JP2016200581A - 変形検出センサおよびその製造方法 - Google Patents

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福田 武司
Takeshi Fukuda
武司 福田
敏晃 河合
Toshiaki Kawai
敏晃 河合
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Abstract

【課題】本発明者、樹脂中に磁性フィラーを分散した磁性樹脂を用い、磁気センサと組合せた変形検出センサにおいて、長期耐久性の向上を目的とする。
【解決手段】本発明は、樹脂中に磁性フィラーを含む磁性樹脂と、前記磁性樹脂をその一部に有する高分子発泡体とからなる磁性樹脂含有高分子発泡体、および、
該磁性樹脂含有高分子発泡体の変形に起因する磁気変化を検出する磁気センサとから構成される変形検出センサであって、
該磁性樹脂が磁気センサと反対側の面に凸部を有することを特徴とする変形検出センサおよびその製造方法を提供する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、変形検出センサ、特に座席用のシートクッションパッド等に使用される変形検出センサ、およびその製造方法に関する。
自動車などの車両において、人が座席に着座してシートベルトをしかたどうか、を検出して、シートベルトをしていないときに警告を発するアラームシステムが実用化されている。このシステムは、通常、人の着座を検知して、着座してもシートベルトしないときに警告を発するものである。この装置には、人が着座したかどうかを検出する着座センサと、シートベルトがバックルに固定されたことを検出する装置が組み合わされていて、人が着座してもシートベルトがバックルに固定されない時に警告を発するようにしたものが用いられている。着座センサは、人が何回も座るのを検出しなければならないので、高い耐久性を必要とする。また、人が座ったときに、異物感が無いものが求められている。
特開2012−108113号公報(特許文献1)には、座席に配置されて人の着座を検知する着座センサであって、クッション部材の中に対向した電極を設けて、電気的接触で人の着座を検知するものが開示されている。このセンサは、電極を用いるもので、配線がどうしても必要であり、大きな変位を受けると断線することも考えられ、耐久性に問題がある。また、電極は金属的な物が多く、人が座ったときに異物感が生じるし、電極が金属的で無いとしても、その他のものによる異物感が存在する。
特開2011−255743号公報(特許文献2)には、誘電体を挟んで対向するセンサ電極と、センサ電極の間の静電容量を測定する静電容量センサをと備えた静電容量式着座センサが記載されている。このセンサも電極を使うので、配線が必要であり、上記特許文献1と同じように耐久性の問題がある。また、電極の使用により、異物感はぬぐえない。
特開2007−212196号公報(特許文献3)には、変位可能な可撓部材に取り付けられた磁気を発生させる磁気発生体と、磁気発生体から発生された磁場を検出する磁気インピーダンス素子を有するフレームの固定部材に取り付けられた磁気センサを備える車両シート用加重検出装置が記載されている。この装置では、磁気発生体は所定の大きさを有する磁石を用いるもので、異物感がなくクッション材の表層へ配置することが難しく、クッション材内層部に配置すると、検出精度が問題となる。
特開2006−014756号公報(特許文献4)には、永久磁石と磁気センサを備えた生体信号検出装置が記載されている。この装置も明らかに永久磁石を使用するものであって、異物感があるので、クッション材の表層への配置が難しい。また、クッション内層部への配置も、検出精度が劣ることになる。
特開2012−108113号公報 特開2011−255743号公報 特開2007−212196号公報 特開2006−014756号公報
本発明者等は、既に変形検出センサの耐久性を向上すると共に、異物感が生じないものを得るために、樹脂中に磁性フィラーを分散した磁性樹脂を用い、磁気センサと組合せた変形検出センサを提案したが、長期耐久性の向上が必要であった。本発明者等は、鋭意検討の結果、磁性樹脂の形を単なる直方体でなく、中央部に凸部を持つものにすることにより耐久性が向上することを見出し、本発明を成すに至った。
即ち、本発明は、樹脂中に磁性フィラーを含む磁性樹脂と、前記磁性樹脂をその一部に有する高分子発泡体とからなる磁性樹脂含有高分子発泡体、および、
該磁性樹脂含有高分子発泡体の変形に起因する磁気変化を検出する磁気センサとから構成される変形検出センサであって、
該磁性樹脂が磁気センサと反対側の面に凸部を有することを特徴とする変形検出センサ、を提供する。
前記磁性樹脂の凸部は、磁気センサと反対側の面の中央部にあり、端部の厚みより厚いのが好ましい。
また、前記磁性樹脂の凸部を含む磁性樹脂の断面の短辺をLとし、長辺をLとしたときに、0.3≦L/L≦0.9の関係を満足するのが好ましい。
更に、前記磁性樹脂含有高分子発泡体は、車載用のクッションパッドであり、検出する変形が人の着座状態であるのが好ましい。
本発明は、また、磁性フィラーを樹脂前駆体液に分散させる工程、前記樹脂前駆体液を片面に凸部を有する容器に注入し、硬化させて片面に凸部を有する磁性樹脂を作製する工程、高分子発泡体用モールドに前記磁性樹脂の凸部がモールド内側面に向くように配設する工程、モールド内部に高分子発泡体原液を注入し、発泡させて、磁性樹脂と高分子発泡体を一体化する工程、および該磁性樹脂含有高分子発泡体をその変形に起因する磁気変化を検出する磁気センサと前記磁性樹脂の凸部が磁気センサと反対側の面になるように組み合わせる工程、からなる変形検出センサの製造方法、を提供する。
前記製造方法における磁性樹脂の配設が、前記高分子発泡体用モールド内に設けられた磁石部分への吸着により行われるのが好ましい。
本発明によれば、磁性樹脂の中央部に凸部を形成し、高分子発泡体を形成する時にその凸部が表面に来るようにすると、凸部を高分子発泡体が取り囲み、アンカー効果を発揮して、耐久試験後でも特性安定性が高くなる。また、磁性樹脂は、その中央部の厚みが厚いため、中央部に磁性フィラーが多く含まれることになり、中央部の磁束密度が高くなって、変形検出感度が向上する。
本発明の磁性樹脂は、樹脂中に磁性フィラーが分散されているので、固体状の磁石を用いる場合に比べて、異物感が非常に少なく、車載用シートに用いた時に座り心地が良い変形検出センサとなる。また、磁気センサは、磁性樹脂中の磁性フィラーの磁気変化を検出するので、距離を離して設置しても良く、また電極を用いるセンサと異なって、電極に接続するための配線が不要であり、配線の切断などの耐久性の問題が解消される。更に、電極に接続する配線が不要なので、高分子発泡体内に異物を設置する必要が無く、製造面でも簡単になる。
本発明の変形検出センサを車載用シートに応用した場合を示す模式断面図である。この場合、磁性樹脂は、凸部がステップ状断面を有している。 本発明の図1に示す磁性樹脂含有高分子発泡体の斜視図を模式的に表した図である。 図1および図2の磁性樹脂4を拡大した斜視図である。 磁性樹脂の断面台形の形状を示す斜視図である。 磁性樹脂の別の形状を示す斜視図である。 磁性樹脂の更に別の形状を示す斜視図である。 磁性樹脂のもう一つ別の形状を示す斜視図である。
図面を参照して本発明を説明する。
図1は、本発明の変形検出センサを車載用シートに応用する場合を示す模式断面図である。
図2は、本発明の磁性樹脂含有高分子発泡体の斜視図を模式的に表した図である。
図1に示されているように、本発明の変形検出センサは、基本的には、着座部1と、磁気センサ3とから構成されている。車載用シートに用いる場合は、背もたれ部2を着座部の端部に接触して有している。着座部1は、磁性樹脂4と、高分子発泡体5とからなる磁性樹脂含有高分子発泡体6と、それを覆う外皮7からなり、磁性樹脂4は高分子発泡体5の着座面の一部に層状に形成されている。磁気センサ3は、車載用シートを支える台座8に固定されているのが好ましい。台座8は、自動車の場合車体(図示せず)に固定されている。図1では、磁性樹脂4は、ステップ状断面を有する凸部9を中央部に有しており、凸部9は図1の紙面に直行する方向に延びている。また、凸部9は磁気センサ3と反対側の面に存在し、図1では凸部が磁性樹脂含有高分子発泡体6の表面を形成する。
図2では、磁性樹脂4と高分子発泡体5とからなる本発明の磁性樹脂含有高分子発泡体6の斜視図を示し、台座8とその上に載置された磁気センサ3も図示している。磁性樹脂4は、人が着座して、変形を一番受けやすい場所の最上部に配置してある。図2では、磁性樹脂含有高分子発泡体6の上の外皮7が記載されていない。外皮7は、皮、布、合成樹脂が用いられるが、それらに限定されない。また、磁性樹脂4の凸部9は、磁気センサ3と反対側の面に存在し、磁性樹脂含有高分子発泡体6の最上面を構成している。
磁性樹脂4中には、磁性フィラーが分散されていて、磁性フィラーは着磁その他方法で磁力を有している。人が着座部1に着座すると、磁性樹脂含有高分子発泡体6が変形し、これにより、磁場が変化する。その磁場の変化を磁気センサ3が検出し、人が着座したことを認識する。上記図1および図2では、磁性樹脂4を有する高分子発泡体6は、人が着座する尻部にあり、人が座っていることを認識して、例えばシートベルトをしていない場合に警告を発するようにすることができる。また、本発明の磁性樹脂含有高分子発泡体6は、人の背中にあたる背もたれ部2に使用してよく、その場合は人の着座の姿勢を検知することができる。
図3は、図1および図2の磁性樹脂4を拡大した斜視図である。凸部9(図3では凸条)が互いに直行する方向の一の方向(図3ではz軸の方向)に延びている。磁性樹脂4のz軸に交差する平面(x−y平面)の断面Aは、ステップ状になっている。また、磁性樹脂4の凸部は、磁性樹脂4の中央部にあり、磁性樹脂の厚みは中央部が端部より厚い。磁性樹脂の厚みが端部より中央部が厚くなっていることは、図3の断面Aで、短辺Lが長辺Lより短いことで表現することもできる。本発明ではL/Lの比が、0.3≦L/L≦0.9であることが好ましい。L/Lが0.3未満では、磁束密度が低くなる傾向にある。逆に、L/Lが0.9より大きいと、安定性に劣る傾向にある。Lは、好ましくは1〜100mm程度であり、Lは不等式から0.3〜90mm程度である。
図1および図2の磁性樹脂4は、図1〜図3のように、ステップ状断面を有する凸条9である必要は必ずしもなく、磁気センサ3と反対側の面に凸部を有していればよく、高分子発泡体内において、磁性樹脂の凸部断面の短辺が上部、長辺が下部となるような構成にすることにより、磁性樹脂がアンカー効果で強固に保持され、耐久試験後でも高い特性安定性を有する。また、磁性樹脂は凸部を有することから、その凸部に磁性フィラーが多く存在して磁束密度が高くなり、磁気センサで磁気変化を検出しやすくなる。磁性樹脂4の形状は、図示している四角い形状のみならず、円形やその他の形状であってもよい。
磁性樹脂4は、厚さ0.5〜20mmが好ましく、1.0〜5.0mmがより好ましい。磁性樹脂の厚さが0.5mmより薄いと、磁性フィラーの添加量が不足して、センサ感度が悪くなる傾向にあり、逆に20mmより厚いと磁性樹脂の異物感を感じやすくなる傾向にある。
図4〜図7に磁性樹脂4の形状の例を記載しているが、これらに限定されない。図4の上の図では、図3と同じく凸部9が、互いに直行する方向の一の方向(図4ではz軸の方向)に延びているが、z軸に交差する平面(x−y平面)の断面Bは台形になっている。そのx−y平面の断面Bだけを記載したものが図4の下の図である。断面Bが図4の下の図のように台形の場合、図3と同様に、短辺をLとし、長辺をLとしたときに、0.3≦L/L≦0.9の関係を満足するのが好ましい。即ち、磁性樹脂の厚みは中央部が端部より厚い。
図5でも、凸部9が互いに直行する方向の一の方向(図5ではz軸の方向)に延びているが、z軸に交差する平面(x−y平面)の断面Cは長方形の上に台形が乗ったような、形をしている。図6は、図5の変形例であり、凸部9が四角錐台のように、中央部のみが盛り上がっている。図6では、磁性樹脂4のx−y平面における断面Dは図5と同様に長方形の上に台形が乗ったような形をしている。また、図6には図示していないが、断面Dに直行するy−z平面における断面も断面Dと同じ長方形の上に台形が乗ったような形をしている。図5および図6の場合でも、磁性樹脂の厚みは中央部が端部より厚くなっている。
図7は、図5の変形例であるが、上部がアーチ状になっている例である。図7のような、直方体の上に、円筒を長手方向に切断したものが上に乗っているような形であり、かまぼこ型(半円シリンダー型)であってもよい。
本発明の磁性樹脂4は、上記図3〜図7のような形状であってもよく、磁性樹脂の中央の凸部(短辺部)が磁気センサと反対側に存在すれば、磁性樹脂の長辺部の存在により高分子発泡体内でアンカー効果を発揮し、耐久試験後でも特性安定性が高くなる。また、本発明の磁性樹脂の構造をとると、磁性樹脂中の中央部の磁性フィラー量が多くなって磁束密度が高くなり、磁気センサによる変形の検出が容易になる。図1では、磁性樹脂4の凸部9は図1の紙面に直行する方向に延びているが、凸部9は図1と直角の方向(紙面に平行な方向)であってもよく、その場合も同様に磁性樹脂の長辺部の存在により高分子発泡体内でアンカー効果を発揮し、また中央部の磁性フィラー量も多くなり、変形の検出が容易になる。
磁性樹脂
本明細書において「磁性樹脂」とは、樹脂中に磁性フィラー(即ち、磁性を有する無機フィラー)が分散したものと言う。
磁性フィラーは、一般的に、稀土類系、鉄系、コバルト系、ニッケル系、酸化物系があるが、これらのいずれでもよい。好ましくは、高い磁力が得られる稀土類系であるが、これに限られない。特に好ましくはネオジム系のフィラーが好ましい。磁性フィラーの形状は、特に限定的ではなく、球状、扁平状、針状、柱状および不定形のいずれであってよい。磁性フィラーは、平均粒径0.02〜500μm、好ましくは0.1〜400μm、より好ましくは0.5〜300μmである。平均粒径が0.02μmより小さいと、磁性フィラーの磁気特性が悪化してしまう。平均粒径500μmを超えると磁性樹脂の機械的特性(脆性)が悪化してしまう。
磁性フィラーは、着磁後に樹脂中に導入してもよいが、樹脂に導入した後に着磁することが好ましい。樹脂中に導入後、着磁すると、磁石の極性の制御が容易になり、磁力の検出が容易になる。
樹脂は、一般の樹脂を用いる事ができるが、熱可塑性エラストマー、熱硬化性エラストマーまたはそれらの混合物を用いることが好ましい。熱可塑性エラストマーとしては、例えばスチレン系熱可塑性エラストマー、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリブタジエン系熱可塑性エラストマー、ポリイソプレン系熱可塑性エラストマー、フッ素ゴム系熱可塑性エラストマー等を挙げることができる。また、熱硬化性エラストマーとしては、例えばポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ポリクロロプレンゴム、ニトリルゴム、エチレン−プロピレンゴム等のジエン系合成ゴム、エチレン−プロピレンゴム、ブチルゴム、アクリルゴム、ポリウレタンゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム、エピクロルヒドリンゴム等の非ジエン系合成ゴム、および天然ゴム等を挙げることができる。このうち好ましいのは熱硬化性エラストマーであり、長期に使用することに伴う磁性樹脂のへたりを抑制できるためである。更に好ましくは、ポリウレタンエラストマー(ポリウレタンゴムともいう)またはシリコーンエラストマー(シリコーンゴムともいう)である。
樹脂は、好ましくはポリウレタンエラストマーまたはシリコーンエラストマーが好適である。ポリウレタンエラストマーの場合、活性水素含有化合物と磁性フィラーを混合し、ここにイソシアネート成分を混合させる事により混合液を得る。また、イソシアネート成分にフィラーを混合し、活性水素含有化合物を混合させる事で混合液を得る事も出来る。該混合液を離型処理したモールド内に注型し、その後硬化温度まで加熱して硬化することにより、エラストマーを形成してもよい。シリコーンエラストマーの場合、シリコーンエラストマーの前駆体に磁性フィラーを入れて混合し、その後加熱して硬化することによりエラストマーを形成する。混合液作成時に、必要に応じて溶剤を配合しても良い。
ここで、ポリウレタンエラストマーの場合使用できるイソシアネート成分、活性水素含有化合物については下記のものが挙げられる。
イソシアネート成分としては、ポリウレタンの分野において公知の化合物を特に限定なく使用できる。イソシアネート成分としては、例えば、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、エチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−ジシクロへキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネートが挙げられる。これらは1種で用いても、2種以上を混合しても差し支えない。また、前記イソシアネートは、ウレタン変性、アロファネート変性、ビウレット変性、及びイソシアヌレート変性等の変性化したものであってもよい。
活性水素含有化合物としては、ポリウレタンの技術分野において、通常用いられるものを挙げることができる。例えば、ポリテトラメチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレンオキサイドとエチレンオキサイドの共重合体等に代表されるポリエーテルポリオール、ポリブチレンアジペート、ポリエチレンアジペート、3−メチル−1,5−ペンタンアジペートに代表されるポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリカプロラクトンのようなポリエステルグリコールとアルキレンカーボネートとの反応物などで例示されるポリエステルポリカーボネートポリオール、エチレンカーボネートを多価アルコールと反応させ、次いで得られた反応混合物を有機ジカルボン酸と反応させたポリエステルポリカーボネートポリオール、ポリヒドロキシル化合物とアリールカーボネートとのエステル交換反応により得られるポリカーボネートポリオールなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
活性水素含有化合物として上述した高分子量ポリオール成分の他に、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、トリメチロールプロパン、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、テトラメチロールシクロヘキサン、メチルグルコシド、ソルビトール、マンニトール、ズルシトール、スクロース、2,2,6,6−テトラキス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサノール、及びトリエタノールアミン等の低分子量ポリオール成分、エチレンジアミン、トリレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン、ジエチレントリアミン等の低分子量ポリアミン成分を用いてもよい。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。更に、4,4’−メチレンビス(o−クロロアニリン)(MOCA)、2,6−ジクロロ−p−フェニレンジアミン、4,4’−メチレンビス(2,3−ジクロロアニリン)、3,5−ビス(メチルチオ)−2,4−トルエンジアミン、3,5−ビス(メチルチオ)−2,6−トルエンジアミン、3,5−ジエチルトルエン−2,4−ジアミン、3,5−ジエチルトルエン−2,6−ジアミン、トリメチレングリコール−ジ−p−アミノベンゾエート、ポリテトラメチレンオキシド−ジ−p−アミノベンゾエート、1,2−ビス(2−アミノフェニルチオ)エタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチル−5,5’−ジメチルジフェニルメタン、N,N’−ジ−sec−ブチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチル−5,5’−ジメチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジイソプロピル−5,5’−ジメチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラエチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトライソプロピルジフェニルメタン、m−キシリレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、及びp−キシリレンジアミン等に例示されるポリアミン類を混合することもできる。
樹脂中の磁性フィラーの量は、樹脂100重量部に対して、1〜450重量部、好ましくは2〜400重量部である。1重量部より少ないと、磁場の変化を検出することが難しくなる。また、450重量部を超えると、樹脂自体が脆くなるなど、所望の特性が得られなくなる。
磁性樹脂は、気泡を含まない無発泡体であっても構わないが、安定性や磁気センサ3の感度を高める観点から、更には軽量化の観点から、気泡を含有する発泡体であってもよい。その発泡体には、一般の樹脂フォームを用いることができるが、圧縮永久歪などの特性を考慮すると熱硬化性樹脂フォームを用いることが好ましい。熱硬化性樹脂フォームとしては、ポリウレタン樹脂フォーム、シリコーン樹脂フォームなどが挙げられ、このうちポリウレタン樹脂フォームが好適である。ポリウレタン樹脂フォームには、上述したイソシアネート成分や活性水素含有化合物を使用できる。
本発明においては、磁性樹脂の柔軟性を損ねない程度に磁性樹脂の外周部に封止材を設けても良い。封止材としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂またはそれらの混合物を用いることができる。熱可塑性樹脂としては、例えばスチレン系熱可塑性エラストマー、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリブタジエン系熱可塑性エラストマー、ポリイソプレン系熱可塑性エラストマー、フッ素系熱可塑性エラストマー、エチレン・アクリル酸エチルコポリマー、エチレン・酢酸ビニルコポリマー、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩素化ポリエチレン、フッ素樹脂、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリブタジエン等を挙げることができる。また、熱硬化性樹脂としては、例えばポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、ポリクロロプレンゴム、アクリロニトリル・ブタジエンゴム等のジエン系合成ゴム、エチレン・プロピレンゴム、エチレン・プロピレン・ジエンゴム、ブチルゴム、アクリルゴム、ポリウレタンゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム、エピクロルヒドリンゴム等の非ジエン系ゴム、天然ゴム、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂等を挙げることができる。封止材として前記熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂またはそれらの混合物を使用する場合、例えばフィルム状のものを好適に使用することができる。これらのフィルムは積層されていても良く、また、アルミ箔などの金属箔や上記フィルム上に金属が蒸着された金属蒸着膜を含むフィルムであっても良い。封止材は、磁性樹脂中の磁性フィラーの錆を防止する効果を有する。
変形検出センサの製造方法
本発明は、また、磁性フィラーを樹脂前駆体液に分散させる工程、前記樹脂前駆体液を片面に凸部を有する容器に注入し、硬化させて片面に凸部を有する磁性樹脂を作製する工程、高分子発泡体用モールドに前記磁性樹脂の凸部がモールド内側面に向くように配設する工程、モールド内部に高分子発泡体原液を注入し、発泡させて、磁性樹脂と高分子発泡体を一体化する工程、および該磁性樹脂含有高分子発泡体をその変形に起因する磁気変化を検出する磁気センサと磁性樹脂の凸部が磁気センサと反対側の面になるように組み合わせる工程、からなる変形検出センサの製造方法を提供する。
磁性樹脂は、樹脂の形成時に、樹脂前駆体液に磁性フィラーを配合して、容器内で反応させることにより磁性樹脂を作成することができる。この容器は、本発明で特徴的な片面に凸部を有する形成するものである。この磁性樹脂を高分子発泡体用のモールド内に、磁性樹脂の凸部がモールドの内側面を向くように配設し、その後高分子発泡体原液を注入する。この高分子発泡体原液を発泡させることにより、磁性樹脂と高分子発泡体とが一体化した磁性樹脂含有高分子発泡体を形成する。
高分子発泡体用のモールドに、磁性樹脂を配置する際に、モールド内に磁石を配置して、磁性樹脂が磁石に吸着する性能を用いて配置すると、容易に配置できる。磁石は、モールド内の磁性樹脂を配置する場所に設置するか、モールドの金型の外部から強力な磁石により操作してもよい。また、磁性樹脂の配置には、上記磁石を用いるほかに、両面テープで貼り付けたり、粘着剤で貼り付けたりする等、一般的な方法を用いることができる。
高分子発泡体
高分子発泡体は、上述のように、高分子発泡体原液を発泡させて得られる。高分子発泡体は、一般の樹脂発泡体を用いることができ、その中でも熱硬化性樹脂発泡体が好ましく、より具体的にはポリウレタン樹脂発泡体またはシリコーン樹脂発泡体が用いられる。ポリウレタン樹脂発泡体からなる高分子発泡体の場合、その原液は、ポリイソシアネート成分、ポリオール、水などの活性水素含有化合物を含むものである。ここで、使用できるポリイソシアネート成分、活性水素含有化合物については下記のものが挙げられる。
ポリイソシアネート成分としては、ポリウレタンの分野において公知の化合物を特に限定なく使用できる。例えば、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネートが挙げられる。また、ジフェニルメタンジイソシアネートの多核体(クルードMDI)であっても良い。エチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−ジシクロへキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネートが挙げられる。これらは1種で用いても、2種以上を混合しても差し支えない。また、前記イソシアネートは、ウレタン変性、アロファネート変性、ビウレット変性、及びイソシアヌレート変性等の変性化したものであってもよい。
活性水素含有化合物としては、ポリウレタンの技術分野において、通常用いられるものを挙げることができる。例えば、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレンオキサイドとエチレンオキサイドの共重合体等に代表されるポリエーテルポリオール、ポリブチレンアジペート、ポリエチレンアジペート、3−メチル−1,5−ペンタンアジペートに代表されるポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリカプロラクトンのようなポリエステルグリコールとアルキレンカーボネートとの反応物などで例示されるポリエステルポリカーボネートポリオール、エチレンカーボネートを多価アルコールと反応させ、次いで得られた反応混合物を有機ジカルボン酸と反応させたポリエステルポリカーボネートポリオール、ポリヒドロキシル化合物とアリールカーボネートとのエステル交換反応により得られるポリカーボネートポリオール、ポリマー粒子を分散させたポリエーテルポリオールであるポリマーポリオールなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの具体例としては、三井化学株式会社製の市販品(例えば、EP3028、EP3033、EP828、POP3128、POP3428およびPOP3628)などが使用できる。
高分子発泡体を製造するに際して、配合される上記以外のものは通常用いられる架橋剤、整泡剤、触媒等を使用すればよく、その種類はとくに限定されない。
架橋剤の例としては、トリエタノールアミン、ジエタノールアミンなど挙げられる。整泡剤としては、東レ・ダウ・コーニング・シリコーン株式会社製のSF-2962、SRX−274C、2969T等が挙げられる。触媒の例としては、Dabco33LV(エアープロダクツジャパン株式会社製)、トヨキャットET、SPF2、MR(東ソー株式会社製)等が挙げられる。
更に、必要に応じて、水、トナー、難燃剤などの添加物を適宜使用することもできる。
難燃剤の例としては、大八化学株式会社製のCR530やCR505が挙げられる。
変形検出センサ
上記方法で得られた磁性樹脂含有高分子発泡体は、磁気センサを磁性樹脂の凸部が磁気センサの反対側の面になるように組み合わせることにより、本発明の変形検出センサが得られる。高分子発泡体には、凸部を有する磁性樹脂が、凸部が高分子発泡体の表面になるように配置され、凸部以外の部分が高分子発泡体内部に存在し、それによるアンカー効果により、耐久試験後でも高い特性安定性が発揮される。本発明の変形検出センサでは、高分子発泡体が人の着座により変形することにより、磁場が変化する。その磁場の変化を磁気センサが検出して、人の着座を検出するのであるが、本発明では磁性樹脂の凸部、即ち磁性樹脂中の磁性フィラー量の多い部分が磁気センサによる変形の検出感度が高くなる。
本発明の変形検出センサの製造方法では、磁性樹脂は、磁性樹脂の凸部が磁気センサと反対側の面にあれば、高分子発泡体の上面あるいは下面のいずれにあってもよい。また、変形検出センサとしては、磁性樹脂の凸部が磁気センサと反対側の面にあれば、磁性樹脂が高分子発泡体の内部に存在してもよい。
本発明に用いる磁気センサは、通常磁場の変化を検出するために用いられるセンサであればよく、磁気抵抗素子(例えば、半導体化合物磁気抵抗素子、異方性磁気抵抗素子(AMR)、巨大磁気抵抗素子(GMR)またはトンネル磁気抵抗素子(TMR))、ホール素子、インダクタ、MI素子、フラックスゲートセンサなどを例示することができる。より広範囲にわたって高い感度を有するという観点から、ホール素子が好ましく使用される。
また、上記変形検出センサは、車載用のクッションパッド以外の用途、例えば、ロボットの手や皮膚、ベッド等の面圧分布、タイヤの路面状態や空気圧、生体の運動状態(モーションキャプチャ、呼吸状態や筋肉の弛緩状態など)、立入禁止制限区域への侵入、スライドドアの異物などの検知に利用することができる。
本発明を実施例により更に詳細に説明する。本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例1
磁性樹脂の作成
反応容器にポリオールA(グリセリンを開始剤にプロピレンオキシドを付加したポリオキシプロピレングリコール、OH価56、官能基数3、旭硝子株式会社製、エクセノール3030)85.2重量部を入れ、撹拌しながら減圧脱水を1時間行った。その後、反応容器内を窒素置換した。次いで、反応容器にトルエンジイソシアネート(三井化学株式会社製、2,4体=100%、NCO%=48.3%)14.8重量部を添加して、反応容器内の温度を80℃に保持しながら3時間反応させてイソシアネート末端プレポリマーA(NCO%=3.58%)を合成した。
次に、ポリオールA189.4重量部およびオクチル酸ビスマス(日本化学産業株式会社製、プキャット25)0.35重量部の混合液にネオジム系フィラー(NdFeB磁粉;モリコープ・マグネクエンチ株式会社製、MQP−14−12、平均粒径50μm)675.3重量部を添加し、フィラー分散液を調製した。このフィラー分散液に前記プレポリマーAを添加し、自転・公転ミキサー(シンキー株式会社製)にて混合、および脱泡を行った。この反応液を図3のように断面ステップ状で、短辺L24mm、長辺L40mm容器に滴下し、ドクターブレードにて厚み2.0mmに調整した。その後、80℃で1時間硬化を行って、磁性フィラー分散樹脂を得た。得られた該磁性フィラー分散樹脂を着磁装置(玉川製作所株式会社製)にて2.0Tで着磁することにより、断面が台形の磁性樹脂を得た。ステップ状断面は、短辺(L)24mm、長辺(L)40mmで高さ2.0mmであった。
磁性樹脂含有高分子発泡体の作成
続いて、ポリプロピレングリコール(三井化学株式会社製、EP−3028、OH価28)60.0重量部、ポリマーポリオール(三井化学株式会社製、POP−3128、OH価28)40.0重量部、ジエタノールアミン(三井化学株式会社製)2.0重量部、水3.0重量部、整泡剤(東レ・ダウ・コーニング・シリコーン株式会社製、SF−2962)1.0重量部およびアミン触媒(エアープロダクツジャパン株式会社製、Dabco33LV)0.5重量部を混合・撹拌し、混合液Aを調製し、23℃に温度を調節した。また、トルエンジイソシアネートとクルードMDIの80/20(重量比)混合物(三井化学株式会社製、TM−20、NCO%=44.8%)を23℃に温調し、混合液Bとした。
次いで、前記図3の形状を有する磁性樹脂を長さ40mmの大きさに切り出し、これを400mm角×70mm厚みの所定の位置に磁石が配置されたモールド内に、短辺Lが磁石と接触するように配置し、モールド温度を62℃に調整した。そこへ、前記混合液Aと前記混合液BをNCO index=1.0となるように混合した原液を、高圧発泡機にてモールド内に注入し、モールド温度62℃で5分間、発泡・硬化させて、磁性樹脂含有高分子発泡体を得た。この発泡体の平均磁束密度変化(Gauss)および特性安定性(%)を下記の要領で測定した。結果を表1に示す。表1には、磁性樹脂の配合、NCO index、製造条件の磁性樹脂の形状の図番号、短辺の長さ、長辺の長さおよび短辺/長辺の比も記載する。
平均磁束密度変化
作製した磁性樹脂含有高分子発泡体の磁性樹脂層の中心部分を、10mmφの面圧子を用いて、50kPaの圧力を印加して、50万回の耐久試験を実施した。次に、ホール素子(旭化成エレクトロニクス株式会社製、EQ−430L)をアクリル板に貼り付け、耐久試験を実施した磁性樹脂含有高分子発泡体の磁性樹脂層の下面に貼り付けた。続いて、10mmφの面圧子を用いて、10kPaの圧力を印加し、この時のホール素子の出力電圧変化より磁束密度変化(Gauss)を求めた。この磁束密度変化測定を10回実施し、その平均値を平均磁束密度変化とした。なお、測定温度は20℃とした。
特性安定性
上記磁束密度変化測定のバラつきを以下の式によって求め、特性安定性(%)とした。
Figure 2016200581

実施例2〜5および比較例1
実施例1の磁性樹脂を形成する際に用いる短辺L24mm、長辺L40mmの容器を、表1に示す値の長辺および短辺にして、磁性樹脂を作成した。また、実施例4および5では、磁性樹脂を形成する容器の断面が図4のように台形のものを使用し、短辺Lおよび長辺Lの値を表1に示す。更に、比較例1では、長辺と短辺が40mmと同じものを用いて磁性樹脂を作成した。それらの磁性樹脂を用いた高分子発泡体をそれぞれ作成し、平均磁束密度変化(Gauss)および特性安定性(%)を実施例1と同様に測定し、結果を表1に示す。表1には、短辺(L)/長辺(L)の比も記載している。磁性樹脂の形状の欄には、図面の番号を記載している。
Figure 2016200581
表1から明らかなように、本発明の実施例の場合は、磁束密度変化(Gauss)および特性安定性が良い。実施例2は、実施例1よりもL/L比が大きい(傾斜が小さい)ものであり、アンカー効果が小さくなるために安定性はやや低下したが、使用可能なレベルであった。実施例3は、実施例1よりもL/L比が小さい(傾斜が大きい)ものであり、磁性フィラー量が少なくなるため磁束密度変化はやや低下したが、使用可能なレベルであった。実施例4は、実施例1の磁性樹脂の形状を階段状から台形状に変化させたものであり、実施例1に比べてアンカー効果が小さいためやや安定性に劣るものの、使用可能なレベルであった。実施例5は、実施例1よりもL/L比が大きい(傾斜が小さい)ものであり、アンカー効果が小さくなるために安定性はやや低下したが、使用可能なレベルであった。比較例1は、アンカー効果がなく特性安定性に劣るため、センサとしては使用困難であった。
本発明の変形検出センサは、車の座席などに応用可能であり、長期間の使用に耐える、優れたものである。また、本発明の変形検出センサは、磁束密度変化が大きく、測定感度が高い。
1…着座部
2…背もたれ部
3…磁気センサ
4…磁性樹脂
5…高分子発泡体
6…磁性樹脂含有高分子発泡体
7…外皮
8…台座
9…凸部

Claims (6)

  1. 樹脂中に磁性フィラーを含む磁性樹脂と、前記磁性樹脂をその一部に有する高分子発泡体とからなる磁性樹脂含有高分子発泡体、および、
    該磁性樹脂含有高分子発泡体の変形に起因する磁気変化を検出する磁気センサとから構成される変形検出センサであって、
    該磁性樹脂が磁気センサと反対側の面に凸部を有することを特徴とする変形検出センサ。
  2. 前記磁性樹脂の凸部が、磁気センサと反対側の面の中央部にあり、端部の厚みより厚い、請求項1記載の変形検出センサ。
  3. 前記磁性樹脂の凸部を含む磁性樹脂の断面の短辺をLとし、長辺をLとしたときに、0.3≦L/L≦0.9の関係を満足する、請求項1または2記載の変形検出センサ。
  4. 前記磁性樹脂含有高分子発泡体が、車載用のクッションパッドであり、検出する変形が人の着座状態である、請求項1〜3いずれか1項に記載の変形検出センサ。
  5. 磁性フィラーを樹脂前駆体液に分散させる工程、前記樹脂前駆体液を片面に凸部を有する容器に注入し、硬化させて片面に凸部を有する磁性樹脂を作製する工程、高分子発泡体用モールドに前記磁性樹脂の凸部がモールド内側面に向くように配設する工程、モールド内部に高分子発泡体原液を注入し、発泡させて、磁性樹脂と高分子発泡体を一体化する工程、および該磁性樹脂含有高分子発泡体をその変形に起因する磁気変化を検出する磁気センサと前記磁性樹脂の凸部が磁気センサと反対側の面になるように組み合わせる工程、からなる変形検出センサの製造方法。
  6. 前記磁性樹脂の配設が、前記高分子発泡体用モールド内に設けられた磁石部分への吸着により行われる、請求項5記載の変形検出センサの製造方法。
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