JP5108151B2 - 光学フィルム、その製造方法及びその光学特性を制御する方法 - Google Patents

光学フィルム、その製造方法及びその光学特性を制御する方法 Download PDF

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Description

本発明は、光学フィルム、その製造方法及びその光学特性を制御する方法に関する。より詳しくは、覗き見防止シート(プライバシーシート)又は装飾品に好適な光学フィルム、その製造方法及びその光学特性を制御する方法に関するものである。
ブラウン管(CRT:Cathode Ray Tube)ディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、プラズマディスプレイ(PDP:Plasma Display Panel)、エレクトロルミネッセンス(EL:Electroluminescence)ディスプレイ等のディスプレイの表面には、傷つき防止機能、外光の映り込み防止機能、汚れ防止機能等の様々な機能が要求される。
近年、ディスプレイの表示面における低反射を実現するための手段として、光干渉を用いずに超反射防止効果を得ることができるモスアイ(Moth−eye:蛾の目)構造が注目されてきている。
また、外光の映り込みを防止するための手段として、透明支持体上に、少なくとも一層のハードコート層と最外層に位置する低屈折率層とを有する反射防止フィルムであって、ハードコート層のヘイズが40%以上であり、反射防止フィルムの表面粗さRaが0.10μm以下であり、かつ450nmから650nmまでの波長領域における積分反射率の平均値に対する5度鏡面反射率の平均値が65%以上である反射防止フィルムが開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2005−187770号公報
図20に、モスアイ構造を有する従来の光学フィルム(モスアイフィルム)が貼り付けられた液晶表示装置の断面模式図を示す。
従来の液晶表示装置は、図20に示すように、液晶表示パネル150と、液晶表示パネル150上に貼付された偏光板160と、偏光板160上に貼付されたモスアイフィルム111とを備える。
液晶表示パネル150は、一対のガラス基板151及び153と、ガラス基板151及び153の間に狭持された液晶層156とを有する。ガラス基板151上には、薄膜トランジスタ(TFT)層及びITO(Indium Tin Oxide)層からなる駆動素子層152が形成されている。ガラス基板153上には、カラーフィルタ(CF)層154及びITO層155が形成されている。
偏光板160は、トリアセチルセルロース(TAC)フィルム161と、位相差フィルム163と、TACフィルム161及び位相差フィルム163に挟まれた偏光子162と、偏光板160を液晶表示パネル150に貼り付けるための接着層164とを有する。偏光子162は、ヨウ素を含有するポリビニルアルコール系樹脂を主成分とする。
モスアイフィルム111の表面には、複数の突起112を含むモスアイ構造が形成されている。
しかしながら、従来のモスアイフィルム111では、いずれの観察方向においても表面反射を抑えるために、図21に示すように、入射光に対して等方的に、すなわちフィルム111の主面に対して垂直方向に突起112が向くように、モスアイ構造が形成されている。このため、パネル150内部からの光は、モスアイフィルム111を等方的に透過し、外光の表面反射は、モスアイフィルム111により等方的に抑制される。したがって、モスアイフィルム111の光学特性に指向性(異方性)を付与することは困難であった。これは、突起112がフィルム111の主面に対して垂直方向に向いており、モスアイ構造の光学特性に指向性を有するものではないためである。
また、特許文献1に記載の技術では、ハードコート層に中空のシリカ粒子を混入している。しかしながら、この粒子の配列はランダムであり、光の散乱を制御することはできない。また、ハードコート層に異なる種類の粒子を混入する形態も提案されているが、これにおいても、各種の粒子の配列を制御することはできない。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、モスアイ構造を有し、かつ反射、散乱等の光学特性に指向性を持つ光学フィルム、その製造方法及びその光学特性を制御する方法を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、モスアイ構造を有し、かつ反射、散乱等の光学特性に指向性を持つ光学フィルムについて種々検討したところ、モスアイ構造を構成する突起に着目した。そして、モスアイ構造がフィルムの主面に対して斜め方向に傾いた複数の傾斜突起を含み、複数の傾斜突起がフィルムの主面を平面視したときに略同じ方向に傾斜することにより、入射方向の違いによって光の反射、散乱等の特性を制御できることを見いだし、上記課題をみごとに解決することができることに想到し、本発明に到達したものである。
すなわち、本発明は、複数の突起を含むモスアイ構造を備えた光学フィルムであって、前記複数の突起は、当該フィルムの主面に対して斜め方向に傾いた複数の傾斜突起を含み、前記複数の傾斜突起は、当該フィルムの主面を平面視したときに、略同じ方向に傾斜している光学フィルムである。
なお、上記「略同じ方向」は、人間の目が本発明の光学フィルムの光学特性に指向性を認識できる程度に、同じ方向であることが好ましい。より具体的には、同一方向にラビングされた複数の傾斜突起の傾斜方向のバラツキは、フィルムの主面を平面視したときに、45°以内に収まっていることが好ましく、30°以内に収まっていることがより好ましく、20°以内に収まっていることが更に好ましく、10°以内に収まっていることが特に好ましい。これら、フィルムの主面を平面視したときの傾斜の方向性の好適な範囲は、種々の条件及び素材において、上述したモスアイ構造に起因した作用を示すと共に、安定な指向性を発現しうる傾斜突起の傾斜方向の範囲を、光学フィルムのSEM写真から算定することによって、規定した。
本発明の光学フィルムの構成としては、このような構成要素を必須として形成されるものである限り、その他の構成要素により特に限定されるものではない。
本発明の光学フィルムにおける好ましい形態について以下に詳しく説明する。なお、以下に示す各種形態は、適宜組み合わされてもよい。
上述のように、前記光学フィルムの光学特性は、当該フィルムの主面に対して斜め方向に指向性を示すことが好ましい。
前記複数の傾斜突起は、前記複数の突起に物理的に力を加えることによって形成されることが好ましい。これにより、本発明の光学フィルムを容易に作製することができる。
前記複数の傾斜突起の個数密度は、0.5個/μm以上であることが好ましく、0.7個/μm以上であることがより好ましく、0.8個/μm以上であることが更に好ましく、0.85個/μm以上であることが特に好ましい。0.5個/μm未満であると、本発明の光学フィルムの光学特性に指向性を付与できないことがある。
前記モスアイ構造は、前記複数の突起のいくつかの先端部同士が互いに結合して形成されたスティッキング構造(束構造)を有し、前記スティッキング構造の個数密度は、0.40個/μm以下であることが好ましく、0.35個/μm以下であることがより好ましく、0.30個/μm以下であることが更に好ましく、0.26個/μm以下であることが特に好ましい。
前記複数の突起は、前記光学フィルムの周辺部に前記複数の傾斜突起を含み、前記周辺部の前記複数の傾斜突起は、前記光学フィルムの主面を平面視したときに、当該フィルムの内側に向かって傾斜していることが好ましい。これにより、主に正面方向からディスプレイが観察される機器に用いられる覗き見防止シートとして、本発明の光学フィルムを好適に利用することができる。
前記複数の傾斜突起の個数密度は、前記光学フィルムの主面内で変化してもよい。これにより、正面から本発明の光学フィルムを観察している観察者に対しての本発明の光学フィルムの視認性をより向上することができる。また、本発明の光学フィルムを装飾品として好適に利用することができる。
前記複数の傾斜突起の傾斜角度は、前記光学フィルムの主面内で変化してもよい。これにより、正面から本発明の光学フィルムを観察している観察者に対しての本発明の光学フィルムの視認性をより向上することができる。また、本発明の光学フィルムを装飾品として好適に利用することができる。
本発明はまた、複数の突起を含むモスアイ構造を備えた光学フィルムの製造方法であって、前記製造方法は、前記モスアイ構造に物理的に力を加える工程(物理的工程)を含む光学フィルムの製造方法でもある。これにより、本発明の光学フィルムを容易に作製することができる。
本発明の光学フィルムの製造方法の工程としては、このような工程を必須として形成されるものである限り、その他の工程により特に限定されるものではない。
本発明の光学フィルムの製造方法における好ましい態様について以下に詳しく説明する。なお、以下に示す各種態様は、適宜組み合わされてもよい。
前記工程(物理的工程)は、所定の方向に向かって前記モスアイ構造を擦るラビング工程を含むことが好ましい。これにより、本発明の光学フィルムをより容易に作製することができる。
前記ラビング工程は、前記モスアイ構造を機械的に擦る工程を含むことが好ましい。これにより、所定の光学特性を有する本発明の光学フィルムを再現性よく作製することができる。
前記ラビング工程における押し圧は、50kPa(0.5kg重/cm)以上であることが好ましく、200kPa(2.0kg重/cm)以上であることがより好ましく、290kPa(3.0kg重/cm)以上であることが更に好ましい。
押し圧を50kPa以上とすることにより、ガラス転移温度(Tg)が48℃以下の材料により形成され、かつ突起のピッチが200nm以下であり、更に突起の高さが255nm以上のモスアイ構造に対して確実に指向性を付与することができる。
押し圧を200kPa以上とすることにより、Tgが65℃以下の材料により形成され、かつ突起のピッチが200nm以下であり、更に突起の高さが255nm以上のモスアイ構造に対して確実に指向性を付与することができる。
押し圧を290kPa以上とすることにより、Tgが84℃以下の材料により形成され、かつ突起のピッチが200nm以下であり、更に突起の高さが255nm以上のモスアイ構造に対して確実に指向性を付与することができる。
本発明はまた、複数の突起を含むモスアイ構造を備えた光学フィルムの光学特性を制御する方法であって、前記制御方法は、前記モスアイ構造に物理的に力を加える光学フィルムの光学特性を制御する方法でもある。これにより、モスアイ構造を有する光学フィルムの反射、散乱等の光学特性に、容易に指向性を付与することができる。
本発明の光学フィルムの制御方法の操作としては、このような操作を必須として形成されるものである限り、その他の操作により特に限定されるものではない。
本発明の光学フィルムの制御方法における好ましい態様について以下に詳しく説明する。なお、以下に示す各種態様は、適宜組み合わされてもよい。
前記制御方法は、所定の方向に向かって前記モスアイ構造を擦ることが好ましい。これにより、モスアイ構造を有する光学フィルムの光学特性に、より容易に指向性を付与することができる。
前記制御方法は、前記モスアイ構造を機械的に擦ることが好ましい。これにより、モスアイ構造を有する光学フィルムの光学特性に、再現性よく所定の指向性を付与することができる。
前記制御方法は、前記モスアイ構造に50kPa(0.5kg重/cm)以上の圧力を加えながら前記モスアイ構造を擦ることが好ましく、前記モスアイ構造に200kPa(2.0kg重/cm)以上の圧力を加えながら前記モスアイ構造を擦ることがより好ましく、前記モスアイ構造に290kPa(3.0kg重/cm)以上の圧力を加えながら前記モスアイ構造を擦ることが更に好ましい。
50kPa以上の圧力を加えることにより、Tgが48℃以下の材料により形成され、かつ突起のピッチが200nm以下であり、更に突起の高さが255nm以上のモスアイ構造に対して確実に指向性を付与することができる。
200kPa以上の圧力を加えることにより、Tgが65℃以下の材料により形成され、かつ突起のピッチが200nm以下であり、更に突起の高さが255nm以上のモスアイ構造に対して確実に指向性を付与することができる。
290kPa以上の圧力を加えることにより、Tgが84℃以下の材料により形成され、かつ突起のピッチが200nm以下であり、更に突起の高さが255nm以上のモスアイ構造に対して確実に指向性を付与することができる。
本発明によれば、モスアイ構造を有し、かつ反射、散乱等の光学特性に指向性を持つ光学フィルムを実現することができる。
実施形態1の光学フィルムを示す模式図であり、(a)は、断面図であり、(b)は、平面図(俯瞰図)である。 (a)及び(b)は、実施形態1の光学フィルムを示す斜視模式図である。 スティッキング現象が生じたモスアイフィルムのSEM写真(俯瞰図)である。 スティッキング現象が生じたモスアイフィルムのSEM写真(俯瞰図)である。 従来のモスアイフィルムのSEM写真(俯瞰図)である。 実施例1の光学フィルムのSEM写真(俯瞰図)である。 実施例1の光学フィルムのSEM写真(断面図)である。 実施例1の光学フィルムの散乱スペクトルを示す。 散乱スペクトルを測定するための評価システムを表す概念図である。 実施例1の光学フィルムの反射率を示す。 比較例1の光学フィルムのSEM写真(俯瞰図)である。 実施例2の光学フィルムのSEM写真(俯瞰図)である。 実施例3の光学フィルムのSEM写真(俯瞰図)である。 指向性(傾斜突起)の発現と突起の高さとの関係を説明するための模式図である。 指向性(傾斜突起)の発現と突起のピッチとの関係を説明するための模式図である。 実施形態2の光学フィルムを示す模式図であり、(a)は、平面図であり、(b)は、(a)中のAで囲まれた領域内の拡大断面図であり、(c)は、(a)中のBで囲まれた領域内の拡大断面図である。 実施形態2の光学フィルムを示す模式図であり、(a)は、平面図であり、(b)は、(a)中のCで囲まれた領域内の拡大断面図である。 実施形態2の光学フィルムを示す断面模式図である。 実施形態2の光学フィルムを示す断面模式図である。 モスアイ構造を有する従来のモスアイフィルムが貼り付けられた液晶表示装置の断面模式図である。 従来のモスアイフィルムを示す模式図であり、(a)は、断面図であり、(b)は、平面図(俯瞰図)である。
本明細書において、傾斜突起又はスティッキング構造の個数密度とは、1μm当たりの傾斜突起又はスティッキング構造の個数を意味する。
また、本明細書において、傾斜突起の傾斜角度とは、基準線と、光学フィルム(基板)の主面に対する法線とのなす角の大きさを意味する。
更に、本明細書において、基準線とは、突起の底面の中心(底面の重心でもよい)と、突起の頂点とを結ぶ直線を意味する。
また、本明細書において、スティッキング構造とは、突起の先端部が折れ曲がって、先端部同士が互いに結合することで形成された一つの束をいい、具体的には、例えば、先端部のみならず先端部を含む突起全体が一体化したもの、及び、先端部だけが互いに結合し、中が空洞化したものが挙げられる。スティッキング構造を構成する突起の数は特に限定されない。光学フィルムの表面を平面的に見たときのスティッキング構造の形状としては、例えば、円形、楕円形、多角形、星形、花形、不定形等が挙げられ、各突起が規則的な構造を有している場合、星形、瓢箪型、花形、又は、不定形となりやすい。
また、本明細書において、ガラス転移温度(Tg)とは、JIS K−7244に準じた方法により、試料動的振幅速さ(駆動周波数)1Hz、引張モード、チャック間距離5mm、及び、昇温温度2℃/minとした条件下で温度依存特性(温度分散)を測定したときに、tanδ(Loss tangent)が極大となる温度である。Tg測定には、動的粘弾性測定装置(セイコーインスツルメンツ社製DMS6100)を用いた。
以下に実施形態を掲げ、本発明を図面を参照して更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施形態のみに限定されるものではない。
(実施形態1)
本実施形態の光学フィルム(モスアイフィルム)11は、図1(a)に示すように、フィルム11の表面に形成されたモスアイ構造14と、下地層(下地部)13とを有する。モスアイ構造14は、微小な複数の突起(凸部)12を含む。突起12それぞれの形状は、先端に向かって先細りになっている。隣接する突起12の頂点(頂上部)間のピッチ(距離)は、可視光波長以下である。このように、フィルム11の表面には、複数の突起12が、可視光波長以下の周期で、隙間なく繰り返し配列されている。また、下地層13は、突起12の下(基材側)に位置する。
なお、基材とは、フィルム11の貼付対象となる部材である。基材としては、表示装置(好ましくは液晶表示装置)の最表面を構成する部材が好適であり、具体例としては、例えば、偏光板、アクリル等で構成される保護板、偏光板表面に配置されるハードコート層、レンズ等の光学素子が挙げられる。
図1(b)に示すように、突起12の頂点をtとすると、隣接する頂点t間のピッチpは、フィルム11の主面を平面視したときの隣接する頂点t間の距離で示される。また、突起12の高さhは、突起12同士が接する点を底点bとすると、頂点tから底点bがある平面までの距離(最短距離)で示される。
ピッチpは、可視光波長以下であれば特に限定されないが、一般的な可視光波長域の下限である400nm以下であることが好ましく、より好ましくは300nm以下であり、更に好ましくは可視光波長の下限の1/2である200nm以下である。ピッチpが400nmを超えると、フィルム11を反射又は透過する光が赤(例えば波長700nmの光)に色付くことがあるが、ピッチpを300nm以下とすることで充分にその影響は抑制され、ピッチpを200nm以下とすることでほとんど全く影響を受けなくすることができる。
高さhは反射防止効果が得られる範囲であれば特に限定されないが、例えば、100〜400nmとすればよい。スティッキング現象の発生を抑制し、更にフィルム11を反射又は透過する光が青に色付くのを抑制する観点からは、300nm以下であることが好ましい。一方、フィルム11を反射又は透過する光が赤に色付くのを抑制する観点からは、150nm以上であることが好ましく、200nm以上であることがより好ましい。
なお、本実施形態の図面では、突起12として、円錐又は斜円錐状の突起を例示するが、突起12は、頂点及び底点が形成され、かつ可視光波長以下にピッチが制御されていればよく、その単位構造(形状)は特に限定されない。例えば、突起12は、頂点から底点に近づくほど傾斜が緩やかになる形状(ベル型、ドーム型)や、頂点から底点に近づくほど傾斜が急峻になる形状(針状型)、錐体の斜面に階段状のステップのある形状等であってもよい。
そして、本実施形態において、突起12は、フィルム11の主面に対して斜め方向に傾いた突起(傾斜突起、指向性突起)である。すなわち、突起12(傾斜突起)は、斜円錐状であり、フィルム11の主面を平面視したときに、同じ又は略同じ方向に傾斜している。
このように、突起12の向きは、フィルム11の主面に対して垂直な方向以外の方向に制御され、突起12は、所望の方向へと角度をつけられている。
これにより、突起12に対して略平行な方向から入射した光は、モスアイ構造14の反射抑制効果を受ける。すなわち、この方向からフィルム11を観察したときは、表面反射を効果的に抑制することができる。
他方、突起12に対して略垂直な方向から入射した光は、突起12の尾根部分に当たるため、散乱することとなる。すなわち、この方向からフィルム11を観察したときは、外光の映り込みや、画像の白濁(白呆け)、画像の呆け、ギラツキ現象等が発生することとなる。
以上より、入射方向の違いによって光の反射及び散乱特性を制御でき、その結果、フィルム11の反射、散乱等の光学特性に指向性(異方性)を付与することができる。
フィルム11の光学特性が指向性を発現するメカニズムについては、以下のように考えることができる。
図2に示すように、突起12の底面(ここでは斜円錐の底面)の中心cと、頂点tとを結ぶ直線(基準線33)に対して略平行な方向からフィルム11に入射した光31(平行入射成分)については、屈折率が連続的に変化するモスアイ構造14中を進む。このとき、空気及びフィルム11の間の界面における屈折率は、空気層の略1.0からモスアイ構造14の構成材料の屈折率(樹脂の場合、例えば、略1.5)まで、連続的に徐々に大きくなっているとみなすことができる。これにより、光31は、空気及びフィルム11の間の界面を抵抗とは感じず、光31が屈折すべき界面を擬似的に(ほぼ)なくすことができる。これは、光の反射量は、隣接する媒質間の屈折率差に依存するためである。その結果、光31のほとんどは、フィルム11中を通り抜け、フィルム11表面での反射率が大きく減少する。すなわち、光31については、モスアイ構造14の反射防止機能によって反射が抑制され、フィルム11は、光31に対しては、従来のモスアイフィルムと同様の低反射フィルムとして機能する。
一方、基準線33に対して略垂直な方向からフィルム11に入射した光32(垂直入射成分)は、斜円錐の尾根部分に入射する。すなわち、光32は、通常の表面(フラットであり、かつ空気層との間で屈折率差が存在する面)に入射するとみなすことができ、また、この方向に対してフィルム11の屈折率は略一定とみなすことができる。その結果、光32に対しては、フィルム11の反射防止の効果は弱くなり、逆に光32の散乱性は高くなる。
なお、突起がフィルム面に対して垂直に向いた従来のモスアイフィルムにおいては、突起の尾根部分に光が入射することはほとんどないと考えられる。これは、尾根部分には隣の突起が隣接するためである。したがって、従来のモスアイフィルムでは、フィルムの主面に対してほぼ法線方向から入射する光のみが光学特性に影響すると考えられる。
それに対して、フィルム11においては、突起12自体を横向きに倒し、積極的に突起12の尾根部分に光を入射させ、反射率や散乱特性等の光学特性に指向性を発現させている。
このように、フィルム11の主面に対して斜めに傾いた突起12(傾斜突起)は、フィルム11に入射した光を散乱させる散乱因子となる。散乱因子によって散乱される光量(散乱光量)は、傾斜突起のサイズと、傾斜突起の傾斜角度34(基準線33と、フィルム11(基板)の主面に対する法線とのなす角の大きさ)と、単位面積当たりの傾斜突起の個数とによって決まる。
また、傾斜突起は、上述のように、フィルム11に入射した光の反射にも大きく影響を与える。例えば、モスアイ構造14を屈折率が1.5の樹脂から形成し、突起12に対して垂直な方向から光が入射した場合、通常の反射(屈折率が1.0の空気と、屈折率が1.5の樹脂とから計算される略4%の反射率の反射)が発生する。突起12に対して完全に垂直な方向から光が入射することは実際には考えにくいが、このため、反射率が視角方向で変化すると考えられる。
突起12の傾斜角度については、散乱性の強さや、散乱性を発現する方向、フィルム11の用途等に応じて適宜設定できる。また、突起12の傾斜角度が大きくなるほど、フィルム11の光学特性の指向性の程度は大きくなるとともに、フィルム11の光学特性は、より斜め方向に指向性を示す。このように、視野角の制御がより必要な機器にフィルム11を用いる場合は、傾斜角度をより大きくすることが好ましい。
光学特性に指向性を顕著に付与する観点からは、突起12の傾斜角度は、20°以上であることが好ましく、より好ましくは30°以上であり、更に好ましくは45°以上である。ただし、傾斜角度が45°以上になると、図3及び4に示すように、隣り合う数個の突起同士が接合する(寄り添う)現象(スティッキング現象)が発生する可能性がある。この場合は、あたかもピッチが大きいモスアイ構造が発生したようになり、光31(平行入射成分)の散乱性が高くなるおそれがある。
このように、傾斜突起は、スティッキング構造(複数の突起の先端部同士が互いに結合した構造)を構成する突起を含まない。また、傾斜突起は、それぞれ単独で、ある方向に傾斜している。
フィルム11の用途は特に限定されないが、フィルム11の光学特性には指向性があることから、携帯電話機、PDA、ATM(現金自動預け払い機)、パーソナルコンピュータ、カーナビゲーションシステム等、主に特定の方向からディスプレイが観察される機器に用いられる覗き見防止シート(プライバシーシート)が好適である。
以下、フィルム11の作製方法について、実際にモスアイフィルムを作製した実施例を用いて説明する。
(実施例1)
まず、10cm角のガラス基板を用意し、金型の材料となるアルミニウム(Al)をスパッタリング法によりガラス基板上に膜厚1.0μmで堆積した。次に、アルミニウムを陽極酸化させ、直後にエッチングを行う工程を繰り返すことによって、多数の微小な穴をもつ陽極酸化層を形成した。具体的には、第1の陽極酸化、第1のエッチング、第2の陽極酸化、第2のエッチング、第3の陽極酸化、第3のエッチング、第4の陽極酸化、第4のエッチング及び第5の陽極酸化を順に行うフロー(陽極酸化5回、エッチング4回)によって、金型を作製した。このような陽極酸化とエッチングとの繰り返し工程によれば、形成される微小な穴の形状は、金型の内部に向かって先細りの形状(テーパ形状)となる。また、隣接する穴の底点間の距離は可視光波長以下である。
各陽極酸化の条件は、シュウ酸0.6wt%、液温5℃、80Vの印加電圧とした。陽極酸化の時間を調節することで、形成される穴の大きさを調節することができる。陽極酸化の時間を長くすることによって、穴の深さを深くすることができるとともに、穴の径を大きくすることができる。各陽極酸化の時間は、本実施例では、25秒とした。
各エッチングの条件は、リン酸1mol/l、液温30℃、25分とした。
上記金型の複数の穴が形成された面上に、液状の2P(光重合性)樹脂を滴下し、気泡が入らないように注意しながら、2P樹脂上に、TACフィルムを貼り合わせた。TACフィルムは、下地層13(基材フィルム)として機能する。次に、紫外(UV)光を2P樹脂に対して2J/cm照射して2P樹脂を硬化させた。その後、固体状の2P樹脂及びTACフィルムの積層体を金型から剥離した。これにより、2P樹脂に円錐状の突起が転写される。
このように、フィルム11のモスアイ構造を形成するための材料としては、紫外線、可視光等の電磁波等のエネルギー線により硬化する樹脂が好適である。本実施例では、製造プロセスに熱が影響するのを抑制する観点から、紫外線硬化性樹脂を選択した。熱による影響としては、例えば、熱による樹脂の膨張に起因する転写特性の変化、熱による金型へのダメージ等が挙げられる。他方、モスアイ構造は、熱硬化性樹脂を用いて熱硬化処理により形成されてもよい。
また、モスアイ構造の材料として、無機系の樹脂を用いると、突起の転写時に離型できないことがある。また、無機系の樹脂は、有機系の樹脂に比べて硬いため、機械特性が弱くなる傾向がある。例えば、無機系の樹脂では、フィルム11の表面を指やスチールウールで擦ることに対する耐性が弱くなりやすい。したがって、ラビング処理工程を含む本実施形態には、有機系の樹脂が好適である。
最後に、円錐状の突起の表面を一定方向に、一様に圧力がかかった状態でラビング処理し、円錐状の突起の方向を制御することによって、フィルム11を作製した。このラビング処理により、円錐状の突起は、斜円錐状に傾斜し、突起12となる。また、フィルム11の光学特性は、所定の方向に指向性を示す。なお、ラビング処理には、液晶表示パネルの配向膜のラビング処理において一般的に使用されるラビング装置を用い、ラビング処理時の押し圧(ラビングローラーの、フィルム11のモスアイ構造に対する圧力)は、290kPa(3.0kg重/cm)に設定した。
図5は、従来のモスアイフィルムのSEM写真(俯瞰図)であり、図6及び7は、実施例1の光学フィルムのSEM写真(俯瞰図及び断面図)である。
図5に示すように、従来のモスアイフィルムでは、ほとんどの突起はフィルムの主面に対して真上に向かって形成されている。
一方、実施例1の光学フィルム11では、図6に示すように、ラビング処理により、突起12は、略一定の方向に傾いていることが分かる。これにより、フィルム11の反射率や散乱特性に指向性が生じる。
なお、フィルムの11主面を平面視したときの、突起12の傾斜方向のバラツキは、20°以内であった。また、図7に示すように、実施例1では、突起12の傾斜角度は、略17°であった。更に、突起12のピッチpは、180nmであり、突起12の高さhは、373nmであった。
次に、実施例1の光学フィルム11の散乱スペクトルを測定した結果を図8に示す。また、散乱スペクトルを測定するための評価システムを表す概念図を図9に示す。
図9に示すように、被験体23は、透明ガラス板21と、透明ガラス板21上に配置されたモスアイフィルム(フィルム11)との積層体である。測定を行うに当たっては、フィルム11の表面側(凹凸が形成されている側)であって、フィルム11の主面に対して30°の角度をなす方向に光源24を配置し、フィルム11の表面に対して30°の方向から光の照射を行った。
一般的な蛍光灯下において、光学フィルムの散乱強度が最も強くなる、すなわち最もフィルム表面が白濁して見えるのは、フィルム主面に対して略30°方向から観察した場合である。図9で示した測定系は、この実験結果を反映しており、これにより、散乱強度が最も強く反映された結果を得ることができる。
なお、フィルム11の測定角度は、30°に特に限定されず、45°以外の角度であれば適宜設定できる。フィルム11の表面に対して45°の方向から光の照射を行った場合は、光源からの光の正反射成分が直接、輝度計25に受光されてしまい、散乱特性の測定ではなくなることが実験より明らかになっている。
光の直進線上であってフィルム11を挟んで光源24の対面となる位置には、光の進行する方向に面する黒色の吸収体26を配置した。また、光源24及び黒色の吸収体26と直交する方向に、すなわち、フィルム11の主面に対して60°の方向であってかつ光の進行方向と直交する方向に、輝度計25及び吸収体27を配置した。すなわち、輝度計25と吸収体27とは、フィルム11を挟んで、互いに対向する位置に配置されており、輝度計25の測定方向と、吸収体27とが互いに面している。輝度計25はフィルム11の表面側に、吸収体27はフィルム11の裏面側に、それぞれ配置した。
吸収体26は、フィルム11に入射した光のうち、散乱成分を除いた、フィルム11をそのまま透過した光(透過光)を吸収する。また、吸収体26及び27は、フィルム11の表面で散乱した光のうち、フィルム11の表面側に散乱した成分を除いた、モスアイフィルム22の裏面側に散乱した成分を吸収する。
輝度計25には、SR−UL1(トプコンテクノハウス社製)を用いた。測定条件は、測定角2.0°視野とし、被験体23との距離を40cmとした。吸収体26及び27によって、フィルム11の裏面側に抜けた光が吸収されることになるので、このような測定系によれば、フィルム11の表面で散乱し、フィルム11の表面側に向かって進んだ光の量(反射散乱光量)を測定することができる。
光源24には、キセノンランプ(MC−961C、大塚電子社製)を用いた。フィルム11表面付近の照度は、3000Lxとし、光源24と被験体23との距離は15cmとした。
図8中、平行入射で示したグラフは、光源24の方向に突起12が向くように、被験体23をセットした場合の測定結果である。一方、図8中、垂直入射で示したグラフは、光源24と反対の方向に突起12が向くように、被験体23をセットした場合の測定結果である。
なお、突起12の傾斜方向を特定する方法としては、フィルム11の断面をSEMにより観察する方法、又は、種々の方位から反射率及び散乱特性を測定し、反射率及び散乱特性の方位角依存を測定する方法が挙げられる。
図8に示すように、光源24の方向に突起12を向けた状態では、短波長領域での散乱光量は小さく、光源24からの光はあまり散乱していない(散乱性が小さい)ことが確認できた。すなわち、この状態では、フィルム11表面での光の反射が抑えられ、光の散乱性も低く、フィルム11は、従来のモスアイフィルムと同様の低反射フィルムとして機能することが確認できた。
一方、光源24と反対の方向に突起12を向けた状態では、短波長領域での散乱強度が大きくなっており、光源24からの光が散乱している(散乱性が高い)ことが確認できた。これは、この状態では、光源24からの光は突起12の尾根部分に入射し、屈折率が連続的に変化するモスアイ構造の反射防止効果を得ることができないためであると考えられる。
次に、実施例1の光学フィルム11の反射率を測定した結果を図10に示す。反射率Rは、黒色のアクリル板上にフィルム11を貼り付けた状態で、紫外可視分光光度計(日本分光社(JASCO)製、V−560型)により測定した。この分光光度計の受光部の受光角は、5°であり、5°以内の正反射成分のみを測定した。
その結果、図10に示すように、基準線33に対して略平行な方向からフィルム11に入射した光(図10中において平行入射で示される光)については、全可視光領域において、効果的に反射率が低減されていることが確認できた。
一方、基準線33に対して略垂直な方向からフィルム11に入射した光(図10中において垂直入射で示される光)については、短波長領域での反射率が大きくなっていることが確認できた。これは、短波長領域での光の散乱による影響であると考えられる。
次に、実施例2、3及び比較例1を用いて、フィルム11の光学特性の指向性を制御する方法について説明する。
(比較例1)
ラビング処理時の押し圧を50kPa(0.5kg重/cm)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして比較例1の光学フィルムを作製した。
(実施例2)
ラビング処理時の押し圧を100kPa(1.0kg重/cm)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして実施例2の光学フィルムを作製した。
(実施例3)
ラビング処理時の押し圧を150kPa(1.5kg重/cm)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして実施例3の光学フィルムを作製した。
そして、図11〜13に示した比較例1及び実施例2、3のSEM写真(俯瞰図)を用いて、傾斜突起の個数密度を測定した。具体的には、SEMの測定エリア=20μm内(SEM像にて4μm×5μm程度となる倍率)で、傾斜突起の個数をカウントし、この個数を測定面積で割って求めた。測定には、FE−SEM(日立ハイテクテクノロジー社製、S4700)を用いた。
その結果、比較例1では、傾斜突起の個数密度は0.05個/μmであり、傾斜突起をほとんど確認できず、フィルムの光学特性に指向性は発現しなかった。
一方、実施例2では、傾斜突起の個数密度は0.87個/μmであり、実施例3では、傾斜突起の個数密度は2.45個/μmであった。また、実施例2及び3では、フィルムの光学特性に指向性が発現した。
このように、突起12の全ては傾斜している必要はなく、突起12の一部が傾斜し、突起12の残りは、フィルム11の主面に対して略垂直な方向に向いていてもよい。
また、比較例1、実施例2及び3の結果から、フィルム11の光学特性に指向性を確実に付与する観点からは、傾斜突起の個数密度は0.5個/μm以上であることが好ましく、0.7個/μm以上であることがより好ましく、0.8個/μm以上であることが更に好ましく、0.85個/μm以上であることが特に好ましい。
また、図11〜13に示した比較例1及び実施例2、3のSEM写真(俯瞰図)を用いて、スティッキング構造の個数密度を測定した。測定は、傾斜突起の個数密度の測定方法と同様に行った。
その結果、比較例1では、スティッキング構造の個数密度は0.41個/μmであり、実施例2では、スティッキング構造の個数密度は0.26個/μmであり、実施例3では、スティッキング構造の個数密度は0.20個/μmであった。
このように、指向性が発現する押し圧を加えることによって、スティッキング構造は、減少することが分かった。これは、スティッキング構造が押し圧による応力を受けることで離別するためと考えられる。
また、比較例1、実施例2及び3の結果から、フィルム11の光学特性に指向性を確実に付与する観点からは、スティッキング構造の個数密度は0.40個/μm以下であることが好ましく、0.35個/μm以下であることがより好ましく、0.30個/μm以下であることが更に好ましく、0.26個/μm以下であることが特に好ましいことが分かる。0.40個/μmを超えると、本発明の光学フィルムの光学特性に指向性を付与できないことがある。
なお、スティッキング構造の個数密度が2.1個/μm以上であると、光学特性に指向性が発現せず、いずれの方向からも白濁して観察されてしまうことがある。
また、スティッキング構造の形状は、フィルム11の主面を平面視したときに、一つ当たり、中心から放射状に広がる星型、複数の円又は楕円形状が重複してできた瓢箪形若しくは花形、又は、規則性のない不定形を有していた。
また、フィルムの11主面を平面視したときの、傾斜突起の傾斜方向のバラツキは、実施例2では、30°以内であり、実施例3では、30°以内であった。
次に、指向性(傾斜突起)の発現とモスアイ構造との関係について説明する。
突起の高さhに関しては、金型に形成された微小な穴のピッチ、すなわち突起のピッチpを固定して考えた場合(例えば、ピッチ=180nmの場合)、図14に示すように、高さhが大きくなればなるほど、突起に斜め方向の指向性を発現させるためのラビング処理時の押し圧は小さくなる。
突起のピッチpに関しては、金型に形成された微小な穴の深さを固定して考えた場合(例えば、深さ=400nmの場合)、図15に示すように、ピッチpが広くなればなるほど、突起に斜め方向の指向性を発現させるためのラビング処理時の押し圧は大きくなる。
なお、樹脂材料への微小な穴の深さの転写率は、略60%であり、微小な穴の深さを400nmに設定した場合、突起の高さhは、略240nmとなる。
以下に、指向性(傾斜突起)の発現とモスアイ構造との関係について、実際にフィルムを作製し、検証した結果を示す。
(実施例4)
円錐状の突起のピッチを100nmとし、円錐状の突起の高さを200nmとし、ラビング処理時の押し圧を変更したこと以外は、実施例1と同様にして実施例4の光学フィルムを作製した。
(実施例5)
突起のピッチpを200nmとし、ラビング処理前の突起の高さhを200nmとし、ラビング処理時の押し圧を変更したこと以外は、実施例1と同様にして実施例5の光学フィルムを作製した。
(実施例6)
突起のピッチpを200nmとし、ラビング処理前の突起の高さhを200nmとし、ラビング処理時の押し圧を変更したこと以外は、実施例1と同様にして実施例6の光学フィルムを作製した。
(実施例7)
突起のピッチpを200nmとし、ラビング処理前の突起の高さhを300nmとし、ラビング処理時の押し圧を変更したこと以外は、実施例1と同様にして実施例7の光学フィルムを作製した。
(実施例8)
突起のピッチpを200nmとし、ラビング処理前の突起の高さhを300nmとし、ラビング処理時の押し圧を変更したこと以外は、実施例1と同様にして実施例8の光学フィルムを作製した。
(実施例9)
突起のピッチpを200nmとし、ラビング処理前の突起の高さhを400nmとし、ラビング処理時の押し圧を変更したこと以外は、実施例1と同様にして実施例9の光学フィルムを作製した。
(実施例10)
突起のピッチpを200nmとし、ラビング処理前の突起の高さhを400nmとし、ラビング処理時の押し圧を変更したこと以外は、実施例1と同様にして実施例10の光学フィルムを作製した。
表1に、ラビング処理時の押し圧と、突起のピッチp及び高さhとの相関関係について評価した結果を示す。表1中の押し圧は、突起に斜め方向の指向性を発現させるための押し圧の下限値を示し、単位は、kg重/cmである。
Figure 0005108151
なお、高さhが100nm以下の範囲と、ピッチpが400nmを超える範囲とでは、モスアイ構造による防眩効果が小さく、有用性が低いため、評価していない。
この結果、突起に指向性を発現するには、ピッチpが大きくなるにつれて押し圧を強くする必要があり、高さhが高いほど押し圧は弱くてもよいことが確認できた。
次に、ガラス転移温度(Tg)の異なる複数のフィルムを作製し、ラビング処理時の押し圧と、樹脂材料のTgとの相関関係について評価した結果について説明する。
(実施例11)
実施例1と異なる金型及び材料(樹脂Aとする)を用いてモスアイ構造を作製し、ラビング処理時の押し圧を変更したこと以外は、実施例1と同様にして実施例11の光学フィルムを作製した。
(実施例12)
実施例1と異なる金型及び材料(樹脂Bとする)を用いてモスアイ構造を作製し、ラビング処理時の押し圧を変更したこと以外は、実施例1と同様にして実施例12の光学フィルムを作製した。
(実施例13)
実施例1と異なる金型及び材料(樹脂Cとする)を用いてモスアイ構造を作製し、ラビング処理時の押し圧を変更したこと以外は、実施例1と同様にして実施例13の光学フィルムを作製した。
(実施例14)
実施例1と異なる金型及び材料(樹脂Dとする)を用いてモスアイ構造を作製し、ラビング処理時の押し圧を変更したこと以外は、実施例1と同様にして実施例14の光学フィルムを作製した。
樹脂A〜Dは、いずれもアクリレート系UV硬化性モノマー又はオリゴマー(日本化薬社製、KAYARADシリーズ)である点で共通しているが、それぞれTg等の物性値が異なっている。樹脂Aは明確なTgの値を示さなかった。樹脂BのTgは、48℃であり、樹脂CのTgは、65℃であり、樹脂DのTgは、84℃であった。
実施例11〜14に用いた金型に形成された微小な穴のピッチは、200nmであり、深さは、520nmであった。すなわち、実施例11〜14における突起のピッチpも200nmである。また、実施例11〜14におけるラビング処理前の突起の高さhは255nmであった。
このように用いた金型の穴の深さは深く、転写された突起12の高さも高い。このため、押し圧の影響を受けやすく、材料が硬い場合の指向性の発現性は低いと考えられる。
表2に結果を示す。表2中の押し圧は、突起に斜め方向の指向性を発現させるための押し圧の下限値を示し、単位は、kg重/cmである。
Figure 0005108151
表2より、Tgが低い樹脂ほど、突起に斜め方向の指向性を発現させやすく、Tgが高くなるにつれて突起に斜め方向の指向性を発現させるためのラビング処理時の押し圧は増加する傾向が得られた。
また、押し圧を0.5kg重/cm(50kPa)以上に設定することで、Tgが48℃以下の材料により形成され、かつ突起のピッチpが200nm以下であり、更にラビング処理前の突起の高さhが255nm以上のモスアイ構造に対して確実に指向性を付与できることが分かった。
更に、押し圧を2.0kg重/cm(200kPa)以上に設定することで、Tgが65℃以下の材料により形成され、かつ突起のピッチpが200nm以下であり、更にラビング処理前の突起の高さhが255nm以上のモスアイ構造に対して確実に指向性を付与できることが分かった。
そして、押し圧を3.0kg重/cm(290kPa)以上に設定することで、Tgが84℃以下の材料により形成され、かつ突起のピッチpが200nm以下であり、更にラビング処理前の突起の高さhが255nm以上のモスアイ構造に対して確実に指向性を付与できることが分かった。
ただし、硬い樹脂を用いた場合、具体的には樹脂A又は樹脂Dを用いた場合は、複数回ラビング処理を行うと、突起が折れてしまうことがあった。
なお、一般にUV硬化性樹脂では、重合反応の活性点が多い樹脂を選択するほど、重合後の架橋密度が大きくなり、Tgが高くなるとともに硬い硬化物が得られる傾向にある。
(実施形態2)
本実施形態の光学フィルムは、モスアイ構造を構成する突起の配置が異なること以外は、実施形態1の光学フィルムと同様の構成を有するので、実施形態1と異なる点についてのみ詳細に説明する。また、実施形態1と同様の機能を発揮する部材については、同じ符号を付して説明する。
本実施形態の光学フィルム11の主面は、図16(a)に示すように、日の字状に2つの領域15及び16に分割され、突起12は、2つの領域15及び16の間で異なる方向に向かって傾斜している。図16(a)及び(b)に示すように、フィルム11を正面視したとき、左側の領域15において突起12(突起12L)は、右側、すなわち領域15及び16の間の境界線である中心線35側に向かって傾斜している。一方、図16(a)及び(c)に示すように、フィルム11を正面視したとき、右側の領域16において突起12(突起12R)は、左側、すなわち中心線35側に向かって傾斜している。このように、突起12L及び12Rは、フィルム11の主面を平面視したときに、フィルム11の内側に向かって傾斜している。
これにより、フィルム11を正面から観察した場合、突起12L及び12Rは、その観察者の方に向かって傾斜した状態になる。したがって、フィルム11を正面から観察する観察者に対しては、フィルム11は反射防止フィルムとして機能する。一方、フィルム11を左右から観察した場合、その観察者は、突起12L及び12Rの尾根部分を観察することになる。したがって、この場合、フィルム11表面での光の散乱性は高くなる。
本実施形態によれば、フィルム11の周辺部(好適にはディスプレイの周辺部)に位置する突起12は、フィルム11の主面を平面視したときに、フィルム11の内側に向かって傾斜している。すなわち、突起12の底面の中心に対して、突起12の頂点がフィルム11(好適にはディスプレイ)の内側にある。したがって、本実施形態の光学フィルム11は、主に正面方向からディスプレイが観察される機器に用いられる覗き見防止シートに好適である。そのような機器としては、例えば、携帯電話機、PDA等の携帯端末、ATM(現金自動預け払い機)、ノートパソコンが挙げられる。また、本実施形態は、機密情報を表示するデスクトップパソコンに用いられる覗き見防止シートとしても好適である。
本実施形態の光学フィルム11の主面は、図17(a)に示すように、目の字状に3つの領域15、16及び17に分割されてもよい。突起12は、左右の領域15及び16の間で、図16で示した場合と同様に、反対の方向(フィルム11の内側)に向かって傾斜している。他方、真ん中の領域17では、図17(b)に示すように、突起12は、フィルム11の主面に対して垂直な方向を向いている。
これによっても、主に正面方向からディスプレイが観察される機器に用いられる覗き見防止シートとして好適に用いることができる。
なお、図16及び17で示したように、同一主面内で、異なる複数の方向に突起12を傾けるためには、フィルム11の主面を複数の方向にラビングすればよい。
また、分割された上記領域毎に個別にディスプレイ及びフィルム11を配置してもよい。これにより、インフォメーションディスプレイ等の、複数のディスプレイを組み合わせた大きさサイズのディスプレイに本実施形態を適用することができる。また、大きさサイズのディスプレイの正面方向における視野角特性をより改善することができる。
以上、実施形態1及び2の光学フィルム11によれば、モスアイ構造を有しつつ、反射、散乱等の光学特性に指向性を付与することができる。
また、実施形態1及び2によれば、ディスプレイの表示時に、フィルム11の散乱性を制御することができる。このように、実施形態1及び2においては、フィルム11にランダムな散乱性を付与するのではなく、ラビング処理の方向にモスアイ構造を構成する突起が精度良く配置(配向)され、その結果、散乱方向の制御が可能となる。
なお、実施形態1及び2において、傾斜突起の傾斜角度は、フィルム11の主面内において一定である必要はなく、フィルム11の主面内において変化してもよい。例えば、図18に示すように、突起12の傾斜角度は、フィルム11の周辺部41から中央部42に向かって徐々に小さくなってもよい。
これによれば、正面からフィルム11を観察している観察者の方に、より確実に傾斜突起を向けることができる。したがって、正面からフィルム11を観察した場合において、フィルム11、すなわちフィルム11を通して見る物(ディスプレイ画面等)の視認性をより向上することができる。
また、実施形態1及び2において、傾斜突起の個数密度は、フィルム11の主面内において一定である必要はなく、フィルム11の主面内において変化してもよい。例えば、図19に示すように、突起12の個数密度は、フィルム11の周辺部41から中央部42に向かって徐々に小さくなってもよい。
これによれば、正面からフィルム11を観察している観察者に対して、フィルム11は、より確実に反射防止機能を発揮することができる。したがって、正面からフィルム11を観察した場合において、フィルム11、すなわちフィルム11を通して見る物(ディスプサイ画面等)の視認性をより向上することができる。
なお、傾斜突起の傾斜角度及び/又は個数密度をフィルム11の主面内に変化させるためには、押し圧を変化させながらフィルム11をラビングすればよい。
更に、フィルム11上でラビング処理の方向及び/又は押し圧を適宜変更することによって、フィルム11に、屈折率の違いを利用した模様を付けてもよい。例えば、フィルム11のラビング処理した部分を白濁させたり、ラビング処理の強度(押し圧)に応じてその白濁の度合いを変化させたりしてもよい。これにより、フィルム11にイメージを描画することができる。このようにフィルム11の屈折率を制御することによって、実施形態1及び2をインテリア、エクステリア等の装飾品に適用することができる。なお、イメージが描画されたフィルム11は、透明ガラス上に貼り付けられてもよい。
そして、実施形態1及び2において、傾斜突起が形成された領域の大きさは、フィルムの光学特性の指向性が視認できる範囲であれば特に限定されない。
また、傾斜突起を形成するための方法としては、突起に物理的に力を加える方法が好適であり、上述のようにラビング装置等の装置を用いて機械的に擦る方法の他、布、ティッシュペーパー等の柔らかい繊維質の部材を用いて人が擦る方法であってもよい。
更に、レーザによって斜めに微細な穴が形成された金型を用いて傾斜突起を形成してもよい。
本願は、2009年7月28日に出願された日本国特許出願2009−175703号を基礎として、パリ条約ないし移行する国における法規に基づく優先権を主張するものである。該出願の内容は、その全体が本願中に参照として組み込まれている。
11:光学フィルム
12、12L、12R:突起
13:下地層
14:モスアイ構造
15、16、17:領域
21:透明ガラス板
23:被験体
24:光源
25:輝度計
26、27:吸収体
31、32:光
33:基準線
34:傾斜角度
35:中心線
41:周辺部
42:中央部

Claims (19)

  1. 複数の突起を含むモスアイ構造を備えた光学フィルムであって、
    前記複数の突起は、当該フィルムの主面に対して斜め方向に傾いた複数の傾斜突起を含み、
    前記複数の傾斜突起は、当該フィルムの主面を平面視したときに、略同じ方向に傾斜しており、
    前記複数の突起は、前記光学フィルムの周辺部に前記複数の傾斜突起を含み、
    前記周辺部の前記複数の傾斜突起は、前記光学フィルムの主面を平面視したときに、当該フィルムの内側に向かって傾斜していることを特徴とする光学フィルム。
  2. 前記光学フィルムの光学特性は、当該フィルムの主面に対して斜め方向に指向性を示すことを特徴とする請求項1記載の光学フィルム。
  3. 前記複数の傾斜突起は、前記複数の突起に物理的に力を加えることによって形成されることを特徴とする請求項1又は2記載の光学フィルム。
  4. 前記複数の傾斜突起の個数密度は、0.5個/μm以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光学フィルム。
  5. 前記複数の傾斜突起の個数密度は、前記光学フィルムの主面内で変化することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の光学フィルム。
  6. 前記複数の傾斜突起の傾斜角度は、前記光学フィルムの主面内で変化することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の光学フィルム。
  7. 前記モスアイ構造は、前記複数の突起のいくつかの先端部同士が互いに結合して形成されたスティッキング構造を有し、
    前記スティッキング構造の個数密度は、0.40個/μm以下であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の光学フィルム。
  8. 複数の突起を含むモスアイ構造を備えた光学フィルムの製造方法であって、
    前記製造方法は、前記モスアイ構造に物理的に力を加える工程を含むことを特徴とする光学フィルムの製造方法。
  9. 前記工程は、所定の方向に向かって前記モスアイ構造を擦るラビング工程を含むことを特徴とする請求項記載の光学フィルムの製造方法。
  10. 前記ラビング工程は、前記モスアイ構造を機械的に擦る工程を含むことを特徴とする請求項記載の光学フィルムの製造方法。
  11. 前記ラビング工程における押し圧は、50kPa以上であることを特徴とする請求項又は10記載の光学フィルムの製造方法。
  12. 前記ラビング工程における押し圧は、200kPa以上であることを特徴とする請求項11記載の光学フィルムの製造方法。
  13. 前記ラビング工程における押し圧は、290kPa以上であることを特徴とする請求項12記載の光学フィルムの製造方法。
  14. 複数の突起を含むモスアイ構造を備えた光学フィルムの光学特性を制御する方法であって、
    前記制御方法は、前記モスアイ構造に物理的に力を加えることを特徴とする光学フィルムの光学特性を制御する方法。
  15. 前記制御方法は、所定の方向に向かって前記モスアイ構造を擦ることを特徴とする請求項14記載の光学フィルムの光学特性を制御する方法。
  16. 前記制御方法は、前記モスアイ構造を機械的に擦ることを特徴とする請求項14又は15記載の光学フィルムの光学特性を制御する方法。
  17. 前記制御方法は、前記モスアイ構造に50kPa以上の圧力を加えながら前記モスアイ構造を擦ることを特徴とする請求項1416のいずれかに記載の光学フィルムの光学特性を制御する方法。
  18. 前記制御方法は、前記モスアイ構造に200kPa以上の圧力を加えながら前記モスアイ構造を擦ることを特徴とする請求項17記載の光学フィルムの光学特性を制御する方法。
  19. 前記制御方法は、前記モスアイ構造に290kPa以上の圧力を加えながら前記モスアイ構造を擦ることを特徴とする請求項18記載の光学フィルムの光学特性を制御する方法。
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