JP5243778B2 - ウレタン発泡成形体およびその製造方法 - Google Patents
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Description
上述したように、本発明のウレタン発泡成形体は、一端から他端に向かって連通するよう配向された空孔を持つ発泡本体を有する。発泡本体の空孔は、一端から他端に向かって連通していればよく、個々の空孔同士が途中で連通していても構わない。また、発泡本体の端面に表出している空孔(開口部)の形状、大きさ、単位面積当たりの数等は、特に限定されるものではない。これらは、原料や発泡の方法、条件等により調整することができるため、用途に応じて、適宜調整すればよい。
発泡ウレタン樹脂原料は、ポリイソシアネート成分およびポリオール成分等の既に公知の原料から調製すればよい。ポリイソシアネート成分としては、例えば、トリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、およびこれらの誘導体(例えばポリオール類との反応により得られるプレポリマー類、変成ポリイソシアネート類等)等の中から適宜選択すればよい。また、ポリオール成分としては、多価ヒドロキシ化合物、ポリエーテルポリオール類、ポリエステルポリオール類、ポリマーポリオール類、ポリエーテルポリアミン類、ポリエステルポリアミン類、アルキレンポリオール類、ウレア分散ポリオール類、メラミン変性ポリオール類、ポリカーボネートポリオール類、アクリルポリオール類、ポリブタジエンポリオール類、フェノール変性ポリオール類等の中から適宜選択すればよい。
磁気粘性流体は、溶媒中に磁性体粒子が分散された流体であればよく、例えば、ミクロンサイズの磁性体粒子を含有する磁気粘性流体(Magneto−Rheological流体;MR流体)や、ナノサイズの磁性体粒子を含有する磁性流体(Magnetic fluid;MF)にミクロンサイズの磁性体粒子を混合した磁気混合流体(Magnetic compound fluid;MCF)等が挙げられる。なお、ここでいう磁気混合流体(MCF)とは、例えば特開2002−170791号公報に記載されている粒子分散型混合機能性流体のようなものである。具体的には、シグマハイケミカル社製の商品「E−600」、ロード社製の商品「MRF−122−2ED」、「MRF−132DG」、「MRF−140CG」等を用いることができる。
本発明のウレタン発泡成形体の製造方法は、混合材料調製工程と発泡工程とを有する。以下、各工程について説明する。
本工程は、発泡ウレタン樹脂原料と磁気粘性流体とを混合し混合材料を調製する工程である。発泡ウレタン樹脂原料および磁気粘性流体については上述したので、ここでは説明を省略する。発泡ウレタン樹脂原料に対する磁気粘性流体の配合量は、所望の空孔が形成されるよう、また、得られるウレタン発泡成形体の物性を考慮して、適宜調整すればよい。例えば、磁場に対する応答性を確保するためには、磁気粘性流体を、ポリイソシアネート成分とポリオール成分とを合わせたものの100重量部に対して10重量部以上配合することが望ましい。15重量部以上配合するとより好適である。反対に、ウレタン発泡成形体の物性や、反応状態への影響を考慮すると、磁気粘性流体の配合量を、ポリイソシアネート成分とポリオール成分とを合わせたものの100重量部に対して70重量部以下とすることが望ましい。40重量部以下とするとより好適である。発泡ウレタン樹脂原料、磁気粘性流体を秤量、混合して調製された混合材料は、速やかに次の発泡工程に供される。
本工程は、上記混合材料調製工程にて調製した混合材料を発泡型に注入し、発泡型の一端から他端に向かう磁場中で発泡させる工程である。磁場を直線状に形成する場合、発泡型の内部の磁力線が発泡型の一端から他端に向かって略平行になるよう形成することが望ましい。例えば、発泡型を挟むよう、発泡型の一端および他端の両面近傍に磁石を配置すればよい。磁石には、永久磁石または電磁石を用いればよい。電磁石を用いると、磁場形成のオン、オフを瞬時に切り替えることができ、磁場の強さの制御が容易である。このため、発泡成形を制御しやすい。この場合、発泡型の外部に配置した磁石により、発泡型の内部に磁場を形成させるため、発泡型としては透磁率の低い材質、つまり非磁性の材質のものを使用するとよい。例えば、通常ポリウレタンの発泡成形に使用されるアルミニウムやアルミニウム合金製の発泡型であれば問題ない。この場合、電磁石等の磁力源から発生する磁場、磁力線が影響を受けにくく、磁場状態のコントロールがしやすい。ただし、必要とする磁場、磁力線の状態に応じて適宜、磁性材料のものを使用してもよい。
発泡本体の一端または両端にスキン層を有する二種類のウレタン発泡成形体を製造した。まず、発泡ウレタン樹脂原料を以下のように調製した。ポリオール成分のポリエーテルポリオール(住化バイエルウレタン社製「S−0248」、平均分子量6000、官能基数3、OH価28mgKOH/g)100重量部と、架橋剤のジエチレングリコール(三菱化学社製)2重量部と、発泡剤の水2重量部と、テトラエチレンジアミン系触媒(花王社製「No.31」)1重量部と、シリコーン系整泡剤(日本ユニカ社製「SZ−1313」)0.5重量部と、カーボン系顔料(大日精化工業社製「FT−1576」)2重量部と、を配合し、プレミックスポリオールを調製した。調製したプレミックスポリオールに、ポリイソシアネート成分のジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)(BASFINOACポリウレタン社製「NE1320B」、NCO=44.8wt%)を加えて混合し、発泡ウレタン樹脂原料とした。ここで、ポリオール成分とポリイソシアネート成分との配合比(PO:ISO)は、両者の合計重量を100%として、PO:ISO=78.5:21.5とした。
製造した実施例2の発泡成形体について、上方(空孔の配向方向)から上面(直径100mmの面積≒78.5cm2)に対して荷重を加え、荷重に対する変位量を測定した。また、比較のため、上記と同じ組成の発泡ウレタン樹脂原料を、上記混合材料におけるMR流体の重量分だけ増量して、磁場をかけずに発泡成形し、ウレタン発泡成形体を製造した(以下、比較例1の発泡成形体と称す)。また、上記同様の混合材料を、磁場をかけずに発泡成形し、ウレタン発泡成形体を製造した(以下、比較例2の発泡成形体と称す)。MR流体を配合していない比較例1の発泡成形体にはもちろん、MR流体を配合しても磁場をかけずに発泡成形した比較例2の発泡成形体にも、一端から他端に向かって連通するよう配向された空孔は形成されなかった。これら比較例1、2の発泡成形体についても同様に、荷重に対する変位量を測定した。ここでは、所定の荷重を加えて除去するまでを1サイクルの荷重試験とする。図6に、各発泡成形体についての荷重−変位曲線を示す。
上記実施例2の発泡成形体から、20mm角のブロック状のサンプルを切り出した。サンプルの上下面にはスキン層が形成されている。このサンプルの上面(20mm×20mm=4cm2)に対して荷重を加え(圧縮方向は空孔の配向方向と同じ)、荷重に対する変位量を測定した。同様に、サンプルの右面(20mm×20mm=4cm2)に対して荷重を加え(圧縮方向は空孔の配向方向に対して略垂直方向)、荷重に対する変位量を測定した。図8に、各々の測定における荷重−変位曲線を示す。
2U、2D:電磁石部 20U、20D:芯部 21U、21D:コイル部
210U、210D:導線 3:ヨーク部 4:発泡型 40U:上型 40D:下型
41:キャビティ L:磁力線
90:発泡ウレタン樹脂原料 900:整泡剤
91:磁気粘性流体 910:溶媒 911:磁性体粒子 92:気泡 920:泡膜
Claims (9)
- 発泡ウレタン樹脂原料と磁気粘性流体とを含む混合材料が発泡型内で発泡成形されてなり、一端から他端に向かって連通するよう配向された空孔を持つ発泡本体を有するウレタン発泡成形体。
- さらに、前記発泡本体の前記一端および前記他端の少なくとも一方に、前記空孔を封止するスキン層を有する請求項1に記載のウレタン発泡成形体。
- 前記空孔の配向方向における静ばね定数は、該配向方向と略垂直方向における静ばね定数の2倍以上である請求項1または請求項2に記載のウレタン発泡成形体。
- 前記空孔の配向方向における静ばね定数は、該配向方向と略垂直方向における静ばね定数の10倍以上である請求項1または請求項2に記載のウレタン発泡成形体。
- 前記磁気粘性流体は、溶媒と、該溶媒に分散された磁性体粒子と、該磁性体粒子の沈降を抑制するための沈降防止剤と、を含み、
発泡成形後の密度が0.2g/cm3以下である請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のウレタン発泡成形体。 - 前記磁気粘性流体は、溶媒と、該溶媒に分散された磁性体粒子と、該磁性体粒子の沈降を抑制するための沈降防止剤と、のみからなる請求項5に記載のウレタン発泡成形体。
- 前記磁性体粒子の粒子径は、1μm以上10μm以下である請求項5または請求項6に記載のウレタン発泡成形体。
- 発泡ウレタン樹脂原料と磁気粘性流体とを混合し混合材料を調製する混合材料調製工程と、
該混合材料を発泡型に注入し、該発泡型の一端から他端に向かう磁場中で発泡させる発泡工程と、
を有し、
該発泡型に作用する該磁場の磁束密度は、該発泡型の一端から他端に向かう磁力方向、および該磁力方向に対する垂直方向において略同じであるウレタン発泡成形体の製造方法。 - 前記発泡ウレタン樹脂原料は、ポリイソシアネート成分とポリオール成分とを含み、
前記磁気粘性流体の配合量は、該ポリイソシアネート成分と該ポリオール成分とを合わせたものの100重量部に対して10重量部以上70重量部以下である請求項8に記載のウレタン発泡成形体の製造方法。
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