JP6141720B2 - 触覚センサー - Google Patents

触覚センサー Download PDF

Info

Publication number
JP6141720B2
JP6141720B2 JP2013174589A JP2013174589A JP6141720B2 JP 6141720 B2 JP6141720 B2 JP 6141720B2 JP 2013174589 A JP2013174589 A JP 2013174589A JP 2013174589 A JP2013174589 A JP 2013174589A JP 6141720 B2 JP6141720 B2 JP 6141720B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
elastomer
magnetic filler
magnetic
uneven distribution
filler
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2013174589A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014098687A (ja
Inventor
純一 重藤
純一 重藤
福田 武司
武司 福田
小野 洋明
洋明 小野
志偉 羅
志偉 羅
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyo Tire Corp
Original Assignee
Toyo Tire and Rubber Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Tire and Rubber Co Ltd filed Critical Toyo Tire and Rubber Co Ltd
Priority to JP2013174589A priority Critical patent/JP6141720B2/ja
Publication of JP2014098687A publication Critical patent/JP2014098687A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6141720B2 publication Critical patent/JP6141720B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、磁性フィラーを含有するエラストマーに接触することにより生じる変形を検知する触覚センサー、特に磁性フィラーがエラストマー中で偏在している触覚センサーに関する。
触覚センサーは種々の分野で広く利用されている。基本は、ある物体が別の物体に接触した場合に、接触の強さ、位置、方向などを検出するものである。触覚センサーは例えばロボットの手や皮膚などに応用されて、ロボットの次の行動を決定する情報として利用され、更に、自動車用着座状態検知、ベッドおよびカーペット用面圧分布検知、車両用衝突状態検知、生体の運動状態検知(例えば、モーションキャプチャ、呼吸状態や筋肉の弛緩状態生体運動検知など)、立ち入り制限区域への不法侵入の検知、スライドドアの異物検知、キーボード入力デバイスなどに利用される。
特開2009−229453号公報(特許文献1)には、磁石を含み加減圧により変形する緩衝部と、緩衝部の変形に伴う磁場の変化を磁気センサーにより検出するセンサー部とを備える圧力検出装置が記載されている。この圧力検出装置の緩衝部に存在する磁石は、大きな一つの磁石であってもよく(特許文献1図1)、小さな磁石が均一に分散していてもよい(特許文献1図7他)。大きな一つの磁石の場合は、触覚による変形を検出しにくく、触れたときに異物感が生じてしまう。また、小さな磁石が均一に分散している場合には、例え磁力の向きが同じであっても、磁石粒子間で磁力が打ち消し合う現象が生じ、かつ接触面付近の磁石は動くが内部の磁石は動きにくく、外力が小さくて変形が非常に小さい時に検出感度が悪化してしまう。
特開2008−39659号公報(特許文献2)には、磁石原料と粘弾性材料を混練成形した粘弾性磁石と、粘弾性磁石の変形による磁束密度ベクトルの変化を検出する磁束検出手段を備える検出装置が記載されている。この特許文献2の検出装置では、磁石原料が粘弾性材料中に混練されるので、磁石原料は均一に分散してしまうので、特許文献1で記載したように、磁石粒子間で磁力が打ち消し合う現象が生じ、かつ接触面付近の磁石の粒子は動くが内部の磁石粒子は動きにくく、外力が小さくて変形が非常に小さい時に検出感度が悪化してしまう。
特開昭62−46222号公報(特許文献3)には、磁気センサーと、この磁気センサー上に順次に積層固定したエラストマーおよび永久磁石と、磁気センサーの入出力端子にそれぞれ接続したリード線を備えてなる感圧センサーが開示されている。この感圧センサーでは、弾性材料と磁石含有材料とを分離していて、それらを「順次に積層固定」することが必要であって、積層工程が必要であると共に、積層による層界面の剥離が起こりうる。
特開2009−229453号公報 特開2008−39659号公報 特開昭62−46222号公報
本発明では、積層を必要としない単層の磁性フィラーを含むエラストマーを形成し、しかも磁性フィラーが均一に分散したものではなく、一方の面側に偏在しているものを形成して、従来の触覚センサーの欠点を解消することを目的とする。
即ち、本発明は、磁性フィラーを含むエラストマーと、
前記エラストマーの触覚による変形に起因する磁気変化を検出する磁気センサーと、
から構成され、前記磁性フィラーがエラストマー中で偏在しており、その偏在度が1〜100であることを特徴とする触覚センサー、を提供する。
前記磁性フィラーは好ましくはエラストマーの片面側に偏在していて、その偏在面を接触面としてもよい。
また、好ましくは前記磁性フィラーは、希土類系、Fe系、Co系、Ni系、酸化物系であり、平均粒径が0.02〜500μmである。
更に、前記磁性フィラーがエラストマー100重量部に対して1〜450重量部の量で添加されるのが好ましい。
更にまた、前記エラストマーはポリウレタンエラストマーまたはシリコーンエラストマーであるのが好ましい。
本発明の触覚センサーによれば、磁性フィラーがエラストマー中に均一分散ではなく、偏在して存在しており、しかもその偏在度が1〜100に限定されているので、磁性フィラー間で磁力が打ち消し合わず、かつ接触面付近に磁性フィラーが多く存在する為、小さい外力でも多数の磁性フィラーが変位する為、外力が小さくて変形が非常に小さい時でも、磁気センサーでの検出が容易になる。
また、本発明の触覚センサーでは、エラストマーと磁性フィラー含有材料とを分離していないので、層間の分離などが生じることなく安価かつ容易な製造が可能となる。尚、磁性フィラーの偏在は、磁性フィラーとエラストマーの原料を混合した後、所定時間静置するか、磁性フィラーが既に着磁したものである場合には混合時に磁石を一方側に置いておけば磁石の引力で偏在が起こるので、製法的にも簡単かつ容易であり、不必要な操作増加による複雑化は起こらない。もちろん、上記以外の方法、例えば遠心処理をして偏在をする方法も考えられる。
本発明の触覚センサーの断面を表す模式図であって、圧力が無い場合と圧力が加わった場合の変化を模式的に表している。
用語の定義
本明細書中で「偏在度」とは、エラストマー中の磁性フィラーの偏在度合いを表す数値であって、以下の方法で測定したものを言う。作製したエラストマーをカミソリ刃で切り出し、サンプル断面をデジタルマイクロスコープにて100倍で観察した。得られた画像を、画像解析ソフト(三谷商事社製WinROOF)を用いて、エラストマーの厚み方向に3等分し上段層、中段層、下段層の磁性フィラーの粒子数をカウントした。各層の粒子数と、中段層の粒子数との比率を求める事で、各層の磁性フィラー存在率を求めた。さらに、[上段層の磁性フィラー存在率]−[下段層の磁性フィラー存在率]を求める事により偏在度とした。ここで、上段層とは触覚センサーにおける接触面側の層である。偏在度の値が高い程、磁性フィラーが偏在して存在していることになる。
図1を参照して本発明を説明する。
図1は、発明の触覚センサーの断面を表す模式図であって、圧力が無い場合(図1左側)と圧力が加わった場合(図1右側)の変化を模式的に表している。
本発明の触覚センサーは、基本的には、エラストマー1と磁気センサー2とから構成されている。エラストマー1には、磁性フィラー3が多く含まれていて、本発明では、磁性フィラー3は図の上方に偏在していて、その偏在度が1〜100である。図1には、エラストマー1と磁気センサー2との間に基板4が存在している。基板4は無くてもよいが、エラストマー1を支持するために通常は必要である。また、基板4が無いと、圧力5がエラストマー1にかかったときに、エラストマー1全体が撓むことになり、正確に圧力5を検出できなくなる恐れがある。
図1の左側では、圧力が掛けられていない状態であるが、図1の右側では、圧力5がエラストマー1の上方から掛けられている。圧力5により、エラストマー1が変形して、磁性フィラー3の位置が圧力のかかった部分だけ下方に下がる。この磁性フィラー3の下方への変化が磁性フィラー3から出ている磁場が変化し、それが磁気センサー2で検出される。
圧力5が強い力だと、磁性フィラー3の位置の変化が大きくなり、逆に圧力5が小さいと、磁性フィラー3の位置変化が小さくなり、それらによる磁場の変化により、圧力5の強さも測定することができる。また、圧力5がまっすぐ上方である場合、磁気センサー1個で検出できるが、磁気センサーの個数、配置の最適化により斜め方向からの圧力も検出可能となる。
磁性フィラー3は、エラストマー1の片面側に偏在していて、その偏在面が接触面となるのが好ましい。図1に示されている態様が、偏在面が接触面となっている。この態様が、磁性フィラー3の変位が大きくなり、検出が容易になる。
磁性フィラー3の偏在度は、上述の用語の定義にあるように測定して決定される。偏在度は、1〜100であり、好ましくは2〜90、より好ましくは3〜80である。偏在度が1より小さいときは、磁性フィラーがエラストマー中であまり偏在していないことになり、従来技術で述べたような、磁力の打ち消しや、エラストマー内部の磁性フィラーの変位が小さくなる為、磁気センサーでの検出が難しくなる恐れがある。逆に、偏在度が100であることは、殆ど全ての磁性フィラーがエラストマーの接触面に存在していることになり好ましいが、実際は100以下の値になることが殆どである。
磁性フィラー3は、一般的に、稀土類系、鉄系、コバルト系、ニッケル系、酸化物系があるが、これらのいずれでもよい。好ましくは、高い磁力が得られる稀土類系であるが、これに限られない。磁性フィラー3の形状は、特に限定的ではなく、球状、扁平上、針状、柱状および不定形のいずれであってよい。磁性フィラーは、平均粒径0.02〜500μm、好ましくは0.1〜400μm、より好ましくは0.5〜300μmである。平均粒径が0.02μmより小さいと、磁性フィラーの磁気特性が悪化してしまう。平均粒径500μmを超えると磁性エラストマーの機械的特性(脆性)が悪化してしまう。
磁性フィラー3は、着磁後にエラストマー中に導入してもよいが、通常はエラストマーに導入した後に着磁すること多い。エラストマー中に導入後、着磁すると、磁石の向きが図1のように揃うことになり、磁力の検出が容易になる。
エラストマー1は、一般のエラストマーを用いる事ができるが、圧縮永久歪等の特性を考慮すると熱硬化性エラストマーが好ましい。エラストマーに磁性フィラー導入後撹拌し、その後に磁性フィラーの偏在処理が必要である。通常は、磁性フィラーを導入した後に室温あるいは所定の温度で静置すると、磁性フィラーの重さで沈降し、下面に磁性フィラーが偏在する。また、偏在を物理的な力、例えば遠心力あるいは磁力、を用いて行ってもよい。
エラストマー1は、好ましくはポリウレタンエラストマーまたはシリコーンエラストマーが好適である。ポリウレタンエラストマーの場合、活性水素含有化合物と溶剤と磁性フィラーを混合し、ここにイソシアネート成分を混合させる事により混合液を得る。また、イソシアネート成分に溶剤とフィラーを混合し、活性水素含有化合物を混合させる事で混合液を得る事も出来る。該混合液を離型処理したモールド内に注型し、その時点で所定時間静置して磁性フィラーの沈降による偏在化を行い、その後硬化温度まで加熱して硬化することにより、エラストマーを形成する。シリコーンエラストマーの場合、シリコーンエラストマーの前駆体に溶剤と磁性フィラーを入れて混合し、型内に入れたときに静置して偏在処理をし、その後加熱して硬化することによりエラストマーを形成する。
ここで、ポリウレタンエラストマーの場合使用できるイソシアネート成分、活性水素含有化合物については下記のものが挙げられる。
イソシアネート成分としては、ポリウレタンの分野において公知の化合物を特に限定なく使用できる。イソシアネート成分としては、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、エチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−ジシクロへキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネートが挙げられる。これらは1種で用いても、2種以上を混合しても差し支えない。また、前記イソシアネートは、ウレタン変性、アロファネート変性、ビウレット変性、及びイソシアヌレート変性等の変性化したものであってもよい。
活性水素含有化合物としては、ポリウレタンの技術分野において、通常用いられるものを挙げることができる。例えば、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリエチレングリコール等に代表されるポリエーテルポリオール、ポリブチレンアジペートに代表されるポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリカプロラクトンのようなポリエステルグリコールとアルキレンカーボネートとの反応物などで例示されるポリエステルポリカーボネートポリオール、エチレンカーボネートを多価アルコールと反応させ、次いで得られた反応混合物を有機ジカルボン酸と反応させたポリエステルポリカーボネートポリオール、ポリヒドロキシル化合物とアリールカーボネートとのエステル交換反応により得られるポリカーボネートポリオールなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
活性水素含有化合物として上述した高分子量ポリオール成分の他に、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、トリメチロールプロパン、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、テトラメチロールシクロヘキサン、メチルグルコシド、ソルビトール、マンニトール、ズルシトール、スクロース、2,2,6,6−テトラキス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサノール、及びトリエタノールアミン等の低分子量ポリオール成分、エチレンジアミン、トリレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン、ジエチレントリアミン等の低分子量ポリアミン成分を用いてもよい。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。更に、4,4’−メチレンビス(o−クロロアニリン)(MOCA)、2,6−ジクロロ−p−フェニレンジアミン、4,4’−メチレンビス(2,3−ジクロロアニリン)、3,5−ビス(メチルチオ)−2,4−トルエンジアミン、3,5−ビス(メチルチオ)−2,6−トルエンジアミン、3,5−ジエチルトルエン−2,4−ジアミン、3,5−ジエチルトルエン−2,6−ジアミン、トリメチレングリコール−ジ−p−アミノベンゾエート、ポリテトラメチレンオキシド−ジ−p−アミノベンゾエート、1,2−ビス(2−アミノフェニルチオ)エタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチル−5,5’−ジメチルジフェニルメタン、N,N’−ジ−sec−ブチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチル−5,5’−ジメチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジイソプロピル−5,5’−ジメチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラエチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトライソプロピルジフェニルメタン、m−キシリレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、及びp−キシリレンジアミン等に例示されるポリアミン類を混合することもできる。
エラストマー中の磁性フィラーの量は、エラストマー100重量部に対して、1〜450重量部、好ましくは2〜400重量部である。1重量部より少ないと、磁場の変化を検出することが難しくなる。また、450重量部を超えると、エラストマー自体が脆くなるなど、所望の特性が得られなくなる。
磁気センサー2は、通常磁場の変化を検出するために用いられるセンサーであればよく、磁気抵抗素子(例えば、半導体化合物磁気抵抗素子、異方性磁気抵抗素子(AMR)、巨大磁気抵抗素子(GMR)またはトンネル磁気抵抗素子(TMR))、ホール素子、インダクタ、MI素子、フラックスゲートセンサーなどを例示することができる。感度の点から、ホール素子が好ましく使用される。
本発明を実施例により更に詳細に説明する。本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
反応容器にポリプロピレングリコール(旭硝子社製、プレミノール7001、数平均分子量6000)40重量部およびポリプロピレングリコール(旭硝子社製、エクセノール3020、数平均分子量3000)60重量部を入れ、撹拌しながら減圧脱水を1時間行った。その後、反応容器内を窒素置換した。次いで、反応容器にトリレンジイソシアネート(三井化学社製、TDI−80、2,4−体/2,6−体=80/20の混合物)10重量部を添加して、反応容器内の温度を80℃に保持しながら5時間反応させてイソシアネート末端プレポリマーを合成した。
次に、ポリプロピレングリコール(旭硝子社製、プレミノール7001、数平均分子量6000)33重量部、ポリプロピレングリコール(旭硝子社製、エクセノール1020、数平均分子量1000)8重量部、触媒としてオクチル酸鉛(東栄化工)0.06重量部、磁性フィラー(愛知製鋼社製MF−15Pネオジム系磁性体粉末、平均粒径133μm)100重量部および希釈剤としてトルエン120重量部の混合液を減圧脱泡した。同様に前記イソシアネート末端プレポリマー59重量部を80℃に加温しながら減圧脱泡した。次いで、前記混合液と前記プレポリマーをハイブリッドミキサー(キーエンス社製)にて混合および脱泡した。この反応液を離型処理したモールド内に注型し、その上に離型処理したポリエチレンテレフタレートフィルムを被せ、ニップロールにて厚みを1mmに調整した。その後、磁性フィラー偏在処理として常温にて120分静置する事で磁性フィラーを沈降させた。その後、モールドを80℃のオーブンに入れ、1時間硬化を行って、ウレタンエラストマーを得た。得られたエラストマーシートを、着磁装置(電子磁気工業社製)にて1.3Tで着磁することによりポリウレンエラストマーを得た。
上記ポリウレタンエラストマーを用いて、偏在度を下記の偏在度評価にしたがって測定した。また、磁気センサーとしてホール素子を用いて、触覚センサーの特性を下記の触覚センサー特性評価に従って行った。結果を表1に示す。偏在度については、偏在処理時間も表1に記載する。
偏在度評価
作製したエラストマーをカミソリ刃で切り出し、サンプル断面をデジタルマイクロスコープにて100倍で観察した。得られた画像を、画像解析ソフト(三谷商事社製WinROOF)を用いて、エラストマーの厚み方向に3等分し上段層、中段層、下段層の磁性フィラーの粒子数をカウントした。各層の粒子数と、中段層の粒子数との比率を求める事で、各層の磁性フィラー存在率を求めた。さらに、[上段層の磁性フィラー存在率]−[下段層の磁性フィラー存在率]を求めることにより偏在度とした。ここで、上段層とは触覚センサーにおける接触面側の層である。
触覚センサー特性評価
基板に磁気センサーとしてホール素子(旭化成エレクトロニクス社製EQ-430L)を設置し、基板と反対の面にエラストマーを図1のように設置する。このとき、前記エラストマーは磁性フィラーが偏在している面を接触面になるように設置する。圧縮試験機(島津製作所製オートグラフ)にて所定の荷重における出力電圧を読み取る事で、触覚センサー特性を得た。また、圧力30kPaを印加したときのホール素子の出力電圧変化率(ΔVout)をセンサー感度としてセンサー特性の評価とした。
磁性フィラーとして住友金属鉱山社製SmFeN合金微粉、サマリウム系磁性体粉末、平均粒径2.5μmを用いる以外は実施例1と同様にウレタンエラストマーを得た。
得られたウレタンエラストマーを用いて、実施例1と同様に、偏在度およびセンサー感度を測定した。結果を表1に示す。
反応容器にシリコーン前駆体(DY−1106A:東レ・ダウコーニング社製)50重量部、磁性フィラー100重量部、トルエン60重量部を入れ撹拌し、室温にて60分間減圧脱泡した。別のシリコーン前駆体(DY−1106B:東レ・ダウコーニング社製)50重量部にトルエン60重量部を入れ撹拌し60分間減圧脱泡を行い、前記混合液とハイブリッドミキサーにて混合および脱泡した。この反応液を離型処理したモールド上に滴下し、その上に離型処理したポリエチレンテレフタレートフィルムを被せ、ニップロールにて厚みを1mmに調整した。その後、磁性フィラー偏在処理として常温にて120分間静置する事で磁性フィラーを沈降させた。その後、モールドを120℃のオーブンに入れ、15分間硬化を行い、さらに200℃で4時間硬化を行うことでシリコーンエラストマーを得た。
得られたシリコーンエラストマーシートを、着磁装置(電子磁気工業社製)にて1.3Tで着磁することによりシリコーンエラストマーを得た。
得られたシリコーンエラストマーを用いて、実施例1と同様に、偏在度およびセンサー感度を測定した。結果を表1に示す。
実施例3と同様の原料を用いて、トルエン60重量部とし、磁性フィラー偏在処理として常温60分間静置する事で、磁性フィラー偏在度を変更したシリコーンエラストマーを得た。
得られたシリコーンエラストマーを用いて、実施例1と同様に、偏在度およびセンサー感度を測定した。結果を表1に示す。
比較例1
実施例3と同様の原料を用いて、磁性フィラー偏在処理としての静置は実施せず、磁性フィラー偏在度を低下させた。希釈剤は混合性を向上するために配合した。
得られたシリコーンエラストマーを用いて、実施例1と同様に、偏在度およびセンサー感度を測定した。結果を表1に示す。
比較例2
ミラブルタイプシリコーンゴムDY32−1000U(東レ・ダウコーニング社製)100重量部、架橋剤RC−4 50P FD(東レ・ダウコーニング社製)0.8重量部、磁性フィラー100.8重量部をラボプラストミル(東洋精機製作所社製4C150−01)にて混練し、磁性フィラーを均一分散させた。
170℃のプレス機にて10分間加硫した後、200℃のオーブンにて2時間二次加硫する事で1mmのエラストマーシートを得た。得られた該エラストマーシートを1.3Tで着磁することによりシリコーンエラストマーを得た。この場合、得られたシリコーンエラストマー内で磁性フィラーは均一分散していた。
得られたシリコーンエラストマーを用いて、実施例1と同様に、偏在度およびセンサー感度を測定した。結果を表1に示す。
磁性フィラーの量を5重量部に変更する以外は実施例3と同様に処理して、シリコーンエラストマーを得た。
得られたシリコーンエラストマーを用いて、実施例1と同様に、偏在度およびセンサー感度を測定した。結果を表1に示す。
磁性フィラーの量を350重量部に変更する以外は実施例3と同様に処理して、シリコーンエラストマーを得た。
得られたシリコーンエラストマーを用いて、実施例1と同様に、偏在度およびセンサー感度を測定した。結果を表1に示す。
Figure 0006141720

表1から明らかであるが、偏在度が実施例1〜6のように高い場合、センサー感度も高いことが解る。一方、比較例1および2のように、偏在度が1以下の場合にはセンサー感度が悪くなることが解る。
本発明の触覚センサーは、磁性フィラーがエラストマー中に均一分散ではなく、偏在して存在しているので、外力が小さくて変形が非常に小さい時でも、磁気センサーでの検出が容易になり、エラストマーと磁性フィラー含有材料とを分離していないので、層間の分離などが生じることなく安価かつ容易な製造が可能となるため、ロボットの手や皮膚など、自動車用着座状態検知、ベッドおよびカーペット用面圧分布検知、車両用衝突状態検知、生体の運動状態検知(例えば、モーションキャプチャ、呼吸状態や筋肉の弛緩状態生体運動検知など)、立ち入り制限区域への不法侵入の検知、スライドドアの異物検知、キーボード入力デバイスなどの用途に用いることができる。
1…エラストマー
2…磁気センサー
3…磁性フィラー
4…基板
5…圧力

Claims (5)

  1. 磁性フィラーを含むエラストマーと、
    前記エラストマーの触覚による変形に起因する磁気変化を検出する磁気センサーと、
    から構成され、
    前記磁性フィラーがエラストマー中で偏在しており、その偏在度が1〜100であり、
    前記偏在度は、エラストマーの厚み方向に3等分し上段層、中段層、下段層の磁性フィラーの粒子数をカウントし、上段層および下段層の粒子数と、中段層の粒子数との比率を求めて、上段層および下段層の磁性フィラー存在率を求め、以下の式:
    偏在度=[上段層の磁性フィラー存在率]−[下段層の磁性フィラー存在率]
    から決定することを特徴とする触覚センサー。
  2. 前記磁性フィラーがエラストマーの片面側に偏在していて、その偏在面を接触面とする請求項1記載の触覚センサー。
  3. 前記磁性フィラーが希土類系、Fe系、Co系、Ni系、酸化物系であり、平均粒径が0.02〜500μmである請求項1または2に記載の触覚センサー。
  4. 前記磁性フィラーがエラストマー100重量部に対して1〜450重量部の量で添加される請求項1〜3いずれか1項に記載の触覚センサー。
  5. 前記エラストマーがポリウレタンエラストマーまたはシリコーンエラストマーである請求項1〜4いずれか1項に記載の触覚センサー。
JP2013174589A 2012-10-19 2013-08-26 触覚センサー Expired - Fee Related JP6141720B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013174589A JP6141720B2 (ja) 2012-10-19 2013-08-26 触覚センサー

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012232006 2012-10-19
JP2012232006 2012-10-19
JP2013174589A JP6141720B2 (ja) 2012-10-19 2013-08-26 触覚センサー

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014098687A JP2014098687A (ja) 2014-05-29
JP6141720B2 true JP6141720B2 (ja) 2017-06-07

Family

ID=50940783

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013174589A Expired - Fee Related JP6141720B2 (ja) 2012-10-19 2013-08-26 触覚センサー

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6141720B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2020110237A1 (ja) * 2018-11-28 2021-09-02 三菱電機株式会社 接触状態認識装置及びロボットシステム

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6290727B2 (ja) * 2014-06-27 2018-03-07 東洋ゴム工業株式会社 密閉型二次電池の変形検出センサ、密閉型二次電池、及び、密閉型二次電池の変形検出方法
EP3163649B1 (en) * 2014-06-30 2019-03-27 Toyo Tire & Rubber Co., Ltd. Sensor for detecting deformation of sealed secondary battery, sealed secondary battery, and method for detecting deformation of sealed secondary battery
JP6339439B2 (ja) * 2014-07-30 2018-06-06 東洋ゴム工業株式会社 密閉型二次電池の変形検出センサ、密閉型二次電池、及び、密閉型二次電池の変形検出方法
JP6310806B2 (ja) * 2014-07-30 2018-04-11 東洋ゴム工業株式会社 密閉型二次電池の変形検出センサおよびその製造方法、密閉型二次電池、ならびに密閉型二次電池の変形検出方法
JP6310805B2 (ja) * 2014-07-30 2018-04-11 東洋ゴム工業株式会社 密閉型二次電池の変形検出センサおよびその製造方法、密閉型二次電池、ならびに密閉型二次電池の変形検出方法
KR101886711B1 (ko) * 2014-10-02 2018-08-09 주식회사 씨케이머티리얼즈랩 자성 촉각 제공 장치
JP6356583B2 (ja) 2014-11-26 2018-07-11 東洋ゴム工業株式会社 密閉型二次電池の監視センサ、密閉型二次電池、及び、密閉型二次電池の監視方法
WO2018163832A1 (ja) * 2017-03-06 2018-09-13 東洋ゴム工業株式会社 可撓性永久磁石の製造方法、可撓性永久磁石、変形検出センサ及び変形検出方法
WO2018163833A1 (ja) * 2017-03-06 2018-09-13 東洋ゴム工業株式会社 可撓性永久磁石の製造方法、可撓性永久磁石、変形検出センサ及び変形検出方法

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5939A (ja) * 1982-04-21 1984-01-05 ユニバ−シテイ・オブ・ストラスクライド 変位検出トランスジユ−サ
JPH10290094A (ja) * 1997-04-11 1998-10-27 Nippon Paint Co Ltd 電磁波吸収材及びその製造方法
JP2002148004A (ja) * 2000-11-08 2002-05-22 Fuji Xerox Co Ltd 移動体の情報検知装置及びこれを用いた画像形成装置
US20040265150A1 (en) * 2003-05-30 2004-12-30 The Regents Of The University Of California Magnetic membrane system
JP2005292070A (ja) * 2004-04-05 2005-10-20 Sumitomo Electric Ind Ltd サスペンション用防振ゴム変位測定装置
JP2006343650A (ja) * 2005-06-10 2006-12-21 Fuji Xerox Co Ltd 調光組成物、光学素子、及びその調光方法。
JP4165589B2 (ja) * 2006-08-09 2008-10-15 ソニー株式会社 検出装置およびその検出方法
JP2008102090A (ja) * 2006-10-20 2008-05-01 Tokai Rubber Ind Ltd 変形センサシステム
DE102009040486B3 (de) * 2009-09-08 2011-04-28 Carl Freudenberg Kg Magnetschaumsensor

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2020110237A1 (ja) * 2018-11-28 2021-09-02 三菱電機株式会社 接触状態認識装置及びロボットシステム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014098687A (ja) 2014-05-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6141720B2 (ja) 触覚センサー
WO2014061684A1 (ja) センサーおよびその製造方法
JP6141721B2 (ja) センサーの製造方法
WO2014112216A1 (ja) センサとその製造方法
WO2016002491A1 (ja) クッションパッドの変形を検出するシステムおよびその製造方法
JP6192436B2 (ja) 曲げセンサー
JP6265847B2 (ja) 密閉型二次電池の変形検出センサ、密閉型二次電池、及び、密閉型二次電池の変形検出方法
WO2015159860A1 (ja) クッションパッドの変形を検出するシステムおよびその製造方法
JP6339439B2 (ja) 密閉型二次電池の変形検出センサ、密閉型二次電池、及び、密閉型二次電池の変形検出方法
US20160305760A1 (en) Deformation detection sensor and production of the same
WO2016163180A1 (ja) 変形検出センサおよびその製造方法
EP3085572A1 (en) Deformation detection sensor and production of the same
JP6290727B2 (ja) 密閉型二次電池の変形検出センサ、密閉型二次電池、及び、密閉型二次電池の変形検出方法
JP6310806B2 (ja) 密閉型二次電池の変形検出センサおよびその製造方法、密閉型二次電池、ならびに密閉型二次電池の変形検出方法
WO2016163179A1 (ja) 変形検出センサおよびその製造方法
WO2015159857A1 (ja) クッションパッドの変形を検出するシステムおよびその製造方法
JP2018060944A (ja) 可撓性永久磁石の製造方法、可撓性永久磁石、変形検出センサ及び変形検出方法
JP2016200581A (ja) 変形検出センサおよびその製造方法
JP2016200580A (ja) 変形検出センサおよびその製造方法
JP6310805B2 (ja) 密閉型二次電池の変形検出センサおよびその製造方法、密閉型二次電池、ならびに密閉型二次電池の変形検出方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160415

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170207

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170222

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170425

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170508

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6141720

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees