JP5014025B2 - ウレタン発泡成形体およびその製造方法 - Google Patents

ウレタン発泡成形体およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5014025B2
JP5014025B2 JP2007221781A JP2007221781A JP5014025B2 JP 5014025 B2 JP5014025 B2 JP 5014025B2 JP 2007221781 A JP2007221781 A JP 2007221781A JP 2007221781 A JP2007221781 A JP 2007221781A JP 5014025 B2 JP5014025 B2 JP 5014025B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic
urethane foam
fluid
foam molded
molded article
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007221781A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009051147A (ja
Inventor
幸治 富山
康司 井門
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Riko Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Riko Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Riko Co Ltd filed Critical Sumitomo Riko Co Ltd
Priority to JP2007221781A priority Critical patent/JP5014025B2/ja
Publication of JP2009051147A publication Critical patent/JP2009051147A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5014025B2 publication Critical patent/JP5014025B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Vehicle Interior And Exterior Ornaments, Soundproofing, And Insulation (AREA)
  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Description

本発明は、例えば吸音材や振動吸収材等として用いられるウレタン発泡成形体およびその製造方法に関する。
例えば、車両の吸音材、振動吸収材等として、ウレタン発泡成形体が広く使用されている。ウレタン発泡成形体は、セルと呼ばれる無数の小さな気泡を持つ。ウレタン発泡成形体に入射した音波は、セルを通過する途中で、音エネルギーの一部が熱エネルギーに変換されることにより減衰される。これにより、吸音作用が奏される。近年では、吸音性能をより向上させるため、例えば、特許文献1、2に紹介されているような複層構造を有する吸音材が開発されている。すなわち、特許文献1には、高密度発泡層と低密度発泡層とを有する二層構造の吸音材が開示されている。また、特許文献2には、吸音層と中間層と吸音層とからなる三層構造の吸音材が開示されている。
特開2001−138771号公報 特開2006−137160号公報
上記特許文献1、2に記載された吸音材は、異なる二層あるいは三層が接合されてなる。このため、各層の接合界面において流れ抵抗が変化して、吸音性能が低下するおそれがある。また、積層する層を各々製造し、接合するための工程が別途必要になるため、製造工程が煩雑になりコスト高となる。また、特許文献2に記載された吸音材のように、積層する層同士を接着剤で接合すると、接着層により通気性が低下すると共に、接合界面が剥離しやすく耐久性が問題となる。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、複数の層を接合することなく、実質的に複層構造の成形体の特性を有するウレタン発泡成形体を提供することを課題とする。また、そのようなウレタン発泡成形体を簡便に製造することのできる製造方法を提供することを課題とする。
(1)本発明のウレタン発泡成形体は、少なくとも一端面から外内方向にスパイク状に配向された磁性体を有し、該磁性体の配向方向にセル構造が変化していることを特徴とする(請求項1に対応)。ここで、「セル構造」とは、セルの大きさ、形状、単位体積当たりの数等のうち、少なくとも一つをいう。
本発明のウレタン発泡成形体の少なくとも一端面付近には、スパイク状に配向された磁性体が配置されている。磁性体は、当該一端面から外内方向に鎖状に繋がって配向している。磁性体は、当該一端面付近に配置されていればよいが、その一部が当該一端面から他端面(一端面に対して180°対向した端面でなくてもよい)付近まで延在していてもよい。
本発明のウレタン発泡成形体では、少なくとも一端面側に磁性体が偏在している。すなわち、ウレタン発泡成形体中の磁性体の濃度は、磁性体の配向方向に沿って異なる。また、磁性体の濃度が異なると、セル構造が異なる。つまり、本発明のウレタン発泡成形体では、磁性体の配向方向に、磁性体の濃度に応じてセル構造が変化している。ここで、セル構造は、漸次に滑らかに変化していてもよく、ステップ状に変化していてもよい。このように、本発明のウレタン発泡成形体では、部位によりセル構造が異なる。セル構造の違いにより、通気性、強度等の特性が変化する。したがって、本発明によると、特性の異なる複数の層を接合することなく、磁性体の配向方向において特性の異なるウレタン発泡成形体を得ることができる。また、磁性体の配置態様等を調整することによりセル構造を制御して、所望の特性を有するウレタン発泡成形体を得ることができる。
本発明のウレタン発泡成形体は、複数層の接合により生じる接合界面を有しない。このため、例えば吸音材として用いた場合には、流れ抵抗の変化が小さく、吸音性能が低下しにくい。また、接合界面の剥離という問題もない。よって、本発明のウレタン発泡成形体は、耐久性に優れる。また、本発明のウレタン発泡成形体によると、積層する層を各々製造し、接合する必要がない。このため、製造工程が単純化され、製造コストを低減することができる。
(2)また、本発明のウレタン発泡成形体の製造方法は、磁性流体と発泡ウレタン樹脂原料とを混合せず別々に発泡型のキャビティ内に注入する原料注入工程と、該キャビティ内へ磁場を作用させながら発泡成形する発泡成形工程と、を有することを特徴とする(請求項3に対応)。
磁性流体は、磁性体が溶媒中に分散された流体である。本明細書において、磁性流体は、ナノサイズの磁性体粒子を含有するいわゆる磁性流体(Magnetic fluid;MF)の他、ミクロンサイズの磁性体粒子を含有する磁気粘性流体(Magneto−Rheological流体;MR流体)、および、MFにミクロンサイズの磁性体粒子を混合した磁気混合流体(Magnetic compound fluid;MCF)を含む。なお、ここでいう磁気混合流体(MCF)とは、例えば特開2002−170791号公報に記載されている粒子分散型混合機能性流体のようなものである。
発泡成形工程において、磁性流体は、磁性体が磁界の方向に配向されることにより流動する。磁性流体の流動は、発泡ウレタン樹脂原料の発泡反応に影響を及ぼす。ここで、原料注入工程において、磁性流体と発泡ウレタン樹脂原料とは、混合されずに別々に発泡型のキャビティ内に注入されている。このため、発泡ウレタン樹脂原料のうち、磁性流体に近い部分は、配向流動する磁性流体により拘束されながら発泡する。この際、磁性流体の濃度が高いほど、発泡反応への影響が大きい。したがって、磁性流体による発泡反応への影響の程度に応じて、形成されるセル構造が変化する。このように、本発明の製造方法によると、磁性体の配向方向にセル構造が変化する上記本発明のウレタン発泡成形体を、簡便に製造することができる。また、磁性流体の種類、配合量、磁場の強さ等により、セル構造を容易に制御することができる。また、磁性流体と発泡ウレタン樹脂原料とは共に液体である。よって、粉末の磁性体を単独で使用する場合と比較して、取り扱いが容易であり、設備への負担も少ない。
以下、本発明のウレタン発泡成形体およびその製造方法の実施形態について説明する。なお、本発明のウレタン発泡成形体およびその製造方法は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、当業者が行い得る変更、改良等を施した種々の形態にて実施することができる。
<ウレタン発泡成形体>
上述したように、本発明のウレタン発泡成形体は、少なくとも一端面から外内方向にスパイク状に配向された磁性体を有し、該磁性体の配向方向にセル構造が変化している。磁性体としては、磁性流体に含有されるマグネタイト等の強磁性体が望ましい。磁性体は、少なくとも一端面付近に偏在していればよい。また、磁性体は、ある規則性を持って、外側から内側に向かう所定の方向に配置されていればよい。例えば、直線状に配置されていても、曲線状に配置されていてもよい。また、中心から外周に向かって放射状に配置されていてもよい。また、これらの形状を組み合わせた形状で配置されていてもよい。
セル構造は、磁性体の配向方向に変化していればよい。例えば、磁性体が一端面から他端面に向かう方向に配向している場合には、磁性体は当該一端面側に偏在する。この場合、少なくとも当該一端面近傍のセル構造と当該他端面近傍のセル構造とは異なる。また、一端面から他端面に向かう方向においては、セル構造は漸次滑らかに変化していてもよく、ステップ状に変化していてもよい。本発明のウレタン発泡成形体において、セル構造、すなわちセルの形状、大きさ、単位体積当たりの数等は、特に限定されるものではない。本発明のウレタン発泡成形体の用途に応じて、所望の特性が得られるよう適宜調整すればよい。このようなセル構造を持つ本発明のウレタン発泡成形体は、例えば以下の製造方法により簡便に製造することができる。
<ウレタン発泡成形体の製造方法>
本発明のウレタン発泡成形体の製造方法は、原料注入工程と発泡成形工程とを有する。以下、各工程について説明する。
(1)原料注入工程
本工程は、磁性流体と発泡ウレタン樹脂原料とを混合せず別々に発泡型のキャビティ内に注入する工程である。磁性流体としては、MF、MR流体、およびMCFの中から適宜選択すればよい。例えば、磁性体を分散させる溶媒が、発泡ウレタン樹脂原料の発泡反応に影響しやすいものを用いることが望ましい。例えば、水、ポリαオレフィン等が挙げられる。また、磁性流体は、MR流体およびMCFの少なくとも一方を含むことが望ましい。MR流体やMCFは、発泡ウレタン樹脂原料の発泡反応に対する影響が大きい。すなわち、MR流体やMCFに磁場を加えると、粘度が急激に上昇する。このため、磁場中における発泡成形時には、MR流体やMCFが、発泡ウレタン樹脂原料の発泡反応よりも先に配向流動して、発泡ウレタン樹脂原料を拘束する。このため、発泡反応が進行しにくくなる。その結果、MR流体やMCFが作用した部分のセル構造を、より大きく変化させることができる。MR流体、MCFとしては、例えば、シグマハイケミカル社製の商品「E−600」、ロード社製の商品「MRF−122−2ED」、「MRF−132DG」、「MRF−140CG」等が挙げられる。
発泡ウレタン樹脂原料に対する磁性流体の配合割合は、所望のセル構造が得られるように適宜調整すればよい。例えば、磁性流体の配合割合が大きい場合には、セル構造の変化の程度や、変化する領域が大きくなる。
発泡ウレタン樹脂原料は、ポリイソシアネート成分およびポリオール成分等の既に公知の原料から調製すればよい。ポリイソシアネート成分としては、例えば、トリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、およびこれらの誘導体(例えばポリオール類との反応により得られるプレポリマー類、変成ポリイソシアネート類等)等の中から適宜選択すればよい。また、ポリオール成分としては、多価ヒドロキシ化合物、ポリエーテルポリオール類、ポリエステルポリオール類、ポリマーポリオール類、ポリエーテルポリアミン類、ポリエステルポリアミン類、アルキレンポリオール類、ウレア分散ポリオール類、メラミン変性ポリオール類、ポリカーボネートポリオール類、アクリルポリオール類、ポリブタジエンポリオール類、フェノール変性ポリオール類等の中から適宜選択すればよい。
さらに、触媒、発泡剤、整泡剤、架橋剤、難燃剤、帯電防止剤、減粘剤、安定剤、充填剤、着色剤等を適宜配合してもよい。例えば、触媒としては、テトラエチレンジアミン、トリエチレンジアミン、ジメチルエタノールアミン等のアミン系触媒や、ラウリン酸錫、オクタン酸錫等の有機金属系触媒が挙げられる。また、発泡剤としては水が好適である。水以外には、塩化メチレン、フロン、COガス等が挙げられる。また、整泡剤としてはシリコーン系整泡剤が、架橋剤としてはトリエタノールアミン、ジエタノールアミン等が好適である。
磁性流体と、調製した発泡ウレタン樹脂原料とを、混合せず別々に発泡型のキャビティ内に注入する。この際の注入順序は、製造するウレタン発泡成形体に応じて適宜決定すればよい。例えば、発泡ウレタン樹脂原料を注入する前に、キャビティの底部に磁性流体を予め注入しておくと、磁性流体が敷設された面から磁力線の方向に沿って(磁性体の配向方向に沿って)、セル構造を確実に変化させることができる。磁性流体と発泡ウレタン樹脂原料とを注入し、閉型された発泡型は、速やかに次の発泡成形工程に供される。
(2)発泡成形工程
本工程は、上記発泡型のキャビティ内へ磁場を作用させながら発泡成形する工程である。例えば、セル構造を略一方向に変化させる場合、発泡型のキャビティ内の磁力線が、キャビティの一端面から、当該一端面に対して180°対向する他端面に向かって略平行になるよう形成することが望ましい。この場合、例えば発泡型を挟むように、発泡型の一端および他端の両面近傍に磁石を配置すればよい。磁石には、永久磁石または電磁石を用いればよい。電磁石を用いると、磁場形成のオン、オフを瞬時に切り替えることができ、磁場の強さの制御が容易である。このため、発泡成形を制御しやすい。この場合、発泡型の外部に配置した磁石により、発泡型の内部に磁場を形成させるため、発泡型としては透磁率の低い材質、つまり非磁性の材質のものを使用するとよい。例えば、通常ポリウレタンの発泡成形に使用されるアルミニウムやアルミニウム合金製の発泡型であれば問題ない。この場合、電磁石等の磁力源から発生する磁場、磁力線が影響を受けにくく、磁場状態のコントロールがしやすい。ただし、必要とする磁場、磁力線の状態に応じて適宜、磁性材料のものを使用してもよい。
磁場は、発泡ウレタン樹脂原料の粘度が比較的低い間にかけられることが望ましい。発泡ウレタン樹脂原料が増粘し、発泡成形がある程度終了した時に磁場をかけると、磁性流体の配向流動が起こりにくいため、所望のセル構造を得ることが難しい。なお、発泡成形を行う時間のすべてにおいて磁場をかける必要はない。
また、発泡型のキャビティ内における磁束密度は略均一であることが望ましい。例えば、キャビティ内における磁束密度の差が、±10%以内であるとよい。±5%以内、さらには±3%以内であるとより好適である。キャビティ内に一様な磁場を形成することで、ウレタン発泡成形体の一端面から外内方向に、同じような傾斜をもったセル構造を形成することができる。
本工程にて発泡成形が終了した後、脱型して、本発明のウレタン発泡成形体を得る。この際、発泡成形の仕方により、ウレタン発泡成形体の端面にスキン層が形成される。当該スキン層は、用途に応じて切除してもよい(勿論切除しなくてもよい)。
次に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
(1)ウレタン発泡成形体の製造
本発明の実施例として、一端面付近に磁性体が偏在するウレタン発泡成形体を製造した。まず、磁性流体として、MR流体(シグマハイケミカル社製「E−600」)を準備した。次に、発泡ウレタン樹脂原料を以下のように調製した。ポリオール成分のポリエーテルポリオール(住化バイエルウレタン社製「S−0248」、平均分子量6000、官能基数3、OH価28mgKOH/g)100重量部と、架橋剤のジエチレングリコール(三菱化学社製)2重量部と、発泡剤の水2重量部と、テトラエチレンジアミン系触媒(花王社製「No.31」)1重量部と、シリコーン系整泡剤(日本ユニカ社製「SZ−1313」)0.5重量部と、を配合し、プレミックスポリオールを調製した。調製したプレミックスポリオールに、ポリイソシアネート成分のジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)(BASFINOACポリウレタン社製「NE1320B」、NCO=44.8wt%)を加えて混合し、発泡ウレタン樹脂原料とした。ここで、ポリオール成分とポリイソシアネート成分との配合比(PO:ISO)は、両者の合計重量を100%として、PO:ISO=78.5:21.5とした。
次に、MR流体を、アルミニウム製の発泡型(後述する図1、図2参照)のキャビティ(直径100mm×厚さ20mmの円筒形)内に注入した。MR流体は、キャビティの底面が隠れる程度に略一様に敷きつめた。MR流体の厚さは約1mmであった。続いて、MR流体の上に、調製した発泡ウレタン樹脂原料を注入し、閉型した。その後、発泡型を磁場発生装置に設置して、発泡成形を行った。図1に、磁場発生装置の斜視図を示す。図2に、磁場発生装置の部分断面図を示す。図1、図2に示すように、磁場発生装置1は、一対の電磁石部2U、2Dと、ヨーク部3と、を備えている。
電磁石部2Uは、芯部20Uとコイル部21Uとを備えている。芯部20Uは、強磁性体製であって、上下方向に延びる円柱状を呈している。コイル部21Uは、芯部20Uの外周面に配置されている。コイル部21Uは、芯部20Uの外周面に巻装された導線210Uにより、形成されている。導線210Uは、電源(図略)に接続されている。
電磁石部2Dは、発泡型4を挟んで、上記電磁石部2Uの下方に配置されている。電磁石部2Dは、上記電磁石部2Uと同様の構成を備えている。すなわち、電磁石部2Dは、芯部20Dとコイル部21Dとを備えている。コイル部21Dは、芯部20Dの外周面に巻装された導線210Dにより、形成されている。導線210Dは、電源(図略)に接続されている。
ヨーク部3は、C字状を呈している。ヨーク部3のC字上端は、電磁石部2Uの芯部20U上端に接続されている。一方、ヨーク部3のC字下端は、電磁石部2Dの芯部20D下端に接続されている。
前記発泡型4は、上型40Uと下型40Dとを備えている。発泡型4は、電磁石部2Uの芯部20Uと電磁石部2Dの芯部20Dとの間に、介装されている。上型40Uは、角柱状を呈している。上型40Uの下面には、円筒状の凹部が形成されている。同様に、下型40Dは、角柱状を呈している。下型40Dの上面には、円筒状の凹部が形成されている。上型40Uと下型40Dとは、互いの凹部の開口同士が向き合うように配置されている。上型40Uと下型40Dとの間には、上記凹部同士が合体することにより、キャビティ41が区画されている。キャビティ41には、前述したように、MR流体と発泡ウレタン樹脂原料とが各々混合されずに充填されている。
導線210Uに接続された電源および導線210Dに接続された電源を、共にオンにすると、上方の電磁石部2Uの芯部20Uの上端がS極に、下端がN極に磁化される。このため、芯部20Uに、上方から下方に向かって磁力線L(図2に点線で示す)が発生する。また、下方の電磁石部2Dの芯部20Dの上端がS極に、下端がN極に磁化される。このため、芯部20Dに、上方から下方に向かって磁力線Lが発生する。また、芯部20U下端はN極であり、芯部20D上端はS極である。このため、芯部20Uと芯部20Dとの間には、上方から下方に向かって磁力線Lが発生する。以上説明したように、電磁石部2U、2D間には、上方から下方に向かって磁力線Lが発生する。下方の電磁石部2Dの芯部20D下端から放射された磁力線Lは、ヨーク部3を通って、上方の電磁石部2Uの芯部20U上端に流入する。このように、磁力線Lは閉ループを構成するため、磁力線Lの漏洩を抑制することができる。
前述したように、発泡型4は、芯部20Uと芯部20Dとの間に介装されている。このため、発泡型4のキャビティ41内には、上方から下方に向かって略平行な磁力線Lにより一様な磁場が形成されている。発泡型4を磁場発生装置1に設置した後、最初の約2分間は、磁場をかけながら発泡成形を行った。続く約5分間は、磁場をかけないで、発泡成形を行った。
発泡成形が終了した後、脱型して、ウレタン発泡成形体を得た。得られたウレタン発泡成形体の上下両面にはスキン層が形成されていた。以下、このウレタン発泡成形体を、実施例のウレタン発泡成形体と称す。実施例のウレタン発泡成形体の写真を図3〜図6に示す。図3は、同ウレタン発泡成形体の下端面の写真である。図4は、同ウレタン発泡成形体の上端面の写真である。図5は、同ウレタン発泡成形体の側面の写真である。なお、図5の側面写真は、同ウレタン発泡成形体の下端面を上にして撮影したものである。図6は、同ウレタン発泡成形体を上下方向に切断した断面写真である。図6の断面写真では、同ウレタン発泡成形体の下端面が右向きに配置されている。なお、図6には、切断した同ウレタン発泡成形体の下端面の写真も併せて示している。
図3に示すように、実施例のウレタン発泡成形体の下端面には、黒色の磁性体が分散されている。このため、下端面は全体に黒っぽく見える。反対に、図4に示すように、同ウレタン発泡成形体の上端面には、周囲に黒色の磁性体が若干見られるが、上端面は白色を呈している。また、上端面のきめは細かく、下端面のきめは粗かった。このように、磁性体濃度は、下端面と上端面とで異なる。同様にセル構造も、下端面と上端面とで異なる。このことは、図5、図6からも明らかである。つまり、図5に示すように、磁性体は下端面付近に偏在している。また、図6の断面写真から、磁性体は、下端面から上端面方向にスパイク状に配向していることがわかる。そして、磁性体が配向している下端面付近のセルの大きさは、上端面付近のセル径と比較して大きくなっていた。このように、実施例のウレタン発泡成形体では、下端面から上端面方向に磁性体がスパイク状に配向しており、磁性体の多い下端面側と、磁性体の少ない上端面側とで、セル構造が異なることが確認された。
(2)吸音率測定
実施例のウレタン発泡成形体の吸音率を測定した。吸音率の測定は、JIS A 1405の垂直入射吸音率法に準拠して行った。音波は、磁性体の少ない上端面側から入射した。また、比較のため、MR流体を用いず、上記同様の発泡ウレタン樹脂原料のみを磁場をかけずに発泡成形してウレタン発泡成形体を製造した(以下、比較例のウレタン発泡成形体と称す)。比較例のウレタン発泡成形体についても同様に、吸音率を測定した。図7に、吸音率の測定結果を示す。
図7に示すように、実施例のウレタン発泡成形体では、比較例のウレタン発泡成形体と比較して、特に500〜800Hzの低周波数領域における吸音率が高くなった。また、500〜800Hzの低周波数領域と、1250〜2000Hzの高周波数領域と、において、吸音率のピークが二つ現れた。このように、本発明のウレタン発泡成形体は、上端面側と下端面側とでセル構造が異なるため、特有の吸音特性を有する。
本発明のウレタン発泡成形体は、自動車等の分野において様々な用途に用いることができる。例えば、エンジンの騒音を低減するために車両のエンジンルームに配置されるエンジンカバー、サイドカバーや、エンジンルームからの騒音が車室内へ伝搬するのを抑制するダッシュサイレンサー、車室内の天井やピラー部等の吸音材、さらには家屋の内外壁用の吸音材等に好適である。
実施例のウレタン発泡成形体の製造に使用した磁場発生装置の斜視図である。 同磁場発生装置の部分断面図である。 実施例のウレタン発泡成形体の下端面の写真である。 同ウレタン発泡成形体の上端面の写真である。 同ウレタン発泡成形体の側面の写真である。 同ウレタン発泡成形体を上下方向に切断した断面写真である。 実施例および比較例のウレタン発泡成形体における吸音率の測定結果を示すグラフである。
符号の説明
1:磁場発生装置
2U、2D:電磁石部 20U、20D:芯部 21U、21D:コイル部
210U、210D:導線 3:ヨーク部 4:発泡型 40U:上型 40D:下型
41:キャビティ L:磁力線

Claims (6)

  1. 少なくとも一端面から内方向にスパイク状に配向された磁性体を有し、
    該磁性体の配向方向にセル構造が変化していることを特徴とするウレタン発泡成形体。
  2. 前記磁性体は、前記一端面から他端面に向かう方向に配向しており、
    前記セル構造は、少なくとも該一端面近傍と該他端面近傍とで異なる請求項1に記載のウレタン発泡成形体。
  3. 磁性流体と発泡ウレタン樹脂原料とを混合せず別々に発泡型のキャビティ内に注入する原料注入工程と、
    該キャビティ内へ磁場を作用させながら発泡成形する発泡成形工程と、
    を有するウレタン発泡成形体の製造方法。
  4. 前記原料注入工程において、前記磁性流体は、前記発泡ウレタン樹脂原料を注入する前に予め前記キャビティ内に注入される請求項3に記載のウレタン発泡成形体の製造方法。
  5. 前記磁性流体は、磁気粘性流体および磁気混合流体の少なくとも一方を含む請求項3または請求項4に記載のウレタン発泡成形体の製造方法。
  6. 前記キャビティ内における磁束密度の差は±10%以内である請求項3ないし請求項5のいずれかに記載のウレタン発泡成形体の製造方法。
JP2007221781A 2007-08-28 2007-08-28 ウレタン発泡成形体およびその製造方法 Expired - Fee Related JP5014025B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007221781A JP5014025B2 (ja) 2007-08-28 2007-08-28 ウレタン発泡成形体およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007221781A JP5014025B2 (ja) 2007-08-28 2007-08-28 ウレタン発泡成形体およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009051147A JP2009051147A (ja) 2009-03-12
JP5014025B2 true JP5014025B2 (ja) 2012-08-29

Family

ID=40502660

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007221781A Expired - Fee Related JP5014025B2 (ja) 2007-08-28 2007-08-28 ウレタン発泡成形体およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5014025B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5243778B2 (ja) * 2007-08-28 2013-07-24 東海ゴム工業株式会社 ウレタン発泡成形体およびその製造方法
JP2012153079A (ja) * 2011-01-28 2012-08-16 Tokai Rubber Ind Ltd ウレタン発泡成形体およびその製造方法
CN113733428B (zh) * 2021-09-10 2024-06-25 东莞市宏亚机械有限公司 一种自动蜡笔成型机

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006181777A (ja) * 2004-12-27 2006-07-13 Tokai Rubber Ind Ltd 発泡成形方法
JP4898656B2 (ja) * 2005-02-01 2012-03-21 株式会社イノアックコーポレーション ポリウレタンフォームおよびその製造方法
JP2006335917A (ja) * 2005-06-03 2006-12-14 Toyota Motor Corp 成形体、防音材料及びその製造方法
JP4792371B2 (ja) * 2006-10-27 2011-10-12 東海ゴム工業株式会社 反応成形品の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009051147A (ja) 2009-03-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5108472B2 (ja) ウレタン発泡成形体、その製造方法、および磁気誘導発泡成形装置
KR101137527B1 (ko) 압축 성형을 이용한 자동차용 내장재의 제조방법
JP5026892B2 (ja) ウレタン発泡成形体およびその製造方法
WO2016002491A1 (ja) クッションパッドの変形を検出するシステムおよびその製造方法
JP2001137077A (ja) シートクッションパッド
JP5014025B2 (ja) ウレタン発泡成形体およびその製造方法
EP2036695B1 (en) Urethane foam molded article, manufacturing method thereof, and magnetic induction foam molding apparatus
CN102341225A (zh) 聚氨酯发泡成形体及其制造方法
JP2020013007A (ja) 吸遮音材とその製造方法
KR102249763B1 (ko) 흡음 및 차음 성능이 우수한 자동차용 플로어 카페트
JP5577065B2 (ja) ウレタン発泡成形体およびその製造方法
JP2018048246A (ja) シートパッド
JP5302547B2 (ja) ウレタン発泡成形体、その製造方法、および磁気誘導発泡成形装置
JP4792371B2 (ja) 反応成形品の製造方法
JP5986838B2 (ja) 吸音衝撃吸収材及びその製造方法
JP5646210B2 (ja) クッション材
JP4898656B2 (ja) ポリウレタンフォームおよびその製造方法
JP5243778B2 (ja) ウレタン発泡成形体およびその製造方法
JP5097092B2 (ja) ウレタン発泡成形体およびその製造方法
JP2006181777A (ja) 発泡成形方法
JP2022079417A (ja) 軟質ポリウレタンフォーム成形用組成物
JP5551011B2 (ja) ウレタン発泡成形体の製造方法
JP6746448B2 (ja) ポリオール組成物および軟質ポリウレタンフォーム
WO2022102410A1 (ja) フェンダーライナー及びその製造方法、並びに車両
JP6411077B2 (ja) 車両用天井内装材の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20070829

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070927

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070927

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100427

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20110318

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120328

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120403

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120426

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120529

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120605

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150615

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5014025

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees