JP5110326B2 - アンテナ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、アンテナ装置に関し、特に、無線LAN(Local Area Network)の周波数帯で使用されるアンテナ装置に関する。
この技術分野において周知のように、無線LANとは、電波や赤外線など、有線ケーブル以外の伝送路を利用したLANをいう。
無線LANの標準化については、米IEEE(米国電気電子技術者協会)の802.11委員会で策定されている。すなわち、このIEEE802.11委員会では、無線LANの標準の規格、仕様を策定している。
例えば、IEEE 802.11aは、IEEE 802.11委員会が策定した5GHz帯高速無線LAN・無線アクセスの規格である。通信速度(転送速度)は20M〜50Mビット/秒程度である。MAC(媒体アクセス制御)としてはCSMA/CD(carrier sense multiple access with collision detection)が採用されている。物理層の変調方式はOFDM(直交周波数分割多重)である。
一方、IEEE 802.11bは、IEEE 802.11委員会が1999年9月に標準化した無線LANの仕様である。IEEE 802.11bでは、2.4GHz帯の周波数を使い、変調方式には直接拡散(DS)を使う。伝送速度(転送速度)は11Mビット/秒と5.5Mビット/秒とがある。
更に、IEEE 802.11gは、IEEE 802.11委員会が2003年6月に策定した、無線LANの標準規格の一つで、2.4GHz帯で約54Mビット/秒の通信を行う仕様である。変調方式にはOFDMが採用されている。したがって、IEEE 802.11gは、IEEE 802.11bと同じ2.4GHz帯の周波数を利用し、IEEE 802.11bの約5倍にあたる54Mビット/秒の転送速度をサポートする。同じく54Mビット/秒の転送速度をサポートするIEEE 802.11aと異なり、IEEE 802.11gはIEEE 802.11bとの互換性もある。なお、54Mビット/秒という最高転送速度はIEEE 802.11aとまったく同じになっているが、2.4GHz帯は無線LAN以外の機器でも多数使用されている「混雑した」周波数帯となっているため、IEEE 802.11gでは実際の転送速度はIEEE 802.11aよりも遅くなるといわれている。
前述したように、IEEE 802.11bとIEEE 802.11gとでは使用周波数帯が同じ(2.4GHz帯)なので、ここでは、両方を合わせて、IEEE 802.11b/gと総称することにする。
このような無線LANの周波数帯で使用されるアンテナ装置は、従来から種々知られている。
例えば、特許文献1は、小型化及び実装が容易な平面偏波アンテナを開示している。特許文献1に開示された平面偏波アンテナは、平板絶縁基板と、この平板絶縁基板上に設けられる導電体部とを備える。導電体部は、給電点を有する逆Fアンテナ部と、グランド面部とを備える。同軸ケーブルの芯線(中心導体)は、逆Fアンテナ部の給電点に接続され、同軸ケーブルのアース線(外部導体)は、グランド面部に接続されている。
また、特許文献2は、安定した通信が確保でき、スペース効率に優れた平面アンテナを開示している。特許文献2に開示された平面アンテナは、絶縁性基材上にエレメント、グランド板および短絡部を配設し、絶縁性基材の他方の面に形成されたストリップラインを介し給電している。ストリップラインは開始点と終点とを持つ。ストリップラインの開始点は、絶縁性基材に設けられた一方のスルーホールを形成し、ストリップラインの終点は、絶縁性基材に設けられた別のスルーホールを形成している。給電用同軸ケーブルの内部導体はストリップラインの開始点に接続され、エレメントの給電点はストリップラインの終点に接続されている。尚、給電用同軸ケーブルの外部導体は、グランド板のアースポイントと接続されている。
上述した特許文献1及び2に開示されたアンテナ装置は、いずれも、基板上にアンテナパターンが形成されているので、「基板アンテナ」と呼ばれる。
一方、特許文献3は、広帯域および高利得のアンテナを開示している。特許文献3に開示されたアンテナは、少なくとも1つの折れ曲がり部を設けたアンテナエレメントと、このアンテナエレメントの一端が接続されるグランド部と、折れ曲がり部からこの折れ曲がり部の内角を分割する方向に形成した給電部と、この給電部に接続される給電線路とを有する。給電部には、給電線路である同軸ケーブルの内導体が接続されている。同軸ケーブルの外導体は、グランド部に接続されている。アンテナを製造する場合、例えばりん青銅等の平板を用いてプレス加工を行い、アンテナエレメントとグランド部およびアンテナエレメントの折れ曲がり部に給電部を設けた導体平板を形成する。このような導体平板を用いたアンテナは、「板金アンテナ」と呼ばれる。
また、特許文献4は、アンテナと通信ケーブルとをハンダ付け等により接続する際、送受信周波数のずれを防止することができ、接続作業性を向上させた、「アンテナと通信ケーブルの接続構造」を開示している。特許文献4において、アンテナは、金属部材からなるアンテナエレメントと、このアンテナエレメントの表面上の少なくとも一部に備えられた絶縁層とからなる。絶縁層に2つの窓穴が形成されている。これら窓穴を介して、アンテナエレメントと通信ケーブルの導体部分とが接続されている。アンテナエレメントは、放射導体部、接地導体部、短絡導体部、および給電路から構成されている。接地導体部は矩形をしている。通信ケーブルは、内部導体と外部導体とを有する。第1の窓穴を介して接地導体部と外部導体とがハンダを用いて接続され、第2の窓穴を介して給電路と内部導体とがハンダを用いて接続されている。通信ケーブルは、アンテナエレメントの長手方向と平行に延在している。
特許文献5は、小型、軽量で、しかも同調周波数帯域が広い多周波アンテナを開示している。特許文献5に開示された多周波アンテナは、X軸方向に延在するアンテナ素子と、このアンテナ素子と短絡ラインを介して導通接続されたグランド板と、アンテナ素子の長手方向と平行に延在し、かつ、アンテナ素子とグランド板との間に配置された同軸ケーブルとを備える。アンテナ素子の給電点から給電ラインが延在している。グランド板は、アンテナ素子側へ突出する突出片を持つ。同軸ケーブルの中心導体は給電ラインに接続され、同軸ケーブルの外部導体は突出片に接続されている。
特開2008−187631号公報 特開2005−136784号公報 特開2007−159064号公報 特開2004−173143号公報 特開2005−142739号公報
上述したような平面アンテナにおいては、同軸ケーブルの外部導体をグランド板(グランドパターン部)に半田付けで接続する必要がある。そのような半田付けは、以下のようにして行われる。半田ごてを使用してグランド板(グランドパターン部)の特定の箇所(すなわち、半田付けが為される箇所)に熱を加えて、当該特定の箇所の温度をはんだ付け温度以上に上昇させ、これにより半田を融かして、同軸ケーブルの外部導体とグランド板(グランドパターン部)とを接続する。すなわち、半田付けが為される箇所(特定の箇所)を、ハンダ付け温度以上に加熱する必要がある。
上述した特許文献1〜5では、それぞれ、次に述べるような問題がある。
特許文献1に開示された平面偏波アンテナでは、グランド面部が矩形をしているので、半田ごての熱が上記特定の箇所からグランド面部の周囲へ逃げて(拡散して)しまう。その結果、上記特定の箇所の温度を、半田付け温度以上にできなかったり、半田付け温度以上にするのに時間がかかってしまう。すなわち、半田付けが困難であるという問題がある。
特許文献2に開示された平面アンテナにおいても、グランド板が矩形をしているので、半田ごての熱がアースポイント(特定の箇所)からグランド板の周囲へ(拡散して)しまう。その結果、上記アースポイント(特定の箇所)の温度を、半田付け温度以上にできなかったり、半田付け温度以上にするのに時間がかかってしまう。すなわち、半田付けが困難であるという問題がある。
特許文献3に開示されたアンテナでも、グランド部が矩形をしているので、半田ごての熱が上記特定の箇所からグランド部の周囲へ逃げて(拡散して)しまう。その結果、上記特定の箇所の温度を、半田付け温度以上にできなかったり、半田付け温度以上にするのに時間がかかってしまう。すなわち、半田付けが困難であるという問題がある。
特許文献4に開示されたアンテナでは、絶縁層に穿設された第1の窓穴を介して、アンテナエレメントの接地導体部と通信ケーブルの外部導体とがハンダを用いて接続されている。このような構成では、半田ごての熱を接地導体部へ伝達させることが困難になる。その結果、半田付けが困難であるという問題がある。
特許文献5に開示された多周波アンテナでは、同軸ケーブルの外部導体は、グランド板の突出片に接続されている。この突出片は非常に小さいので、グランド板から剥がれてしまう恐れがある。このように、剥離強度が弱いので、アンテナパターンに歪みが発生する恐れがある。
したがって、本発明の課題は、同軸ケーブルの外部導体をグランドパターン部に容易に半田付けすることが可能なアンテナ装置を提供することにある。
本発明によれば、所定の周波数帯の電波を送受信可能なアンテナ装置(10;10A)であって、中心導体(22)と外部導体(21)とを持つ同軸ケーブル(20)と、アンテナ素子(30;30A)とを有するアンテナ装置(10;10A)に於いて、前記アンテナ素子(30;30A)は、アンテナパターン部(32;32A)とグランドパターン部(34;34A)とを有し、前記同軸ケーブル(20)の中心導体(22)は前記アンテナパターン部(32;32A)の第1の半田付け部分(324;324A)で半田(51)付けされて電気的に接続され、前記同軸ケーブル(20)の外部導体(21)は前記グランドパターン部(34;34A)の第2の半田付け部分(344;344A)で半田(52)付けされて電気的に接続され、前記グランドパターン部(34;34A)は、前記第2の半田付け部分(344;344A)の近傍に、当該第2の半田付け部分(344;344A)を規定し、かつ熱の拡散を阻止するグランドパターン開口部(34a;34Aa)を有し、前記第2の半田付け部分(344;344A)は、前記第1の半田付け部分(324;324A)と前記グランドパターン開口部(34a;34Aa)との間に挟まれていることを特徴とする、アンテナ装置(10;10A)が得られる。
上記アンテナ装置(10;10A)において、前記同軸ケーブル(20)は、前記グランドパターン部(32;32A)上で、前記アンテナパターン部(32;32A)の長手方向(Y)と直交する方向(X)で、かつ前記グランドパターン部(34;34A)の一辺に沿って平行に延在するものでよい。前記所定の周波数帯は、例えば、2.4GHz帯の周波数であってよい。前記アンテナパターン部(32;32A)は、例えば、逆Fアンテナから構成されてよい。この場合、前記第1の半田付け部分としての前記逆Fアンテナの給電部(324;324A)に、前記同軸ケーブル(20)の前記中心導体(22)が接続される。
本発明の第1の態様による上記アンテナ装置(10)によれば、前記アンテナパターン部(32)と前記グランドパターン部(34)とは、前記基板(31)の主面(31u)上に形成された導体箔から構成されている。前記導体箔は、例えば、銅箔から成る。
本発明の第2の態様による上記アンテナ装置(10A)によれば、前記アンテナ素子(30A)は金属板から構成されている。前記金属板は、りん青銅から構成されることが好ましい。
上記アンテナ装置(10;10A)において、前記グランドパターン開口部(34a;34Aa)は、前記同軸ケーブル(20)の長手方向(X)と直交する方向(Y)に長い矩形をしていることが好ましい。前記第2の半田付け部分(344;344A)の幅(B)は、前記同軸ケーブル(20)の露出している前記外部導体(21)の長さに実質的に等しいことが望ましい。前記グランドパターン開口部(34a;34Aa)の幅(A)は、前記第2の半田付け部分(344;344A)の幅(B)より小さく0.2mm以上の範囲にあることが好ましい。前記グランドパターン開口部(34a;34Aa)の長さは、3.4mm以上5.4mm以下の範囲にあることが好ましい。
尚、上記括弧内の符号は、本発明の理解を容易にするために付したものであり、一例にすぎず、これらに限定されないのは勿論である。
本発明に係るアンテナ装置では、グランドパターン部に、第2の半田付け部分の近傍に、当該第2の半田付け部分を規定するグランドパターン開口部を形成したので、半田付け時に、第2の半田付け部分から熱が逃げるのを阻止することができる。その結果、同軸ケーブルの外部導体をグランドパターン部に容易に半田付けすることが可能となる。
本発明の第1の実施の形態に係るアンテナ装置(基板アンテナ)の平面図である。 図1に示したアンテナ装置(基板アンテナ)の分解平面図である。 図1の破線円で囲んだアンテナ装置(基板アンテナ)の一部分(主要部)を、拡大して示した図で、(A)は半田付け前の状態を示す要部拡大平面図であり、(B)および(C)は、それぞれ、半田付け後の状態を示す要部拡大平面図および要部拡大側面図である。 本発明の第2の実施の形態に係るアンテナ装置(板金アンテナ)の平面図である。 図4に示したアンテナ装置(板金アンテナ)の分解平面図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1および図2を参照して、本発明の第1の実施の形態に係るアンテナ装置(基板アンテナ)10について説明する。図1はアンテナ装置(基板アンテナ)10の平面図である。図2はアンテナ装置(基板アンテナ)10の分解平面図である。
図1および図2では、直交座標系(X,Y,Z)を採用している。図1および図2に図示した状態では、X軸方向は前後方向(奥行き方向)であり、Y軸方向は左右方向(幅方向、横方向)であり、Z軸方向は上下方向(高さ方向)である。
図示のアンテナ装置(基板アンテナ)10は、所定の周波数帯の電波を送受信するためのものである。図示の例では、所定の周波数帯は、IEEE 802.11b/gで使用される2.4GHz帯の周波数である。
図示のアンテナ装置(基板アンテナ)10は、同軸ケーブル20とアンテナ素子30とを有する。
図2に示されるように、同軸ケーブル20は、円筒状の外部導体21と、その中央にある中心導体22とからなる同軸形状の電気信号伝送媒体である。外部導体21と中心導体22との間は円筒状の絶縁体23で絶縁されている。また、外部導体21はシース(外皮)24で覆われている。外部導体21は、アース線や外導体とも呼ばれ、図2に示されるように、網状の導線から成る。中心導体22は、芯線や内導体とも呼ばれる。
図示の例では、同軸ケーブル20は0.8mmの直径を有する。また、外部導体21の外径は、0.6mmである。
図1に示されるように、同軸ケーブル20は、前後方向(X軸方向)に延在している。同軸ケーブル20の先端部は、図2に示されるようにカットされ、中心導体22、絶縁体23、および外部導体21が露出している。
アンテナ素子30は、主面(表面、上面)31uを持つ平板状のプリント配線基板31を有する。プリント配線基板31は、長さ(縦)B、幅(横)Wを持つ矩形板の形状をしている。図示の例では、長さ(縦)Bが24.7mm、幅(横)Wが22.8mmである。尚、図示の例では、プリント配線基板31は、その右綿中央部に開口31aを持つ。また、プリント配線基板31には、当該アンテナ装置10を筐体(図示せず)に取り付けるための一対の取付け用穴31bが穿設されている。
アンテナ素子30は、プリント配線基板31の主面31u上に形成された、アンテナパターン部32とグランドパターン部34とを有する。尚、アンテナ素子30(アンテナパターン部32およびグランドパターン部34)は、プリント配線基板31の主面31u上に形成されたレジスト膜(図示せず)によって覆われている。グランドパターン部34は、アンテナパターン部32に一体形成されている。アンテナパターン部32とグランドパターン部34とは、銅箔から成る。図示の例では、アンテナパターン部32は逆Fアンテナから構成されている。逆Fアンテナ32は、L字形状のL型部322と、このL型部322から突出する給電部324とを有する。L型部322は、横方向(Y軸方向)に延びる長辺と、前後方向(X軸方向)に延びる短辺とを有する。
尚、図示の例では、アンテナパターン部32とグランドパターン部34とは銅箔から構成されているが、他の導体箔から構成されても良い。
図1に示されるように、同軸ケーブル20は、グランドパターン部34上で、アンテナパターン部32の長手方向(左右方向Y)と直交する方向(前後方向X)でかつグランドパターン部34の一辺(左辺)に沿って平行に延在している。
同軸ケーブル20の中心導体22は、レジスト膜の第1の削除部511から露出したアンテナパターン部(逆Fアンテナ)32の給電部324に半田51付けにより電気的に接続されている。すなわち、給電部324は、第1の半田付け部分として働く。
一方、同軸ケーブル20の外部導体21は、レジスト膜の第2の削除部522から露出したグランドパターン部34の第2の半田付け部分344で半田52付けにより電気的に接続されている。
本発明の第1の実施の形態では、グランドパターン部34は、第2の半田付け部分344の近傍に、当該第2の半田付け部分344の位置を規定する矩形のグランドパターン開口部34aを有する。
図3は、図1の破線円で囲んだアンテナ装置(基板アンテナ)10の一部分(主要部)を、拡大して示した図である。図3において、(A)は半田付け前の状態を示す要部拡大平面図であり、(B)および(C)は、それぞれ、半田付け後の状態を示す要部拡大平面図および要部拡大側面図である。
グランドパターン開口部34aは、同軸ケーブル20の外部導体21を、グランドパターン部34の第2の半田付け部分344で半田52付けする際に、半田ごて(図示せず)の熱が第2の半田付け部分344から逃げるのを防止するためのものである。これにより、第2の半田付け部分344の温度を短時間で半田付け温度以上にすることができる。その結果、同軸ケーブル20の外部導体21をグランドパターン部34に容易に半田付けすることが可能となる。
尚、本発明者は、グランドパターン開口部34aの有無により、アンテナ装置10の電気性能に影響が無いことを確認している。
第2の半田付け部分344の位置は以下のように規定されている。
第2の半田付け部分344は、グランドパターン開口部34aとグランドパターン部34の上端辺341との間、つまり図3(A)において幅Bで規定される範囲であって、図3(A)において幅Cで規定される範囲に配置される。また、給電部324とグランドパターン開口部34aとは、第2の半田付け部分344を介して対向して設けられている。換言すれば、第2の半田付け部分344は、第1の半田付け部分(給電部)324とグランドパターン開口部34aとの間に挟まれている。
図示の例では、グランドパターン開口部34aの長さ(左右方向Yの長さ)Cは3.4mmであり、幅(前後方向Xの幅)Aは1mmである。
また、第2の半田付け部分344の幅Bは、同軸ケーブル20の露出した外部導体21の長さと実質的に同一の長さを有する。図示の例では、幅Bは1.5mmである。この幅Bは、半田52付け強度を確保する程度の寸法であれば良い。
一方、グランドパターン開口部34aの幅Aは、半田52付け時の熱遮断に必要な幅があれば良い。また、アンテナ特性を良くするために、この寸法Aは極力小さいことが好ましい。したがって、0.2mm≦A<Bであることが好ましい。
グランドパターン開口部34aの長さCに関しては、その長さCを右方向に長くすればする程、半田52付け時間を短くすることが可能となる。それは、第2の半田付け部分344から熱が逃げるのを抑えることができるからである。逆に、長さCを延長し過ぎると、電気的特性に悪影響を与えてしまう。したがって、3.4mm≦C≦5.4mmの範囲であることが好ましい。
図4および図5を参照して、本発明の第2の実施の形態に係るアンテナ装置(板金アンテナ)10Aについて説明する。図4はアンテナ装置(板金アンテナ)10Aの平面図である。図5(a)および(b)は、それぞれ、図4の破線円で囲んだアンテナ装置(板金アンテナ)10Aの一部分(主要部)を、拡大して示した要部拡大平面図および要部拡大側面図である。
図4および図5では、直交座標系(X,Y,Z)を採用している。図4および図5に図示した状態では、X軸方向は前後方向(奥行き方向)であり、Y軸方向は左右方向(幅方向、横方向)であり、Z軸方向は上下方向(高さ方向)である。
図示のアンテナ装置(板金アンテナ)10Aは、アンテナ素子の構成が、図1および図2に示したものと相違する点を除いて、図1および図2に示したアンテナ装置(基板アンテナ)10と同様の構成を有する。従って、アンテナ素子に30Aの参照符号を付してある。図1および図2に示された構成要素と同様の機能の有するものには同一の参照符号を付し、以下では、説明を簡略化するために相違点についてのみ詳細に説明する。
図示のアンテナ装置(板金アンテナ)10Aは、所定の周波数帯の電波を送受信するためのものである。図示の例では、所定の周波数帯は、IEEE 802.11b/gで使用される2.4GHz帯の周波数である。
アンテナ素子30Aは、主面(表面、上面)30Auを持つ平板状の金属板をプレス加工することによって形成される。図示の例では、金属板は、メッキ処理が施されていない、りん青銅から成る。
尚、図示の例では、金属板の材料としてりん青銅を使用しているが、金属板の材用はこれに限定されない。
アンテナ素子30Aは、アンテナパターン部32Aと、このアンテナパターン部32Aに一体形成されたグランドパターン部34Aとを有する。図示の例では、アンテナパターン部32Aは逆Fアンテナから構成されている。逆Fアンテナ32Aは、L字形状のL型部322Aと、このL型部322Aから突出する給電部324Aとを有する。L型部322Aは、横方向(Y軸方向)に延びる長辺と、前後方向(X軸方向)に延びる短辺とを有する。グランドパターン部34Aは、実質的に矩形形状をしているが、右側上部に開口34Abを持つ。また、グランドパターン部34Aには、当該アンテナ装置10Aを筐体(図示せず)に取り付けるための一対の取付け用穴34Acが穿設されている。
図4に示されるように、同軸ケーブル20は、グランドパターン部34A上で、アンテナパターン部32Aの長手方向(左右方向Y)と直交する方向(前後方向X)でかつグランドパターン部34Aの一辺(左辺)に沿って平行に延在している。
同軸ケーブル20の中心導体22は、アンテナパターン部(逆Fアンテナ)32Aの給電部324Aに半田51付けにより電気的に接続されている。すなわち、給電部324Aは、第1の半田付け部分として働く。
一方、同軸ケーブル20の外部導体21は、グランドパターン部34Aの第2の半田付け部分344Aで半田52付けにより電気的に接続されている。
本発明の第2の実施の形態では、グランドパターン部34Aは、第2の半田付け部分344Aの近傍に、当該第2の半田付け部分344Aを規定する矩形のグランドパターン開口部34Aaを有する。第2の半田付け部分344Aは、第1の半田付け部分(給電部)324Aとグランドパターン開口部34Aaとの間に挟まれている。
グランドパターン開口部34Aaは、同軸ケーブル20の外部導体21を、グランドパターン部34Aの第2の半田付け部分344Aで半田52付けする際に、半田ごて(図示せず)の熱が第2の半田付け部分344Aから逃げるのを防止するためのものである。これにより、第2の半田付け部分344Aの温度を短時間で半田付け温度以上に上昇させることができる。その結果、同軸ケーブル20の外部導体21をグランドパターン部34Aに容易に半田付けすることが可能となる。
尚、本発明者は、グランドパターン開口部34Aaの有無により、アンテナ装置10Aの電気性能に影響が無いことを確認している。
第2の半田付け部分344Aの幅は、図3を参照して説明した、第2の半田付け部分344の幅と同様の寸法を有する。また、グランドパターン開口部34Aaの長さおよび幅も、図3を参照して説明した、グランドパターン開口部34aの長さ及び幅と同様の寸法を有する。
以上、本発明について好ましい実施の形態によって説明してきたが、本発明は上述した実施の形態に限定しないのは勿論である。例えば、アンテナパターン部は、上述した実施の形態の逆Fアンテナに限定されず、種々の形状のアンテナパターン部を採用してもよいのは勿論である。また、上述した実施の形態では、グランドパターン開口部は矩形をしているが、これに限定されず、グランドパターン開口部は任意の形状をしていて良い。
10 アンテナ装置(基板アンテナ)
10A アンテナ装置(板金アンテナ)
20 同軸ケーブル(給電線)
21 外部導体
22 中心導体
23 絶縁体
24 シース(外皮)
30、30A アンテナ素子
30Au 主面(上面、表面)
31 プリント配線基板
31u 主面(上面、表面)
32、32A アンテナパターン部
322、322A L型部
324、324A 給電部(第1の半田付け部分)
34、34A グランドパターン部
341 上端辺
344、344A 第2の半田付け部分
34a、34Aa グランドパターン開口部
51、52 半田
511、522 レジスト膜の削除部
A グランドパターン開口部の幅
B 第2の半田付け部分の幅
C グランドパターン開口部の長さ

Claims (13)

  1. 所定の周波数帯の電波を送受信可能なアンテナ装置であって、中心導体と外部導体とを持つ同軸ケーブルと、アンテナ素子とを有するアンテナ装置に於いて、
    前記アンテナ素子は、アンテナパターン部とグランドパターン部とを有し、
    前記同軸ケーブルの中心導体は前記アンテナパターン部の第1の半田付け部分で半田付けされて電気的に接続され、
    前記同軸ケーブルの外部導体は前記グランドパターン部の第2の半田付け部分で半田付けされて電気的に接続され、
    前記グランドパターン部は、前記第2の半田付け部分の近傍に、当該第2の半田付け部分を規定し、かつ熱の拡散を阻止するグランドパターン開口部を有し、前記第2の半田付け部分は、前記第1の半田付け部分と前記グランドパターン開口部との間に挟まれていることを特徴とする、アンテナ装置。
  2. 前記同軸ケーブルは、前記グランドパターン部上で、前記アンテナパターン部の長手方向と直交する方向で、かつ前記グランドパターン部の一辺に沿って平行に延在する請求項1に記載のアンテナ装置。
  3. 前記所定の周波数帯が、2.4GHz帯の周波数である、請求項1又は2に記載のアンテナ装置。
  4. 前記アンテナパターン部は逆Fアンテナからなり、
    前記第1の半田付け部分としての前記逆Fアンテナの給電部に、前記同軸ケーブルの前記中心導体が接続されている、
    請求項1乃至3のいずれか1つに記載のアンテナ装置。
  5. 前記アンテナパターン部と前記グランドパターン部とは、基板の主面上に形成されている、請求項1乃至4のいずれか1つに記載のアンテナ装置。
  6. 前記アンテナパターン部と前記グランドパターン部とは、前記基板の主面上に形成された導体箔から成る、請求項5に記載のアンテナ装置。
  7. 前記導体箔は銅箔から成る、請求項6に記載のアンテナ装置。
  8. 前記アンテナ素子は金属板から構成されている、請求項1乃至4のいずれか1つに記載のアンテナ装置。
  9. 前記金属板がりん青銅から成る、請求項8に記載のアンテナ装置。
  10. 前記グランドパターン開口部は、前記同軸ケーブルの長手方向と直交する方向に長い矩形をしている、請求項1乃至9のいずれか1つに記載のアンテナ装置。
  11. 前記第2の半田付け部分の幅は、前記同軸ケーブルの露出している前記外部導体の長さに実質的に等しい、請求項10に記載のアンテナ装置。
  12. 前記グランドパターン開口部の幅は、前記第2の半田付け部分の幅より小さく0.2mm以上の範囲にある、請求項10又は11に記載のアンテナ装置。
  13. 前記グランドパターン開口部の長さは、3.4mm以上5.4mm以下の範囲にある、請求項10乃至12のいずれか1つに記載のアンテナ装置。
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