JP2005028487A - マイクロデバイス及びその製造方法 - Google Patents

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Toru Hirata
徹 平田
Yusuke Fujii
雄介 藤井
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Abstract

【課題】本発明は、機能面により光路切り換えを行うマイクロデバイス及びその製造方法に関し、機能面を平滑化処理する工程を設けることなく、機能面の平滑化を行い、機能面により光路の切り換えを低損失で高精度に行うことのできるマイクロデバイス及びその製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】5層構造からなるSOI基板の最上層に、(1,1,0)面の結晶方位面を表面に有する第3のシリコンバルク層46を形成する。この第3のシリコンバルク層46上に酸化膜47を形成して、酸化膜47に機能素子の形状とは異なる形状を有した開口部47Aを形成して、結晶異方性エッチングにより第3のシリコンバルク層46を加工して、膜の面内方向に対して垂直な(1,1,1)面を出現させ、この(1,1,1)面を機能面26a,26bとする。
【選択図】 図12

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はマイクロデバイス及びその製造方法に係り、特に機能面により光路切り換えを行うマイクロデバイス及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
微細構造のパーツを集積して形成したマイクロデバイスは、例えば光スイッチ、ラブ・オン・チップ、マイクロ・クロマトグラフィ・デバイス、マイクロポンプ、パワーMEMSパーツ等として、各種分野での応用が期待されている。これらのマイクロデバイスのうち、例えば光スイッチは、光通信関連機器、とりわけ波長多重通信(Dense Wavelength Division Multiplexing:DWDM)関連機器への需要が高まっている。
【0003】
ここで、光スイッチの構造としては、可動式及び非可動式の2種類に大別できるが、可動式の光スイッチは非可動式の光スイッチに比べてクロストーク低減、大規模化等の観点から有利である。この可動式の光スイッチとしては、光ファイバーの位置を固定すると共に機能面を有する機能素子が光路に対して移動することにより、機能面により光路を切り換える可動機能素子方式の光スイッチが一般的である。この機能素子を形成する際には、反応性イオンエッチング(RIE:Reactive Ion Etching)が用いられる場合があるが、特にエッチングと側壁保護を繰り返しながら異方性構造の形成を行うDRIE(Deep Reactive Ion Etching)では、同繰り返し周期に依存した表面あれが機能面に生じ、粗度としてはRa=40〜50nmが限界であった(例えば、非特許文献1参照)。これに対し、DRIEを用いて機能面を形成後に、別途、機能面を平滑化するための工程を設けて、結晶異方性エッチングにより平滑化する手法が知られている(例えば、非特許文献2参照)。
【0004】
【非特許文献1】
C.Marxer,M.A.Gretilla,N.F.de Rooij et al.,Vertical Mirrors Fabricated by Reactive Ion Etching for Fiber Optical Switching Applications,Proc.MEMS97,1997
【0005】
【非特許文献2】
M.Sasaki,K.Hane et al.,Anisotropically Etched Si Mold for Solid Polymer Dye Microcavity Laser,Jpn.J.Appl.Phys,Vol.39,2000,pp,7145−7149.
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、DRIEを用いて機能素子を形成した場合には、機能面の表面粗さがRa=40〜50nmが限界であり、光路の切り換えを低損失で高精度に行うことができないという問題があった。また、DRIEで形成された機能面を結晶異方性エッチングにより平滑化処理する場合には、機能素子を形成する工程の後に、別途、機能面を平滑化処理する工程を設ける必要があり、製造工程を増加させるという問題があった。
【0007】
そこで本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、機能面を平滑化処理する後工程を設けることなく、十分に平滑な機能面を得て、機能面により光路の切り換えを低損失で高精度に行うことのできるマイクロデバイス及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明では、次に述べる各手段を講じたことを特徴とするものである。
【0009】
請求項1記載の発明では、デバイス本体と、該デバイス本体に一体的に形成されると共に機能面を具備した機能素子とを有したマイクロデバイスにおいて、前記デバイス本体をSOI基板から形成し、かつ該デバイス本体表面の結晶方位面を(1,1,0)面とし、かつ前記機能面の結晶方位面を(1,1,1)面としたことを特徴とするマイクロデバイスにより、解決できる。
【0010】
上記発明によれば、デバイス本体表面の結晶方位面を(1,1,0)面として、機能素子の加工を行うことにより結晶方位面が(1,1,1)面である十分に平滑な機能面を形成することができ、十分に平滑な機能面により光路の切り換えを低損失で高精度に行うことができる。
【0011】
請求項2記載の発明では、前記SOI基板は、5層構造であることを特徴とする請求項1に記載のマイクロデバイスにより、解決できる。
【0012】
上記発明によれば、5層構造のSOI基板を用いることにより、SOI基板に具備されたSiO層をストッパー膜として、機能素子の加工を高精度に行うことができる。
【0013】
請求項3記載の発明では、基板をエッチングすることにより、機能面が形成された機能素子を具備するマイクロデバイスを製造するマイクロデバイスの製造方法であって、前記基板としてSOI基板を用い、該SOI基板の表面の結晶方位面を(1,1,0)とし、該表面に前記機能素子の形状と異なる形状を有したマスクパターンを形成する工程と、該マスクパターンを形成後、結晶異方性エッチングにより前記SOI基板の表面を加工して、結晶方位面が(1,1,1)面となる前記機能面を有した前記機能素子を形成する工程とを有したことを特徴とするマイクロデバイスの製造方法により、解決できる。
【0014】
上記発明によれば、結晶異方性エッチングにより機能素子の形状と異なる形状を有したマスクパターンを用いて、表面の結晶方位面が(1,1,0)であるSOI基板の加工を行うことにより、結晶方位面が(1,1,1)面である平滑化された機能面を形成することができ、平滑化された機能面により光路の切り換えを低損失で高精度に行うことができる。
【0015】
請求項4記載の発明では、前記マスクパターンの形状を前記機能面に対応する位置が曲面形状となるように構成したことを特徴とする請求項3に記載のマイクロデバイスの製造方法により、解決できる。
【0016】
請求項5記載の発明では、前記基板に形成される前記機能面となる位置に、前記マスクパターンの縁部が接線状に接するように前記マスクパターンの位置決めを行うことを特徴とする請求項3または4に記載のマイクロデバイスの製造方法により、解決できる。
【0017】
上記請求項4及び請求項5記載の発明によれば、マスクパターンの形状を上記の如く設定することにより、結晶方位面が(1,1,1)面である平滑化された機能面を形成することができる。
【0018】
請求項6記載の発明では、前記結晶異方性エッチングには、エチレンジアミンピロカテコール(EPD)を水で希釈したエッチング液を用いることを特徴とする請求項3乃至5のいずれか1項に記載のマイクロデバイスの製造方法により、解決できる。
【0019】
上記発明によれば、結晶異方性エッチングには、エチレンジアミンピロカテコール(EPD)を水で希釈したエッチング液を用いることができる。
【0020】
請求項7記載の発明では、前記マスクパターンが対向するよう2個形成したことを特徴とする請求項3乃至6のいずれか1項に記載のマイクロデバイスの製造方法により、解決できる。
【0021】
上記発明によれば、機能素子部材上にマスクパターンが対向するよう2個形成して結晶異方性エッチングを行うことにより、2つのマスクパターンが対向する位置に2つの平滑化された機能面を形成することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
次に、図面に基づいて本発明の実施例を説明する。図1乃至図2を参照して、本発明の実施例であるマイクロデバイス20の構成について説明する。図1は本発明の実施例であるマイクロデバイスの平面図であり、図2は図1に示したマイクロデバイスのA−A方向の断面図である。本実施例では、機能素子を有したマイクロデバイスに適用した例について説明する。マイクロデバイス20は、デバイス本体である第1の構造体21を有している。第1の構造体21は、後述する機能素子を駆動する機能を有した第2の構造体22の上部に積み重ねられ固定された構成とされている。第1の構造体21は、基板部23と移動部24とにより構成されている。
【0023】
まず、基板部23について説明する。基板部23は、5層構造のSOI基板に形成されている。基板部23は、移動部24を支持する機能を奏すると共に、光ファイバー27A〜27Dを所定位置に固定する機能を奏する。なお、請求項1に記載のデバイス本体表面とは、後述する第3のシリコンバルク層46の表面のことである。光ファイバー27A〜27Dを固定するため、基板部23には光ファイバー装着溝28が形成されている。本実施例では図1に示すように、基板部23の上面に4本の光ファイバー装着溝28が、平面視した状態において十字状をなすように形成されている。よって、この光ファイバー装着溝28に装着される光ファイバー27A〜27Dも、平面視した状態において十字状となるよう装着される。また、基板部23には開口部29が形成されている。移動部24は、後述するように、開口部29の内部に移動可能に設けられる。
【0024】
機能素子26は、移動部24を構成する電極部37上に立設される。第3のシリコンバルク層46は、単結晶シリコンのバルクから構成されている。単結晶シリコンのバルクは、薄膜技術を用いてシリコン薄膜を積層したポリシリコンと比較して機械的特性に優れているため、支持部25の可撓性を増すことができる。更に、機能素子26が図2中の上方(Z2方向)にある位置(以下、基準位置という)で、機能素子26の機能面26a,26bは各光ファイバー27A〜27Dの端面と対向するよう構成されている。機能面26a,26bは、光の光路を切り換えるための面である。図2に実線で示す機能素子26は、基準位置にある機能素子26を示している。
【0025】
次に、移動部24について説明する。移動部24は、支持部25,機能素子26,電極部37等により構成されている。この移動部24にも単結晶シリコンのバルクを用いた。この移動部24は前記の基板部23と一括的に形成される。支持部25は板バネ状とされており、外側の端部は基板部23に固定され、内側の端部は一体的に電極部37に接続された構成となっている。
【0026】
従って、移動部24は、支持部25が弾性変形することにより、開口部29内で矢印Z1,Z2方向(後述する対向電極34に対して上下方向)に移動可能な構成となる。尚、本実施例では支持部25は直線形状とされているが、支持部25は直線形状に限定されるものではなく、蛇行形状や他の形状とすることも可能である。これにより、支持部25のバネ特性を調整することができる。電極部37は、支持部25に対して広い面積を有しており、第2の構造体22に形成された対向電極34と対向するよう配設されている。
【0027】
機能素子26には、光ファイバー27A,27Dから出射された光の光路を変更するための2つの機能面26a,26bが形成されている。また、機能素子26は、平面視した状態において、各光ファイバー27A〜27Dに対して45度の角度を有して対向するよう構成されている。
【0028】
上記構成において、第1の構造体21は、第1のシリコンバルク層41と、第1のシリコン酸化膜層42と、第2のシリコンバルク層43と、第2のシリコン酸化膜層45と、第3のシリコンバルク層46とからなる5層のSOI基板に形成されており、SOI基板の表面である第3のシリコンバルク層46の表面は、結晶方位面が(1,1,0)面を有するように構成されている。また、機能面26a,26bは、Siの結晶方位面の中ではエッチング速度の最も遅い結晶方位面である(1,1,1)面を有している。このように、エッチング速度の最も遅い結晶方位面である(1,1,1)面を機能面26a,26bとなるように形成することで、別途、機能面26a,26bを平滑化する処理を行うことなく、
十分に平滑な機能面26a,26bを得ることができる。よって、機能素子26の製造工程を簡略化することができる。
【0029】
続いて、マイクロデバイス20の製造方法について説明する。図3乃至6は、先に述べた本実施例に係るマイクロデバイス20の製造方法を示した図である。なお、図3乃至図6において、本実施例に係るマイクロデバイス20の説明に用いた図1乃至2に示した構成と同一構成部分については同一符号を付して説明する。図3(A)は、マイクロデバイス20を製造する機材となる5層構造のSOI(Silicon On Insulator)基板40を示している。本実施例に係る製造方法で用いるSOI基板40は、下層から第1のシリコンバルク層41,第1のシリコン酸化膜層42,第2のシリコンバルク層43,第2のシリコン酸化膜層45,第3のシリコンバルク層46が順次積層された構成とされている。第1乃至3のシリコンバルク層41,43,46は、単結晶シリコン(Si)のバルクである。また、第3のシリコンバルク層46の表面は、結晶方位面が(1,1,0)面を有する層である。
【0030】
このSOI基板40は、周知のSOI技術を用いて形成される。具体的には、SOI基板40はSIMOX(Silicon IMplanted OXide)法、或いは貼り合わせ法を用いて形成することができる。SIMOX法とは、シリコン基板(Si)に酸素(O)をイオン注入し、その後に熱処理を行なうことによりシリコンと結合させ、基板表面より内部位置にシリコン酸化膜(SiO)を形成することによりSOI基板40を製造する方法である。また、貼り合わせ法は、表面に酸化膜を形成した第1のシリコン基板と、これとは別個の第2のシリコン基板を高熱・高圧力で接着し、その後に第2のシリコン基板を所定の厚さまで研削することにより、SOI基板40を製造する方法である。
【0031】
上記構成とされたSOI基板40には、例えば熱酸化法を用いることにより、図3(B)に示すように、第3のシリコンバルク層46の表面に酸化膜47を形成すると共に第1のシリコンバルク層41の表面(図中、下面)に酸化膜48を形成する。続いて、酸化膜47の表面に機能素子26を形成するためのレジスト膜49を形成し、酸化膜48の表面にはレジスト膜50を形成する。レジスト膜49,50は、例えばスピナーを用いて形成される。このレジスト膜49,50は、ポジ型,ネガ型のいずれであってもよい。
【0032】
続いて、図3(C)に示すように、第3のシリコンバルク層46側に形成されたレジスト膜49に対し露光・現像処理が行なわれ、基板部23及び機能素子26となる部位の上部を残してレジスト膜49が除去され、2つの開口部49Aがレジスト膜49に形成される。また、同図に示すように、レジスト膜49が除去された部分は、酸化膜47が露出した状態となっている。このレジスト膜49に形成された開口部49Aが、請求項3に記載された機能素子の形状と異なる形状を有したマスクパターンである。図7は、図3(C)に示した構造体の平面図であり、図8乃至10は開口部の形状の例を示した図である。また、図11は、SOI基板に対して傾いた状態でレジスト膜に形成された開口部の平面図である。なお、図11中に示した点線は機能素子26を示している。
【0033】
図7に示すように、2つの開口部49Aは、円形状をしており、同じ大きさの2つの円が対向する位置に形成されている。図7に点線で示した領域Bで囲まれた範囲内の開口部49Aは、請求項4に記載の機能面26a,26bに対応する位置である。なお、機能面26a,26bは、図7中に示した領域B内の開口部49Aの下層の第3のシリコンバルク層46に形成される。また、この領域Bで囲まれた範囲の開口部の形状が曲面形状であることが望ましく、後述する機能面を形成するための結晶異方性エッチングにより(1,1,1)面を出現させることができる。よって、図8乃至9に示すように、例えばレジスト膜49に形成する開口部の形状(マスクパターンの形状)を、楕円形状の開口部49Bに形成しても良いし、半円形状の開口部49Cに形成しても良い。また、領域Bで囲まれた範囲の開口部の形状は、複数の面により構成された曲面形状に近い形状、例えば20角形でも良いし、図10に示したような角部を有した開口部49Dに形成しても良い。更に、図11に示した開口部49E(マスクパターン)のように、(1,1,1)面に対する開口部の相対的な位置を変更して、開口部49A〜49D(マスクパターン)を形成しても良い。
【0034】
次に、図3(D)に示すように、パターニングされたレジスト膜49をマスクとして、酸化膜47をエッチングにより加工する。これにより、開口部49Aと同一形状の開口部47Aが酸化膜47に形成される。その後、図4(A)に示すように、アッシング等によりレジスト膜49,50を除去する。次に、図4(B)に示すように、パターニングされた酸化膜47をマスクとして、結晶異方性エッチングを行う。
【0035】
図12は、図4(B)に示した構造体の平面図であり、図13は図12のD−D方向の断面図である。なお、図12では、第3のシリコンバルク層46の加工後の形状が分かりやすいように開口部46Aの形状を実線で示し、酸化膜47に形成された開口部47Aを点線で示す。また、図4(B)は、図12のC−C方向の断面図である。図12に示すように、結晶異方性エッチングにより第3のシリコンバルク層46には、酸化膜47に形成された開口部47Aとは異なる形状の六角形の開口部46Aが形成される。これにより、膜の面内方向に対して垂直な方向に結晶方位面が(1,1,1)の対向する2つの面を出現させて、この2つの面を機能面26a,26bとする機能部26−1を形成することができる。
【0036】
また、(1,1,1)面は、エッチング速度が他の結晶方位面と比べて極めて遅いストップ面であるため、機能面26a,26bを形成する結晶異方性エッチングを行うことで、十分な平滑さを有した機能面26a,26bを同時に得ることができる。したがって、従来技術のように機能面26a,26bを形成後に、別途、機能面26a,26bを平滑化する工程を設ける必要がないため、機能素子26の製造工程を簡略化することができる。また、結晶異方性エッチングを行った際、図13に示すように、角度θが36度の2つの傾斜面61が出現するが、第3のシリコンバルク層46の下層に形成された酸化膜45がストッパー膜となるため、傾斜面61が機能面26a,26bに広がることを防止できる。なお、図12中の左側に示した開口部47Aを方向Fに距離Eの量だけ移動させた位置に形成して、機能面26aの全体と機能面26bの全体とが対向するように形成しても良い。
【0037】
また、第3のシリコンバルク層46を所望の厚みに形成し、かつストッパー膜として酸化膜45を設けることにより、機能面26a,26bの膜の厚み方向の深さを精度良く制御して加工することができる。なお、結晶異方性エッチングには、エチレンジアミンピロカテコール(EPD)を水で希釈したエッチング液を用いることができる。
【0038】
次に、図4(C)に示すように、酸化膜47,48はアッシング等により除去する。続いて、図5(A)に示すように、機能部26−1を被覆するようにCr膜52を形成する。このCr膜52は、例えば、ステンシルマスクを用いた蒸着装置により成膜することができる。このように、機能部26−1をCr膜52で被覆することで、第2のシリコンバルク層43と第1のシリコン酸化膜層42とをエッチングする際、機能部26−1に形成された機能面26a,26bが損傷することを防ぐことができる。続いて、レジスト膜を塗布し、露光、現像処理を行って、第3のシリコンバルク層46上にパターニングされたレジスト膜62を形成する。このレジスト膜62も、例えばスピナー等を用いて塗布される。なお、このレジスト膜62も、ポジ型、ネガ型のいずれであっても良い。
【0039】
次に、図5(B)に示すように、Cr膜52及びレジスト膜62をマスクとして、反応性イオンエッチングにより第2のシリコンバルク層43のエッチングを行う。この反応性イオンエッチングには、例えば、誘導結合プラズマ(ICP:Inductively Coupled Plasma)を用いることができる。続いて、Cr膜52及びレジスト膜62をマスクとして、第1のシリコン酸化膜層42のエッチングを行い、開口部53を形成して、機能部26−1を支持する支持体26−2を形成する。これにより、機能部26−1と支持体26−2とを有した機能素子26を形成することができる。Cr膜52及びレジスト膜62は、開口部53形成後に除去される。なお、Cr膜52の除去は、Crを選択的にエッチングできる手法を用いて行う。
【0040】
次に、図5(C)に示すように、第1のシリコンバルク層41の下面にレジスト膜54が塗布される。このレジスト膜54も、例えばスピナー等を用いて塗布される。なお、このレジスト膜54も、ポジ型、ネガ型のいずれであっても良い。次に、図6(A)に示すように、レジスト膜54に対して露光・現像処理が行われる。これにより、支持部25及び電極部37が形成される領域にはレジスト膜54が残され、レジスト膜54には開口部56が形成される。続いて、図6(B)に示すように、開口部56が形成されたレジスト膜54をマスクとして、第1のシリコンバルク層41に対してDRIEを実施する。これにより第1のシリコンバルク層41には、支持部25と電極部37とが形成される。
【0041】
続いて、図6(C)に示すように、レジスト膜54を除去するアッシング処理が実施され、これにより移動部24が形成されて、第1の構造体21の製造が完了する。なお、マイクロデバイス20を構成する第2の構造体22の製造方法は、周知の技術を用いて製造されため、その説明は省略するものとする。
【0042】
本実施例では、上記のように結晶異方性エッチングにより機能素子26の形状と異なる形状を有した開口部47Aを用いて、表面の結晶方位面が(1,1,0)であるSOI基板40の加工を行うことにより、結晶方位面が(1,1,1)面である平滑化された機能面26a,26bを形成することができ、平滑化された機能面26a,26bにより光路の切り換えを低損失で高精度に行うことができる。なお、本実施例では、開口部53を形成後にCr膜52の除去を行ったが、Cr膜52を残して、機能面26a,26bに形成されたCr膜52を機能面として用いても良い。
【0043】
上記説明した製造方法により作成した機能素子26を用いて、本発明者が機能面26a,26bの表面粗さ(Ra)の測定を行ったところ平均10nmであり、機能面26a,26bが良好な平滑面に形成されていることが分かった。この測定結果から、先に説明したように、表面の結晶方位面が(1,1,0)の第3のシリコンバルク層46上に、対向する2つの円形状の開口部47Aを有した酸化膜47を形成し、この酸化膜47をマスクとして結晶異方性エッチングを行うことにより、エッチング速度が遅く、膜の面内方向に対して垂直な(1,1,1)面を機能面26a,26bと一致させることができる。このため、結晶異方性エッチングにより平滑化された(1,1,1)面を機能面26a,26bとして用いて、光路の切り換えを低損失で高精度に行うことができることが分かった。なお、機能面26a,26bの表面粗さ(Ra)の評価には、超深度形状測定顕微鏡VK−8500(KEYENCE社製)を用いた。
【0044】
以上、本発明の好ましい実施例について詳述したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。なお、本発明は、光スイッチやプラズマエッチングにより形成された側壁面の平滑化を必要とする光マイクロコンポーネントや微細スタンパー等の種々のマイクロデバイスに適用できるものである。
【0045】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、デバイス本体表面の結晶方位面を(1,1,0)面として、機能素子の加工を行うことにより結晶方位面が(1,1,1)面である十分に平滑な機能面を形成することができ、十分に平滑な機能面により光路の切り換えを低損失で高精度に行うことができる。
【0046】
請求項2記載の発明によれば、5層構造のSOI基板を用いることにより、SOI基板に具備されたSiO層をストッパー膜として、機能素子の加工を高精度に行うことができる。
【0047】
請求項3記載の発明によれば、結晶異方性エッチングにより機能素子の形状と異なる形状を有したマスクパターンを用いて、表面の結晶方位面が(1,1,0)であるSOI基板の加工を行うことにより、結晶方位面が(1,1,1)面である平滑化された機能面を形成することができ、平滑化された機能面により光路の切り換えを低損失で高精度に行うことができる。
【0048】
請求項4及び請求項5記載の発明によれば、マスクパターンの形状を上記の如く設定することにより、結晶方位面が(1,1,1)面である平滑化された機能面を形成することができる。
【0049】
請求項6記載の発明によれば、結晶異方性エッチングには、エチレンジアミンピロカテコール(EPD)を水で希釈したエッチング液を用いることができる。
【0050】
請求項7記載の発明によれば、機能素子部材上にマスクパターンが対向するよう2個形成して結晶異方性エッチングを行うことにより、2つのマスクパターンが対向する位置に2つの平滑化された機能面を形成することができる
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例であるマイクロデバイスの平面図である。
【図2】図1に示したマイクロデバイスのA−A方向の断面図である。
【図3】(A)〜(D)は、本実施例に係るマイクロデバイスの製造方法を示した図(その1)である。
【図4】(A)〜(C)は、本実施例に係るマイクロデバイスの製造方法を示した図(その2)である。
【図5】(A)〜(C)は、本実施例に係るマイクロデバイスの製造方法を示した図(その3)である。
【図6】(A)〜(C)は、本実施例に係るマイクロデバイスの製造方法を示した図(その4)である。
【図7】図3(C)に示した構造体の平面図である。
【図8】開口部の形状の例を示した図(その1)である。
【図9】開口部の形状の例を示した図(その2)である。
【図10】開口部の形状の例を示した図(その3)である。
【図11】SOI基板に対して傾いた状態でレジスト膜に形成された開口部の平面図である。
【図12】図4(B)に示した構造体の平面図である。
【図13】図12のD−D方向の断面図である。
【符号の説明】
20 マイクロデバイス
21 第1の構造体
22 第2の構造体
23 基板部
24 移動部
25 支持部
26 機能素子
26−1 機能部
26−2 支持体
26a、26b 機能面
27A〜27D 光ファイバー
28 光ファイバー装着用溝
29、46A、47A、49A〜49E、53、56 開口部
34 対向電極
37 電極部
40 SOI基板
41 第1のシリコンバルク層
42 第1のシリコン酸化膜層
43 第2のシリコンバルク層
45 第2のシリコン酸化膜層
46 第3のシリコンバルク層
47、48 酸化膜
49、50、54、62 レジスト膜
52 Cr膜
61 傾斜面
B 領域
E 距離
F 方向
θ 角度

Claims (7)

  1. デバイス本体と、
    該デバイス本体に一体的に形成されると共に機能面を具備した機能素子とを有したマイクロデバイスにおいて、
    前記デバイス本体をSOI基板から形成し、かつ該デバイス本体表面の結晶方位面を(1,1,0)面とし、かつ前記機能面の結晶方位面を(1,1,1)面としたことを特徴とするマイクロデバイス。
  2. 前記SOI基板は、5層構造であることを特徴とする請求項1に記載のマイクロデバイス。
  3. 基板をエッチングすることにより、機能面が形成された機能素子を具備するマイクロデバイスを製造するマイクロデバイスの製造方法であって、
    前記基板としてSOI基板を用い、
    該SOI基板の表面の結晶方位面を(1,1,0)とし、該表面に前記機能素子の形状と異なる形状を有したマスクパターンを形成する工程と、
    該マスクパターンを形成後、結晶異方性エッチングにより前記SOI基板の表面を加工して、結晶方位面が(1,1,1)面となる前記機能面を有した前記機能素子を形成する工程とを有したことを特徴とするマイクロデバイスの製造方法。
  4. 前記マスクパターンの形状を前記機能面に対応する位置が曲面形状となるように構成したことを特徴とする請求項3に記載のマイクロデバイスの製造方法。
  5. 前記基板に形成される前記機能面となる位置に、前記マスクパターンの縁部が接線状に接するように前記マスクパターンの位置決めを行うことを特徴とする請求項3または4に記載のマイクロデバイスの製造方法。
  6. 前記結晶異方性エッチングには、エチレンジアミンピロカテコール(EPD)を水で希釈したエッチング液を用いることを特徴とする請求項3乃至5のいずれか1項に記載のマイクロデバイスの製造方法。
  7. 前記マスクパターンが対向するよう2個形成したことを特徴とする請求項3乃至6のいずれか1項に記載のマイクロデバイスの製造方法。
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