmのキャリア芯材を得た。そのときの嵩密度は1.68g/cm3、マイクロトラックによる粒度分布は、44μm以上:11.5%、31μm〜16μm:86.5%、16μm以下:2.0%、であった。その後のコーティングは、実施例1と同様に行った。
表1に示すように、得られたキャリアの嵩密度は45μmであり、キャリア表面の樹脂被覆は完全な状態であった。
比較例2では、実施例1で得られた焼成品を分級後、篩い分けにより粒度調整を行い、平均粒径が約39μmのキャリア芯材を得た。そのときの嵩密度は1.68g/cm3、マイクロトラックによる粒度分布は、44μm以上:11.5%、31μm〜16μm:86.5%、16μm以下:2.0%、であった。その後のコーティングは、実施例1と同様に行った。
表1に示すように、得られたキャリアの嵩密度は45μmであり、キャリア表面の樹脂被覆は完全な状態であった。
(比較例3)
比較例3では、実施例1で得られた焼成品を分級後、篩い分けにより粒度調整を行い、平均粒径が約30μmのキャリア芯材を得た。そのときの嵩密度は2.10g/cm3、マイクロトラックによる粒度分布は、44μm以上:6.6%、31μm〜16μm:80.0%、16μm以下:12.6%であった。その後のコーティングは、実施例1と同様に行った。
表1に示すように、得られたキャリアの平均粒径は33μmであり、キャリア表面の樹脂被覆は不完全な状態であった。
比較例3では、実施例1で得られた焼成品を分級後、篩い分けにより粒度調整を行い、平均粒径が約30μmのキャリア芯材を得た。そのときの嵩密度は2.10g/cm3、マイクロトラックによる粒度分布は、44μm以上:6.6%、31μm〜16μm:80.0%、16μm以下:12.6%であった。その後のコーティングは、実施例1と同様に行った。
表1に示すように、得られたキャリアの平均粒径は33μmであり、キャリア表面の樹脂被覆は不完全な状態であった。
(比較例4)
比較例4では、実施例1で得られた造粒品を焼成炉に装填し、窒素雰囲気中の酸素濃度をほぼ2.0容量%に調整したガス中で1200℃にて5時間焼成した。そうして得られた焼成品を分級後、篩い分けにより粒度調整を行い、平均粒径が約36μmのキャリア芯材を得た。そのときの嵩密度は1.58g/cm3、マイクロトラックによる粒度分布は、44μm以上:9.8%、31μm〜16μm:80.3%、16μm以下:5.9%、であった。その後のコーティングは、実施例1と同様に行った。
表1に示すように、得られたキャリアの平均粒径は39μmであり、キャリア表面の樹脂被覆は不完全な状態であった。
比較例4では、実施例1で得られた造粒品を焼成炉に装填し、窒素雰囲気中の酸素濃度をほぼ2.0容量%に調整したガス中で1200℃にて5時間焼成した。そうして得られた焼成品を分級後、篩い分けにより粒度調整を行い、平均粒径が約36μmのキャリア芯材を得た。そのときの嵩密度は1.58g/cm3、マイクロトラックによる粒度分布は、44μm以上:9.8%、31μm〜16μm:80.3%、16μm以下:5.9%、であった。その後のコーティングは、実施例1と同様に行った。
表1に示すように、得られたキャリアの平均粒径は39μmであり、キャリア表面の樹脂被覆は不完全な状態であった。
(比較例5)
比較例5では、実施例1で得られた造粒品を焼成炉に装填し、窒素雰囲気中の酸素濃度をほぼ2.0容量%に調整したガス中で1150℃にて5時間焼成した。そうして得られた焼成品を分級後、篩い分けにより粒度調整を行い、平均粒径が約32μmのキャリア芯材を得た。そのときの嵩密度は2.45g/cm3、マイクロトラックによる粒度分布は、44μm以上:7.7%、31μm〜16μm:81.5%、16μm以下:8.2%、であった。その後のコーティングは、実施例1と同様に行った。
表1に示すように、得られたキャリアの平均粒径は35μmであり、キャリア表面の樹脂被覆は完全な状態であった。
比較例5では、実施例1で得られた造粒品を焼成炉に装填し、窒素雰囲気中の酸素濃度をほぼ2.0容量%に調整したガス中で1150℃にて5時間焼成した。そうして得られた焼成品を分級後、篩い分けにより粒度調整を行い、平均粒径が約32μmのキャリア芯材を得た。そのときの嵩密度は2.45g/cm3、マイクロトラックによる粒度分布は、44μm以上:7.7%、31μm〜16μm:81.5%、16μm以下:8.2%、であった。その後のコーティングは、実施例1と同様に行った。
表1に示すように、得られたキャリアの平均粒径は35μmであり、キャリア表面の樹脂被覆は完全な状態であった。
次に、実施例1〜3、比較例1〜5で得られたキャリア芯材を用いて電子写真用現像剤を作製し、評価機により初期画像評価を行った。その実機評価結果を表2に示す。表2において、○は良好なレベル、△は実用上使用可能なレベル、×は使用不可なレベルとした。
表2から明らかなように、実施例1〜3で得られたキャリア芯材を用いて作製された電子写真用現像剤は、いずれも良好な画質特性を示しており、品質的に優れていることがわかる。
比較例1については、キャリア付着およびホワイトスポットが発生した。これは、キャリア芯材の微粉量が多いため、樹脂被覆が不完全なためと考えられる。
比較例2については、画像濃度が劣る結果となった。これは、樹脂被覆は完全であったが、キャリアの平均粒径が40μmを超えたためであると考えられる。
比較例3については、比較例1と同様にキャリア付着およびホワイトスポットが発生した。これも、キャリア芯材の微粉量が多いため、樹脂被覆が不完全なためと考えられる。
比較例4については、キャリア付着およびホワイトスポットが発生した。これは、キャリア芯材の焼成温度を変更したことにより、当該キャリア芯材の表面形状の凹凸が多くなり、樹脂完全被覆がされにくくなったためと考えられる。
比較例5については、画像濃度が劣る結果となった。これは、キャリア芯材の焼成温度を変更したことにより、当該キャリア芯材の嵩密度が規定した範囲を超えたためと考えられる。
比較例1については、キャリア付着およびホワイトスポットが発生した。これは、キャリア芯材の微粉量が多いため、樹脂被覆が不完全なためと考えられる。
比較例2については、画像濃度が劣る結果となった。これは、樹脂被覆は完全であったが、キャリアの平均粒径が40μmを超えたためであると考えられる。
比較例3については、比較例1と同様にキャリア付着およびホワイトスポットが発生した。これも、キャリア芯材の微粉量が多いため、樹脂被覆が不完全なためと考えられる。
比較例4については、キャリア付着およびホワイトスポットが発生した。これは、キャリア芯材の焼成温度を変更したことにより、当該キャリア芯材の表面形状の凹凸が多くなり、樹脂完全被覆がされにくくなったためと考えられる。
比較例5については、画像濃度が劣る結果となった。これは、キャリア芯材の焼成温度を変更したことにより、当該キャリア芯材の嵩密度が規定した範囲を超えたためと考えられる。
以上のように、磁性粒子の平均粒径が20〜40μm、嵩密度が1.60〜2.40g/cm3 、マイクロトラックによる粒度分布が、44μm以上:10.0%以下、31〜16μm:80.0%以上、16μm以下:10.0%以下、の条件を満たす場合については良好な結果が得られ、この範囲を超えるものについては、いずれかの点において不満な結果が出た。
Claims (5)
- 電子写真用現像剤に含まれる電子写真現像用キャリアであって、
前記電子写真現像用キャリアのキャリア芯材である磁性粒子の平均粒径が20〜40μm、嵩密度が1.60〜2.40g/cm3であり、マイクロトラックによる粒度分布が、44μm以上:10.0%以下、31〜16μm:80.0%以上、16μm以下:10.0%以下、であることを特徴とする電子写真現像用キャリア。 - 前記磁性粒子が、球形のMnO−MgO−Fe2O3粒子であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真現像用キャリア。
- 前記磁性粒子の表面が、前記磁性粒子の重量の2.0〜6.0重量%の樹脂により被覆されていることを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真現像用キャリア。
- 前記磁性粒子の表面が、前記樹脂により全て被覆されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の電子写真現像用キャリア。
- 請求項1から4のいずれかに記載の電子写真現像用キャリアを含むことを特徴とする電子写真用現像剤。
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JP2007272160A (ja) * | 2006-03-31 | 2007-10-18 | Dowa Holdings Co Ltd | 電子写真現像用キャリア粉および電子写真現像剤 |
JP2013109197A (ja) * | 2011-11-22 | 2013-06-06 | Ricoh Co Ltd | 静電潜像現像剤用キャリア、および静電潜像現像剤 |
JP2013205774A (ja) * | 2012-03-29 | 2013-10-07 | Powdertech Co Ltd | 電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材、フェライトキャリア及びこれらの製造方法、並びに該フェライトキャリアを用いた電子写真現像剤 |
-
2004
- 2004-01-08 JP JP2004003135A patent/JP2005195960A/ja active Pending
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