JP4906527B2 - 吸音体及び吸音構造体 - Google Patents

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Description

本発明は、防音タイヤなどに用いられる吸音体と、その吸音体を用いた防音カバーなどの吸音構造体に関する。
主として路面の凹凸に起因する騒音を低減するために、自動車のタイヤに多孔質体よりなる吸音体を設けることが行われている。このような吸音体をタイヤ内に配置することで、タイヤの空洞内での共鳴音を低減することができ、ロードノイズを低減することができる。但し、タイヤは走行時に路面との摩擦熱が発生するものであり、多孔質体よりなる吸音体をタイヤ内周面に配置すると、吸音体がもつ高い断熱特性によりタイヤに熱が蓄積し、タイヤが熱老化するという不具合がある。
そこで特開2005−104314号公報には、吸音体にアルミナ粉末などの熱伝導材を含ませた防音タイヤが提案されている。この防音タイヤによれば、吸音性を維持しつつ熱伝導性が向上するので、吸音性と放熱性の両方を満足させることができる。
特開2005−104314号
ところが特開2005−104314号公報に記載の吸音部材は、未だ満足できるレベルの熱伝導性を有しておらず、放熱性をさらに高くするために熱伝導材の混合量を多くしていくと、発泡成形に悪影響を及ぼし、吸音特性が低下するとともに、吸音部材の製造そのものが困難になるという問題があった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、熱伝導材の含有量を低減して吸音特性を高く維持するとともに、放熱性をさらに高めることを解決すべき課題とする。
なお特開2002−011758号公報には、有機高分子化合物に金属磁性体を混練した成形材料を用い、磁石を配置した成形型で成形する成形方法が記載されている。この成形方法によれば、磁力線方向に金属磁性体が配向して連設するので、樹脂成形体に熱伝導性と電気伝導性を同時に付与することができる。
しかしながらこの技術は、本願のようなウレタンフォームからなる吸音体にそのまま応用できる技術ではなく、吸音特性を維持しながら放熱性を高めるという多孔質ウレタンフォーム独特の課題を有する本発明とは技術分野が異なる。
上記課題を解決する本発明の吸音体の特徴は、ウレタンフォームからなる多孔質の基材と、基材中に含まれた磁性体粒子と、よりなり、磁性体粒子は複数の磁性体粒子どうしが鎖状に繋がったクラスターを形成し、クラスターの少なくとも一部が同一方向に配向していることにある。
また本発明の吸音構造体の特徴は、発熱する基体と、基体の放熱を遮るように設けられた本発明の吸音体と、よりなることにある。
本発明の吸音体及び吸音構造体では、複数の磁性体粒子どうしが鎖状に繋がったクラスターを有し、そのクラスターの少なくとも一部が同一方向に配向している。磁性体粒子は熱伝導性が高いため、吸音体の一表面に加えられた熱はクラスターを介して他表面に伝達され、他表面から速やかに放熱される。したがって少量の磁性体粒子で十分な放熱性が発現されるため、磁性体粒子による吸音特性の低下を最小限に抑制することができ、高い吸音特性を維持することができる。
例えばタイヤの内周表面に本発明の吸音体を配置すれば、走行音を低減できるとともにタイヤの温度上昇を効果的に抑制することができる。またエンジンカバーなどに本発明の吸音体を配置すれば、エンジンからの騒音を低減できるとともに熱のこもりを解消することができる。
そして、表面の少なくとも一部にウレタン樹脂との接合強度の高い膜を有する磁性体粒子を用いれば、磁性体粒子がウレタンフォームと高い強度で結合し脱落などの不具合を防止することができる。
また基材のクラスターが配向する方向の片側表面に磁性体粒子を多く含むように構成すれば、多くの磁性体粒子の存在によってその片側表面側が硬質となる。したがってその片側表面が遮音層として機能し、遮音層と吸音層とが一体の防音部材を形成することができる。
本発明の吸音体は、ウレタンフォームからなる多孔質の基材と、基材中に含まれた磁性体粒子と、から構成される。
基材を構成するウレタンフォームは、ポリエーテルポリオール又はポリエステルポリオールなどのポリオール成分とTDIあるいはMDIなどのポリイソシアネート及び水などの発泡剤が混合されて発泡成形されてなるものであり、その配合比率は従来と同様でよい。
例えばポリオールとしては、多価ヒドロキシ化合物やポリエーテルポリオール類,ポリエステルポリオール類,ポリマーポリオール類,ポリエーテルエステルポリオール類,ポリエーテルポリアミン類,ポリエステルポリアミン類,アルキレンポリオール類,ウレア分散ポリオール類,メラミン変性ポリオール類,ポリカーボネートポリオール類,アクリルポリオール類,ポリブタジエンポリオール類,フェノール変性ポリオール類など公知のポリオールの一種又は複数種を用いることができる。
またポリオールは、一分子中の官能基数が2〜8、分子量が1000〜 10000のものを50重量%以上含むことが好ましい。官能基数が2より少ないと発泡成形品の成形が困難となる場合があり、官能基数が8より多いとウレタンフォームの引張り伸びなどの物性が極端に低下するようになる。また分子量が1000より小さいとウレタンフォームの弾性が失われ、分子量が 10000より大きくなると粘度が高く発泡が困難となってウレタンフォームの成形が困難となる。
MDI系のポリイソシアネートとしては、4,4'−MDI,2,4'−MDI,粗製MDIあるいはこれらのカルボジイミド変性体,ウレトンイミン変性体などを用いることができる。ポリイソシアネートとポリオールとの混合比は、NCO/OH(インデックス)が 0.6〜 1.2の範囲となるようにするのが望ましい。インデックスが 0.6未満では、得られる発泡成形品の永久歪みなどの物性が低下し、 1.2を越えると架橋反応が進み過ぎて成形性が低下する。
発泡剤としては、水、フルオロカーボン類などを用いることができる。発泡剤としての水の添加量は、ポリオール成分 100重量部に対して一般に1〜6重量部程度である。
また従来と同様に、触媒,架橋剤,整泡剤,鎖伸長剤,減粘剤などの添加物を適宜に配合することができる。触媒としては、公知のアミン系触媒や有機金属系触媒を用いることができ、具体的にはビス(ジメチルアミノエチル)エーテル,ペンタメチルジエチレントリアミン,N,N-ジメチルシクロヘキシルアミン,N,N-ジメチルエタノールアミン,N,N,N',N'-テトラメチルヘキサメチレンジアミン,N,N,N',N'-テトラメチルプロピレンジアミン,N,N,N',N'-テトラメチルエチレンジアミン,トリエチレンジアミン,N-メチル-N'-(ジメチルアミノ)エチルピペラジン,N-メチルモノフォリン,N-エチルモノフォリン,トリエチルアミン,ラウリン酸錫,オクタン酸錫などが例示される。この触媒の添加量は、ポリオール成分 100重量部に対して一般に0.01〜5重量部程度である。
架橋剤としては、比較的低分子量のものが用いられ、例えばジオールやトリオール,多価アミン,又はこれらにエチレンオキシド,プロピレンオキシドを付加したもの,トリエタノールアミン,ジエタノールアミンなどを用いることができる。架橋剤の添加量は、ポリオール成分 100重量部に対して一般に0〜20重量部程度である。整泡剤としては、一般に用いられているシリコーン系整泡剤を適宜用いることができる。なお、ウレタンフォームに要求される性能に応じて、難燃剤,充填材,帯電防止剤,着色剤,安定剤などを、必要に応じて本発明の目的を逸脱しない範囲で添加することができる。
磁性体粒子としては、反磁性体、常磁性体、強磁性体、反強磁性体などを用いることができるが、Fe、Ni、Co、Gd、ステンレス鋼などの強磁性体あるいはMnO 、Cr2O3 、FeCl2 、MnAsなどの反強磁性体が好ましい。中でも、熱伝導率が高く防錆性能にも優れたステンレス鋼粒子を用いるのが特に好ましい。なおステンレス鋼は酸化皮膜が表面を覆っているため、その影響により、比較的ウレタンフォームとの接合強度も高い。
またウレタンフォームとの接合強度が低い磁性体粒子を用いる場合には、磁性体粒子の表面の少なくとも一部にウレタン樹脂との接合強度の高い膜を形成することが望ましい。この膜としては、水酸基をもつものが望ましく、有機塗膜が特に好ましい。この塗膜を形成するには、ディッピング塗装法などで粒子の全面に塗装することもできるが、箔状の磁性体のカチオン電着塗装などで塗膜を形成し、それを粉砕して粒子としてもよい。
磁性体粒子の添加量は、ウレタンフォーム 100重量部中に20〜 140重量部とするのが好ましい。発泡ウレタン樹脂原料の粘度にもよるが、磁性体粒子の添加量がこの範囲より少ないと一方向に配向したクラスターの量が少なくなり、放熱性が低下する。またこの範囲より多く磁性体粒子を添加すると、放熱性は十分であるものの吸音特性が低下するようになる。
本発明の吸音体を製造するには、発泡ウレタン樹脂原料中に磁性体粒子を混合しておき、発泡成形における反応初期から、金型のキャビティを挟む両側にS極とN極を配置して磁界を印加する。このときキャビティ内の磁力線の向きがほぼ平行となるように磁界を調整し、その状態で発泡成形すればよい。磁性体粒子を含む液体に磁界を印加すると、磁性体粒子は液体中で磁力線の向きに配向し、磁性体粒子どうしが鎖状に繋がったクラスターを形成する。発泡ウレタン樹脂原料も反応初期には液体であるので、磁性体粒子どうしが鎖状に繋がったクラスターが形成され、そのクラスターは磁界の向きに平行に配向する。
なお磁界の強度は、挟まれるキャビティの間隔(成形される基材の厚さ)に応じて決定される。基材の厚さが薄い場合は小さい強度でも十分であるが、厚さが厚くなるほど強度を大きくするのが望ましい。
基材は、クラスターが配向する方向の片側表面に磁性体粒子を多く含むことも好ましい。このようにすれば、多くの磁性体粒子の存在によってその片側表面側が硬質となる。したがってその片側表面が遮音層として機能し、遮音層と吸音層とが一体の防音部材を形成することができる。このような基材を形成するには、例えば反応初期にはキャビティを挟む両側に磁石を配置し、反応中期又は後期に片側のみに磁力がより大きな磁石を配置することで行うことができる。反応初期に一方向に配向したクラスターが形成され、中期又は後期には粘度が上昇して磁性体粒子が移動しにくくなる。その時に一方の表面から強い磁界を印加すれば、その表面側にある磁性体粒子のみが引き付けられて、クラスター構造を維持しつつ片側表面の磁性体粒子の濃度を高くすることができる。
本発明の吸音体をタイヤの内部に配置すれば、防音タイヤとして利用することができる。すなわちタイヤ本体の内周面とホイールのリムの外周面とで形成されるリング状空間内に、タイヤ本体の内周面に接した状態で本発明の吸音体を配設する。これにより共鳴音を低減することができ、ロードノイズを低減することができる。吸音体が磁性体粒子からなるクラスターを含むことで、走行時における路面との摩擦によるタイヤの発熱は、クラスターを介してタイヤ本体の内周面とリムの外周面とで形成されるリング状の内部空間内に放熱され、リムを伝わって排熱されるので、タイヤ本体の熱老化を抑制することができる。
また本発明の吸音体を遮音カバーの騒音源に配置すれば、防音カバーとして利用することができ、エンジンなどの騒音源からの騒音を低減することができる。また騒音源からの熱は、吸音体の磁性体粒子のクラスターを介して遮音カバーに効率よく伝導され、遮音カバーから外部へ放熱される。したがってエンジンなどの冷却性が向上し、オーバーヒートなどの不具合を未然に防止することができる。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明する。
(実施例1)
ポリエーテルポリオール 100重量部に対して、架橋剤としてのジエチレングリコールを2重量部、発泡剤としての水を 2.5重量部、アミン触媒を 0.6重量部、整泡剤を 0.5重量部、異方性フェライト粉末(主成分 Fe2O3、直径0.03mm程度の先尖形状)30.9重量部を撹拌混合してA液を調製した。
50mm×50mm×20mmの矩形キャビティを有するアルミニウム製の金型を用い、上記A液を4.42重量部(異方性フェライト粉末 1.0重量部含む)と、MDIからなるB液を1.58重量部とを混合した発泡原料6gをキャビティ内に注入後型閉じし、発泡成形を行った。以上の結果、発泡成形体 100重量部に対して、異方性フェライト粉末は20重量部となった。
図1に示すように、発泡原料の注入前から50mm×50mm×25.4mmの矩形のネオジム磁石 200(表面磁束密度 510mT)を金型 100の上表面に載置し、注入してから40秒後に同じネオジム磁石 200を金型 100の下部に配置して、発泡成形を行った。金型 100の上底の厚さは3mmであり、下底の厚さは8mmである。また成形時の室温及び発泡原料の液温は22℃であった。
発泡成形終了後に型開きし、発泡成形体を取り出した。得られた発泡成形体の見掛け密度は0.12g/cm3、連泡率が90%であり、吸音体としての構造を備えていた。また断面を観察したところ、複数のフェライト粒子どうしが鎖状に繋がったクラスターが形成され、そのクラスターが厚さ方向に配向していることが確認された。
次に、得られた発泡成形体を図2に示す試験装置に配置した。平板状のヒータ1を表面温度が 100℃定常とした状態で、その表面に発泡成形体2を20mmの寸法が厚さ方向となるように載置するとともに、発泡成形体2の周囲をウレタンーシートからなる断熱材3で囲み、さらに発泡成形体2の上面も断熱材3で覆った。なおヒータ1の表面と発泡成形体2の上表面には、グリスが薄く塗布されている。
ヒータ1への載置直後から、発泡成形体2の上表面の温度を連続的に測定し、発泡成形体2の上表面の温度が平衡値に達した時の平衡温度を表1及び図3に示す。
(実施例2)
発泡原料の注入直後から発泡成形終了まで、ネオジム磁石を金型の上表面のみ(片側)に載置したこと以外は実施例1と同様にして発泡成形を行った。発泡成形終了後に型開きし、発泡成形体を取り出した。得られた発泡成形体の見掛け密度は0.12g/cm3、連泡率が90%であり、吸音体としての構造を備えていた。また断面を観察したところ、複数のフェライト粒子どうしが鎖状に繋がったクラスターが形成され、そのクラスターが厚さ方向に配向していることが確認された。さらに、磁石を配置した側の表面近傍にフェライト粒子が多く存在していた。
この発泡成形体について実施例1と同様にして平衡温度を測定し、結果を表1及び図3に示す。
(ブランク)
フェライト粉末を混合しなかったこと以外は実施例1と同様の発泡原料を用い、磁石を用いなかったこと以外は実施例1と同様にして発泡成形を行った。得られた発泡成形体の見掛け密度は0.10g/cm3、連泡率が90%であり、吸音体としての構造を備えていた。
この発泡成形体について実施例1と同様にして平衡温度を測定し、結果を表1及び図3に示す。
(比較例1)
実施例1と同様の発泡原料を用い、磁石を用いなかったこと以外は実施例1と同様にして発泡成形を行った。得られた発泡成形体の見掛け密度は0.12g/cm3、連泡率が90%であり、吸音体としての構造を備えていた。また断面を観察したところ、フェライト粒子は全体に均一に分散していた。
この発泡成形体について実施例1と同様にして平衡温度を測定し、結果を表1及び図3に示す。
(実施例3)
発泡成形体 100重量部に対してフェライト粉末が50重量部になるように混合したこと以外は実施例1と同様の発泡原料を用い、実施例1と同様にして発泡成形を行った。得られた発泡成形体の見掛け密度は0.15g/cm3、連泡率が90%であり、吸音体としての構造を備えていた。また断面を観察したところ、複数のフェライト粒子どうしが鎖状に繋がったクラスターが形成され、そのクラスターが厚さ方向に配向していることが確認された。
この発泡成形体について実施例1と同様にして平衡温度を測定し、結果を表1及び図3に示す。
(実施例4)
実施例3と同様の発泡原料を用い、実施例2と同様にして発泡成形を行った。得られた発泡成形体の見掛け密度は0.15g/cm3、連泡率が90%であり、吸音体としての構造を備えていた。また断面を観察したところ、複数のフェライト粒子どうしが鎖状に繋がったクラスターが形成され、そのクラスターが厚さ方向に配向していることが確認された。さらに、磁石を配置した側の表面近傍にフェライト粒子が多く存在していた。
この発泡成形体について実施例1と同様にして平衡温度を測定し、結果を表1及び図3に示す。
(比較例2)
実施例3と同様の発泡原料を用い、比較例1と同様にして発泡成形を行った。得られた発泡成形体の見掛け密度は0.15g/cm3、連泡率が90%であり、吸音体としての構造を備えていた。また断面を観察したところ、フェライト粒子は全体に均一に分散していた。
この発泡成形体について実施例1と同様にして平衡温度を測定し、結果を表1及び図3に示す。
(実施例5)
発泡成形体 100重量部に対してフェライト粉末が 100重量部になるように混合したこと以外は実施例1と同様の発泡原料を用い、実施例1と同様にして発泡成形を行った。得られた発泡成形体の見掛け密度は0.20g/cm3、連泡率が90%であり、吸音作用は若干低下するものの吸音体としての構造を備えていた。また断面を観察したところ、複数のフェライト粒子どうしが鎖状に繋がったクラスターが形成され、そのクラスターが厚さ方向に配向していることが確認された。
この発泡成形体について実施例1と同様にして平衡温度を測定し、結果を表1及び図3に示す。
(実施例6)
実施例5と同様の発泡原料を用い、実施例2と同様にして発泡成形を行った。得られた発泡成形体の見掛け密度は0.20g/cm3、連泡率が90%であり、吸音体としての構造を備えていた。また断面を観察したところ、複数のフェライト粒子どうしが鎖状に繋がったクラスターが形成され、そのクラスターが厚さ方向に配向していることが確認された。さらに、磁石を配置した側の表面近傍にフェライト粒子が多く存在していた。
この発泡成形体について実施例1と同様にして平衡温度を測定し、結果を表1及び図3に示す。
(比較例3)
実施例5と同様の発泡原料を用い、比較例1と同様にして発泡成形を行った。得られた発泡成形体の見掛け密度は0.20g/cm3、連泡率が90%であり、吸音体としての構造を備えていた。また断面を観察したところ、フェライト粒子は全体に均一に分散していた。
この発泡成形体について実施例1と同様にして平衡温度を測定し、結果を表1及び図3に示す。
<評価>
Figure 0004906527
各実施例で得られた発泡成形体は、いずれも対応する比較例の発泡成形体に比べて平衡温度が高いことから、比較例の発泡成形体に比べて熱伝導性が高いことが明らかである。そしてフェライト粉末の混合量が多くなるほど熱伝導性が向上し、しかも実施例と比較例との差がより拡大していることから、単にフェライト粉末を混合したことによる効果のみならず、発泡成形時に磁石を配置したことによる鎖状に繋がったクラスター構造の効果が発現されていることが明らかである。また磁石を上側のみに配置するより、上下両側に配置する方が好ましいこともわかる。これは磁力線の向きがキャビティの厚さ方向に平行に揃い、クラスターの配向性がより強まったためと考えられる。
また実施例1(20重量部)と比較例3( 100重量部)の熱伝導率がほぼ同じであり、仮に実施例3(50重量部)と同じレベルの熱伝導性を、比較例1〜3のような単純撹拌で発現させるためには、磁性体を 230重量部程度含有させなければならない計算になり、そもそも吸音体としての機能が損なわれてしまうことは明らかである。また含有量を多くするということは、重量や価格をアップすることにもつながり、量産をする上で好ましくない。
(実施例7)
図4に本実施例の防音タイヤをリムに取付けた状態の縦断面図を、図5にこの防音タイヤの概略横断面図を示す。この防音タイヤは、ゴム製で断面略U字状に形成されたタイヤ本体4と、タイヤ本体4の内周表面に接合された吸音体5とから構成されている。
吸音体5は、磁性体粒子をステンレス鋼粒子としたこと以外は実施例5と同様の発泡原料から発泡成形によって形成されたウレタンフォームからなり、無端のリング状に形成されている。また含まれるステンレス鋼粒子が鎖状に繋がったクラスターを形成し、クラスターが厚さ方向に配向している。そして一表面がタイヤ本体4の内周表面に接合されている。
この防音タイヤは、予め形成されたタイヤ本体4の内周表面をショットブラスト処理し、その後ゴム系接着剤を用いて、予め形成された吸音体5を接着することで一体化された。
本実施例の防音タイヤによれば、吸音体5の重さは約 160gであるので、タイヤ本体4の重さに比べてきわめて小さく、吸音体5の重さはほとんど無視できる程度に小さい。しかし見掛け密度が小さく連泡率が高いため、タイヤ本体4で発生したロードノイズなどの騒音を十分に吸音することができる。
さらに走行時の路面との摩擦熱がタイヤ本体4から伝達されたとしても、吸音体5は厚さ方向の熱伝導性が高いため、タイヤ本体4の熱は吸音体5、タイヤ本体1内の空気及びリムを伝わって排熱される。したがってタイヤ本体4の過熱を防止することができ、タイヤ本体4の熱老化を抑制することができる。
また、磁性体粒子がステンレス鋼粒子であり、酸化皮膜によりウレタンフォームとの接合強度が高くなっているため、タイヤの回転や変形のような過酷な使用状態においても耐久性に問題が無い。さらに、ステンレス鋼粒子の場合、酸化して極端に熱伝導率が落ちることがないので、高い熱伝導率を長期間保持することができる。
(実施例8)
図6に本実施例のエンジンカバーの断面図を示す。このエンジンカバーは、騒音源となるエンジン6の発熱を遮るように設けられた吸音体7によって構成されている。
吸音体7は、実施例6と同様の発泡原料から発泡成形によって形成されたウレタンフォームからなり、含まれるフェライト粒子が鎖状に繋がったクラスターを形成し、クラスターが厚さ方向に配向しているとともに、片側表面に磁性体粒子を多く含んでいる。
本実施例のエンジンカバーによれば、吸音体7が吸音層70と、片側表面に磁性体粒子を多く含んだ遮音機能を有する遮音層71と、の両方を構成しているので、エンジンからの騒音を効果的に低減することができる。そして吸音体7は厚さ方向の熱伝導性が高いため、エンジンの熱を効果的に排熱することができ、熱のこもりによってエンジンカバーがエンジンの冷却の妨げとなるのを防止することができる。
なお、本発明の吸音体はクラスター方向によって熱伝導の異方性を有しているため、走行時に風が当たりやすい部位から発熱するエンジンの表面に接触している部位を結ぶ方向の熱伝導性を高くし、逆に機器や配線によって熱をかけたくないような部位は断熱するというように、吸音体7のクラスター方向を変更することも可能である。
また、遮音層として放熱性が高い薄鋼板を使用し、吸音体を実施例5のように磁石を上下両側に配置して得られた発泡成形体とすれば、より大きな遮音効果と放熱効果が同時に得られる。
本発明の一実施例における発泡成形方法を示す説明図である。 本発明の一実施例における試験方法を示す説明図である。 平衡温度を示す棒グラフである。 本発明の一実施例の防音タイヤの断面図である。 本発明の一実施例の防音タイヤの断面図である。 本発明の一実施例のエンジンカバーの断面図である。
符号の説明
1:ヒータ 2:発泡成形体 3:断熱材
4:タイヤ本体(基体) 5:吸音体 6:カバー本体
7:吸音体 100:金型 200:ネオジム磁石

Claims (6)

  1. ウレタンフォームからなる多孔質の基材と、該基材中に含まれた磁性体粒子と、よりなり、
    該磁性体粒子は複数の該磁性体粒子どうしが鎖状に繋がったクラスターを形成し、該クラスターの少なくとも一部が同一方向に配向していることを特徴とする吸音体。
  2. 前記磁性体粒子は、表面の少なくとも一部にウレタン樹脂との接合強度の高い膜を有する請求項1に記載の吸音体。
  3. 前記基材は、前記クラスターが配向する方向の片側表面に前記磁性体粒子を多く含む請求項1に記載の吸音体。
  4. 発熱する基体と、該基体の放熱を遮るように設けられた請求項1〜3のいずれかに記載の吸音体と、よりなることを特徴とする吸音構造体。
  5. 前記基体はタイヤであり、防音タイヤとして機能する請求項4に記載の吸音構造体。
  6. 前記基体は騒音源であり、防音カバーとして機能する請求項4に記載の吸音構造体。
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