JP5108472B2 - ウレタン発泡成形体、その製造方法、および磁気誘導発泡成形装置 - Google Patents

ウレタン発泡成形体、その製造方法、および磁気誘導発泡成形装置 Download PDF

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Description

本発明は、例えば吸音材や振動吸収材等として用いられるウレタン発泡成形体、その製造方法、およびウレタン発泡成形体の製造に好適な磁気誘導発泡成形装置に関する。
ウレタン発泡成形体は、クッション材、吸音材、振動吸収材等として、日用品、自動車、建築等の様々な分野で多用されている。ウレタン発泡成形体は、通常、液状の発泡ウレタン樹脂原料を、発泡型のキャビティ内で発泡成形することにより製造される(例えば、特許文献1、2参照)。一方、ウレタン発泡成形体における欠肉等の不具合を解消するため、特許文献3には、発泡ウレタン樹脂原料に磁性体を配合し、一方向から磁場をかけて磁性体を引きつけながら発泡成形する方法が開示されている。また、発泡成形ではないが、樹脂成形品に導電性や熱伝導性を付与する方法として、樹脂に金属磁性体の粉末を混練し、磁場中で成形する方法が開示されている(例えば、特許文献4参照)。
特開2003−97645号公報 特開2005−48023号公報 特開2006−181777号公報 特開2002−11758号公報
しかしながら、磁場を利用したこれまでの成形方法では、発泡型等のキャビティ内における磁力分布は考慮されていない。例えば、対向する磁石間で成形を行った場合には、磁石の外周に近いほど外側に逃げる磁力線が多くなる。このため、磁石の拡径方向に沿って磁束密度は小さくなる。また、磁石間の間隔が大きくなると、磁石との距離に応じて磁束密度に差が生じやすい。よって、キャビティ内に充填される成形材料の全体に、一様な磁場を作用させることは難しい。磁性体を配合した成形材料を磁場中で成形した場合、磁性体は磁力線に沿って配向する。したがって、磁力線が一様ではなく、磁束密度の差が大きい磁場中では、磁束密度に応じて磁性体が偏在した成形体が製造される。
したがって、磁束密度が均一でなく、磁場勾配のある磁場中で発泡成形を行った場合には、発泡ウレタン樹脂原料中の磁性体が磁力線に沿って不要な方向に移動して、所望の配向状態が得られない。このため、製造されたウレタン発泡成形体において、所望の特性を得ることは難しい。この場合、例えば磁性体の配合量を増加して、磁性体の分散性を向上させることは可能である。しかし、磁性体の配合量が増加した分だけ、発泡成形への影響が大きくなる。その結果、吸音特性、断熱性、クッション性等の様々な特性が低下するおそれがある。また、ウレタン発泡成形体の重量が増加し、製造コストも大きくなる。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、磁性体が所定の配向状態で含有されたウレタン発泡成形体、その製造方法、およびウレタン発泡成形体の製造に好適な磁気誘導発泡成形装置を提供することを課題とする。
(1)本発明のウレタン発泡成形体は、配向された磁性体を有し、該磁性体は、配向方向と略垂直方向において略均一に分散されていることを特徴とする(請求項1に対応)。
本発明のウレタン発泡成形体において、磁性体は、ある規則性を持って所定の方向に配置されていればよい。例えば、一端面と他端面(一端面に対して180°対向した端面でなくてもよい)との間に直線状に配置されていても、曲線状に形成されていてもよい。また、中心から外周に向かって放射状に形成されていてもよい。ここで、磁性体は、配向方向と略垂直方向において略均一に分散されている。配向方向と略垂直方向において磁性体が偏在していないため、磁性体の配向効果が充分に発揮され、配向状態に応じた所望の特性を得ることができる。また、磁性体が略均一に分散されているため、磁性体の含有量が比較的少なくても、磁性体の配向効果を得ることができる。
(2)また、本発明のウレタン発泡成形体の製造方法は、発泡ウレタン樹脂原料と磁性体とを含む原料を発泡型のキャビティ内に注入する原料注入工程と、該キャビティ内の磁束密度が略均一になるように磁場を作用させながら発泡成形する発泡成形工程と、を有することを特徴とする(請求項2に対応)。
発泡成形工程では、キャビティ内の磁束密度が略均一になるような磁場中で発泡成形を行う。このため、磁束密度の違いによる磁性体の偏在を抑制することができ、所望の配向状態を得ることができる。また、磁性体の配合量が比較的少量でも、磁性体を略均一に分散させた状態で配向させることができる。したがって、本発明のウレタン発泡成形体の製造方法によると、所望の特性を有するウレタン発泡成形体を、簡便かつ低コストに製造することができる。
(3)また、本発明の磁気誘導発泡成形装置は、強磁性体からなる芯部と、該芯部の外周面に配置されているコイル部と、を有し、該芯部の軸方向に所定間隔離間して対向して配置されている一対の電磁石部と、該一対の電磁石部間に介装され、内部にキャビティが区画されている発泡型と、該一対の電磁石部における各々の該芯部の背向面同士を接続し、一対の該背向面同士の間に磁路を形成するヨーク部と、を備え、該発泡型の該キャビティ内に一様な磁場が形成されることを特徴とする(請求項5に対応)。
本発明の磁気誘導発泡成形装置によると、一対の電磁石部における各々の芯部と、発泡型のキャビティと、ヨーク部と、から構成される磁気回路において、磁力線が閉ループを形成する。このため、磁力線の漏洩が抑制され、キャビティ内に安定した一様磁場を形成することができる。また、磁場の強さ等を制御しやすく、磁力線の漏洩による外部への影響も少ない。また、磁力線の漏洩が抑制されるため、磁力の無駄が少なく、装置自体を小型化することができる。このように、本発明の磁気誘導発泡成形装置によると、キャビティ内に一様磁場を容易に形成することができる。よって、上記本発明のウレタン発泡成形体の製造に好適である。
以下、本発明のウレタン発泡成形体、その製造方法、および磁気誘導発泡成形装置の実施形態について説明する。なお、本発明のウレタン発泡成形体、その製造方法、および磁気誘導発泡成形装置は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、当業者が行い得る変更、改良等を施した種々の形態にて実施することができる。
<ウレタン発泡成形体>
上述したように、本発明のウレタン発泡成形体は、配向された磁性体を有する。磁性体は、いわゆる磁性材料であれば特に限定されるものではない。例えば、鉄、ニッケル、コバルト、ガドリニウム、ステンレス鋼等の強磁性体、MnO、Cr、FeCl、MnAs等の反強磁性体、およびそれらを用いた合金類が好適である。例えば、ウレタン発泡成形体の放熱性を向上させたい場合には、ステンレス鋼、銅鉄合金等が好適である。ここで、ステンレス鋼は、防錆性能に優れ、ポリウレタンフォームとの接合強度も高い。また、銅鉄合金は、銅および鉄の共晶合金であり、例えば特公平3−064583号公報に記載されているような半硬質磁性銅鉄合金が望ましい。このような銅鉄合金は、細かく粉砕しても銅と鉄の剥離を生じない。このため、銅が有する高い熱伝導率と鉄が有する磁性との2つの特徴を合わせ持つ。よって、同じ含有量であっても他の磁性体と比較して、より高い放熱効果を得ることができる。
磁性体の大きさ、形状等は、特に限定されるものではない。例えば、磁性流体(Magnetic fluid;MF)を構成するナノサイズの粒子、磁気粘性流体(Magneto−Rheological流体;MR流体)を構成するミクロンサイズの粒子であってもよい。また、球状、楕円球状、長円球状(一対の対向する半球を円柱で連結した形状)、水滴形状、柱状、薄板状、箔状、繊維状、針状等の種々の形状を有する磁性フィラーであってもよい。
磁性フィラーは熱伝導性が良好である。よって、磁性体として磁性フィラーを含有する場合には、放熱性に優れたウレタン発泡成形体となる。また、磁性フィラーが球以外の形状をなす場合には、配向した磁性フィラー同士が、点ではなく、線および面の少なくとも一方で接触する。このため、点で接触する場合と比較して、磁性フィラー同士の接触面積が大きくなる。これにより、熱の伝達経路が確保されやすくなると共に、伝達される熱量も大きくなる。よって、放熱性がより高くなる。
球以外の形状をなす磁性フィラーの場合、放熱性をより高くするという観点から、磁性フィラーのアスペクト比は2以上であることが望ましい。本明細書では、アスペクト比を次式(1)により定義する。
アスペクト比=b/(a・a’)・・・式(1)
式(1)において、bは磁性フィラーの最大長さ、aは軸直方向断面横辺の長さ、a’は軸直方向断面縦辺の長さを示す。ここで、「軸直方向断面横辺の長さ」、「軸直方向断面縦辺の長さ」は次のようにして決定される。すなわち、磁性フィラーの最大長さbを軸として、当該軸と垂直な方向(軸直方向)の断面形状が内接する四角形を定め、この四角形を平面視した時の横方向の長さを「軸直方向断面横辺の長さa」とし、縦方向の長さを「軸直方向断面縦辺の長さa’」とする。以下、具体的な形状を挙げて、説明する。
図1に、磁性フィラーの各形状における最大長さ、軸直方向断面横辺の長さ、軸直方向断面縦辺の長さを示す。図1において(a)は円柱状の場合を、(b)は薄板状の場合を、(c)は繊維状の場合を、各々示す。なお、図1(a)〜(c)に示した形状は例示にすぎず、磁性フィラーはこれらの形状に限定されるものではない。まず、(a)に示す円柱状の場合には、軸方向の長さが最大長さbとなる。軸直方向断面形状は円となる。当該円が内接する四角形の横方向の長さが「軸直方向断面横辺の長さa」となり、縦方向の長さが「軸直方向断面縦辺の長さa’」となる。次に、(b)に示す薄板状の場合には、長手方向が軸方向となり、長手方向の長さが最大長さbとなる。軸直方向断面形状は長方形となるため、この長方形の横方向の長さが「軸直方向断面横辺の長さa」となり、縦方向の長さ(厚さに相当)が「軸直方向断面縦辺の長さa’」となる。次に(c)に示す繊維状の場合には、軸方向の長さが最大長さbとなる。軸直方向断面形状は略楕円となる。しかしながら、(c)の繊維状の場合、長手方向中央部が大きく両端部が小さい「細長い樽」のような形状を呈している。このため、長手方向全長において、軸直方向断面の大きさが一定ではない。すなわち、位置αと位置βと位置γとでは、楕円の断面積が異なる。この場合は、断面積が最大となる位置βの楕円が内接する四角形の横方向の長さが「軸直方向断面横辺の長さa」となり、縦方向の長さが「軸直方向断面縦辺の長さa’」となる。
本発明のウレタン発泡成形体において、配向された磁性体は、配向方向と略垂直方向において略均一に分散されている。一例として、磁性体が、一端面から外内方向にスパイク状に配向されている態様が挙げられる。本態様によると、配向方向と略垂直方向における磁性体の濃度は、ほとんど変わらない。つまり、磁性体は、配向方向と略垂直方向において略均一に分散されている。一方、配向方向では、磁性体の濃度は変化している。ここで、磁性体の濃度は、配向方向に沿って漸次滑らかに変化していてもよく、ステップ状に変化していてもよい。これに対して、磁性体は、配向方向と略垂直方向だけでなく、配向方向おいても略均一に分散されていてもよい。すなわち、ウレタン発泡成形体の全体において磁性体の濃度が変化せず、磁性体が略均一に分散されていてもよい。この場合、ウレタン発泡成形体の全体において、磁性体の配向状態は略一様となる。
<ウレタン発泡成形体の製造方法>
本発明のウレタン発泡成形体の製造方法は、原料注入工程と発泡成形工程とを有する。以下、各工程について説明する。
(1)原料注入工程
本工程は、発泡ウレタン樹脂原料と磁性体とを含む原料を発泡型のキャビティ内に注入する工程である。発泡ウレタン樹脂原料は、ポリイソシアネート成分およびポリオール成分等の既に公知の原料から調製すればよい。
ポリイソシアネート成分としては、例えば、トリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、およびこれらの誘導体(例えばポリオール類との反応により得られるプレポリマー類、変成ポリイソシアネート類等)等の中から適宜選択すればよい。また、ポリオール成分としては、多価ヒドロキシ化合物、ポリエーテルポリオール類、ポリエステルポリオール類、ポリマーポリオール類、ポリエーテルポリアミン類、ポリエステルポリアミン類、アルキレンポリオール類、ウレア分散ポリオール類、メラミン変性ポリオール類、ポリカーボネートポリオール類、アクリルポリオール類、ポリブタジエンポリオール類、フェノール変性ポリオール類等の中から適宜選択すればよい。
さらに、触媒、発泡剤、整泡剤、架橋剤、難燃剤、帯電防止剤、減粘剤、安定剤、充填剤、着色剤等を適宜配合してもよい。例えば、触媒としては、テトラエチレンジアミン、トリエチレンジアミン、ジメチルエタノールアミン等のアミン系触媒や、ラウリン酸錫、オクタン酸錫等の有機金属系触媒が挙げられる。また、発泡剤としては水が好適である。水以外には、塩化メチレン、フロン、COガス等が挙げられる。また、整泡剤としてはシリコーン系整泡剤が、架橋剤としてはトリエタノールアミン、ジエタノールアミン等が好適である。
発泡型のキャビティ内に注入される原料は、上記発泡ウレタン樹脂原料を必須成分として、様々な態様を採用することができる。例えば、磁性体として上述した磁性フィラーを用いる場合には、当該原料を、発泡ウレタン樹脂原料と磁性フィラーとを混合した混合材料とすればよい(第一の態様)。この場合、磁性フィラーの配合量は、放熱性の向上効果、吸音特性、コスト等を考慮して適宜決定すればよい。例えば、放熱性を向上させるという観点からは、磁性フィラーの配合量を、ウレタン発泡成形体の体積を100体積%とした場合の0.1体積%以上とすることが望ましい。1体積%以上とするとより好適である。一方、磁性フィラーの分散性、吸音特性への影響等を考慮して、磁性フィラーの配合量を20体積%以下とすることが望ましい。3体積%以下とするとより好適である。
また、磁性体の配向方向における特性と、該配向方向と交差する方向における特性と、が異なるウレタン発泡成形体は、異方性が要求される用途に好適である。異方性を有するウレタン発泡成形体は、例えば、一端から他端に向かって連通するよう配向された空孔を持つ発泡本体を有するよう構成することができる。この場合、ウレタン発泡成形体における荷重−変位曲線から、空孔の配向方向における静ばね定数が、該配向方向と略垂直方向における静ばね定数の2倍以上であることが望ましい。4倍以上、さらには10倍以上であるとより好適である。なお、本明細書における静ばね定数は、厚さ20mmの試料を、厚さ方向へ2mm(10%)圧縮した時の荷重を変位で除して算出した値とする。
このようなウレタン発泡成形体を製造する場合には、上記原料を、発泡ウレタン樹脂原料と磁気粘性流体とを混合した混合材料とすればよい(第二の態様)。本態様において、「磁気粘性流体」は、上記MR流体だけでなく、広く「溶媒中に磁性体の微粒子が分散された流体」を意味する。したがって、「磁気粘性流体」には、ミクロンサイズの磁性体粒子を含有するMR流体の他、ナノサイズの磁性体粒子を含有するMFにミクロンサイズの磁性体粒子を混合した磁気混合流体(Magnetic compound fluid;MCF)等が含まれる。ここでいう磁気混合流体(MCF)は、例えば特開2002−170791号公報に記載されている粒子分散型混合機能性流体のようなものである。市販の「磁気粘性流体」として、例えば、シグマハイケミカル社製の商品「E−600」、ロード社製の商品「MRF−122−2ED」、「MRF−132DG」、「MRF−140CG」等を用いることができる。
磁気粘性流体に磁場が加わると、分散していた磁性体粒子が磁界の方向に沿って連結し、鎖状のクラスターを形成する。これにより、磁気粘性流体の粘度が急激に上昇する。磁場中での発泡成形時には、磁気粘性流体は増粘すると共に、磁界の方向、すなわち発泡型の一端から他端の方向に配向する。これについては後述する。
発泡性を向上させ、より軽量なウレタン発泡成形体を製造する等の観点からは、磁気粘性流体として、発泡を阻害するような添加剤(例えば破泡効果を有する安定剤等)の含有量が少ないものが望ましい。また、磁性体粒子は、溶媒中に略均一に分散していることが望ましい。このような要求を満たすため、例えば、磁気粘性流体を、溶媒と、該溶媒に分散された磁性体粒子と、該磁性体粒子の沈降を抑制するための沈降防止剤と、を含んで構成するとよい。なお、本構成の磁気粘性流体には、発泡を阻害しない他の添加剤(例えば着色剤等)が配合されていても構わない。本構成によれば、上記MR流体やMCFを用いた場合と比較して、発泡率を向上させることができると共に、例えば、密度が0.2g/cm以下の軽量なウレタン発泡成形体を製造することができる。さらに、溶媒と、該溶媒に分散された磁性体粒子と、該磁性体粒子の沈降を抑制するための沈降防止剤と、のみから磁気粘性流体を構成すると、ウレタン発泡成形体の軽量化、低コスト化により好適である。
ここで、磁性体粒子を分散させる溶媒としては、例えばケロシン、イソパラフィン、ポリαオレフィン等の油ベースのものが挙げられる。なかでも、常温や高温雰囲気下で揮発しにくいという理由から、ポリαオレフィンが好適である。また、沈降防止剤としては、スメクタイト等が好適である。
磁性体粒子の粒子径は、1μm以上10μm以下であることが望ましい。ここでは、磁性体粒子の最大径を粒子径として採用する。後に詳しく述べるが、発泡成形工程において、発泡ウレタン樹脂原料中には気泡が生成される。磁気粘性流体は、気泡の膜(泡膜)に侵入し、磁場の作用下でセルの骨格となる泡膜の流動をコントロールする(後出の図2参照)。粒子径が1μm未満の場合には、磁場が加わった際の、泡膜に対する磁性体粒子の影響が小さくなる。このため、泡膜をコントロールすることが難しい。一方、粒子径が10μmを超えると、溶媒と磁性体粒子とが分離して、磁性体粒子が沈降しやすくなる。このため、磁性体粒子のみが配向するおそれがあり、泡膜をコントロールすることが難しくなる。
発泡ウレタン樹脂原料に対する磁気粘性流体の配合量は、所望の空孔が形成されるよう、また、得られるウレタン発泡成形体の物性を考慮して、適宜調整すればよい。例えば、磁場に対する応答性を確保するためには、磁気粘性流体を、ポリイソシアネート成分とポリオール成分とを合わせたものの100重量部に対して10重量部以上配合することが望ましい。15重量部以上配合するとより好適である。反対に、ウレタン発泡成形体の物性や、反応状態への影響を考慮すると、磁気粘性流体の配合量を、ポリイソシアネート成分とポリオール成分とを合わせたものの100重量部に対して70重量部以下とすることが望ましい。40重量部以下とするとより好適である。
混合材料を構成する発泡ウレタン樹脂原料、磁気粘性流体は、いずれも液体である。よって、発泡ウレタン樹脂原料と磁気粘性流体との混合状態は良好であり、粉末の磁性体を使用する場合に生じやすい粉末粒子の沈降、分散性不良という問題は生じない。また、取り扱いも容易であり、設備への負担も少ない。
また、磁性体の配向方向において特性の異なるウレタン発泡成形体を製造する場合には、上記原料を、発泡ウレタン樹脂原料と、MF、MR流体、MCFから選ばれる少なくとも一つ(以下、適宜「MF等」と称す)と、から構成すればよい。そして、発泡ウレタン樹脂原料とMF等とを混合せずに別々にキャビティ内に注入すればよい(第三の態様)。例えば、発泡ウレタン樹脂原料を注入する前に、キャビティの底部にMF等を予め注入しておくと、MF等に含まれている磁性体が、MF等が敷設された面から磁力線の方向に沿って配向する。これにより、磁性体の配向方向に沿って、セル構造を変化させることができる。
本態様で使用するMF、MR流体、MCFは、磁性体を分散させる溶媒が、発泡ウレタン樹脂原料の発泡反応に影響しやすいものを用いることが望ましい。例えば、水、ポリαオレフィン等が挙げられる。特に、MR流体およびMCFの少なくとも一方を使用するとよい。MR流体やMCFは、発泡ウレタン樹脂原料の発泡反応に対する影響が大きい。すなわち、MR流体やMCFに磁場を加えると、粘度が急激に上昇する。このため、磁場中における発泡成形時には、MR流体やMCFが、発泡ウレタン樹脂原料の発泡反応よりも先に配向流動して、発泡ウレタン樹脂原料を拘束する。このため、発泡反応が進行しにくくなる。その結果、MR流体やMCFが作用した部分のセル構造を、大きく変化させることができる。以上、原料の構成として三態様を例示した。所定の原料を注入し、閉型された発泡型は、速やかに次の発泡成形工程に供される。
(2)発泡成形工程
本工程は、発泡型のキャビティ内の磁束密度が略均一になるように磁場を作用させながら発泡成形する工程である。例えば、磁性体を直線状に配向させる場合、発泡型のキャビティ内の磁力線が、キャビティの一端から他端に向かって略平行になるよう形成することが望ましい。この場合、例えば発泡型を挟むように、発泡型の一端および他端の両面近傍に磁石を配置すればよい。磁石には、永久磁石または電磁石を用いればよい。電磁石を用いると、磁場形成のオン、オフを瞬時に切り替えることができ、磁場の強さの制御が容易である。このため、発泡成形を制御しやすい。ここで、磁場を構成する磁力線は閉ループを形成していることが望ましい。こうすることで、磁力線の漏洩が抑制され、キャビティ内に安定した一様磁場を形成することができる。なお、発泡型の外部に配置した磁石により、発泡型の内部に磁場を形成させるため、発泡型としては透磁率の低い材質、つまり非磁性の材質のものを使用するとよい。例えば、通常ポリウレタンの発泡成形に使用されるアルミニウムやアルミニウム合金製の発泡型であれば問題ない。この場合、電磁石等の磁力源から発生する磁場、磁力線が影響を受けにくく、磁場状態のコントロールがしやすい。ただし、必要とする磁場、磁力線の状態に応じて適宜、磁性材料のものを使用してもよい。
本工程において、キャビティ内の磁束密度は略均一である。例えば、キャビティ内の磁束密度の差が、±10%以内であるとよい。±5%以内、さらには±3%以内であるとより好適である。発泡型のキャビティ内に一様な磁場を形成することで、磁性体の偏在を抑制することができ、所望の配向状態を得ることができる。
磁場は、発泡ウレタン樹脂原料の粘度が比較的低い間にかけられることが望ましい。発泡ウレタン樹脂原料が増粘し、発泡成形がある程度終了した時に磁場をかけると、磁性体が配向しにくいため、所望の特性を得ることが難しい。なお、発泡成形を行う時間のすべてにおいて磁場をかける必要はない。
例えば、上記原料注入工程において、第一の態様の原料を採用した場合には、発泡ウレタン樹脂原料中に分散していた磁性フィラーが、発泡成形時に磁界の方向に沿って連結して配向される。
また、第二の態様の原料を採用した場合には、上述したように、発泡成形時に磁気粘性流体が増粘すると共に、磁界の方向に配向する。この場合、発泡成形工程における反応は以下のように考えられる。図2に、本態様の発泡成形工程における反応の一部をモデル図で示す。図2(a)に示すように、発泡成形工程では、発泡ウレタン樹脂原料90中に気泡92が生成される。気泡92の膜(泡膜)920表面は、発泡ウレタン樹脂原料90に含まれる整泡剤900により安定化されている。発泡ウレタン樹脂原料90には磁気粘性流体91が混合されている。磁気粘性流体91は、溶媒910中に磁性体粒子911が分散されてなる。気泡92が生成されると、磁気粘性流体91は、泡膜920に侵入する。つまり、溶媒910がキャリアとなり、磁性体粒子911が泡膜920に侵入する。一方、溶媒910は破泡作用を有する。よって、泡膜920に侵入した溶媒910により、図2(b)に示すように、気泡92は破壊される。ここで、磁場が加わると(図中、磁場は上下方向)、磁性体粒子911の配向により泡膜920が流動し、ウレタン発泡成形体の骨格が形成される。その結果、一端から他端に向かって連通するよう配向された空孔が形成される。
空孔は、磁気粘性流体に含まれている磁性体の配向方向と同じ方向に配向される。空孔は、一端から他端に向かって連通していればよく、個々の空孔同士が途中で連通していても構わない。また、端面に表出している空孔(開口部)の形状、大きさ、単位面積当たりの数等は、特に限定されるものではない。これらは、原料や発泡の方法、条件等により調整することができるため、用途に応じて、適宜調整すればよい。
また、第三の態様の原料を採用した場合には、MF等に含まれている磁性体が、発泡成形時に磁界の方向に配向することにより、MF等が流動する。上記原料注入工程において、発泡ウレタン樹脂原料とMF等とは、混合されずに別々にキャビティ内に注入されている。このため、発泡ウレタン樹脂原料のうち、MF等に近い部分は、配向流動するMF等により拘束されながら発泡する。この際、MF等の濃度が高いほど、発泡反応への影響が大きい。したがって、MF等による発泡反応への影響の程度に応じて、形成されるセル構造が変化する。また、MF等の種類、配合量、磁場の強さ等により、セル構造を容易に制御することができる。
本工程にて発泡成形が終了した後、脱型して、本発明のウレタン発泡成形体を得る。この際、発泡成形の仕方により、ウレタン発泡成形体の一端および他端の少なくとも一方に、スキン層が形成される。当該スキン層は、用途に応じて切除してもよい(勿論切除しなくてもよい)。
<磁気誘導発泡成形装置>
以下、本発明の磁気誘導発泡成形装置の一実施形態について説明する。まず、本実施形態の磁気誘導発泡成形装置の構成について説明する。図3に、磁気誘導発泡成形装置の斜視図を示す。図4に、磁気誘導発泡成形装置の部分断面図を示す。図3、図4に示すように、磁気誘導発泡成形装置1は、一対の電磁石部2U、2Dと、ヨーク部3と、を備えている。
電磁石部2Uは、芯部20Uとコイル部21Uとを備えている。芯部20Uは、強磁性体製であって、上下方向に延びる円柱状を呈している。コイル部21Uは、芯部20Uの外周面に配置されている。コイル部21Uは、芯部20Uの外周面に巻装された導線210Uにより、形成されている。導線210Uは、電源(図略)に接続されている。
電磁石部2Dは、発泡型4を挟んで、上記電磁石部2Uの下方に配置されている。電磁石部2Dは、上記電磁石部2Uと同様の構成を備えている。すなわち、電磁石部2Dは、芯部20Dとコイル部21Dとを備えている。コイル部21Dは、芯部20Dの外周面に巻装された導線210Dにより、形成されている。導線210Dは、電源(図略)に接続されている。
ヨーク部3は、C字状を呈している。ヨーク部3のC字上端は、電磁石部2Uの芯部20U上端に接続されている。一方、ヨーク部3のC字下端は、電磁石部2Dの芯部20D下端に接続されている。
前記発泡型4は、上型40Uと下型40Dとを備えている。発泡型4は、電磁石部2Uの芯部20Uと電磁石部2Dの芯部20Dとの間に、介装されている。上型40Uは、角柱状を呈している。上型40Uの下面には、円筒状の凹部が形成されている。同様に、下型40Dは、角柱状を呈している。下型40Dの上面には、円筒状の凹部が形成されている。上型40Uと下型40Dとは、互いの凹部の開口同士が向き合うように配置されている。上型40Uと下型40Dとの間には、上記凹部同士が合体することにより、キャビティ41が区画されている。キャビティ41には、所定の原料が充填されている。
次に、本実施形態の磁気誘導発泡成形装置の動きについて説明する。導線210Uに接続された電源および導線210Dに接続された電源を、共にオンにすると、上方の電磁石部2Uの芯部20Uの上端がS極に、下端がN極に磁化される。このため、芯部20Uに、上方から下方に向かって磁力線L(図4に点線で示す)が発生する。また、下方の電磁石部2Dの芯部20Dの上端がS極に、下端がN極に磁化される。このため、芯部20Dに、上方から下方に向かって磁力線Lが発生する。また、芯部20U下端はN極であり、芯部20D上端はS極である。このため、芯部20Uと芯部20Dとの間には、上方から下方に向かって磁力線Lが発生する。前述したように、発泡型4は、芯部20Uと芯部20Dとの間に介装されている。このため、発泡型4のキャビティ41内には、上方から下方に向かって略平行な磁力線Lにより一様な磁場が形成される。
図5に、形成された一様磁場の一例として、キャビティ41内における磁束密度の測定結果を示す。ここで、キャビティ41内の座標軸は以下のように定義した。キャビティ41の中心を座標原点として、前出図3中に方位を示したように、上下方向をZ軸、前後方向をX軸、左右方向をY軸とした。磁束密度の測定は、X軸方向とZ軸方向において行った。また、図5中、X軸位置−50mm〜50mmの区間が、キャビティ41の内部である。図5に示すように、Z軸方向(磁力線Lの方向)における、Z=0mmを基準した時の磁束密度の差は±3%以内であった。同様に、X軸方向における、X=0mmを基準した時の磁束密度の差も±3%以内であった。このように、Z軸、X軸いずれの方向においても、キャビティ41内の磁束密度は略均一であった。
ここで、磁気誘導発泡成形装置1における磁束密度の上記測定結果と、磁場が一様ではない発泡成形装置(以下、「非一様磁場発泡成形装置」と称す)における磁束密度の測定結果と、を比較する。図6に、非一様磁場発泡成形装置の断面図を示す。なお、図3、図4と対応する部材については同じ符号で示す。図6に示すように、非一様磁場発泡成形装置6は、一対の磁石60U、60Dを備えている。一対の磁石60U、60Dは、各々縦50mm×横50mm×厚さ25.4mmの直方体を呈している。一対の磁石60U、60Dの間には、発泡型4が介装されている。発泡型4は、上型40Uと下型40Dとを備えている。上型40Uと下型40Dとの間には、キャビティ41(直径100mm×厚さ20mmの円筒形)が区画されている。キャビティ41には、所定の原料が充填されている。
非一様磁場発泡成形装置6における座標軸は以下のように定義した。図7に、キャビティ41内の座標軸を示す。図7では、説明の便宜上、キャビティ41の型面を点線で示す。図6、図7に示すように、発泡型4の中心を座標原点E(0,0,0)として、上下方向をZ軸、左右方向をX軸、前後方向をY軸とした。図7中、実線はX=0、Y=0、Z=0の仮想平面を示す。磁束密度の測定は、Z=0mm(発泡型4の中央面)、Z=25mm(同上面)、Z=−25mm(同下面)の各面についてA、B、C、D、Eの五箇所で行った。結果を表1に示す。
表1に示すように、例えば、Z=0面におけるX軸方向の磁束密度の差(E点とD点との差)は32.5%であった。また、Z軸方向の各面におけるE点の磁束密度の差は51.3%であった。このように、非一様磁場発泡成形装置6では、本実施形態の磁気誘導発泡成形装置1と比較して、キャビティ41内の磁束密度の差が極めて大きいことがわかる。
次に、本実施形態の磁気誘導発泡成形装置の作用効果について説明する。本実施形態によると、電磁石部2U、2D間には、上方から下方に向かって磁力線Lが発生する。下方の電磁石部2Dの芯部20D下端から放射された磁力線Lは、ヨーク部3を通って、上方の電磁石部2Uの芯部20U上端に流入する。このように、芯部20U、キャビティ41、芯部20D、ヨーク部3から構成される磁気回路において、磁力線Lは閉ループを形成する。このため、磁力線Lの漏洩を抑制することができ、上記図5に示したように、キャビティ41内に安定した一様磁場を形成することができる。また、磁力線Lの漏洩による外部への影響も少ない。また、磁力の無駄が少なく、装置自体の小型化が可能である。また、電磁石部2U、2Dを用いているため、磁場形成のオン、オフを瞬時に切り替えることができ、磁場の強さ等の制御が容易である。
次に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
<実施例A>
(1)ウレタン発泡成形体の製造
磁性体として磁性フィラーを含有する三種類のウレタン発泡成形体を製造した。まず、発泡ウレタン樹脂原料を以下のように調製した。ポリオール成分のポリエーテルポリオール(住化バイエルウレタン社製「S−0248」、平均分子量6000、官能基数3、OH価28mgKOH/g)100重量部と、架橋剤のジエチレングリコール(三菱化学社製)2重量部と、発泡剤の水2重量部と、テトラエチレンジアミン系触媒(花王社製「No.31」)1重量部と、シリコーン系整泡剤(日本ユニカ社製「SZ−1313」)0.5重量部と、を配合し、プレミックスポリオールを調製した。調製したプレミックスポリオールに、ポリイソシアネート成分のジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)(BASFINOACポリウレタン社製「NE1320B」、NCO=44.8wt%)を加えて混合し、発泡ウレタン樹脂原料とした。ここで、ポリオール成分とポリイソシアネート成分との配合比(PO:ISO)は、両者の合計重量を100%として、PO:ISO=78.5:21.5とした。
一方、三種類の磁性フィラーを準備した。すなわち、第一の磁性フィラーとして、ステンレス球(大同特殊鋼社製「DAP440C −30M」:直径30μm以下、平均径約10μm、球形)を、第二の磁性フィラーとして、ステンレスファイバー(虹技社製「KCメタルファイバー SUS430F」:直径約30μm、長さ約2mm)を、第三の磁性フィラーとして、銅鉄合金粉末(銅鉄合金社製「CFA90」:縦約0.5mm×横約0.5mm×厚さ約0.1mmの薄板状)を、使用した。各々のアスペクト比を求めたところ、第一の磁性フィラーは1、第二の磁性フィラーは4444、第三の磁性フィラーは5となった。
次に、調製した発泡ウレタン樹脂原料に、各々の磁性フィラーを混合し混合材料とした。磁性フィラーは、ポリオール成分のポリエーテルポリオール100重量部に対して、第一および第二の磁性フィラーでは121重量部、第三の磁性フィラーでは129重量部配合した。
その後、混合材料をアルミニウム製の発泡型(前出図3、図4参照)のキャビティ(直径100mm×厚さ20mmの円筒形)内に注入し、密閉した。続いて、前出図3、図4に示した磁気誘導発泡成形装置に発泡型を設置して、キャビティ内の磁束密度が略均一になるような一様磁場中で発泡成形を行った。発泡成形は、発泡型を磁気誘導発泡成形装置に設置した後、最初の約2分間は磁場をかけながら行い、続く約5分間は磁場をかけないで行った。
発泡成形が終了した後、脱型して、三種類のウレタン発泡成形体を得た。第一の磁性フィラー(ステンレス球)を配合したウレタン発泡成形体を実施例A1の発泡成形体、第二の磁性フィラー(ステンレスファイバー)を配合したウレタン発泡成形体を実施例A2の発泡成形体、第三の磁性フィラー(銅鉄合金粉末)を配合したウレタン発泡成形体を実施例A3の発泡成形体とした。ここで、実施例A1〜A3の発泡成形体における磁性フィラーの配合量は、いずれもウレタン発泡成形体の体積を100体積%とした場合の約1体積%である。実施例A2、A3の発泡成形体の写真を図8、図9に示す。図8右側に、実施例A2の発泡成形体を上下方向に切断した断面写真を示す。同左側は、比較のため、同じ混合材料を磁場をかけずに発泡成形した発泡成形体の断面写真である。また、図9右側に、実施例A3の発泡成形体を上下方向に切断した断面写真を示す。同左側は、比較のため、同じ混合材料を磁場をかけずに発泡成形した発泡成形体の断面写真である。図8、図9に示すように、磁場をかけずに発泡成形すると、磁性フィラーは単に分散されているだけだが、実施例A2、A3の発泡成形体では、磁性フィラーが上下方向に配向されている。加えて、磁性フィラーは、左右方向(配向方向と略垂直方向)において略均一に分散されている。なお、写真はないが、実施例A1の発泡成形体についても同様に、配向され、かつ略均一に分散された磁性フィラーが観察された。このように、実施例A1〜A3の発泡成形体では、磁性フィラーが偏在することなく、発泡成形体の全体に亘って略均一に分散されていた。
一方、第二の磁性フィラー(ステンレスファイバー)を混合した混合材料について、前出図6に示す非一様磁場発泡成形装置を使用して発泡成形を行った。発泡成形は、上記同様、発泡型を非一様磁場発泡成形装置に設置した後、最初の約2分間は磁場をかけながら行い、続く約5分間は磁場をかけないで行った。得られたウレタン発泡成形体を比較例A1の発泡成形体とした。図10〜図12に、比較例A1の発泡成形体の写真を示す。図10は、同発泡成形体の上面写真である。図11は、同発泡成形体の下面写真である。図12は、同発泡成形体を中心付近で切断した厚さ方向の断面写真である。図10〜図12に示すように、非一様磁場中で発泡成形すると、磁性フィラーは中心付近に偏在している。また、上面より下面付近に偏在している。このように、非一様磁場中で発泡成形した場合には、放熱を担う磁性フィラーが、磁束密度に応じて偏在してしまう。
(2)伝熱試験
実施例A1〜A3の発泡成形体とは別に、上記同様の発泡ウレタン樹脂原料を、磁性フィラーを配合せず磁場もかけずに発泡成形して、ウレタン発泡成形体を製造した。このウレタン発泡成形体を、比較例A2の発泡成形体とした。製造した実施例A1〜A3および比較例A2の発泡成形体を下面側から加熱して、伝熱性能を評価した。図13に、加熱試験装置の断面図を示す。
図13に示すように、加熱試験装置5は、支持体50と加熱板51と断熱材52a、52b、52cとを備えている。加熱板51は、矩形板状を呈し、支持体50により水平に支持されている。加熱板51は、図示しない加熱装置により100℃程度に温度調節されている。加熱板51の上面には、測定対象の試料(ウレタン発泡成形体)53が配置されている。試料53の上面にはアルミニウム板54が配置されている。断熱材52a、52b、52cは、すべてポリウレタンフォーム製であり、支持体50の上面に配置されている。断熱材52a、52b、52cは、三分割されており、試料53およびアルミニウム板54が表出しないよう覆っている。
実施例および比較例の各発泡成形体を、加熱板51上に約150分間保持し、上面温度の経時変化を測定した。ここでは、アルミニウム板54の上面温度を熱電対により測定した値を、各発泡成形体の上面温度とした。図14に、各発泡成形体の上面温度の測定結果を示す。なお、図14には、外気温の影響を考慮して温度補正した結果を示す。図14に示すように、磁性フィラーを含まない比較例A2の発泡成形体と比較すると、実施例A1〜A3の発泡成形体の上面温度はいずれも高くなった。なかでも、球以外の形状の磁性フィラーを含む実施例A2、A3の発泡成形体では、球状の磁性フィラーを含む実施例A1の発泡成形体と比較して、上面温度がより高くなった。この結果から、球以外の形状の磁性フィラーを配合した場合には、熱の伝達量が大きくなり、放熱性が向上することがわかる。このように、放熱性の高い実施例A1〜A3の発泡成形体は、例えば、路面の凹凸に起因する騒音を低減するための防音タイヤ、エンジンの騒音を低減するために車両のエンジンルームに配置されるエンジンカバー、サイドカバー、車室内の天井やピラー部等の吸音材、OA(Office Automation)機器や家電製品のモーター用吸音材、パソコン等の電子機器の放熱性吸音材、家屋の内外壁用吸音材等に好適である。
(3)吸音率測定
実施例A1〜A3の発泡成形体の吸音率を測定した。吸音率の測定は、JIS A 1405の垂直入射吸音率法に準拠して行った。ここで、音波の入射方向は、磁性フィラーの配向方向と同じとした。図15に、吸音率の測定結果を示す。
図15に示すように、実施例A2、A3の発泡成形体では、実施例A1の発泡成形体と比較して、1000Hz以上の高周波数領域における吸音率が高くなった。つまり、実施例A2、A3の発泡成形体は、特定の周波数領域において高い吸音性を示した。このように、球以外の形状をなす磁性フィラーを配合すると、吸音特性を低下させずに、放熱性の向上を図ることができる。以上より、本発明の好適なウレタン発泡成形体の一態様として、ポリウレタンフォームからなる基材と、該基材中に配合されている磁性フィラーと、を有し、該磁性フィラーは、球以外の形状をなし、互いに線接触および面接触の少なくとも一方により連接して配向している態様が挙げられる。
<実施例B>
(1)ウレタン発泡成形体の製造
発泡本体の一端または両端にスキン層を有する二種類のウレタン発泡成形体を製造した。まず、上記<実施例A>(1)と同様に、発泡ウレタン樹脂原料を調製した。なお、本実施例では、上記プレミックスポリオール中に、カーボン系顔料(大日精化工業社製「FT−1576」)を2重量部配合した。
次に、調製した発泡ウレタン樹脂原料に、MR流体(シグマハイケミカル社製「E−600」)を混合し、混合材料とした。MR流体は、ポリオール成分のポリエーテルポリオールとポリイソシアネート成分のMDIとを合わせたものの100重量部に対して29.2重量部配合した。
その後、上記<実施例A>(1)と同様に、混合材料をアルミニウム製の発泡型(前出図3、図4参照)のキャビティ(直径100mm×厚さ20mmの円筒形)内に注入し、密閉した。この際、混合材料の注入量を変えて、二種類準備した。一つは、発泡終了時に発泡成形体がキャビティの天井面まで達しないように混合材料を注入した(オープン状態)。もう一つは発泡終了時に発泡成形体がキャビティの天井面まで達するように混合材料を注入した(クローズ状態)。前者のオープン状態の場合には、発泡本体の下面にのみスキン層が形成される。一方、後者のクローズ状態の場合には、発泡本体の上下両面にスキン層が形成される。
続いて、前出図3、図4に示した磁気誘導発泡成形装置に発泡型を設置して、キャビティ内の磁束密度が略均一になるような一様磁場中で発泡成形を行った。発泡成形は、発泡型を磁気誘導発泡成形装置に設置した後、最初の約2分間は磁場をかけながら行い、続く約5分間は磁場をかけないで行った。
発泡成形が終了した後、脱型して、二種類のウレタン発泡成形体を得た。発泡本体の下面にのみスキン層が形成されているウレタン発泡成形体を、実施例B1の発泡成形体、発泡本体の上下両面にスキン層が形成されているウレタン発泡成形体を、実施例B2の発泡成形体とした。実施例B1、B2の発泡成形体の写真を図16〜図18に示す。図16は、実施例B1の発泡成形体の上面写真である。図17は、実施例B1の発泡成形体を手前側上方から撮影した写真である。図18は、実施例B2の発泡成形体を手前側上方から撮影した写真である。
図16に示すように、実施例B1の発泡成形体の上面には、様々な形状の空孔の開口部が多数観察される。なお、本写真は、実施例B1の発泡成形体の下面側(紙面奥側)から光を照射して撮影されているため、空孔の開口部は白く写っている。下面側からの光が空孔を通して上面に達していることからわかるように、空孔は上下方向に連通し配向している。但し、実施例B1の発泡成形体は下面側にスキン層を有する。このため、実施例B1の発泡成形体の下面側では、スキン層により空孔が封止されている。一方、図17に示すように、実施例B1の発泡成形体の上面側には、スキン層は形成されていない。実施例B1の発泡成形体の上面は、空孔を区画する区画壁が迷路のように連なっており、ラビリンス模様を呈している。
図18に示すように、実施例B2の発泡成形体は、上面側にスキン層を有する。また、本写真では見ることができないが、下面側にも同様のスキン層を有する。このため、上下方向に連通する空孔は、スキン層により封止されている。また、実施例B2の発泡成形体の側部断面を見ると、空孔は上下方向に連通し配向していることがわかる。また、上下方向に伸びる区画壁が樹皮のように観察される。
また、実施例B2の発泡成形体を上下方向に切断した断面を、走査電子顕微鏡(SEM)にて観察した。図19に、同発泡成形体の断面のSEM写真(倍率2000倍)を示す。図19のSEM写真から、実施例B2の発泡成形体では、磁性体が上下方向に連結し、配向されていることがわかる。同時に、磁性体は、左右方向(配向方向と略垂直方向)において略均一に分散されていることがわかる。
一方、発泡ウレタン樹脂原料とMR流体とを混合した上記混合材料について、前出図6に示す非一様磁場発泡成形装置を使用して発泡成形を行った。混合材料の注入量は、上記クローズ状態と同じとした。発泡成形は、上記同様、発泡型を非一様磁場発泡成形装置に設置した後、最初の約2分間は磁場をかけながら行い、続く約5分間は磁場をかけないで行った。得られたウレタン発泡成形体を比較例B3の発泡成形体とした。図20、図21に、比較例B3の発泡成形体の写真を示す。図20は、同発泡成形体の上面写真である。図21は、同発泡成形体を手前側上方から撮影した写真である。図20、図21に示すように、非一様磁場中で発泡成形すると、磁束密度の大きい中央付近にのみ、上下方向に連通し配向した空孔が形成された。それ以外の部分では、発泡成形体の形をなさなかった。このように、MR流体を配合した混合材料を非一様磁場中で発泡成形しても、一端から他端に向かって連通するよう配向された空孔を持つ発泡成形体を得ることはできなかった。
(2)荷重試験
製造した実施例B2の発泡成形体について、上方(空孔の配向方向)から上面(直径100mmの面積≒78.5cm)に対して荷重を加え、荷重に対する変位量を測定した。また、比較のため、上記と同じ組成の発泡ウレタン樹脂原料を、上記混合材料におけるMR流体の重量分だけ増量して、磁場をかけずに発泡成形し、ウレタン発泡成形体を製造した(以下、比較例B1の発泡成形体と称す)。また、上記同様の混合材料を、磁場をかけずに発泡成形し、ウレタン発泡成形体を製造した(以下、比較例B2の発泡成形体と称す)。MR流体を配合していない比較例B1の発泡成形体にはもちろん、MR流体を配合しても磁場をかけずに発泡成形した比較例B2の発泡成形体にも、一端から他端に向かって連通するよう配向された空孔は形成されなかった。これら比較例B1、B2の発泡成形体についても同様に、荷重に対する変位量を測定した。ここでは、所定の荷重を加えて除去するまでを1サイクルの荷重試験とする。図22に、各発泡成形体についての荷重−変位曲線を示す。
図22に示すように、比較例B1、B2の発泡成形体に対して、実施例B2の発泡成形体は剛性が高いことがわかる。また、実施例B2の発泡成形体では、変位量が2mmを超えた辺りから荷重が一旦減少し、エネルギーの減衰性が見られた。にも関わらず、実施例B2の発泡成形体は、比較例B1、B2の発泡成形体と同様に、荷重を除去すると略元の形状に戻った。また、実施例B2の発泡成形体について、1サイクルの荷重試験を行った1時間後に再度同様の荷重試験を行った(2回目)。2回目の荷重試験における荷重−変位曲線を、図22に併せて示す。図22に示すように、最大荷重はやや小さくなったが、剛性の高さ、エネルギー減衰性、復元性は、維持されていることがわかる。また、復元性を評価するため、1サイクルの荷重試験の前後で、各発泡成形体の厚さを測定した。結果を図23に示す。図23に示すように、いずれの発泡成形体においても、荷重試験の前後で厚さの変化はほとんどなかった。
このように、実施例B2の発泡成形体によると、本来のウレタン発泡材料由来の特性と、特有の空孔構造により得られる特性と、が複合された特性が発揮される。具体的には、実施例B2の発泡成形体は、エネルギー減衰性と高剛性とを共に発揮する。このため、例えば衝撃吸収材部等として有用である。
(3)異方性試験
上記実施例B2の発泡成形体から、20mm角のブロック状のサンプルを切り出した。サンプルの上下面にはスキン層が形成されている。このサンプルの上面(20mm×20mm=4cm)に対して荷重を加え(圧縮方向は空孔の配向方向と同じ)、荷重に対する変位量を測定した。同様に、サンプルの右面(20mm×20mm=4cm)に対して荷重を加え(圧縮方向は空孔の配向方向に対して略垂直方向)、荷重に対する変位量を測定した。図24に、各々の測定における荷重−変位曲線を示す。
比較のため、上記比較例B1、B2の発泡成形体から、同様に20mm角のブロック状のサンプルを切り出した。これらのサンプルの上面に対して荷重を加え、荷重に対する変位量を測定した。また、サンプルの右面に対して荷重を加え、荷重に対する変位量を測定した。図25、図26に、各々の測定における荷重−変位曲線を示す。
図24に示すように、実施例B2のサンプルは、上下方向(空孔の配向方向)において剛性が高いことがわかる。また、上面から圧縮した場合と、右面から圧縮した場合と、について変位が2mmの時(圧縮率10%)における静ばね定数を比較したところ、前者は後者の18.83倍となった。一方、図25、図26に示すように、比較例B1、B2のサンプルでは、圧縮方向の違いにより剛性にほとんど差はなかった。各々のサンプルについて、実施例B2と同様に、上面から圧縮した場合の静ばね定数と、右面から圧縮した場合の静ばね定数とを比較した。その結果、比較例B1のサンプルでは0.99倍、比較例B2のサンプルでは1.58倍であった。このように、実施例B2の発泡成形体では、空孔の配向方向における特性と、該配向方向と略垂直方向における特性とが大きく異なることがわかる。このため、例えば乗り心地という観点から車両上下方向の柔らかさが、操縦安定性の観点から水平方向の硬さが要求されるサスペンション用アッパーサポートのゴム部材等として有用である。
<実施例C>
(1)ウレタン発泡成形体の製造
一端面から外内方向にスパイク状に配向された磁性体を有するウレタン発泡成形体を製造した。まず、磁性流体として、MR流体(シグマハイケミカル社製「E−600」)を準備した。続いて、上記<実施例A>(1)と同様に、発泡ウレタン樹脂原料を調製した。
次に、MR流体を、上記<実施例A>(1)と同様のアルミニウム製の発泡型(前出図3、図4参照)のキャビティ(直径100mm×厚さ20mmの円筒形)内に注入した。MR流体は、キャビティの底面が隠れる程度に略一様に敷きつめた。MR流体の厚さは約1mmであった。続いて、MR流体の上に、調製した発泡ウレタン樹脂原料を注入し、閉型した。その後、前出図3、図4に示した磁気誘導発泡成形装置に発泡型を設置して、キャビティ内の磁束密度が略均一になるような一様磁場中で発泡成形を行った。発泡成形は、発泡型を磁気誘導発泡成形装置に設置した後、最初の約2分間は磁場をかけながら行い、続く約5分間は磁場をかけないで行った。
発泡成形が終了した後、脱型して、ウレタン発泡成形体を得た。得られたウレタン発泡成形体の上下両面にはスキン層が形成されていた。以下、このウレタン発泡成形体を、実施例Cの発泡成形体と称す。実施例Cの発泡成形体の写真を図27〜図30に示す。図27は、同発泡成形体の下端面の写真である。図28は、同発泡成形体の上端面の写真である。図29は、同発泡成形体の側面の写真である。なお、図29の側面写真は、同発泡成形体の下端面を上にして撮影したものである。図30は、同発泡成形体を上下方向に切断した断面写真である。図30の断面写真では、同発泡成形体の下端面が右向きに配置されている。なお、図30には、切断した同発泡成形体の下端面の写真も併せて示している。
図27に示すように、実施例Cの発泡成形体の下端面には、黒色の磁性体が分散されている。このため、下端面は全体に黒っぽく見える。反対に、図28に示すように、同発泡成形体の上端面には、周囲に黒色の磁性体が若干見られるが、上端面は白色を呈している。また、上端面のきめは細かく、下端面のきめは粗かった。このように、磁性体濃度は、下端面と上端面とで異なる。同様にセル構造も、下端面と上端面とで異なる。このことは、図29、図30からも明らかである。つまり、図29に示すように、磁性体は下端面付近に偏在している。また、図30の断面写真から、磁性体は、下端面から上端面方向にスパイク状に配向していることがわかる。また、下端面付近に偏在している磁性体は、配向方向と略垂直方向、すなわち軸直方向断面において、略均一に分散されている。ここで、磁性体が配向している下端面付近のセルの大きさは、上端面付近のセル径と比較して大きくなっていた。このように、実施例Cの発泡成形体では、下端面から上端面方向に磁性体がスパイク状に配向しており、磁性体の多い下端面側と、磁性体の少ない上端面側とで、セル構造が異なることが確認された。また、実施例Cの発泡成形体では、配向された磁性体が配向方向と略垂直方向において略均一に分散されていることも確認された。
(2)吸音率測定
実施例Cの発泡成形体の吸音率を測定した。吸音率の測定は、JIS A 1405の垂直入射吸音率法に準拠して行った。音波は、磁性体の少ない上端面側から入射した。また、比較のため、MR流体を用いず、上記同様の発泡ウレタン樹脂原料のみを磁場をかけずに発泡成形して発泡成形体を製造した(以下、比較例Cの発泡成形体と称す)。比較例Cの発泡成形体についても同様に、吸音率を測定した。図31に、吸音率の測定結果を示す。
図31に示すように、実施例Cの発泡成形体では、比較例Cの発泡成形体と比較して、特に500〜800Hzの低周波数領域における吸音率が高くなった。また、500〜800Hzの低周波数領域と、1250〜2000Hzの高周波数領域と、において、吸音率のピークが二つ現れた。このように、実施例Cの発泡成形体は、上端面側と下端面側とでセル構造が異なるため、特有の吸音特性を有する。このため、例えばエンジンの騒音を低減するために車両のエンジンルームに配置されるエンジンカバー、サイドカバーや、エンジンルームからの騒音が車室内へ伝搬するのを抑制するダッシュサイレンサー、車室内の天井やピラー部等の吸音材、さらには家屋の内外壁用の吸音材等に好適である。
磁性フィラーの各形状における最大長さ、軸直方向断面横辺の長さ、軸直方向断面縦辺の長さについての説明図である。 磁気粘性流体を配合した混合材料を使用した場合の、発泡成形工程における反応の一部を示すモデル図である。 本発明の一実施形態である磁気誘導発泡成形装置の斜視図である。 同磁気誘導発泡成形装置の部分断面図である。 発泡型のキャビティ内の磁束密度の測定結果の一例を示すグラフである。 非一様磁場発泡成形装置の断面図である。 キャビティ内の座標軸の説明図である。 実施例A2の発泡成形体を上下方向に切断した断面写真である。 実施例A3の発泡成形体を上下方向に切断した断面写真である。 比較例A1の発泡成形体の上面写真である。 同発泡成形体の下面写真である。 同発泡成形体を中心付近で切断した厚さ方向の断面写真である。 <実施例A>における加熱試験装置の断面図である。 実施例A1〜A3および比較例A2の各発泡成形体の上面温度の測定結果を示すグラフである。 実施例A1〜A3の各発泡成形体における吸音率の測定結果を示すグラフである。 実施例B1の発泡成形体の上面写真である。 実施例B1の発泡成形体を手前側上方から撮影した写真である。 実施例B2の発泡成形体を手前側上方から撮影した写真である。 実施例B2の発泡成形体の断面のSEM写真である(倍率2000倍)。 比較例B3の発泡成形体の上面写真である。 同発泡成形体を手前側上方から撮影した写真である。 実施例B2および比較例B1、B2の各発泡成形体についての荷重−変位曲線である。 実施例B2および比較例B1、B2の各発泡成形体について、荷重試験前後の厚さの測定結果である。 実施例B2の発泡成形体から作製したサンプルにおける荷重−変位曲線である。 比較例B1の発泡成形体から作製したサンプルにおける荷重−変位曲線である。 比較例B2の発泡成形体から作製したサンプルにおける荷重−変位曲線である。 実施例Cの発泡成形体の下端面の写真である。 同発泡成形体の上端面の写真である。 同発泡成形体の側面の写真である。 同発泡成形体を上下方向に切断した断面写真である。 実施例Cおよび比較例Cの発泡成形体における吸音率の測定結果を示すグラフである。
符号の説明
1:磁気誘導発泡成形装置
2U、2D:電磁石部 20U、20D:芯部 21U、21D:コイル部
210U、210D:導線 3:ヨーク部 4:発泡型 40U:上型 40D:下型
41:キャビティ L:磁力線
5:加熱試験装置
50:支持体 51:加熱板 52a、52b、52c:断熱材 53:試料
54:アルミニウム板
6:非一様磁場発泡成形装置 60U、60D:磁石
90:発泡ウレタン樹脂原料 900:整泡剤
91:磁気粘性流体 910:溶媒 911:磁性体粒子 92:気泡 920:泡膜

Claims (2)

  1. 強磁性体からなる芯部と、該芯部の外周面に配置されているコイル部と、を有し、該芯部の軸方向に所定間隔離間して対向して配置されている一対の電磁石部と、
    該一対の電磁石部間に介装され、内部にキャビティが区画されている発泡型と、
    該一対の電磁石部における各々の該芯部の背向面同士を接続し、一対の該背向面同士の間に磁路を形成するヨーク部と、を備え、
    該発泡型の該キャビティ内に一様な磁場が形成されることを特徴とする磁気誘導発泡成形装置。
  2. 前記キャビティ内の磁束密度の差は±10%以内である請求項1に記載の磁気誘導発泡成形装置。
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