JP2014188916A - ウレタン発泡成形体の製造方法、およびそれに用いる発泡ウレタン樹脂原料の撹拌装置 - Google Patents

ウレタン発泡成形体の製造方法、およびそれに用いる発泡ウレタン樹脂原料の撹拌装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2014188916A
JP2014188916A JP2013067967A JP2013067967A JP2014188916A JP 2014188916 A JP2014188916 A JP 2014188916A JP 2013067967 A JP2013067967 A JP 2013067967A JP 2013067967 A JP2013067967 A JP 2013067967A JP 2014188916 A JP2014188916 A JP 2014188916A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
urethane resin
raw material
resin raw
filler
stirring
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013067967A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6073727B2 (ja
Inventor
Katsutoshi Hashimoto
克俊 橋本
Kimio Ishii
喜美男 石井
Kazuho Hirate
和穂 平手
Yuji Kawai
祐次 川合
Koji Tomiyama
幸治 富山
真司 ▲吉▼田
Shinji Yoshida
Yasuo Suzuki
康雄 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokai Chemical Industries Ltd
Sumitomo Riko Co Ltd
Original Assignee
Tokai Chemical Industries Ltd
Sumitomo Riko Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokai Chemical Industries Ltd, Sumitomo Riko Co Ltd filed Critical Tokai Chemical Industries Ltd
Priority to JP2013067967A priority Critical patent/JP6073727B2/ja
Publication of JP2014188916A publication Critical patent/JP2014188916A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6073727B2 publication Critical patent/JP6073727B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C44/00Shaping by internal pressure generated in the material, e.g. swelling or foaming ; Producing porous or cellular expanded plastics articles
    • B29C44/34Auxiliary operations
    • B29C44/3442Mixing, kneading or conveying the foamable material
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29KINDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBCLASSES B29B, B29C OR B29D, RELATING TO MOULDING MATERIALS OR TO MATERIALS FOR MOULDS, REINFORCEMENTS, FILLERS OR PREFORMED PARTS, e.g. INSERTS
    • B29K2075/00Use of PU, i.e. polyureas or polyurethanes or derivatives thereof, as moulding material
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29KINDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBCLASSES B29B, B29C OR B29D, RELATING TO MOULDING MATERIALS OR TO MATERIALS FOR MOULDS, REINFORCEMENTS, FILLERS OR PREFORMED PARTS, e.g. INSERTS
    • B29K2105/00Condition, form or state of moulded material or of the material to be shaped
    • B29K2105/04Condition, form or state of moulded material or of the material to be shaped cellular or porous
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29KINDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBCLASSES B29B, B29C OR B29D, RELATING TO MOULDING MATERIALS OR TO MATERIALS FOR MOULDS, REINFORCEMENTS, FILLERS OR PREFORMED PARTS, e.g. INSERTS
    • B29K2995/00Properties of moulding materials, reinforcements, fillers, preformed parts or moulds
    • B29K2995/0003Properties of moulding materials, reinforcements, fillers, preformed parts or moulds having particular electrical or magnetic properties, e.g. piezoelectric
    • B29K2995/0008Magnetic or paramagnetic

Landscapes

  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Molding Of Porous Articles (AREA)

Abstract

【課題】 フィラーの配合量や大きさに関わらず、液体原料とフィラーとを均一に混合することができるウレタン発泡成形体の製造方法、およびそれに用いる発泡ウレタン樹脂原料の撹拌装置を提供する。
【解決手段】 ポリオール成分とポリイソシアネート成分とフィラーとを有する発泡ウレタン樹脂原料を発泡成形することによりウレタン発泡成形体を製造するウレタン発泡成形体の製造方法を、該発泡ウレタン樹脂原料を密閉容器5に収容する収容工程と、密閉容器5を往復動させて、該発泡ウレタン樹脂原料が慣性力により密閉容器5の壁面に衝突し移動方向の反転を繰り返すことにより、該発泡ウレタン樹脂原料を撹拌する撹拌工程と、撹拌された該発泡ウレタン樹脂原料を発泡成形する発泡成形工程と、を有するように構成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば吸音材や振動吸収材等として用いられるウレタン発泡成形体の製造方法、およびそれに用いる発泡ウレタン樹脂原料の撹拌装置に関する。
ウレタン発泡成形体は、吸音材、振動吸収材等として、自動車等の様々な分野で用いられている。例えば、特許文献1、2に記載されているように、磁性フィラー等を配合して、放熱性を向上させたウレタン発泡成形体が知られている。当該ウレタン発泡成形体は、ポリオール成分、ポリイソシアネート成分、および磁性フィラー等を混合した混合原料を、磁場中で発泡成形して製造される。
特開2009−51148号公報 特開2010−126677号公報 特開平9−296021号公報
通常、上記混合原料は、各成分を撹拌羽根で撹拌して調製される。この場合、混合原料を調製するごとに、撹拌羽根や容器を洗浄する必要がある。このため、洗浄作業の負担が大きく、一連の製造工程を自動化しにくい。また、洗浄には溶剤を使用するため、環境への影響も問題になる。
また、配合するフィラーの量が多くなると、原料の粘度上昇が大きくなる。よって、撹拌時に大きなトルクが必要になる。このため、撹拌装置によって、フィラー量が規制される。つまり、フィラーを多量に含有したウレタン発泡成形体の製造は、難しい。また、フィラーの種類によっては、撹拌羽根の剪断力により、粉砕されるおそれがある。
一方、ポリオール成分とポリイソシアネート成分とを、ミキシングヘッド内において各々高圧で噴射して混合する方法がある(衝突撹拌法)。衝突撹拌法において、フィラーを配合する場合には、予め、ポリオール成分あるいはポリイソシアネート成分に、フィラーを添加しておけばよい。しかし、例えばポリオール成分にフィラーを配合すると、粘度が上昇する。原料の粘度が大きいと、ポンプや配管、ホース等への負荷が大きくなるため、圧送が難しい。また、フィラーの大きさが、ミキシングヘッドの噴射孔の孔径よりも大きいと、フィラーの接触により、噴射孔に傷が付くおそれがある。したがって、衝突撹拌法においても、フィラーの配合量や大きさが制限される。
また、ポリオール成分に、予め触媒やフィラー等を配合してプレミックスポリオールを調製した場合、ポリオール成分がフィラーに染み込んだり、触媒がフィラーに吸着してしまう。これにより、ポリオール成分とポリイソシアネート成分とが充分に反応できなくなり、得られるウレタン発泡成形体の物性が低下する。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、フィラーを含有するウレタン発泡成形体の製造方法であって、フィラーの配合量や大きさに関わらず、液体原料とフィラーとを均一に混合することができるウレタン発泡成形体の製造方法を提供することを課題とする。また、その製造方法に用いるのに好適な発泡ウレタン樹脂原料の撹拌装置を提供することを課題とする。
(1)上記課題を解決するため、本発明のウレタン発泡成形体の製造方法は、ポリオール成分とポリイソシアネート成分とフィラーとを有する発泡ウレタン樹脂原料を発泡成形することによりウレタン発泡成形体を製造するウレタン発泡成形体の製造方法であって、該発泡ウレタン樹脂原料を密閉容器に収容する収容工程と、該密閉容器を往復動させて、該発泡ウレタン樹脂原料が慣性力により該密閉容器の壁面に衝突し移動方向の反転を繰り返すことにより、該発泡ウレタン樹脂原料を撹拌する撹拌工程と、撹拌された該発泡ウレタン樹脂原料を発泡成形する発泡成形工程と、を有することを特徴とする。
撹拌工程において、発泡ウレタン樹脂原料を収容した密閉容器を、往復動させる。すると、発泡ウレタン樹脂原料は、慣性力により、密閉容器の壁面への衝突、反転を繰り返す。ここで、発泡ウレタン樹脂原料には、フィラーが含まれる。密閉容器の往復動に伴い、フィラーは、ポリオール成分等の液体原料中を、激しく移動する。そして、フィラーが撹拌子のような役割を果たすことにより、発泡ウレタン樹脂原料の撹拌が促進される。その結果、発泡ウレタン樹脂原料を構成するポリオール成分、ポリイソシアネート成分、フィラー等の原料が、速やかに混合される。本発明のウレタン発泡成形体の製造方法によると、数秒〜数十秒程度の短時間で、発泡ウレタン樹脂原料の撹拌が完了する。したがって、発泡硬化反応が進行する前に、発泡ウレタン樹脂原料の撹拌を完了させることができる。
密閉容器は、直線状に往復させても振り子状に往復させてもよい。また、往復動の方向は、左右、上下、斜め等、いずれの方向でもよい。発泡ウレタン樹脂原料を構成する原料を、より短時間で均一に混合させるには、往復動のストロークを小さくして、周波数(単位時間当たりの往復回数)を大きくするとよい。
本発明のウレタン発泡成形体の製造方法においては、原料の混合に、撹拌羽根を使用しない。このため、撹拌するごとに、撹拌羽根を洗浄する必要はない。したがって、洗浄作業の負担が低減され、一連の製造工程を自動化しやすい。また、撹拌羽根を使用しないため、フィラーの添加により原料粘度が大きくなっても、混合することができる。したがって、例えば、フィラーを多量に配合したウレタン発泡成形体を、製造することができる。また、撹拌羽根によりフィラーが粉砕されるおそれもない。さらに、衝突撹拌法のように、予め、ポリオール成分にフィラーを添加しておく必要はない。このため、ポリオール成分がフィラーに染み込んだり、触媒がフィラーに吸着するおそれは小さい。したがって、ポリオール成分とポリイソシアネート成分とを充分反応させて、物性の良好なウレタン発泡成形体を製造することができる。
なお、特許文献3には、ポリウレタンフォームの原料を混合する際に、超音波振動を加える方法が開示されている。特許文献3の方法においては、超音波振動を加えることにより、セルを微細化し、ポリウレタンフォームの断熱性を向上させることを目的としている。このため、従来の撹拌羽根による撹拌を行いながら、超音波振動を加えているに過ぎない。また、原料にフィラーは配合されていない。
(2)好ましくは、上記(1)の構成において、前記発泡ウレタン樹脂原料において、前記ポリオール成分と前記ポリイソシアネート成分とは、予め混合されている構成とする方がよい。
ポリオール成分とポリイソシアネート成分とを、フィラーを配合する前に予め混合しておくことにより、フィラーへのポリオール成分の浸透や触媒の吸着を、抑制することができる。これにより、ポリオール成分とポリイソシアネート成分との反応性が向上する。したがって、本構成によると、良好な物性を有するウレタン発泡成形体を製造することができる。
(3)好ましくは、上記(1)または(2)の構成において、前記密閉容器は、往復動可能な支持部材に固定されており、前記撹拌工程において、該支持部材を往復動端の少なくとも一方でストッパと衝突させながら往復動させる構成とする方がよい。
支持部材が往復動端でストッパと衝突すると、発泡ウレタン樹脂原料に、慣性力に起因する衝撃力が加わる。これにより、発泡ウレタン樹脂原料が加速され、密閉容器内における動きが大きくなる。その結果、発泡ウレタン樹脂原料を構成する各原料の混合が、促進される。
(4)好ましくは、上記(1)ないし(3)のいずれかの構成において、前記密閉容器における前記発泡ウレタン樹脂原料の充填率は、60体積%以下である構成とする方がよい。
発泡ウレタン樹脂原料の充填率により、密閉容器内の発泡ウレタン樹脂原料の動きが変化する。したがって、密閉容器の形状に応じて、好適な充填率を採用することが望ましい。本構成によると、充填率が比較的小さい。このため、密閉容器内において、発泡ウレタン樹脂原料を大きく動かすことができる。これにより、各原料が速やかに混合する。
(5)好ましくは、上記(1)ないし(4)のいずれかの構成において、前記撹拌工程において、前記密閉容器を上下方向に往復動させる構成とする方がよい。
本構成によると、密閉容器内の空間を利用して、発泡ウレタン樹脂原料を大きく動かすことができる。これにより、各原料が速やかに混合する。
(6)好ましくは、上記(1)ないし(5)のいずれかの構成において、前記フィラーは、磁性粒子を含み、前記発泡成形工程において、磁場をかけながら発泡成形する構成とする方がよい。
磁性粒子を有する発泡ウレタン樹脂原料を、磁場中で発泡成形すると、製造されるウレタン発泡成形体において、磁性粒子を互いに連接した状態で配向させることができる。これにより、当該ウレタン発泡成形体には、磁性粒子の配向方向に、熱の伝達経路が形成される。つまり、本構成によると、熱伝導性に優れたウレタン発泡成形体を、効率良く製造することができる。また、上述したように、本発明の製造方法においては、撹拌羽根等による従来の混合方法とは異なり、磁性粒子(フィラー)の配合量の規制は少ない。したがって、磁性粒子を多量に配合して、ウレタン発泡成形体の熱伝導性をより大きくすることも可能である。
(7)好ましくは、上記(1)ないし(6)のいずれかの構成において、前記フィラーは、非磁性体からなる熱伝導性粒子と、該熱伝導性粒子の表面に付着された磁性粒子と、を有する複合粒子を含み、前記発泡成形工程において、磁場をかけながら発泡成形する構成とする方がよい。
本構成の複合粒子は、熱伝導性粒子と、その表面に付着された磁性粒子と、を有する。複合粒子のコアをなす熱伝導性粒子は、大きな熱伝導率を有するが、非磁性体からなる。このため、磁場をかけても、単独では配向しない。しかし、複合粒子を構成する熱伝導性粒子の表面には、磁性粒子が付着している。このため、複合粒子を有する発泡ウレタン樹脂原料を、磁場中で発泡成形すると、表面の磁性粒子が磁力線に沿って配向しようとする。これにより、複合粒子が、磁力線に沿って配向する。つまり、本構成によると、表面に付着した磁性粒子の磁場配向を利用して、本来配向しない熱伝導性粒子を、配向させることができる。
フィラーとして複合粒子を配合すると、同量の磁性粒子のみを含む態様と比較して、ウレタン発泡成形体の熱伝導性を、大きくすることができる。また、配合量が比較的少量でも、熱伝導性の向上効果を得ることができる。したがって、フィラーを配合したことによる、ウレタン発泡成形体の物性への影響を、小さくすることができる。また、フィラーの配合量が低減されることにより、ウレタン発泡成形体の軽量化や、コスト削減が可能になる。
このように、本構成によると、熱伝導性に優れたウレタン発泡成形体を、効率良く製造することができる。また、発泡ウレタン樹脂原料の撹拌時に、撹拌羽根を使用しない。このため、複合粒子が粉砕されにくい。つまり、熱伝導性粒子と磁性粒子とが剥離しにくい。
(8)本発明の発泡ウレタン樹脂原料の撹拌装置は、ポリオール成分とポリイソシアネート成分とフィラーとを有する発泡ウレタン樹脂原料を撹拌するための発泡ウレタン樹脂原料の撹拌装置であって、該発泡ウレタン樹脂原料を収容する密閉容器と、該密閉容器を支持する支持部材と、該支持部材に連結され該支持部材を往復動させる駆動部材と、を備え、該駆動部材により該密閉容器を往復動させ、該発泡ウレタン樹脂原料が慣性力により該密閉容器の壁面に衝突し移動方向の反転を繰り返すことにより、該発泡ウレタン樹脂原料を撹拌することを特徴とする。
上記(1)の本発明のウレタン発泡成形体の製造方法において説明したように、発泡ウレタン樹脂原料を収容した密閉容器を往復動させると、発泡ウレタン樹脂原料は、慣性力により、密閉容器の壁面への衝突、反転を繰り返す。ここで、発泡ウレタン樹脂原料には、フィラーが含まれる。密閉容器の往復動に伴い、フィラーは、ポリオール成分等の液体原料中を、激しく移動する。そして、フィラーが撹拌子のような役割を果たすことにより、発泡ウレタン樹脂原料の撹拌が促進される。その結果、発泡ウレタン樹脂原料を構成するポリオール成分、ポリイソシアネート成分、フィラー等の原料が、速やかに混合される。
本発明の発泡ウレタン樹脂原料の撹拌装置によると、数秒〜数十秒程度の短時間で、発泡ウレタン樹脂原料の撹拌が完了する。したがって、発泡硬化反応が進行する前に、発泡ウレタン樹脂原料の撹拌を完了させることができる。
密閉容器の往復動は、直線状でも振り子状でもよい。また、往復動の方向は、左右、上下、斜め等、いずれの方向でもよい。発泡ウレタン樹脂原料を構成する原料を、より短時間で均一に混合させるには、往復動のストロークを小さくして、周波数(単位時間当たりの往復回数)を大きくするとよい。
本発明の撹拌装置によると、撹拌羽根を使用せずに、発泡ウレタン樹脂原料を撹拌することができる。このため、撹拌羽根の洗浄が不要になり、その分、洗浄作業の負担を低減することができる。また、ウレタン発泡成形体を製造する一連の工程を、自動化しやすい。また、撹拌羽根を使用しないため、フィラーの添加により原料粘度が大きくなっても、混合することができる。したがって、本発明の撹拌装置で撹拌された発泡ウレタン樹脂原料から、例えば、フィラーを多量に配合したウレタン発泡成形体を、製造することができる。また、撹拌羽根によりフィラーが粉砕されるおそれもない。さらに、本発明の撹拌装置においては、衝突撹拌法のように、予め、ポリオール成分にフィラーを添加しておく必要はない。このため、ポリオール成分がフィラーに染み込んだり、触媒がフィラーに吸着するおそれは小さい。したがって、本発明の撹拌装置で撹拌された発泡ウレタン樹脂原料を用いれば、ポリオール成分とポリイソシアネート成分とを充分反応させて、物性の良好なウレタン発泡成形体を製造することができる。
(9)好ましくは、上記(8)の構成において、さらに、前記支持部材の往復動端の少なくとも一方において、該支持部材と衝突するストッパを備える構成とする方がよい。
支持部材が往復動端でストッパと衝突すると、発泡ウレタン樹脂原料に、慣性力に起因する衝撃力が加わる。すると、発泡ウレタン樹脂原料が加速され、密閉容器内における動きが大きくなる。これにより、発泡ウレタン樹脂原料を構成する各原料の混合を、促進することができる。
(10)好ましくは、上記(8)または(9)の構成において、前記駆動部材は、前記支持部材を上下方向に往復動させる構成とする方がよい。
本構成によると、密閉容器内の空間を利用して、発泡ウレタン樹脂原料を大きく動かすことができる。これにより、発泡ウレタン樹脂原料を構成する各原料を、速やかに混合することができる。
(11)好ましくは、上記(8)ないし(10)のいずれかの構成において、前記密閉容器は、該密閉容器の一端から他端に前記発泡ウレタン樹脂原料を押し出して、該他端に配置された開口部から該発泡ウレタン樹脂原料を排出可能な押出部材を備える構成とする方がよい。
撹拌終了後において、発泡ウレタン樹脂原料の粘度は大きい。このため、発泡ウレタン樹脂原料を密閉容器から成形型に注入する際、発泡ウレタン樹脂原料が密閉容器に付着して残存し、ロスが多くなるおそれがある。この点、本構成によると、密閉容器が、押出部材を備える。押出部材は、密閉容器の一端から他端の開口部に向かって、発泡ウレタン樹脂原料を押し出す。これにより、発泡ウレタン樹脂原料は、開口部から速やかに排出される。その結果、発泡ウレタン樹脂原料が密閉容器に残存しにくくなり、原料のロスが少なくなる。また、密閉容器の洗浄を、不要にすることができる。こうすることにより、洗浄作業の負担が無くなり、一連の製造工程を自動化しやすい。また、洗浄に用いる溶剤により、環境を汚染するおそれも小さくなる。
実施形態の撹拌装置の斜視図である。 同撹拌装置の分解斜視図である。 同撹拌装置の前面図である。 同撹拌装置の回転位置θ=90°における前面図である。 同撹拌装置の回転位置θ=180°における前面図である。 同撹拌装置の回転位置θ=270°における前面図である。 回転位置と密閉容器のストロークとの関係を表すグラフである。 収容工程の概念図であり、(a)は原料投入時を、(b)は密閉時を、各々示す。 撹拌工程の概念図である。 注型工程の概念図である。 磁気誘導発泡成形装置の斜視図である。 同装置の断面図である。 押出部材を備えた密閉容器の一例の断面図である(発泡ウレタン樹脂原料の撹拌終了時)。 発泡ウレタン樹脂原料の排出時における同密閉容器の断面図を示す。
以下、本発明のウレタン発泡成形体の製造方法、および発泡ウレタン樹脂原料の撹拌装置の実施形態について説明する。
<発泡ウレタン樹脂原料の撹拌装置>
[構成]
まず、本実施形態の発泡ウレタン樹脂原料の撹拌装置(以下、実施形態において単に「撹拌装置」と称す。)の構成について説明する。図1に、本実施形態の撹拌装置の斜視図を示す。図2に、同撹拌装置の分解斜視図を示す。図3に、同撹拌装置の前面図を示す。図1〜図3に示すように、本実施形態の撹拌装置1は、支持部材2と、フレーム3と、駆動部4と、密閉容器5と、を備えている。なお、図1〜図3に示すのは、いずれも後述する回転位置θ=0°における状態である。
(1)フレーム3
フレーム3は、ベース30と、2本の支柱31と、2本のガイドレール32と、2個の軸受33と、2本の横梁34と、4個のストッパ35と、モータブラケット36と、を備えている。
ベース30は、鋼製であって、板状を呈している。ベース30は、工場の床面に敷設されている。2本の支柱31は、鋼製であって、上下方向に延在している。2本の支柱31は、ベース30の上面の左前隅、右前隅から、上方に向かって突設されている。
2本のガイドレール32は、鋼製であって、2本の支柱31の前面に配置されている。ガイドレール32は、後述する支持部材2を案内するガイド部材としての機能を有している。2本のガイドレール32は、上下方向に延在している。ガイドレール32は、断面T字状を呈している。2本の横梁34は、鋼製であって、2本の支柱31間に架設されている。2本の横梁34は、上下方向に離間して配置されている。
4個のストッパ35は、ゴム製であって、直方体ブロック状を呈している。4個のストッパ35は、上下に2個ずつ分かれて配置されている。上方の2個のストッパ35は、上方の横梁34の下面に配置されている。下方の2個のストッパ35は、下方の横梁34の上面に配置されている。ストッパ35は、後述する密閉容器5に衝撃を加える衝撃部材としての機能を有している。また、上方のストッパ35は、支持部材2の上死点を規制する上死点規制部材としての機能を有している。また、下方のストッパ35は、支持部材2の下死点を規制する下死点規制部材としての機能を有している。
2個の軸受33は、直方体ブロック状を呈している。2個の軸受33は、ベース30の上面の左右方向中央に、前後方向に並んで配置されている。モータブラケット36は、鋼製であって、下方に開口するC字状を呈している。モータブラケット36は、ベース30の上面の左右方向中央に配置されている。モータブラケット36は、後方の軸受33の後方に配置されている。
(2)駆動部4
駆動部4は、リンク機構部40と、モータ41と、回転軸42と、を備えている。リンク機構部40は、本発明の「駆動部材」の概念に含まれる。
モータ41は、モータブラケット36により、ベース30の上面の左右方向中央の後端に固定されている。回転軸42は、鋼製であって、前後方向に延在している。回転軸42は、2個の軸受33により、回転可能に支持されている。回転軸42には、ギア(図略)を介して、モータ41の駆動力が伝達される。
リンク機構部40は、第一アーム400と、第二アーム401と、を備えている。第一アーム400は、鋼製であって、細板状を呈している。第一アーム400の長手方向中央は、回転軸42の前端に固定されている。第二アーム401は、鋼製であって、細板状を呈している。第二アーム401は、第一アーム400よりも長尺である。第二アーム401の長手方向一端は、第一アーム400の一端に、回転可能に連結されている。なお、第一アーム400の他端には何も連結されていない。第一アーム400の他端は、回転バランスを調整するバランサーとしての機能を有している。
(3)支持部材2、密閉容器5
支持部材2は、2個の衝突ブロック20と、ストローク調整部21と、本体22と、4個のスライダ23と、容器保持部24と、を備えている。
4個のスライダ23は、鋼製であって、直方体ブロック状を呈している。スライダ23は、ガイド部材に案内される被ガイド部材としての機能を有している。スライダ23には、断面T字状の溝が形成されている。4個のスライダ23は、左右に2個ずつ分かれて配置されている。左方の2個のスライダ23は、左方のガイドレール32に、上下方向に移動可能に係合している。右方の2個のスライダ23は、右方のガイドレール32に、上下方向に移動可能に係合している。
本体22は、鋼製であって、上板220と、背板221と、を備えている。上板220と背板221とは、逆L字状に連なっている。上板220および背板221は、いずれも長方形板状を呈している。背板221の後面四隅には、4個の上記スライダ23が固定されている。このため、本体22は、2本のガイドレール32に沿って、上下方向に往復動可能である。
容器保持部24は、上板220の上面に配置されている。容器保持部24は、2本の側柱240と、押圧板241と、を備えている。2本の側柱240は、鋼製であって、角柱状を呈している。2本の側柱240は、上板220の上面の左右両縁付近から、上方に向かって突設されている。押圧板241は、鋼製であって、長方形板状を呈している。押圧板241は、2本の側柱240の上端間に架設されている。
密閉容器5は、容器本体50と、蓋51と、を備えている。密閉容器5には、発泡ウレタン樹脂原料が収容されている。密閉容器5は、容器保持部24に保持されている。容器本体50は、鋼製であって、上方に開口するカップ状を呈している。容器本体50は、2本の側柱240の間に配置されている。蓋51は、鋼製であって、円板状を呈している。蓋51は、容器本体50の開口部に、開閉可能に配置されている。蓋51は、押圧板241により、上方から押圧されている。蓋51は、容器本体50の開口部を、気密的に封止している。
ストローク調整部21は、上端支持板210と、下端支持板211と、2個のスプリング間ブロック212と、4個のスプリング213と、を備えている。ストローク調整部21は、密閉容器5の上下方向の往復動のストロークを、調整する機能を有している。
上端支持板210は、鋼製であって、長方形板状を呈している。上端支持板210は、上板220の下面に配置されている。下端支持板211は、鋼製であって、長方形板状を呈している。下端支持板211は、上端支持板210の下方に配置されている。上記リンク機構部40の第二アーム401の長手方向他端は、下端支持板211の左右方向中央に、回転可能に連結されている。
4個のスプリング213は、いわゆるコイルスプリングである。4個のスプリング213のうち、上方の2個のスプリング213は、上端支持板210の下面に固定されている。下方の2個のスプリング213は、下端支持板211の上面に固定されている。
2個のスプリング間ブロック212は、鋼製であって、直方体ブロック状を呈している。2個のスプリング間ブロック212のうち、左方のスプリング間ブロック212は、左方の上下一対のスプリング213の間に介装されている。右方のスプリング間ブロック212は、右方の上下一対のスプリング213の間に介装されている。4個のスプリング213により、上端支持板210と下端支持板211との間の間隔は、上下方向に伸縮可能である。
[動き]
次に、本実施形態の撹拌装置の動きについて説明する。図4に、本実施形態の撹拌装置の回転位置θ=90°における前面図を示す。図5に、同撹拌装置の回転位置θ=180°における前面図を示す。図6に、同撹拌装置の回転位置θ=270°における前面図を示す。図7に、回転位置と密閉容器のストロークとの関係を表すグラフを示す。なお、図3〜図7に示す回転位置は、回転軸42に対する、第一アーム400と第二アーム401との連結部aの位置に対応している。図3〜図7においては、説明の便宜上、ストッパ35に右上がりハッチングを、衝突ブロック20に左上がりハッチングを、それぞれ施して示す。
モータ41からの駆動力が回転軸42に伝達されると、回転軸42は、自身の軸周りに回転する。このため、第一アーム400および第二アーム401も、回転位置θ=0°→90°→270°→360°(=0°)の順に、前方から見て反時計回りに回転する。ここで、第二アーム401には、ストローク調整部21の下端支持板211が連結されている。一方、図1に示すように、ストローク調整部21を備える支持部材2の移動方向は、2本のガイドレール32および4個のスライダ23により、上下方向に規制されている。このため、第二アーム401の回転により、支持部材2は上下方向に往復動する。
図3に示すように、回転位置θ=0°(下死点)においては、支持部材2の2個の衝突ブロック20の下面が、下方の2個のストッパ35の上面に衝突している。このため、図7に示すように、衝突ブロック20がストッパ35に衝突しない場合のストローク(点線)に対して、実際のストローク(実線)は、短くなっている。なお、ストローク差(点線と実線との差)は、ストローク調整部21の4個のスプリング213が伸長することにより、吸収される。
図4に示すように、回転位置θ=90°においては、支持部材2の2個の衝突ブロック20が、下方の2個のストッパ35から離間して、上昇している。
図5に示すように、回転位置θ=180°(上死点)においては、支持部材2の2個の衝突ブロック20の上面が、上方の2個のストッパ35の下面に衝突している。このため、図7に示すように、衝突ブロック20がストッパ35に衝突しない場合のストローク(点線)に対して、実際のストローク(実線)は、短くなっている。なお、ストローク差(点線と実線との差)は、ストローク調整部21の4個のスプリング213が収縮することにより、吸収される。
図6に示すように、回転位置θ=270°においては、支持部材2の2個の衝突ブロック20が、上方の2個のストッパ35から離間して、下降している。この後、再び、図3に示す回転位置θ=0°の状態になる。
このように、第二アーム401の回転に伴って、支持部材2つまり密閉容器5は、上下方向に往復動を繰り返す。密閉容器5のストロークの上死点は、上方の2個のストッパ35により規制される。密閉容器5のストロークの下死点は、下方の2個のストッパ35により規制される。密閉容器5の移動方向は、上死点で上→下に、下死点で下→上に、それぞれ反転する。この際、密閉容器5内の発泡ウレタン樹脂原料に、慣性力に起因する衝撃力が加わる。
<ウレタン発泡成形体の製造方法>
次に、本実施形態のウレタン発泡成形体の製造方法について説明する。本実施形態のウレタン発泡成形体の製造方法においては、上記撹拌装置1を用いて発泡ウレタン樹脂原料を撹拌した後、当該発泡ウレタン樹脂原料を発泡成形して、ウレタン発泡成形体を製造する。本実施形態のウレタン発泡成形体の製造方法は、収容工程と、撹拌工程と、注型工程と、発泡成形工程と、を有している。
[収容工程]
本工程においては、ポリオール成分とポリイソシアネート成分とフィラーとを有する発泡ウレタン樹脂原料を、密閉容器に収容する。図8に、本工程の概念図を示す。(a)は原料投入時を、(b)は密閉時を、各々示す。図8においては、説明の便宜上、フィラーの量を誇張して示す。図8(a)に示すように、まず、計量されたフィラーFを、容器本体50の中に投入する。次に、予め調製された液体原料U1を、同容器本体50の中に投入する。そして、図8(b)に示すように、容器本体50の開口部に蓋51を被せて、密閉する。本実施形態において、発泡ウレタン樹脂原料U2は、フィラーFと液体原料U1とからなる。密閉容器5における発泡ウレタン樹脂原料U2の充填率は、約30体積%である。
フィラーFとしては、膨張黒鉛粒子の表面にステンレス鋼粒子が付着した複合粒子と、天然黒鉛粒子の表面にステンレス鋼粒子が付着した複合粒子と、を同量ずつ使用した。フィラーFの配合量は、製造するウレタン発泡成形体の体積を100体積%とした場合の約4体積%である。また、液体原料U1については、ポリオール成分のポリエーテルポリオール、架橋剤、発泡剤、および触媒等を含むプレミックスポリオール(POL)と、ポリイソシアネート成分のジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)と、を混合して調製した。
[撹拌工程]
本工程においては、密閉容器を往復動させて、発泡ウレタン樹脂原料を撹拌する。図9に、本工程の概念図を示す。まず、発泡ウレタン樹脂原料U2を収容した密閉容器5を、前出図1に示した撹拌装置1に設置する。具体的には、密閉容器5を支持部材2の上板220の上面に配置して、容器保持部24により固定する。次に、モータ41の電源をONにして、第一アーム400および第二アーム401の回転により、支持部材2を上下方向に往復動させる。これにより、密閉容器5が上下方向に往復動する。すると、図9に示すように、密閉容器5内の発泡ウレタン樹脂原料U2は、慣性力により、主に蓋51および底面に衝突して反転を繰り返す。これにより、フィラーFと液体原料U1とが混合される。密閉容器5の往復動を、周波数2.8Hzで約7秒間行った後、モータ41の電源をOFFにして、撹拌を終了する。
[注型工程]
本工程においては、発泡ウレタン樹脂原料を密閉容器から排出し、成形型のキャビティに注入する。図10に、本工程の概念図を示す。まず、密閉容器5を撹拌装置1から取り外し、蓋51を開ける。次に、図10に示すように、容器本体50の開口部から、撹拌された発泡ウレタン樹脂原料U2を、成形型6の下型60D(後述する図11、図12参照。)のキャビティ61内に注入する。そして、下型60Dに上型60Uを合体させて、成形型6を型締めする。
[発泡成形工程]
本工程においては、成形型を磁気誘導発泡成形装置に設置して、発泡ウレタン樹脂原料を発泡成形する。まず、磁気誘導発泡成形装置の構成について説明する。図11に、磁気誘導発泡成形装置の斜視図を示す。図12に、同装置の断面図を示す。図12においては、説明の便宜上、ヨーク部および芯部のハッチングを省略して示す。図11、図12に示すように、磁気誘導発泡成形装置7は、架台70と、電磁石部72と、成形型6と、を備えている。
電磁石部72は、架台70の上面に載置されている。電磁石部72と架台70とは、各々にブラケット71をねじ止めすることにより、固定されている。電磁石部72は、ヨーク部73U、73Dと、コイル部74L、74Rと、ポールピース75U、75Dと、を備えている。
ヨーク部73Uは、鉄製であり、平板状を呈している。ヨーク部73Dも同様に、鉄製であり、平板状を呈している。ヨーク部73U、73Dは、上下方向に対向して配置されている。
コイル部74Lは、ヨーク部73U、73Dの間に介装されている。コイル部74Lは、成形型6の左側に配置されている。コイル部74Lは、上下方向に二つ重ねて配置されている。コイル部74Lは、各々、芯部740Lと導線741Lとを備えている。芯部740Lは、鉄製であり、上下方向に延びる柱状を呈している。導線741Lは、芯部740Lの外周面に巻装されている。導線741Lは、電源(図略)に接続されている。
コイル部74Rは、ヨーク部73U、73Dの間に介装されている。コイル部74Rは、成形型6の右側に配置されている。コイル部74Rは、上下方向に二つ重ねて配置されている。コイル部74Rは、各々、コイル部74Lと同様の構成を備えている。すなわち、コイル部74Rは、芯部740Rと導線741Rとを備えている。導線741Rは、芯部740Rの外周面に巻装されている。導線741Rは、電源(図略)に接続されている。
ポールピース75Uは、鉄製であり、平板状を呈している。ポールピース75Uは、ヨーク部73Uの下面中央に配置されている。ポールピース75Uは、ヨーク部73Uと成形型6との間に介装されている。ポールピース75Dは、鉄製であり、平板状を呈している。ポールピース75Dは、ヨーク部73Dの上面中央に配置されている。ポールピース75Dは、ヨーク部73Dと成形型6との間に介装されている。
成形型6は、コイル部74Lとコイル部74Rとの間に、配置されている。成形型6は、上型60Uと下型60Dとを備えている。上型60Uは、アルミニウム製であり、正方形板状を呈している。下型60Dは、アルミニウム製であり、直方体状を呈している。下型60Dの上面には、凹部が形成されている。当該凹部は、上方に開口する直方体状を呈している。そして、上型60Uと下型60Dとが合体することにより、直方体状のキャビティ61(縦130mm×横130mm×厚さ20mm)が、区画されている。キャビティ61には、発泡ウレタン樹脂原料U2が充填されている。
次に、磁気誘導発泡成形装置7を用いた発泡成形の方法について説明する。まず、導線741Lに接続された電源および導線741Rに接続された電源を、共にオンにすると、コイル部74Lの芯部740Lの上端がN極に、下端がS極に磁化される。このため、芯部740Lに、下方から上方に向かって磁力線L(図12に点線で示す)が発生する。同様に、コイル部74Rの芯部740Rの上端がN極に、下端がS極に磁化される。このため、芯部740Rに、下方から上方に向かって磁力線Lが発生する。
コイル部74Lの芯部740L上端から放射された磁力線Lは、ヨーク部73U、ポールピース75Uを通って、成形型6のキャビティ61内に流入する。その後、ポールピース75D、ヨーク部73Dを通って、芯部740L下端に流入する。同様に、コイル部74Rの芯部740R上端から放射された磁力線Lは、ヨーク部73U、ポールピース75Uを通って、成形型6のキャビティ61内に流入する。その後、ポールピース75D、ヨーク部73Dを通って、芯部740R下端に流入する。このように、磁力線Lは閉ループを構成するため、磁力線Lの漏洩は抑制される。また、成形型6のキャビティ61内には、上方から下方に向かって略平行な磁力線Lにより、一様な磁場が形成される。具体的には、キャビティ61内の磁束密度は、約200mTであった。また、キャビティ61内における磁束密度の差は、±3%以内であった。
発泡成形は、最初の約2分間は磁場をかけながら行い、続く約5分間は磁場をかけないで行った。発泡成形が終了した後、脱型して、ウレタン発泡成形体を得た。
<作用効果>
次に、本実施形態のウレタン発泡成形体の製造方法、および撹拌装置の作用効果について説明する。本実施形態の撹拌装置1によると、発泡ウレタン樹脂原料U2を収容した密閉容器5を、上下方向に周波数2.8Hzの高速で、往復動させる。すると、発泡ウレタン樹脂原料U2が、慣性力により、主に蓋51および底面に衝突して反転を繰り返す。この際、発泡ウレタン樹脂原料U2中のフィラーFは、液体原料U1中を激しく移動する。これにより、フィラーFと液体原料U1とが速やかに混合される。つまり、本実施形態の撹拌装置1によると、フィラーFを含む発泡ウレタン樹脂原料U2の撹拌を、短時間で行うことができる。
本実施形態のウレタン発泡成形体の製造方法においては、撹拌装置1を用いて発泡ウレタン樹脂原料U2を撹拌する。したがって、発泡硬化反応が進行する前に、発泡ウレタン樹脂原料U2の撹拌を完了させることができる。また、衝突撹拌法のように、予め、ポリオール成分にフィラーFを添加しておく必要はない。このため、ポリオール成分がフィラーFに染み込んだり、触媒がフィラーFに吸着するおそれは小さい。特に、本実施形態の製造方法においては、ポリオール成分とポリイソシアネート成分とを、予め混合して液体原料U1を調製する。このため、フィラーFへのポリオール成分の浸透や触媒の吸着を、より抑制することができる。したがって、本実施形態の製造方法によると、良好な物性を有するウレタン発泡成形体を、容易に製造することができる。
本実施形態の撹拌装置1によると、発泡ウレタン樹脂原料U2の混合に、撹拌羽根を使用しない。このため、撹拌するごとに、撹拌羽根を洗浄する必要はない。したがって、洗浄作業の負担が低減され、一連の製造工程を自動化しやすい。また、撹拌羽根を使用しないため、フィラーFの添加により原料粘度が大きくなっても、混合することができる。したがって、撹拌装置1を用いた本実施形態の製造方法によると、例えば、フィラーFを多量に配合したウレタン発泡成形体についても、製造することができる。また、本実施形態においては、フィラーFとして複合粒子を使用する。しかし、撹拌時に撹拌羽根を使用しないため、フィラーFが粉砕されるおそれが小さい。つまり、熱伝導性粒子と磁性粒子とが剥離しにくい。
また、複合粒子は、磁性粒子と熱伝導性粒子とを有する。このため、同量の磁性粒子のみを含む態様と比較して、ウレタン発泡成形体の熱伝導性が大きくなる。また、配合量が比較的少量でも、熱伝導性の向上効果を得ることができる。したがって、フィラーFを配合したことによる、ウレタン発泡成形体の物性への影響を、小さくすることができる。また、フィラーFの配合量が低減されることにより、ウレタン発泡成形体の軽量化や、コスト削減が可能になる。
本実施形態の撹拌装置1においては、スライダ23とガイドレール32とにより、密閉容器5の移動方向を規制することができる。また、支持部材2を、上死点および下死点においてストッパ35と衝突させる。すると、発泡ウレタン樹脂原料U2に、慣性力に起因する衝撃力が加わる。これにより、発泡ウレタン樹脂原料U2が加速され、密閉容器5内における動きが大きくなる。その結果、発泡ウレタン樹脂原料U2を構成するフィラーFと液体原料U1との混合が、促進される。ここで、支持部材2は、ストローク調整部21を備えている。ストローク調整部21の4個のスプリング213の伸縮により、第二アーム401の回転を許容しながら、支持部材2をストッパ35に衝突させることができる。また、第一アーム400、第二アーム401の長さを調整することにより、密閉容器5のストロークを調整することができる。また、ストッパ35の位置を調整することにより、密閉容器5のストロークを調整することができる。
本実施形態においては、密閉容器5を上下方向に往復動させる。そして、密閉容器5における発泡ウレタン樹脂原料U2の充填率は、約30体積%である。換言すれば、密閉容器5内の上方約70体積%は、空間である。よって、密閉容器5内の空間を利用して、発泡ウレタン樹脂原料U2を大きく動かすことができる。これにより、フィラーFと液体原料U1とが、速やかに混合する。
<その他>
以上、本発明のウレタン発泡成形体の製造方法、および撹拌装置の実施の形態について説明した。しかしながら、実施の形態は上記形態に特に限定されるものではない。当業者が行いうる種々の変形的形態、改良的形態で実施することも可能である。
例えば、上記実施形態においては、密閉容器を上下方向に直線状に往復動させた。しかし、密閉容器を、振り子状に往復させてもよい。また、往復動の方向は、左右方向、あるいは斜め方向でもよい。また、往復動のストローク、周波数についても限定されない。発泡ウレタン樹脂原料の構成原料を、より短時間で均一に混合させるには、往復動のストロークを小さくして、周波数を大きくするとよい。例えば、周波数を、2Hz以上とするとよい。5Hz以上とすると、より好適である。また、密閉容器を往復動させる時間(撹拌時間)についても、特に限定されない。撹拌状態と、発泡ウレタン樹脂原料の発泡硬化反応の進行状態と、を考慮して、適宜決定すればよい。
上記実施形態においては、支持部材を、上死点および下死点においてストッパと衝突させた。しかし、ストッパは必ずしも必要ではない。駆動部の構成も、特に限定されない。例えば、リンク機構部の代わりにカム機構部を配置してもよい。また、モータとしてリニアモータを配置してもよい。モータの代わりにボールねじ、流体(オイル、エア)シリンダを配置してもよい。また、ガイドレールの代わりに丸棒状のガイドロッドを配置してもよい。この場合、スライダに、ガイドロッドが挿通される被ガイド孔を穿設してもよい。
密閉容器を固定する容器保持部の構成は、特に限定されない。例えば、容器保持部として、トグルクランプ等を用いてもよい。具体的には、側柱240の上面にトグルクランプを配置し、密閉容器5の蓋51を押圧してもよい。
また、密閉容器の形状、大きさ等は、特に限定されない。例えば、密閉容器を、発泡ウレタン樹脂原料を排出可能な押出部材を備えて構成してもよい。押出部材としては、密閉容器の側壁に沿って、発泡ウレタン樹脂原料を開口部方向に押し出せるものが望ましい。図13に、押出部材を備えた密閉容器の一例の断面図を示す。図13は、発泡ウレタン樹脂原料の撹拌が終了した直後の状態を示す。また、図14に、発泡ウレタン樹脂原料の排出時における同密閉容器の断面図を示す。
図13に示すように、密閉容器5は、容器本体50と蓋51とを備えている。密閉容器5の内部には、発泡ウレタン樹脂原料U2が収容されている。容器本体50は、筒部500と底板501とを備えている。筒部500は、鋼製であって、上下に開口する円筒状を呈している。底板501は、鋼製であって、円板状を呈している。底板501は、筒部500の下方の開口部に配置されている。底板501の直径は、筒部500の内径と同じである。蓋51は、鋼製であって、円板状を呈している。蓋51は、筒部500の上方の開口部に、開閉可能に配置されている。
発泡ウレタン樹脂原料U2の収容時から撹拌終了時までは、底板501は、図示しない固定部材により、筒部500に固定されている。一方、発泡ウレタン樹脂原料U2の排出時には、蓋51を外すと共に、底板501の固定を解除する。これにより、底板501は、図14に示すように、押圧ジグ52で押圧することにより、筒部500の開口部方向に移動可能になる。このように、底板501は、発泡ウレタン樹脂原料U2の排出時には、筒部500に沿って移動可能である。底板501は、本発明の「押出部材」の概念に含まれる。
ここで、押圧ジグ52は、ピストン520と、ロッド521と、を備えている(図14においては、説明の便宜上、押圧ジグ52のハッチングを省略して示す)。ピストン520は、円板状を呈している。ピストン520の直径は、底板501の直径と略同じである。ロッド521は、ピストン520の上面中央に配置されている。図14中、白抜き矢印で示すように、ロッド521を斜め下方に移動させると、ピストン520は、底板501と共に、筒部500の内部を開口部方向に移動する。これにより、当該開口部から発泡ウレタン樹脂原料U2を、速やかに排出させることができる。この際、底板501の側周面は、筒部500の内周面と摺接する。よって、発泡ウレタン樹脂原料U2が容器本体50に残存しにくい。つまり、原料のロスが少ない。また、容器本体50の洗浄を、不要にすることができる。こうすることにより、洗浄作業の負担が無くなり、一連の製造工程を自動化しやすい。また、洗浄に用いる溶剤により、環境を汚染するおそれも小さくなる。
上記実施形態においては、ポリオール成分とポリイソシアネート成分とを予め混合した液体原料を使用した。しかし、ポリオール成分とポリイソシアネート成分との予備混合は、必ずしも必要ではない。すなわち、収容工程において、ポリオール成分、ポリイソシアネート成分、フィラーの他、架橋剤、発泡剤、触媒等の原料を、各々、密閉容器の中に投入してもよい。また、発泡ウレタン樹脂原料の充填率は、密閉容器の形状に応じて、適宜決定すればよい。例えば、60体積%以下が好適である。
上記実施形態においては、フィラーとして磁性粒子を含む複合粒子を使用したため、磁場をかけながら発泡成形した。しかし、フィラーの磁場配向が必要ない場合には、勿論、磁場をかけずに、発泡成形を行えばよい。また、磁場をかけながら発泡成形する場合、使用する装置、成形条件等については、特に限定されない。例えば、発泡ウレタン樹脂原料の粘度が比較的小さい間に磁場をかけると、磁性粒子が配向しやすい。
フィラーの材質は、ウレタン発泡成形体の用途等に応じて、適宜選択すればよい。例えば、熱伝導性の向上を図る場合には、熱伝導率が大きい材料、例えば、黒鉛、炭素繊維等の炭素材料、アルミニウム、金、銀、銅、およびこれらを母材とする合金等が好適である。また、配向して熱の伝達経路を形成するという観点から、磁性材料も好適である。例えば、鉄、ニッケル、コバルト、ガドリニウム、ステンレス鋼、マグネタイト、マグヘマイト、マンガン亜鉛フェライト、バリウムフェライト、ストロンチウムフェライト等の強磁性体、MnO、Cr、FeCl、MnAs等の反強磁性体、およびこれらを用いた合金類が挙げられる。なお、フィラーとして磁性粒子を含有する場合、ウレタン発泡成形体の自己消火性が低下するおそれがある。したがって、難燃性の向上を図る場合には、フィラーとして、難燃効果を有する膨張黒鉛等を用いることが望ましい。
また、上記実施形態のように、種類の異なる複数の粒子を複合化した複合粒子を用いてもよい。複合粒子は、湿式での静電吸着法や、乾式での粉砕混合法、撹拌造粒法、メカノケミカル法等により製造することができる。例えば、撹拌造粒法により、熱伝導性粒子の表面に磁性粒子を付着させた複合粒子を製造する場合、熱伝導性粒子の粉末、磁性粒子の粉末、および両者を接着するためのバインダーを含む原料を、高速撹拌して造粒すればよい。撹拌造粒法によると、熱伝導性粒子と磁性粒子とを、バインダーによりソフトに接着させることができる。このため、熱伝導性粒子が、熱伝導性が高い形状(アスペクト比が大きな形状)を有する場合でも、その形状を崩すことなく、磁性粒子と複合化することができる。バインダーの種類は、熱伝導性粒子および磁性粒子の種類、発泡成形への影響等を考慮して、適宜選択すればよい。複合粒子の製造時には、高速撹拌により摩擦熱が生じる。このため、バインダーとしては、揮発性の無いものが望ましい。また、環境面を考慮すると、水系のバインダーが好適である。水系のバインダーとしては、例えば、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコール等が挙げられる。
発泡ウレタン樹脂原料を構成するポリオール成分、ポリイソシアネート成分については、既に公知の原料を採用すればよい。ポリオール成分としては、多価ヒドロキシ化合物、ポリエーテルポリオール類、ポリエステルポリオール類、ポリマーポリオール類、ポリエーテルポリアミン類、ポリエステルポリアミン類、アルキレンポリオール類、ウレア分散ポリオール類、メラミン変性ポリオール類、ポリカーボネートポリオール類、アクリルポリオール類、ポリブタジエンポリオール類、フェノール変性ポリオール類等の中から適宜選択すればよい。また、ポリイソシアネート成分としては、トリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、およびこれらの誘導体(例えばポリオール類との反応により得られるプレポリマー類、変成ポリイソシアネート類等)等の中から適宜選択すればよい。
発泡ウレタン樹脂原料は、さらに、触媒、発泡剤、整泡剤、可塑剤、架橋剤、難燃剤、帯電防止剤、減粘剤、安定剤、充填剤、着色剤等を有していてもよい。触媒の種類により、発泡、硬化の反応速度を調整することができる。また、可塑剤、減粘剤等を配合することにより、発泡ウレタン樹脂原料の粘度を調整することができる。触媒としては、テトラエチレンジアミン、トリエチレンジアミン、ジメチルエタノールアミン等のアミン系触媒や、ラウリン酸錫、オクタン酸錫等の有機金属系触媒が挙げられる。発泡剤としては水が好適である。水以外には、塩化メチレン、フロン類、COガス等が挙げられる。整泡剤としてはシリコーン系整泡剤が、架橋剤としてはトリエタノールアミン、ジエタノールアミン等が好適である。
次に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
<複合粒子の製造>
次のようにして、複合粒子を製造した。熱伝導性粒子として、膨張黒鉛粉末(三洋貿易(株)から購入した「SYZR502FP」)、および天然黒鉛粉末(日本黒鉛工業(株)製「F♯2」、薄片状、平均粒子径130μm、熱伝導率250W/m・K)を用い、磁性粒子として、ステンレス鋼粉末(大同特殊鋼(株)製「DAP410L」、SUS410、球状、平均粒子径10μm)を用いて、複合粒子を製造した。まず、膨張黒鉛粉末50質量部と、天然黒鉛粉末50質量部と、ステンレス鋼粉末175質量部と、バインダーとしてのヒドロキシプロピルメチルセルロース(信越化学工業(株)製「TC−5」)2質量部と、を高速撹拌型混合造粒機((株)奈良機械製作所製「NMG−1L」)の容器内へ投入して、約3分間混合した。次に、水を添加して、さらに20分間混合した。得られた粉末を乾燥して、膨張黒鉛粒子の表面にステンレス鋼粒子が付着した複合粒子Aと、天然黒鉛粒子の表面にステンレス鋼粒子が付着した複合粒子Bと、の混合粉末を得た。
<ウレタン発泡成形体の製造>
[実施例1]
製造した混合粉末をフィラーとして用い、上記実施形態の撹拌装置1および磁気誘導発泡成形装置7を使用して、ウレタン発泡成形体を製造した(前出図1、図11等参照)。混合粉末は、略同量の複合粒子Aおよび複合粒子Bから構成されている。
まず、ポリエーテルポリオール(住化バイエルウレタン(株)製「S−0248」、平均分子量6000、官能基数3、OH価28mgKOH/g)100質量部と、架橋剤のジエチレングリコール(三菱化学(株)製)2質量部と、発泡剤の水0.5質量部と、アミン系触媒(花王(株)製「カオーライザー(登録商標)No.31」および同「カオーライザーNo.12」)各0.15質量部と、可塑剤のジアルキルフタレート(シェルケミカルズジャパン(株)製「DL−911P」)20.66質量部と、シリコーン系整泡剤(東レ・ダウコーニング(株)製「SZ−1333」)0.5質量部と、を混合して、プレミックスポリオールを調製した。また、ポリイソシアネート成分として、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)(BASFINOACポリウレタン(株)製「フォームライト(登録商標)7500B」)を準備した。そして、プレミックスポリオールと、MDIと、を混合して、液体原料を調製した。
次に、製造した混合粉末を、容器本体50の中に投入した。続いて、調製した液体原料を、同容器本体50の中に投入した。そして、容器本体50の開口部に蓋51を被せて、密閉した。密閉容器5内における混合粉末および液体原料(発泡ウレタン樹脂原料)の充填率は、約30体積%とした。
次に、密閉容器5を撹拌装置1に設置した。そして、撹拌装置1を作動させて、密閉容器5を周波数2.8Hzで約7秒間往復動させた。それから、密閉容器5内の発泡ウレタン樹脂原料を、成形型6のキャビティ61に注入した。成形型6を型締めした後、磁気誘導発泡成形装置7に設置して、発泡成形を行った。発泡成形は、最初の約2分間は磁場をかけながら行い、続く約5分間は磁場をかけないで行った。発泡成形が終了した後、脱型して、ウレタン発泡成形体を得た。得られたウレタン発泡成形体を、実施例1のウレタン発泡成形体とした。実施例1のウレタン発泡成形体において、フィラー(複合粒子A、B)の含有量は、ウレタン発泡成形体の体積を100体積%とした場合の約4体積%であった。
[実施例2]
フィラーとしてステンレス鋼粉末(同上)のみを用いた以外は、実施例1と同様にして、ウレタン発泡成形体を製造した。得られたウレタン発泡成形体を、実施例2のウレタン発泡成形体とした。
[実施例3]
フィラーとして天然黒鉛粉末(同上)のみを用い、磁気誘導発泡成形装置7を使用せずに発泡成形した以外は、実施例1と同様にして、ウレタン発泡成形体を製造した。得られたウレタン発泡成形体を、実施例3のウレタン発泡成形体とした。
<評価>
撹拌後、発泡ウレタン樹脂原料を密閉容器5から成形型6へ注入する際に、発泡ウレタン樹脂原料を目視で観察したところ、いずれの実施例においても、フィラーと液体原料とは、充分に混合されていた。また、実施例1〜3のウレタン発泡成形体の外観および断面を、目視で観察した。その結果、実施例1、2のウレタン発泡成形体においては、フィラーが凝集することなく、互いに連接して配向されていた。また、実施例3のウレタン発泡成形体においても、フィラーが凝集することなく、略均一に分散されていた。
本発明のウレタン発泡成形体の製造方法、および発泡ウレタン樹脂原料の撹拌装置によると、フィラーと液体原料との混合を、短時間で効率良く行うことができる。製造されたウレタン発泡成形体は、自動車、電子機器、建築等の幅広い分野において用いることができる。例えば、路面の凹凸に起因する騒音を低減するための防音タイヤ、エンジンの騒音を低減するために車両のエンジンルームに配置されるエンジンカバーやサイドカバー、OA(Office Automation)機器や家電製品のモーター用吸音材、パソコン等の電子機器の放熱性吸音材、家屋の内外壁用吸音材、太陽光発電システムのパワーコンディショナ用リアクトルに用いられる防振材等に好適である。
1:撹拌装置
2:支持部材 20:衝突ブロック 21:ストローク調整部 22:本体
23:スライダ 24:容器保持部 210:上端支持板 211:下端支持板
212:スプリング間ブロック 213:スプリング 220:上板 221:背板
240:側柱 241:押圧板
3:フレーム 30:ベース 31:支柱 32:ガイドレール 33:軸受
34:横梁 35:ストッパ 36:モータブラケット
4:駆動部 40:リンク機構部(駆動部材) 41:モータ 42:回転軸
400:第一アーム 401:第二アーム
5:密閉容器 50:容器本体 51:蓋 52:押圧ジグ
500:筒部 501:底板(押出部材) 520:ピストン 521:ロッド
6:成形型 60D:下型 60U:上型 61:キャビティ
7:磁気誘導発泡成形装置 70:架台 71:ブラケット 72:電磁石部
73D、73U:ヨーク部 74L、74R:コイル部 75D、75U:ポールピース
740L、740R:芯部 741L、741R:導線
a:連結部 F:フィラー L:磁力線 U1:液体原料 U2:発泡ウレタン樹脂原料

Claims (11)

  1. ポリオール成分とポリイソシアネート成分とフィラーとを有する発泡ウレタン樹脂原料を発泡成形することによりウレタン発泡成形体を製造するウレタン発泡成形体の製造方法であって、
    該発泡ウレタン樹脂原料を密閉容器に収容する収容工程と、
    該密閉容器を往復動させて、該発泡ウレタン樹脂原料が慣性力により該密閉容器の壁面に衝突し移動方向の反転を繰り返すことにより、該発泡ウレタン樹脂原料を撹拌する撹拌工程と、
    撹拌された該発泡ウレタン樹脂原料を発泡成形する発泡成形工程と、
    を有することを特徴とするウレタン発泡成形体の製造方法。
  2. 前記発泡ウレタン樹脂原料において、前記ポリオール成分と前記ポリイソシアネート成分とは、予め混合されている請求項1に記載のウレタン発泡成形体の製造方法。
  3. 前記密閉容器は、往復動可能な支持部材に固定されており、
    前記撹拌工程において、該支持部材を往復動端の少なくとも一方でストッパと衝突させながら往復動させる請求項1または請求項2に記載のウレタン発泡成形体の製造方法。
  4. 前記密閉容器における前記発泡ウレタン樹脂原料の充填率は、60体積%以下である請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のウレタン発泡成形体の製造方法。
  5. 前記撹拌工程において、前記密閉容器を上下方向に往復動させる請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のウレタン発泡成形体の製造方法。
  6. 前記フィラーは、磁性粒子を含み、
    前記発泡成形工程において、磁場をかけながら発泡成形する請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のウレタン発泡成形体の製造方法。
  7. 前記フィラーは、非磁性体からなる熱伝導性粒子と、該熱伝導性粒子の表面に付着された磁性粒子と、を有する複合粒子を含み、
    前記発泡成形工程において、磁場をかけながら発泡成形する請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のウレタン発泡成形体の製造方法。
  8. ポリオール成分とポリイソシアネート成分とフィラーとを有する発泡ウレタン樹脂原料を撹拌するための発泡ウレタン樹脂原料の撹拌装置であって、
    該発泡ウレタン樹脂原料を収容する密閉容器と、
    該密閉容器を支持する支持部材と、
    該支持部材に連結され該支持部材を往復動させる駆動部材と、
    を備え、
    該駆動部材により該密閉容器を往復動させ、該発泡ウレタン樹脂原料が慣性力により該密閉容器の壁面に衝突し移動方向の反転を繰り返すことにより、該発泡ウレタン樹脂原料を撹拌することを特徴とする発泡ウレタン樹脂原料の撹拌装置。
  9. さらに、前記支持部材の往復動端の少なくとも一方において、該支持部材と衝突するストッパを備える請求項8に記載の発泡ウレタン樹脂原料の撹拌装置。
  10. 前記駆動部材は、前記支持部材を上下方向に往復動させる請求項8または請求項9に記載の発泡ウレタン樹脂原料の撹拌装置。
  11. 前記密閉容器は、該密閉容器の一端から他端に前記発泡ウレタン樹脂原料を押し出して、該他端に配置された開口部から該発泡ウレタン樹脂原料を排出可能な押出部材を備える請求項8ないし請求項10のいずれかに記載の発泡ウレタン樹脂原料の撹拌装置。
JP2013067967A 2013-03-28 2013-03-28 ウレタン発泡成形体の製造方法、およびそれに用いる発泡ウレタン樹脂原料の撹拌装置 Expired - Fee Related JP6073727B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013067967A JP6073727B2 (ja) 2013-03-28 2013-03-28 ウレタン発泡成形体の製造方法、およびそれに用いる発泡ウレタン樹脂原料の撹拌装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013067967A JP6073727B2 (ja) 2013-03-28 2013-03-28 ウレタン発泡成形体の製造方法、およびそれに用いる発泡ウレタン樹脂原料の撹拌装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014188916A true JP2014188916A (ja) 2014-10-06
JP6073727B2 JP6073727B2 (ja) 2017-02-01

Family

ID=51835691

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013067967A Expired - Fee Related JP6073727B2 (ja) 2013-03-28 2013-03-28 ウレタン発泡成形体の製造方法、およびそれに用いる発泡ウレタン樹脂原料の撹拌装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6073727B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018175843A1 (en) * 2017-03-24 2018-09-27 Magna Seating Inc. Manufacturing method for highly filled urethane foams
CN109318422A (zh) * 2018-09-03 2019-02-12 嘉善欣达胶业有限公司 一种植绒胶发泡装置
CN110193907A (zh) * 2019-05-10 2019-09-03 唐山兴邦管道工程设备有限公司 一种倾斜角度可调的保温管浇注发泡平台
CN113352535A (zh) * 2021-06-10 2021-09-07 胡俊杰 一种精密型聚氨酯高压发泡机
WO2024202354A1 (ja) * 2023-03-31 2024-10-03 住友理工株式会社 ウレタン発泡成形体

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5356293A (en) * 1976-10-30 1978-05-22 Bayer Ag Method and apparatus for making reaction product containing filler* which composes of at least two fluidizable components for especially polyurethane preparation
JPS61273917A (ja) * 1985-05-30 1986-12-04 Hideyuki Kataoka 多気泡体発泡装置
JPH06321546A (ja) * 1993-05-14 1994-11-22 Matsushita Electric Ind Co Ltd 非酸化物ガラス融液の撹拌方法
JPH1158371A (ja) * 1997-08-05 1999-03-02 Afros Spa ポリウレタン材料を製造する装置および方法
JP2011225833A (ja) * 2010-03-30 2011-11-10 Tokai Rubber Ind Ltd ウレタン発泡成形体およびその製造方法
JP2012051986A (ja) * 2010-08-31 2012-03-15 Tokai Rubber Ind Ltd ウレタン発泡成形体およびその製造方法

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5356293A (en) * 1976-10-30 1978-05-22 Bayer Ag Method and apparatus for making reaction product containing filler* which composes of at least two fluidizable components for especially polyurethane preparation
JPS61273917A (ja) * 1985-05-30 1986-12-04 Hideyuki Kataoka 多気泡体発泡装置
JPH06321546A (ja) * 1993-05-14 1994-11-22 Matsushita Electric Ind Co Ltd 非酸化物ガラス融液の撹拌方法
JPH1158371A (ja) * 1997-08-05 1999-03-02 Afros Spa ポリウレタン材料を製造する装置および方法
JP2011225833A (ja) * 2010-03-30 2011-11-10 Tokai Rubber Ind Ltd ウレタン発泡成形体およびその製造方法
JP2012051986A (ja) * 2010-08-31 2012-03-15 Tokai Rubber Ind Ltd ウレタン発泡成形体およびその製造方法

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018175843A1 (en) * 2017-03-24 2018-09-27 Magna Seating Inc. Manufacturing method for highly filled urethane foams
CN110461564A (zh) * 2017-03-24 2019-11-15 麦格纳座椅公司 用于高填充聚氨酯泡沫的制造方法
CN109318422A (zh) * 2018-09-03 2019-02-12 嘉善欣达胶业有限公司 一种植绒胶发泡装置
CN109318422B (zh) * 2018-09-03 2021-03-02 嘉善欣达胶业有限公司 一种植绒胶发泡装置
CN110193907A (zh) * 2019-05-10 2019-09-03 唐山兴邦管道工程设备有限公司 一种倾斜角度可调的保温管浇注发泡平台
CN113352535A (zh) * 2021-06-10 2021-09-07 胡俊杰 一种精密型聚氨酯高压发泡机
CN113352535B (zh) * 2021-06-10 2022-07-12 河北威利欧防腐保温工程有限公司 一种精密型聚氨酯高压发泡机
WO2024202354A1 (ja) * 2023-03-31 2024-10-03 住友理工株式会社 ウレタン発泡成形体

Also Published As

Publication number Publication date
JP6073727B2 (ja) 2017-02-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6073727B2 (ja) ウレタン発泡成形体の製造方法、およびそれに用いる発泡ウレタン樹脂原料の撹拌装置
CN103476817B (zh) 聚氨酯发泡成型体及其制造方法
JP5766477B2 (ja) ウレタン発泡成形体およびその製造方法
WO2011122441A1 (ja) ウレタン発泡成形体およびその製造方法
CN100469822C (zh) 导电辊和导电辊的制造方法
JP2009073159A (ja) ウレタン発泡成形体、その製造方法、および磁気誘導発泡成形装置
US20100038579A1 (en) Anisotropic cellular elastomers
JP5577065B2 (ja) ウレタン発泡成形体およびその製造方法
US9551144B2 (en) Sound absorbing cover, sound absorbing assembly, and magnetic induction foam molding device
JP2009051148A (ja) ウレタン発泡成形体およびその製造方法
TWI556492B (zh) 密閉型二次電池之變形檢測感應器之製造方法
JP6013220B2 (ja) 熱伝導率可変材料、当該熱伝導率可変材料を用いた熱制御装置、及び当該熱伝導率可変材料を用いた熱制御方法
EP2036695B1 (en) Urethane foam molded article, manufacturing method thereof, and magnetic induction foam molding apparatus
CN106463795A (zh) 密闭型二次电池的变形检测传感器、密闭型二次电池、及密闭型二次电池的变形检测方法
KR20010080675A (ko) 수지 결합형 자석
JP5662743B2 (ja) ウレタン発泡成形体およびその製造方法
JP6073726B2 (ja) 粘性材料の撹拌方法および撹拌装置
JP5302547B2 (ja) ウレタン発泡成形体、その製造方法、および磁気誘導発泡成形装置
US20240058996A1 (en) Urethane foam-molded article and method for producing same
CN110603275B (zh) 可磁化颗粒在多元醇中的分散体、其制备和用途
JP2012030417A (ja) ウレタン発泡成形体の製造方法
JPH0753769A (ja) 発泡断熱体およびその製造方法
JP2020072245A (ja) ボンド磁石およびボンド磁石用コンパウンドの製造方法
JP2012153079A (ja) ウレタン発泡成形体およびその製造方法
JP5097092B2 (ja) ウレタン発泡成形体およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20151207

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160914

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160920

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161116

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20161227

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170105

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6073727

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees