JP5026892B2 - ウレタン発泡成形体およびその製造方法 - Google Patents

ウレタン発泡成形体およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、例えば吸音材や振動吸収材等として用いられるウレタン発泡成形体およびその製造方法に関する。
ウレタン発泡成形体は、吸音材、振動吸収材等として、自動車等の様々な分野で用いられている。例えば、特許文献1には、ウレタン発泡成形体からなる吸音材を備えた防音タイヤが紹介されている。この吸音材は、基材となるポリウレタンフォームに、金属粉末等の熱伝導材が配合されてなる。熱伝導材により吸音材の放熱性を向上させて、走行時におけるタイヤと路面との摩擦熱によりタイヤが熱老化するのを抑制している。
特開2005−104314号公報 特開2002−301726号公報 特開2005−146057号公報
特許文献1に記載された吸音材のように、基材に熱伝導材を配合すると、熱伝導材同士の接触により熱の伝達経路が形成されて、放熱性が向上する。放熱性を高くするためには、多量の熱伝導材が必要となる。しかし、熱伝導材の配合量を多くすると、発泡成形に影響を及ぼすと共に、吸音特性が低下するおそれがある。また、例えば自動車のエンジンルーム等に搭載される吸音材については、特定の周波数領域において特に高い吸音性が要求される場合がある。このため、所望の吸音特性を維持しつつ、放熱性を向上させることが課題となる。
一方、特許文献2には、樹脂に導電性を付与する方法として、樹脂に導電性磁性体の粉末を配合させ、磁場中で成形する方法が開示されている。また、特許文献3には、樹脂やゴム中に、反磁性を有する熱伝導性繊維と非繊維状熱伝導性充填材とが配合されてなる高熱伝導性成形体が開示されている。しかし、特許文献2、3に開示された技術は、単に樹脂等の導電性や熱伝導性を向上させることだけを目的としたものである。このため、特許文献2、3においては、発泡成形や吸音特性について何も検討されていない。したがって、発泡成形を前提とし、上記特有の課題を有するウレタン発泡成形体に対して、特許文献2、3に開示された技術をそのまま適用することはできない。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、所望の吸音特性を有すると共に放熱性の高いウレタン発泡成形体、およびその製造方法を提供することを課題とする。
(1)本発明のウレタン発泡成形体は、ポリウレタンフォームからなる基材と、該基材中に配合されている磁性フィラーと、を有し、該磁性フィラーは、球以外の形状をなし、互いに線接触および面接触の少なくとも一方により連接して配向していることを特徴とする(請求項1に対応)。
本発明のウレタン発泡成形体において、基材中の磁性フィラーは、鎖状に繋がり配向している。すなわち、磁性フィラーは、ある規則性を持って所定の方向に配置されていればよい。例えば、ウレタン発泡成形体の一端と他端(一端に対して180°対向した端部でなくてもよい)との間に直線状に配置されていても、曲線状に配置されていてもよい。また、中心から外周に向かって放射状に配置されていてもよい。また、これらの形状を組み合わせた形状に配置されていてもよい。
磁性フィラーは熱伝導性が良好なため、本発明のウレタン発泡成形体の一端に加わった熱は、磁性フィラーを介して他端に伝達され、他端から速やかに放熱される。ここで、磁性フィラーは球以外の形状をなしている。このため、磁性フィラーが配向した場合、磁性フィラー同士は、点ではなく、線および面の少なくとも一方で接触する。よって、点で接触する場合と比較して、磁性フィラー同士の接触面積が大きくなる。これにより、熱の伝達経路が確保されやすくなると共に、伝達される熱量も大きくなる。また、球状の磁性フィラーを同量配合した場合と比較して、配向方向に嵩高くなる。したがって、本発明のウレタン発泡成形体によると、磁性フィラーの配合量が少量であっても、高い放熱性が発現される。また、磁性フィラーが配向しているため、配向方向と、配向方向に対して交差する方向と、において強度等の特性が異なる。つまり、本発明のウレタン発泡成形体は、異方性を有する。
本発明のウレタン発泡成形体によると、磁性フィラーの配合量を少なくすることができるため、発泡成形への影響、および製造コストを低減することができる。また、吸音特性の低下も抑制することができる。また、後述する実施例からも明らかなように、本発明のウレタン発泡成形体は、特定の周波数領域において高い吸音性を示すことも確認されている。このように、本発明のウレタン発泡成形体は、高い放熱性と所望の吸音特性との両方を備えている。
(2)また、本発明のウレタン発泡成形体の製造方法は、発泡ウレタン樹脂原料と、球以外の形状をなす磁性フィラーと、を混合し混合材料を調製する混合材料調製工程と、該混合材料を発泡型に注入し磁場中で発泡させる発泡工程と、を有することを特徴とする(請求項4に対応)。
発泡工程において、混合材料に磁場が加わると、発泡ウレタン樹脂原料中に分散していた磁性フィラーが磁界の方向に沿って連結し、鎖状のクラスターを形成する。ここで、磁性フィラーは球以外の形状をなしている。このため、形成されたクラスターにおいて、磁性フィラー同士は点ではなく、線および面の少なくとも一方で接触する。また、球状の磁性フィラーを同量配合した場合と比較して、配向方向に嵩高くなる。このように、本発明の製造方法によると、上記本発明のウレタン発泡成形体を簡便に製造することができる。
以下、本発明のウレタン発泡成形体およびその製造方法の実施形態について説明する。なお、本発明のウレタン発泡成形体およびその製造方法は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、当業者が行い得る変更、改良等を施した種々の形態にて実施することができる。
<ウレタン発泡成形体>
上述したように、本発明のウレタン発泡成形体は、ポリウレタンフォームからなる基材と、該基材中に配合されている磁性フィラーと、を有する。ポリウレタンフォームは、ポリイソシアネート成分およびポリオール成分等の発泡ウレタン樹脂原料から製造される。詳細は、後述する本発明のウレタン発泡成形体の製造方法において説明する。
磁性フィラーとしては、いわゆる磁性材料を用いればよい。例えば、鉄、ニッケル、コバルト、ガドリニウム、ステンレス鋼等の強磁性体、MnO、Cr、FeCl、MnAs等の反強磁性体、およびそれらを用いた合金類が好適である。なかでも、熱伝導率が高くフィラーとしての加工性に優れる点から、ステンレス鋼、銅鉄合金等が好適である。ここでいうステンレス鋼の表面は酸化皮膜に覆われているため、防錆性能に優れ、ポリウレタンフォームとの接合強度も高い。また、銅鉄合金は、銅および鉄の共晶合金であり、例えば特公平3−064583号公報に記載されているような半硬質磁性銅鉄合金が望ましい。このような銅鉄合金は、フィラーとして使用するために細かく粉砕しても、銅と鉄の剥離を生じない。このため、銅が有する高い熱伝導率と鉄が有する磁性との2つの特徴を合わせ持つ。よって、同じ含有量であっても他の磁性体と比較して、より高い放熱効果を得ることができる。
磁性フィラーは、球以外の形状をなす。ここで、「球」とは、真球または略真球を意味する。したがって、「球以外の形状」には、楕円球状、長円球状(一対の対向する半球を円柱で連結した形状)、水滴形状、柱状、薄板状、箔状、繊維状、針状等が含まれる。磁性フィラーの大きさ(最大長さ)は、分散性、配向性、製造するウレタン発泡成形体の大きさ等を考慮して決定すればよい。例えば、0.1mm以上5mm以下のものが入手しやすく好適である。
また、磁性フィラー同士の接触面積をより大きくし、配向方向に嵩高くするためには、磁性フィラーのアスペクト比は2以上であることが望ましい。本明細書では、アスペクト比を次式(1)により定義する。
アスペクト比=b/(a・a’)・・・式(1)
式(1)において、bは磁性フィラーの最大長さ、aは軸直方向断面横辺の長さ、a’は軸直方向断面縦辺の長さを示す。ここで、「軸直方向断面横辺の長さ」、「軸直方向断面縦辺の長さ」は次のようにして決定される。すなわち、磁性フィラーの最大長さbを軸として、当該軸と垂直な方向(軸直方向)の断面形状が内接する四角形を定め、この四角形を平面視した時の横方向の長さを「軸直方向断面横辺の長さa」とし、縦方向の長さを「軸直方向断面縦辺の長さa’」とする。以下、具体的な形状を挙げて、説明する。
図1に、磁性フィラーの各形状における最大長さ、軸直方向断面横辺の長さ、軸直方向断面縦辺の長さを示す。図1において(a)は円柱状の場合を、(b)は薄板状の場合を、(c)は繊維状の場合を、各々示す。なお、図1(a)〜(c)に示した形状は例示にすぎず、磁性フィラーはこれらの形状に限定されるものではない。まず、(a)に示す円柱状の場合には、軸方向の長さが最大長さbとなる。軸直方向断面形状は円となる。当該円が内接する四角形の横方向の長さが「軸直方向断面横辺の長さa」となり、縦方向の長さが「軸直方向断面縦辺の長さa’」となる。次に、(b)に示す薄板状の場合には、長手方向が軸方向となり、長手方向の長さが最大長さbとなる。軸直方向断面形状は長方形となるため、この長方形の横方向の長さが「軸直方向断面横辺の長さa」となり、縦方向の長さ(厚さに相当)が「軸直方向断面縦辺の長さa’」となる。次に(c)に示す繊維状の場合には、軸方向の長さが最大長さbとなる。軸直方向断面形状は略楕円となる。しかしながら、(c)の繊維状の場合、長手方向中央部が大きく両端部が小さい「細長い樽」のような形状を呈している。このため、長手方向全長において、軸直方向断面の大きさが一定ではない。すなわち、位置αと位置βと位置γとでは、楕円の断面積が異なる。この場合は、断面積が最大となる位置βの楕円が内接する四角形の横方向の長さが「軸直方向断面横辺の長さa」となり、縦方向の長さが「軸直方向断面縦辺の長さa’」となる。
磁性フィラーは、互いに線接触および面接触の少なくとも一方により繋がっていればよい。つまり、磁性フィラー同士は、線接触しているだけでもよく、面接触しているだけでもよく、さらには線接触および面接触の両方であってもよい。
また、磁性フィラーの配合量は、放熱性の向上効果、吸音特性、コスト等を考慮して適宜決定すればよい。例えば、放熱性を向上させるという観点からは、磁性フィラーの配合量を、ウレタン発泡成形体の体積を100体積%とした場合の0.1体積%以上とすることが望ましい。1体積%以上とするとより好適である。一方、磁性フィラーの分散性、吸音特性への影響等を考慮して、磁性フィラーの配合量を20体積%以下とすることが望ましい。3体積%以下とするとより好適である。次に、本発明のウレタン発泡成形体の好適な製造方法について詳述する。
<ウレタン発泡成形体の製造方法>
本発明のウレタン発泡成形体の製造方法は、混合材料調製工程と発泡工程とを有する。以下、各工程について説明する。
(1)混合材料調製工程
本工程は、発泡ウレタン樹脂原料と、球以外の形状をなす磁性フィラーと、を混合し混合材料を調製する工程である。発泡ウレタン樹脂原料は、ポリイソシアネート成分およびポリオール成分等の既に公知の原料から調製すればよい。ポリイソシアネート成分としては、例えば、トリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、およびこれらの誘導体(例えばポリオール類との反応により得られるプレポリマー類、変成ポリイソシアネート類等)等の中から適宜選択すればよい。また、ポリオール成分としては、多価ヒドロキシ化合物、ポリエーテルポリオール類、ポリエステルポリオール類、ポリマーポリオール類、ポリエーテルポリアミン類、ポリエステルポリアミン類、アルキレンポリオール類、ウレア分散ポリオール類、メラミン変性ポリオール類、ポリカーボネートポリオール類、アクリルポリオール類、ポリブタジエンポリオール類、フェノール変性ポリオール類等の中から適宜選択すればよい。
さらに、触媒、発泡剤、整泡剤、架橋剤、難燃剤、帯電防止剤、減粘剤、安定剤、充填剤、着色剤等を適宜配合してもよい。例えば、触媒としては、テトラエチレンジアミン、トリエチレンジアミン、ジメチルエタノールアミン等のアミン系触媒や、ラウリン酸錫、オクタン酸錫等の有機金属系触媒が挙げられる。また、発泡剤としては水が好適である。水以外には、塩化メチレン、フロン、COガス等が挙げられる。また、整泡剤としてはシリコーン系整泡剤が、架橋剤としてはトリエタノールアミン、ジエタノールアミン等が好適である。
磁性フィラーの種類、形状、アスペクト比、配合量等については、上述したのでここでは説明を省略する。発泡ウレタン樹脂原料および磁性フィラーを、各々秤量し混合する。調製された混合材料は、速やかに次の発泡工程に供される。
(2)発泡工程
本工程は、上記混合材料調製工程にて調製した混合材料を発泡型に注入し磁場中で発泡させる工程である。例えば、磁場を直線状に形成する場合、発泡型のキャビティ内の磁力線が、キャビティの一端から、当該一端に対して180°対向する他端に向かって略平行になるよう形成することが望ましい。この場合、例えば発泡型を挟むように、発泡型の一端および他端の両面近傍に磁石を配置すればよい。磁石には、永久磁石または電磁石を用いればよい。電磁石を用いると、磁場形成のオン、オフを瞬時に切り替えることができ、磁場の強さの制御が容易である。このため、発泡成形を制御しやすい。この場合、発泡型の外部に配置した磁石により、発泡型の内部に磁場を形成させるため、発泡型としては透磁率の低い材質、つまり非磁性の材質のものを使用するとよい。例えば、通常ポリウレタンの発泡成形に使用されるアルミニウムやアルミニウム合金製の発泡型であれば問題ない。この場合、電磁石等の磁力源から発生する磁場、磁力線が影響を受けにくく、磁場状態のコントロールがしやすい。ただし、必要とする磁場、磁力線の状態に応じて適宜、磁性材料のものを使用してもよい。
磁場は、発泡ウレタン樹脂原料の粘度が比較的低い間にかけられることが望ましい。発泡ウレタン樹脂原料が増粘し、発泡成形がある程度終了した時に磁場をかけると、磁性フィラーが配向しにくいため、所望の放熱性、吸音特性を得ることが難しい。なお、発泡成形を行う時間のすべてにおいて磁場をかける必要はない。
また、発泡型に作用する磁場の磁束密度は、該発泡型のキャビティ内において略均一であることが望ましい。例えば、発泡型のキャビティ内における磁束密度の差が、±10%以内であるとよい。±5%以内、さらには±3%以内であるとより好適である。発泡型のキャビティ内に一様な磁場を形成することで、ウレタン発泡成形体の全体において、磁性フィラーを同じように配向させることができる。
本工程にて発泡成形が終了した後、脱型して、本発明のウレタン発泡成形体を得る。この際、発泡成形の仕方により、ウレタン発泡成形体の一端および他端の少なくとも一方に、スキン層が形成される。当該スキン層は、用途に応じて切除してもよい(勿論切除しなくてもよい)。
次に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
(1)ウレタン発泡成形体の製造
磁性フィラーの形状等が異なる三種類のウレタン発泡成形体を製造した。まず、発泡ウレタン樹脂原料を以下のように調製した。ポリオール成分のポリエーテルポリオール(住化バイエルウレタン社製「S−0248」、平均分子量6000、官能基数3、OH価28mgKOH/g)100重量部と、架橋剤のジエチレングリコール(三菱化学社製)2重量部と、発泡剤の水2重量部と、テトラエチレンジアミン系触媒(花王社製「No.31」)1重量部と、シリコーン系整泡剤(日本ユニカ社製「SZ−1313」)0.5重量部と、を配合し、プレミックスポリオールを調製した。調製したプレミックスポリオールに、ポリイソシアネート成分のジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)(BASFINOACポリウレタン社製「NE1320B」、NCO=44.8wt%)を加えて混合し、発泡ウレタン樹脂原料とした。ここで、ポリオール成分とポリイソシアネート成分との配合比(PO:ISO)は、両者の合計重量を100%として、PO:ISO=78.5:21.5とした。
一方、三種類の磁性フィラーを準備した。すなわち、第一の磁性フィラーとして、ステンレス球(大同特殊鋼社製「DAP440C −30M」:直径30μm以下、平均径約10μm、球形)を、第二の磁性フィラーとして、ステンレスファイバー(虹技社製「KCメタルファイバー SUS430F」:直径約30μm、長さ約2mm)を、第三の磁性フィラーとして、銅鉄合金粉末(銅鉄合金社製「CFA90」:縦約0.5mm×横約0.5mm×厚さ約0.1mmの薄板状)を、使用した。各々のアスペクト比を求めたところ、第一の磁性フィラーは1、第二の磁性フィラーは4444、第三の磁性フィラーは5となった。
次に、調製した発泡ウレタン樹脂原料に、各々の磁性フィラーを混合し混合材料とした。磁性フィラーは、ポリオール成分のポリエーテルポリオール100重量部に対して、第一および第二の磁性フィラーでは121重量部、第三の磁性フィラーでは129重量部配合した。
その後、混合材料をアルミニウム製の発泡型(後述する図2、図3参照。キャビティは直径100mm×厚さ20mmの円筒形。)に注入し、密閉した。続いて、発泡型を磁場発生装置に設置して、発泡成形を行った。図2に、磁場発生装置の斜視図を示す。図3に、磁場発生装置の部分断面図を示す。図2、図3に示すように、磁場発生装置1は、一対の電磁石部2U、2Dと、ヨーク部3と、を備えている。
電磁石部2Uは、芯部20Uとコイル部21Uとを備えている。芯部20Uは、強磁性体製であって、上下方向に延びる円柱状を呈している。コイル部21Uは、芯部20Uの外周面に配置されている。コイル部21Uは、芯部20Uの外周面に巻装された導線210Uにより、形成されている。導線210Uは、電源(図略)に接続されている。
電磁石部2Dは、発泡型4を挟んで、上記電磁石部2Uの下方に配置されている。電磁石部2Dは、上記電磁石部2Uと同様の構成を備えている。すなわち、電磁石部2Dは、芯部20Dとコイル部21Dとを備えている。コイル部21Dは、芯部20Dの外周面に巻装された導線210Dにより、形成されている。導線210Dは、電源(図略)に接続されている。
ヨーク部3は、C字状を呈している。ヨーク部3のC字上端は、電磁石部2Uの芯部20U上端に接続されている。一方、ヨーク部3のC字下端は、電磁石部2Dの芯部20D下端に接続されている。
前記発泡型4は、上型40Uと下型40Dとを備えている。発泡型4は、電磁石部2Uの芯部20Uと電磁石部2Dの芯部20Dとの間に、介装されている。上型40Uは、角柱状を呈している。上型40Uの下面には、円筒状の凹部が形成されている。同様に、下型40Dは、角柱状を呈している。下型40Dの上面には、円筒状の凹部が形成されている。上型40Uと下型40Dとは、互いの凹部の開口同士が向き合うように配置されている。上型40Uと下型40Dとの間には、上記凹部同士が合体することにより、キャビティ41が区画されている。キャビティ41には、前述したように、混合材料が充填されている。
導線210Uに接続された電源および導線210Dに接続された電源を、共にオンにすると、上方の電磁石部2Uの芯部20Uの上端がS極に、下端がN極に磁化される。このため、芯部20Uに、上方から下方に向かって磁力線L(図2に点線で示す)が発生する。また、下方の電磁石部2Dの芯部20Dの上端がS極に、下端がN極に磁化される。このため、芯部20Dに、上方から下方に向かって磁力線Lが発生する。また、芯部20U下端はN極であり、芯部20D上端はS極である。このため、芯部20Uと芯部20Dとの間には、上方から下方に向かって磁力線Lが発生する。以上説明したように、電磁石部2U、2D間には、上方から下方に向かって磁力線Lが発生する。下方の電磁石部2Dの芯部20D下端から放射された磁力線Lは、ヨーク部3を通って、上方の電磁石部2Uの芯部20U上端に流入する。このように、磁力線Lは閉ループを構成するため、磁力線Lの漏洩を抑制することができる。
前述したように、発泡型4は、芯部20Uと芯部20Dとの間に介装されている。このため、発泡型4のキャビティ41内には、上方から下方に向かって略平行な磁力線Lにより一様な磁場が形成されている。発泡型4を磁場発生装置1に設置した後、最初の約2分間は、磁場をかけながら発泡成形を行った。続く約5分間は、磁場をかけないで、発泡成形を行った。
発泡成形が終了した後、脱型して、三種類のウレタン発泡成形体を得た。第一の磁性フィラー(ステンレス球)を配合したウレタン発泡成形体を比較例1の発泡成形体、第二の磁性フィラー(ステンレスファイバー)を配合したウレタン発泡成形体を実施例1の発泡成形体、第三の磁性フィラー(銅鉄合金粉末)を配合したウレタン発泡成形体を実施例2の発泡成形体とした。また、上記同様の発泡ウレタン樹脂原料を、磁性フィラーを配合せず、磁場もかけずに発泡成形してウレタン発泡成形体を製造した。このウレタン発泡成形体を、比較例2の発泡成形体とした。ここで、実施例1、2および比較例1の発泡成形体における磁性フィラーの配合量は、いずれもウレタン発泡成形体の体積を100体積%とした場合の1体積%である。
(2)伝熱試験
製造した実施例1、2および比較例1、2の発泡成形体を下面側から加熱して、伝熱性能を評価した。図4に、加熱試験装置の断面図を示す。図4に示すように、加熱試験装置5は、支持体50と加熱板51と断熱材52a、52b、52cとを備えている。加熱板51は、矩形板状を呈し、支持体50により水平に支持されている。加熱板51は、図示しない加熱装置により100℃程度に温度調節されている。加熱板51の上面には、測定対象の試料(ウレタン発泡成形体)53が配置されている。試料53の上面にはアルミニウム板54が配置されている。断熱材52a、52b、52cは、すべてポリウレタンフォーム製であり、支持体50の上面に配置されている。断熱材52a、52b、52cは、三分割されており、試料53およびアルミニウム板54が表出しないよう覆っている。
実施例および比較例の各発泡成形体を、加熱板51上に約150分間保持し、上面温度の経時変化を測定した。ここでは、アルミニウム板54の上面温度を熱電対により測定した値を、各発泡成形体の上面温度とした。図5に、各発泡成形体の上面温度の測定結果を示す。なお、図5には、外気温の影響を考慮して温度補正した結果を示す。図5に示すように、磁性フィラーを含まない比較例2の発泡成形体と比較すると、実施例1、2、および比較例1の発泡成形体の上面温度はいずれも高くなった。なかでも、球以外の形状の磁性フィラーを含む実施例1、2の発泡成形体では、球状の磁性フィラーを含む比較例1の発泡成形体と比較して、上面温度がより高くなった。この結果から、球以外の形状の磁性フィラーを配合した場合には、熱の伝達量が大きくなり、放熱性が向上することがわかる。
(3)吸音率測定
実施例1、2および比較例1の発泡成形体の吸音率を測定した。吸音率の測定は、JIS A 1405の垂直入射吸音率法に準拠して行った。ここで、音波の入射方向は、磁性フィラーの配向方向と同じとした。図6に、吸音率の測定結果を示す。
図6に示すように、実施例1、2の発泡成形体では、比較例1の発泡成形体と比較して、1000Hz以上の高周波数領域における吸音率が高くなった。つまり、実施例1、2の発泡成形体は、特定の周波数領域において高い吸音性を示す。このように、本発明のウレタン発泡成形体によると、吸音特性を低下させずに、放熱性の向上を図ることができる。
本発明のウレタン発泡成形体は、自動車等の分野において様々な用途に用いることができる。例えば、路面の凹凸に起因する騒音を低減するための防音タイヤ、エンジンの騒音を低減するために車両のエンジンルームに配置されるエンジンカバーやサイドカバー、車室内の天井やピラー部等の吸音材、OA(Office Automation)機器や家電製品のモーター用吸音材、パソコン等の電子機器の放熱性吸音材、家屋の内外壁用吸音材等に好適である。
磁性フィラーの各形状における最大長さ、軸直方向断面横辺の長さ、軸直方向断面縦辺の長さについての説明図である。 実施例のウレタン発泡成形体の製造に使用した磁場発生装置の斜視図である。 同磁場発生装置の部分断面図である。 加熱試験装置の断面図である。 実施例および比較例の各発泡成形体の上面温度の測定結果を示すグラフである。 実施例および比較例の各発泡成形体における吸音率の測定結果を示すグラフである。
符号の説明
1:磁場発生装置
2U、2D:電磁石部 20U、20D:芯部 21U、21D:コイル部
210U、210D:導線 3:ヨーク部 4:発泡型 40U:上型 40D:下型
41:キャビティ L:磁力線
5:加熱試験装置
50:支持体 51:加熱板 52a、52b、52c:断熱材 53:試料
54:アルミニウム板

Claims (5)

  1. 発泡型のキャビティ内における磁束密度の差が±10%以内であり、超伝導コイルを用いずに生成される磁場中で発泡成形され、
    ポリウレタンフォームからなる基材と、
    該基材中に配合されている磁性フィラーと、を有し、
    該磁性フィラーは、球以外の形状をなし、互いに線接触および面接触の少なくとも一方により連接して配向していることを特徴とするウレタン発泡成形体。
  2. 前記磁性フィラーのアスペクト比は2以上である請求項1に記載のウレタン発泡成形体。
  3. 前記磁性フィラーの配合量は、ウレタン発泡成形体の体積を100体積%とした場合の0.1体積%以上20体積%以下である請求項1または請求項2に記載のウレタン発泡成形体。
  4. 請求項1に記載のウレタン発泡成形体の製造方法であって、
    発泡ウレタン樹脂原料と、球以外の形状をなす磁性フィラーと、を混合し混合材料を調製する混合材料調製工程と、
    該混合材料を発泡型に注入し、発泡型のキャビティ内における磁束密度の差が±10%以内であり、超伝導コイルを用いずに生成される磁場中で発泡させる発泡工程と、
    を有するウレタン発泡成形体の製造方法。
  5. 前記磁性フィラーのアスペクト比は2以上である請求項4に記載のウレタン発泡成形体の製造方法。
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