JP2004354073A - 半導体加速度センサ - Google Patents
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Abstract
【課題】より効率的に製造することのできる半導体加速度センサを提供する。
【解決手段】中間絶縁層22を挟んで支持層23及び活性層23が積層されてなるフレーム部2と、一端がフレーム部2に接続された梁部3と、梁部3の他端に接続されフレーム部2に揺動自在に支持された錘部1と、梁部3に形成され、錘部1に加わる加速度に応じた電気信号を出力するピエゾ抵抗4と、支持層23及び活性層21のそれぞれに接合され、フレーム部2の積層方向に沿った、錘部1の過剰な揺動を制限する上部ストッパ51、下部ストッパ52とを備えた半導体加速度センサであって、中間絶縁層22は、1000Å以下に形成されると共に、その中間絶縁層22に正の電位、上部及び下部ストッパ51,52に負の電位が印加されて中間絶縁層22が絶縁破壊し、支持層23及び上部ストッパ52、並びに活性層21及び上部ストッパ51がそれぞれ導通して陽極接合された。
【選択図】 図1
【解決手段】中間絶縁層22を挟んで支持層23及び活性層23が積層されてなるフレーム部2と、一端がフレーム部2に接続された梁部3と、梁部3の他端に接続されフレーム部2に揺動自在に支持された錘部1と、梁部3に形成され、錘部1に加わる加速度に応じた電気信号を出力するピエゾ抵抗4と、支持層23及び活性層21のそれぞれに接合され、フレーム部2の積層方向に沿った、錘部1の過剰な揺動を制限する上部ストッパ51、下部ストッパ52とを備えた半導体加速度センサであって、中間絶縁層22は、1000Å以下に形成されると共に、その中間絶縁層22に正の電位、上部及び下部ストッパ51,52に負の電位が印加されて中間絶縁層22が絶縁破壊し、支持層23及び上部ストッパ52、並びに活性層21及び上部ストッパ51がそれぞれ導通して陽極接合された。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、加速度を検出する半導体加速度センサに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、自動車、航空機、家電製品等に搭載され、それらに加わる加速度を検出するものに、半導体基板から形成された半導体加速度センサがある。この半導体加速度センサには、形状や検出方法の違いにより種々のものが存在するが、例えば、形状に関しては、加わった加速度に応じて揺動する錘部を支持するフレーム部が、1つの梁部だけを介して支持する片持ち梁構造と、複数の梁部を介して支持する両持ち梁構造とがある。また、検出方法に関しても、錘部の変位量に応じて撓む梁部の、機械的な歪みを電気抵抗の変化として検出するものや、錘部の揺動量に応じ変化する静電容量の変化量を検出するものなどがある。図4に示すものは、片持ち梁構造で、その梁部3の機械的な歪みを電気抵抗の変化として検出する半導体加速度センサの側断面図である。
【0003】
この半導体加速度センサは、活性層21、中間絶縁層22、支持層23がこの順に積層された半導体基板を用い、その半導体基板がエッチングされることにより形成されたものであって、加わる加速度に応じて変位する錘部1と、この錘部1に接続され、錘部1の変位量に応じて撓む梁部3と、この梁部3を介して錘部1を揺動自在に支持するフレーム部2と、梁部3に形成され、梁部3の撓み量を検出するピエゾ抵抗4と、このピエゾ抵抗4の検出結果を取り出す電極パッド9と、ピエゾ抵抗4及び電極パッド9を電気的に接続する電極配線8とを備えたセンサチップ、並びに、フレーム部2の厚み方向の両端面に陽極接合され、錘部1の所定の大きさ以上の変位を制限するガラス材料よりなるストッパ部材51,52を備えて構成されている。そしてこの半導体加速度センサに加速度が加わったときには、錘部1がその加速度の大きさに応じて変位し、梁部3はその錘部1を支持するため、錘部1の変位に応じた量だけ撓む。そして、ピエゾ抵抗4の抵抗値が梁部3の撓み量に応じて変化するので、その抵抗値の変化を電気信号として電極パッド9から取り出すことで、加速度を求めている。
【0004】
しかしながらこのような半導体加速度センサは、フレーム部2が、活性層21、中間絶縁層22、支持層23がこの順に積層されたもので形成されているため、活性層21と支持層23とが、中間絶縁層22により電気的に切断された状態となっている。そのため、活性層21と支持層23にそれぞれストッパ部材51,52を陽極接合する際には、活性層21及びストッパ部材51を陽極接合する工程と、支持層23及びストッパ部材52を陽極接合する工程とが別々に必要となり、例えば、まず支持層23及びストッパ部材52を陽極接合し、その後で活性層21及びストッパ部材51を陽極接合する、といったように、2回の工程に分けて接合を行なう必要がある。
【0005】
このように2回必要となる陽極接合の工程を簡略化するため、図5に示すように、活性層21と支持層23とを半導体基板の周辺部分Aで電気的に導通させることで、2つのストッパ部材51,52とフレーム部2とを1回の接合工程で行なえるようにしたものもある(例えば、特許文献1参照)。このものは、半導体基板に複数形成された半導体加速度センサチップを切り分ける前に、その複数の半導体加速度センサチップにまとめて、ストッパ部材51,52を1回の工程で陽極接合しようとするものであり、まとめて陽極接合したあと、ダイシング等により各半導体加速度センサチップごとに切り分けて、半導体加速度センサとなる。このようにして陽極接合するためには、まず、複数の半導体加速度センサチップが形成された半導体基板の周辺部分Aの活性層21を、ウエットエッチングして除去し、中間絶縁層22を露出させる。続いてその周辺部分Aにドライエッチングを施して、露出させた中間絶縁層22を除去し、支持層23を露出させる。そして、その露出させた支持層23の表面と、エッチングしていない部分の活性層21の表面とに亘って金属薄膜72を形成し、活性層21及び支持層23を導通させる。そして、活性層21及び支持層23が導通した半導体基板の両端面に、ストッパ部材を配置すると共に、金属薄膜72及びストッパ部材51,52にそれぞれ印加電極V1,V2から正負の電圧を印加させ、活性層21及びストッパ部材51並びに支持層23及びストッパ部材52を陽極接合させる、という手順となる。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−185737号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このものでは、上記のように、ウエットエッチング工程と、ドライエッチング工程と、金属薄膜72の形成工程とが新たに必要となると共に、それらの工程が追加されることにより工程全体が複雑になりやすいという問題があった。
【0008】
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、効率的に製造することのできる半導体加速度センサを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る半導体加速度センサは、中間絶縁層を挟んで第1のシリコン層と第2のシリコン層が積層されてなるフレーム部と、一端が上記フレーム部に接続された可撓部と、この可撓部の他端に接続され、当該可撓部を介して上記フレーム部に揺動自在に支持された錘部と、上記可撓部に形成され、上記錘部に加わる加速度に応じた電気信号を出力するセンサ部と、上記第1及び第2のシリコン層の表面にそれぞれ接合され、上記フレーム部の積層方向に沿った、上記錘部の所定の大きさ以上の揺動を制限する第1及び第2のストッパとを備えた半導体加速度センサであって、上記中間絶縁層は、所定の厚み以下に形成されると共に、その所定の厚み以下の中間絶縁層に正電位、上記第1及び第2のストッパに負電位が印加されて当該中間絶縁層が絶縁破壊され、上記第1のシリコン層及び上記第1のストッパ、並びに上記第2のシリコン層及び上記第2のストッパがそれぞれ導通して陽極接合されてなることを特徴とする。
【0010】
請求項2に係る発明では、請求項1の発明において、上記第1のシリコン層及び上記第1のストッパ間と、上記第2のシリコン層及び上記第2のストッパ間との、少なくともいずれか一方には、導電膜が介在してなることを特徴とする。
【0011】
請求項3に係る半導体加速度センサの製造方法は、中間絶縁層を挟んで第1及び第2のシリコン層が積層された半導体基板から形成された半導体加速度センサチップ、並びに、この半導体加速度センサチップの厚み方向の両端面に陽極接合された、ガラス材料よりなる第1及び第2のストッパ部材を具備してなる半導体加速度センサであって、上記半導体加速度センサチップは、加速度を受けて変位する錘部と、一端がこの錘部に接続された可撓部と、この可撓部の他端に接続され当該可撓部を介して上記錘部を揺動自在に支持するフレーム部と、上記可撓部に形成され、上記錘部の受ける加速度に応じた電気信号を出力するセンサ部とを備え、上記第1及び第2のストッパ部材は、上記半導体加速度センサチップの上記フレーム部の厚み方向の両端面に陽極接合され、上記フレーム部の厚み方向に沿った、上記錘部の所定の大きさ以上の変位を制限するよう形成された半導体加速度センサを製造する方法において、上記第1及び第2のシリコン層に挟まれた上記中間絶縁層が、所定の厚み以下に形成された半導体基板に対して、エッチングを施すことにより、上記錘部と、上記可撓部と、厚み方向に沿って上記第1のシリコン層及び上記所定の厚み以下の中間絶縁層及び第2のシリコン層を有してなるフレーム部とを形成すると共に、上記形成した可撓部に不純物拡散を施して上記センサ部を形成する工程と、上記形成したフレーム部の上記第1及び第2のシリコン層の表面に、上記第1及び第2のストッパ部材を配置すると共に、上記所定の厚み以下の中間絶縁層に正電位、上記第1及び第2のストッパ部材に負電位を印加して、当該中間絶縁層を絶縁破壊させ、上記第1のシリコン層と上記第1のストッパ部材、並びに上記第2のシリコン層と上記第2のストッパ部材をそれぞれ導通させて陽極接合する工程とを有することを特徴とする。
【0012】
請求項4に係る発明では、請求項3の発明において、上記第1のシリコン層は、不純物が添加されて、高い不純物濃度を有することを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の半導体加速度センサの一実施の形態の概略を示す側断面図であり、1は錘部、2はフレーム部、21は活性層、22は中間絶縁層、23は支持層、3は梁部、4はピエゾ抵抗、8は電極配線、9は電極パッド、51,52はストッパ部材をそれぞれ示している。
【0014】
この半導体加速度センサは、半導体基板から形成された加速度センサチップと、ガラス材料よりなるストッパ部材51,52とが陽極接合されて形成されており、加速度センサチップは、錘部1とフレーム部2と梁部3とピエゾ抵抗4と電極配線8と電極パッド9とを備えて構成されており、錘部1及びフレーム部2は共に、その厚み方向に、第2のシリコン層としての活性層21、中間絶縁層22、第1のシリコン層としての支持層23を有しており、また梁部3は支持層23及び中間絶縁層22がエッチングされて活性層21だけからなっている。このような加速度センサチップを形成する半導体基板には、例えば、活性層21の厚みが数μm〜10μm程度、中間絶縁層22の厚みが0.1μm以下、支持層23の厚みが300〜600μm程度に積層されたものを用いればよい。
【0015】
梁部3は、薄肉であって、その厚み方向に撓みが可能であると共に、その長手方向を軸にして捻転も可能である。この梁部3は、その長手方向の一端部が錘部1に連結されると共に、他端部はフレーム部2に連結されており、フレーム部2に錘部1を揺動自在に支持させている。
【0016】
ピエゾ抵抗4は、半導体不純物拡散技術により梁部3に形成されており、梁部3の撓み量に応じてその抵抗値が変化し、撓み量が大きくなるほど抵抗値も大きくなる。この変化する抵抗値に対応した電圧が、電極配線8と電極パッド9とを介して外部に出力される。
【0017】
錘部1は、梁部3よりも厚肉に形成されており、厚み方向の断面が略四角状を有する。この錘部1は、半導体加速度センサに印加された加速度に応じて変位する。
【0018】
フレーム部2は、軸方向の両端面が開口した断面略ロ字の筒形状を有してなり、その中空部分に配置された錘部1を、その錘部1の外周縁を離間して外囲すると共に、梁部3を介して揺動自在に支持している。このフレーム部2は、自動車や航空機等の移動体に固定して用いられる。このフレーム部2を構成する中間絶縁層22は、例えば1000Åの膜厚のときには、100V以上の電位差の電圧が加われば絶縁破壊される。この絶縁破壊により、フレーム部2の支持層23及び活性層21が導通可能となる。
【0019】
ストッパ部材51,52は、ガラス材料が平板状に形成されたものよりなり、フレーム部2の厚み方向の両端面である支持層23及び活性層21の表面にそれぞれ陽極接合されている。錘部1がフレーム部2の厚み方向に、所定の大きさ以上変位したときには、その錘部1は、フレーム部2の厚み方向の両端面に接合されたストッパ部材51,52に当接して、それ以上変位できないようになるので、梁部3が過剰に撓んで破壊されるのを防止することが可能となる。
【0020】
上記の半導体加速度センサを製造する工程を以下に説明する。まず、支持層23と活性層21を融液成長法などにより成長させる。そして、支持層23に熱酸化処理を施すことで、その表面に絶縁膜を形成するが、この絶縁膜の厚みは1000Å以下にする。そして、その1000Å以下の膜厚の絶縁膜が支持層23と活性層21の間に挟まれるように、熱処理を行なって張り合わせる。このようにして、1000Å以下の膜厚の中間絶縁層22を挟んで支持層23及び活性層21が積層された半導体基板を用意する。
【0021】
続いて、この半導体基板に対し、その支持層23側から、フレーム部2及び錘部1を形成しようとする部分を除いた部分を、中間絶縁層22に達するまでドライエッチングする。
【0022】
続いて、この半導体基板の活性層21側から、フレーム部2及び錘部1及び梁部3を形成しようとする部分を除いた部分を、中間絶縁層22に達するまでウェットエッチングする。
【0023】
続いて、フレーム部2及び錘部1以外の部分にある中間絶縁層22を、支持層23側からフッ酸を含んだ液によりエッチング除去する。これにより、フレーム部2及び錘部1及び梁部3間、並びに梁部3下の中間絶縁層22が除去され、フレーム部2及び錘部1は、梁部3を介して連結された状態となる。
【0024】
なお、梁部3の表面には、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜よりなる絶縁膜が形成されており、加速度センサチップの表面を保護している。
【0025】
続いて、梁部3の所定の位置に、半導体不純物拡散技術によりピエゾ抵抗4を形成する。このようにして、半導体基板から、フレーム部2と錘部1と梁部3とピエゾ抵抗4とを備える加速度センサチップを形成する。
【0026】
続いて、この加速度センサチップのフレーム部2を構成している支持層23及び活性層21の表面に、ストッパ部材51,52を配置すると共に、−50V以下の負電位を印加する印加電極(図示せず)をストッパ部材51,52に、+50V以上の正電位を印加する印加電極(図示せず)を中間絶縁層22にそれぞれ接触させる。これにより、中間絶縁層22には、およそ100Vの電位差の電圧が加わることになり絶縁破壊する。そして、この絶縁破壊した中間絶縁層22を通して、支持層23及び活性層21に電流が流れるので、活性層21及びストッパ部材51と、支持層23及びストッパ部材52とがそれぞれ導通し、陽極接合される。このようにして、半導体加速度センサが製造される。
【0027】
なお、上記の製造工程において、ストッパ部材51,52に印加する電位を−50V、中間絶縁層22に印加する電位を+50Vとしたが、要は中間絶縁層22に100V以上の電位差の電圧が加われば絶縁破壊されるので、これに限定されることなく、ストッパ部材51,52及び中間絶縁層22にそれぞれ印加する電位は適宜設定すればよい。
【0028】
また、中間絶縁層22を挟んで支持層23及び活性層21が積層された半導体基板を形成するときに、支持層23と活性層21を貼り合わせることにより形成したが、これに限定されることなく、例えば、成長させた支持層23に熱酸化処理を施して中間絶縁層22を形成すると共に、その中間絶縁層22の表面に活性層21を成長させて形成するようにしてもよい。
【0029】
また、支持層23側から中間絶縁層22をエッチング除去するときに、フッ酸を含んだ液によりエッチング除去したが、これはドライエッチングで行なうようにしてもよい。
【0030】
また、本実施の形態における別の形態として、支持層23に不純物を添加することで、その支持層23を高不純物濃度層とし、その抵抗値を低くするようにしてもよい。これは例えば、支持層23の不純物濃度が10e15cm−3で、その抵抗値が数Ω/cmであるときには、不純物を添加して、その支持層23の不純物濃度を10e20cm−3程度にし、抵抗値を10e−3Ω/cm程度に低下させるようにすればよい。このように支持層23を低抵抗化することで、絶縁破壊された中間絶縁層22から支持層23に流れる電流が、支持層23の全体でさらに均一化されるので、支持層23及びストッパ部材52がより均一に陽極接合され、支持層23及びストッパ部材52の接合面に発生する応力を低減することが可能となる。この高不純物濃度の支持層23を形成する際には、例えば、支持層23を成長させる際に用いる融液中に、予め不純物を添加し、成長後に上記のような不純物濃度になるように調整した後で、その不純物を含んだ融液から支持層23を成長させるようにすればよい。
【0031】
また、さらに別の形態として、図2の概略側断面図に示すように、支持層23の表面のうち、ストッパ部材52に接合される部分の表面に金属薄膜71を形成するようにしてもよい。このようにすることで、支持層23の金属薄膜71が形成された部分は、その抵抗値が低くなると共に電流分布が均一化されるので、支持層23及びストッパ部材52が陽極接合されるときに、より均一に接合されることとなり、支持層23及びストッパ部材52の接合面に発生する応力をさらに低減することが可能となる。
【0032】
また、さらに異なる実施の形態として、図3の概略側面図に示すように、フレーム部2の活性層21の一部をエッチングして中間絶縁層22を露出させ、この露出した部分及び活性層21の表面に金属薄膜72を形成すると共に、この金属薄膜72に電圧を印加して中間絶縁層22を絶縁破壊させて、支持層23及びストッパ部材52、並びに活性層21及びストッパ部材51をそれぞれ導通させて、陽極接合するようにしてもよい。このとき金属薄膜72を介して中間絶縁層22に印加する電圧は、中間絶縁層22の膜厚が1000Å以下のときに、中間絶縁層22にかかる電位差が、100V以上となるようにすればよい。このように、中間絶縁層22及び活性層21の表面に金属薄膜72を形成して電気的に接続すると共に、その金属薄膜72に電圧を印加するようにすれば、中間絶縁層22への電圧が印加が容易となり、中間絶縁層22の絶縁破壊を容易に行なうことが可能となると共に、活性層21及びストッパ部材51の接合面に流れる電流が均一となり、その接合面に生じる応力を低減することが可能となる。また、活性層21をエッチングする工程は増えるものの、中間絶縁層22をエッチングする工程は省略できるので手間は大きくは増加しない。なお、金属薄膜72は、中間絶縁層22及び活性層21の両方の表面に形成する必要は必ずしもなく、活性層21の表面にだけ形成するようにしてもよく、中間絶縁層22の表面にだけ形成するようにしてもよい。
【0033】
以上、本発明の好適な実施の形態を説明したが、本発明はこの実施の形態に限らず、種々の形態で実施することができる。
【0034】
【発明の効果】
上記のように本発明の請求項1に記載の半導体加速度センサによれば、中間絶縁層が絶縁破壊されて、第1のシリコン層及び第1のストッパ、並びに第2のシリコン層及び第2のストッパがそれぞれ導通して陽極接合されるので、より効率的に製造することが可能になる、という効果を奏する。
【0035】
本発明の請求項2に記載の半導体加速度センサによれば、請求項1に記載の発明による効果に加えて、第1のシリコン層及び第1のストッパ、第2のシリコン層及び第2のストッパに流れる電流が、それらの接合面で均一となるので、より効率的に製造することが可能になる、という効果を奏する。
【0036】
本発明の請求項3に記載の半導体加速度センサの製造方法によれば、中間絶縁層が絶縁破壊されて、第1のシリコン層及び第1のストッパ、並びに第2のシリコン層及び第2のストッパがそれぞれ導通して陽極接合されるので、より効率的に製造することが可能になる、という効果を奏する。
【0037】
本発明の請求項4に記載の半導体加速度センサの製造方法によれば、請求項3に記載の発明による効果に加えて、第1のシリコン層の不純物濃度が高く低抵抗となるので、印加した電流が第1のシリコン層内に流れやすくなり、より効率的に製造することが可能になる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体加速度センサにおける一実施の形態の概略を示す側断面図である。
【図2】上記半導体加速度センサにおいて、さらに別の実施の形態を示す概略側断面図である。
【図3】上記半導体加速度センサにおいて、さらに異なる実施の形態を示す概略側面図である。
【図4】従来の半導体加速度センサの概略を示す側断面図である。
【図5】別の従来の半導体加速度センサの概略を示す側断面図である。
【符号の説明】
1 錘部
2 フレーム部
3 梁部
21 活性層
22 中間絶縁層
23 支持層
51 上部ストッパ
52 下部ストッパ
71,72 金属薄膜
4 ピエゾ抵抗
9 電極パッド
【発明の属する技術分野】
本発明は、加速度を検出する半導体加速度センサに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、自動車、航空機、家電製品等に搭載され、それらに加わる加速度を検出するものに、半導体基板から形成された半導体加速度センサがある。この半導体加速度センサには、形状や検出方法の違いにより種々のものが存在するが、例えば、形状に関しては、加わった加速度に応じて揺動する錘部を支持するフレーム部が、1つの梁部だけを介して支持する片持ち梁構造と、複数の梁部を介して支持する両持ち梁構造とがある。また、検出方法に関しても、錘部の変位量に応じて撓む梁部の、機械的な歪みを電気抵抗の変化として検出するものや、錘部の揺動量に応じ変化する静電容量の変化量を検出するものなどがある。図4に示すものは、片持ち梁構造で、その梁部3の機械的な歪みを電気抵抗の変化として検出する半導体加速度センサの側断面図である。
【0003】
この半導体加速度センサは、活性層21、中間絶縁層22、支持層23がこの順に積層された半導体基板を用い、その半導体基板がエッチングされることにより形成されたものであって、加わる加速度に応じて変位する錘部1と、この錘部1に接続され、錘部1の変位量に応じて撓む梁部3と、この梁部3を介して錘部1を揺動自在に支持するフレーム部2と、梁部3に形成され、梁部3の撓み量を検出するピエゾ抵抗4と、このピエゾ抵抗4の検出結果を取り出す電極パッド9と、ピエゾ抵抗4及び電極パッド9を電気的に接続する電極配線8とを備えたセンサチップ、並びに、フレーム部2の厚み方向の両端面に陽極接合され、錘部1の所定の大きさ以上の変位を制限するガラス材料よりなるストッパ部材51,52を備えて構成されている。そしてこの半導体加速度センサに加速度が加わったときには、錘部1がその加速度の大きさに応じて変位し、梁部3はその錘部1を支持するため、錘部1の変位に応じた量だけ撓む。そして、ピエゾ抵抗4の抵抗値が梁部3の撓み量に応じて変化するので、その抵抗値の変化を電気信号として電極パッド9から取り出すことで、加速度を求めている。
【0004】
しかしながらこのような半導体加速度センサは、フレーム部2が、活性層21、中間絶縁層22、支持層23がこの順に積層されたもので形成されているため、活性層21と支持層23とが、中間絶縁層22により電気的に切断された状態となっている。そのため、活性層21と支持層23にそれぞれストッパ部材51,52を陽極接合する際には、活性層21及びストッパ部材51を陽極接合する工程と、支持層23及びストッパ部材52を陽極接合する工程とが別々に必要となり、例えば、まず支持層23及びストッパ部材52を陽極接合し、その後で活性層21及びストッパ部材51を陽極接合する、といったように、2回の工程に分けて接合を行なう必要がある。
【0005】
このように2回必要となる陽極接合の工程を簡略化するため、図5に示すように、活性層21と支持層23とを半導体基板の周辺部分Aで電気的に導通させることで、2つのストッパ部材51,52とフレーム部2とを1回の接合工程で行なえるようにしたものもある(例えば、特許文献1参照)。このものは、半導体基板に複数形成された半導体加速度センサチップを切り分ける前に、その複数の半導体加速度センサチップにまとめて、ストッパ部材51,52を1回の工程で陽極接合しようとするものであり、まとめて陽極接合したあと、ダイシング等により各半導体加速度センサチップごとに切り分けて、半導体加速度センサとなる。このようにして陽極接合するためには、まず、複数の半導体加速度センサチップが形成された半導体基板の周辺部分Aの活性層21を、ウエットエッチングして除去し、中間絶縁層22を露出させる。続いてその周辺部分Aにドライエッチングを施して、露出させた中間絶縁層22を除去し、支持層23を露出させる。そして、その露出させた支持層23の表面と、エッチングしていない部分の活性層21の表面とに亘って金属薄膜72を形成し、活性層21及び支持層23を導通させる。そして、活性層21及び支持層23が導通した半導体基板の両端面に、ストッパ部材を配置すると共に、金属薄膜72及びストッパ部材51,52にそれぞれ印加電極V1,V2から正負の電圧を印加させ、活性層21及びストッパ部材51並びに支持層23及びストッパ部材52を陽極接合させる、という手順となる。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−185737号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このものでは、上記のように、ウエットエッチング工程と、ドライエッチング工程と、金属薄膜72の形成工程とが新たに必要となると共に、それらの工程が追加されることにより工程全体が複雑になりやすいという問題があった。
【0008】
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、効率的に製造することのできる半導体加速度センサを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る半導体加速度センサは、中間絶縁層を挟んで第1のシリコン層と第2のシリコン層が積層されてなるフレーム部と、一端が上記フレーム部に接続された可撓部と、この可撓部の他端に接続され、当該可撓部を介して上記フレーム部に揺動自在に支持された錘部と、上記可撓部に形成され、上記錘部に加わる加速度に応じた電気信号を出力するセンサ部と、上記第1及び第2のシリコン層の表面にそれぞれ接合され、上記フレーム部の積層方向に沿った、上記錘部の所定の大きさ以上の揺動を制限する第1及び第2のストッパとを備えた半導体加速度センサであって、上記中間絶縁層は、所定の厚み以下に形成されると共に、その所定の厚み以下の中間絶縁層に正電位、上記第1及び第2のストッパに負電位が印加されて当該中間絶縁層が絶縁破壊され、上記第1のシリコン層及び上記第1のストッパ、並びに上記第2のシリコン層及び上記第2のストッパがそれぞれ導通して陽極接合されてなることを特徴とする。
【0010】
請求項2に係る発明では、請求項1の発明において、上記第1のシリコン層及び上記第1のストッパ間と、上記第2のシリコン層及び上記第2のストッパ間との、少なくともいずれか一方には、導電膜が介在してなることを特徴とする。
【0011】
請求項3に係る半導体加速度センサの製造方法は、中間絶縁層を挟んで第1及び第2のシリコン層が積層された半導体基板から形成された半導体加速度センサチップ、並びに、この半導体加速度センサチップの厚み方向の両端面に陽極接合された、ガラス材料よりなる第1及び第2のストッパ部材を具備してなる半導体加速度センサであって、上記半導体加速度センサチップは、加速度を受けて変位する錘部と、一端がこの錘部に接続された可撓部と、この可撓部の他端に接続され当該可撓部を介して上記錘部を揺動自在に支持するフレーム部と、上記可撓部に形成され、上記錘部の受ける加速度に応じた電気信号を出力するセンサ部とを備え、上記第1及び第2のストッパ部材は、上記半導体加速度センサチップの上記フレーム部の厚み方向の両端面に陽極接合され、上記フレーム部の厚み方向に沿った、上記錘部の所定の大きさ以上の変位を制限するよう形成された半導体加速度センサを製造する方法において、上記第1及び第2のシリコン層に挟まれた上記中間絶縁層が、所定の厚み以下に形成された半導体基板に対して、エッチングを施すことにより、上記錘部と、上記可撓部と、厚み方向に沿って上記第1のシリコン層及び上記所定の厚み以下の中間絶縁層及び第2のシリコン層を有してなるフレーム部とを形成すると共に、上記形成した可撓部に不純物拡散を施して上記センサ部を形成する工程と、上記形成したフレーム部の上記第1及び第2のシリコン層の表面に、上記第1及び第2のストッパ部材を配置すると共に、上記所定の厚み以下の中間絶縁層に正電位、上記第1及び第2のストッパ部材に負電位を印加して、当該中間絶縁層を絶縁破壊させ、上記第1のシリコン層と上記第1のストッパ部材、並びに上記第2のシリコン層と上記第2のストッパ部材をそれぞれ導通させて陽極接合する工程とを有することを特徴とする。
【0012】
請求項4に係る発明では、請求項3の発明において、上記第1のシリコン層は、不純物が添加されて、高い不純物濃度を有することを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の半導体加速度センサの一実施の形態の概略を示す側断面図であり、1は錘部、2はフレーム部、21は活性層、22は中間絶縁層、23は支持層、3は梁部、4はピエゾ抵抗、8は電極配線、9は電極パッド、51,52はストッパ部材をそれぞれ示している。
【0014】
この半導体加速度センサは、半導体基板から形成された加速度センサチップと、ガラス材料よりなるストッパ部材51,52とが陽極接合されて形成されており、加速度センサチップは、錘部1とフレーム部2と梁部3とピエゾ抵抗4と電極配線8と電極パッド9とを備えて構成されており、錘部1及びフレーム部2は共に、その厚み方向に、第2のシリコン層としての活性層21、中間絶縁層22、第1のシリコン層としての支持層23を有しており、また梁部3は支持層23及び中間絶縁層22がエッチングされて活性層21だけからなっている。このような加速度センサチップを形成する半導体基板には、例えば、活性層21の厚みが数μm〜10μm程度、中間絶縁層22の厚みが0.1μm以下、支持層23の厚みが300〜600μm程度に積層されたものを用いればよい。
【0015】
梁部3は、薄肉であって、その厚み方向に撓みが可能であると共に、その長手方向を軸にして捻転も可能である。この梁部3は、その長手方向の一端部が錘部1に連結されると共に、他端部はフレーム部2に連結されており、フレーム部2に錘部1を揺動自在に支持させている。
【0016】
ピエゾ抵抗4は、半導体不純物拡散技術により梁部3に形成されており、梁部3の撓み量に応じてその抵抗値が変化し、撓み量が大きくなるほど抵抗値も大きくなる。この変化する抵抗値に対応した電圧が、電極配線8と電極パッド9とを介して外部に出力される。
【0017】
錘部1は、梁部3よりも厚肉に形成されており、厚み方向の断面が略四角状を有する。この錘部1は、半導体加速度センサに印加された加速度に応じて変位する。
【0018】
フレーム部2は、軸方向の両端面が開口した断面略ロ字の筒形状を有してなり、その中空部分に配置された錘部1を、その錘部1の外周縁を離間して外囲すると共に、梁部3を介して揺動自在に支持している。このフレーム部2は、自動車や航空機等の移動体に固定して用いられる。このフレーム部2を構成する中間絶縁層22は、例えば1000Åの膜厚のときには、100V以上の電位差の電圧が加われば絶縁破壊される。この絶縁破壊により、フレーム部2の支持層23及び活性層21が導通可能となる。
【0019】
ストッパ部材51,52は、ガラス材料が平板状に形成されたものよりなり、フレーム部2の厚み方向の両端面である支持層23及び活性層21の表面にそれぞれ陽極接合されている。錘部1がフレーム部2の厚み方向に、所定の大きさ以上変位したときには、その錘部1は、フレーム部2の厚み方向の両端面に接合されたストッパ部材51,52に当接して、それ以上変位できないようになるので、梁部3が過剰に撓んで破壊されるのを防止することが可能となる。
【0020】
上記の半導体加速度センサを製造する工程を以下に説明する。まず、支持層23と活性層21を融液成長法などにより成長させる。そして、支持層23に熱酸化処理を施すことで、その表面に絶縁膜を形成するが、この絶縁膜の厚みは1000Å以下にする。そして、その1000Å以下の膜厚の絶縁膜が支持層23と活性層21の間に挟まれるように、熱処理を行なって張り合わせる。このようにして、1000Å以下の膜厚の中間絶縁層22を挟んで支持層23及び活性層21が積層された半導体基板を用意する。
【0021】
続いて、この半導体基板に対し、その支持層23側から、フレーム部2及び錘部1を形成しようとする部分を除いた部分を、中間絶縁層22に達するまでドライエッチングする。
【0022】
続いて、この半導体基板の活性層21側から、フレーム部2及び錘部1及び梁部3を形成しようとする部分を除いた部分を、中間絶縁層22に達するまでウェットエッチングする。
【0023】
続いて、フレーム部2及び錘部1以外の部分にある中間絶縁層22を、支持層23側からフッ酸を含んだ液によりエッチング除去する。これにより、フレーム部2及び錘部1及び梁部3間、並びに梁部3下の中間絶縁層22が除去され、フレーム部2及び錘部1は、梁部3を介して連結された状態となる。
【0024】
なお、梁部3の表面には、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜よりなる絶縁膜が形成されており、加速度センサチップの表面を保護している。
【0025】
続いて、梁部3の所定の位置に、半導体不純物拡散技術によりピエゾ抵抗4を形成する。このようにして、半導体基板から、フレーム部2と錘部1と梁部3とピエゾ抵抗4とを備える加速度センサチップを形成する。
【0026】
続いて、この加速度センサチップのフレーム部2を構成している支持層23及び活性層21の表面に、ストッパ部材51,52を配置すると共に、−50V以下の負電位を印加する印加電極(図示せず)をストッパ部材51,52に、+50V以上の正電位を印加する印加電極(図示せず)を中間絶縁層22にそれぞれ接触させる。これにより、中間絶縁層22には、およそ100Vの電位差の電圧が加わることになり絶縁破壊する。そして、この絶縁破壊した中間絶縁層22を通して、支持層23及び活性層21に電流が流れるので、活性層21及びストッパ部材51と、支持層23及びストッパ部材52とがそれぞれ導通し、陽極接合される。このようにして、半導体加速度センサが製造される。
【0027】
なお、上記の製造工程において、ストッパ部材51,52に印加する電位を−50V、中間絶縁層22に印加する電位を+50Vとしたが、要は中間絶縁層22に100V以上の電位差の電圧が加われば絶縁破壊されるので、これに限定されることなく、ストッパ部材51,52及び中間絶縁層22にそれぞれ印加する電位は適宜設定すればよい。
【0028】
また、中間絶縁層22を挟んで支持層23及び活性層21が積層された半導体基板を形成するときに、支持層23と活性層21を貼り合わせることにより形成したが、これに限定されることなく、例えば、成長させた支持層23に熱酸化処理を施して中間絶縁層22を形成すると共に、その中間絶縁層22の表面に活性層21を成長させて形成するようにしてもよい。
【0029】
また、支持層23側から中間絶縁層22をエッチング除去するときに、フッ酸を含んだ液によりエッチング除去したが、これはドライエッチングで行なうようにしてもよい。
【0030】
また、本実施の形態における別の形態として、支持層23に不純物を添加することで、その支持層23を高不純物濃度層とし、その抵抗値を低くするようにしてもよい。これは例えば、支持層23の不純物濃度が10e15cm−3で、その抵抗値が数Ω/cmであるときには、不純物を添加して、その支持層23の不純物濃度を10e20cm−3程度にし、抵抗値を10e−3Ω/cm程度に低下させるようにすればよい。このように支持層23を低抵抗化することで、絶縁破壊された中間絶縁層22から支持層23に流れる電流が、支持層23の全体でさらに均一化されるので、支持層23及びストッパ部材52がより均一に陽極接合され、支持層23及びストッパ部材52の接合面に発生する応力を低減することが可能となる。この高不純物濃度の支持層23を形成する際には、例えば、支持層23を成長させる際に用いる融液中に、予め不純物を添加し、成長後に上記のような不純物濃度になるように調整した後で、その不純物を含んだ融液から支持層23を成長させるようにすればよい。
【0031】
また、さらに別の形態として、図2の概略側断面図に示すように、支持層23の表面のうち、ストッパ部材52に接合される部分の表面に金属薄膜71を形成するようにしてもよい。このようにすることで、支持層23の金属薄膜71が形成された部分は、その抵抗値が低くなると共に電流分布が均一化されるので、支持層23及びストッパ部材52が陽極接合されるときに、より均一に接合されることとなり、支持層23及びストッパ部材52の接合面に発生する応力をさらに低減することが可能となる。
【0032】
また、さらに異なる実施の形態として、図3の概略側面図に示すように、フレーム部2の活性層21の一部をエッチングして中間絶縁層22を露出させ、この露出した部分及び活性層21の表面に金属薄膜72を形成すると共に、この金属薄膜72に電圧を印加して中間絶縁層22を絶縁破壊させて、支持層23及びストッパ部材52、並びに活性層21及びストッパ部材51をそれぞれ導通させて、陽極接合するようにしてもよい。このとき金属薄膜72を介して中間絶縁層22に印加する電圧は、中間絶縁層22の膜厚が1000Å以下のときに、中間絶縁層22にかかる電位差が、100V以上となるようにすればよい。このように、中間絶縁層22及び活性層21の表面に金属薄膜72を形成して電気的に接続すると共に、その金属薄膜72に電圧を印加するようにすれば、中間絶縁層22への電圧が印加が容易となり、中間絶縁層22の絶縁破壊を容易に行なうことが可能となると共に、活性層21及びストッパ部材51の接合面に流れる電流が均一となり、その接合面に生じる応力を低減することが可能となる。また、活性層21をエッチングする工程は増えるものの、中間絶縁層22をエッチングする工程は省略できるので手間は大きくは増加しない。なお、金属薄膜72は、中間絶縁層22及び活性層21の両方の表面に形成する必要は必ずしもなく、活性層21の表面にだけ形成するようにしてもよく、中間絶縁層22の表面にだけ形成するようにしてもよい。
【0033】
以上、本発明の好適な実施の形態を説明したが、本発明はこの実施の形態に限らず、種々の形態で実施することができる。
【0034】
【発明の効果】
上記のように本発明の請求項1に記載の半導体加速度センサによれば、中間絶縁層が絶縁破壊されて、第1のシリコン層及び第1のストッパ、並びに第2のシリコン層及び第2のストッパがそれぞれ導通して陽極接合されるので、より効率的に製造することが可能になる、という効果を奏する。
【0035】
本発明の請求項2に記載の半導体加速度センサによれば、請求項1に記載の発明による効果に加えて、第1のシリコン層及び第1のストッパ、第2のシリコン層及び第2のストッパに流れる電流が、それらの接合面で均一となるので、より効率的に製造することが可能になる、という効果を奏する。
【0036】
本発明の請求項3に記載の半導体加速度センサの製造方法によれば、中間絶縁層が絶縁破壊されて、第1のシリコン層及び第1のストッパ、並びに第2のシリコン層及び第2のストッパがそれぞれ導通して陽極接合されるので、より効率的に製造することが可能になる、という効果を奏する。
【0037】
本発明の請求項4に記載の半導体加速度センサの製造方法によれば、請求項3に記載の発明による効果に加えて、第1のシリコン層の不純物濃度が高く低抵抗となるので、印加した電流が第1のシリコン層内に流れやすくなり、より効率的に製造することが可能になる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体加速度センサにおける一実施の形態の概略を示す側断面図である。
【図2】上記半導体加速度センサにおいて、さらに別の実施の形態を示す概略側断面図である。
【図3】上記半導体加速度センサにおいて、さらに異なる実施の形態を示す概略側面図である。
【図4】従来の半導体加速度センサの概略を示す側断面図である。
【図5】別の従来の半導体加速度センサの概略を示す側断面図である。
【符号の説明】
1 錘部
2 フレーム部
3 梁部
21 活性層
22 中間絶縁層
23 支持層
51 上部ストッパ
52 下部ストッパ
71,72 金属薄膜
4 ピエゾ抵抗
9 電極パッド
Claims (4)
- 中間絶縁層を挟んで第1のシリコン層と第2のシリコン層が積層されてなるフレーム部と、
一端が上記フレーム部に接続された可撓部と、
この可撓部の他端に接続され、当該可撓部を介して上記フレーム部に揺動自在に支持された錘部と、
上記可撓部に形成され、上記錘部に加わる加速度に応じた電気信号を出力するセンサ部と、
上記第1及び第2のシリコン層の表面にそれぞれ接合され、上記フレーム部の積層方向に沿った、上記錘部の所定の大きさ以上の揺動を制限する第1及び第2のストッパとを備えた半導体加速度センサであって、
上記中間絶縁層は、所定の厚み以下に形成されると共に、
その所定の厚み以下の中間絶縁層に正電位、上記第1及び第2のストッパに負電位が印加されて当該中間絶縁層が絶縁破壊され、上記第1のシリコン層及び上記第1のストッパ、並びに上記第2のシリコン層及び上記第2のストッパがそれぞれ導通して陽極接合されてなることを特徴とする半導体加速度センサ。 - 上記第1のシリコン層及び上記第1のストッパ間と、上記第2のシリコン層及び上記第2のストッパ間との、少なくともいずれか一方には、導電膜が介在してなることを特徴とする請求項1に記載の半導体加速度センサ。
- 中間絶縁層を挟んで第1及び第2のシリコン層が積層された半導体基板から形成された半導体加速度センサチップ、並びに、この半導体加速度センサチップの厚み方向の両端面に陽極接合された、ガラス材料よりなる第1及び第2のストッパ部材を具備してなる半導体加速度センサであって、
上記半導体加速度センサチップは、加速度を受けて変位する錘部と、一端がこの錘部に接続された可撓部と、この可撓部の他端に接続され当該可撓部を介して上記錘部を揺動自在に支持するフレーム部と、上記可撓部に形成され、上記錘部の受ける加速度に応じた電気信号を出力するセンサ部とを備え、
上記第1及び第2のストッパ部材は、上記半導体加速度センサチップの上記フレーム部の厚み方向の両端面に陽極接合され、上記フレーム部の厚み方向に沿った、上記錘部の所定の大きさ以上の変位を制限するよう形成された半導体加速度センサを製造する方法において、
上記第1及び第2のシリコン層に挟まれた上記中間絶縁層が、所定の厚み以下に形成された半導体基板に対して、エッチングを施すことにより、上記錘部と、上記可撓部と、厚み方向に沿って上記第1のシリコン層及び上記所定の厚み以下の中間絶縁層及び第2のシリコン層を有してなるフレーム部とを形成すると共に、上記形成した可撓部に不純物拡散を施して上記センサ部を形成する工程と、
上記形成したフレーム部の上記第1及び第2のシリコン層の表面に、上記第1及び第2のストッパ部材を配置すると共に、上記所定の厚み以下の中間絶縁層に正電位、上記第1及び第2のストッパ部材に負電位を印加して、当該中間絶縁層を絶縁破壊させ、上記第1のシリコン層と上記第1のストッパ部材、並びに上記第2のシリコン層と上記第2のストッパ部材をそれぞれ導通させて陽極接合する工程とを有することを特徴とする半導体加速度センサの製造方法。 - 上記第1のシリコン層は、不純物が添加されて、高い不純物濃度を有することを特徴とする請求項3に記載の半導体加速度センサの製造方法。
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Cited By (1)
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US8816451B2 (en) | 2010-03-03 | 2014-08-26 | Kabushiki Kaisha Toyota Chuo Kenkyusho | MEMS structure and manufacturing method thereof |
-
2003
- 2003-05-27 JP JP2003148978A patent/JP2004354073A/ja active Pending
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