JP3871118B2 - マイクロデバイスの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はマイクロデバイスの製造方法に係り、特に光スイッチに用いて好適なマイクロデバイスの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
微細構造のパーツを集積して形成したマイクロデバイスは、例えば光スイッチ、ラブ・オン・チップ、マイクロ・クロマトグラフィ・デバイス、マイクロポンプ、パワーMEMSパーツ等として、各種分野での応用が期待されている。これらのマイクロデバイスのうち、例えば光スイッチは、光通信関連機器、分けても波長多重通信(Dense Wavelength Division Multiplexing:DWDM)関連機器への需要が高まっている。
【0003】
ここで、光スイッチの構造は、機械式及び非可動式の2種類に大別できる。非可動式の光スイッチは、一般に導波路を用いており、伝送波長以下まで隣接ファイバーを近づけ、その間における光の浸み出しによって電磁エネルギが一方のファイバーから他方のファイバーへ移る結合器の特性を利用している。上記のような非可動式の光スイッチでは、スイッチ損失等を低く抑えることができるが、隣接ファイバー間のクロストークが大きくなる問題がある他、大規模化を図る場合には、Non-blocking構成を取る必要性から非常に多数のスイッチ・エレメントを並べる必要が生じ、サイズの肥大化を免れない。
【0004】
一方、機械式の光スイッチは、上記した非可動式の光スイッチに比べてクロストーク低減、大規模化等の観点から有利である。この機械式の光スイッチとしては、光ファイバの位置を固定すると共にミラーが光路に対して移動することにより光路を切り換える可動ミラー切り換え式の光スイッチがある。
【0005】
この可動ミラー切り換え式の光スイッチは、上記のようにミラーの出し入れにより光路を切り換える構成であるため、光路に対してミラーを移動させる必要がある。このため、光スイッチには、ミラーを移動させるための駆動機構が設けられている。この駆動機構は、ミラーが取り付けられる可動アームと、この可動アームを移動付勢する駆動手段を有している。
【0006】
信頼性の高い光スイッチを実現するためには、ミラーを駆動する可動アームがミラーの移動方向には柔軟に可動し、ミラーの移動方向以外の方向には可動しないような構成とすることが重要となる。可動アームは、ポリシリコン(多結晶シリコン)膜と二酸化シリコン(SiO)膜とを積層した積層基板から形成することが行なわれていた。
【0007】
具体的には、ポリシリコン膜と二酸化シリコン膜とが積層された基板を用意し、この基板の二酸化シリコン(SiO)膜を所定のパターンでエッチング除去することにより可動アームを形成する。従って、従来の光スイッチでは、可動アームはポリリシコンにより形成されていた。尚、このように、複数の積層膜を微細加工する技術を“サーフェイスマイクロマシニング”という。
【0008】
このサーフェイスマイクロマシニング技術を用いて光スイッチを実現したものとして、例えば特開2000−258702号公報に開示されたものがある。この公報に開示された光スイッチは、光路切り換え用のミラーを駆動する支持体(可動アーム)をポリシリコンにより形成した構成とされていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記公報に開示されているように、従来の光スイッチではミラーを駆動する可動アーム(支持体)をポリシリコンにより形成した構成とされていた。このポリシリコン膜は通常CVD(気相成長)法により成膜される堆積膜である。
【0010】
このようにポリシリコンの堆積膜として構成される可動アーム(支持体)は、単結晶シリコンのバルクに比し、
(1) ヤング率が低く、塑性変形が起こりやすい
(2) 結晶粒界の影響で応力による割れや歪みが起こりやすい
(3) CVD時の残留応力が可動アーム等の形成に悪影響を及ぼす
等の問題点がある。
【0011】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、高い信頼性及び駆動特性を実現できるマイクロデバイスの製造方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために本発明では、次に述べる各手段を講じたことを特徴とするものである。
【0025】
請求項1記載の発明は、
機能素子が設けられると共に変位して該機能素子を移動させる変位部と、該変位部を支持する支持部とを有してなるマイクロデバイスの製造方法において、
前記変位部となる第1のバルク層と、前記支持部となる第2のバルク層と、該第1のバルク層と第2のバルク層との間に設けられた中間層とを具備する基板を形成する工程と、
前記中間層をエッチストップ材として前記第2のバルク層をバルクマイクロマシニングにより加工する工程と、
前記中間層を加工する工程とを有し、
前記第2のバルク層の加工と前記中間層の加工により前記支持部を形成する際、前記第2のバルク層と前記中間層とからなる前記機能素子を形成することを特徴とするものである。
【0026】
上記発明によれば、中間層をエッチストップ材として、第2のバルク層をバルクマイクロマシニング加工するため、中間層以上に第2のバルク層が加工されることを防止することができる。これにより、変位部を精度良く形成することができると共に、バルクマイクロマシニング加工が第1のバルク層に及ぶことを防止できる。よって、変位部及び支持部を高精度に形成することが可能となる。
【0027】
また、請求項2記載の発明は、
請求項1記載のマイクロデバイスの製造方法において、
前記バルクマイクロマシニングとして、反応性イオンエッチングを用いたことを特徴とするものである。
【0028】
上記発明によれば、バルクマイクロマシニングとして反応性イオンエッチングを用いたことにより、第2のバルク層にその加工表面に対して略垂直な側壁を有する溝加工ができるため、変位部を精度良く形成することができ、よって機能素子を高精度に移動させることが可能となる。
【0029】
また、請求項3記載の発明は、
請求項1または2記載のマイクロデバイスの製造方法において、
前記第1のバルク層及び前記第2のバルク層を単結晶シリコンとし、前記中間層をシリコン酸化物としたことを特徴とするものである。
【0030】
また、請求項4記載の発明は、
請求項3記載のマイクロデバイスの製造方法において、
前記基板はSOI(Silicon OnInsulator)基板であることを特徴とするものである。
【0031】
上記の請求項3及び4記載の発明によれば、SOI技術を利用して基板を形成することが可能となる。
【0033】
上記発明によれば、支持部の形成と機能素子の形成を同時に行なえるため、加工時間の短縮を図ることができる。
【0034】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面と共に説明する。
【0035】
図1乃至図3は、本発明の一実施例であるマイクロデバイスを示している。本実施例では、マイクロデバイスとして光スイッチ10を用いた例について説明するが、本発明の適用はこれに限定されものではなく、マイクロポンプ,スキャナー,ディジタルミラーデバイス,圧力センサ,加速度センサ,ジャイロ等の種々のマイクロデバイスに適用できるものである。
【0036】
光スイッチ10は可動ミラー切り換え式の光スイッチであり、例えばDWDM関連機器内に配設されて信号光の光路の切り換え処理を行なうものである。この光スイッチ10は、大略すると変位部11、基台部12、及び支持フレーム14等により構成されている。
【0037】
変位部11は単結晶シリコンのバルクよりなり、ステージ13,アーム部15,枠部16,及びミラー21等により構成されている。この変位部11を構成するステージ13,アーム部15,枠部16,及びミラー21は、バルクマイクロマシニング技術を用いて一体的に形成された構成とされている。ここで、バルクマイクロマシニング技術とは、単結晶基板そのものに微細構造体を形成する加工技術をいい、前記したサーフェイスマイクロマシニングと相反する加工技術である(「半導体用語大辞典」:株式会社日刊工業新聞社、1999年3月20日発行、871頁右欄参照)。
【0038】
ステージ13は、図3に示すように矩形状の板状部であり、その中央にミラー21(請求項記載の機能素子に相当する)が立設した構成とされている。ミラー21は、その表面が鏡面処理されている。また、このミラー21は、後述する支持フレーム14に形成されるファイバー装着溝18A,18Bを結ぶ線に対して45°傾けられた構成とされている。
【0039】
尚、上記のように本実施例では、ミラー21はステージ13と一体的な構成とされているが、ミラー21をステージ13と別個の構成とすることも可能である。この場合、ミラーはステージにも、例えば接着により固定することが考えられる。
【0040】
アーム部15は、ステージ13の外周から4本延出するよう形成されている。このアーム部15は、そのステージ13側と反対側の端部が枠部16に接続されている。従って、ステージ13はアーム部15を介して枠部16に支持された構成とされている。
【0041】
また、各アーム部15は板バネ形状を有しているため、図中上下方向(図中矢印Z1,Z2方向)に対しては容易に変形する。しかしながら、アーム部15は、図3に矢印Aで示す回転方向(ステージ13が面方向に回転する方向)、及び図3に矢印Bで示す回転方向(各アーム部15を捩じる方向)については強い剛性を示す。従って、アーム部15に支持されたステージ13は、図中矢印Z1,Z2で示す上下方向に対しては容易に移動するが、他の方向には容易に移動しない構成となる。
【0042】
枠部16は、枠状形状を有している。この枠部16の平面視した時の形状は、同じく枠形状を有した支持フレーム14と同一形状となるよう構成されている。即ち、枠部16と支持フレーム14は重なり合った構成となっている。また、枠部16は、後に詳述するように中間層33(二酸化シリコンよりなる)を介して支持フレーム14と接合されている。これにより変位部11は、支持フレーム14に支持された構成となっている。
【0043】
支持フレーム14(請求項に記載の支持部に相当する)は、単結晶シリコンのバルクにより構成されている。この支持フレーム14は、前記のように変位部11を支持する機能を奏すると共に、光ファイバー17A〜17Cを所定位置に固定する機能を奏するものである。このため、支持フレーム14は、光ファイバー17A〜17Cを固定するためのファイバー装着溝18A〜18Cを形成した構成とされている。
【0044】
ファイバー装着溝18Aとファイバー装着溝18Bは、直線状に対向した位置に配設されている。また、ファイバー装着溝18Cは、ファイバー装着溝18Aとファイバー装着溝18Bとを結ぶ直線(図中、矢印Cで示す一点鎖線)に対して直交し、かつミラー21の中心点(図中、矢印Oで示す)を通る直線(図中、矢印Dで示す一点鎖線)に沿うよう形成されている。
【0045】
次に、基台部12について説明する。基台部12は、ガラス基板にキャビティ部19を形成した構成とされている。このキャビティ部19は、ガラス基板を弗酸(HF)と弗化アンモニウム(NHF)とを混合したエッチング液を用いてエッチングすることにより、容易に形成することができる。
【0046】
また、このキャビティ部19内において、ステージ13と対向する位置には駆動電極20が形成されている。この駆動電極20と変位部11との間には、図示しない電圧印加装置が接続されている。そして、この電圧印加装置により駆動電極20と変位部11との間に所定の駆動電圧を印加することにより、ステージ13は駆動電極20に静電的に吸着される。
【0047】
これにより、図2に示すようにステージ13は図中矢印Z1方向に変位し、これに伴いミラー21も矢印Z1方向に移動する。この際、本実施例では変位部11を駆動するための駆動電極20が、基台部12のステージ13と対向する位置に設けられているため、駆動電極20のコンパクト化,小型化を図ることができる。
【0048】
図1に示す変位部11が変位していない状態では、ミラー21は上昇した位置にある。この状態では、光ファイバー17Aから発射された光(図1及び図2に矢印Aで示す)はミラー21に入射し、このミラー21で90°光路を変更されて光ファイバー17Cに入射する。
【0049】
これに対し、上記のように駆動電圧を印加することにより変位部11のステージ13が矢印Z1方向に変位すると、光ファイバー17Aから発射された光Aはミラー21に入射することなく、光ファイバー17Bに入射する。アーム部15の変形可能量、キャビティ部19の深さ、及び駆動電圧の大きさは、ステージ13が矢印Z1方向に変位した際、ミラー21が光ファイバー17Aから光ファイバー17Bに至る光Aの光路よりも下部の位置となるよう構成されている。
【0050】
よって、光スイッチ10は、駆動電圧をON/OFFすることにより、光ファイバー17Aから出射される光Aの光路を、光ファイバー17Bに入射する光路と、光ファイバー17Cに入射する光路とに選択的に切り換えることができる。この際、本実施例ではミラー21をステージ13に対して垂立した構成としている。
【0051】
このように、ミラー21をステージ13に対して垂立させることにより、光Aをミラー21の変位方向(Z1,Z2方向)と直交する方向(即ち、ステージ13と平行な方向)から入射することが可能となる。よって、スイッチィングする光Aをミラーの変位方向と平行な方向(Z1,Z2方向)から入射させる構成に比べ、光スイッチ10の構成を簡単化することができる。
【0052】
即ち、スイッチィングする光Aをミラーの変位方向と平行な方向(Z1,Z2方向)から入射させる構成とは、本実施例におけるステージ13自体をミラーとするような構成である。この構成では、光ファイバーをステージと対向するよう取り付ける必要があり、取り付け構造が面倒である。また、ミラーの移動のさせ方も、本実施例と比べて困難となる。
【0053】
上記したように、光Aの光路を切り換える場合、変位部11のステージ13及びアーム部15が図中矢印Z1,Z2方向に変位を行なう。このステージ13及びアーム部15の変位は、光路切り換え処理(スイッチング処理)を頻繁に行なうほど、激しく行なわれることとなる。
【0054】
ここで、本実施例における変位部11の材質に注目する。本実施例では、バルクマイクロマシニング技術を用いて単結晶シリコンのバルクを加工し、これにより変位部11を形成した構成とされている。即ち、変位部11は、単結晶シリコンのバルクにより形成されている。
【0055】
このように、変位部11を単結晶シリコンのバルクにより構成したことにより、光スイッチ10の信頼性を向上することができる。即ち、単結晶シリコンのバルクは、サーフェイスマイクロマシニング技術を用いてシリコン薄膜を積層したポリシリコン(従来の構成)に比べて機械的強度が強い。
【0056】
具体的には、単結晶シリコンのバルクは、ポリシリコンに比べてヤング率が高く塑性変形が生じ難く、また結晶粒界の影響による応力で割れや歪みが生じるようなこともない。更に、ポリシリコンと異なりCVD等のサーフェイスマイクロマシニング処理(成膜処理等)を行なわないため、残留応力が変位部11に悪影響を及ぼすようなこともない。
【0057】
このため、変位部11を単結晶シリコンのバルクとすることにより、光Aの切り換え処理により変位部11(特に、ステージ13及びアーム部15)に塑性変形や歪が発生することを防止でき、よって光スイッチ10の信頼性を向上することができる。
【0058】
また、バルクマイクロマシニング技術は、一般にサーフェイスマイクロマシニング技術に比べて設備及び加工が簡単で、加工コストも安価である。このため、変位部11を単結晶シリコンのバルクとし、バルクマイクロマシニング技術で加工することにより、光スイッチ10を容易かつ安価に製造することが可能となる。
【0059】
続いて、図4を参照して、上記構成とされた光スイッチ10の製造方法について説明する。尚、図4において、図1乃至図3に示した構成と対向する構成については同一符号を付してその説明を省略する。
【0060】
図4(A)は、光スイッチ10を製造する基材となるSOI(Silicon On Insulator)基板30を示している。このSOI基板30は、第1のバルク層31,中間層33,第2のバルク層32が積層された構成とされている。第1のバルク層31及び第2のバルク層32は単結晶シリコン(Si)のバルクであり、中間層33は二酸化シリコン(SiO)である。
【0061】
このSOI基板30は、周知のSOI技術を用いて形成される。具体的には、SOI基板30はSIMOX(Silicon IMplanted OXide)法、或いは貼り合わせ法を用いて形成することができる。SIMOX法とは、シリコン基板(Si)に酸素( )をイオン注入し、その後に熱処理を行なうことによりシリコンと結合させ、基板表面より内部位置にシリコンの酸化膜(SiO)を形成することによりSOI基板30を製造する方法である。
また、貼り合わせ法は、表面に酸化膜を形成した第1のシリコン基板と、これとは別個の第2のシリコン基板を高熱・高圧力で接着し、その後に第2のシリコン基板を所定の厚さまで研削することにより、SOI基板30を製造する方法である。尚、SOI基板30の上面(第2のバルク層32の上面)には、二酸化シリコン(SiO)よりなる表面保護層34が形成されている。
【0062】
上記構成とされたSOI基板30には、図4(B)に示すように、先ず第1のフォトレジスト35が塗布される。この第1のフォトレジスト35は、第2のバルク層32に形成された表面保護層34上に、例えばスピナーを用いて塗布される。この第1のフォトレジスト35は、ポジ型,ネガ型のいずれであってもよい。
【0063】
続いて、この第1のフォトレジスト35には露光・現像処理が行なわれ、支持フレーム14及びミラー21となる部位の上部を残し、他の部分の第1のフォトレジスト35が除去される。図4(C)は、第1のフォトレジスト35の不要部分が除去された状態を示している。同図に示すように、第1のフォトレジスト35が除去された部分は、第2のバルク層32が露出した状態となっている。
【0064】
上記のように第1のフォトレジスト35のパターニングが終了すると、続いてSOI基板30に対してバルクマイクロマシニングが行なわれる。本実施例では、バルクマイクロマシニングとして、反応性イオンエッチング(RIE:Reactive Ion Etching)を用いている。SOI基板30は反応性イオンエッチングを行なうエッチング装置に装着され、第1のフォトレジスト35をマスクとして第2のバルク層32に対し反応性イオンエッチングが実施される。
【0065】
本実施例では、SFガスを用いた反応性イオンエッチングを用いている。この反応性イオンエッチングは、シリコン(Si)と二酸化シリコン(SiO)との間に高いエッチレートの選択比を持つことを大きな特徴の一つとしている。
【0066】
このエッチレートの選択比は、条件によって異なるが、Si:SiO2=(100〜300):1である。また、ガス交換を行なう反応性イオンエッチングでは、側壁保護とエッチングのプロセスを交互に繰り返すことで、加工表面に対して略垂直な側壁を持つ穴(本実施例における深堀加工部37)を深掘り加工することができる。
【0067】
図4(D)は、反応性イオンエッチングにより第2のバルク層32に深堀加工部37を形成している過程を示している。前記ように反応性イオンエッチングでは、加工表面に対して略垂直な側壁を持つ穴を形成することができるが、ある程度の面積をある程度の深さ以上掘りこむ際、底面の平坦性を数μm内に保つことは難しい。このため、図4(D)に示すように加工途中においては、深堀加工部37の底面には厚みムラ36が形成される。
尚、この厚みムラ36の厚さは、第2のバルク層32の厚さや深堀加工部37の大きさ等により異なるが、矩形状とされた深堀加工部37の一辺長が500μm程度である場合、厚みムラ36の厚さは約20〜30μmとなる。
【0068】
いま、仮に中間層33が存在しない構成(第1のバルク層31と第2のバルク層32が一体化した構成)を想定した場合、深堀加工部37の深さを制御するには時間制御を行なうしかなく、その精度は低下してしまう。また、深堀加工部37の底部には、上記した厚みムラ36が発生したままの状態となる。
【0069】
この深堀加工部37の深さ制御は、変位部11の厚さの制御と等価である。よって、中間層33が存在しない構成では、変位部11の厚さにバラツキが発生し、変位部11の動作が不安定となり、ミラー21を応答性よく移動させることができなくなる。
【0070】
これに対して本実施例では、反応性イオンエッチングのエッチング速度が、シリコン(Si)に対して極めて遅い二酸化シリコン(SiO)よりなる中間層33を第1のバルク層31と第2のバルク層32との間に設けている。このため、第2のバルク層32に対する反応性イオンエッチングは、この中間層33が露出するまで行なわれ、また中間層33が露出した後は第1のバルク層31までエッチングが及ぶのを防止する。
【0071】
即ち、第2のバルク層32に対してエッチング処理を行なう際、中間層33は第2のバルク層32に対するエッチング量を規制するエッチストップ材として機能する。よって、中間層33を設けることにより、図4(E)に示すように、反応性イオンエッチングにより深堀加工部37の底部に発生する厚みムラ36を完全に除去することができる。
【0072】
また、エッチストップ材として機能する中間層33以上に反応性イオンエッチングが進まないため、第1のバルク層31がエッチングされることはない。よって、図4(E)に示すように、中間層33をエッチストップ材とした反応性イオンエッチングを実施することにより、支持フレーム14及びミラー21を高精度に形成することができる。また、本実施例では、反応性イオンエッチングを用いて支持フレーム14とミラー21を同時形成しているため、支持フレーム14とミラー21を別個に形成する方法に比べ、加工時間の短縮が図られている。
【0073】
上記のように支持フレーム14及びミラー21が形成されると、中間層33の除去処理を実施する。これにより、図4(F)に示すように深堀加工部37の底部は、第1のバルク層31が露出した状態となる。また、この中間層33の除去が終了すると、第1のフォトレジスト35が除去される。
【0074】
第1のフォトレジスト35が除去されると、続いて第1のバルク層31の支持フレーム14及びミラー21の配設側と反対側の面に第2のフォトレジスト38が塗布される。この第2のフォトレジスト38は、例えばスピナーを用いて塗布される。図4(G)は、第2のフォトレジスト38が塗布された状態を示している。尚、この第2のフォトレジスト38もポジ型,ネガ型のいずれであってもよい。
【0075】
続いて、この第2のフォトレジスト38には露光・現像処理が行なわれ、アーム部15となる部位及びステージ13となる部分を残し、他の部分における第2のフォトレジスト38が除去される。図4(H)は、第2のフォトレジスト38の不要部分が除去された状態を示している。同図に示すように、第2のフォトレジスト38が除去された部分は、第1のバルク層31が露出した状態となっている。
【0076】
上記のように第2のフォトレジスト38のパターニングが終了すると、続いて第1のバルク層31に対してバルクマイクロマシニングが行なわれる。本実施例では、第1のバルク層31に対するバルクマイクロマシニングとしても、反応性イオンエッチング(RIE)を用いている。これにより、図4(I)に示すように、ステージ13及びアーム部15を除いて第1のバルク層31はエッチング除去される。
【0077】
この際、反応性イオンエッチングを用いることにより、前記したと同様の理由により、アーム部15の側面は略垂直な面となっている。よって、アーム部15を寸法精度良く形成することができ、ミラー21を高精度に、また安定して移動させることができる。
【0078】
続いて、第2のフォトレジスト38及び表面保護層34の除去処理が実施され、以上の工程を経ることにより変位部11が製造される。図4(J)は、上記製造工程を経ることにより製造された変位部11を示している。このようにして製造された変位部11は、予めキャビティ部19及び駆動電極20が形成された基台部12に接合され、これにより図1乃至図3に示す光スイッチ10が完成する。尚、基台部12の製造方法は周知であるため、その説明は省略する。
【0079】
上記したように、本実施例による光スイッチ10(変位部11)の製造方法では、変位部11となる第1のバルク層31を単結晶シリコンのバルクにより形成し、これにより変位部11の機械的強度を向上させる構成とした。また、単結晶シリコンのバルクによりなる第2のバルク層32に対してバルクマイクロマシニング(反応性イオンエッチング)を実施する際、第2のバルク層32と共に第1のバルク層31が加工(エッチング)されないよう、エッチストップ材として機能する中間層33を各バルク層31,32の間に介装した構成とした。
【0080】
しかしながら、第1のバルク層31と第2のバルク層32は必ずしも単結晶シリコンのバルクとする必要はない。ミラー21を駆動するのに足る十分な機械的強度を実現でき、かつ駆動手段(例えば、ステージ13を静電吸引する電極等)により駆動可能な構成であれば、樹脂、金属、その他の材料を用いることも可能である。
【0081】
また、第1のバルク層31と第2のバルク層32は必ずしも同一材料とする必要はなく、異なる材料とすることも可能である。この場合、第1のバルク層31の材質を、第2のバルク層32をエッチングする際にエッチストップ材として機能する材料とすることにより、中間層33を除去することも可能となる。
【0082】
【発明の効果】
上述の如く本発明によれば、次に述べる種々の効果を実現することができる。
【0089】
請求項1記載の発明によれば、エッチストップ材として機能する中間層以上に第2のバルク層が加工されることはないため、変位部及び支持部の形成精度を向上させることができる。また、支持部の形成と機能素子の形成を同時に行なえるため、加工時間の短縮を図ることができる。
【0090】
また、請求項2記載の発明によれば、反応性イオンエッチングを用いて第2のバルク層に略垂直な側壁を有する溝加工ができるため、変位部を精度良く形成することができ、よって機能素子を高精度に移動させることが可能となる。
【0091】
また、請求項3及び4記載の発明によれば、SOI技術を利用して基板を形成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である光スイッチを示す断面図であり、ミラーが上昇した状態を示す図である。
【図2】本発明の一実施例である光スイッチを示す断面図であり、ミラーが下降した状態を示す図である。
【図3】本発明の一実施例である光スイッチを示す斜視図である。
【図4】本発明の一実施例である光スイッチの製造方法を製造手順に沿って示す図である。
【符号の説明】
10 光スイッチ
11 駆動部
12 基台部
13 ステージ
14 支持フレーム
15 アーム部
16 枠部
17 光ファイバー
18A〜18C ファイバー装着溝
19 キャビティ部
20 駆動電極
21 ミラー
30 SOI基板
31 第1のバルク層
32 第2のバルク層
33 中間層
34 表面保護層
35 第1のフォトレジスト
36 厚みムラ
37 深堀加工部
38 第2のフォトレジスト

Claims (4)

  1. 機能素子が設けられると共に変位して該機能素子を移動させる変位部と、該変位部を支持する支持部とを有してなるマイクロデバイスの製造方法において、
    前記変位部となる第1のバルク層と、前記支持部となる第2のバルク層と、該第1のバルク層と第2のバルク層との間に設けられた中間層とを具備する基板を形成する工程と、
    前記中間層をエッチストップ材として前記第2のバルク層をバルクマイクロマシニングにより加工する工程と、
    前記中間層を加工する工程とを有し、
    前記第2のバルク層の加工と前記中間層の加工により前記支持部を形成する際、前記第2のバルク層と前記中間層とからなる前記機能素子を形成することを特徴とするマイクロデバイスの製造方法。
  2. 請求項1記載のマイクロデバイスの製造方法において、
    前記バルクマイクロマシニングとして、反応性イオンエッチングを用いたことを特徴とするマイクロデバイスの製造方法。
  3. 請求項1または2記載のマイクロデバイスの製造方法において、
    前記第1のバルク層及び前記第2のバルク層を単結晶シリコンとし、前記中間層をシリコン酸化物としたことを特徴とするマイクロデバイスの製造方法。
  4. 請求項3記載のマイクロデバイスの製造方法において、
    前記基板はSOI基板であることを特徴とするマイクロデバイスの製造方法。
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