JP5114606B1 - 流体塗布装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 第一分割ヘッド及び第二分割ヘッドに対しシムを簡単に着脱し且つ高精度に位置合わせして組み付ける。
【解決手段】 挿入空間Sがシム3の厚さよりも広くなるように第一分割ヘッド1と第二分割ヘッド2が離隔移動している状態で、挿入空間Sに向けてシム3を挿入することにより、シム3の表裏両面3a,3bが第一分割ヘッド1及び第二分割ヘッド2の対向面1a,2aと接触することなく挟み込まれる。これと同時に、シム3に設けられた第一ストッパー5を、第一分割ヘッド1又は第二分割ヘッド2のいずれか一方か若しくは両方に突き当てることで、凹部3cがシム3の挿入方向へ位置決めされる。またシム3の挿入後は、挿入空間Sがシム3の厚さと同寸法となるように第一分割ヘッド1と第二分割ヘッド2を接近移動させることで、第一分割ヘッド1及び第二分割ヘッド2の対向面1a,2aがシム3の表裏両面3a,3bにそれぞれ密接して、シム3がその厚さ方向へ位置決めされる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、例えば3D素材やフィルムやガラス基板などを、スマートフォンなどのような表示体や半導体基板や液晶基板などに接着する際、その表面に沿って接着液やレジストなどの塗布液を均一な膜厚の面状に塗布するために用いられる流体塗布装置(コーター装置)に関する。
従来、この種の流体塗布装置として、塗布対象物の表面に沿って移動自在な塗布機構部に対し、2つの分割ヘッドと、これら2つの分割ヘッドの間に挟み付けられるシムが備えられ、一方の分割ヘッドには、塗布液の液注入口が形成されるとともに、液注入口から注入された塗布液を幅方向に拡散させるための空洞部が形成され、シムはコの字の凹部を有し、2つの分割ヘッドの間にシムが挟み付けられたとき、これら2つの分割ヘッドの間にスリット状のスロットを形成し、シムの厚さがスロットの隙間の大きさを決定し、凹部の長さがスロットの長さ、すなわち塗布液の塗布幅を決定するための塗布ヘッドがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−211053号公報
このような従来の流体塗布装置では、塗布対象物となるワークのサイズ変更などに伴って塗布液の塗布幅やスロットの隙間が変更される度に、それに対応する幅の凹部を有するシムや厚みの異なるシムに交換する必要がある。
しかし乍ら、シムは、2つの分割ヘッドの間に挟まれ、塗布液の注入圧が高くても漏れ出ないように、分割ヘッド同士をボルトによって締結しているため、シムの交換時には、先ず2つの分割ヘッドとシムを完全に分解し、分解された分割ヘッドと交換したシムをそれぞれ高精度に位置合わせした後に、これらを一体的に組み付けなければならず、交換作業が面倒で且つシムの交換に時間を要し、稼働率が低下して生産性に劣るという問題があった。
本発明は、このような問題に対処することを課題とするものであり、第一分割ヘッド及び第二分割ヘッドに対しシムを簡単に着脱し且つ高精度に位置合わせして組み付けること、などを目的とするものである。
このような目的を達成するために本発明は、塗布液の供給路を有する第一分割ヘッドと、前記第一分割ヘッドと対向して離隔及び接近する方向へ往復動自在に設けられて、前記第一分割ヘッドとの間に挿入空間が形成される第二分割ヘッドと、前記挿入空間に向け前記第一分割ヘッド及び前記第二分割ヘッドの対向面に沿って出し入れ自在に設けられ、前記供給路と連通する前記塗布液のスロットを前記第一分割ヘッド及び前記第二分割ヘッドの間に形成するための凹部を有する複数種類のシムと、を備え、前記シムには、前記第一分割ヘッド又は前記第二分割ヘッドのいずれか一方か若しくは両方に対して、前記挿入空間に対する前記シムの挿入方向へ当接する第一ストッパーが設けられ、前記挿入空間の間隔を、前記シムの挿入時において前記シムの厚さよりも広くなるように設定し、前記シムの挿入後において前記シムの厚さと同寸法となるように設定したことを特徴とする。
前述した特徴を有する本発明は、挿入空間がシムの厚さよりも広くなるように第一分割ヘッドと第二分割ヘッドが離隔移動している状態で、挿入空間に向けてシムを挿入することにより、シムの表裏両面が第一分割ヘッド及び第二分割ヘッドの対向面と接触することなく挟み込まれると同時に、シムに設けられた第一ストッパーを、第一分割ヘッド又は第二分割ヘッドのいずれか一方か若しくは両方に突き当てることで、凹部がシムの挿入方向へ位置決めされ、シムの挿入後は、挿入空間がシムの厚さと同寸法となるように第一分割ヘッドと第二分割ヘッドを接近移動させることで、第一分割ヘッド及び第二分割ヘッドの対向面がシムの表裏両面にそれぞれ密接して、シムがその厚さ方向へ位置決めされる。
したがって、第一分割ヘッド及び第二分割ヘッドに対しシムを簡単に着脱し且つ高精度に位置合わせして組み付けることができる。
その結果、塗布対象物となるワークのサイズ変更などに対応して、シムの交換時に2つの分割ヘッドとシムを分解し且つ交換されたシムと分割ヘッドを高精度に位置合わせしてから組み付ける必要がある従来のものに比べ、シムの交換時間を大幅に短縮化できて、サイズ変更に伴うスロットの間隙寸法と塗布幅の変更作業を容易に行うことができ、その分だけ稼働率が向上して生産性に優れる。
さらに、シムの交換に伴ってシムの表裏両面が第一分割ヘッド及び第二分割ヘッドの対向面と接触しないため、シムに付着した塗布液などのゴミの発生を防止することができ、それに伴う洗浄作業をも軽減できる。
本発明の実施形態に係る流体塗布装置の全体構成を示す説明図であり、(a)がシム挿入時の一部切欠正面図、(b)が同縦断側面図である。 分解斜視図である。 シム挿入後を示す説明図であり、(a)が一部切欠正面図、(b)が同拡大縦断側面図である。 シム挿入後の斜視図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
本発明の実施形態に係る流体塗布装置Aは、塗布対象物となるワークの表面と対向するように配設した装置本体(図示しない)に対して一体的に組み付けられ、前記装置本体とともに前記ワークの表面と相対的に移動させることで、接着液やレジストなどの塗布液を均一な膜厚の面状に塗布するための(スロット)コーター装置である。
詳しく説明すると、本発明の実施形態に係る流体塗布装置Aは、図1〜図4に示すように、前記装置本体に対して着脱自在に取り付けられる第一分割ヘッド1と、第一分割ヘッド1と対向して離隔及び接近する方向へ往復動自在に設けられる第二分割ヘッド2と、第一分割ヘッド1及び第二分割ヘッド2の対向面1a,2aに沿って出し入れ自在に設けられる複数種類のシム3と、を主要な構成要素として備えている。
第一分割ヘッド1は、その幅寸法がそれと直交する長さ寸法よりも長尺な略矩形に形成され、その一側面に後述する第二分割ヘッド2と対向するように形成される平滑な対向面1aと、塗布液(図示しない)の供給路1bを有している。
供給路1bは、塗布液の供給源に接続される注入口1b1と、注入口1b1から供給された塗布液を第一分割ヘッド1の幅方向へ拡散させるための空洞部1b2を有し、空洞部1b2は、第一分割ヘッド1の対向面1aに沿って開口している。
塗布液の注入口1b1は、図1〜図4に示される例の場合に、第一分割ヘッド1においてその幅方向と直交する長さ方向の一端面に開設されている。
第二分割ヘッド2は、第一分割ヘッド1と同様に、その幅寸法がそれと直交する長さ寸法よりも長尺な略矩形に形成され、その一側面に第一分割ヘッド1の対向面1aと対向するように平滑な対向面2aを有している。
第一分割ヘッド1と第二分割ヘッド2は、ガイド部材4によって第一分割ヘッド1及び第二分割ヘッド2の厚さ方向へそれぞれの対向面1a,2aが互いに離隔及び接近するように往復動自在に支持される。
ガイド部材4の具体例としては、図1〜図4に示される例の場合、第一分割ヘッド1の対向面1aに支持ロッド4aを突設し、第二分割ヘッド2の対向面2aに支持ロッド4aと摺動自在に嵌合する凹部4bを凹設して、支持ロッド4a及び凹部4bの摺動により往復動自在に支持している。
また、その他の例として図示しないが、ガイド部材4として、第二分割ヘッド2の対向面2aに支持ロッド4aを突設し、第一分割ヘッド1の対向面1aに凹部4bを凹設したり、支持ロッド4a及び凹部4bとは異なる構造の支持構造を設けたり、アクチュエーターなどの駆動源を併設して機械的に第一分割ヘッド1と第二分割ヘッド2を離隔及び接近する方向へ往復動させることも可能である。
さらに、第一分割ヘッド1及び第二分割ヘッド2の対向面1a,2aの間には、後述するシム3を出し入れ自在に挿入するための挿入空間Sを区画形成されている。
後述するシム3の挿入空間Sは、第一分割ヘッド1及び第二分割ヘッド2においてそれらの幅方向と直交する長さ方向全長に亘り形成され、図1〜図4に示される例の場合には、塗布液の注入口1b1が開設される長さ方向の一端側から、後述するシム3を挿入している。
シム3は、その幅寸法が第一分割ヘッド1や第二分割ヘッド2の幅寸法よりも小さい矩形で且つ平滑な表面3a及び裏面3bを有する板状に形成され、第一分割ヘッド1の対向面1aと第二分割ヘッド2の対向面2aの間に形成される挿入空間Sに向け、第一分割ヘッド1及び第二分割ヘッド2の短尺方向へ手動或いは機械で挿入することにより、第一分割ヘッド1及び第二分割ヘッド2の対向面1a,2aの間に挟み込まれるように配置される。
シム3において挿入空間Sに挿入される先端側の端部で且つ幅方向中央には、凹部3cが形成される。
凹部3cは、挿入空間Sに挿入された状態で、塗布液の供給路1bの空洞部1b2と連通し、第一分割ヘッド1及び第二分割ヘッド2の対向面1a,2aの間にスリット状のスロットTを形成する。
スロットTは、第一分割ヘッド1及び第二分割ヘッド2においてそれらの幅方向と直交する長さ方向の他端に突出形成されるテーパー部1c,2bに沿って形成されている。
凹部3cの幅方向長さ寸法は、スロットTの長さ、すなわち塗布液の塗布幅を決定する。
シム3の厚さ寸法は、後述するスロットTの隙間の大きさ、すなわち塗布液の塗布厚さ(膜厚)を決定する。
そのために、凹部3cの幅方向長さ寸法が異なる複数種類のシム3と、厚さ寸法が異なる複数種類のシム3をそれぞれ用意している。塗布対象物となるワークのサイズ変更などに際しては、塗布液の塗布幅に対応する幅方向サイズの凹部3cを有するシム3や、塗布液の所望厚さ(膜厚)に対応する厚さサイズのシム3を選び出し、それに交換することで対応している。
また、これら複数種類のシム3は、凹部3cの幅方向長さ寸法や厚さ寸法の変化と関係なく、すべての外形状が同寸法に形成されている。
さらに、シム3において凹部3cと反対側には、第一分割ヘッド1又は第二分割ヘッド2のいずれか一方か、若しくは第一分割ヘッド1及び第二分割ヘッド2の両方に対して、シム3の挿入方向へ当接する第一ストッパー5が設けられる。挿入空間Sに対するシム3の挿入時において、第一ストッパー5を、第一分割ヘッド1又は第二分割ヘッド2のいずれか一方か若しくは両方に突き当てることで、凹部3cがシム3の挿入方向へ位置決めされるようにしている。
第一ストッパー5の具体例としては、図1〜図4に示される例の場合、シム3において凹部3cと反対側端部に、シム3の厚さ寸法よりも大きな肉厚部5aが連設されて、シム3の表面3aとの間に、第二分割ヘッド2の長さ方向一端面と対向する位置決め段部を形成している。図3及び図4に示されるように、挿入空間Sにシム3を挿入した直後に、肉厚部5aの位置決め段部が第二分割ヘッド2の長さ方向一端面と突き当たるようにしている。
また、その他の例として図示しないが、第一ストッパー5として、肉厚部5aとシム3の裏面3bの間に第一分割ヘッド1の長さ方向一端面と突き当たる位置決め段部を形成したり、肉厚部5aとシム3の表面3a及び裏面3bの間に第一分割ヘッド1及び第二分割ヘッド2の長さ方向一端面とそれぞれ突き当たる位置決め段部を形成したり、図示される肉厚部5aの位置決め段部に代えて突起などの他の構造の位置決め部材を設けることも可能である。
さらに加えて、第一分割ヘッド1又は第二分割ヘッド2のいずれか一方か、若しくは第一分割ヘッド1及び第二分割ヘッド2の両方には、シム3の幅方向端部3d,3eのいずれか一方又は両方と当接する第二ストッパー6を設け、挿入空間Sに対するシム3の挿入時において、シム3の幅方向端部3d,3eのいずれか一方又は両方が第二ストッパー6に接触することで、シム3及び凹部3cをその幅方向へ位置決めすることが好ましい。
第二ストッパー6の具体例としては、図1〜図4に示される例の場合、第二分割ヘッド2の長さ方向一端面に位置決め凸部6aを、シム3の肉厚部5aの幅方向両端部とそれぞれ当接するように突設している。図3及び図4に示されるように、挿入空間Sにシム3の大部分を挿入した時に、シム3の肉厚部5aの幅方向両端部がそれぞれ位置決め凸部6aに接触するようにしている。
また、その他の例として図示しないが、第二ストッパー6として、第一分割ヘッド1の長さ方向一端面に位置決め凸部6aを、シム3の肉厚部5aの幅方向両端部とそれぞれ当接するように突設したり、シム3の肉厚部5aの幅方向両端部に代えて、シム3の幅方向端部3d,3eと直接当接するように位置決め凸部6aを挿入空間Sへ向け突設することで、シム3の幅方向端部3d,3eを位置決め凸部6aに接触させながら挿入するようにしたり、シム3の肉厚部5aの幅方向一端部か又はシム3の幅方向端部3d,3eのいずれか一方のみと当接するように位置決め凸部6aを突設したり、図示される位置決め凸部6aに代えて他の構造の位置決め部材を設けることも可能である。
そして、挿入空間Sの間隔は、挿入空間Sに対するシム3の挿入時とシム3の挿入後において、第一分割ヘッド1又は第二分割ヘッド2のいずれか一方か、若しくは第一分割ヘッド1及び第二分割ヘッド2の両方を、互いに離隔及び接近するように手動或いは機械的に移動して、それぞれ所定の寸法に設定されている。
すなわち、シム3の挿入時には、図1(b)及び図2の二点鎖線に示されるように、挿入空間Sの間隔を最も厚いシム3の厚さ寸法よりも広くなるように設定して、挿入中のシム3の表裏両面3a,3bが第一分割ヘッド1及び第二分割ヘッド2の対向面1a,2aとそれぞれ接触しないように構成している。
また、シム3の挿入後には、図3(b)及び図4に示されるように、挿入空間Sの間隔をシム3の厚さ寸法と同寸法となるように設定して、挿入したシム3の表裏両面3a,3bが第一分割ヘッド1及び第二分割ヘッド2の対向面1a,2aとそれぞれ密接するように構成している。
さらに、第一分割ヘッド1と第二分割ヘッド2には、挿入空間Sがシム3の挿入時における間隔となるように離隔方向へ押圧するか、又は挿入空間Sがシム3の挿入後における間隔となるように接近方向へ押圧する弾性部材7と、挿入空間Sがシム3の挿入後における間隔となるように保持するか、或いは挿入空間Sがシム3の挿入時における間隔となるように保持する保持部材8を設けることが好ましい。
図1〜図4に示される例では、弾性部材7として、挿入空間Sがシム3の挿入時における間隔となるように離隔方向へ押圧するための、コイルスプリングなどからなるバネ材7aを、第一分割ヘッド1及び第二分割ヘッド2の対向面1a,2aに亘って設け、保持部材8として、第一分割ヘッド1及び第二分割ヘッド2同士をシム3が挟まれるように結合するため連結部材8aを設け、保持部材8の連結部材8aを取り除くことにより、弾性部材7(バネ材7a)の押圧力で挿入空間Sの間隔をシム3の厚さ寸法よりも広くなる設定位置まで自動的に離隔移動させるようにしている。連結部材8aとしてはボルトが用いられ、第二分割ヘッド2及びシム3にはボルトが貫通する通孔8b,8cが開穿され、第一分割ヘッド1にはボルトのネジ部と螺合するネジ穴8dが開設されている。
また、その他の例として図示しないが、連結部材8aとしてボルトに代え、他の連結構造に変更することも可能である。
さらに、弾性部材7として、挿入空間Sがシム3の挿入後における間隔となるように接近方向へ押圧するバネ材を設け、保持部材8として、挿入空間Sがシム3の挿入時における間隔となるように保持するスペーサーを設け、保持部材8のスペーサーを取り除くことにより、弾性部材(バネ材)7の押圧力で挿入空間Sの間隔をシム3の厚さ寸法と同寸法となる設定位置まで自動的に接近移動させることも可能である。
このような本発明の実施形態に係る流体塗布装置Aによると、挿入空間Sがシム3の厚さよりも広くなるように第一分割ヘッド1と第二分割ヘッド2が離隔移動している状態で、挿入空間Sに向けてシム3を挿入することにより、シム3の表裏両面3a,3bが第一分割ヘッド1及び第二分割ヘッド2の対向面1a,2aと接触することなく挟み込まれる。
これと同時に、シム3に設けられた第一ストッパー5を、第一分割ヘッド1又は第二分割ヘッド2のいずれか一方か、若しくは第一分割ヘッド1及び第二分割ヘッド2の両方に突き当てることで、凹部3cがシム3の挿入方向へ位置決めされる。
また、シム3の挿入後は、挿入空間Sがシム3の厚さと同寸法となるように第一分割ヘッド1と第二分割ヘッド2を接近移動させることで、第一分割ヘッド1及び第二分割ヘッド2の対向面1a,2aがシム3の表裏両面3a,3bにそれぞれ密接して、シム3がその厚さ方向へ位置決めされる。
したがって、第一分割ヘッド1及び第二分割ヘッド2に対しシム3を簡単に着脱し且つ高精度に位置合わせして組み付けることができる。
その結果、シム3の交換時間を大幅に短縮化できて、サイズ変更に伴うスロットTの間隙寸法と塗布幅の変更作業(段取り換え)を容易に行うことができ、その分だけ稼働率が向上して生産性に優れる。
さらに、シム3の交換に伴ってシム3の表裏両面3a,3bが第一分割ヘッド1及び第二分割ヘッド2の対向面1a,2aと接触しないため、シム3に付着した塗布液などのゴミの発生を防止することができ、それに伴う洗浄作業をも軽減できる。
ところで、シム3の交換時に、非常に重い第一分割ヘッド1及び第二分割ヘッド2を装置本体から取り外して分解することは危険である。
これに対して、本発明の実施形態に係る流体塗布装置Aによると、装置本体から第一分割ヘッド1及び第二分割ヘッド2を取り外すことなくシム3の交換が行えて、シム3交換の作業性と安全性を向上させることができる。
特に、第一分割ヘッド1又は第二分割ヘッド2のいずれか一方か若しくは両方に、シム3の幅方向端部3d,3eと当接する第二ストッパー6を設けた場合には、挿入空間Sに対するシム3の挿入時において、シム3の幅方向端部3d,3eを第二ストッパー6に接触させることにより、第一分割ヘッド1と第二分割ヘッド2に対してシム3及び凹部3cがその幅方向へ位置決めされる。
したがって、第一分割ヘッド1及び第二分割ヘッド2に対しシム3を簡単に幅方向へ高精度に位置合わせして組み付けることができる。
その結果、組み付け精度を更に向上させることができる。
さらに、第一分割ヘッド1と第二分割ヘッド2に、挿入空間Sがシム3の挿入時における間隔となるように離隔方向へ押圧するか、又は挿入空間Sがシム3の挿入後における間隔となるように接近方向へ押圧する弾性部材7と、挿入空間Sがシム3の挿入後における間隔となるように保持するか、或いは挿入空間Sがシム3の挿入時における間隔となるように保持する保持部材8を設けた場合には、第一分割ヘッド1と第二分割ヘッド2から保持部材8を取り除くことにより、弾性部材7の押圧力で挿入空間Sの間隔が、シム3の厚さ寸法よりも広くなる設定位置まで自動的に離隔移動するか、若しくはシム3の厚さ寸法と同寸法となる設定位置まで自動的に接近移動する。
したがって、シム3の交換作業をより容易にしてシム3の交換時間を更に短縮化させることができる。
その結果、稼働率の更なる向上が図れる。
次に、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
この実施例は、図1〜図4に示すように、シム3において凹部3cと反対側に取手3fを設け、作業者が取手3fを持って挿入空間Sに対するシム3の出し入れが手動で行われる場合を示すものである。
図1〜図4に示される例では、シム3において凹部3cと反対側端部に連設される肉厚部5aに複数の取手3fが突設されている。
また、その他の例として図示しないが、シム3の端部に取手3fを一体形成するなど、図示例以外の取り付け構造に変更することも可能である。
このような本発明の実施例1に係る流体塗布装置Aによると、作業者が取手3fを持つことにより、挿入空間Sに対してシム3全体が凹部3cに触れることなく出し入れ可能となる。
したがって、シム3の交換を手動で簡単に且つ汚れることなく行うことができる。
その結果、手動によるサイズ変更に伴うスロットTの間隙寸法と塗布幅の変更作業(段取り換え)を容易に行うことができ、その分だけ稼働率が向上して生産性に優れるという利点がある。
なお、前示実施例では、作業者がシム3の取手3fを持って挿入空間Sに対するシム3の出し入れが手動で行われる場合を示したが、これに限定されず、ロボットなどを用いて挿入空間Sに対するシム3の出し入れを機械的に行っても良い。
1 第一分割ヘッド 1a 対向面
1b 供給路 2 第二分割ヘッド
2a 対向面 3 シム
3c 凹部 3d,3e 幅方向端部
3f 取手 5 第一ストッパー
6 第二ストッパー 7 弾性部材
8 保持部材 S 挿入空間
T スロット

Claims (4)

  1. 塗布液の供給路を有する第一分割ヘッドと、
    前記第一分割ヘッドと対向して離隔及び接近する方向へ往復動自在に設けられて、前記第一分割ヘッドとの間に挿入空間が形成される第二分割ヘッドと、
    前記挿入空間に向け前記第一分割ヘッド及び前記第二分割ヘッドの対向面に沿って出し入れ自在に設けられ、前記供給路と連通する前記塗布液のスロットを前記第一分割ヘッド及び前記第二分割ヘッドの間に形成するための凹部を有する複数種類のシムと、を備え、
    前記シムには、前記第一分割ヘッド又は前記第二分割ヘッドのいずれか一方か若しくは両方に対して、前記挿入空間に対する前記シムの挿入方向へ当接する第一ストッパーが設けられ、
    前記挿入空間の間隔を、前記シムの挿入時において前記シムの厚さよりも広くなるように設定し、前記シムの挿入後において前記シムの厚さと同寸法となるように設定したことを特徴とする流体塗布装置。
  2. 前記第一分割ヘッド又は前記第二分割ヘッドのいずれか一方か若しくは両方に、前記シムの幅方向端部と当接する第二ストッパーを設けたことを特徴とする請求項1記載の流体塗布装置。
  3. 前記第一分割ヘッドと前記第二分割ヘッドに、前記挿入空間が前記シムの挿入時における間隔となるように離隔方向へ押圧するか、又は前記挿入空間が前記シムの挿入後における間隔となるように接近方向へ押圧する弾性部材と、前記挿入空間が前記シムの挿入後における間隔となるように保持するか、或いは前記挿入空間が前記シムの挿入時における間隔となるように保持する保持部材を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の流体塗布装置。
  4. 前記シムにおいて前記凹部と反対側に取手を設けたことを特徴とする請求項1、2又は3記載の流体塗布装置。
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