JP2004354350A - 半導体加速度センサの製造方法、及びその製造方法により製造された半導体加速度センサ - Google Patents
半導体加速度センサの製造方法、及びその製造方法により製造された半導体加速度センサ Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】中間絶縁層22を挟んで活性層21及び支持層23が積層された半導体基板B内に加速度センサチップCを複数形成する工程と、その各加速度センサチップC,C‥に、上部ストッパ51及び下部ストッパ52を陽極接合する工程と、スクライブレーン75に沿って当該半導体基板Bを切断して、個々の半導体加速度センサに切り分ける工程とを有する半導体加速度センサの製造方法において、スクライブレーン75のうち、各加速度センサチップC,C‥間に位置するスクライブレーン75内に、活性層21及び中間絶縁層22を貫通して支持層23を露出させる凹部73を形成する工程と、凹部73内に金属膜71を形成して活性層21及び支持層23を導通させる工程とを上記陽極接合の工程の前に有する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体加速度センサの製造方法及びその製造方法により製造された半導体加速度センサに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、自動車、航空機、家電製品等に搭載され、それらに加わる加速度を検出するものに、半導体基板から形成された半導体加速度センサがある。この半導体加速度センサには、その形状や検出方法の違いにより種々のものが存在する。例えば、形状に関しては、印加された加速度に応じて揺動する錘部を支持するフレーム部が、1つの梁部だけを介して支持する片持ち梁構造と、複数の梁部を介して支持する両持ち梁構造とがある。また、検出方法に関しても、錘部の揺動量に応じた梁部の撓み量を電気抵抗の変化として検出するものや、錘部の揺動量に応じ変化する静電容量の変化量を検出するものなどがある。図6に示すものは、片持ち梁構造で、その梁部3の機械的な歪みを電気抵抗の変化として検出する半導体加速度センサの側断面図である。
【0003】
この半導体加速度センサは、半導体基板をエッチングして形成された加速度センサチップC、並びに、この加速度センサチップCに陽極接合された上部ストッパ51及び下部ストッパ52を具備して構成されており、加速度センサチップCは、加速度を受けて変位する錘部1と、この錘部1の外周縁を空間を設けて外囲するフレーム部2と、この錘部1及びフレーム部2間に張架され、錘部1の変位に応じて撓む梁部3と、この梁部3の撓み量に応じた電気信号を出力するピエゾ抵抗4と、このピエゾ抵抗4の出力を取り出す電極パッド9と、ピエゾ抵抗4及び電極パッド9を電気的に接続する電極配線8とを備えている。また、上部ストッパ51及び下部ストッパ52は、ガラス材料よりなり、フレーム部2の厚み方向の両端面211,231にそれぞれ陽極接合されている。この上部ストッパ51及び下部ストッパ52は、錘部1がフレーム部2の厚み方向に沿って過剰に変位したときに、その錘部1と当接して、その錘部1の変位量を所定の範囲内に制限することで、梁部3が破損してしまうのを防止する機能を奏する。
【0004】
しかしながらこのような半導体加速度センサは、フレーム部2が、中間絶縁層22を挟んで活性層21及び支持層23が積層されたもので形成されているため、活性層21と支持層23とが、中間絶縁層22により電気的に切断された状態になっている。そのため、活性層21の端面211と、支持層23の端面231とにそれぞれ上部ストッパ51及び下部ストッパ52を陽極接合する際には、端面211及び上部ストッパ51を陽極接合する工程と、端面231及び下部ストッパ52を陽極接合する工程とが別々に必要となり、例えば、まず端面231及び下部ストッパ52を陽極接合し、その後で端面211及び上部ストッパ51を陽極接合する、といったように、2回の工程に分けて接合を行なう必要がある。
【0005】
このように2回必要となる陽極接合の工程を簡略化するため、図7の側断面図に示すように、半導体基板Bの周縁部分Aにおいて、活性層21及び支持層23を電気的に導通させることで、上部ストッパ51及び下部ストッパ52と、フレーム部2とを1回の接合工程で行なえるようにしたものもある(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
このものは、半導体基板Bに複数形成された加速度センサチップC,C‥を、ダイシング等により個々の加速度センサチップCに切り分ける前に、その複数の加速度センサチップC,C‥にまとめて、上部ストッパ51及び下部ストッパ52を1回の工程で陽極接合しようとするものである。そして、それを実現するために、複数の加速度センサチップC,C‥がエッチング形成された半導体基板Bの周縁部分Aの活性層21及び中間絶縁層22をエッチングすると共に、そのエッチングした部分に金属薄膜72を形成して、活性層21及び支持層23を導通させる。そして、金属薄膜72を形成した半導体基板Bの厚み方向の両端面に、上部ストッパ51及び下部ストッパ52を配置すると共に、正電位を印加する正電極V1を金属薄膜72に、負電位を印加する負電極V2を上部ストッパ51及び下部ストッパ52にそれぞれ接触させると共に正電位及び負電位をそれぞれ印加して、陽極接合する。これにより、半導体基板Bに形成された複数の加速度センサチップC,C‥は、上部ストッパ51及び下部ストッパ52と、各フレーム部2,2‥の両端面で陽極接合される。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−185737号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このものでは、活性層21及び支持層23の導通を、半導体基板Bの周縁部分Aで行なっているため、正電極V1からの電流は、半導体基板Bの周縁部分Aからその中心部方向に向かって流れる。そのため、半導体基板Bと上部ストッパ51及び下部ストッパ52との接合も、半導体基板Bの周縁部から中央部方向に向かって行なわれることとなる。その結果、半導体基板Bの中央部分から切り出される半導体加速度センサは、半導体基板Bの周縁部分A近傍から切り出される半導体加速度センサよりも、その加速度センサチップCと上部ストッパ51及び下部ストッパ52との接合面に大きな応力が生じてしまっているものがある。この接合面に生じた応力は、加速度の検出特性や、信頼性等に影響を及ぼしてしまうことがあり、また、半導体加速度センサを安定した品質で製造することが困難になる、という問題があった。
【0009】
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、信頼性の高い半導体加速度センサを製造するための製造方法、及びその製造方法により製造された半導体加速度センサを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る半導体加速度センサの製造方法は、加速度を受けて変位する錘部と、この錘部に一端が接続された可撓部と、この可撓部の他端に接続されて上記錘部を揺動自在に支持するフレーム部と、上記錘部の変位に応じて上記可撓部に生じる撓み量を検出するセンサ部とを備えた加速度センサチップ、並びに、上記フレーム部の厚み方向の両端面にそれぞれ陽極接合され、上記フレーム部の厚み方向に沿った、上記錘部の所定の大きさ以上の変位を制限する第1及び第2のストッパ部材を具備してなる半導体加速度センサであって、上記加速度センサチップを、中間絶縁層を挟んで第1及び第2のシリコン層が積層された半導体基板内に複数形成する工程と、その形成した各加速度センサチップに、上記第1及び第2のストッパ部材を陽極接合する工程と、その半導体基板のスクライブレーンに沿って当該半導体基板を切断して、個々の上記半導体加速度センサに切り分ける工程と、を有する半導体加速度センサの製造方法において、上記半導体基板のスクライブレーンのうち、加速度センサチップ間に位置するスクライブレーン内の少なくとも1ヶ所に、上記第1のシリコン層及び上記中間絶縁層を貫通して、上記第2のシリコン層を露出させる凹部を形成する工程と、その凹部内に導電膜を形成して上記第1及び第2のシリコン層を導通させる工程とを、上記陽極接合の工程の前に有してなることを特徴とする。
【0011】
請求項2に係る半導体加速度センサの製造方法は、加速度を受けて変位する錘部と、この錘部に一端が接続された可撓部と、この可撓部の他端に接続されて上記錘部を揺動自在に支持するフレーム部と、上記錘部の変位に応じて上記可撓部に生じる撓み量を検出するセンサ部とを備えた加速度センサチップ、並びに、上記フレーム部の厚み方向の両端面にそれぞれ陽極接合され、上記フレーム部の厚み方向に沿った、上記錘部の所定の大きさ以上の変位を制限する第1及び第2のストッパ部材を具備してなる半導体加速度センサであって、上記加速度センサチップを、中間絶縁層を挟んで第1及び第2のシリコン層が積層された半導体基板内にマトリクス状に複数形成する工程と、その形成した各加速度センサチップに、上記第1及び第2のストッパ部材を陽極接合する工程と、その半導体基板のスクライブレーンに沿って当該半導体基板を切断して、個々の上記半導体加速度センサを切り分ける工程と、を有する半導体加速度センサの製造方法において、上記マトリクス状に形成した複数の加速度センサチップのうち、その外周部分に位置する加速度センサチップから少なくとも1つ内側に位置する加速度センサチップに、上記第1のシリコン層及び上記中間絶縁層を貫通して、上記第2のシリコン層を露出させる凹部を形成する工程と、その凹部内に導電膜を形成して上記第1及び第2のシリコン層を導通させる工程とを、上記陽極接合の工程の前に有してなることを特徴とする。
【0012】
請求項3に係る半導体加速度センサの製造方法は、加速度を受けて変位する錘部と、この錘部に一端が接続された可撓部と、この可撓部の他端に接続されて上記錘部を揺動自在に支持するフレーム部と、上記錘部の変位に応じて上記可撓部に生じる撓み量を検出するセンサ部とを備えた加速度センサチップ、並びに、上記フレーム部の厚み方向の両端面にそれぞれ陽極接合され、上記フレーム部の厚み方向に沿った、上記錘部の所定の大きさ以上の変位を制限する第1及び第2のストッパ部材を具備してなる半導体加速度センサであって、上記加速度センサチップを、中間絶縁層を挟んで第1及び第2のシリコン層が積層された半導体基板内に複数形成する工程と、その半導体基板内の各加速度センサチップに、上記第1及び第2のストッパ部材を陽極接合する工程と、その半導体基板のスクライブレーンに沿って当該半導体基板を切断して、個々の上記半導体加速度センサに切り分ける工程と、を備える半導体加速度センサの製造方法において、上記半導体基板の上記第1のシリコン層表面のうち、上記複数の加速度センサチップを形成した、又は形成を予定する領域の中央部分に、上記第1のシリコン層及び上記中間絶縁層を貫通して、上記第2のシリコン層を露出させる凹部を形成する工程と、その凹部内に導電膜を形成して上記第1及び第2のシリコン層を導通させる工程とを、上記陽極接合の工程の前に備えてなることを特徴とする。
【0013】
請求項4に係る半導体加速度センサの製造方法では、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の発明において、上記第1のシリコン層表面に陽極接合する上記第1のストッパ部材は、その厚み方向の全体を貫通する貫通孔を有してなると共に、上記陽極接合の工程の前には、当該貫通孔を通して、上記半導体基板に形成した上記凹部が露出するよう、当該第1のストッパ部材を上記半導体基板に配置する工程をも有してなることを特徴とする。
【0014】
請求項5に係る半導体加速度センサは、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の半導体加速度センサの製造方法により製造されたことを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図1は、本発明の半導体加速度センサの製造方法の工程を示す図であり、図2は、複数の加速度センサチップが形成された半導体基板の上面を示す図である。また、本実施の形態により製造された個々の半導体加速度センサは、図6の側断面図に示すものとなる。図1及び図2において、21は活性層、22は中間絶縁層、23は支持層、72は金属膜、73は凹部、51は上部ストッパ、52は下部ストッパ、75はスクライブレーン、Bは半導体基板、Cは加速度センサチップをそれぞれ示している。
【0016】
半導体加速度センサは、第1のストッパ部材としての上部ストッパ51と、第2のストッパ部材としての下部ストッパ52とが、加速度センサチップCに陽極接合されて形成されており、加速度センサチップCは、フレーム部2と錘部1と梁部3とピエゾ抵抗4と電極配線8と電極パッド9とを備えて構成されている。この加速度センサチップCは、その厚み方向に第1のシリコン層としての活性層21、中間絶縁層22、第2のシリコン層としての支持層23が、この順に積層された半導体基板Bがエッチングされ形成されており、各層の厚みは、例えば活性層21が数μm〜10μm程度、中間絶縁層22が0.1μm以下、支持層23が300〜600μm程度の厚みを有する。このような半導体基板Bがエッチングされ形成された加速度センサチップCの錘部1及びフレーム部2は共に、その厚み方向に活性層21、中間絶縁層22、支持層23を有し、また梁部3は支持層23及び中間絶縁層22がエッチングされて活性層21だけからなっている。
【0017】
凹部73は、図2に示すように、半導体基板Bに形成された複数の加速度センサチップC,C‥の間に位置するスクライブレーン75,75‥内に形成されている。このスクライブレーン75,75‥は、半導体基板Bから個々の加速度センサチップCを切り出すときに、ダイシングブレードが切削する部分である。この凹部73は、スクライブレーン75内における活性層21及び中間絶縁層22の厚み方向の全体を貫通して、その中間絶縁層22の下にある支持層23を、活性層21側に露出させる。
【0018】
金属膜71は、例えばアルミニウムのような金属材料で構成されており、凹部73内と活性層21の表面全体とに形成されている。凹部73内においては、この金属膜71が、その底面及び側壁面の全体を覆うように形成されているので、凹部73の底面、すなわち露出された支持層23と、凹部73の側壁、すなわち活性層21とが、この金属膜71を介して導通される。なお、金属膜71の材料には、アルミニウムを用いることに限定されるものではなく、導電性を有するものであればどのようなものを用いてもよい。
【0019】
梁部3は、薄肉に形成されており、その厚み方向に撓みが可能であると共に、その長手方向を軸にして捻転も可能である。この梁部3は、その長手方向の一端部が錘部1に連結されると共に、他端部はフレーム部2に連結されており、フレーム部2に錘部1を揺動自在に支持させている。
【0020】
錘部1は、梁部3よりも厚肉に形成されており、厚み方向の断面が略四角状を有する。この錘部1は、半導体加速度センサに印加された加速度に応じて変位する。
【0021】
フレーム部2は、厚み方向の両端面が開口した断面略ロ字の筒形状を有してなり、その中空部分に配置された錘部1を、その錘部1の外周縁を離間して外囲すると共に、梁部3を介して揺動自在に支持している。このフレーム部2は、自動車や航空機等の移動体に固定して用いられる。また、このフレーム部2は、その厚み方向に沿って活性層21、中間絶縁層22、支持層23を有してなり、この活性層21及び支持層23の表面に、上部ストッパ51及び下部ストッパ52がそれぞれ陽極接合される。
【0022】
ピエゾ抵抗4は、梁部3に半導体不純物拡散技術が施されることにより形成されており、梁部3の撓み量に応じてその抵抗値が変化し、その撓み量が大きくなるほど抵抗値も大きくなる。この変化する抵抗値に対応した電圧が、電極配線8と電極パッド9とを介して外部に出力され、この出力された電圧から、半導体加速度センサの受けた加速度を求める。
【0023】
上部ストッパ51及び下部ストッパ52は、平板状のガラス基板よりなり、フレーム部2の厚み方向の両端面である支持層23及び活性層21の表面にそれぞれ接合されている。この上部ストッパ51及び下部ストッパ52が、フレーム部2の両端面に接合されていることで、錘部1がフレーム部2の厚み方向に過剰に変位したときには、その錘部1が、上部ストッパ51と下部ストッパ52に当接して、それ以上変位できないようにさせるので、梁部3が破壊されるのを防止することが可能となる。
【0024】
上記の半導体加速度センサを製造する工程を以下に説明するが、半導体基板Bにエッチング等を施し、複数の加速度センサチップC,C‥を形成する工程は、従来と同じ工程であるので図示はせずに説明し、その複数の加速度センサチップC,C‥を形成した後の工程について、図1を参照しながら説明する。
【0025】
まず、活性層21、中間絶縁層22、支持層23が順に積層された半導体基板Bに対し、その支持層23側から、加速度センサチップCのフレーム部2及び錘部1を形成しようとする部分以外の部分を、各加速度センサチップCに対応させて、中間絶縁層22に達するまでドライエッチングする。
【0026】
次に、その半導体基板Bの活性層21側から、フレーム部2及び錘部1及び梁部3を形成しようとする部分以外の部分を、各加速度センサチップCに対応させて、中間絶縁層22に達するまでウェットエッチングする。
【0027】
続いて、フレーム部2及び錘部1以外の部分にある中間絶縁層22を、支持層23側からフッ酸を含んだ液によりエッチング除去する。これにより、各加速度センサチップC,C‥のフレーム部2及び錘部1及び梁部3間、並びに梁部3下の中間絶縁層22が除去され、フレーム部2及び錘部1及び梁部3は、そのそれぞれの連結部分だけを残して切り離される。なお、梁部3の表面には、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜よりなる絶縁膜が形成されており、加速度センサチップCの表面を保護している。
【0028】
続いて、梁部3の所定の位置に、半導体不純物拡散技術によりピエゾ抵抗4を形成する。このようにして、フレーム部2と錘部1と梁部3とピエゾ抵抗4とを備える加速度センサチップCが、半導体基板B内に複数形成される。
【0029】
続いて、この加速度センサチップCを複数形成した半導体基板Bに対し、図1(a)に示すように、スクライブレーン75,75‥内に、活性層21及び中間絶縁層22を貫通して支持層23を露出させる凹部73,73‥を形成する。
【0030】
続いて、図1(b)に示すように、この凹部73,73‥と、活性層21の表面全体とに金属膜71を形成して、活性層21と支持層23とを導通させる。
【0031】
続いて、図1(c)に示すように、凹部73,73‥と金属膜71を形成した半導体基板Bの活性層21表面に上部ストッパ51、支持層23表面に下部ストッパ52を配置する。
【0032】
続いて、図1(d)に示すように、正電位を印加する正電極V1を、金属膜71に接触させると共に、負電位を印加する負電極V2を、上部ストッパ51及び下部ストッパ52に接触させる。そして、正電極V1と負電極V2にそれぞれ正電位、負電位を印加すると、金属膜71と導通した活性層21及び支持層23は正電位になると共に、上部ストッパ51及び下部ストッパ52は負電位となり、活性層21及び上部ストッパ51、並びに、支持層23及び下部ストッパ52がそれぞれ陽極接合する。このようにして、半導体基板B内に複数の半導体加速度センサを形成する。この後で、ダイシングブレード等によりスクライブレーン75を切削して、各半導体加速度センサに切り分ければ、図6の側断面図に示すような半導体加速度センサが得られる。しかし、上記のような製造方法により得られたものは、従来の半導体加速度センサよりも、加速度センサチップCと上部ストッパ51及び下部ストッパ52との接合面の応力が小さいので、非常に信頼性の高いものとなる。
【0033】
なお、上記の製造工程においては、凹部73,73‥を形成する工程を、半導体基板B内に複数の加速度センサチップC,C‥を形成する工程の後で行なうようにしていたが、これは、加速度センサチップCを形成する工程の途中に入れて行なうようにしたり、加速度センサチップCを形成する工程の前に行なうようにしてもよい。
【0034】
また、支持層23側から中間絶縁層22をエッチング除去するときに、フッ酸を含んだ液によりエッチング除去したが、これはドライエッチングで行なうようにしてもよい。
【0035】
また、上部ストッパ51には、平板状のものを用いたが、例えば図3に示すように、その厚み方向の全体を貫通する貫通孔12を有するものを用い、その貫通孔12と、半導体基板B表面に形成した凹部73,73‥とが対向するように、その上部ストッパ51を半導体基板B表面に配置して、陽極接合するようにしてもよい。このようにすれば、金属膜71に正電圧を印加する正電極V1を、この貫通孔12を通して金属膜71に接触させることが可能で、凹部73,73‥を設けた位置から直接に電圧印加することが可能になるため、活性層21表面に形成した金属膜71の抵抗値による電圧降下の影響を受けにくくなり、ストッパ部材と加速度センサチップとをさらに均一に陽極接合することが可能となり好ましい。
【0036】
上記のように、半導体基板Bのスクライブレーン75,75‥内に凹部73,73‥を形成すると共に、その凹部73,73‥内に、支持層23及び活性層21を導通させる金属膜71を形成したので、金属膜71に印加した電圧が、半導体基板Bの周縁部分からではなく、各加速度センサチップC,C‥に近いスクライブレーン75,75‥内から流れ始め、各加速度センサチップC,C‥と上部ストッパ51及び下部ストッパ52との陽極接合を均一に行ない、それらの接合面に生じる応力を緩和させ、信頼性の高い半導体加速度センサを製造及び提供することが可能になった。
【0037】
また、本実施形態の別の形態として、図4に示すように、半導体基板B内に、マトリクス状に複数形成した加速度センサチップC,C‥のうち、その外周部分から、1つ内側に位置する加速度センサチップC,C‥内に、凹部73,73‥を形成するようにしてもよい。これは、加速度センサチップC内の、例えばフレーム部2に凹部73を形成するもので、その凹部73が形成された加速度センサチップCは、半導体基板Bから切り出された後、加速度センサとしては使用不可能になってしまう。しかしながら、複数の加速度センサチップC,C‥のうちのいくつかに凹部73,73‥を形成するようにすれば、各凹部73,73‥内で、より大きな面積で支持層23を露出させることが可能となるので、活性層21と支持層23との導通をより確実に行なわせることが可能となり好ましい。なお、この凹部73を形成する加速度センサチップCは、マトリクス状の複数の加速度センサチップC,C‥の外周部分から1つ内側に位置する加速度センサチップC,C‥に形成するのに限定するものではなく、外周部分から2つ内側でも3つ内側でもよく、要は、各加速度センサチップC,C‥と、凹部73との距離ができるだけ均一になるように、凹部73の位置を設定して形成すればよく、例えば、凹部73を1つだけ形成する場合には、その凹部73の位置は、マトリクス状の複数の加速度センサチップC,C‥の中央部分に形成するのが好ましく、凹部73を複数形成する場合には、複数の凹部73,73‥同士の距離が等距離になるように位置を設定するのが好ましい。なお、この凹部73,73‥内に形成する金属膜71は、上記スクライブレーン75内に形成したものと同じようにして形成すればよい。
【0038】
また、本実施形態のさらに別の形態として、図5に示すように、半導体基板Bの活性層21表面のうち、複数の加速度センサチップC,C‥を形成する領域内の、その中央部分に、凹部73を形成するようにしてもよい。この凹部73は、形成した複数の加速度センサチップC,C‥の数個にまたがるように、すなわち上記領域の中央部分に位置する複数の加速度センサチップC,C‥間のスクライブレーン75,75‥内も含めて、活性層21及び中間絶縁層22を貫通させて形成する。このように、複数の加速度センサチップC,C‥にまたがるように、凹部73を形成すれば、より大きな面積で支持層23を露出させることができ、金属膜71による導通を施し易くなる。さらにこの凹部73は、複数の加速度センサチップC,C‥の形成領域の中央部分に位置するので、この凹部73と、形成領域内の加速度センサチップC,C‥との距離が近くなり、陽極接合する際に、上部ストッパ51及び下部ストッパ52と、各加速度センサチップCとの接合面に生じる応力を小さくすることができ、信頼性の高い半導体加速度センサを製造することが可能となる。なお、上記の中央部分に形成する凹部73は、必ずしも複数の加速度センサチップC,C‥にまたがるように形成する必要はなく、1個の加速度センサチップC内にだけ形成するようにしてもよい。この場合には、凹部73を形成することにより、加速度センサとして使用不可能となるものの数を減らすことができ、1枚の半導体基板Bから製造できる半導体加速度センサの数を低減させないようにすることが可能となる。また、この凹部73,73‥内に形成する金属膜71は、上記スクライブレーン75内に形成したものと同じようにして形成すればよい。
【0039】
以上、本発明の好適な実施の形態を説明したが、本発明はこの実施の形態に限らず、種々の形態で実施することができる。
【0040】
【発明の効果】
上記のように本発明の請求項1乃至請求項3に記載の半導体加速度センサの製造方法によれば、加速度センサチップとストッパ部材とをより均一に陽極接合することが可能となるので、信頼性の高い半導体加速度センサを製造することが可能となる。
【0041】
本発明の請求項4に記載の半導体加速度センサの製造方法によれば、請求項1乃至請求項3に記載の発明による効果に加えて、導電膜への電圧の印加を、第1のストッパ部材の貫通孔を通して行なうことが可能となり、凹部により近い位置から導電膜に正電位を印加することができ、さらに均一に陽極接合することが可能となる。
【0042】
本発明の請求項5に記載の半導体加速度センサによれば、請求項1乃至請求項4に記載の製造方法により製造された半導体加速度センサであるので、加速度センサチップとストッパ部材との接合面の応力が小さく、信頼性の高い半導体加速度センサとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体加速度センサの製造方法及びこの製造方法により製造された半導体加速度センサにおける、一実施の形態を示す図である。
【図2】上記半導体加速度センサの製造方法及びこの製造方法により製造された半導体加速度センサの一実施の形態において、凹部及び導電膜を形成した半導体基板の上面図である。
【図3】上記半導体加速度センサの製造方法及びこの製造方法により製造された半導体加速度センサの一実施の形態において、ストッパ部材に貫通孔を設けたものを示す断面図である。
【図4】上記半導体加速度センサの製造方法及びこの製造方法により製造された半導体加速度センサの別の実施の形態を示す図である。
【図5】上記半導体加速度センサの製造方法及びこの製造方法により製造された半導体加速度センサの別の実施の形態において、凹部を半導体基板の中央部分に設けたものを示す図である。
【図6】従来の半導体加速度センサの側断面図である。
【図7】別の従来の半導体加速度センサの側断面図である。
【符号の説明】
1 錘部
2 フレーム部
3 梁部
4 ピエゾ抵抗
12 貫通孔
21 活性層
22 中間絶縁層
23 支持層
51 上部ストッパ
52 下部ストッパ
71 金属膜
73 凹部
75 スクライブレーン
211 端面
231 端面
B 半導体基板
C 加速度センサチップ
Claims (5)
- 加速度を受けて変位する錘部と、
この錘部に一端が接続された可撓部と、
この可撓部の他端に接続されて上記錘部を揺動自在に支持するフレーム部と、
上記錘部の変位に応じて上記可撓部に生じる撓み量を検出するセンサ部とを備えた加速度センサチップ、並びに、
上記フレーム部の厚み方向の両端面にそれぞれ陽極接合され、上記フレーム部の厚み方向に沿った、上記錘部の所定の大きさ以上の変位を制限する第1及び第2のストッパ部材を具備してなる半導体加速度センサであって、
上記加速度センサチップを、中間絶縁層を挟んで第1及び第2のシリコン層が積層された半導体基板内に複数形成する工程と、その形成した各加速度センサチップに、上記第1及び第2のストッパ部材を陽極接合する工程と、その半導体基板のスクライブレーンに沿って当該半導体基板を切断して、個々の上記半導体加速度センサに切り分ける工程と、を有する半導体加速度センサの製造方法において、
上記半導体基板のスクライブレーンのうち、加速度センサチップ間に位置するスクライブレーン内の少なくとも1ヶ所に、
上記第1のシリコン層及び上記中間絶縁層を貫通して、上記第2のシリコン層を露出させる凹部を形成する工程と、その凹部内に導電膜を形成して上記第1及び第2のシリコン層を導通させる工程とを、上記陽極接合の工程の前に有してなることを特徴とする半導体加速度センサの製造方法。 - 加速度を受けて変位する錘部と、
この錘部に一端が接続された可撓部と、
この可撓部の他端に接続されて上記錘部を揺動自在に支持するフレーム部と、
上記錘部の変位に応じて上記可撓部に生じる撓み量を検出するセンサ部とを備えた加速度センサチップ、並びに、
上記フレーム部の厚み方向の両端面にそれぞれ陽極接合され、上記フレーム部の厚み方向に沿った、上記錘部の所定の大きさ以上の変位を制限する第1及び第2のストッパ部材を具備してなる半導体加速度センサであって、
上記加速度センサチップを、中間絶縁層を挟んで第1及び第2のシリコン層が積層された半導体基板内にマトリクス状に複数形成する工程と、その形成した各加速度センサチップに、上記第1及び第2のストッパ部材を陽極接合する工程と、その半導体基板のスクライブレーンに沿って当該半導体基板を切断して、個々の上記半導体加速度センサを切り分ける工程と、を有する半導体加速度センサの製造方法において、
上記マトリクス状に形成した複数の加速度センサチップのうち、その外周部分に位置する加速度センサチップから少なくとも1つ内側に位置する加速度センサチップに、
上記第1のシリコン層及び上記中間絶縁層を貫通して、上記第2のシリコン層を露出させる凹部を形成する工程と、その凹部内に導電膜を形成して上記第1及び第2のシリコン層を導通させる工程とを、上記陽極接合の工程の前に有してなることを特徴とする半導体加速度センサの製造方法。 - 加速度を受けて変位する錘部と、
この錘部に一端が接続された可撓部と、
この可撓部の他端に接続されて上記錘部を揺動自在に支持するフレーム部と、
上記錘部の変位に応じて上記可撓部に生じる撓み量を検出するセンサ部とを備えた加速度センサチップ、並びに、
上記フレーム部の厚み方向の両端面にそれぞれ陽極接合され、上記フレーム部の厚み方向に沿った、上記錘部の所定の大きさ以上の変位を制限する第1及び第2のストッパ部材を具備してなる半導体加速度センサであって、
上記加速度センサチップを、中間絶縁層を挟んで第1及び第2のシリコン層が積層された半導体基板内に複数形成する工程と、その半導体基板内の各加速度センサチップに、上記第1及び第2のストッパ部材を陽極接合する工程と、その半導体基板のスクライブレーンに沿って当該半導体基板を切断して、個々の上記半導体加速度センサに切り分ける工程と、を備える半導体加速度センサの製造方法において、
上記半導体基板の上記第1のシリコン層表面のうち、上記複数の加速度センサチップを形成した、又は形成を予定する領域の中央部分に、上記第1のシリコン層及び上記中間絶縁層を貫通して、上記第2のシリコン層を露出させる凹部を形成する工程と、その凹部内に導電膜を形成して上記第1及び第2のシリコン層を導通させる工程とを、上記陽極接合の工程の前に備えてなることを特徴とする半導体加速度センサの製造方法。 - 上記第1のシリコン層表面に陽極接合する上記第1のストッパ部材は、
その厚み方向の全体を貫通する貫通孔を有してなると共に、
上記陽極接合の工程の前には、当該貫通孔を通して、上記半導体基板に形成した上記凹部が露出するよう、当該第1のストッパ部材を上記半導体基板に配置する工程をも有してなることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の半導体加速度センサの製造方法。 - 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の半導体加速度センサの製造方法により製造されたことを特徴とする半導体加速度センサ。
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JP2007078378A (ja) * | 2005-09-12 | 2007-03-29 | Seiko Instruments Inc | 力学量センサ及び電子機器並びに力学量センサの製造方法 |
CN102901534A (zh) * | 2012-09-26 | 2013-01-30 | 中国电子科技集团公司第四十八研究所 | 一种薄膜温度烧蚀复合传感器及其制备方法 |
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2003
- 2003-05-30 JP JP2003155698A patent/JP2004354350A/ja active Pending
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