JP4290516B2 - 現像方法及び現像装置 - Google Patents

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Description

本発明はトナーとキャリアとから構成される二成分系現像剤を用いた現像方法及び現像装置に関し、更に詳しくは、キャリア付着がなく、画質および耐久性が著しく改良された現像方法、現像装置、プロセスカートリッジに関する。
一般に、複写機、プリンタ、ファクシミリなどの電子写真式や静電記録式の画像形成装置においては、感光体ドラムや感光体ベルトなどからなる潜像担持体上に画像データに応じた静電潜像が形成され、現像装置によって現像動作が実行され、可視像が得られるようになっている。このような現像動作の実行については、転写性、ハーフトーンの再現性、温度・湿度に対する現像特性の安定性などの観点から、トナーとキャリアからなる二成分現像剤を用いた磁気ブラシ現像方式が主流になってきている。この磁気ブラシ現像方式の現像装置では、現像剤担持体上に二成分現像剤がブラシチェーン状に穂立ちを起こし、現像領域において、現像剤中のトナーが潜像担持体上の潜像部分に供給される。ここで現像領域とは、現像剤担持体上で磁気ブラシが立ち上がり潜像担持体と接触している範囲である。
磁気ブラシ現像方式の現像装置において、上記現像剤担持体は、通常円筒状に形成されたスリーブ(現像スリーブ)からなると共に、当該スリーブ表面に現像剤の穂立ちを生じさせるように磁界を形成する磁石体(磁石ローラ)をスリーブ内部に備えている。従って、キャリアが磁石ローラから生じる磁力線に沿うようにスリーブ上に穂立ちするとともに、この穂立ちしたキャリアに対して帯電トナーが付着する。そして、前記磁石ローラは、複数の磁極を備え、それぞれの磁極を形成する磁石が棒状などに形成されていて、特にスリーブ表面の現像領域部分では現像剤を立ち上げる現像主磁極を備えている。また、前記スリーブと磁石ローラの少なくとも一方が動くことでスリーブ表面に穂立ちを起こした現像剤が移動するようになっている。このように構成されているので、現像領域に搬送された現像剤は前記現像主磁極から発せられる磁力線に沿って穂立ちを起こし、この現像剤のチェーン穂(磁気ブラシ)は潜像担持体に接触し、接触した磁気ブラシが潜像担持体との相対線速差に基づいて静電潜像と擦れ合いながら、現像が行なわれる。
このような電子写真方式の画像形成装置において近年、高速化、高画質化の要求が高まっている。このような市場の要求に対して、トナーの粒径を小さくして高画質化を実現しようという提案がされているが、それに伴ってキャリアの小粒径化も必然となってきている。
キャリアが小粒径化されていると、現像領域中に磁気ブラシの形成状態を密にすることができ、トナーと潜像坦持体の接触確率を均一化することができる。したがって、ざらつき感のない均一なハーフトーン画像を得ることができる。
逆にキャリア粒径が小さすぎると、現像ローラの中の磁石によって生じる磁場から受ける磁気的拘束力が弱まり、キャリアが潜像坦持体に付着してしまうというキャリア付着の問題が生じる。
一方、高速の画像形成プロセスにおいては、ベタ画像のように画像面積率の大きい画像に対する現像能力を確保するために、現像領域へ搬送される現像剤の量(汲上量)を多くしたり、現像剤坦持体を高速で回転させたりしている。汲上量を多くすると、現像領域において、磁気的拘束力の弱い部分にも現像剤が存在する状態になり、キャリア付着が発生しやすくなる。また、スリーブが高速回転すると、キャリアにかかる遠心力が増大し、キャリア飛散が生じる危険性がある。
以上のことを鑑みて、高画質・高速な現像を行うために、キャリアの平均粒径のみならず、大粒径キャリアの含有率、微粉キャリアの含有率といった粒度分布や、磁気特性を十分考慮する必要がある。
例えば、特開2001−194833号公報(特許文献1)では、キャリアの重量平均粒径が35〜55μmであり、22μmより小さい粒径のキャリア粒子が0〜15%、88μmより大きい粒径のキャリア粒子が0〜5%の粒径分布を持ち、1000エルステッドの印加磁場に対する飽和磁化が40〜120emu/gであることを特徴とするキャリアが提案されている。
しかしながら、キャリア付着防止のためにキャリアの飽和磁化を大きくしたり、汲上量を多くしたりすることは、磁気ブラシが潜像坦持体に接触するときに摺擦する力も大きくなりことを示しており、特許文献1の方法には、潜像坦持体の磨耗量の増加、偏磨耗の発生、トナーフィルミングの発生など、耐久性が低下するという問題点がある。
ところで潜像担持体である有機系感光体の耐摩耗性を向上させる方法としては、金属あるいは金属酸化物からなるフィラーを含有する保護層を設けることが、特開昭57−30846号公報、特開平4−281461号公報(特許文献2)で提案されている。
しかしながら、これらの方法を採用した有機系感光体は、耐摩耗性は良好であるものの未だ充分ではない上に、トナー成分等によるフィルミングを生じやすいものであったり、フィラーの保護層中での分散性が良好でないことによる凝集体によりクリーニングブレードの密着性が低下してクリーニング不良を生じやすいものであったり、また感光体の静電的安定性や耐久性に悪影響を与えやすいものであったりして、未だ所望の特性が得られていないのが実情である。
また感光体表面層に架橋性オルガノポリシロキサン樹脂層を保護層として設けることが特開昭61−72256号、同61−51155号公報、特開平1−217364号公報、同1−200366号公報、同3−129360号公報、同3−155558号公報、同3−139655号公報、同5−40359号公報等で提案されている。
しかしながら、このような架橋性オルガノポリシロキサン樹脂層を設ける方法では、表面の機械的強度・耐摩耗性は従来の感光体に比べて大きくなるもののなお充分ではない。また、感光体の帯電性、感度・残留電位等はかえって悪化してしまうことがあること、高温高湿下のような条件では画像流れを生じて鮮明な画像が得られなくなることが問題であった。
このように、架橋性オルガノポリシロキサン樹脂を適用しようとする試みは数多いものの、その性能は未だに実用レベルの感光体にはほど遠い状況にあるのが実体である。
さらに、感光体表面の保護層材料として反応性アクリロイル基またはメタクリロイル基を有する放射線硬化型樹脂を用いた感光体が特開平4−226469号公報(特許文献3)、特開平9−319130号公報、特開2000−310871号公報、特開2001−125297号公報等で提案されている。
これらの材料を用いることにより耐磨耗性は向上するが硬化が十分でなく、感光体表面に近くなるほど未反応物質多くなるためトナー成分等のフィルミングを生じやすいものであった。
特開2001−194833号公報 特開平4−281461号公報 特開平4−226469号公報
本発明の目的は、上述のごとき問題点を解決し、キャリア付着がなく、ざらつきのない均一なハーフトーン画像を得るとともに、その状態を経時において維持する現像方法及び現像装置を提供することである。
本発明によれば、以下に示す現像方法及び現像装置が提供される。
〔1〕 少なくとも現像剤担持体を有し、該現像剤担持体が非磁性スリーブと当該スリーブ内に固定配置された磁石ローラとからなり、該磁石ローラが現像剤汲み上げ磁極、現像剤搬送磁極、現像剤穂立ちのための主磁極を備える現像装置を用いて、少なくとも着色剤含有樹脂粒子を有するトナーと、キャリアとを含有する二成分系現像剤を、前記現像剤汲み上げ磁極により現像剤担持体に汲み上げると共に、前記主磁極により現像剤担持体上に磁気ブラシを形成し、前記現像剤搬送磁極により潜像担持体に現像剤を摺擦させて潜像を可視像化する現像方法において、前記キャリアの重量平均粒径が35〜55μmであると共に、22μmより小さい粒径のキャリア粒子が0〜15%、88μmより大きい粒径のキャリア粒子が0〜5%であり、該キャリアの芯材の表面にはシリコーン樹脂を主成分とする樹脂からなる被覆層が形成され、該被覆層にはカーボンブラックが4〜20%含有されており、且つ前記潜像担持体が導電性基体上に少なくとも感光層及び表面保護層とを順次積層してなる電子写真感光体であり、該感光体の表面保護層が少なくとも放射線架橋剤と電荷輸送物質を含有すると共に、酸素濃度5%以下の雰囲気で放射線架橋されていることを特徴とする現像方法。
〔2〕 該キャリアの1000エルステッドの印加磁場に対する飽和磁化が、40〜120emu/gであることを特徴とする前記〔1〕に記載の現像方法。
〔3〕 少なくとも現像剤担持体を有し、該現像剤担持体が非磁性スリーブと当該スリーブ内に固定配置された磁石ローラとからなり、該磁石ローラが現像剤汲み上げ磁極、現像剤搬送磁極、現像剤穂立ちのための主磁極を備える現像装置を用いて、少なくとも着色剤含有樹脂粒子を有するトナーと、キャリアとを含有する二成分系現像剤を、前記現像剤汲み上げ磁極により現像剤担持体に汲み上げると共に、前記主磁極により現像剤担持体上に磁気ブラシを形成し、前記現像剤搬送磁極により潜像担持体に現像剤を摺擦させて潜像を可視像化する現像装置において、前記潜像担持体が導電性基体上に少なくとも感光層及び表面保護層とを順次積層してなる電子写真感光体であり、該感光体の表面保護層が少なくとも放射線架橋剤と電荷輸送物質を含有すると共に、酸素濃度5%以下の雰囲気で放射線架橋されていることを特徴とする現像装置。
〔4〕 該感光体の表面保護層に含有される電荷輸送物質の含有量が30重量%以上50重量%以下であることを特徴とする前記〔〕に記載の現像装置。
請求項1に係わる発明は、二成分系現像剤の樹脂被覆キャリア粒子の粒径を規定し、その被覆樹脂層に適量のカーボンブラックを含有させておき、さらにキャリア粒子の流動度とその芯材の流動度とに一定の関係をもたせて小粒径化を図ったことにより、キャリア付着がなく均一なハーフトーン画像が得られる。
請求項に係わる発明によれば、請求項1に係わる発明の効果がさらに向上する。
請求項3に係わる発明によれば、感光体の耐磨耗性を向上することにより、長期にわたって高画質を維持できる現像装置を提供することができる。
請求項に係わる発明によれば、感光体の表面保護層に含有される電荷輸送物質の含有量を30重量%以上50重量%以下とすることで、十分な光減衰時間を得ることができ、かつ電荷輸送物質が架橋剤の架橋反応を妨げることがない感光体を有する現像装置を提供することができる。
以下、本発明の現像装置、該現像装置が取付けられた画像形成装置を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の現像装置を適用した画像形成装置の概略図である。潜像坦持体としての感光体ドラム11の周囲には、ドラム回転方向に沿って帯電装置12、露光装置14、現像装置15、転写装置16、クリーニング装置17が配置されている。なお、図では周辺装置を省略している。
感光体ドラム11は、図示しないモータ等の駆動手段によって画像形成時には一定速度で矢印方向に回転駆動される。そして帯電装置12により一様に帯電された後に、露光装置14により原稿に応じて部分的に露光光線が照射され、感光体ドラム11上に静電潜像が形成される。すなわち、未照射部分が背景部となり、照射部分が画像部となる。その後、静電潜像は現像装置15によって現像される。現像は現像スリーブに図示しない電源から現像バイアス電圧を印加することによって行う。現像されて可視化されたトナー像は、図示しない給紙部から搬送されてくる転写紙上に転写装置により転写した後、図示しない定着装置により定着されて画像形成される。さらに感光体ドラム上に残留した未転写トナーはクリーニング装置17において、クリーニングブレードによって感光体ドラム11上から除去され、クリーニング装置17内に回収される。その後、感光体ドラム11の表面は、図示しない除電装置により残留電荷が除去される。なお、トナー像を転写する対象は転写紙に限るわけではなく、トナー像を一時的に保持する中間転写体等の画像保持手段であってもよい。
図2は、現像装置15の概略構成を示す部分断面図である。この現像装置15は円筒状の感光体ドラム11の側方に配置され、感光体ドラム11に向けて開口部が形成された本体ケース6と、この開口部から一部露出し、トナー及び磁性粉末キャリアからなる現像剤9を表面に坦持する現像剤坦持体としての現像ローラと、現像スリーブ4上に搬送されてきた現像剤の量を規制する現像剤規制部材としてのドクターブレード5と、現像スリーブ4に平行且つ対向配置されたパドル8とを含んで構成されている。
前記現像ローラは非磁性材料からなる円筒状の現像スリーブ4と、内部に固定された磁界発生手段としてのマグネットローラの磁石とから構成されており、現像スリーブ4はこの磁石の周りを自在に回転することができる。
磁石には感光体ドラムの対向部位に主極(P1極)22が配置され、反時計回り方向にS極とN極が交互に配置されているが、現像剤9を現像スリーブ4から剥離するために、感光体ドラム11との対向部より現像スリーブ回転方向下流位置で、同極性の磁極が隣接して配置されている。主磁極22、剤離れ磁極20、汲み上げ磁極21、ドクターブレード5と現像スリーブ4の好ましい関係の一例を図5に示す。図5においては、剤離れ磁極20を作るために、現像スリーブ4に同極性の磁石が2つ並んで配置されている。尚、図5の23は合成磁束密度を表す線である。
なお、本実施例において現像スリーブ4の材質としてはアルミニウムを用い、表面をサンドブラスト仕上げしたものを用いている。
次に現像スリーブ4まわりの現像プロセスについて説明する。
現像剤9は、現像装置内での攪拌作用によって摩擦帯電され、プラス帯電したキャリアのまわりにマイナス帯電したトナーが付着する。そして、図示しないモータによりパドルが反時計回りに回転すると、本体ケース6内部の現像剤9がパドル8により現像スリーブ4に搬送される。このとき、現像剤9は現像ローラ内部の磁石による磁力によって現像スリーブ4表面に引き付けられ、磁気ブラシを形成する。次にドクターブレード5により層厚を規制された現像剤9は、感光体に最近接する部位まで搬送され、トナーが静電潜像に電気的に付着する。
本発明の現像方法においては上記現像装置が好適に用いられ、更に次に説明するキャリアが用いられる。
本発明に用いるキャリアは重量平均粒径が35〜55μmである。そして、該キャリアの粒度分布においては、22μmより小さい粒径のキャリア粒子が0〜15%、好ましくは0〜10%、より好ましくは0〜6%であり、また88μmより大きい粒径のキャリア粒子が0〜5%、好ましくは0〜3%である。この粒度分布の制御は、例えば小さいキャリア粒子は気流分級により、大きいキャリア粒子はメッシュによって行うことができる。
キャリアの重量平均粒径が35μm未満では、キャリアが潜像担持体上に付着され易くなり、潜像担持体やクリーニングブレードや帯電ローラを傷つけ易くなる。一方、キャリアの重量平均粒径が55μmより大きいと、特に小粒径トナーとの組合せにおいては、キャリアのトナー保持能力が低下し、ベタ画像の濃度ムラ、トナー飛散、地汚れ等が発生しやすくなる。
微粉(粒径が22μmより小さいキャリア粒子)の存在量が上記の値を超えると、潜像担持体へのキャリア付着が発生しやすく、またトナーとの円滑な帯電を妨げられる。一方、粗粉(粒径が88μm以上の大きいキャリア粒子)の存在量が上記値を超えると、現像ローラ上の磁気ブラシが粗くなりやすく、画像のざらつき感が悪くなる。
ところで、キャリアを小粒径化した場合に生じる弊害として現像剤の流動性が低下し、現像器中の現像剤が循環しにくくなることが挙げられる。この対策として現像器中の撹拌強度を高めるなどの装置条件の変更があげられるが、現像剤および現像器の耐久寿命を短かくするなどの問題を生じるため、好ましいものではない。
そこで、本発明においては現像剤として高い流動性を確保する事が重要であり、現像剤の流動性確保の手段として、流動性の高い被覆樹脂を選択すること、及び球形度等を調整することが好ましい。
本発明で用いるキャリアは樹脂からなる被覆層が形成されており、被覆層を構成する樹脂の主成分がシリコーン樹脂であり、該被覆層はカーボンブラックを4〜20%、好ましくは6〜12%含有している。シリコーン樹脂は低表面エネルギー材料であり、元来、高流動性を有するキャリアの材料として使用されている。しかし、上述したように近年のキャリアの小粒径化にともない、単にシリコーン樹脂を芯材にコートしただけのキャリアでは、流動性が低いことが分かっている。ところが、シリコーン樹脂を主成分としたキャリア被覆層にカーボンブラックを4〜20%、好ましくは6〜12%の範囲で含有させると飛躍的に流動性が向上するようになる。これはおそらくキャリア表面層に一部カーボンブラックが露出し、それが滑剤的な働きをし、流動性を向上させたものと考えられる。この流動性の良さが本発明の二成分系現像剤およびそれを用いる現像装置とマッチする。
本発明におけるカーボンブラックの含有量はキャリア被覆層を形成する被覆樹脂の固形分全量に対する数値である。カーボンブラックの含有量が4%未満であると、キャリア最表面に露出するカーボンブラック量が乏しく、本発明のキャリアに必要な流動性が得られにくい。一方、カーボンブラックの含有量が20%を超えると、キャリア付着が多発するようになる。ここで言うキャリア付着とは、現像バイアスによって電荷注入されたキャリアが感光体上の画像部位に現像される現象であり、キャリア最表層にカーボンブラックが多量に存在すると、それに対して電荷注入が生じ易くなる。その結果、黒べた画像を形成する際に、その画像中にキャリアが存在することにより生じる白抜け現象が生じるようになる。
また、キャリアの流動性を向上させるには、キャリアの形状を制御すること、すなわちキャリアの球形度を上げる手段をとることが効果的である。
本発明においては、キャリアの形状をワーデルの実用球形度Ψwで規定する。本発明におけるワーデルの実用球形度Ψwは、式Ψw=(粒子の投影面積に等しい円の直径)/(粒子の投影像に外接する最小円の直径)で求められる値である。本発明のキャリアはΨwが0.6以上であることが好ましく、より好ましくはΨwが0.75以上であり、理想的にはΨw=1.0である。この範囲を超えて球形から外れた異形化キャリアにおいては、前述の様に現像剤の流動性および撹拌効率に問題を生じることがある。
一般に、キャリアを小粒径にするに従って球形度を上げる事は困難になる。そこで、球形度を前述のように調節は、製造条件の調整、例えばスプレードライ法を用いる場合には、スラリーの粘度の調節、温度、添加物の利用によって行なうことができる。但し、球形度の調整方法はこの方法に限定されるものではなく、他の方法においても芯材の焼成温度の調整などによって行う事が可能である。
また芯材はその焼結温度により芯材の表面性が異なってくる。そしてその表面性が荒れることにより、流動性が悪くなることがあるので、本発明のキャリアには好ましくない。芯材の表面性および球形度等を適正化することにより、高流動性のキャリアが得られる。
ところで、キャリアはその磁気特性により現像スリーブに内蔵されたマグネットローラでスリーブ表面に担持され、現像剤として攪拌・循環される。従って、キャリアの磁気特性は、現像剤の現像特性及びトナーの搬送性に大きく影響を及ぼすものである。本発明ではキャリアの飽和磁化(1000エルステッドの印加磁場に対して)が好ましくは40〜120emu/g、より好ましくは70〜120emu/gのとき、画像ハーフトーンの均一性や階調再現性に優れたものとなる。飽和磁化が120emu/g(1000エルステッドの印加磁場に対して)より大きいと、現像時感光体上の静電潜像に対向した現像スリーブ上のキャリアとトナーにより構成される磁気ブラシの固さが強くなり、隣り合う磁気ブラシ同士の反発力が大きくなるため、磁気ブラシが疎になりやすく、ハーフトーンのざらつきが悪くなる。また、40emu/g(1000エルステッドの印加磁場に対して)未満であると、現像剤を現像スリーブ上に良好に保持することが困難になり、キャリア付着やキャリア飛散といった問題が発生しやすくなる。
本発明ではキャリアの飽和磁化(1000エルステッドの印加磁場に対して)が70〜120emu/gのとき、特にハーフトーン画像の均一性や階調再現性にすぐれていることに加え、比較的磁化が高いことからトナーに対して摩擦帯電量の付与効果が高く、トナー飛散や地汚れに対する改善効果がより高くなる。
本発明でキャリアの被覆樹脂として用いられるシリコーン樹脂は、従来より知られているいずれのシリコーン樹脂であってもよく、例えば市販品として入手できる信越シリコーン社製のKR261、KR271、KR272、KR275、KR280、KR282、KR285、KR251、KR155、KR220、KR201、KR204、KR205、KR206、SA−4、ES1001、ES1001N、ES1002T、KR3093や、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製のSR2100、SR2101、SR2107、SR2110、SR2108、SR2109、SR2115、SR2400、SR2410、SR2411、SH805、SH806A、SH840等が用いられる。より好ましくは流動性の高いジメチルシリコーン樹脂である。
本発明でキャリアの被覆樹脂層に加えられるカーボンブラックとしては、導電性カーボン等公知のものが使用でき、例えばファーネスブラック(市販品としては、キャボット社製Black Peari 2000、Carbolacl:ライオンアクゾ社製ケッチニングブラックEC、ケッチェングブラックEC−DJ 500、ケッチェンブラックEC−DJ600等がある)、アセチレンブラック(市販品としては電気化学工業社製デンカブラック粒状、デンカブラック粉状;ポストマン社製Anacarbon等がある)等が挙げられる。
本発明に使用されるキャリアの芯材としては、例えば表面酸化または未酸化の鉄、磁性体分散樹脂粒子、フェライト粒子、マグネタイト粒子等が使用できる。このような芯材は、磁性材料のみから構成されていてもよく、また磁性材料と非磁性材料との結合体から構成されていてもよく、更には二種以上の磁性粒子の混合物であっても良い。
この芯材の表面を上記被覆樹脂で被覆する方法としては、該樹脂およびカーボンブラックを溶剤中に溶解もしくは懸濁せしめて芯材表面に塗布し、上記樹脂、カーボンブラックを磁性粒子等からなる芯材に付着せしめる方法が好ましいが、特に限定されない。
上記被覆樹脂の処理量は被覆材の成膜性や耐久性から一般にキャリア総量の1〜3%が好ましい。より好ましくは1.5〜2.5%である。1%未満であると、キャリア芯材の表面をほぼ一様に樹脂被覆できないため、現像領域でキャリア付着や絶縁破壊による白抜け等が発生する。一方、3%を超えても成膜性が向上するわけでもなく、かえって現像剤の流動性を低下させることとなる。
また近年のトナーの小粒径化傾向に伴い、トナーの重量あたりの表面積が増大し、摺擦による過剰帯電を生じやすくなっている。これに対して帯電を制御し、流動性を付与できる酸化チタン微粒子を表面層に含有するのが望ましい。本発明に好適な酸化チタンのトナーへの含有量は0.1〜2%、好ましくは0.2〜1.5%、より好ましくは0.3〜1%である。また、この酸化チタンの粒径は5〜50nm、好ましくは10〜30nmである。
本発明で用いるトナーは着色剤及び結着樹脂を主成分としてなるが、トナーの荷電特性を安定化するために荷電制御剤を配合しても良い。その際トナーの色調に影響を与えない無色又は淡色の荷電制御剤が好ましいが、各トナーの色特性をそこなわない限り、制限はうけない。その際の負荷電制御剤としては例えばアルキル置換サリチル酸の金属錯塩(例えばジ−tert−ブチルサリチル酸のクロム錯塩又は亜鉛錯塩又は鉄錯塩)の如き有機金属錯塩が挙げられる。負荷電制御剤をトナーに配合する場合には結着樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜2重量部添加するのが良い。
本発明のトナーに使用される着色剤としては、公知の染顔料、例えばフタロシアニンブルー、メチレンブルー、ビクトリアブルー、メチルバイオレット、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、インダスレンブルー、ピーコックブルー、ローダミン6Gレーキ、ジメチルキナクリドン、ウォッチングレッド、ローズベンガル、ローダミンB、アリザリンレーキ、クロムイエロー、ベンジジンイエロー、ハンザイエロー、ナフトールイエロー、モリブデンオレンジ、キノリンイエロー、タートラジン、カーボンブラック等広く使用することができる。その含有量としては、OHPフィルムの透過性に対し敏感に反映するよう結着樹脂100重量部に対して12重量部以下であり、好ましくは0.5〜9重量部である。
本発明で用いるトナーの結着樹脂としては、この分野で用いられているもののすべてが使用でき、特に好ましい樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリオール樹脂、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸エステル系樹脂があげられる。
本発明で用いるトナーには必要に応じてトナーの特性を損ねない範囲で添加剤を混合しても良いが、そのような添加剤としては、例えばテフロン(登録商標)、ステアリン酸亜鉛、ポリフッ化ビニリデンの如き滑剤、あるいは定着助剤(例えば低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレンなど)、有機樹脂粒子等がある。
本発明に係るトナーとキャリアとの混合比率は現像剤中のトナー濃度として、2〜15%、好ましくは3〜9%にすると通常良好な結果が得られる。トナー濃度が2%未満では画像濃度が低く実用不可となり、15%を超えると地汚れやトナー飛散が増加し、現像剤の耐用寿命を縮める。
続いて、本発明の二成分系現像剤に係る特性値の測定法について述べる。
(1)キャリアの磁気特性:測定装置は、BHU−60型磁化測定装置(理研測定社製)を用いる。具体的には、測定試料は約1.0g秤量し、内径φ7mm、高さ10mmのセルにつめ、前記の測定装置にセットする。測定は印加磁場を徐々に加え最大3000エルステッドまで変化させる。次いで印加磁場を減少せしめ、最終的に記録紙上に試料のヒステリシスカーブを得る。これより、飽和磁化を求める。
(2)キャリアの粒度分布の測定:測定装置は、マイクロトラック粒度分析計(日機装社製)のSRAタイプを使用し、0.7〜125μmのレンジ設定で行う。
(3)トナー粒度測定:粒度分布については、種々の方法によって測定できるが、本発明においてはコールターカウンターを用いて行う。
次に、本発明で用いる潜像坦持体である電子写真感光体について図を用いて説明する。
図3は本発明で用いられる積層型電子写真感光体の概略断面図である。図4は本発明で用いられる他の積層型電子写真感光体の概略断面図である。
本発明で用いられる電子写真感光体は導電性支持体(導電性基体)31上に感光層32が設けられており、この感光層32は電荷発生材料を主成分とする電荷発生層33と、電荷輸送材料を主成分とする電荷輸送層34との積層で形成されている。そして本発明においては、このような電子写真感光体の表層として表面保護層35が形成される。この表面保護層35については後述する。
導電性支持体31としては、体積抵抗1010Ωcm以下の導電性を示すもの、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、銀、金、白金等の金属、酸化スズ、酸化インジウム等の金属酸化物を、蒸着又はスパッタリングにより、フィルム状又は円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレス等の板又はそれらを素管化後、切削、超仕上げ、研磨等で表面処理した管等からなるものを挙げることができる。
電荷発生層33は、電荷発生材料を主成分とする層である。電荷発生材料には、無機又は有機材料が用いられ、代表的なものとしては、モノアゾ顔料、ジスアゾ顔料、トリスアゾ顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、キナクリドン系顔料、キノン系縮合多環化合物、スクアリック酸系染料、フタロシアニン系顔料、ナフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩系染料、セレン、セレン−テルル合金、セレン−ヒ素合金、アモルファス・シリコン等が挙げられる。これら電荷発生材料は、単独で用いてもよく、2種以上混合して用いてもよい。
電荷発生層33は、電荷発生材料を適宜バインダー樹脂とともに、テトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ジオキサン、2−ブタノン、ジクロルエタン等の溶媒を用いて、ボールミル、アトライター、サンドミルなどにより分散し、分散液を塗布することにより形成できる。塗布は、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート法等により行う。
前記の適宜用いられるバインダー樹脂としては、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリケトン樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリビニルケトン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリアミド樹脂等を挙げることができる。バインダー樹脂の量は、重量基準で電荷発生材料1部に対して0〜2部が適当である。
電荷発生層33は、公知の真空薄膜作製法によっても形成することができる。電荷発生層33の膜厚は、通常は0.01〜5μm、好ましくは0.1〜2μmである。
電荷輸送層34は、電荷輸送材料及びバインダー樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥することにより形成できる。また、必要により可塑剤やレベリング剤等を添加することもできる。
電荷輸送材料のうち、低分子電荷輸送材料には、電子輸送材料と正孔輸送材料とがある。
電子輸送材料としては、例えば、クロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2、4、7−トリニトロ−9−フルオレノン、2、4、5、7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2、4、5、7−テトラニトロキサントン、2、4,8−トリニトロチオキサントン、2、6、8−トリニトロ−4H−インデノ〔1、2−b〕チオフェン−4オン、1、3、7−トリニトロジベンゾチオフェン−5、5−ジオキサイド等の電子受容性物質が挙げられる。これらの電子輸送材料は、単独で用いてもよく、2種以上の混合物として用いてもよい。
正孔輸送材料としては、例えば、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体、9−(p−ジエチルアミノスチリルアントラセン)、1、1−ビス−(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、フェニルヒドラゾン類、α−フェニルスチルベン誘導体、チアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナジン誘導体、アクリジン誘導体、ベンゾフラン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、チオフェン誘導体等の電子供与性物質が挙げられる。これらの正孔輸送材料は、単独で用いてもよく、2種以上の混合物として用いてもよい。
また、電荷輸送材料として高分子電荷輸送材料を用いる場合、適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥して電荷輸送層を形成してもよい。高分子電荷輸送材料は、上記低分子電荷輸送材料に電荷輸送性置換基を主鎖又は側鎖に有した材料であればよい。特に好ましい高分子電荷輸送材料はポリカーボネート、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエーテルなどであり、中でもトリアリールアミン構造を有するポリカーボネートの使用が有利である。
さらに必要により、高分子電荷輸送材料にバインダー樹脂、低分子電荷輸送材料、可塑剤、レベリング剤、潤滑剤等を適量添加することもできる。
電荷輸送材料と共に電荷輸送層34に使用されるバインダー樹脂としては、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリビニルトルエン樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂等の熱可塑性又は熱硬化性樹脂が挙げられる。
必要により電荷輸送層34に添加される可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等、樹脂に汎用の可塑剤を挙げることができ、その使用量は、重量基準でバインダー樹脂に対して0〜30%程度が適当である。
必要により電荷輸送層34に添加されるレベリング剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマー又はオリゴマーが挙げられ、その使用量は、重量基準でバインダー樹脂に対して0〜1%程度が適当である。
電荷輸送層34を形成するために用いられる溶剤としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、2−ブタノン、モノクロルベンゼン、ジクロルエタン、塩化メチレン等が挙げられる。
電荷輸送層34の厚さは、5〜30μmの範囲で所望の感光体特性に応じて適宜選択すればよい。
上記感光層32に含有される電荷輸送材料の含有量は、電荷輸送層の40重量%以上とするのが好ましい。40重量%未満では、感光体へのレーザ書き込みにおけるパルス光露光において高速電子写真プロセスでの十分な光減衰時間が得られず好ましくない。
本発明で用いられる電子写真感光体における電荷輸送層移動度は、2.5×10〜5.5×10V/cmの範囲の電荷輸送層電界強度の条件下で、3×10−5cm/V・s以上であることが好ましく、7×10−5cm/V・s以上であることがより好ましい。この移動度は、各使用条件下でこれを達成するように構成を適宜調整できる。この移動度は、従来公知のTOF(Time Of Flight)法により求めればよい。
本発明で用いられる積層型電子写真感光体には、導電性支持体31と感光層との間に下引き層を形成することができる。下引き層は一般に樹脂を主成分とするが、これらの樹脂はその上に感光層を溶剤を用いて塗布することを考慮すると、一般の有機溶剤に対して耐溶解性の高い樹脂であることが望ましい。
このような樹脂としては、ポリビニルアルコール樹脂、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン樹脂、メラミン樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等三次元網目構造を形成する硬化型樹脂等が挙げられる。
また、下引き層には、モアレ防止、残留電位の低減等のために、酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等の金属酸化物の微粉末を加えてもよい。
さらに、下引き層として、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用して、例えば、ゾル−ゲル法等により形成した金属酸化物層を用いることも有用である。この他に、下引き層には、Alを陽極酸化したものにより形成したもの、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物、SiO、SnO、TiO、ITO、CeO等の無機物を真空薄膜作製法により形成したものも有効である。
この下引き層は、上記の感光層と同様、適当な溶媒、塗工法を用いて形成することができる。
下引き層の膜厚は、0〜5μmが適当である。
次に表面保護層35について説明する。表面保護層35の形成には溶媒等を使用する場合があるが、この場合の溶媒としては下引き層、感光層形成用の溶媒と同様のものが挙げられる。またこれらの溶媒の代わりに、取扱いを容易にするため反応性稀釈剤を使用することができる。反応性稀釈剤としては2−エチルヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリトリットトリアクリレート等が挙げられる。表面保護層35の膜厚は2〜10μmが適当である。表面保護層35の形成に用いられる放射線架橋剤としては放射線照射により重合反応を起こし、硬化して樹脂となるモノマー又はオリゴマー(又はプレポリマー)であれば全て使用できる。
このようなモノマー又はオリゴマーとしては(ポリ)エステルアクリレート、(ポリ)ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリブタジエンアクリレート、シリコーンアクリレート等やメラミンアクリレートがある。(ポリ)エステルアクリレートは1,6−ヘキサンジオール、プロピレングリコール(プロピレンオキサイドとして)、ジエチレングリコール等の多価アルコールとアジピン酸、無水フタル酸、トリメリット酸等の多塩基酸とアクリル酸とを反応させたものである。その構造例を(a)〜(c)に示す。
(a)アジピン酸/1,6−ヘキサンジオール/アクリル酸
(b)無水フタル酸/プロピレンオキサイド/アクリル酸
(c)トリメリット酸/ジエチレングリコール/アクリル酸
(ポリ)ウレタンアクリレートは、トリレンジイソシアネート(TDI)のようなイソシアネート基を有する化合物に、ヒドロキシル基を有するアクリレートを反応させたものである。その構造例を(d)に示す。なお、HEAは2−ヒドロキシエチルアクリレート、HDOは1,6−ヘキサンジオール、ADAはアジピン酸の略である。
(d)HEA/TDI/HDO/ADA/HDO/TDI/HEA
エポキシアクリレートは、構造から大別してビスフェノールA型、ノボラック型及び脂環型とがあり、これらエポキシ樹脂のエポキシ基をアクリル酸でエステル化し官能基をアクリロイル基としたものである。その構造例を(e)〜(g)に示す。
(e)ビスフェノールA−エピクロルヒドリン型/アクリル酸
(f)フェノールノボラック−エピクロルヒドリン型/アクリル酸
(g)脂環型/アクリル酸
ポリブタジエンアクリレートは、末端OH基含有1,2ポリブタジエンにイソシアネートや1,2−メルカプトエタノール等を反応させてから、更にアクリル酸等を反応させたものである。その構造例を(h)に示す。
(h)
シリコーンアクリレートは、例えば、有機官能性トリメトキシシランとシラノール基含有ポリシロキサンとの縮合反応(脱メタノール反応)によりメタクリル変性したものであり、その構造例を(i)に示す。
(i)
これらの架橋剤は単独で又は2種以上が混合して使用される。
前記の架橋剤の中では、2官能モノマーよりも多官能モノマーが好ましい。さらに多官能モノマーにおいても分子鎖が短く架橋密度が高い、分子量/官能基数が200以下となるもの少なくとも1種含まれることが好ましい。
前記表面保護層35が含有する放射線架橋樹脂を架橋するために使用される光重合開始剤はラジカル反応型とイオン反応型に大別でき、更にラジカル反応型は光開裂型と水素引抜き型とに分けられる。光重合開始剤の例としては次のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
1.ベンゾインエーテル
イソブチルベンゾインエーテル
イソプロピルベンゾインエーテル
ベンゾインエチルエーテル
ベンゾインメチルエーテル
2.α−アシロキシムエステル
1−フェニル−1
2−プロパンジオン−2−(o−エトキシシカルボニル)オキシム
3.ベンジルケタール
2、2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノンベンジル
ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン
4.アセトフェノン誘導体
ジエトキシアセトフェノン
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン
5.ケトン−(ケトン−アミン系)
ベンゾフェノン
クロロチオキサントン
2−クロロチオキサントン
イソプロピルチオキサントン
2−メチルチオキサントン
塩素置換ベンゾフェノン
これらの光重合開始剤は、単独で又は2種以上混合して使用される。添加量としては架橋剤1重量部に対して0.005〜1.0重量部が好ましく、更に好ましくは0.01〜0.5重量部である。
表面保護層35が含有する放射線架橋樹脂を架橋するために使用される光重合促進剤は、ベンゾフェノン系やチオキサントン系などの水素引抜きタイプの光重合開始剤に対し、硬化速度を向上させる効果があるものであり、例えば芳香族系の第3級アミンや脂肪族アミン系のものがある。具体的には、P−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、P−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステルなどが挙げられる。
これら光重合促進剤は単独で又は2種以上混合して使用される。添加量としては光重合開始剤1重量部に対して0.1〜5重量部が好ましく、更に好ましくは0.3〜3重量部である。
これらの架橋剤を硬化する際の雰囲気中の酸素が硬化を阻害するため、表面の硬化度合が低くなることが知られている。これが、表面保護層35のキズ、フィルミング、磨耗の原因となる。上記酸素阻害を防止する方法としては、酸素濃度が5%以下の雰囲気で硬化性樹脂を硬化することが挙げられる。好ましくは2%以下である。酸素阻害を防止することで、硬化性樹脂は表面まで完全に硬化する。
表面保護層35が含有する放射線架橋樹脂を架橋するために用いられる放射線照射装置としては紫外線照射装置、電子線照射装置等が挙げられる。
該紫外線照射装置は、光源、灯具、電源、冷却装置、搬送装置から構成されている。光源には水銀ランプ、メタルハライドランプ、カリウムランプ、水銀キセノンランプ、フラッシュランプがあるが、前記した光重合開始剤及び光重合促進剤の紫外線吸収波長に対応した発光スペクトルを有する光源を使用すればよい。また紫外線照射条件については、架橋剤を架橋するために必要な照射エネルギーに応じてランプ出力、搬送速度を決めればよい。紫外線照射時に発生したラジカルは数時間残留するため滞留時間を設けることにより残留モノマーの反応が進むことが確認されている。
さらに前記した表面保護層35の架橋剤は電子線を用いて架橋させることもできる。電子線により架橋をする場合は光重合開始剤を必要としない。但し電子線は透過力が大きく感光特性に影響が大きいため安定した生産性が得られにくい。
また、電子線を用いる場合も酸素阻害やオゾン発生等より酸素濃度は2%以下とする必要がある。
表面保護層35に用いられる電荷輸送物質は、前記電荷輸送層34に用いられるそれと同じ材料が用いられるが、好ましくはアクリレート若しくはメタクリレート付加物が好ましい。該電荷輸送材料のアクリレート若しくはメタクリレート基がバインダーとなる架橋剤の官能基と架橋反応することにより塗膜構造が安定しより耐傷、耐磨耗性に優れた表面保護層35を得ることができる。
表面保護層35に含有される電荷輸送材料の含有量は、電荷輸送層の30重量%以上50重量%以下とするのが好ましい。30重量%未満では、感光体へのレーザ書き込みにおけるパルス光露光において高速電子写真プロセスでの十分な光減衰時間が得られず好ましくない。50重量%を超えると架橋剤の架橋反応に著しく悪影響を与えるからである。
本発明で用いられる電子写真感光体においては、感光層32と表面保護層35との間に別の中間層を形成することも可能である。中間層には、一般にバインダー樹脂を主成分として用いる。このバインダー樹脂としては、ポリアミド樹脂、アルコール可溶性ナイロン、水溶性ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂等を挙げることができる。
中間層の形成法としては、上記の通常の塗布法が採用される。中間層の厚さは、0.05〜2μm程度が適当である。
また、本発明で用いられる電子写真感光体においては、耐環境性の改善のため、とりわけ、感度低下、残留電位の上昇を防止する目的で、各層に酸化防止剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤、低分子電荷輸送物質およびレベリング剤を添加することができる。
各層に添加できる酸化防止剤としては下記のようなものが例示できる。
フェノール系化合物:2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、n−オクタデシル−3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3−ビス(4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェニル)ブチリックアッシド]グリコールエステル、トコフェロール類等。
パラフェニレンジアミン類:N−フェニル−N−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N−ジメチル−N,N−ジ−t−ブチル−p−フェニレンジアミン等。
ハイドロキノン類:2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノン等。
有機硫黄化合物類:ジラウリル−3,3−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3−チオジプロピオネート、ジテトラデシル−3,3−チオジプロピオネート等。
有機燐化合物類:トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィン等。
各層に添加できる可塑剤としては下記のようなものが例示できる。
リン酸エステル系可塑剤:リン酸トリフェニル、リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル、リン酸オクチルジフェニル、リン酸トリクロルエチル、リン酸クレジルジフェニル、リン酸トリブチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸トリフェニル等。
フタル酸エステル系可塑剤:フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソオクチル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジノニル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジウンデシル、フタル酸ジトリデシル、フタル酸ジシクロヘキシル、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ブチルラウリル、フタル酸メチルオレイル、フタル酸オクチルデシル、フマル酸ジブチル、フマル酸ジオクチル等。
芳香族カルボン酸エステル系可塑剤:トリメリット酸トリオクチル、トリメリット酸トリ−n−オクチル、オキシ安息香酸オクチル等。
脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤:アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジ−n−ヘキシル、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、アジピン酸ジ−n−オクチル、アジピン酸−n−オクチル−n−デシル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ジカプリル、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジメチル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジ−n−オクチル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジ−2−エトキシエチル、コハク酸ジオクチル、コハク酸ジイソデシル、テトラヒドロフタル酸ジオクチル、テトラヒドロフタル酸ジ−n−オクチル等。
脂肪酸エステル誘導体系可塑剤:オレイン酸ブチル、グリセリンモノオレイン酸エステル、アセチルリシノール酸メチル、ペンタエリスリトールエステル、ジペンタエリスリトールヘキサエステル、トリアセチン、トリブチリン等。
オキシ酸エステル系可塑剤:アセチルリシノール酸メチル、アセチルリシノール酸ブチル、ブチルフタリルブチルグリコレート、アセチルクエン酸トリブチル等。
エポキシ系可塑剤:エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシステアリン酸ブチル、エポキシステアリン酸デシル、エポキシステアリン酸オクチル、エポキシステアリン酸ベンジル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジデシル等。
二価アルコールエステル系可塑剤:ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチラート等。
含塩素系可塑剤:塩素化パラフィン、塩素化ジフェニル、塩素化脂肪酸メチル、メトキシ塩素化脂肪酸メチル等。
ポリエステル系可塑剤:ポリプロピレンアジペート、ポリプロピレンセバケート、ポリエステル、アセチル化ポリエステル等。
スルホン酸誘導体系可塑剤:p−トルエンスルホンアミド、o−トルエンスルホンアミド、p−トルエンスルホンエチルアミド、o−トルエンスルホンエチルアミド、トルエンスルホン−N−エチルアミド、p−トルエンスルホン−N−シクロヘキシルアミド等。
クエン酸誘導体系可塑剤:クエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリ−2−エチルヘキシル、アセチルクエン酸−n−オクチルデシル等。
その他:ターフェニル、部分水添ターフェニル、ショウノウ、2−ニトロジフェニル、ジノニルナフタリン、アビエチン酸メチル等。
また、各層に添加できる滑剤としては下記のようなものが例示できる。
炭化水素系化合物:流動パラフィン、パラフィンワックス、マイクロワックス、低重合ポリエチレン等。
脂肪酸系化合物:ラウリン酸、ミリスチン酸、パルチミン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸等。
脂肪酸アミド系化合物:ステアリルアミド、パルミチルアミド、オレインアミド、メチレンビスステアロアミド、エチレンビスステアロアミド等。
エステル系化合物:脂肪酸の低級アルコールエステル、脂肪酸の多価アルコールエステル、脂肪酸ポリグリコールエステル等。
アルコール系化合物:セチルアルコール、ステアリルアルコール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリグリセロール等。
金属石けん:ステアリン酸鉛、ステアリン酸カドミウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム等。
天然ワックス:カルナバロウ、カンデリラロウ、蜜ロウ、鯨ロウ、イボタロウ、モンタンロウ等。
その他:シリコーン化合物、フッ素化合物等。
各層に添加できる紫外線吸収剤としては下記のようなものが例示できる。
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤:2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,2,4,4−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2−ジヒドロキシ4−メトキシベンゾフェノン等。
サルシレート系紫外線吸収剤:フェニルサルシレート、2,4ジ−t−ブチルフェニル3,5−ジ−t−ブチル4ヒドロキシベンゾエート等。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤:(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、(2−ヒドロキシ5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、(2−ヒドロキシ5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、(2−ヒドロキシ3−ターシャリブチル5−メチルフェニル)5−クロロベンゾトリアゾール等。
シアノアクリレート系紫外線吸収剤:エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、メチル2−カルボメトキシ3(パラメトキシ)アクリレート等。
クエンチャー(金属錯塩系)紫外線吸収剤:ニッケル(2,2チオビス(4−t−オクチル)フェノレート)ノルマルブチルアミン、ニッケルジブチルジチオカルバメート、ニッケルジブチルジチオカルバメート、コバルトジシクロヘキシルジチオホスフェート等。
HALS(ヒンダードアミン)系紫外線吸収剤:ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、1−[2−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−4−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピリジン、8−ベンジル−7,7,9,9−テトラメチル−3−オクチル−1,3,8−トリアザスピロ〔4,5〕ウンデカン−2,4−ジオン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン等。
さらに、上記電子写真感光体を用いる電子写真プロセスにおいては、保護層35上に滑材を供給する事により、耐摩耗性が良好な状態でのフィルミング抑制が可能である。ここで用いる滑材としては、ステアリン酸亜鉛、ラウリル酸亜鉛、ミリスチン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム等の脂肪酸金属セッケンや、ポリテトラフルオロエチレンやポリフッ化ビニリデンやPFA等のフッ素樹脂微粉末、ポリエチレンやポリプロピレン等のエチレン系樹脂微粉末等が挙げられる。特にステアリン酸亜鉛やステアリン酸カルシウムが好ましい。
上記感光体上に供給する滑材の量は、多すぎる場合には転写出力画像上への出力量も多くなり、定着不良の原因となり好ましくない。また、滑材の供給過剰により感光体表面の摩擦係数が0.1程度に低下した場合には画像濃度低下を引き起こし好ましくない。一方、滑材の供給量が少ない場合にはトナー成分の感光体上へのフィルミングが発生し、画像流れや中間調の不均一性を招き好ましくない。こうしたことを想定して、例えば、トナー中に粉末状滑材を含有させ感光体表面に供給する場合には、トナー中に0.1〜0.2重量%の含有量が好ましい。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
本実施例では、現像スリーブ径をφ30mm、感光体ドラム径をφ90mmとした。現像条件その他は、以下のように設定した。本実施例では粉砕トナーを用いたが、重合トナーなどでもかまわない。
現像ギャップ :0.40mm
汲上量 :50mg/cm
感光体線速 :245mm/s
スリーブ線速 :370mm/s
トナー粒径 :4.5μm粉砕トナー
トナー濃度 :キャリアのトナー被覆率40%に調整)
帯電量 :−20μC/g
前記条件で、転写紙上に画像形成を行い、ハーフトーン画像のざらつき感、キャリア付着等の異常画像の有無、地肌汚れ(地汚れ)を評価した。
また、電子写真感光体は以下に示すA、Bの2種類のものを用いた。
電子写真感光体A
直径30mmのアルミニウム基体上に、下記組成の下引き層塗工液、電荷発生層塗工液、電荷輸送層塗工液を、その順に塗布、乾燥し、3.5μmの下引き層、0.15μmの電荷発生層、20μmの電荷輸送層を積層し電子写真感光体Aを作成した。このとき各層の塗工は浸漬塗工法により行なった。
〔下引き層塗工液〕
二酸化チタン粉末 400部
メラミン樹脂 65部
アルキッド樹脂 120部
2−ブタノン 400部
〔電荷発生層塗工液〕
チタニルフタロシアニン 7部
ポリビニルブチラール 5部
2−ブタノン 400部
〔電荷輸送層塗工液〕
ポリカーボネート 10部
下記構造式(化10)の電荷輸送物質 8部
テトラヒドロフラン 200部
電子写真感光体B
電子写真感光体Aに下記組成の保護層塗工液をスプレー法により塗布、乾燥、硬化し5μmの保護層を積層して電子写真感光体を作製した。このときの硬化条件は紫外線線照射装置としてアイグラフィック社製紫外線照射装置を用い、酸素濃度5%の雰囲気で120W/cmのメタルハライド型紫外線ランプを用いラインスピード8m/minにて紫外線照射を行い感光体Bを作成した。
〔保護層塗工液〕
トリメチロロプロパントリアクリレート(日本化薬社製TMPTA) 10部
上記構造式(化10)の電荷輸送物質 7部
イルガキュア184(日本チバガイギ社ー製) 0.5部
テトラヒドロフラン 700部
シクロヘキサノン 200部
表1に示す現像剤と感光体の組合せで、初期画像、および10000枚連続プリント後の画質を比較した。
予測されたように、初期画像では各感光体で地汚れ、ハーフトーンざらつきに差はない(実施例1、2、比較例1、2)が、10000枚連続プリント後では、本発明の構成を用いた場合には感光体の耐磨耗性に強く、傷がつきにくいため、ハーフトーンざらつきはほとんど劣化していない(実施例1、2)。また、本発明の構成で用いた感光体は、表面エネルギーおよび平滑度が高いため、トナーフィルミングが発生せず、地汚れが良好であった。
また、キャリア粒径の分布において、88μmより大きいキャリアの存在率が5%よりも多いと、現像領域中において均一な磁気ブラシが形成されず、磁気ブラシと感光体表面との接触確率がばらつく。したがって現像能力にばらつきが生じ、ハーフトーン画像のざらつき感が悪くなった(比較例3、7)。
一方、22μmより小さいキャリアの存在率が15%よりも多いと、キャリアの磁気的拘束力が弱くなり、キャリア付着を発生しやすくなる(比較例4、8)。このような場合でも、感光体表面が固いBの感光体を用いた(比較例4)方がキャリア付着をしても感光体表面に傷がつかないため、10000枚連続プリント後のざらつき感の変化は小さかった。
別の比較例で、カーボンブラックの含有量を4%よりも少なくした場合には、現像剤の流動性が悪くなり、現像領域において均一な磁気ブラシが形成されなかった。したがって、磁気ブラシと感光体表面との接触確率がばらつき、ひいては現像能力にばらつきが生じ、ハーフトーン画像のざらつき感が悪くなった(比較例5、9)。
また別の比較例で、カーボンブラックの含有量を22%よりも多くした場合には、剤の流動性はよくなるが、キャリアの電気抵抗が低くなった。電気抵抗の低いキャリアは、キャリアへの電荷の注入が発生しやすく、キャリアがトナーと同極性に帯電してしまう危険性があり、このようなキャリアはトナーと同時に感光体に現像され、キャリア付着を発生した(比較例6、10)。
本発明の現像装置を適用した画像形成装置の概略図である。 本発明の現像装置の概略構成を示す部分断面図である。 本発明で用いられる積層型電子写真感光体の概略断面図である。 本発明で用いられる他の積層型電子写真感光体の概略断面図である。 磁極とスリーブとの関係をあらわす説明図である。
符号の説明
4 現像スリーブ
5 ドクターブレード
6 本体ケース
8 パドル
9 現像剤
11 感光体ドラム
12 帯電装置
14 露光装置
15 現像装置
16 転写装置
17 クリーニング装置
20 剤離れ磁極
21 汲み上げ磁極
22 主磁極
23 合成磁束密度
31 導電性支持体
32 感光層
33 電荷発生層
34 電荷輸送層
35 表面保護層

Claims (4)

  1. 少なくとも現像剤担持体を有し、該現像剤担持体が非磁性スリーブと当該スリーブ内に固定配置された磁石ローラとからなり、該磁石ローラが現像剤汲み上げ磁極、現像剤搬送磁極、現像剤穂立ちのための主磁極を備える現像装置を用いて、少なくとも着色剤含有樹脂粒子を有するトナーと、キャリアとを含有する二成分系現像剤を、前記現像剤汲み上げ磁極により現像剤担持体に汲み上げると共に、前記主磁極により現像剤担持体上に磁気ブラシを形成し、前記現像剤搬送磁極により潜像担持体に現像剤を摺擦させて潜像を可視像化する現像方法において、前記キャリアの重量平均粒径が35〜55μmであると共に、22μmより小さい粒径のキャリア粒子が0〜15%、88μmより大きい粒径のキャリア粒子が0〜5%であり、該キャリアの芯材の表面にはシリコーン樹脂を主成分とする樹脂からなる被覆層が形成され、該被覆層にはカーボンブラックが4〜20%含有されており、且つ前記潜像担持体が導電性基体上に少なくとも感光層及び表面保護層とを順次積層してなる電子写真感光体であり、該感光体の表面保護層が少なくとも放射線架橋剤と電荷輸送物質を含有すると共に、酸素濃度5%以下の雰囲気で放射線架橋されていることを特徴とする現像方法。
  2. 該キャリアの1000エルステッドの印加磁場に対する飽和磁化が、40〜120emu/gであることを特徴とする請求項1に記載の現像方法。
  3. 少なくとも現像剤担持体を有し、該現像剤担持体が非磁性スリーブと当該スリーブ内に固定配置された磁石ローラとからなり、該磁石ローラが現像剤汲み上げ磁極、現像剤搬送磁極、現像剤穂立ちのための主磁極を備える現像装置を用いて、少なくとも着色剤含有樹脂粒子を有するトナーと、キャリアとを含有する二成分系現像剤を、前記現像剤汲み上げ磁極により現像剤担持体に汲み上げると共に、前記主磁極により現像剤担持体上に磁気ブラシを形成し、前記現像剤搬送磁極により潜像担持体に現像剤を摺擦させて潜像を可視像化する現像装置において、前記潜像担持体が導電性基体上に少なくとも感光層及び表面保護層とを順次積層してなる電子写真感光体であり、該感光体の表面保護層が少なくとも放射線架橋剤と電荷輸送物質を含有すると共に、酸素濃度5%以下の雰囲気で放射線架橋されていることを特徴とする現像装置。
  4. 該感光体の表面保護層に含有される電荷輸送物質の含有量が30重量%以上50重量%以下であることを特徴とする請求項3に記載の現像装置。
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