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Description

本発明は、抗菌抗カビ性高分子素材に関するもので、食品、化粧品、医薬品、医療材料、インキ、農薬、各種衛生用品、およびそれらの包装容器に有用な抗菌抗カビ剤に関するものである。
従来の抗菌剤は、有機系、無機系、天然系の3つに大きく分けられ、それぞれのメリットデメリットがあり、用途によって使い分けられている。しかし、有機系はある特定の細菌に対する抗菌力が強い反面、安全性が低いものが多い。また、無機系は、比較的幅広い菌類に対し抗菌性を示すが、水への溶解性が低いなどの課題があった。一方、天然系の植物由来の精油は抗菌力も良いが、水への溶解性、分散性も悪く、また、特定の刺激臭や味を有するため、使用用途が限られるといった課題があった。天然系でも、水溶性や水への親和性が高く、また安全性の高いアルギン酸を用いた抗菌剤もいくつか提案されているが(例えば特許文献1参照)、これらの抗菌性はあまり高いものでなく、抗菌特性のより強い成分を混合あるいは複合化させることはある程度必須であった。
特開2000−63208号公報
本発明の目的は、環境や人体への悪影響が少ないという多糖類本来の利点を生かしつつ、高い親水性を付与し、十分な抗菌力を示す天然物由来の抗菌抗カビ剤を提供することである。
請求項1に記載の発明は、N−アセチルグルコサミン、グルコサミンもしくはグルコースからなる多糖類またはヒアルロン酸を酸化して水酸基の一部をカルボキシル基に変換して調製したポリウロン酸を有効成分とし、前記ポリウロン酸を水に溶解したときのpHが1−4.5であることを特徴とする抗菌抗カビ剤である。
請求項2に記載の発明は、多糖類がデンプンであることを特徴とする請求項1に記載の抗菌抗カビ剤である。
請求項3に記載の発明は、ポリウロン酸の重量平均分子量が5,000から1,000,000の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の抗菌抗カビ剤である。
請求項4に記載の発明は、前記ポリウロン酸のカルボキシル基が脱塩されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の抗菌抗カビ剤である
酸化によりカルボキシル基を導入し、親水性を付与すべく改質した多糖類を用いることで、また、カルボキシル基導入の位置、つまり構造の制御されたウロン酸残基をもつ天然多糖類由来のポリウロン酸を用いていることで、安全性、水溶性、親水性が高く、かつ十分な抗菌抗カビ力を有する抗菌抗カビ剤を提供することができた。
本発明の抗菌抗カビ剤に用いられる、酸化される前の多糖類には、でんぷんやプルラン、デキストリン、アミロース、ヒアルロン酸などの水溶性多糖類、さらにはセルロースやキチン等を用いることができる。原料の調達、コスト、期待される機能、また、構造をほとんど変えずに水溶化することができることからはキチンのようなN−アセチルグルコサミンからなる多糖類、グルコサミンからなる多糖類、またはグルコースからなる多糖類(例えばセルロース)、デンプン、などの原料を用いることが好ましい。また、得られるポリウロン酸の抗菌性の高さからは、原料多糖類がデンプンであるとより好ましい。
本発明では、水に完全に溶解させない状態で、抗菌性を有する多糖類系抗菌材料を提供することもできるが、セルロース、キチンなどの水や有機溶媒への溶解性の低い多糖類からも、抗菌性をもつだけでなく、高い水溶性を有するポリウロン酸の抗菌剤を得ることができる。このようにセルロースやキチンなど結晶性の高い多糖類を原料とする場合は、前処理として再生処理などの結晶性を低下させるための処理を行うことが好ましい。セルロースの再生処理としては、キュプラアンモニウム法、ビスコース法等の公知の再生処理法を利用することができる。また、キチンの再生処理としても、再生後キチンの結晶性が低下していれば、その処理は限定されるものではないが、その後の利用等を考えると、再生処理により分子の切断などが起こることは好ましくない。そこで、例えばアルカリ再生処理が挙げられる。キチンを高濃度のアルカリに浸漬後、氷を加えながら低温下で希釈していくことにより、粘調な液体となる。ここに塩酸を加えて中和すると、フレーク状のキチンが析出する。この得られたキチンはほぼ非晶質化しており、これを十分に水洗して乾燥させずにまたは凍結乾燥した後に、酸化反応に供することにより、分子量低下を極力抑え、ほぼ全てのピラノース環6位の一級水酸基のみをカルボキシル基にまで酸化することができる。
また、キチンの脱アセチル化物であるキトサンを原料に、均一反応下でN−アセチル化した材料を酸化反応に供してもよい。例えば、キトサンを酢酸に溶解し、メタノールで希釈後、キトサン中のアミノ基量に対して1.5〜3倍モル量の無水酢酸を添加することで、容易にN−アセチル化して、再びキチンの化学構造に戻すことができる。この操作を経て、十分に水洗したものを乾燥させずに、あるいは凍結乾燥して、酸化反応に供することにより、アルカリ再生キチン同様に6位の一級水酸基のみ選択性高く酸化される。
さらにこの場合には、無水酢酸の添加量により酸化原料のN−アセチル化度をコントロールすることも可能である。
このような多糖類の酸化によりポリウロン酸を得る酸化方法としては、一級水酸基の酸化に対する選択性が高く、できるだけ均一構造のものを得られる酸化方法をとるべきである。二酸化窒素などを用いたセルロースやキチンの酸化方法も知られているが、試薬の有毒性、酸化の選択性などの観点から、N−オキシル化合物の存在下、共酸化剤を用いた酸化手法が好ましい。
この選択的酸化手法は、酸化度の制御が可能で、かつピラノース環の2位や3位を酸化することなく、ほとんど全てのピラノース環6位をカルボキシル基まで酸化することができ、また水系で酸化反応を行うことが可能である。
上記N−オキシル化合物としては、2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジン−N−オキシル(以下、TEMPO)などが好ましく用いられる。また、上記酸化剤としては、ハロゲン、次亜ハロゲン酸、亜ハロゲン酸や過ハロゲン酸、またはそれらの塩、ハロゲン酸化物、窒素酸化物、過酸化物など、目的の酸化反応を推進し得る酸化剤であれば、いずれの酸化剤も使用できる。さらに、臭化物やヨウ化物の共存下で酸化反応を行うと、温和な条件下でも酸化反応を円滑に進行させ、カルボキシル基の導入効率を大きく改善できる。中でも、N−オキシル化合物にはTEMPOを用い、臭化ナトリウムの存在下、酸化剤として次亜塩素酸ナトリウムを用いて酸化反応を行うことが特に好ましい。
この方法を用いた場合、構成単糖の一級水酸基への酸化の選択性を向上させ、副反応を抑える目的で、反応温度は室温以下、より好ましくは系内を5℃以下で反応させることが望ましい。さらに、反応中は系内をアルカリ性に保つことが好ましい。このときのpHは9〜12、より好ましくはpH10〜11に保つとよい。
さらにこの酸化方法は、酸化剤の量およびpHを一定に保つ際に添加されるアルカリの量により酸化度を制御することができる。例えば、アルカリが糖残基と等モル量添加されれば、ほぼ全てのピラノース環6位の一級水酸基がアルデヒド基を経てカルボキシル基にまで酸化され、水溶性のポリウロン酸が得られる。
本発明の抗菌抗カビ剤における酸化度に関しては、特に制限されるものはなく、用途と親水性の程度、生分解性速度などにより、自由に選択することができる。構造の均一さ、水溶性の高さおよび抗菌力の高さからは、100%に近いほど酸化を行ったポリウロン酸が好ましく用いられる。
例えば、デンプンはα−1,4−グルコピラノースを構成単糖とする多糖類で、これを酸化すると、α−1,4−グルクロン酸を構成単糖に有するポリウロン酸が得られる。また、セルロースはβ−1,4−グルコピラノースを構成単糖とする多糖類で、これを酸化すると、β−1,4−グルクロン酸を構成単糖に有するポリウロン酸が得られる。更に、キチンはβ−1,4−グルコサミンおよびβ−1,4−N−アセチルグルコサミンを構成単糖に有する多糖類であり、これを酸化するとβ−1,4−グルコサミヌロン酸およびβ−1,4−N−アセチルグルコサミヌロン酸を構成単糖に有するポリウロン酸が得られる。
前述の臭化ナトリウムとTEMPOが触媒量存在する水溶液中で、次亜塩素酸ナトリウムを共酸化剤として用い、水酸化ナトリウムを用いてpH調整を行い、アルカリ系で酸化処理されて得られるポリウロン酸は、カルボキシル基のナトリウム塩として水に溶解している。
本発明のポリウロン酸は特により強い抗菌抗カビ剤を併用することなく、十分な抗菌抗カビ性を有し、生分解性が高いなどの安全性も高いことを特徴としている。より高い抗菌抗カビ性を持たせるためには、このポリウロン酸のカルボキシル基のナトリウム塩を銅、亜鉛、銀、鉄などの抗菌性を有する金属と塩を形成させることもできる。更に、ナトリウムやその他の塩を脱塩し、遊離のカルボキシル基とすることでも優れた抗菌抗カビ性を有することは、本発明のポリウロン酸かなる抗菌抗カビ剤の大きな特徴である。
この脱塩の手法としては酸化多糖類の各種塩類の水溶液或いは、水分散液に脱塩に十分なほど塩酸を添加し、再度精製することで、脱塩されたカルボキシル基を有する酸化多糖類を得ることができる。また、或いは、酸化多糖類の水溶液或いは水分散液を陽イオン交換樹脂で処理することによっても、容易に、脱塩されたカルボキシル基を有する酸化多糖類を得ることができる。
これらのカルボキシル基は水酸基などと比べ反応性も高く、高い水溶性或いは親水性を有するため、二次修飾の反応原料としても非常に有効であり、更に酸化前後に誘導体化を行った多糖類も抗菌剤として用いることができる。
また、特に、前記したキトウロン酸やアミロウロン酸は、COOH型でも水溶性を示し、pH1〜14の広いpH域で高い水溶性を示す。さらに、酸化多糖類中のカルボキシル基が、COOH型である方が有機溶媒への親和性が若干向上し、アルコール系溶媒などを高い割合で含有するを有する溶液中にも溶解することができる。
また、これらの遊離のカルボキシル基を持つポリウロン酸は水に溶解するとpH1−7の酸性水溶液となる。特にアミロウロン酸のCOOH型の水溶液は幅広い濃度でpH約2−3程度の水溶液となり、また、キトウロン酸のCOOH型の水溶液はpH約1−2程度の水溶液となる。これらの酸性水溶液は高い抗菌性を示し、その水溶液のpHは1−7であると好ましく、さらにはこれらのポリウロン酸のpKa以下の1−4.5であると更に好ましい。
また、本発明の抗菌抗カビ剤をなすポリウロン酸の分子量は5,000から1,000,000の範囲にあるとより好ましく、5000から200,000の範囲であるとより好ましい。この範囲にあると、優れた抗菌抗カビ性と水溶性を示し、また多糖類としての性質も示す。
本発明の抗菌抗カビ剤の形態は、水溶液などの液状、乾燥した粉末状、フィルム状などとして得られるが、シート状、繊維状、カプセル状などに成形することや、紙やプラスチックに混ぜ込むこと、コーティング剤としての利用も可能である。
また、本発明の抗菌抗カビ剤では、ポリウロン酸或いはその金属塩を単体で用いることも可能であるが、抗菌性を示す菌種の種類が増えるなどの相乗効果を期待して、その他の抗菌剤やバインダー、各種添加剤などと複合化、混合してもちいることも可能である。
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。本発明はかかる実施形態に限定するものではない。
まず、実施例、比較例に用いる原料となるポリウロン酸の製造例について説明する。
<製造例1>
(アミロウロン酸の調製)
コンスターチ10gを蒸留水400gに加熱溶解させ冷却した。この溶液に、蒸留水100gにTEMPOを0.18g、臭化ナトリウム2.5gを溶解した溶液を加え、11%濃度の次亜塩素酸ナトリウム水溶液104gを滴下により添加し、酸化反応を開始した。反応温度は常に5℃以下に維持した。反応中は系内のpHが低下するが、0.5N−NaOH水溶液を逐次添加し、pH10.75に調整した。そして、6位の一級水酸基の全モル数に対し、100%のモル数に対応するアルカリ添加量に達した時点で、エタノールを添加し、反応を停止さた。エタノール2.5Lにこの溶液を撹拌しながら添加して沈殿物を得た。更にこの沈殿物を水/アセトン=1/7の混合水溶液で数回洗浄し、反応試薬や副生成物を除去し、更にアセトンで洗浄した後、乾燥させ、アミロウロン酸ナトリウム塩を得た。
(実施例1)
製造例1で調製したアミロウロン酸ナトリウム塩を100gの水に懸濁させ、H型に再生処理したイオン交換樹脂(オルガノ株式会社:アンバーライトIR120)70mLをつめたカラムに通し、脱塩処理を行った。このアミロウロン酸水溶液を凍結乾燥し、白色粉末のアミロウロン酸8.7g(実施例1)を得た。
なお、生成物を0.2N-NaOH水溶液に溶解させ、0.2N-HCl水溶液で中和した水溶液の分子量測定をGPCカラムPWXL-6000とPWXL-3000を連結して、標準プルラン換算で行った。実施例1のアミロウロン酸の重量平均分子量は120,000であった。
<製造例2>
再生セルロースとして旭化成工業(株)製ベンリーゼを用い、再生セルロース10gを蒸留水400gに懸濁し、蒸留水100gにTEMPOを0.18g、臭化ナトリウム2.5gを溶解した溶液を加え、5℃以下まで冷却した。ここに11%濃度の次亜塩素酸ナトリウム水溶液104gを滴下により添加し、酸化反応を開始した。反応温度は常に5℃以下に維持した。反応中は系内のpHが低下するが、0.5N−NaOH水溶液を逐次添加し、pH10.75に調整した。そして6位の一級水酸基の全モル数に対し、100%のモル数に対応するアルカリ添加量に達した時点で、エタノールを添加し、反応を停止させた。1Lのエタノール中に反応液を投入して生成物を析出させ、水:アセトン=1:7よりなる溶液により充分洗浄した後、アセトンで脱水し、40℃で減圧乾燥させ、白い粉末状のセロウロン酸ナトリウム塩を得た。
(実施例2)
製造例2のセロウロン酸ナトリウム塩の5%水溶液に塩酸を添加し、pH1.2の水溶液とした。3時間撹拌後、この溶液を撹拌しながら過剰のエタノールに添加し、その後1晩放置し、沈殿物を得た。この生成物を水:アセトン=1:7よりなる溶液により充分洗浄した後、アセトンで脱水し、40℃で減圧乾燥させ、白い粉末状のセロウロン酸(実施例2の抗菌抗カビ剤)を得た。実施例2のセロウロン酸の重量平均分子量は約25,000であった。
<製造例3>
和光純薬工業(株)製キチン10gを、45%水酸化ナトリウム水溶液150gに浸漬し、室温以下で2時間攪拌した。これに周りを氷水などで冷やし、攪拌しながら砕いた氷850gを添加した。このアルカリ処理によりキチンはほぼ溶解する。塩酸で中和し、十分に水洗した後、乾燥しないものを酸化原料とした。
この再生キチン2.5%濃度の懸濁液200gに、蒸留水50gにTEMPO0.08g、臭化ナトリウム1.0gを溶解した溶液を加え、5℃以下まで冷却した。ここに11%濃度の次亜塩素酸ナトリウム水溶液35gを滴下により添加し、酸化反応を開始した。反応温度は常に5℃以下に維持した。反応中は系内のpHが低下するが、0.5N-NaOH水溶液を逐次添加し、pH10.75に調整した。そして6位の1級水酸基の全モル数に対し、80%のモル数に対応するアルカリ添加量に達した時点で、エタノールを添加し、反応を停止させ、1Lのエタノール中に反応液を投入して生成物を析出させ、水:アセトン=1:7よりなる溶液により充分洗浄した後、アセトンで脱水し、40℃で減圧乾燥させ、白い粉末状の酸化度80%のキトウロン酸ナトリウム塩5.2gを得た。
(実施例3)
製造例3のキトウロン酸ナトリウム塩を5%水溶液とし、実施例1と同じようにイオン交換樹脂で処理することにより、キトウロン酸(実施例3の抗菌抗カビ剤)を得た。実施例3のキトウロン酸の重量平均分子量は約15,000であった。
(実施例4,5)
製造例1のアミロウロン酸ナトリウムの5%水溶液に、アミロウロン酸のカルボキシル基に対し2倍モルの塩化第二銅が含まれる水溶液、塩化亜鉛の水溶液をそれぞれ添加して、各塩でカルボキシル基が架橋した沈殿物を得た。これを蒸留水で数回洗浄し、実施例4,5の抗菌抗カビ剤を得た。
(実施例6)
実施例1で作製したアミロウロン酸の粉末を10%濃度で溶解した。この水溶液のpHは2.5であった。この水溶液を実施例6の抗菌抗カビ剤とした。
(抗菌性評価)
Staphylococcus aureus subsp. aureus NBRC 12732 (黄色ブドウ球菌)および、Escherichia coli NBRC 3301 (大腸菌)を用いてハロー試験を行った。
使用した培地は、NA培地:普通寒天培地[栄研化学株式会社]、NB培地:肉エキスを0.2%添加した普通ブイヨン培地[栄研化学株式会社]である。NA培地で37℃24−48時間培養した試験菌をNB培地に接種し、37℃22−26時間培養したものをNB培地を用いて1mL当たりの菌数が約107となるように調製し、菌液を調製した。
NA培地150mLに対して10mLの割合で菌液を添加し、これらをシャーレに15mL分注して固化させた。更に、シャーレを室温で30分間放置して培地表面を乾燥させ、これを試験用平板培地とした。
試験用平板培地上に実施例1から6の試料を直径約10mmの円形になるように載せ、37℃24時間培養後、試料の周囲のハロー(阻止円)の有無を肉眼観察により判定した。なお、菌液の生菌数をNA培地を用いた混釈平板培養法37℃、2日間培養)により測定し、試験用平板培地1mL当たりの菌濃度に換算した。
比較例として市販のアルギン酸(膨潤性)(和光純薬工業株式会社)を用いた。
表1に結果を示した。
Figure 0005109266
表1の結果から、実施例1から6の抗菌抗カビ剤は黄色ブドウ球菌、および大腸菌において、試料の周りの阻止円が確認され、高い抗菌性を示したのに対し、比較例は黄色ブドウ球菌に対しては抗菌性を示すものの、大腸菌に対しては抗菌性を示さなかった。
本発明の抗菌抗カビ剤は、環境や人体への悪影響が少ないという多糖類本来の利点を生かしつつ、高い親水性を付与し、十分な抗菌力を示すものであって、水溶液などの液状、ゲル状などの湿潤状態、乾燥した粉末状、フィルム状、シート状、繊維状、カプセル状などに成形することや、紙やプラスチックに混ぜ込むこと、コーティング剤としての利用も可能である。

Claims (4)

  1. N−アセチルグルコサミン、グルコサミンもしくはグルコースからなる多糖類またはヒアルロン酸を酸化して水酸基の一部をカルボキシル基に変換して調製したポリウロン酸を有効成分とし、前記ポリウロン酸を水に溶解したときのpHが1−4.5であることを特徴とする抗菌抗カビ剤。
  2. 多糖類がデンプンであることを特徴とする請求項1に記載の抗菌抗カビ剤。
  3. ポリウロン酸の重量平均分子量が5,000から1,000,000の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の抗菌抗カビ剤。
  4. 前記ポリウロン酸のカルボキシル基が脱塩されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の抗菌抗カビ剤。
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