JP2000063208A - 抗菌性組成物 - Google Patents

抗菌性組成物

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JP2000063208A
JP2000063208A JP10234285A JP23428598A JP2000063208A JP 2000063208 A JP2000063208 A JP 2000063208A JP 10234285 A JP10234285 A JP 10234285A JP 23428598 A JP23428598 A JP 23428598A JP 2000063208 A JP2000063208 A JP 2000063208A
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antibacterial
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JP10234285A
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Hiroyuki Nakamura
洋之 中村
Takeo Omiya
武夫 大宮
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Daicel Corp
Original Assignee
Daicel Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 水性溶媒に対して、長期間分散安定な抗菌性
組成物を提供する。 【解決手段】 アニオン性の親水性高分子の塩で構成さ
れた抗菌性組成物であって、前記塩が、アルカリ金属塩
と、抗菌性を有する第四級アンモニウム塩との混合塩で
ある抗菌性組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アニオン性親水性
高分子の塩で構成され、その塩がアルカリ金属塩と抗菌
性を有する第四級アンモニウム塩との混合塩である抗菌
性組成物およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、アニオン性の親水性高分子と、抗
菌性又は防カビ性などを有する第四級アンモニウム塩と
の塩を用いて、水に不溶性又は難溶性の抗菌剤が製造さ
れている。これらの抗菌剤は、基材などに塗布したり、
抗菌性を付与したい物質に予め混合して使用される。前
記抗菌剤は、水に不溶性又は難溶性であるため、水の多
用が避けられない対象物(例えば、浴室、プール、衣類
など)に対して使用できるという利点を有する。
【0003】しかし、水性塗料や壁材等のように有機溶
剤の使用が規制され、水性媒体しか使用できない場合に
は、上記のような水不溶性又は難溶性の抗菌剤を使用す
ることは困難である。また、有機溶剤に対しても不溶性
である抗菌剤に関しては、溶剤などに混合分散すること
により使用可能であるが、時間の経過とともに沈殿物を
生じるため、長期に亘り安定な組成物を得ることができ
ない。そこで、水性媒体中で、長期間分散安定な抗菌剤
が要望されている。
【0004】特公昭63−55522号公報及び特公昭
63−55524号公報には、カルボキシメチル基の置
換度が無水グルコース単位当たり1.5〜3.0のカル
ボキシメチルセルロースの第四級アンモニウム塩が開示
されている。
【0005】特開昭62−243601号公報には、第
四級アンモニウム化合物と、アルギン酸ナトリウム、ペ
クチン、カルボキシメチルセルロースなどのアニオンガ
ムとの第四級アンモニウム塩が開示されており、この第
四級アンモニウム塩を水溶液や懸濁液(石炭スラリーな
ど)に添加すると防腐剤を特に加える必要がないことが
記載されている。
【0006】しかし、これらの抗菌剤において、水溶性
を付与するためには、使用できる親水性高分子および第
四級アンモニウム塩の種類や特性が制限されるばかり
か、混合初期には均一に分散しているものの、長期間放
置すると沈殿し、分散安定性が劣る。そのため、抗菌剤
又はその組成物として長期間に亘り利用できない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、水性溶媒中での分散安定性が高く、長期間に亘り有
効に使用できる抗菌性組成物およびその製造方法を提供
することにある。
【0008】本発明の他の目的は、水および有機溶媒に
対して、難溶性又は不溶性の皮膜などを形成できる抗菌
性組成物およびその製造方法に関する。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を達成するため鋭意検討の結果、アニオン性親水性高分
子の混合塩で構成された抗菌性組成物を使用すると、水
性溶媒中で分散安定性の高い抗菌性組成物を得ることが
できることを見いだし、本発明を完成した。
【0010】すなわち、本発明の抗菌性組成物は、アニ
オン性の親水性高分子の塩で構成され、前記塩がアルカ
リ金属塩と抗菌性を有する第四級アンモニウム塩との混
合塩である。これらの塩は水性溶媒中に分散している。
親水性高分子には、水溶性ホモグリカンなどの親水性多
糖類(例えば、カルボキシル基含有セルロース、カルボ
キシル基含有デンプン、ペクチン酸、アルギン酸及びこ
れらの誘導体など)、カルボキシル基含有樹脂などの親
水性樹脂(例えば、ポリ(メタ)アクリル酸又はその誘
導体など)などが含まれる。また、前記アルカリ金属と
しては、ナトリウムなどが使用され、前記第四級アンモ
ニウム塩としては、下記式(1)で表されるものが使用
できる。
【0011】
【化2】
【0012】(式中、R1 〜R4 は同一又は異なって、
飽和又は不飽和C1-30脂肪族炭化水素基、アラルキル
基、モノ−又はジアルキルフェノキシ基、アルキレンオ
キシアルキル基、トリアルキルアンモニウムアルキル基
を示すか、又はR1 〜R4 のうち2又は3つは窒素原子
とともに異項環を形成してもよい。ただし、R1 〜R4
のうち少なくとも1つは飽和又は不飽和C10-30 脂肪族
炭化水素基である。Xはハロゲン原子を示す) 本発明には、前記アニオン性の親水性高分子のアルカリ
金属塩を含む水溶液に、抗菌性を有する第四級アンモニ
ウム塩を添加して、混合塩を形成する抗菌性組成物の製
造方法も含まれる。
【0013】なお、本明細書中、「親水性高分子」と
は、親水性(水溶性、水親和性、水分散性)高分子、又
は水不溶性の吸水性高分子を意味する。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の抗菌性組成物は、アニオ
ン性の親水性高分子塩で構成され、その塩はアルカリ金
属塩と第四級アンモニウム塩との混合塩である。 [アニオン性の親水性高分子]本発明に使用されるアニ
オン性の親水性高分子としては、後述するアルカリ金属
及び第四級アンモニウム塩と塩を形成可能であればその
種類は特に制限されないが、アニオン性の親水性多糖
類、アニオン性の親水性樹脂などが挙げられる。
【0015】前記アニオン性の親水性多糖類としては、
アニオン性の親水性基を分子内に有する限りいずれの多
糖類(ホモグリカン、ヘテログリカンなど)も使用でき
る。前記ホモグリカンとしては、グルカン(セルロー
ス、デンプン、グリコーゲン、カロニン、ラミナラン、
デキストランなど)、フルクタン(イヌリン、レバンな
ど)、マンナン(ゾウゲヤシマンナンなど)、キシラン
(イネワラのキシランなど)、ガラクツロナン(ペクチ
ン酸など)、マンヌロナン(アルギン酸など)、N−ア
セチルグルコサミン重合体(キチンなど)、及びこれら
の誘導体などが例示できる。前記ヘテログリカンとして
は、ジヘテログリカン(グアラン、コンニャクのマンナ
ン、ヘパリン、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸な
ど)、トリヘテログリカン(メスキットガム、ガッチガ
ムなどの植物粘質物、ゴム質、細菌多糖類など)、テト
ラヘテログリカン(アラビアゴムなどの粘質物、ゴム
質、細菌多糖類など)、及びこれらの誘導体などが例示
できる。
【0016】前記アニオン性の親水性基には、−COO
H,−SO3 H,−OSO3 H,−H2 PO4 又はそれ
らの誘導体、あるいはそれらのアルカリ金属塩などが含
まれる。さらに−NH2 ,−CN,−OH,−NHCO
NH2 ,−(OCH2 CH2)−などの親水性基の他、
−NR3 X,SO3 NH2 CO−,−N(SO3 H)−
(ここで、Rはアルキル基、Xはハロゲン原子を示す)
などの他の親水性基を有していてもよい。好ましい親水
性基は、カルボキシル基(−COOH)などである。
【0017】前記親水性高分子は、好ましくは前記のよ
うな親水性基を有する水溶性多糖類、さらに好ましくは
水溶性ホモグリカンであり、具体的には、カルボキシル
基含有セルロース[カルボキシメチル基含有セルロース
(例えば、カルボキシメチルセルロース(CMC)、カ
ルボキシメチルメチルセルロース、カルボキシメチルエ
チルセルロース、カルボキシメチルヒドロキシエチルセ
ルロース、カルボキシメチルヒドロキシプロピルセルロ
ースなど)など]、カルボキシル基含有デンプン(カル
ボキシメチルデンプン(CMS)など)、ペクチン酸及
びその誘導体(ペクチン酸ナトリウムなど)、アルギン
酸及びその誘導体(アルギン酸ナトリウムなど)などが
例示できる。
【0018】前記CMCは、下記式(2)で表される。
【0019】
【化3】
【0020】(式中、R5 は水素原子又はカルボキシメ
チル基を示し、nは50〜1500程度である) 前記式(2)において、セルロースに対するカルボキシ
メチル基の導入量[カルボキシメチル基の置換度(D
S)]は、無水グルコース基1単位当たりのカルボキシ
ル基(カルボキシメチル基)の平均置換度で表され、D
Sは抗菌性および分散安定性が損なわれない広い範囲か
ら選択でき、例えば、0.3〜3(0.5〜2)程度か
ら選択できる。特に、1.5未満(例えば、0.5〜
1.3程度)、好ましくは0.6〜1.2程度、さらに
好ましくは0.6〜1.0程度である。また、CMSに
おいてもデンプンに対するカルボキシメチル基の導入量
はCMCの場合と同様の範囲から選択できる。
【0021】また、CMCの平均重合度nは、10〜1
500(例えば、50〜1500)、好ましくは100
〜1500(例えば、400〜1200)程度である。
【0022】前記アニオン性の親水性樹脂としては、前
記のような親水性基を有する樹脂(親水性基を有する重
合性モノマーの単独又は共重合体など)などが使用で
き、例としては、スルホン酸基又はその塩を含有するモ
ノマー(スチレンスルホン酸及びそのナトリウム塩な
ど)、カルボキシル基又はその塩を含有するモノマー
((メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸モノア
ルキルエステルなどのカルボキシル基又はその塩な
ど)、酸無水物基を含有するモノマー(無水マレイン酸
など)などの単独又は共重合体などが挙げられる。ま
た、前記アニオン性の親水性樹脂は、前記例示のアニオ
ン性基含有モノマーと他の共重合性モノマーとの共重合
体としても使用できる。
【0023】前記共重合性モノマーとしては、例えば、
オレフィン類又はジエン類(例えば、エチレン、プロピ
レン、ブタジエンなど)、マレイン酸ジアルキルエステ
ル、(メタ)アクリル系単量体(例えば、メチル(メ
タ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレートなどの
アルキル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレートなどのヒドロキシ含有(メタ)アクリ
レート、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)ア
クリロニトリルなどのシアン化ビニルなど)、アリル系
単量体(例えば、アリルアルコール、アリルイソシアネ
ート、アリルグリシジルエーテルなどのエポキシ含有モ
ノマーなど)、ビニル系単量体(ビニルイソシアネー
ト、スチレンなどの芳香族ビニル単量体、ビニルピロリ
ドン、ビニルイミダゾールなどの複素環式ビニルアミン
類、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビ
ニルイソブチルエーテルなどのビニルエーテル類、ビニ
ルトリスアルコキシシランなどの加水分解性シリル基含
有モノマー、塩化ビニル、塩化ビニリデンなどのハロゲ
ン含有ビニル単量体など)などが挙げられる。これらの
共重合性モノマーは、単独又は二種以上を組合せて使用
できる。
【0024】好ましい前記親水性樹脂はカルボキシル基
含有親水性樹脂などであり、(メタ)アクリル酸の単独
又は共重合体、(メタ)アクリル酸と他の重合性モノマ
ーとの共重合体が特に好ましい。前記のような親水性高
分子は単独又は二種以上組合せて使用できる。
【0025】前記親水性高分子は、1重量%水溶液の粘
度が10〜1500mPa ・s 、好ましくは50〜100
0mPa ・s 、さらに好ましくは50〜500mPa ・s
(例えば、100〜300mPa ・s )程度である。 [アルカリ金属塩]アニオン性の親水性高分子のアルカ
リ金属塩としては、ナトリウム、カリウム、リチウムな
どが挙げられる。通常、カルボキシメチルセルロースナ
トリウム塩が使用される。これらのアルカリ金属塩は、
単独又は2種以上組み合わせて使用できる。 [第四級アンモニウム塩]前記抗菌性を有する第四級ア
ンモニウム塩としては、下記式(1)で表される化合物
などが使用できる。
【0026】
【化4】
【0027】(式中、R1 〜R4 は同一又は異なって、
飽和又は不飽和C1-30脂肪族炭化水素基、アラルキル
基、モノ−又はジアルキルフェノキシ基、アルキレンオ
キシアルキル基、トリアルキルアンモニウムアルキル基
を示すか、又はR1 〜R4 のうち2又は3つは窒素原子
とともに異項環を形成してもよい。ただし、R1 〜R4
のうち少なくとも1つは飽和又は不飽和C10-30 脂肪族
炭化水素基である。Xはハロゲン原子を示す) 前記式(1)において、R1 〜R4 のうち少なくとも1
つは、直鎖状又は分枝鎖状の飽和又は不飽和脂肪族炭化
水素基であり、他はアラルキル基、モノ−又はジアルキ
ルフェノキシ基、アルキレンオキシアルキル基、トリア
ルキルアンモニウムアルキル基などの置換基から選択で
き、さらにR1 〜R4 のうち2又は3つが窒素原子とと
もに異項環を形成してもよい。前記脂肪族炭化水素の炭
素数は、1〜30、好ましくは10〜30(例えば、1
0〜20)程度である。
【0028】前記第四級アンモニウム塩には、例えば、
アルキルトリメチルアンモニウムハライド(C10-30
ルキルトリメチルアンモニウムクロリドなど)、アルケ
ニルトリメチルアンモニウムハライド(C10-30 アルケ
ニルトリメチルアンモニウムクロリドなど)、ジアルキ
ルジメチルアンモニウムハライド(ジ−C10-30 アルキ
ルジメチルアンモニウムクロリドなど)、ジアルケニル
ジメチルアンモニウムハライド(ジ−C10-30 アルケニ
ルジメチルアンモニウムクロリドなど)、下記式
(3): [C6 5 CH2 N(CH3 2 6 + - (3) (式中、R6 はアルキル基、Xはハロゲン原子を示す)
で表されるアルキルベンジルジメチルアンモニウムハラ
イド[C10-30 アルキルベンジルジメチルアンモニウム
クロリド(塩化ベンザルコニウム)、4−C1-9アルキ
ルフェニルオキシエトキシエチルベンジルジメチルアン
モニウムクロリド(例えば、塩化ベンゼトニウムなど)
など]、及びアルキルピリジニウムハライド(N−C
10-30 アルキルピリジニウムブロミドなど)、アルキル
ピペリジニウムハライド、アルキルピロリウムハライ
ド、アルキルピロリジニウムハライドなどの環状第四級
アンモニウム塩などが含まれる。
【0029】好ましい第四級アンモニウム塩では、前記
式(1)におけるR1 〜R4 のうちR1 が直鎖状又は分
岐状飽和又は不飽和C10-30 脂肪族炭化水素基であり、
2がアラルキル基である。さらにR3 及び/又はR4
が同一又は異なってもよい直鎖状又は分岐状飽和又は不
飽和C1-9 脂肪族炭化水素基である。このような化合物
のうち、塩化ベンザルコニウム(例えば、R1 がC12
25、C1429、R2 及びR4 がメチル基、R3 がベンジ
ル基などの場合)などが特に好ましい。ハロゲン原子X
には、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が含まれる。前記の
ような抗菌性を有する第四級アンモニウム塩は、単独又
は二種以上を組合せて使用できる。
【0030】本発明の抗菌性組成物を構成する上で、特
に好ましい塩は、カルボキシメチル基含有セルロース及
びカルボキシメチル基含有デンプンから選択された少な
くとも一種のDS値が1.5未満(例えば、0.3〜
1.3程度)のカルボキシル基含有親水性高分子の塩で
あって、その塩がアルカリ金属塩と前記抗菌性を有する
第四級アンモニウム塩との混合塩である。
【0031】[ アルカリ金属塩と第四級アンモニウム塩
との割合]親水性高分子のアニオン性基1モル当たりの
塩の形成割合は、例えば、30〜100%、好ましくは
50〜100%、さらに好ましくは70〜100%程度
である。
【0032】また、形成された塩のうち、アルカリ金属
塩と第四級アンモニウム塩との割合は、例えば、前者/
後者=0.1/0.9〜0.9/0.1(モル比)程度
であり、好ましくは0.2/0.8〜0.8/0.2、
さらに好ましくは0.4/0.6〜0.6/0.4程度
である。
【0033】本発明の抗菌性組成物は、水性媒体に安定
に分散しており、水性分散体を形成している。水性分散
体の抗菌剤又は抗菌性組成物の割合は、例えば、1〜6
0重量%、好ましくは5〜50重量%、さらに好ましく
は10〜40重量%程度である。
【0034】なお、本発明の抗菌剤は、分散安定性が高
いが、必要であれば、界面活性剤や分散剤などを用いて
乳化分散させてもよい。
【0035】本発明の抗菌性組成物は、他の添加剤を含
んでいてもよい。他の添加剤としては、可塑剤、滑剤、
紫外線吸収剤、酸化防止剤、充填剤、帯電防止剤、着色
剤、防黴剤、抗菌剤などを含有していてもよい。これら
の添加剤は一種又は二種以上を組み合わせて使用でき
る。 [抗菌性組成物の製造方法]本発明の抗菌性組成物は、
アニオン性の親水性高分子のアルカリ金属塩を含む水性
溶液に、抗菌性を有する第四級アンモニウム塩を添加
し、混合塩を形成することにより製造できる。
【0036】親水性高分子のアルカリ金属塩水溶液の濃
度は、0.1〜20重量%、好ましくは0.3〜5重量
%、さらに好ましくは0.5〜2重量%程度である。ま
た、第四級アンモニウム塩は、水溶液として添加し、そ
の濃度は、1〜80重量%、好ましくは5〜60重量
%、さらに好ましくは10〜50重量%程度である。
【0037】第四級アンモニウム塩の添加量は、例え
ば、1当量のアニオン性基(例えば、カルボキシル基又
はその塩)に対して、0.9当量以下(例えば、0.1
〜0.9当量)、好ましくは0.2〜0.87当量、さ
らに好ましくは0.4〜0.85当量程度である。
【0038】本発明の抗菌性組成物は、アルカリ金属塩
と第四級アンモニウム塩との混合塩を使用することによ
り、水性媒体に対して、長期間安定に分散している。従
って、有機溶剤の使用に適さない塗料や基材(例えば、
水性塗料、コーティング剤、壁材など)においても、抗
菌性を付与できる。
【0039】さらに、水性分散体の形態で得られた抗菌
性組成物は、基材などに塗布する場合、塗布性(作業
性)に優れているばかりか、塗布後、乾燥すれば、水及
び有機溶剤に対して難溶性を示す。
【0040】
【発明の効果】本発明では、アルカリ金属塩と第四級ア
ンモニウム塩との混合塩を使用するので、水性溶媒に対
して長期間安定な抗菌性組成物を得ることができる。
【0041】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定さ
れるものではない。
【0042】実施例1〜3 アニオン性の親水性高分子のナトリウム塩水溶液に、室
温下、攪拌しなら塩化ベンザルコニウム水溶液を、少量
ずつ添加した。それぞれの分散液において、48時間後
の分散状態を観測した。使用した化合物、各濃度、添加
量、および得られた結果を表1に示す。
【0043】
【表1】
【0044】(1)CMC:ダイセル化学工業( 株) 製
<1260>、DS0.9、純度91% (2)アルギン酸ナトリウム:紀文フード( 株) 製、純
度91% (3)塩化ベンザルコニウム:東邦化学工業( 株) 製、
純度49.7% 、分子量366.5 表1から明らかなように、本発明の抗菌性組成物は、比
較例に比べ、長時間放置しても安定な分散状態を維持し
ていた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C090 AA08 BA01 BA04 BA05 BA12 BA13 BA14 BA17 BA24 BA29 BA36 BA41 BA42 BA43 BA44 BA46 BA49 BA50 BA61 BA66 BA67 BA68 BA70 BA71 BA72 BA73 BA91 BA92 BB62 BB63 BB64 BB65 BB98 BD03 BD31 BD34 BD36 BD41 DA21 DA28 4H011 AA02 AA03 BA01 BA06 BB04 BB08 BB19 BC18

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アニオン性の親水性高分子の塩で構成さ
    れた抗菌性組成物であって、前記塩が、アルカリ金属塩
    と、抗菌性を有する第四級アンモニウム塩との混合塩で
    ある抗菌性組成物。
  2. 【請求項2】 アニオン性の親水性高分子の塩が水性媒
    体中に分散している請求項1記載の抗菌性組成物。
  3. 【請求項3】 親水性高分子が親水性多糖類又は親水性
    樹脂である請求項1記載の抗菌性組成物。
  4. 【請求項4】 親水性高分子が水溶性ホモグリカンであ
    る請求項1記載の抗菌性組成物。
  5. 【請求項5】 親水性高分子が、カルボキシル基含有セ
    ルロース、カルボキシル基含有デンプン、ペクチン酸、
    アルギン酸及びこれらの誘導体から選択された少なくと
    も一種である請求項1記載の抗菌性組成物。
  6. 【請求項6】 親水性高分子が、カルボキシル基含有樹
    脂である請求項1記載の抗菌性組成物。
  7. 【請求項7】 親水性高分子が、ポリ(メタ)アクリル
    酸又はその誘導体である請求項1記載の抗菌性組成物。
  8. 【請求項8】 アニオン性の親水性高分子のアルカリ金
    属塩がナトリウム塩である請求項1記載の抗菌性組成
    物。
  9. 【請求項9】 第四級アンモニウム塩が下記式(1) 【化1】 (式中、R1 〜R4 は同一又は異なって、飽和又は不飽
    和C1-30脂肪族炭化水素基、アラルキル基、モノ−又は
    ジアルキルフェノキシ基、アルキレンオキシアルキル
    基、トリアルキルアンモニウムアルキル基を示すか、又
    はR1 〜R4 のうち2又は3つは窒素原子とともに異項
    環を形成してもよい。ただし、R1 〜R4 のうち少なく
    とも1つは飽和又は不飽和C10-30 脂肪族炭化水素基で
    ある。Xはハロゲン原子を示す)で表される請求項1記
    載の抗菌性組成物。
  10. 【請求項10】 式(1)において、R1 〜R4 のうち
    少なくとも1つが飽和又は不飽和C10-30 脂肪族炭化水
    素基であり、少なくとも1つがアラルキル基である請求
    項9記載の抗菌性組成物。
  11. 【請求項11】 カルボキシメチル基含有セルロース及
    びカルボキシメチル基含有デンプンから選択された少な
    くとも一種のカルボキシル基含有親水性高分子の塩であ
    って、前記塩がアルカリ金属塩と、抗菌性を有する第四
    級アンモニウム塩との混合塩であって、前記親水性高分
    子の無水グルコース単位当たりのカルボキシメチル基の
    置換度が1.5未満である抗菌性組成物。
  12. 【請求項12】 アルカリ金属塩と第四級アンモニウム
    塩との割合が、前者/後者=0.1/0.9〜0.9/
    0.1(モル比)である請求項1記載の抗菌性組成物。
  13. 【請求項13】 アニオン性の親水性高分子のアルカリ
    金属塩を含む水性溶液に、抗菌性を有する第四級アンモ
    ニウム塩を添加し、混合塩を形成する抗菌性組成物の製
    造方法。
JP10234285A 1998-08-20 1998-08-20 抗菌性組成物 Pending JP2000063208A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003238316A (ja) * 2002-02-20 2003-08-27 Dainichiseika Color & Chem Mfg Co Ltd 有用植物の胴枯性病菌の生育抑制剤及び胴枯性病防除方法
JP2007230920A (ja) * 2006-03-01 2007-09-13 Toppan Printing Co Ltd 抗菌抗カビ剤
JP2011505340A (ja) * 2007-11-27 2011-02-24 アルギファルマ アイピーアール エーエス バイオフィルムと闘う際のアルギネートオリゴマーの使用
CN112870088A (zh) * 2021-01-27 2021-06-01 佛山市优特医疗科技有限公司 一种吸湿成胶透明的面膜

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