JP5107067B2 - 快適性編物 - Google Patents

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本発明は、通気性に優れ、速乾性と発汗時のドライ感に優れた衣料用編物を提供するものであり、本発明の編物は、肌着、スポーツウェアー、ワーキングウェアー、手袋などの衣料、ベッドシーツ、布団カバー、枕カバーなどの寝装用途、カーシート、椅子のカバーなどのインテリア用途に広く使用できる。
肌着、スポーツウェアー、ワーキングウェアー、手袋などの衣料、ベッドシーツ、布団カバー、枕カバーなどの寝装用途、カーシート、椅子のカバーなどのインテリア用途に広く使用される編物、とりわけ肌に直接接して使用される肌着、スポーツウェアーの快適性は優れた吸汗性と速乾性、肌離れの良さ、ストレッチなど体の動きへの追随性、熱移動性などのファクターが考慮される。ハードな運動に供せられるスポーツウェアーあるいは炎暑期の肌着やTシャツにおいては、体にこもった熱を衣服を通して外界に速やかに放出することが何よりも重視されなければならない。このとき編物の通気性は極めて重要な因子である。
編物に通気性を与える方法としては従来、細い糸を使用する、捲縮の無い生糸を使用する、空隙の多い織・編組織を採用するなどが手法として採られている。伝統的な紗、絽はその好例である。しかしながら通気性を大きくすればするほど布の他の機能、例えばスポーツシャツであれば、体に適度にフィット性、ある程度の強度、形態安定性、さらには透け防止性が犠牲となる。結果的にそれらを共に満足する布を実現することは自ずと限界があった。たとえば特許文献1では空隙の大きい編み構造を細い糸で構成する縦編地が提案されているが、これは透けの大きい編地となって陸上競技のランニングシャツとしては好適であったとしても、T-シャツやゴルフシャツとしては適さないという欠点がある。
また最近、編地に、部分的に通気性の高い編み組織を形成するコンピューター制御によるジャカード柄編地が使用される例が提案されている(例えば特許文献2)が、この方法では生産性とコストに難点がある。また、マルチフィラメントや紡績糸を強撚して編物とすれば通気度は大きくなるが、過度にドレープが出てフィット性が損なわれるし、コスト的にも高くなる。一方、モノフィラメントを使用すれば確実に通気度は上がるが、風合いが硬くなり肌に直接接して着用される衣服としては全く不適当なものとなってしまう。
また編物が濡れたときに構成糸が伸張することで編目が広がり通気性が増大するような、一定の湿潤伸長率を有する糸が提案されている(例えば特許文献3,4)が、充分な湿潤に至るまでは通気性が上昇しないという欠点がある。
扁平断面の繊維を用いた布帛としては、特許文献5に扁平度(長辺/短辺)2.0〜4.0の繊維が、特許文献6に扁平度(長辺/短辺)3〜6の繊維が提案されているが、いずれも通気度を抑制する効果を標榜している。これは扁平な糸の長軸側面が衝立効果として防風性を示すことを利用したものと解せられ、このように一般に扁平糸を使用すれば通気性は低下する。また特許文献7には扁平度(長辺/短辺)2〜6の繊維を用い且つ特定のカバーファクターにおいて織物の通気度を大きくできる例が記載されている。この場合、例えば44dtexという細い糸によって織密度の疎な織物とすることで通気度を高めており、扁平糸の断面形状によって通気性の高い布が広汎に作れることを示したものではない。また上記いずれの発明も編地に応用した記述はなく、本発明が目的とする単位面積あたりの重量が高く、通気度も高い編物を実現することはできない。
特開2001−200457号 特開2002−220708号 特開2005−163225号 特開2006−132010号 特開2005−273104号 特開2006−70397号 特開2007−327161号
本発明者らはコスト的にも負担が少なく、布の基本的性能を損なうことなく簡便な方法で得られ、単位面積あたりの重量が高い編物に高い通気度を与え、快適性も優れた編物について鋭意検討をおこなった。とりわけ繊維素材の断面形状に工夫を加え、高い通気性のみならず優れた肌触り、吸汗性、速乾性を併せて実現する編物について検討した結果本発明に至った。
その結果本発明に達したものである。すなわち、(1)繊維軸方向に捩れを有する扁平断面の扁平糸からなる合成繊維マルチフィラメントであって扁平糸の扁平度L/Dが3〜7、単糸デシテックスが2.0から6.0であり、さらに仮撚り加工を施されており捲縮率が7%〜15%であるマルチフィラメントを使用した編物であって、単位面積あたりの重量が100g/m以上であり、フラジール法による通気度が250cc以上である快適性に優れた編物。(2)扁平断面の長径方向の両端が中央部より丸みを帯びたいわゆるドッグボーン形状で中央部の最短巾をLmin 丸み両端部の最大径を Lmax としたときの Lmax/Lmin 値が1.3から2.0である形状を有することを特徴とする(1)に記載の快適性に優れた編物である。
本発明の手段として扁平形状の断面を持つ扁平糸を用いることを提案するものである。扁平形状であることで、繊維の表面積が高まり、吸水性と吸い取った水の蒸散に有利であり、衣類に用いることで汗を肌表面から速やかに除去することができ、快適性が高い。また繊維が屈曲しやすいのでソフトな風合いとなる。したがって本発明の編物は特に肌に直接接する用途に好適である。一般に丸断面の単糸からなるマルチフィラメントは単糸どうしが密な充填をし易く、空気の流れが単糸間を通過しにくく、結果として編物の通気性を低下させる。扁平断面形状の単糸からなるマルチフィラメントは単糸どうしが、低い充填密度で互いに接することが出来る。ただしそれを実現するには単糸それぞれが長さ方向に捩れを有していなければならない。それにより、扁平断面形状を持つ単糸の長径を直径とする仮想円柱の領域に他の単糸が入り込めないことになり、単糸間に大きな空隙が確保される。なお、上記の捩れは、仮撚り、インターレース、実撚りで実現できる。扁平断面の扁平度は単糸の長径の長さをL、短径をDとしたときL/Dで表すことが出来る。本発明の編物はL/Dが3〜7である。このことによって本発明の編物は繊維どうしは適度な空隙を生じるので通気度が高く、軽量、低密度でボリューム感のある編物が得られる。L/Dは好ましくは3.5〜5である。L/Dが3未満であると扁平度が不十分で充填が密になりがちで通気性が低下する。7を超えると糸の厚み方向の強度が十分保てず糸が壊れやすくなる。特に仮撚り等により糸に捻りを加えた時に壊れやすく、そうした糸で布を作ると縞状の欠点となって商品価値が無くなる。本発明の扁平糸の単糸デシテックスは2.0から6.0である。より好ましくは2.5から4.5である。2.0未満であれば厚み方向の強度が十分保てず壊れやすくなる。6.0を超えると布の風合いが硬くなり肌に接して着用される衣服としては不適当となる。すなわち単糸デシテックスが2.0から6.0であることで、編物は肌に直接接する用途にも好適な柔軟で、強度も高いものとなる。
本発明の得ようとする編物は、このような条件を満たすマルチフィラメントを編物の構成成分の20重量%以上使用することで得られるフラジール法での通気度250cc以上を有する編物である。例えば丸編みダブルニットの裏面の半分に使用すれば使用比率は約20重量%となるがこれは必要最小限の比率で、これを下回れば上記通気度を得にくくなる。丸編地において通気度250ccを確保するには、本発明によらない場合は、単に細い糸を多用し、タックを多用した開口部の多い組織とすることで可能ではあるが、反面ペラペラの生地となり衣料として適さないものになる。たとえば28Gのダブルニットで56T-24Fのポリエステル加工糸100%で鹿の子調の組織を作り、平米90gの生地に仕上げれば280cc程度の通気度が可能であるが生地は薄っぺらでピリング、スナッグ、強度が劣り、スポーツシャツやTシャツとしては適さない。本発明の編地の単位面積あたりの重量は100g/m2 以上であるが、より好ましくは110g/m2 以上である。100g/m2未満であれば上述したように、さしたる工夫も無く高い通気性を得ることが出来る反面、布は薄過ぎて衣料としての強度(破裂強度、ピリング、スナッグ)や形態安定性を確保できない。
本発明の方法によれば多様な太さの糸と共用が可能で生地製造のバラエティが多くなる。本発明の方法によれば多様な組織の編地製造が可能となり製品デザインのバラエティが広がる。例えば上記の28Gの鹿の子調組織において本発明の糸としてポリエステル84T-24Fを表に使用し、裏糸を丸断面ポリエステル加工糸84T-48Fと繋ぎ糸をポリエステル加工糸56T-24Fとして平米150gの生地に仕上げれば280cc程度の通気度が可能である。この生地は強度、ピリング、スナッグも実用上問題ない数値で、透けも抑制されたスポーツシャツに適した生地である。本発明の編物における扁平糸の交編比率は20重量%以上であることが重要であるが、好ましくは30重量%以上であり、更に好ましくは40重量%以上である。20重量%未満であれば他の糸を極端に細いものを使用せざるを得なくなり上述したような欠点が出てくる。なお本発明において扁平糸以外の構成要素の糸としては、加工糸、生糸に関わらず太さは167Tから33Tが使用できるので生産できる生地範囲が広い。編地のゲージ(G)としては、36Gから20Gが使用できるので生産できる生地範囲が広い。
本発明で用いる扁平糸を構成するポリマーとしては、熱可塑性のポリエステル(テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタリン−2,6−ジカルボン酸、フタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸、またはこれらのエステル類と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサン−1,4ジメタノール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のジオール化合物とから合成される繊維形成性のポリエステルが例示される)、ナイロン(特にナイロン6とナイロン66)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、エチレンビニルアルコールなどが好適に使用できるが、とりわけポリエチレンテレフタレートが良い。これらポリマーの単独で繊維となしても良いが、2種以上を複合して芯鞘状や、サイドバイサイドの張り合わせとしても良い。繊維の形態は長繊維が好ましい。短繊維による紡績糸は好ましくない。
本発明で用いる扁平糸は、扁平断面の長径方向の両端が中央部より丸みを帯びたいわゆるドッグボーン形状で中央部の最短巾をLmin 両端部の最大径を LmaxとしたときのLmax/Lmin 値が1.3から2.0、より好ましくは1.4から1.7である形状を有することを特徴とすることで快適性にすぐれた編地となる。ドッグボーン形状とすることで単糸どうしが一層接近し難くなり単糸間に空隙が生じやすいので通気性が更に高まり、更に軽量でありながらボリューム感があり、高級感のある風合いとなる。また肌触りがマイルドになる。断面がドッグボーン形状であることで、断面の中央部が肌に接触しにくくなり、結果として繊維の肌との接点が少なくなるので、蒸れにくく、ドライ感が得られる。また断面がドッグボーン形状であることで繊維の表面積が一層高まるので、吸水性が高く汗を速やかに吸い取り、更に吸い取った水の蒸散も早くなるので、快適である。これらの効果を顕著なものとするにはドッグボーンの両端にある円形部の直径Lmaxと繊維の中央部の最も細い部分の厚みLminは適度な範囲に入っていることが重要である。すなわちLmax/Lmin 値が1.3から2.0が好ましいが、より好ましくは1.4から1.7である。1.3未満であれば繊維どうしの接近を妨げる効果が少ない。2.0を超えてもまた接近を妨げる効果が少ない。
本発明の扁平糸はマルチフィラメントである。該マルチフィラメントには仮撚り加工を施されており捲縮率が7%〜15%であることが必要である。仮撚りによって単糸の軸方向に捩れが発生し、ある1つの単糸の扁平断面の長軸を直径とする円柱内に他の単糸が進入できない空間が生成する。これによって単糸どうしがくっつきにくくなる。仮撚りの程度として捲縮率を指標にすることが適切であり、捲縮率が7%〜15%であることが必要であるが、好ましくは 9%〜12%である。この範囲であれば単糸の長さ方向1mmに1個から4個の捩れが生じる。これにより編地、より具体的には丸編みのループ集合体でのそれぞれにおいて単糸どうしの間隔が適度に保たれて空気の通りが良くなる。捲縮率が7%未満であると単糸間の空間が確保され難く、通気度が低下する。捲縮率が15%を超えても同様に単糸間の空間が確保されにくい。
本発明の編物は編物全体に吸水性の加工が施されており、バイレック吸水長が10cm以上、吸水乾燥性における乾燥時間が40分以下であることが好ましい。また、本実施例に記載の試験方法で測定される肌面残存水分率が40%以下であることが好ましい。合成繊維は汗を吸いにくいので吸水加工によって補ってやる必要がある。たとえばポリエステル繊維の吸水加工は低分子のポリエステル樹脂を繊維内部に浸透させることによって実施される。低分子のポリエステル樹脂は水酸基、カルボキシル基に富んでおり親水性を示す。具体的には該樹脂を編物の重量の1%〜5%含む染色浴中で染色と同時に処理し、該樹脂を繊維内部に押し込むことが出来る。バイレック吸水長は細長い布の端を水に浸して水が吸い上がってくる長さを一定時間で測定するものである。本発明の編物が着用によって快適であるためには吸水性に優れていることが必要であり、バイレック吸水長が10cm以上であることが好ましい。より好ましくは12cm以上である。10cm未満であれば多量に発汗した場合には肌が汗で濡れて快適でない。吸水乾燥性は衣服を着用した時の発汗した汗の乾燥性を示すものであるが、乾燥時間40分以下であることが好ましい。乾燥時間が40分を超えると着用時に衣服が濡れた感じが長引き不快である。肌面残存水分率は衣服が汗を吸った場合に肌に接する面が相対的に汗をより少なく保持していることを示す指標である。肌面残存水分率が小さいほど乾いた感じがして、べとつきも小さく快適である。本発明の編地においては肌面残存水分率が35%以下であることが好ましい。より好ましくは30%以下である。さらに好ましくは25%以下である。肌面残存水分率が低ければ低い程汗をかいてもべとつき感が少ない。35%を超えるとべとつきを感じる。
以下実施例により本発明を詳しく説明する。
(試験方法)
通気度の測定:フラジール法によった。
バイレック法による吸水性:JIS L 1097 の方法によった。
吸水乾燥時間:タテ・ヨコ20cmの厚み100ミクロンのポリエステルフィルム(商品名コクヨOHPフィルムモノクロPPC用)の上にタテ・ヨコ15cmの編地を裏面を上にして載せ、20℃×65%RH下の環境下で試料に約0.3gの水を滴下し、各時間の質量を測定し、次式で残存水分率を算出し、5%未満となった時間を乾燥時間とした。残存水分率(%)=100×(各時間の水分量(g)/滴下直後の水分量(g))
肌面水分残存率:厚さ0.3mmのタテ・ヨコ10cm PETフィルム(商品名コクヨOHPフィルムモノクロPPC用から切り出したもの)の上にタテ・ヨコ8cmの大きさの布を、裏面を上にして置き、フィルムと布を合わせた重量を精密天秤で測定する(W1)、天秤上に置いたまま、布の中心部に上方約5cmから、マイクロシリンジを用いて室温の水道水約0.2gを滴下し直ちに、フィルムと濡れた布を合わせた重量を読み取る(W2)。フィルムと布を天秤から移動し、厚さ10mmでタテ・ヨコ10cmのネオプレンゴムスポンジシート(株式会社ハギテック製)の上に載せる。 水滴下後3分間経過した時、布の上にあらかじめ重量を測定した(W3)タテ・ヨコ6cm、厚さ0.3mmの乾燥した吸い取り紙(商品名:コクヨ製吸取紙シム−1N)を素早く載せ、さらにその上に吸取紙を全面に覆う大きさの錘を(底面の直径が8cmの円形で高さが約2.2cmの鉄製円柱を羊皮で包んだ重量が900gの錘を2個(合計重量1800g)載せる。1分後に錘を取り除き吸取紙の重量を直ちに測定する(W4)。
肌面水分残存率(%)=100×(W4−W3)/(W2−W1)
肌触り評価:10cm角の布を前腕に載せて滑らせ肌触りを、良い、ざらつく、べとつく、硬い、などで判定する。被験者は5名とする。
極限粘度が0.62のセミダル(酸化チタン含有量が0.30%)ポリエチレンテレフタレートを用いて常法によりフィラメントを紡糸した。口金の断面は、(1)開口部が扁平の口金を使用した。(2)開口部が扁平で且つ端が膨らみを有する口金を使用した。いずれのPOYも140デシテックスで24フィラメントである。これらを仮撚りによって加工糸として、捲縮率は10%のいずれも84デシテックス(単糸繊度3.5デシテックス)とした。(1)からはL/D=4.5の扁平糸が出来た。(2)からはL/D=4で両端にほぼ円形の膨らみをもつ扁平断面ドッグボーン形状で中央部の最短巾をLmin 両端部の最大径を Lmax としたときの Lmax/Lmin 値が1.4の扁平糸が出来た。これらを用いて丸編み地を作成した。
丸編み地はダブルニット機で28G(ゲージ)、30インチの編み機を使用した。編み組織は表は小メッシュ、裏はオールニットとした。表には丸断面ポリエステル加工糸SD84T-48Fを使用し、裏面に(1)の扁平糸を用いた。交編率はSD84T-48Fが50%、扁平糸が50%となった。次いで裏面の半分を扁平糸から丸断面糸に置き換えたものを作成した。さらに残余の扁平糸の半分を丸断面糸と置き換えたものを作成した。こうして、扁平糸が12.5%(比較例2)、25.0%(実施例1)、50.0%(実施例2)である編地を作成した。さらに裏面すべて丸断面糸にしたものを作成した(比較例1)。これらの生地を通常の方法で染色仕上げして170cm巾で仕上げ、125g/m2 の重量の生地とした。色はブラックとした。なお染色と同時に吸汗剤を添加して吸汗性能を付与した。
次に(2)のドッグボーン型扁平糸をもちいて上記と同じ要領で生地を作成した。ドッグボーン型扁平糸が12.5%(比較例3)、25%(実施例3)、50%(実施例4)である編地を作成した。これらの生地を通常の方法で染色仕上げして170cm巾で仕上げ、125g/m2 の重量の生地とした。色はブラックとした。なお染色と同時に吸汗剤を添加して吸汗性能を付与した。
これらの生地の通気度を比較した結果を表1として示す。
Figure 0005107067
実施例3で用いたPOYを仮撚りする際に、捲縮率6%と16%のものを作成した。これらの糸を実施例3と同じように生地の裏面に使用して生地全体の25%となるように編地を作成して、吸汗剤の混入した染色液で黒に染色して同じ重量に仕上げた。それぞれ比較例4、比較例5とする。生地としての評価結果を表2に示す。比較例は通気性にやや劣り、また肌触りも劣る。
Figure 0005107067
(比較例6)
極限粘度が0.62のセミダル(酸化チタン含有量が0.30%)ポリエチレンテレフタレートを用いて常法によりフィラメントを紡糸した。口金の断面は、実施例1と同じ口金を使用した。
採取したPOYは140デシテックスで24フィラメントであり、扁平度は8であった。これらを仮撚りによって加工糸として、捲縮率は10%のいずれも84デシテックスとしたところ、断面が破断したものが発生した。なお破断していない単糸の扁平度は概ね8であった。この糸を用いて実施例1と同じ編地の裏面に50%使用したところ、黒に染色後に濃淡縞が現れ品位が劣等なものとなった。
(実施例5、比較例7)
極限粘度が0.62のセミダル(酸化チタン含有量が0.30%)ポリエチレンテレフタレートを用いて常法によりフィラメントを紡糸した。口金の断面は、実施例1と同じ口金を使用した。 採取したPOYは140デシテックスでフィラメント数を16(実施例5)と12(比較例7)とした。扁平度は4.5であった。これらを仮撚りによって84デシテックスの加工糸として、捲縮率は10%とした。この糸を用いて実施例1と同じ編地の裏面に50%、全体の25%使用した。吸汗剤入りで黒に染色後に評価した。実施例1との比較結果を表3に示す。
Figure 0005107067
実施例3の扁平糸のドッグボーン断面における Lmax/Lmin 値が、仮撚り(撚り係数10%)後で2.0(実施例6)と2.2(実施例7)となるような口金を使用して糸を作成して、実施例1と同じ編地の裏に50%、全体として25%の比率で交編して生地を作成し、おなじく黒に染色して仕上げた。この結果、実施例7では実用上殆ど問題ないものの湿潤時布裏面の肌触りの評価がやや低いものとなった。実施例3との性能比較を表4に示す。
Figure 0005107067
以上から、本発明の実施例の衣料用織編物は通気性に優れ、発汗時のべとつきが少なく快適であり、発汗後の乾燥も早いという快適性に優れた織編物であることが確認できた。

Claims (2)

  1. 繊維軸方向に捩れを有する扁平断面の扁平糸からなる合成繊維マルチフィラメントであって前記扁平糸の扁平度(断面の長辺をL、短辺をDとしたとき、L/Dで表される値)が3〜7、単糸デシテックスが2.0から6.0であり、さらに仮撚り加工を施されており捲縮率が7%〜15%であるマルチフィラメントが編地全体の20重量%以上使用された編物であって、単位面積あたりの重量が100g/m以上であり、フラジール法による通気度が250cc以上である快適性に優れた編物。
  2. 前記扁平断面の長径方向の両端が中央部より丸みを帯びたいわゆるドッグボーン形状で中央部の最短巾をLmin 丸み両端部の最大径を Lmax としたときの Lmax/Lmin 値が1.3から2.0である形状を有することを特徴とする請求項1に記載の快適性に優れた編物。
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