JP4053777B2 - 液体塗布装置における塗布ヘッドのメンテナンス機構 - Google Patents
液体塗布装置における塗布ヘッドのメンテナンス機構 Download PDFInfo
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Description
【産業上の利用分野】
本願の発明は、半導体基板や液晶基板等の塗布対象物の表面に均一な膜厚でレジスト等の塗布液を塗布するためのスロット型の液体塗布装置における塗布ヘッドのメンテナンス機構に関し、特に大型の塗布ヘッドのメンテナンス作業の容易化を図った液体塗布装置における塗布ヘッドのメンテナンス機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体基板や液晶基板等の塗布対象物であって、特に角形形状の塗布対象物にレジスト等の塗布液を塗布するのに、スロット型の液体塗布装置(スロットコータ)が使用されている。この型式の液体塗布装置は、スピンコータと比較すると、塗布液の消費量が少なく、低コストであるといった利点を有している。
【0003】
ところで、近年、スロット型の液体塗布装置においては、塗布対象物が大型化(例えば、角形基板の場合、680mm×880mm、1000mm×1200mmなど)し、これに伴い、塗布ヘッドが大型化して、塗布ヘッドの製作費が高騰し、塗布ヘッドは高価なものとなっている。
【0004】
半導体装置や液晶表示装置の製造装置において、基板への液体塗布工程では、塗膜品質を一定に保持するため、あるいは使用液体の種類、基板のサイズ等の変更に対処するため、塗布ヘッドを取り外して、塗布ヘッド先端部の清掃、塗布ヘッドのスロットの厚みや幅(塗布幅)を変更するためのシムの交換、塗布ヘッド自体の交換、恒温循環水ヒータ(ウオータージャケット)の清掃・交換等のメンテナンス作業を実施する必要が生ずる。このような場合、塗布ヘッドが大型化していると、これを作業者が着脱して、必要なメンテナンス作業を実施することが容易でない。
【0005】
このように、塗布ヘッドの大型化に伴い、塗布ヘッドのメンテナンスが容易なことではなくなったため、継続的に塗布品質を一定の状態に保ち、製品の歩留りを向上させることが困難となった。特に、大型の塗布ヘッドの場合、多品種の塗布対象物や多品種の塗布液体に対応するために、高価な塗布ヘッドを簡単に改造することは容易でない。
【0006】
従来の小型の塗布ヘッドのメンテナンスでは、作業者が塗布ヘッドの締結金具(ボルト)を取り外して、塗布ヘッドを液体塗布装置の外部に搬出し、塗布ヘッド先端部の清掃、塗布ヘッドの交換等の必要なメンテナンス作業を実施していた。そこでは、多品種の塗布対象物や多品種の塗布液体に対応するために、塗布ヘッド自体の改造も行なわれていた。しかしながら、近年の塗布ヘッドの大型化に対して、このような従来のメンテナンスの仕方で対処しようとすると、その作業は、きわめて困難で、かつ、費用の掛かるものとならざるを得ない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本願の発明は、従来のスロット型の液体塗布装置における塗布ヘッドのメンテナンスが抱える前記のような問題点を解決して、大型の塗布ヘッドにあっても、作業者による塗布ヘッドのメンテナンス作業の負担軽減が可能で、作業性を向上させることができ、多品種の塗布対象物や塗布液体にも簡単に対応することができて、これらにより、塗布ヘッドのメンテナンス作業が容易化し、安価に実施することができて、メンテナンスの定期的な実施により、塗布品質を一定の状態に保ち、製品の歩留りを向上させることができる、液体塗布装置における塗布ヘッドのメンテナンス機構を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段および効果】
本願の発明は、前記のような課題を解決した液体塗布装置における塗布ヘッドのメンテナンス機構に係り、その請求項1に記載された発明は、幅方向に細長いスリット状のスロットを有する塗布ヘッドを備え、前記スロットの開口から塗布液を下方に吐出させながら、前記塗布ヘッドを下方の塗布対象物に対して水平方向に移動させて、前記塗布対象物上に塗膜を形成するようにしてなる液体塗布装置における塗布ヘッドのメンテナンス機構が、前記液体塗布装置内であって、前記塗布対象物を載置するテーブルから前記塗布ヘッドの移動方向に所定の距離を隔てた前記塗布ヘッドの移動経路より下方の位置に設けられ、前記塗布ヘッドを載置して、前記塗布ヘッドをその移動経路と直交する方向に沿って前記液体塗布装置外に引き出すことができるスライダと、前記スライダを、前記塗布ヘッドを載置することができる前記塗布ヘッドの移動経路上の位置と載置前の待機位置との間で昇降させるための昇降手段とを備えてなることを特徴とする液体塗布装置における塗布ヘッドのメンテナンス機構である。
【0009】
請求項1に記載された発明は、前記のように構成されているので、次のような効果を奏することができる。
昇降手段を、スライダが塗布ヘッドを載置することができる塗布ヘッドの移動経路上の位置にまで上昇させ、次いで、塗布ヘッドを液体塗布装置から外してスライダに載置し、スライダを滑動させて、塗布ヘッドをその移動経路と直交する方向に沿って液体塗布装置外に引き出すようにすることができる。塗布ヘッドを液体塗布装置に取り付けるのには、この逆の動作を行なえばよい。そして、最後に、昇降手段を待機位置にまで下降させて、塗布ヘッドを次工程に移動させるようにすることができる。
【0010】
したがって、塗布ヘッドの液体塗布装置に対する取り付け、取り外しが半自動化されて、簡単に行なえるので、大型の塗布ヘッドであっても、作業者が塗布ヘッドを液体塗布装置から引き出して行なう塗布ヘッドのメンテナンス作業の負担が軽減されて、その作業性を向上させることができる。また、多品種の塗布対象物や塗布液体に対応するために、塗布ヘッド自体の交換、塗布ヘッドの部品の交換や改造等を行なうのにも、塗布ヘッドを液体塗布装置から引き出すのが簡単に行なえるので、それらの作業が容易になり、多品種の塗布対象物や塗布液体への対応が容易になる。これらにより、塗布ヘッドのメンテナンス作業が容易化して、安価に実施することができるようになり、メンテナンスの定期的な実施により、塗布品質を一定の状態に保ち、製品の歩留りを向上させることができる。
【0011】
また、その請求項2に記載された発明は、請求項1に記載の液体塗布装置における塗布ヘッドのメンテナンス機構が、さらに、少なくとも前記スライダの戻り限、前記昇降手段の上昇限、前記昇降手段の下降限および前記スライダに載置される前記塗布ヘッドの在席をそれぞれ検出するための複数の検出手段と、メンテナンス操作盤とを備え、これらの検出手段の検出結果が前記メンテナンス操作盤に表示されるようにされていることを特徴とする液体塗布装置における塗布ヘッドのメンテナンス機構である。
【0012】
請求項2に記載された発明は、前記のように構成されているので、次のような効果を奏することができる。
昇降手段の上昇限を検出するための検出手段の作動により、スライダが塗布ヘッドを載置することができる位置に上昇したことを確認し、次いで、塗布ヘッドを液体塗布装置から外して、スライダに載置し、スライダに載置された塗布ヘッドの在席を検出するための検出手段が作動すると、スライダを滑動させて、塗布ヘッドを液体塗布装置外に引き出すようにすることができる。塗布ヘッドを液体塗布装置に取り付けるのには、スライダの戻り限を検出するための検出手段の作動、スライダに載置される塗布ヘッドの在席を検出するための検出手段の作動の停止を確認しつつ、この逆の動作を行なえばよい。そして、最後に、昇降手段の下降限を検出するための検出手段の作動を確認して、塗布ヘッドを次工程に移動させるようにすることができる。
【0013】
したがって、塗布ヘッドの液体塗布装置に対する取り付け、取り外しがさらに半自動化されて、きわめて簡単に行なえるので、大型の塗布ヘッドであっても、作業者が塗布ヘッドを液体塗布装置から引き出して行なう塗布ヘッドのメンテナンス作業の負担が軽減されて、その作業性を向上させることができる。また、多品種の塗布対象物や塗布液体に対応するために、塗布ヘッド自体の交換、塗布ヘッドの部品の交換や改造等を行なうのにも、塗布ヘッドを液体塗布装置から引き出すのが簡単に行なえるので、それらの作業がきわめて容易になり、多品種の塗布対象物や塗布液体への対応が容易になる。これらにより、塗布ヘッドのメンテナンス作業が容易化して、安価に実施することができるようになり、メンテナンスの定期的な実施により、塗布品質を一定の状態に保ち、製品の歩留りを向上させることができる。
しかも、検出手段の検出結果はメンテナンス操作盤に表示されるので、これらの検出手段の検出結果をメンテナンス操作盤で確認後、作業者が手動で塗布ヘッドの着脱を行ったり、塗布ヘッドの次工程への移動を行うことができ、メンテナンス作業を安全、確実に実行することができる。
【0014】
また、請求項3に記載のように請求項1または請求項2に記載の発明を構成することにより、スライダは、スライダ可動部と、スライダ固定部とからなり、スライダ可動部は、緩衝用受け具を備えていて、該緩衝用受け具を介して塗布ヘッドを載置するようにされており、スライダ可動部の位置決め手段が備えられる。
【0015】
この結果、スライダの戻り限位置への戻り、スライダの引き出し位置への引き出し等、スライダの作動の正確性を高めることができ、また、メンテナンス作業のさらなる安全を図ることができる。また、スライダ可動部は、緩衝用受け具を介して塗布ヘッドをその上に載置するので、下端中央部に突出する細長ノズル部を有する塗布ヘッドであっても、このノズル部に損傷を与えることなく、塗布ヘッドを上手くその上に載置して、移動させることができる。
【0016】
また、請求項4に記載のように請求項3に記載の発明を構成することにより、位置決め手段は、スライダ固定部もしくはスライダ可動部に設けられる弾性的に出没可能な突出子と、スライダ可動部もしくはスライダ固定部に設けられ、突出子と係合する凹部を有する位置決め用プレートとからなり、さらに、塗布ヘッドの在席を検出するための検出手段からの在席検出信号を受信してから突出子と位置決め用プレートの凹部との係合を解くインターロック機構を内蔵しているものとされる。
【0017】
この結果、スライダ可動部の位置決め手段を、きわめて簡単な構成により得ることができる。また、塗布ヘッドの在席を検出するための検出手段がスライダ上に塗布ヘッドの在席を検出したことを条件として、作業者が塗布ヘッドを液体塗布装置の外に引き出すことができるので、その動作を確実、安全に実行させることができ、メンテナンス作業のさらなる安全を図ることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
次に、図1ないし図13に図示される本願の請求項1ないし請求項4に記載された発明の一実施形態について説明する。
図1は、本実施形態における液体塗布装置の概略斜視図、図2は、同液体塗布装置に使用される塗布ヘッドのメンテナンス機構の概略正面図、図3は、図2のメンテナンス機構部の左端要部の拡大正面図、図4は、同拡大側面図、図5は、図2のメンテナンス機構部の右端要部の拡大正面図、図6は、同拡大側面図、図7は、同拡大平面図、図8は、昇降シリンダ部を含む図2のメンテナンス機構部の右端要部の概略拡大側面図、図9は、塗布ヘッドの液体塗布装置への取付け状態を示す側面図、図10は、メンテナンス機構を構成するスライダ固定部の平面図、図11は、同スライダ固定部にスライダ可動部が組み合わされたスライダの平面図、図12は、塗布ヘッドが液体塗布装置外に引き出される一連の工程を示す図、図13は、塗布ヘッドの分解斜視図である。
【0019】
本実施形態における液体塗布装置は、半導体基板や液晶基板等の塗布対象物の表面に均一な膜厚でレジストやクロム塗布液等の液体もしくは液状体(以下、これらを総称して「塗布液」もしくは「液体」という。)を塗布するために使用される。その全体構成は、概略、図1に図示されるように、液体塗布装置1の基台2上の中央部寄りにテーブル3が設置されており、該テーブル3の上面に塗布対象物となる基板4が載置されている。基台2の両側縁には、直角に起立した側壁2a 、2b がそれぞれ形成されており、これらの側壁2a 、2b の上面にレール5a 、5b が敷設されていて、これらのレール5a 、5b にガイドされながら、塗布機構部10が走行して、該塗布機構部10に昇降自在に備えられている塗布ヘッド20の下端ノズル部から吐出される塗布液が、塗布機構部10および塗布ヘッド20の走行とともに、基板4上に、その塗布始端部から終端部に至るまで満遍なく、一様な膜厚で塗布されるようになっている。
【0020】
塗布ヘッド20の下端ノズル部は、基板4の幅(塗布ヘッド20の走行方向と直交する方向における基板4の長さ)を越える長さを有する細長いノズル部からなり、この細長ノズル部から塗布液が一様に吐出される。塗布ヘッド20の構造については、後で詳細に説明される。
【0021】
塗布機構部10は、左右一対の移動台11a 、11b を備えており、これらの移動台11a 、11b 間にヘッド保持フレーム12が昇降自在に渡架されており、このヘッド保持フレーム12に塗布ヘッド20が取り付けられている。その取り付け状態が、図9に図示されている。塗布ヘッド20の頂面には、その長さ方向の2個所にブラケット29が固着されており(図2参照)、このブラケット29がボルト30によりヘッド保持フレーム12にネジ止めされることにより、塗布ヘッド20がヘッド保持フレーム12に取り付けられる。また、塗布ヘッド20の頂面には、その長さ方向の2個所に把手31が取り付けられている。さらに、塗布ヘッド20の左右両側面には、塗布ヘッド20内の塗布液の温度を一定に保つための恒温循環水ヒータ(ウオータージャケット)28a 、28b が付設されている。
【0022】
したがって、塗布ヘッド20は、ヘッド保持フレーム12が昇降することにより、該ヘッド保持フレーム12と一体になって昇降する。ヘッド保持フレーム12は、移動台11a 、11b に固設された昇降シリンダ13a 、13b に連結されていて、これらの昇降シリンダ13a 、13b が昇降することにより昇降する。
【0023】
移動台11a 、11b の下部には、リニア駆動部14a 、14b が取り付けられている(リニア駆動部14a は図示されず)。これらのリニア駆動部14a 、14b には、可動ケーブル15を介して電力が供給される。そこで、今、これらのリニア駆動部14a 、14b に可動ケーブル15を介して電力が供給されると、詳細には図示されないが、リニア駆動部14a 、14b に設けられている電磁コイルにより励磁される電磁石と基台2の両側壁2a 、2b の上面にレール5a 、5b と平行に敷設された永久磁石16a 、16b との間で吸引、反発作用が生じて、移動台11a 、11b の推進力が形成され、移動台11a 、11b は、レール5a 、5b にガイドされながら、励磁電流の向きに応じて前後いずれかの方向に走行を開始する。移動台11a 、11b の下面には、リニアブッシュ17a 、17b が固着されており、これらのリニアブッシュ17a 、17b がレール5a 、5b に嵌合してスライドすることにより、移動台11a 、11b は、レール5a 、5b にガイドされながら走行する。
【0024】
基台2上のテーブル3より前方(図1において左下方)部分には、塗布ヘッド20を液体塗布装置1外に引き出して、塗布ヘッド20の交換や、塗布ヘッド20の下端ノズル部の清掃等のメンテナンス作業を実施する際に使用されるメンテナンス機構40が設置されている。このメンテナンス機構40については、後で詳細に説明される。さらに、メンテナンス機構40より前方部分には、塗布ヘッド20をヘッド保持フレーム12に取り付けたままの状態で、塗布ヘッド20の下端ノズル部の清掃や液切り等の作業を行なう際に使用されるセルフクリーニング装置18が設置されている。
【0025】
次に、塗布ヘッド20の構造について詳細に説明する。
塗布ヘッド20は、図13に図示されるように、2つの分割ヘッド21、22とシム23とからなる。そして、これら2つの分割ヘッド21、22の間にシム23が挟み付けられることにより形成される。2つの分割ヘッド21、22は、それぞれ細長い直方体形状の金属(ステンレス)製ブロックからなり、互いに対向する側面寄りの下方部には、鋭角状に突出する歯先部21a 、22a が形成されている。
【0026】
シム23は、コの字形状に打ち抜きされた薄板からなり、そのコの字の凹部23aは、2つの分割ヘッド21、22の間にシム23が挟み付けられたとき、これら2つの分割ヘッド21、22の間にスリット状のスロット27(図4参照)を形成する。シム23の厚さは、このスロット27の隙間の大きさを決定する。また、凹部23a の長さは、このスロット27の長さを決定し、スロット27の長さは、基板4上における塗布液の塗布幅(基板4の幅方向における塗布長さ)を決定する。
【0027】
一方の分割ヘッド21の上部には、その長さ方向(塗布ヘッド20の幅方向)の中央部に、塗布液を注入するための液注入口24が形成され、その長さ方向の両端部寄りに、空気抜き口31がそれぞれ形成されている。また、同じく一方の分割ヘッド21の中間部には、液注入口24から注入された液体を幅方向に拡散させるための空洞部26が形成されている。この空洞部26は、一方の分割ヘッド21の他方の分割ヘッド22に対向する側の側面において開口している。そして、これら液注入口24、空気抜き口32と空洞部26とを連通させるための3個の通孔25が形成されている。空洞部26は、スロット27に連通しており、空洞部26内の液体は、スロット27により一定の厚みにされて、スロット27の下方の先端開口部から吐出される。このスロット27の先端開口部は、塗布ヘッド20の下端ノズル部のノズル口を形成する。
【0028】
次に、本実施形態における液体塗布装置1の動作について説明する。
基板4への液体塗布の開始時には、塗布ヘッド20は、基板4の前端(図1においては左下端)上方の所定高さ位置にセットされている。この状態において、図示されない液体供給源から液体(塗布液)が塗布ヘッド20に供給されると、この液体は、液注入口24から通孔25を通って空洞部26に導かれ、次いで、スロット27により一定の厚みにされて、スロット27の下方の先端開口部から吐出される。同時に、リニア駆動部14a 、14b が作動して、塗布機構部10が走行を開始する。これにより、塗布ヘッド20が、基板4に対して相対的に水平方向に移動して、その先端開口部から吐出される塗布液を基板4上に、その塗布始端部から終端部に至るまで、満遍なく塗布しながら、基板4の後端(図1においては右上端)に向かって走行する。このようにして、基板4上に一様な膜厚の塗膜が形成される。
【0029】
このようにして、1枚の基板4に対する塗布液の塗布工程が終了すると、塗布ヘッド20は、セルフクリーニング装置18上に搬送され、そこにおいて、下端ノズル部の清掃や液切り等の作業が実施される。このようにして、次の基板4に対する塗布液の塗布工程の準備がなされる。また、定期的に実施される大掛かりなメンテナンスのためには、塗布ヘッド20は、メンテナンス機構40上に搬送され、そこにおいて、後述するスライダ41上に載置されて、作業者により、液体塗布装置1の外部に引き出される。
【0030】
次に、本実施形態における液体塗布装置1に使用される塗布ヘッド20のメンテナンス機構40の構造について、詳細に説明する。
メンテナンス機構40は、前記のとおり、基台2上のテーブル3より前方部分に設置されており、その主要構成要素は、図2に図示されるように、塗布ヘッド20をその上に載置して該塗布ヘッド20を液体塗布装置1外に引き出すことができるスライダ41と、該スライダ41を昇降させるための昇降シリンダ(昇降手段)42と、スライダ41の戻り限、昇降シリンダ42の上昇限、昇降シリンダ42の下降限およびスライダ41上に載置される塗布ヘッド20の在席等をそれぞれ検出するための複数のセンサ(検出手段)と、安全装置とからなっている。
【0031】
昇降シリンダ42は、支柱43および支持プレート44に支持されて、基台2上に設置されている。この昇降シリンダ42は、スライダ41の長さ方向の両端部近傍の2個所に設けられ、図示されない空気圧源に連結されていて、この空気圧源との連通、遮断により昇降動して、その上に取り付けられているスライダ41を昇降動させる。
【0032】
また、昇降シリンダ42の直ぐ隣には、昇降シリンダ42の昇降動を案内するための昇降動案内手段45が、同じく支柱43および支持プレート44に支持されて、基台2上に設置されている。昇降動案内手段45は、詳細には図示されないが、支柱43および支持プレート44に固定された案内筒と、スライダ41に連結されて該案内筒内を往復動するロッドとからなる。
【0033】
さらに、支持プレート44には、図8に図示されるように、昇降シリンダ42の上昇限を検出するための上限センサ46と、昇降シリンダ42の下降限を検出するための下限センサ47とが、共通の取付け支柱を介して取り付けられている。昇降シリンダ42の下降限位置は、昇降シリンダ42の待機位置であり、昇降シリンダ42の上昇限位置は、昇降シリンダ42の上に取り付けられているスライダ41が、その直上にまで搬送されて来る塗布ヘッド20を受け取りに行く位置である。
【0034】
スライダ41は、図2および図4に図示されるように、スライダ可動部48とスライダ固定部49との主要構成要素からなり、これらスライダ可動部48とスライダ固定部49との間には、周知のスライドパック50が介設されている。このスライドパック50は、2段階の伸縮が可能であり、スライダ可動部48は、このスライドパック50の2段階の伸縮により、スライダ固定部49に対して2段階に伸縮することができる。そして、スライダ可動部48がスライダ固定部49に対して最大限に伸長した(つまり、最大限に引き出された)位置を定める位置決め手段と、スライダ可動部48が最大限に縮小した(つまり、戻り限に戻った)位置を定める位置決め手段とが設けられている。
【0035】
図10は、スライダ固定部49の平面図であり、この図10と図4とに図示されるところから明らかなように、スライダ固定部49は、断面倒立T字状の細長いレール状の金属製部材からなる。そして、倒立T字の下辺をなす水平板部51上の垂直板部52に対して一方側(図10において上側)には、その図10において左端より全長の略3分の1の長さの所に、ストッパー板部材53がネジ止めにより固着されている。このストッパー板部材53は、スライダ可動部48がスライダ固定部49に対して最大限に引き出されたときの出限の位置を定める。
【0036】
また、水平板部51上の垂直板部52に対して他方側(図10において下側)のストッパー板部材53が設けられた位置と丁度対応する位置には、突出子56が出没可能に埋設された板部材54がネジ止めにより固着されている。この突出子56は、スライダ可動部48が出限の位置に来たとき、スライダ可動部48の側板48b (図11参照)の右端部の外側面に固着された後述する位置決め用プレート61の凹部62に嵌まり込んで、スライダ可動部48をその位置に位置決めする。この突出子56と位置決め用プレート61とは、スライダ可動部48がスライダ固定部49に対して最大限に伸長した(最大限に引き出された)位置を定める位置決め手段を構成する。突出子56は、ボールプランジャからなるが、必ずしもこれに限定されず、弾性的に出没可能なものであればよい。
【0037】
さらに、水平板部51上の垂直板部52に対して板部材54が設けられた側と同じ側には、その図10において右端位置に、突出子57が出没可能に埋設された板部材55がネジ止めにより固着されている。この突出子57は、スライダ可動部48が戻り限の位置に来たとき、後述する位置決め用プレート61の凹部62に嵌まり込んで、スライダ可動部48をその位置に位置決めする。この突出子57と位置決め用プレート61とは、スライダ可動部48が最大限に縮小した(戻り限に戻った)位置を定める位置決め手段を構成する。突出子57は、突出子56と同じ構造のものであり、板部材55は、板部材54と同じ構造のものである。
【0038】
前記のような構造からなるスライダ固定部49には、スライダ可動部48が装着される。スライダ可動部48は、図4ないし図7および図11に図示されるように、2枚の細長い平板状の側板48a 、48b が両端部において連結ピン58、連結板59を介してそれぞれボルト止めされて結合されてなり、一体構造物をなしている。そして、これら2枚の側板48a 、48b とスライダ固定部49の垂直板部52との間には、前記したスライドパック50がそれぞれ介設されている。
【0039】
このスライドパック50は、相対的に滑動可能な3枚の細長い折曲板状部材が相互に嵌合し合って構成されており、その最内側の折曲板状部材は、スライダ固定部49の垂直板部52にネジ止めされて固着され、その最外側の折曲板状部材は、スライダ可動部48の側板48a 、48b にそれぞれネジ止めされて固着されている。したがって、これら3枚の折曲板状部材が相対的に滑動して、スライドパック50が伸縮することにより、スライダ可動部48は、スライダ固定部49に対して2段階に伸縮可能である。
【0040】
スライダ可動部48の一方側(図11において上側)の側板48a の右端部の外側面には、衝突板ブロック60がネジ止めされて固着されている。同様に、スライダ可動部48の他方側(図11において下側)の側板48b の右端部の外側面には、位置決め用プレート61がネジ止めされて固着されている。この位置決め用プレート61には、その下端面の中央部に突出子56、57が嵌まり込むことができる凹部62(図4、図5参照)が陥没形成されている。
【0041】
また、スライダ固定部49の垂直板部52の図10において右端面には、図10には図示されないが、図5ないし図7および図11に図示されるように、平面視L字状のブロック片63が、センサ取付け片65とともに、2本のボルト64(図6参照)によりネジ止めされて固着されており、このブロック片63のL字に折れ曲がった先端部にストッパーボルト66が螺着されている。このストッパーボルト66の先端は、スライダ可動部48の側板48a に設けられた衝突板ブロック60の端面に衝突して、スライダ可動部48の戻り限を定める。
【0042】
センサ取付け片65の上端部には、スライダ可動部48の戻り限を検出するための戻り限センサ67が取り付けられている。この戻り限センサ67は、スライダ可動部48の2枚の側板48a 、48b を図11の右端部において連結する連結板59の外方端面に固着されたL字状折曲片68(図5ないし図7、図11参照)の折れ曲がった先端部を感知することにより、スライダ可動部48が戻り限位置に戻ったことを検出する。
【0043】
また、スライダ固定部49の垂直板部52の図10において左端面には、図10には図示されないが、図2、図3および図11に図示されるように、スライダ41に載置される塗布ヘッド20の在席を検出するための在席センサ69が取り付けられている。この在席センサ69は、垂直板部52の左端面に固着されたセンサ取付け片70を介して垂直板部52の左端面に取り付けられている。なお、塗布ヘッド20は、比較的柔らかい樹脂材料からなる緩衝用受け具71(図2ないし図4参照)を介してスライダ41に載置されるようになっており、これにより、塗布ヘッド20の下端部の損傷が防止されている。
【0044】
さらに、本実施形態における液体塗布装置1に使用される塗布ヘッド20のメンテナンス機構40には、スライダ可動部48の戻り限を検出するための戻り限センサ67、昇降シリンダ42の上昇限を検出するための上限センサ46、昇降シリンダ42の下降限を検出するための下限センサ47、スライダ41に載置される塗布ヘッド20の在席を検出するための在席センサ69がそれぞれの検出対象を検出したことを条件として、次の動作に進むことを許容する安全装置が備えられている。例えば、在席センサ69がスライダ41上に塗布ヘッド20の在席を検出したことを条件として、作業者が塗布ヘッド20を液体塗布装置1の外に引き出すことができるように、突出子57と位置決め用プレート61とからなる位置決め手段は、在席センサ69からの在席検出信号を受信してから、突出子57と位置決め用プレート61の凹部62との係合を解くようなインターロック機構を内蔵したものとなっている。
【0045】
次に、本実施形態における液体塗布装置1に使用される塗布ヘッド20のメンテナンス機構40の動作について、詳細に説明する。
先ず、基板4への塗布液の塗布工程を終了した塗布ヘッド20が、メンテナンスのために、基台2上に設置されたメンテナンス機構40の直ぐ上方にまで搬送されて来る(図12(a)参照)。そして、作業者により、その到着が確認されると、昇降シリンダ42は、下降限位置(待機位置)でのロックが解かれて、スライダ41とともに、そこから上昇限位置まで上昇する。昇降シリンダ42の上昇限位置までの上昇は、上限センサ46により検出される。同時に、昇降シリンダ42は、この位置にロックされる(図12(b)参照)。
【0046】
上限センサ46が、昇降シリンダ42の上昇限位置までの上昇を検出すると、この時点においては、スライダ41の上端面(正確には、スライダ41を構成するスライダ可動部48の上端面)は、緩衝用受け具71を介して塗布ヘッド20の下端面に接しているので、スライダ41の上に塗布ヘッド20を静かに載置することができる状態にある。そこで、図示されないメンテナンス操作盤には、塗布ヘッド20の取り外し許可の表示がなされるので、作業者は、この許可表示を確認後、ボルト30(図9参照)を緩めて、塗布ヘッド20をヘッド保持フレーム12から取り外す。なお、このメンテナンス操作盤上での各種動作の許可・不許可表示は、音声信号によって代えられてもよく、また、これらが併用されてもよい。スライダ41と塗布ヘッド20との間に介在させられる緩衝用受け具71は、図12においては、図示省略されている。
【0047】
このようにして、塗布ヘッド20がヘッド保持フレーム12から取り外されると、塗布ヘッド20は、完全にスライダ41上に載置される。この状態は、在席センサ69により検出される。そこで、在席センサ69がスライダ41上に塗布ヘッド20が載置されたことを検出すると、メンテナンス操作盤には、塗布ヘッド20の引き出し許可の表示がなされるとともに、突出子57と位置決め用プレート61とからなる位置決め手段に内蔵されるインターロック機構がアンロックされるので、作業者は、メンテナンス操作盤上の許可表示を確認後、スライダ可動部48を、その上に載置された塗布ヘッド20とともに、液体塗布装置1の外部に引き出す(図2、図12(c)参照)。
【0048】
このようにして、作業者により、液体塗布装置1の外部に引き出されたスライダ可動部48および塗布ヘッド20は、スライダ可動部48の側板48a に固着された衝突板ブロック60がスライダ固定部49の水平板部51上に固着されたストッパー板部材53に衝突することにより停止するとともに、同水平板部51上に固着された板部材54に出没可能に埋設された突出子56がスライダ可動部48の側板48b に固着された位置決め用プレート61に形成された凹部62に嵌まり込むことにより、そこに位置決めされる。
【0049】
このようにして、液体塗布装置1の外部に引き出されて所定位置に位置決めされた塗布ヘッド20には、作業者により、所定のメンテナンスが実施される。このメンテナンスには、塗布ヘッド20の先端部の清掃、使用液体の種類や基板4のサイズ等に応じて塗布ヘッド20のスロット27の厚みや幅(塗布幅)を変更するためのシム23の交換、塗布ヘッド20自体の交換、恒温循環水ヒータ(ウオータージャケット)28a 、28b の清掃・交換等のメンテナンス作業が含まれる。
【0050】
このようにして、塗布ヘッド20に対する所定のメンテナンスが終了すると、次いで、作業者は、スライダ可動部48を、その上に載置された塗布ヘッド20とともに、液体塗布装置1の内部の戻り限位置に戻す(図12(b)参照)。このとき、スライダ可動部48および塗布ヘッド20は、スライダ可動部48の側板48a に固着された衝突板ブロック60がスライダ固定部49の垂直板部52の右端面にブロック片63を介して固着されたストッパーボルト66に衝突することにより停止するとともに、スライダ固定部49の水平板部51上に固着された板部材55に出没可能に埋設された突出子57がスライダ可動部48の側板48b に固着された位置決め用プレート61に形成された凹部62に嵌まり込むことにより、そこに位置決めされる。スライダ可動部48および塗布ヘッド20の戻り限位置への戻りは、戻り限センサ67により検出される。同時に、この位置決め手段に内蔵されるインターロック機構がロックされる。
【0051】
このようにして、スライダ可動部48および塗布ヘッド20の戻り限位置への戻りが戻り限センサ67により検出されると、次いで、メンテナンス操作盤には、塗布ヘッド20の取り付け許可の表示がなされるので、作業者は、この許可表示を確認後、ボルト30を緊締して、塗布ヘッド20をヘッド保持フレーム12に取り付ける。この塗布ヘッド20のヘッド保持フレーム12への取付けは、在席センサ69のOFF作動により検出される。
【0052】
塗布ヘッド20のヘッド保持フレーム12への取付けが在席センサ69のOFF作動により検出されると、次いで、メンテナンス操作盤には、昇降シリンダ42の上昇限位置から下降限位置への下降許可の表示がなされるとともに、昇降シリンダ42の上昇限位置でのロックが解かれるので、作業者は、この許可表示を確認後、昇降シリンダ42を、スライダ41とともに、下降限位置に下降させる。昇降シリンダ42およびスライダ41の下降限位置(待機位置)への下降は、下限センサ47により検出される。同時に、昇降シリンダ42は、この位置にロックされる。
【0053】
このようにして、昇降シリンダ42およびスライダ41の下降限位置(待機位置)への下降が下限センサ47により検出されると、次いで、メンテナンス操作盤には、塗布ヘッド20の次工程への移動許可の表示がなされるので、作業者は、この表示の確認後、塗布ヘッド20を所定の次工程に移動させる。
【0054】
スライダ可動部48を戻り限位置において位置決めする位置決め手段(突出子57と位置決め用プレート61とからなる)に内蔵されるインターロック機構、昇降シリンダ42を下降限位置(待機位置)および上昇限位置においてロックするインターロック機構、および塗布ヘッド20、スライダ41、昇降シリンダ42等の各種動作の許可・不許可表示をするメンテナンス操作盤は、塗布ヘッド20のメンテナンス機構40の作動の安全を確保するためのものであり、安全装置を構成する。
【0055】
本実施形態における液体塗布装置1に使用される塗布ヘッド20のメンテナンス機構40は、前記のように構成されているので、次のような効果を奏することができる。
昇降シリンダ42およびスライダ41の使用により、塗布ヘッド20の液体塗布装置1に対する取り付け、取り外しが半自動化されて、簡単に行なえるので、大型の塗布ヘッド20であっても、作業者が塗布ヘッド20を液体塗布装置から引き出して行なう塗布ヘッド20のメンテナンス作業の負担が軽減されて、その作業性を向上させることができる。また、多品種の塗布対象物や塗布液体に対応するために、塗布ヘッド20自体の交換、塗布ヘッド20の部品の交換や改造等を行なうのにも、塗布ヘッド20を液体塗布装置1から引き出すのが簡単に行なえるので、それらの作業が容易になり、多品種の塗布対象物や塗布液体への対応が容易になる。これらにより、塗布ヘッド20のメンテナンス作業が容易化して、安価に実施することができるようになり、メンテナンスの定期的な実施により、塗布品質を一定の状態に保ち、製品の歩留りを向上させることができる。
【0056】
殊に、複数のセンサ46、47、67、69を使用して、昇降シリンダ42の上昇限を検出するための上限センサ46の作動により、スライダ41が塗布ヘッド20を載置することができる位置に上昇したことを確認し、次いで、塗布ヘッド20を液体塗布装置1から外して、スライダ41に載置し、スライダ41に載置された塗布ヘッド20の在席を検出するための在席センサ69が作動すると、スライダ41を滑動させて、塗布ヘッド20を液体塗布装置1外に引き出すようにすることができる。また、塗布ヘッド20を液体塗布装置1に取り付けるのには、スライダ41の戻り限を検出するための戻り限センサ67の作動、スライダ41に載置される塗布ヘッド20の在席を検出するための在席センサ69の作動の停止(OFF作動)を確認しつつ、この逆の動作を行なえばよい。そして、昇降シリンダ42の下降限を検出するための下限センサ47の作動を確認したら、塗布ヘッド20を次工程に移動させることができる。
【0057】
したがって、塗布ヘッド20の液体塗布装置1に対する取り付け、取り外しがさらに半自動化されて、きわめて簡単に行なえるので、大型の塗布ヘッド20であっても、作業者が塗布ヘッド20を液体塗布装置1から引き出して行なう塗布ヘッド20のメンテナンス作業の負担が軽減されて、その作業性を向上させることができる。また、多品種の塗布対象物や塗布液体に対応するために、塗布ヘッド20自体の交換、塗布ヘッド20の部品(シム23等)の交換や改造等を行なうのにも、塗布ヘッド20を液体塗布装置1から引き出すのが簡単に行なえるので、それらの作業がきわめて容易になり、多品種の塗布対象物や塗布液体への対応が容易になる。これらにより、塗布ヘッド20のメンテナンス作業が容易化して、安価に実施することができるようになり、メンテナンスの定期的な実施により、塗布品質を一定の状態に保ち、製品の歩留りを向上させることができる。
【0058】
また、スライダ41は、スライダ可動部48とスライダ固定部49との主要構成要素からなり、スライダ可動部48の位置決め手段が備えられているので、スライダ41の戻り限位置への戻り、スライダ41の引き出し位置への引き出し等、スライダ41の作動の正確性を高めることができ、また、メンテナンス作業の安全を図ることができる。
【0059】
しかも、この位置決め手段は、スライダ固定部49に設けられる弾性的に出没可能な突出子56、57と、スライダ可動部48に設けられ、突出子56、57と係合する凹部62を有する位置決め用プレート61とからなるようにされているので、スライダ可動部48の位置決め手段を、きわめて簡単な構成により得ることができる。
【0060】
さらに、戻り限センサ67がスライダ41の戻り限を、上限センサ46が昇降シリンダ42の上昇限を、下限センサ47が昇降シリンダ42の下降限を、在席センサ69がスライダ41に載置される塗布ヘッド20の在席を、それぞれ検出したことを条件として、次の動作に進むことを許容する安全装置(インターロック機構、メンテナンス操作盤)が備えられているので、塗布ヘッド20、スライダ41、昇降シリンダ42が行なう一連のメンテナンス動作の確認を取って、次の動作に進むことができ、それらの動作を確実、安全に実行させることができて、メンテナンス作業のさらなる安全を図ることができる。
【0061】
また、塗布ヘッド20は、液注入口24から注入された塗布液が滞留する幅方向に延びるリザーバ26を有する第1の分割ヘッド21と、第2の分割ヘッド22と、これら両分割ヘッド21、22の間に挟まれて、これら両分割ヘッド21、22の間にリザーバ26に連通する幅方向に細長いスリット状のスロット27を形成するシム23とからなり、メンテナンス機構40を使用する塗布ヘッド20のメンテナンスには、塗布ヘッド20を液体塗布装置1外に引き出して、シム23を交換する作業が含まれているので、多品種の塗布対象物や塗布液体に合わせたスロット27の塗布幅変更や厚さ変更にも、塗布ヘッド20を分解して、内部のシム23を適切なものに交換するのみにより、簡単に対応することができ、高価な塗布ヘッド20をいくつも準備する必要がなく、塗布ヘッド20の改造の必要もない。これにより、多品種の塗布対象物や塗布液体への対応がさらに容易になり、メンテナンス作業がさらに容易化して、さらに安価に実施することができる。
【0062】
さらに、また、スライダ41を構成するスライダ可動部48は、2枚の細長い平板状の側板48a 、48b の一体構造物からなり、しかも、その上に緩衝用受け具71を介して塗布ヘッド20を載置するようになっているので、下端中央部に突出する細長ノズル部(歯先部21a 、22a からなる)を有する塗布ヘッド20に損傷を与えることなく、これを上手くその上に載置して、移動させることができる。
【0063】
本実施形態において、位置決め手段を構成する突出子56、57はスライダ固定部49に設けられ、同位置決め手段を構成する凹部62を有する位置決め用プレート61はスライダ可動部48に設けられたが、これに限定されず、突出子56、57はスライダ可動部48に、位置決め用プレート61はスライダ固定部49に、それぞれ設けられてもよい。また、昇降手段として、昇降シリンダ42が使用されたが、これに限定されず、モータ駆動の昇降手段とされてもよい。
その他、本願の発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々に変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願の請求項1ないし請求項4に記載された発明の一実施形態における液体塗布装置の概略斜視図である。
【図2】 同液体塗布装置に使用される塗布ヘッドのメンテナンス機構の概略正面図である。
【図3】 図2のメンテナンス機構部の左端要部の拡大正面図である。
【図4】 同拡大側面図である。
【図5】 図2のメンテナンス機構部の右端要部の拡大正面図である。
【図6】 同拡大側面図である。
【図7】 同拡大平面図である。
【図8】 昇降シリンダ部を含む図2のメンテナンス機構部の右端要部の概略拡大側面図である。
【図9】 塗布ヘッドの液体塗布装置への取付け状態を示す側面図である。
【図10】 メンテナンス機構を構成するスライダ固定部の平面図である。
【図11】 同スライダ固定部にスライダ可動部が組み合わされたスライダの平面図である。
【図12】 塗布ヘッドが液体塗布装置外に引き出される一連の工程を示す図である。
【図13】 塗布ヘッドの分解斜視図である。
【符号の説明】
1…液体塗布装置、2…基台、2a 、2b …基台側壁、3…テーブル、4…基板、5a 、5b …レール、10…塗布機構部、11a 、11b …移動台、12…ヘッド保持フレーム、13a 、13b …昇降シリンダ、14a 、14b …リニア駆動部、15…可動ケーブル、16a 、16b …永久磁石、17a 、17b …リニアブッシュ、18…セルフクリーニング装置、20…塗布ヘッド、21…分割ヘッド、21a …歯先部、22…分割ヘッド、22a …歯先部、23…シム、23a …凹部、24…液注入口、25…通孔、26…空洞部、27…スロット、28a 、28b …恒温循環水ヒータ(ウオータージャケット)、29…ブラケット、30…ボルト、31…把手、32…空気抜き口、40…メンテナンス機構、41…スライダ、42…昇降シリンダ、43…支柱、44…支持プレート、45…昇降動案内手段、46…上限センサ、47…下限センサ、48…スライダ可動部、48a 、48b …側板、49…スライダ固定部、50…スライドパック、51…水平板部、52…垂直板部、53…ストッパー板部材、54、55…板部材、56、57…突出子、58…連結ピン、59…連結板、60…衝突板ブロック、61…位置決め用プレート、62…凹部、63…ブロック片、64…ボルト、65…センサ取付け片、66…ストッパーボルト、67…戻り限センサ、68…L字状折曲片、69…在席センサ、70…センサ取付け片、71…緩衝用受け具。
Claims (4)
- 幅方向に細長いスリット状のスロットを有する塗布ヘッドを備え、前記スロットの開口から塗布液を下方に吐出させながら、前記塗布ヘッドを下方の塗布対象物に対して水平方向に移動させて、前記塗布対象物上に塗膜を形成するようにしてなる液体塗布装置における塗布ヘッドのメンテナンス機構が、
前記液体塗布装置内であって、前記塗布対象物を載置するテーブルから前記塗布ヘッドの移動方向に所定の距離を隔てた前記塗布ヘッドの移動経路より下方の位置に設けられ、前記塗布ヘッドを載置して、前記塗布ヘッドをその移動経路と直交する方向に沿って前記液体塗布装置外に引き出すことができるスライダと、
前記スライダを、前記塗布ヘッドを載置することができる前記塗布ヘッドの移動経路上の位置と載置前の待機位置との間で昇降させるための昇降手段と
を備えてなることを特徴とする液体塗布装置における塗布ヘッドのメンテナンス機構。 - 請求項1に記載の液体塗布装置における塗布ヘッドのメンテナンス機構が、さらに、少なくとも前記スライダの戻り限、前記昇降手段の上昇限、前記昇降手段の下降限および前記スライダに載置される前記塗布ヘッドの在席をそれぞれ検出するための複数の検出手段と、メンテナンス操作盤とを備え、
これらの検出手段の検出結果が前記メンテナンス操作盤に表示されるようにされている
ことを特徴とする液体塗布装置における塗布ヘッドのメンテナンス機構。 - 前記スライダは、スライダ可動部と、スライダ固定部とからなり、
前記スライダ可動部は、緩衝用受け具を備えていて、該緩衝用受け具を介して前記塗布ヘッドを載置するようにされており、
前記スライダ可動部の位置決め手段が備えられた
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液体塗布装置における塗布ヘッドのメンテナンス機構。 - 前記位置決め手段は、
前記スライダ固定部もしくは前記スライダ可動部に設けられる弾性的に出没可能な突出子と、前記スライダ可動部もしくは前記スライダ固定部に設けられ、前記突出子と係合する凹部を有する位置決め用プレートとからなり、さらに、
前記塗布ヘッドの在席を検出するための検出手段からの在席検出信号を受信してから前記突出子と前記位置決め用プレートの前記凹部との係合を解くインターロック機構を内蔵している
ことを特徴とする請求項3に記載の液体塗布装置における塗布ヘッドのメンテナンス機構。
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