JP5110105B2 - Mems構造体とその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)構造体とその製造方法に関する。
半導体製造技術を利用して、複数の層が積層する積層基板に特定の機能を発揮するMEMS構造体を形成する技術が開発されている。この種のMEMS構造体には、例えば、加速度、角速度又は圧力(音圧を含む)等の物理量を測定するためのセンサ、あるいは光学ミラー、あるいはステージを単軸又は複数軸で駆動するためのアクチュエータが提案されている。
MEMS構造体には、積層基板に対して相対変位可能な変位部が設けられている。例えば、MEMS構造体をセンサとして用いる場合、加速度、角速度又は圧力等の力を受けて積層基板に対して相対変位する変位部が必要とされる。また、MEMS構造体をアクチュエータとして用いる場合も、静電気力又は磁力等の力を伝えて積層基板に対して相対変位させる変位部が必要とされる。
特許文献1及び2には、MEMS構造体の一例として、加速度センサが開示されている。特許文献1及び2に開示される加速度センサの変位部は、バネ定数の小さい梁を介して積層基板に支持されており、積層基板に対して相対変位可能に構成されている。さらに、特許文献1及び2に開示される加速度センサはいずれも、その変位部に空間を介して対向する対向部を備えている。特許文献1では、対向部が検出用の固定電極として用いられている。特許文献2では、対向部が変位部の過剰な揺動を禁止する固定ストッパとして用いられている。固定電極及び固定ストッパはいずれも、ばね定数の大きい延長部を介して積層基板に固定されており、積層基板に対して相対変位することを禁止されている。このように、この種のMEMS構造体では、様々な理由で、変位部に対向する対向部が必要とされている。
特開平2−134570号公報 特開2004−354073号公報
ここで、エッチング技術を利用して積層基板を加工し、変位部と対向部を有するMEMS構造体を形成する場合を考える。上記したように、対向部は、積層基板に対して相対変位することを禁止するために、ばね定数の大きい延長部を介して積層基板に固定されなければならない。このため、対向部と延長部に必要な形状に合わせて積層基板を一方の面から加工すると、変位部が形成される層にも、延長部に対応したばね定数の大きい部分が残ってしまう。したがって、変位部がそのばね定数の大きい部分を介して積層基板に固定され、変位部が積層基板に対して相対変位することができない。一方、変位部に必要な形状に合わせて積層基板を一方の面から加工すると、対向部が形成される層にばね定数の大きい延長部を形成することができず、対向部として機能させることができない。このため、特許文献1及び2では、変位部を形成するための単層と対向部を形成するための単層を別々に用意し、それぞれの単層を必要な形状に加工した後に、陽極接合又は高温熱処理による直接接合を利用して、単層同士を接合させている。
しかしながら、特許文献1及び2のように、変位部と対向部を予め加工すると、加工された単層には加工パターンに応じて剛性の弱い部分が存在してしまう。このため、変位部が形成された単層と対向部が形成された単層とを接合させると、接合時に加わるストレスによって、剛性の弱い部分が変形するという問題が発生してしまう。
本明細書で開示される技術は、積層基板を加工することによって、変位部と対向部を有するMEMS構造体を製造する技術を提供することを目的としている。
本明細書で開示されるMEMS構造体では、積層基板の表面と裏面のそれぞれからエッチング溝を加工し、変位部と対向部を形成することを特徴としている。変位部は、表面から加工されるエッチング溝によって輪郭の一部が形成され、裏面から加工されるエッチング溝によっても輪郭の一部が形成される。対向部は、いずれか一方の面から加工されるエッチング溝によって形成される。このように、積層基板の表面と裏面のそれぞれからエッチングすることで、必要とされる形状を有する変位部と対向部を積層基板に形成することができる。本明細書で開示される技術によると、接合技術を利用する必要がないので、製造時のストレスを低減することができ、高品質なMEMS構造体を製造することができる。
本明細書で開示されるMEMS構造体は、次のような形態的特徴を備えている。即ち、本明細書で開示されるMEMS構造体では、第1層、第2層、第3層、第4層及び第5層がこの順で積層している。MEMS構造体は、積層部と変位部と第1延長部と第1対向部を備えている。積層部は、第1層、第2層、第3層、第4層及び第5層が積層した部位である。変位部は、第3層に形成されており、梁で支持されている。第1延長部は、第5層に形成されており、積層部から伸びている。第1対向部は、第5層に形成されており、第1延長部に接続されており、変位部に対向するとともに、変位部との間に空間が形成されている。本明細書で開示されるMEMS構造体には、第1エッチング溝と第2エッチング溝が形成されている。第1エッチング溝は、第1層と第2層と第3層を貫通する。必要に応じて、第1エッチング溝は、第4層も貫通してもよいが、第5層は貫通しない。第2エッチング溝は、第5層と第4層と第3層を貫通する。必要に応じて、第2エッチング溝は、第2層を貫通してもよいが、第1層は貫通しない。第1エッチング溝は、積層方向から観測したときに、変位部の輪郭のうちの第1輪郭部を形成している。第2エッチング溝も、積層方向から観測したときに、変位部の輪郭のうちの第2輪郭部を形成している。さらに、積層方向から観測したときに、第1エッチング溝の少なくとも一部は、第1延長部と重複する範囲に設けられている。また、第1輪郭部の少なくとも一部は、第2輪郭部と重ならない。
上記MEMS構造体の第2エッチング溝は、少なくとも第1対向部と第1延長部が第5層に形成されるようなパターンを有している。このようなパターンを有する第2エッチング溝のみで積層基板を加工すると、変位部が形成される第3層にも第1延長部に対応したばね定数の大きい部分が形成される。上記MEMS構造体ではさらに、第1エッチング溝が形成されていることを特徴としている。その第1エッチング溝の少なくとも一部は、積層方向から観測したときに、第1延長部と重複する範囲に設けられている。これにより、第2エッチング溝のみでは第3層に残ってしまうバネ定数の大きい部分を第1エッチング溝によって加工することができる。上記MEMS構造体は、第1エッチング溝と第2エッチング溝を利用することによって、変位部と対向部を形成可能な形態であると評価できる。
本明細書で開示されるMEMS構造体では、積層方向から観測したときに、第1エッチング溝のパターンと第2エッチング溝のパターンの組合せのパターンで囲まれる範囲に変位部が設けられているのが望ましい。このMEMS構造体は、第1エッチング溝と第2エッチング溝を利用して、必要とされる形状に沿って加工された変位部と対向部を形成可能な形態であると評価できる。
本明細書で開示されるMEMS構造体はさらに、第2延長部と第2対向部を備えているのが望ましい。第2延長部は、第1層に形成されており、積層部から伸びている。第2対向部は、第1層に形成されており、第2延長部に接続されており、変位部に対向するとともに、変位部との間に空間が形成されている。積層方向から観測したときに、第2エッチング溝の少なくとも一部は、第2延長部と重複する範囲に設けられている。このMEMS構造体は、変位部に対して第1対向部と第2対向部の2つの対向部を備えることができる。
本明細書で開示されるMEMS構造体では、第1層、第3層及び第5層が導電性であるのが望ましい。さらに、第2層及び第4層が絶縁性であるのが望ましい。この態様によると、変位部を可動電極とし、第1対向部及び/又は第2対向部を固定電極として用いることができる。
本明細書で開示されるMEMS構造体の1つの好ましい態様では、梁が、第3層に形成されていてもよい。この場合、梁が、積層方向から観測したときに、第1延長部と重複しない範囲に設けられているのが望ましい。また、第3層の厚みが、第1層及び第5層よりも薄いのが望ましい。第3層に形成される梁のばね定数を小さくすることができる。
本明細書で開示されるMEMS構造体の他の1つの好ましい態様では、梁が、第1層及び第5層に形成されていてもよい。この場合、第1層に形成されている梁が、第2層と第1層が積層した第1連結部を介して変位部に接続されているのが望ましい。さらに、第5層に形成されている梁が、第4層と第5層が積層した第2連結部を介して変位部に接続されているのが望ましい。また、第1層及び第5層の厚みが、第3層よりも薄いのが望ましい。第1層及び第5層に形成される梁のばね定数を小さくすることができる。
本明細書で開示される技術によると、第1層、第2層、第3層、第4層及び第5層がこの順で積層したMEMS構造体を製造する方法を提供することができる。本明細書で開示される製造方法は、第1層と第2層と第3層を貫通する第1エッチング溝を形成する第1工程と、第5層と第4層と第3層を貫通する第2エッチング溝を形成する第2工程と、第4層の一部を除去する第3工程を備えている。第1工程では、積層方向から観測したときに、第1エッチング溝が第3層に変位部の輪郭のうちの第1輪郭部を形成する。第2工程では、積層方向から観測したときに、第2エッチング溝が第3層に変位部の輪郭のうちの第2輪郭部を形成する。第3工程では、変位部と第5層の間の第4層を除去する。この製造方法によると、第5層の一部は、積層方向から観測したときに、第1エッチング溝を越えて変位部に対向するのが望ましい。さらに、第1輪郭部の少なくとも一部は、第2輪郭部と重ならない。
上記製造方法はさらに、変位部と第1層の間の第2層を除去する第4工程を備えているのが望ましい。第3工程と第4工程は、異なる工程であってもよく、同時に実施される共通工程であってもよい。この製造方法によると、第1層の一部は、積層方向から観測したときに、第2エッチング溝を越えて変位部に対向するのが望ましい。
本明細書で開示される技術によれば、エッチング技術を利用して、積層基板の表面と裏面から加工することにより、変位部と対向部を備えたMEMS構造体を製造することができる。本明細書で開示されるMEMS構造体は、接合技術を利用することなく製造され得るので、接合時のストレスに曝されることがない。
図1は、MEMS構造体の概略断面図を模式的に示す。 図2は、導電体上層の概略分解平面図を模式的に示す 図3は、導電体中間層の概略分解平面図を模式的に示す。 図4は、導電体下層の概略分解平面図を模式的に示す。 図5は、MEMS構造体の第1の製造過程を示す。 図6は、MEMS構造体の第2の製造過程を示す。 図7は、MEMS構造体の第3の製造過程を示す。 図8は、MEMS構造体の第4の製造過程を示す。 図9は、MEMS構造体の第5の製造過程を示す。 図10は、MEMS構造体の他の一例の導電体上層の概略分解平面図を模式的に示す。 図11は、MEMS構造体の他の一例の導電体中間層の概略分解平面図を模式的に示す。 図12は、MEMS構造体の他の一例の導電体下層の概略分解平面図を模式的に示す。 図13は、第1実施例の加速度センサの平面図を模式的に示す。 図14は、図13のA−A線に対応した断面図を模式的に示す。 図15は、図13のB−B線に対応した断面図を模式的に示す。 図16は、図13のC−C線に対応した断面図を模式的に示す。 図17は、第1実施例の加速度センサの導電体上層の分解平面図を模式的に示す。 図18は、第1実施例の加速度センサの導電体中間層の分解平面図を模式的に示す。 図19は、第1実施例の加速度センサの導電体下層の分解平面図を模式的に示す。 図20は、第2実施例の加速度センサの平面図を模式的に示す。 図21は、図20のA−A線に対応した断面図を模式的に示す。 図22は、図20のB−B線に対応した断面図を模式的に示す。 図23は、図20のC−C線に対応した断面図を模式的に示す。 図24は、第2実施例の加速度センサの導電体上層の分解平面図を模式的に示す。 図25は、第2実施例の加速度センサの導電体中間層の分解平面図を模式的に示す。 図26は、第2実施例の加速度センサの導電体下層の分解平面図を模式的に示す。 図27は、第3実施例の光学ミラー駆動装置の平面図を模式的に示す。 図28は、図27のA−A線に対応した断面図を模式的に示す。 図29は、図27のB−B線に対応した断面図を模式的に示す。 図30は、図27のC−C線に対応した断面図を模式的に示す。 図31は、図27のD−D線に対応した断面図を模式的に示す。 図32は、図27のE−E線に対応した断面図を模式的に示す。 図33は、第3実施例の光学ミラー駆動装置の導電体上層の分解平面図を模式的に示す。 図34は、第3実施例の光学ミラー駆動装置の導電体中間層の分解平面図を模式的に示す。 図35に、第3実施例の光学ミラー駆動装置の導電体下層の分解平面図を模式的に示す。
以下、図1〜図4を参照して、本明細書で開示される技術の特徴を備えたMEMS構造体1を例示する。以下で説明されるMEMS構造体1を利用すると、加速度センサ、角速度センサ又はマイクロフォンを構築することができる。また、MEMS構造体1を利用すると、光学ミラー又はステージを駆動させるアクチュエータを構築することもできる。
図1に、MEMS構造体1の概略断面図を模式的に示す。図2に、導電体上層6の概略分解平面図を模式的に示す。図3に、導電体中間層4の概略分解平面図を模式的に示す。図4に、導電体下層2の概略分解平面図を模式的に示す。なお、図2〜4のA−A線に沿った断面が図1の断面図に対応している。
図1に示されるように、MEMS構造体1は、導電体下層2と絶縁体下層3と導電体中間層4と絶縁体上層5と導電体上層6を備えている。導電体下層2と導電体中間層4と導電体上層6の材料は、導電性であり、エッチング技術を利用して加工可能な材料であるのが望ましい。一例では、導電体下層2と導電体中間層4と導電体上層6の材料は、不純物を高濃度に含有するシリコン単結晶(Si)であるのが望ましい。絶縁体下層3と絶縁体上層5の材料は、絶縁性であり、エッチング技術を利用して加工可能な材料であるのが望ましい。一例では、絶縁体下層3と絶縁体上層5の材料は、酸化シリコン(SiO2)であるのが望ましい。ここで、一例では、導電体下層2が請求項の第1層に対応しており、絶縁体下層3が請求項の第2層に対応しており、導電体中間層4が請求項の第3層に対応しており、絶縁体上層5が請求項の第4層に対応しており、導電体上層6が請求項の第5層に対応している。
MEMS構造体1は、導電体下層2と絶縁体下層3と導電体中間層4と絶縁体上層5と導電体上層6が積層している積層部1aと、導電体中間層4に形成されている変位部4aと、導電体上層6に形成されている第1延長部6a及び第1対向部6bと、導電体下層2に形成されている第2延長部2a及び第2対向部2bを備えている。
変位部4a、延長部2a,6a及び対向部2b,6bは積層基板の中心部位に配置されており、積層部1aはその周囲に配置されている。積層部1aは、枠部とも称される。変位部4aは、図3に示されるように、導電体中間層4に形成されている4つの梁4bを介して積層部1aに支持されている。梁4bは、一端が積層部1aに接続されており、他端が変位部4aに接続されており、x軸方向に沿って伸びている。梁4bは、x軸方向及びy軸方向にバネ定数が大きく、z軸方向(以下、積層方向ともいう)にバネ定数が小さく構成されている。このため、梁4bは、積層方向に弾性変形することができる。これにより、変位部4aは、積層部1aに対して積層方向に相対変位可能に支持されている。
図1及び図2に示されるように、第1延長部6aは、一端が積層部1aに接続されており、他端が第1対向部6bに接続されている。第1延長部6aは、x軸方向、y軸方向及びz軸方向のいずれにもバネ定数が大きく構成されており、弾性変形しない。このため、第1延長部6aに接続されている第1対向部6bは、積層部1aに対して相対変位することを禁止されている。第1対向部6bは、積層方向に沿って変位部4aに対向している。第1対向部6bと変位部4aの間の絶縁体上層5が除去されており、第1対向部6bと変位部4aの間に空間が形成されている。第1対向部6bには、複数のエッチング材導入孔6cが形成されている。
図1及び図4に示されるように、第2延長部2aは、一端が積層部1aに接続されており、他端が第2対向部2bに接続されている。第2延長部2aは、x軸方向、y軸方向及びz軸方向のいずれにもバネ定数が大きく構成されており、弾性変形しない。このため、第2延長部2aに接続されている第2対向部2bは、積層部1aに対して相対変位することを禁止されている。第2対向部2bは、積層方向に沿って変位部4aに対向している。第2対向部2bと変位部4aの間の絶縁体下層3が除去されており、第2対向部2bと変位部4aの間に空間が形成されている。第2対向部2bには、複数のエッチング材導入孔2cが形成されている。
図1に示されるように、MEMS構造体1には、第1エッチング溝7aと第2エッチング溝7bが形成されている。第1エッチング溝7aは、導電体下層2と絶縁体下層3と導電体中間層4と絶縁体上層5を貫通して伸びている。第2エッチング溝7bは、導電体上層6と絶縁体上層5と導電体中間層4と絶縁体下層3を貫通して伸びている。
図2〜図4に示されるように、第1エッチング溝7aは、積層方向から観測したときに、y軸方向に沿って伸びている矩形状を有しており、変位部4bの輪郭の一部を形成する。また、第1エッチング溝7aは、第2対向部2bと第2延長部2aが導電体下層2に形成されるようなパターンを有している。さらに、第1エッチング溝7aは、積層方向から観測したときに、第1延長部6aの範囲と重複している。換言すれば、第1エッチング溝7aは導電体上層6を貫通していないので、その非貫通部分が第1延長部6aとして用いられている。
図2〜図4に示されるように、第2エッチング溝7bは、積層方向から観測したときに、略U字状(y軸方向に沿って伸びている部分とx軸方向に沿って伸びている部分の組合せ)を有しており、変位部4bの輪郭の一部を形成する。また、第2エッチング溝7bは、第1対向部6bと第1延長部6aが導電体上層6に形成されるようなパターンを有している。さらに、第2エッチング溝7bは、積層方向から観測したときに、第2延長部2aの範囲と重複している。換言すれば、第2エッチング溝7bは導電体下層2を貫通していないので、その非貫通部分が第2延長部2aとして用いられている。
図3に示されるように、変位部4aは、第1エッチング溝7aのパターンと第2エッチング溝7bのパターンの組合せのパターンで囲まれる範囲に設けられている。即ち、変位部4aは、第1エッチング溝7aのパターンと第2エッチング溝7bのパターンの組合せのパターンで形成されている。
次に、図1を参照する。MEMS構造体1は、変位部4aと第1対向部6bと第2対向部2bを利用して、ある特定の機能を発揮させることができる。なお、第1対向部6b又は第2対向部2bは、必要に応じて除去してもよい。
例えば、MEMS構造体1を静電容量型の加速度センサとして利用することができる。この場合、変位部4aが可動電極として用いられ、第1対向部6b及び第2対向部2bが固定電極として用いられる。また、第1対向部6b及び第2対向部2bに、変位部4aの変位量を検出可能な検出素子を設ければ、静電容量型ではない加速度センサを構築することもできる。
例えば、MEMS構造体1を静電容量型のアクチュエータとして利用することができる。この場合、変位部4aがステージとして用いられ、第1対向部6b及び第2対向部2bが駆動電極として用いられる。また、第1対向部6b及び第2対向部2bに、変位部4aを駆動可能な駆動素子を設ければ、静電容量型ではないアクチュエータを構築することもできる。このように、MEMS構造体1は、様々な用途で利用することができる。
次に、図5〜図9を参照し、HMET構造体1を製造する方法を説明する。まず、図5に示されるように、導電体下層2と絶縁体下層3と導電体中間層4と絶縁体上層5と導電体上層6が積層した積層基板を用意する。
次に、図6に示されるように、異方性エッチング技術を利用して、導電体上層6を貫通する複数のエッチング材導入孔6cを形成する。複数のエッチング材導入孔6cは、第1対向部6bの形成範囲に対応して形成される。
次に、図7に示されるように、異方性エッチング技術を利用して、導電体上層6と絶縁体上層5と導電体中間層4を貫通する第2エッチング溝7bを形成する。第2エッチング溝7bは、絶縁体下層3及び導電体下層2を貫通しない。これにより、導電体下層2には、第2延長部2aを残存させることができる。なお、この段階で、第2エッチング溝7bの内壁のうちの導電体上層6と絶縁体上層5の内壁を保護膜で被覆し、露出する導電体中間層4の内壁を選択的にエッチングしてもよい。これにより、導電体中間層4に形成される変位部4a及び/又は梁4bの共振振動数及び/又はばね定数を調整することが可能である。また、後述の実施例のように、導電体下層2と導電体上層6に梁を形成したい場合には、この技術を利用して、導電体中間層4に梁が残らないように除去することも可能である。
次に、図8に示されるように、異方性エッチング技術を利用して、導電体下層2を貫通する複数のエッチング材導入孔2cを形成する。複数のエッチング材導入孔2cは、第2対向部2bの形成範囲に対応して形成される。
次に、図9に示されるように、異方性エッチング技術を利用して、導電体下層2と絶縁体下層3と導電体中間層4を貫通する第1エッチング溝7aを形成する。第1エッチング溝7aは、絶縁体上層5及び導電体上層6を貫通しない。これにより、導電体上層6には、第1延長部6aを残存させることができる。なお、この段階で、第1エッチング溝7aの内壁のうちの導電体下層2と絶縁体下層3の内壁を保護膜で被覆し、露出する導電体中間層4の内壁を選択的にエッチングしてもよい。これにより、導電体中間層4に形成される変位部4aの共振振動数を調整することが可能である。
最後に、絶縁体下層3及び絶縁体上層5を選択的にエッチングするエッチング材を用いて、絶縁体下層3及び絶縁体上層5の一部を除去する。これにより、変位部4aと第1対向部6bの間の絶縁体上層5が除去され、変位部4aと第1対向部6bの間に空間が形成される。さらに、変位部4aと第2対向部2bの間の絶縁体下層3が除去され、変位部4aと第2対向部2bの間にも空間が形成される。これにより、図1に示されるMEMS構造体1が完成する。
MEMS構造体1は、積層基板の裏面から加工される第1エッチング溝7aと、積層基板の表面から加工される第2エッチング溝7abを備えていることを特徴としている。さらに、MEMS構造体1では、第1エッチング溝7aのパターンと第2エッチング溝7bのパターンの組合せのパターンで変位部4aが構成されていることを特徴としている。例えば、第2エッチング溝7bのパターンのみで積層基板を加工すると、導電体中間層4には、第1延長部6aに対応したばね定数の大きい部分が残ることになる。第2エッチング溝7bのパターンのみの加工では、変位部4aがそのばね定数の大きい部分を介して積層部1aに固定されることから、変位部4aが積層部1aに対して相対変位することができない。同様に、第1エッチング溝7aのパターンのみで積層基板を加工すると、導電体中間層4には、第2延長部2aに対応したばね定数の大きい部分が残ることになる。第1エッチング溝7bのパターンのみの加工では、変位部4aがそのばね定数の大きい部分を介して積層部1aに固定されることから、変位部4aが積層部1aに対して相対変位することができない。MEMS構造体1では、第1エッチング溝7aと第2エッチング溝7bを組合せることにより、導電体中間層4において、第1エッチング溝7aを利用して第1延長部6aに対応した部分を加工することができ、第2エッチング溝7bを利用して第2延長部2aに対応した部分を加工することができる。MEMS構造体1は、第1エッチング溝7aと第2エッチング溝7bの双方を有することにより、必要とされる形状に加工された変位部4aと延長部2a,6aと対向部2b,6bを備えることができる。
図10〜図12に、他の加工パターンで製造されるMEMS構造体の一例を示す。図10に、導電体上層6の概略平面図を模式的に示す。図11に、導電体中間層4の概略平面図を模式的に示す。図12に、導電体下層2の概略平面図を模式的に示す。なお、上述したMEMS構造体1に係る図2〜4の加工パターンと共通する構成要素に関しては共通する符号を付し、その説明を省略する。
この加工パターンで製造されるMEMS構造体は、図10に示されるように、第1対向部6bが、y軸方向に沿って配置された2つの第1延長部6aを介して積層部1aに接続されていることを特徴としている。このため、第1対向部6bが積層部1aに対して相対変位することをより確実に禁止することができる。また、この加工パターンで製造されるMEMS構造体では、図11に示されるように、積層部1aが、周囲積層部1cと絶縁分離積層部1bに区画されていることを特徴としている。さらに、梁4bは、絶縁分離積層部1bに接続されていることを特徴としている。
図11に示されるように、周囲積層部1cの導電体中間層4と絶縁分離積層部1bの導電体中間層4は、第1エッチング溝7aと第2エッチング溝7bによって隔てられている。このため、変位部4aは、梁4bを介して絶縁分離積層部1bの導電体中間層4に電気的に接続されているものの、周囲積層部1cの導電体中間層4には電気的に絶縁されている。例えば、この絶縁分離積層部1bに接続される配線を配設すれば、絶縁分離積層部1bを介して変位部4aに対して電気的な接続を形成することができる。絶縁分離積層部1bを設けることによって、変位部4aに接続される導電体中間層4を制限することができ、変位部4aと対向部2b,6bの間に寄生する容量成分を低減することができる。
以下、図面を参照して、上記MEMS構造体1を製造する技術を用いて製造される加速度センサ10を説明する。図13に、加速度センサ10の平面図を模式的に示す。図14に、図13のA−A線に対応した断面図を模式的に示す。図15に、図13のB−B線に対応した断面図を模式的に示す。図16に、図13のC−C線に対応した断面図を模式的に示す。また、図17に、導電体上層60の分解平面図を模式的に示す。図18に、導電体中間層40の分解平面図を模式的に示す。図19に、導電体下層20の分解平面図を模式的に示す。
図14〜図16に示されるように、加速度センサ10は、導電体下層20と絶縁体下層30と導電体中間層40と絶縁体上層50と導電体上層60を備えている。導電体下層20と導電体中間層40と導電体上層60の材料は、不純物を高濃度に含有するシリコン単結晶(Si)である。絶縁体下層30と絶縁体上層50の材料は、酸化シリコン(SiO2)である。
図16に示されるように、加速度センサ10は、導電体下層20と絶縁体下層30と導電体中間層40と絶縁体上層50と導電体上層60が積層している積層部10aと、導電体中間層40に形成されている変位部40aと、導電体上層60に形成されている第1延長部60a及び第1対向部60bと、導電体下層20に形成されている第2延長部20a及び第2対向部20bを備えている。
変位部40a、延長部20a,60a及び対向部20b,60bは積層基板の中心部位に配置されており、積層部10aはその周囲に配置されている。積層部10aは、枠部とも称される。図14及び図18に示されるように、変位部40aは、導電体中間層40に形成されている4つの梁40bを介して積層部10aに支持されている。梁40bは、一端が積層部10aに接続されており、他端が変位部40aに接続されており、x軸方向に沿って伸びている。梁40bは、x軸方向及びy軸方向にバネ定数が大きく、z軸方向(以下、積層方向ともいう)にバネ定数が小さく構成されている。このため、梁40bは、積層方向に弾性変形することができる。これにより、変位部40aは、積層部10aに対して積層方向に相対変位可能に支持されている。
図16及び図17に示されるように、第1延長部60aは、一端が積層部10aに接続されており、他端が第1対向部60bに接続されている。第1延長部60aは、x軸方向、y軸方向及びz軸方向のいずれにもバネ定数が大きく構成されており、弾性変形しない。このため、第1延長部60aに接続されている第1対向部60bは、積層部10aに対して相対変位することを禁止されている。第1対向部60bは、積層方向に沿って変位部40aに対向している。第1対向部60bと変位部40aの間の絶縁体上層50が除去されており、第1対向部60bと変位部40aの間に空間が形成されている。第1対向部60bには、複数のエッチング材導入孔60cが形成されている。
図16及び図19に示されるように、第2延長部20aは、一端が積層部10aに接続されており、他端が第2対向部20bに接続されている。第2延長部20aは、x軸方向、y軸方向及びz軸方向のいずれにもバネ定数が大きく構成されており、弾性変形しない。このため、第2延長部20aに接続されている第2対向部20bは、積層部10aに対して相対変位することを禁止されている。第2対向部20bは、積層方向に沿って変位部40aに対向している。第2対向部20bと変位部40aの間の絶縁体下層30が除去されており、第2対向部20bと変位部40aの間に空間が形成されている。第2対向部20bには、複数のエッチング材導入孔20cが形成されている。
図16に示されるように、加速度センサ10には、第1エッチング溝70aと第2エッチング溝70bが形成されている。第1エッチング溝70aは、導電体下層20と絶縁体下層30と導電体中間層40と絶縁体上層50を貫通して伸びている。第2エッチング溝70bは、導電体上層60と絶縁体上層50と導電体中間層40と絶縁体下層30を貫通して伸びている。
図17〜図19に示されるように、第1エッチング溝70aは、積層方向から観測したときに、y軸方向に沿って伸びている矩形状を有しており、変位部40aの輪郭の一部を形成する。また、第1エッチング溝70aは、第2対向部20bと第2延長部20aが導電体下層20に形成されるようなパターンを有している。さらに、積層方向から観測したときに、第1エッチング溝70aは、第1延長部60aの範囲と重複している。換言すれば、第1エッチング溝70aは導電体上層60を貫通していないので、その非貫通部分が第1延長部60aとして用いられている。
図17〜図19に示されるように、第2エッチング溝70bは、積層方向から観測したときに、略U字状(y軸方向に沿って伸びている部分とx軸方向に沿って伸びている部分の組合せ)を有しており、変位部40aの輪郭の一部を形成する。また、第2エッチング溝70bは、第1対向部60bと第1延長部60aが導電体上層60に形成されるようなパターンを有している。さらに、積層方向から観測したときに、第2エッチング溝70bは、第2延長部20aの範囲と重複している。換言すれば、第2エッチング溝70bは導電体下層20を貫通していないので、その非貫通部分が第2延長部20aとして用いられている。
図18に示されるように、導電体中間層40の変位部40aは、積層方向から観測したときに、第1エッチング溝70aのパターンと第2エッチング溝70bのパターンの組合せのパターンで囲まれる範囲に設けられている。即ち、変位部40aは、第1エッチング溝70aのパターンと第2エッチング溝70bのパターンの組合せのパターンで形成されている。
図13に示されるように、加速度センサ10はさらに、下層用電極取出し部82と上層用電極取出し部84と中間層用電極取出し部86を備えている。下層用電極取出し部82は、下層用貫通電極82aと下層用絶縁分離溝82bを有する。上層用電極取出し部84は、上層用電極84を有する。中間層用電極取出し部86は、中間層用貫通電極86aと中間層用絶縁分離溝86bを有する。
図15に示されるように、下層用貫通電極82aは、積層部10aに設けられており、導電体上層60、絶縁体上層50、導電体中間層40及び絶縁体下層30を貫通して導電体下層20に接触している。下層用絶縁分離溝82bは、積層部10aに設けられており、導電体上層60、絶縁体上層50及び導電体中間層40を貫通して絶縁体下層30に接触している。下層用絶縁分離溝82bは、積層方向から観測したときに、下層用貫通電極82aの周囲を一巡している。
図16に示されるように、上層用電極84は、積層部10aに設けられており、導電体上層60上に形成されている。なお、上層用電極84が形成される位置は、導電体上層60上であれば特に限定されない。
図15に示されるように、中間層用貫通電極86aは、積層部10aに設けられており、導電体上層60及び絶縁体上層50を貫通して導電体中間層40に接触している。中間層用絶縁分離溝86bは、積層部10aに設けられており、導電体上層60を貫通して絶縁体上層50に接触している。中間層用絶縁分離溝86bは、積層方向から観測したときに、中間層用貫通電極86aの周囲を一巡している。
下層用貫通電極82aと中間層用貫通電極86aの間に、図示しない第1の容量検出回路が接続される。上層用電極84と中間層用貫通電極86aの間に、図示しない第2の容量検出回路が接続される。第1容量検出回路と第2容量検出回路は、図示しない差分検出回路に接続されている。
次に、図14〜図16を参照して、加速度センサ10の動作を説明する。加速度センサ10では、変位部40aが可動電極として用いられており、第1対向部60b及び第2対向部20bが固定電極として用いられている。すなわち、加速度センサ10では、変位部40aと第1対向部60bの間に第1検出電極部が構成されており、変位部40aと第2対向部20bの間に第2検出電極部が構成されている。
加速度センサ10では、紙面上向きの加速度が加わると、変位部40aが第1対向部60b及び第2対向部20bに対して紙面下向きに相対変位する。これにより、第1検出電極部の電極間距離が増加し、第2検出電極部の電極間距離が減少する。第1検出電極部の対向面積及び距離を、第2検出電極部の対向面積及び距離と一致させておけば、第1検出電極部の初期位置の静電容量と第2検出電極部の初期位置の静電容量を一致させることができる。したがって、第1検出電極部と第2検出電極部の静電容量の差を算出すると、初期位置の静電容量が相殺され、静電容量の変化分のみを抽出することができる。加速度センサ10は、差動式の加速度センサを構築しており、加速度を高感度に測定することができる。
以下、加速度センサ10の他の特徴を記載する。
(1)導電体中間層40の厚みが、導電体下層20及び導電体上層60よりも薄く形成されている。これにより、梁40bの積層方向のばね定数が小さく、第1延長部60a及び第2延長部20aの積層方向のばね定数を大きくすることができる。また、変位部40aの重心に対して梁40bを対称の位置関係に配置することができる。この結果、変位部4aは積層部10aに対して良好に相対変位し、第1対向部60b及び第2対向部20bは積層部10bに対して相対変位することが禁止される。
(2)絶縁体下層30と絶縁体上層50の厚みが一致している。変位部40aと第1対向部60bの間の距離と変位部40aと第2対向部20bの間の距離を一致させることができる。
以下、図面を参照して、上記MEMS構造体1を製造する技術を用いて製造される加速度センサ100を説明する。図20に、加速度センサ100の平面図を模式的に示す。図21に、図20のA−A線に対応した断面図を模式的に示す。図22に、図20のB−B線に対応した断面図を模式的に示す。図23に、図20のC−C線に対応した断面図を模式的に示す。また、図24に、導電体上層160の分解平面図を模式的に示す。図25に、導電体中間層140の分解平面図を模式的に示す。図26に、導電体下層120の分解平面図を模式的に示す。
図21〜図23に示されるように、加速度センサ100は、導電体下層120と絶縁体下層130と導電体中間層140と絶縁体上層150と導電体上層160を備えている。導電体下層120と導電体中間層140と導電体上層160の材料は、不純物を高濃度に含有するシリコン単結晶(Si)である。絶縁体下層130と絶縁体上層150の材料は、酸化シリコン(SiO2)である。
図23に示されるように、加速度センサ100は、導電体下層120と絶縁体下層130と導電体中間層140と絶縁体上層150と導電体上層160が積層している積層部100aと、導電体中間層140に形成されている変位部140aと、導電体上層160に形成されている第1延長部160a及び第1対向部160bと、導電体下層120に形成されている第2延長部120a及び第2対向部120bを備えている。
変位部140a、延長部120a,160a及び対向部120b,160bは積層基板の中心部位の配置されており、積層部100aはその周囲に配置されている。積層部100aは、枠部とも称される。図21及び図26に示されるように、変位部140aは、導電体下層120に形成されている4つの第1梁120dを介して積層部100aに支持されている。図21に示されるように、第1梁120dは、一端が積層部100aに接続されており、他端が第1連結部122を介して変位部140aに接続されており、x軸方向に伸びている。第1連結部122は、絶縁体下層130と導電体下層120が積層した部位であり、第2対向部120bからは分離されている。第1梁120dは、x軸方向及びy軸方向にバネ定数が大きく、z軸方向(以下、積層方向ともいう)にバネ定数が小さく構成されている。このため、第1梁120dは、積層方向に弾性変形することができる。図20、図21及び図24に示されるように、変位部140aは、導電体上層160に形成されている4つの第2梁160dを介して積層部100aに支持されている。図21に示されるように、第2梁160dは、一端が積層部100aに接続されており、他端が第2連結部162を介して変位部140aに接続されており、x軸方向に伸びている。第2連結部162は、絶縁体上層150と導電体上層160が積層した部位であり、第1対向部160bからは分離されている。第2梁160dは、x軸方向及びy軸方向にバネ定数が大きく、z軸方向(以下、積層方向ともいう)にバネ定数が小さく構成されている。このため、第2梁160dは、積層方向に弾性変形することができる。これにより、第1梁160d及び第2梁120dで支持された変位部140aは、積層部100aに対して積層方向に相対変位可能に支持されている。なお、第1梁120dと第2梁160dとは、積層方向から観測したときに、形成範囲が一致している。
図23及び図24に示されるように、第1延長部160aは、一端が積層部100aに接続されており、他端が第1対向部160bに接続されている。第1延長部160aは、x軸方向、y軸方向及びz軸方向のいずれにもバネ定数が大きく構成されており、弾性変形しない。このため、第1延長部160aに接続されている第1対向部160bは、積層部100aに対して相対変位することを禁止されている。第1対向部160bは、積層方向に沿って変位部140aに対向している。第1対向部160bと変位部140aの間の絶縁体上層150が除去されており、第1対向部160bと変位部140aの間に空間が形成されている。第1対向部160bには、複数のエッチング材導入孔160cが形成されている。図23及び図26に示されるように、第2延長部120aは、一端が積層部100aに接続されており、他端が第2対向部120bに接続されている。第2延長部120aは、x軸方向、y軸方向及びz軸方向のいずれにもバネ定数が大きく構成されており、弾性変形しない。このため、第2延長部120aに接続されている第2対向部120bは、積層部100aに対して相対変位することを禁止されている。第2対向部120bは、積層方向に沿って変位部140aに対向している。第2対向部120bと変位部140aの間の絶縁体下層130が除去されており、第2対向部120bと変位部140aの間に空間が形成されている。第2対向部120bには、複数のエッチング材導入孔120cが形成されている。
図22及び図23に示されるように、加速度センサ100には、第1エッチング溝170aと第2エッチング溝170bが形成されている。第1エッチング溝170aは、導電体下層120と絶縁体下層130と導電体中間層140と絶縁体上層150を貫通して伸びている。第2エッチング溝170bは、導電体上層160と絶縁体上層150と導電体中間層140と絶縁体下層130を貫通して伸びている。なお、図22に示されるように、第1エッチング溝170aと第2エッチング溝170bの形成範囲が重複している部位では、結果として、導電体下層120と絶縁体下層130と導電体中間層140と絶縁体上層150と導電体上層160を貫通する貫通孔が形成されている。
図24〜図26に示されるように、第1エッチング溝170aは、積層方向から観測したときに、略U字状(y軸方向に沿って伸びている部分とx軸方向に沿って伸びている部分の組合せ)を有しており、変位部140aの輪郭の一部を形成する。また、第1エッチング溝170aは、第2対向部120bと第2延長部120aが導電体下層120に形成されるようなパターンを有している。さらに、第1エッチング溝170aの一部は、積層方向から観測したときに、第1延長部160aの範囲と重複している。換言すれば、第1エッチング溝170aの一部は、導電体上層160を貫通していないので、その非貫通部分が第1延長部160aとして用いられている。
図24〜図26に示されるように、第2エッチング溝170bは、積層方向から観測したときに、略U字状(y軸方向に沿って伸びている部分とx軸方向に沿って伸びている部分の組合せ)を有しており、変位部140aの輪郭の一部を形成する。また、第2エッチング溝170bは、第1対向部160bと第1延長部160aが導電体上層150に形成されるようなパターンを有している。さらに、第2エッチング溝170bの一部は、積層方向から観測したときに、第2延長部120aの範囲と重複している。換言すれば、第2エッチング溝170bの一部は、導電体下層120を貫通していないので、その非貫通部分が第2延長部120aとして用いられている。
図25に示されるように、導電体中間層140の変位部140aは、積層方向から観測したときに、第1エッチング溝170aのパターンと第2エッチング溝170bのパターンの組合せのパターンで囲まれる範囲に設けられている。即ち、変位部140aは、第1エッチング溝170aのパターンと第2エッチング溝170bのパターンの組合せのパターンで形成されている。
図20に示されるように、加速度センサ100はさらに、下層用電極取出し部182と上層用電極取出し部184と中間層用電極取出し部186を備えている。下層用電極取出し部182は、下層用貫通電極182aと下層用絶縁分離溝182bを有する。上層用電極取出し部184は、上層用電極184を有する。中間層用電極取出し部186は、中間層用貫通電極186aと中間層用絶縁分離溝186bを有する。
図22に示されるように、下層用貫通電極182aは、積層部100aに設けられており、導電体上層160、絶縁体上層150、導電体中間層140及び絶縁体下層130を貫通して導電体下層120に接触している。下層用絶縁分離溝182bは、積層部100aに設けられており、導電体上層160、絶縁体上層150及び導電体中間層140を貫通して絶縁体下層130に接触している。下層用絶縁分離溝182bは、積層方向から観測したときに、下層用貫通電極182aの周囲を一巡している。
図24に示されるように、上層用電極184は、積層部100aに設けられており、導電体上層160上に形成されている。なお、上層用電極184が形成される位置は、導電体上層160上であれば特に限定されない。
図22に示されるように、中間層用貫通電極186aは、積層部100aに設けられており、導電体上層160及び絶縁体上層150を貫通して導電体中間層140に接触している。中間層用絶縁分離溝186bは、積層部100aに設けられており、導電体上層160を貫通して絶縁体上層140に接触している。中間層用絶縁分離溝186bは、積層方向から観測したときに、中間層用貫通電極186aの周囲を一巡している。
下層用貫通電極182aと中間層用貫通電極186aの間に、図示しない第1の容量検出回路が接続される。上層用電極184と中間層用貫通電極186aの間に、図示しない第2の容量検出回路が接続される。第1容量検出回路と第2容量検出回路は、図示しない差分検出回路に接続されている。
次に、図21〜図23を参照して、加速度センサ100の動作を説明する。加速度センサ100では、変位部140aが可動電極として用いられており、第1対向部160b及び第2対向部120bが固定電極として用いられている。すなわち、加速度センサ100では、変位部140aと第1対向部160bの間に第1検出電極部が構成されており、変位部140aと第2対向部120bの間に第2検出電極部が構成されている。
加速度センサ100では、紙面上向きの加速度が加わると、変位部140aが第1対向部160b及び第2対向部120bに対して紙面下向きに相対変位する。これにより、第1検出電極部の電極間距離が増加し、第2検出電極部の電極間距離が減少する。第1検出電極部の対向面積及び距離を、第2検出電極部の対向面積及び距離と一致させておけば、第1検出電極部の初期位置の静電容量と第2検出電極部の初期位置の静電容量を一致させることができる。したがって、両者の静電容量の差を算出すると、初期位置の静電容量が相殺され、静電容量の変化分のみを抽出することができる。加速度センサ100は、差動式の加速度センサを構築しており、加速度を高感度に測定することができる。
以下、加速度センサ100の他の特徴を記載する。
(1)導電体中間層140の厚みが、導電体下層120及び導電体上層150よりも厚く形成されている。これにより、変位部140aの重量を増大させながら、第1梁120d及び第2梁160dの積層方向のばね定数を小さくすることができる。加速度センサ100の感度を向上させることができる。
(2)絶縁体下層130と絶縁体上層150の厚みが一致している。変位部140aと第1対向部160bの間の距離と変位部140aと第2対向部120bの間の距離を一致させることができる。
(3)変位部140aの重心に対して第1梁120dと第2梁160dを対象の位置関係に配置することができる。このため、変位部140aは、第1対向部160bと第2対向部120bに対して良好に相対変位することができる。
(4)図21、図24及び図26に示されるように、積層方向から観測したときに、第1梁120dと第2梁160dの形成範囲が一致しているものの、導電体中間層140に対応した構造が形成されていない。これは、[0036]で説明したように、第2エッチング溝170bを形成するときに、導電体中間層140を選択的にエッチングすることで可能である。
以下、図面を参照して、上記MEMS構造体1を製造する技術を用いて製造される光学ミラー駆動装置200を説明する。図27に、光学ミラー駆動装置200の平面図を模式的に示す。図28に、図27のA−A線に対応した断面図を模式的に示す。図29に、図27のB−B線に対応した断面図を模式的に示す。図30に、図27のC−C線に対応した断面図を模式的に示す。図31に、図27のD−D線に対応した断面図を模式的に示す。図32に、図27のE−E線に対応した断面図を模式的に示す。また、図33に、導電体上層260の分解平面図を模式的に示す。図34に、導電体中間層240の分解平面図を模式的に示す。図35に、導電体下層220の分解平面図を模式的に示す。
図28〜図32に示されるように、光学ミラー駆動装置200は、導電体下層220と絶縁体下層230と導電体中間層240と絶縁体上層250と導電体上層260を備えている。導電体下層220と導電体中間層240と導電体上層260の材料は、不純物を高濃度に含有するシリコン単結晶(Si)である。絶縁体下層230と絶縁体上層250の材料は、酸化シリコン(SiO2)である。
図28〜図32に示されるように、光学ミラー駆動装置200は、導電体下層220と絶縁体下層230と導電体中間層240と絶縁体上層250と導電体上層260が積層している積層部200aと、導電体中間層240に形成されている変位部240aを備えている。積層部200aは、変位部240aが配置されている中心部位の周囲に設けられており、枠部とも称される。変位部240aは、図34に示されるように、光学ミラー設置部242と、光学ミラー設置部242からx軸方向に沿って伸びているx軸突出部243と、光学ミラー設置部242からy軸方向に沿って伸びている一対のy軸突出部244,246を備えている。
変位部240aは、図28に示されるように、導電体中間層240に形成されている梁241を介して積層部200aに支持されている。梁241は、一端が積層部200aに接続されており、他端が変位部240aに接続されており、x軸方向に伸びている。梁241は、z軸方向(以下、積層方向ともいう)にバネ定数が小さく、x軸回りの捩りばね定数も小さく構成されている。このため、梁241は、積層方向に弾性変形するとともに、x軸回りにも弾性変形することができる。
図27〜図29に示されるように、光学ミラー駆動装置200は、光学ミラー設置部242上に設けられた光学ミラー290を備えている。光学ミラー290の材料には、アルミニウム又は金を用いることができる。光学ミラー290上の絶縁体上層250及び導電体上層260が除去されており、光学ミラー290の反射面が外部に露出している。
図27及び図28に示されるように、光学ミラー駆動装置200は、導電体上層260に形成されている参照電極用対向部264と、その参照電極用対向部264上に設けられている参照電極285を備えている。参照電極用対向部264は、積層方向から観測したときに、y軸方向に沿って伸びており、変位部240aのx軸突出部243の一部を覆うように設けられている。参照電極用対向部264は、積層方向に沿ってx軸突出部243に対向している。参照電極用対向部264とx軸突出部243の間の絶縁体上層250が除去されており、参照電極用対向部264とx軸突出部243の間に空間が形成されている。光学ミラー駆動装置200は、参照電極用対向部264とx軸突出部243の間の静電容量から変位部240aの傾きを検出し、変位部240aの駆動をフィードバック制御することができる。
光学ミラー駆動装置200は、変位部240aをy軸回りに回転させるための第1駆動部291と、変位部240aをx軸回りに回転させるための一対の第2駆動部292,293を備えている。第1駆動部291は、変位部240aのx軸突出部243に対応して設けられている。一対の第2駆動部292,293はそれぞれ、変位部240aの一対のy軸突出部244,246に対応して設けられている。第1駆動部291と第2駆動部292,293の構造は、実質的に共通している。以下では、第1駆動部291を詳細に説明し、第2駆動部244,246の詳細な説明は省略する。
図27,図28及び図30に示されるように、第1駆動部291は、導電体上層260に形成されている第1延長部263a及び第1対向部263bと、第1対向部263上に設けられている第1駆動電極284cを備えている。第1延長部263aは、一端が積層部200aに接続されており、他端が第1対向部263bに接続されている。第1延長部263aは、x軸方向、y軸方向及びz軸方向のいずれにもバネ定数が大きく構成されており、弾性変形しない。このため、第1延長部263aに接続されている第1対向部263bは、積層部200aに対して相対変位することを禁止されている。第1対向部263bは、積層方向に沿ってx軸突出部243に対向している。第1対向部263bとx軸突出部243の間の絶縁体上層250が除去されており、第1対向部263bとx軸突出部243の間に空間が形成されている。図27に示されるように、第1対向部263bは、積層方向から観測したときに、y軸方向に沿って伸びており、x軸突出部243の一部を覆うように設けられている。
図28及び図30に示されるように、第1駆動部291はさらに、導電体下層220に形成されている第2延長部223a及び第2対向部223bを備えている。第2延長部223aは、一端が積層部200aに接続されており、他端が第2対向部223bに接続されている。第2延長部223aは、x軸方向、y軸方向及びz軸方向のいずれにもバネ定数が大きく構成されており、弾性変形しない。このため、第2延長部223aに接続されている第2対向部223bは、積層部200aに対して相対変位することを禁止されている。第2対向部223bは、積層方向に沿ってx軸突出部243に対向している。第2対向部223bとx軸突出部243の間の絶縁体下層230が除去されており、第2対向部223bとx軸突出部243の間に空間が形成されている。
図27、図29、図30及び図32に示されるように、第2駆動部292,293も、第1駆動部291と同様に、導電体上層260に形成されている第1延長部261a,262a及び第1対向部261b,262bと、第1対向部261b,262b上に設けられている駆動電極284a,284bと、導電体下層220に形成されている第2延長部221a,222a及び第2対向部221b,222bを備えている。
図28、図29、図30及び図32に示されるように、光学ミラー駆動装置200には、第1エッチング溝270aと第2エッチング溝270bが形成されている。第1エッチング溝270aは、導電体下層220と絶縁体下層230と導電体中間層240と絶縁体上層250を貫通して伸びている。第2エッチング溝270bは、導電体上層260と絶縁体上層250と導電体中間層240と絶縁体下層230を貫通して伸びている。
図33〜図35に示されるように、第1エッチング溝270aは、積層方向から観測したときに、矩形状の複数個が分散した形態を有しており、変位部240aの輪郭の一部を形成している。また、第1エッチング溝270aは、第1駆動部291及び第2駆動部292,293において、第2対向部221b,222b,223bと第2延長部221a,222a,223aが導電体下層220に形成されるようなパターンを有している。さらに、第1エッチング溝270aは、積層方向から観測したときに、第1駆動部291及び第2駆動部292,293の第1延長部261a,262a,263aの範囲と重複している。換言すれば、第1エッチング溝270aは、導電体上層260を貫通していないので、その非貫通部分が第1駆動部291及び第2駆動部292,293の第1延長部261a,262a,263aとして用いられている。
図33〜図35に示されるように、第2エッチング溝270bは、積層方向から観測したときに、変位部240aと駆動部291,292,293を取囲むような形態を有しており、変位部240aの輪郭の一部を形成している。また、第2エッチング溝270bは、第1駆動部291及び第2駆動部292,293において、第1対向部261b,262b,263bと第1延長部261a,262a,263aが導電体上層250に形成されるようなパターンを有している。さらに、第2エッチング溝270bは、積層方向から観測したときに、第2延長部221a,222a,223aの範囲と重複している。換言すれば、第2エッチング溝270bは、導電体下層220を貫通していないので、その非貫通部分が第2延長部221a,222a,223aとして用いられている。
図34に示されるように、導電体中間層240の変位部240aは、積層方向から観測したときに、第1エッチング溝270aのパターンと第2エッチング溝270bのパターンの組合せのパターンで囲まれる範囲に設けられている。即ち、変位部240aは、第1エッチング溝270aのパターンと第2エッチング溝270bのパターンの組合せのパターンで形成されている。
図27に示されるように、光学ミラー駆動装置200はさらに、3つの下層用電極取出し部281,282,283と、中間層用電極取出し部286を備えている。下層用電極取出し部281,282,283はいずれも、下層用貫通電極281a,282a,283aと下層用絶縁分離溝28b,282b,283bを有する。中間層用電極取出し部286は、中間層用貫通電極286aと中間層用絶縁分離溝286bを有する。
図31に示されるように、下層用貫通電極283aは、積層部200aに設けられており、導電体上層260、絶縁体上層250、導電体中間層240及び絶縁体下層230を貫通して導電体下層220に接触している。下層用絶縁分離溝283bは、積層部200aに設けられており、導電体上層260、絶縁体上層250及び導電体中間層240を貫通して絶縁体下層230に接触している。下層用絶縁分離溝283bは、積層方向から観測したときに、下層用貫通電極283aの周囲を一巡している。
図35に示されるように、3つの駆動部291,292,293の第2対向部221b,222b,223bのそれぞれは、導電体下層220に形成された溝によって区画されている配線層221c,222c,223cに接続されている。配線層221c,222c,223cは、周囲の導電体下層220から電気的に絶縁されている。これにより、下層用電極取出し部281,282,283はそれぞれ、配線層221c,222c,223cを介して駆動部291,292,293の第2対向部221b,222b,223bに電気的に接続することができる。
図31に示されるように、中間層用貫通電極286aは、積層部200aに設けられており、導電体上層260及び絶縁体上層250を貫通して導電体中間層240に接触している。中間層用絶縁分離溝286bは、積層部200aに設けられており、導電体上層260を貫通して絶縁体上層250に接触している。中間層用絶縁分離溝286bは、積層方向から観測したときに、中間層用貫通電極286aの周囲を一巡している。
次に、光学ミラー駆動装置200の動作を説明する。光学ミラー駆動装置200では、第1駆動部291を利用して、光学ミラー290をy軸回りに回転させることができる。さらに、光学ミラー駆動装置200では、一対の第2駆動部292,293を利用して、光学ミラー290をx軸回りに回転させることができる。光学ミラー駆動装置200では、変位部240aに対して駆動電極284a,284bが対象の位置関係に配置されているので、精度の高い位置測定と駆動が可能である。光学ミラー駆動装置200は、2軸駆動式であり、広い光学角が実現されている。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
1a,10a,100a,200a:積層部
2,20,120,220:導電体下層
2a,20a,120a,221a,222a,223a:第2延長部
2b,20b,120b,221b,222b,223b:第2対向部
3,30,130,230:絶縁体下層
4,40,140,240:導電体中間層
4a,40a,140a,240a:変位部
4b,40b,120d,160d,241:梁
5,50,150,250:絶縁体上層
6,60,160,260:導電体上層
6a,20a,120a,261a,262a,263a:第1延長部
6b,60b,160b,261b,262b,263b:第1対向部
7a,70a,170a,270a:第1エッチング溝
7b,70b,170b,270b:第2エッチング溝
122,162:連結部

Claims (13)

  1. 第1層、第2層、第3層、第4層及び第5層がこの順で積層したMEMS構造体であって、
    前記第1層、前記第2層、前記第3層、前記第4層及び前記第5層が積層している積層部と、
    前記第3層に形成されており、梁で支持されている変位部と、
    前記第5層に形成されており、前記積層部から伸びている第1延長部と、
    前記第5層に形成されており、前記第1延長部に接続されており、前記変位部に対向するとともに、前記変位部との間に空間が形成されている第1対向部と、を備えており、
    前記第1層と前記第2層と前記第3層を貫通する第1エッチング溝が形成されており、
    前記第5層と前記第4層と前記第3層を貫通する第2エッチング溝が形成されており、
    積層方向から観測したときに、前記第1エッチング溝は前記変位部の輪郭のうちの第1輪郭部を形成しており、
    積層方向から観測したときに、前記第2エッチング溝は前記変位部の輪郭のうちの第2輪郭部を形成しており、
    積層方向から観測したときに、前記第1エッチング溝の少なくとも一部は、前記第1延長部と重複する範囲に設けられており、
    前記第1輪郭部の少なくとも一部は、前記第2輪郭部と重ならないMEMS構造体。
  2. 積層方向から観測したときに、前記第1エッチング溝のパターンと前記第2エッチング溝のパターンの組合せのパターンで囲まれる範囲に前記変位部が設けられている請求項1に記載のMEMS構造体。
  3. 前記第1層に形成されており、前記積層部から伸びている第2延長部と、
    前記第1層に形成されており、前記第2延長部に接続されており、前記変位部に対向するとともに、前記変位部との間に空間が形成されている第2対向部と、をさらに備えており、
    積層方向から観測したときに、前記第2エッチング溝の少なくとも一部は、前記第2延長部と重複する範囲に設けられている請求項1又は2に記載のMEMS構造体。
  4. 前記第1層、前記第3層及び前記第5層が導電性であり、
    前記第2層及び前記第4層が絶縁性である請求項1〜3のいずれか一項に記載のMEMS構造体。
  5. 前記梁が、前記第3層に形成されている請求項1〜4のいずれか一項に記載のMEMS構造体。
  6. 前記梁が、積層方向から観測したときに、前記第1延長部と重複しない範囲に設けられている請求項5に記載のMEMS構造体。
  7. 前記第3層の厚みが、前記第1層及び第5層よりも薄い請求項5又は6に記載のMEMS構造体。
  8. 前記梁が、前記第1層及び前記第5層に形成されている請求項1〜4のいずれか一項に記載のMEMS構造体。
  9. 前記第1層に形成されている前記梁が、前記第2層と前記第1層が積層した第1連結部を介して前記変位部に接続されており、
    前記第5層に形成されている前記梁が、前記第4層と前記第5層が積層した第2連結部を介して変位部に接続されている請求項8に記載のMEMS構造体。
  10. 前記第1層及び第5層の厚みが、前記第3層よりも薄い請求項8又は9に記載のMEMS構造体。
  11. 第1層、第2層、第3層、第4層及び第5層がこの順で積層したMEMS構造体を製造する方法であって、
    前記第1層と前記第2層と前記第3層を貫通する第1エッチング溝を形成する第1工程と、
    前記第5層と前記第4層と前記第3層を貫通する第2エッチング溝を形成する第2工程と、
    前記第4層の一部を除去する第3工程と、を備えており、
    前記第1工程では、積層方向から観測したときに、前記第1エッチング溝が前記第3層に変位部の輪郭のうちの第1輪郭部を形成しており、
    前記第2工程では、積層方向から観測したときに、前記第2エッチング溝が前記第3層に変位部の輪郭のうちの第2輪郭部を形成しており、
    前記第3工程では、前記変位部と前記第5層の間の前記第4層を除去しており、
    前記第5層の一部は、積層方向から観測したときに、前記第1エッチング溝を越えて前記変位部に対向し、
    前記第1輪郭部の少なくとも一部は、前記第2輪郭部と重ならない製造方法。
  12. 前記変位部と前記第1層の間の前記第2層を除去する第4工程をさらに備えており、
    前記第1層の一部は、積層方向から観測したときに、前記第2エッチング溝を越えて前記変位部に対向する請求項11に記載の製造方法。
  13. 前記第3工程と前記第4工程は、同時に実施される請求項12に記載の製造方法。
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